商標取消審判
2023-300125
ウエラー
- 審判番号
- 2023-300125
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2013-008480
- 登録番号
- 5597580
- 請求日
- 2023年02月22日
- 審決日
- 2024年08月30日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】サゼラック ブランズ, エルエルシー
- 【請求人代理人】弁理士法人 竹内国際知財事務所
- 【被請求人】有限会社 オルファー・プロダクツ
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 富澤 哲生
- 分類
- T132 .1 -Y (W14)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5597580号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5597580号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成25年1月28日に登録出願、同年7月12日に第14類「貴金属,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品」を指定商品として設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和5年3月15日になされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和2年3月15日~令和5年3月14日)を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第14類「身飾品」(以下「請求に係る指定商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とするとの審決を求め、審判請求書にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証(枝番を含む。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、請求に係る指定商品について継続して3年以上日本国内において、本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 弁駁書による主張
請求人は、令和5年4月11日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書及び令和5年10月30日付け審尋(以下「審尋」という。)に対する同年11月21日付け回答書(以下「回答書」という。)において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証(枝番を含む。)を提出した。
なお、以下、証拠の表記に当たっては、乙第1号証を「乙1」のように省略して表示する場合がある。
1 答弁の理由
本件商標は、その指定商品中、請求に係る指定商品について継続して3年以上日本国内において商標権者が使用しており、その登録は取り消されるべきものではない。
2 回答書による主張
本件商標を、その指定商品中、請求に係る指定商品について継続して3年以上日本国内において商標権者が使用していたことを証する、動画(乙8の1)と、当該動画の特定場面についての説明(乙8の1-2~乙8の5)を証拠として提出する。
また、本件商標使用店舗の賃貸借契約書(乙9の1)を提出する。
さらに、取引明細照会(乙9の2)を提出し、加えて、これらの証拠について、説明する証拠(乙9の3)を提出し、詳細は、それぞれの証拠において、記載する。
第4 当審の判断
1 事実認定
(1)被請求人の提出した主張及び乙各号証によれば、以下のとおりである。
ア 乙第6号証
乙第6号証は、被請求人が「調布子育て応援サイト掲載情報」と主張するものであり、左上に、いずれも被請求人によるものと思われる「調布子育て応援サイト 2023年広告掲載情報」及びURLの各記載がある。
そして、これらの記載の下に、ウェブサイトの内容が提示されており、その中に、店舗の写真、並びに「WelleR(ウェラー) 仙川店」、「仙川駅を出て右手、仙川商店街の入り口角にある、世界中から買い付けた宝石やアクセサリーが3000種類以上揃うジュエリーセレクトショップ。工房直営のため、オーダーメイドやリフォームも得意で、予算や要望に合わせ熟練の職人がひとつひとつ、丁寧に仕立てます。誕生石を使った記念ジュエリーや親子でお揃い、思い出の品をリフォームして子どもへのプレゼントに・・・など、家族の記念日にぜひ活用しては。」の記載及び「所在地」に対応する「調布市仙川町」内における住所の記載がある。
また、これらの写真及び記載の右に、「朝日新聞/DIGITAL」の記載、その下に「2023年1月11日 ニュース記事一覧」の記載がある。
イ 乙第8号証の1
乙第8号証の1は、商店街の風景を撮影した動画ファイル(mp4形式)であり、再生開始からの経過時間が概ね5分20秒ないし同35秒の範囲において、上記アの写真と外観が概ね同一の店舗が映っている。
また、当該店舗の右側に、道路を挟んで薬局の店舗があり、当該店舗の入り口ガラス扉の左側に「処方せん受付」の表示があり、当該ガラス扉の右側の窓ガラスに白色の十字型のマークが貼り付けられている。
ウ 乙第8号証の1-2
乙第8号証の1-2は、被請求人が、乙第8号証の1の説明資料と主張するものであり、被請求人によるものと思われる「当動画は以下のアドレスにて一般公開されております。証拠として保存したものをDVD-Rでの提出(乙8号証の1.mp4)をいたします。」の記載があり、その下に、URL及びQRコードの記載がある。
エ 乙第8号証の3
乙第8号証の3は、写真ファイル(JPEG形式)であり、当該写真から、店舗内において、イヤリング、ブレスレット、ネックレス等が陳列棚等に陳列されている様子がわかる。
また、当該店舗の窓越しに、道路を挟んで向かい側に薬局が写り込んでおり、上記イと同様に、その入り口ガラス扉の左側に「処方せん受付」の表示があること、当該ガラス扉の右側における窓ガラスに白色の十字型のマークが貼り付けられていることがわかる。
そして、当該写真ファイルのプロパティを表示すると、「撮影日時」が「2019/7/01 11:56」である。
オ 乙第8号証の4
乙第8号証の4は、被請求人が、本件商標の身飾品販売店舗外側面看板での使用を証明する証拠と主張するものであり、被請求人によるものと思われる「乙第8号証の1の証拠動画内、5分23秒付近において、身飾品販売店舗外側面看板に「砂時計付本件商標」が使用されていたことを証明しております。」の記載があり、その下に、動画投稿サイトにおいて投稿動画の再生開始から5分23秒経過した時点で表示される内容がキャプチャされたと思われる画像が提示されている。
そして、当該画像における投稿動画の表示部分は、上記イの動画の再生開始から5分23秒経過後に示されるものと同一であり、当該投稿動画の表示部分の左下に、「仙川の町並み9 東京都調布市」の記載、その下に、「667回視聴 2019/06/16」の記載、その下に、「撮影2019年5月15日 水曜日 15時20分」の記載がある。
カ 乙第8号証の5
乙第8号証の5は、被請求人が、本件商標の継続使用を証するサイトと主張するものであり、被請求人によるものと思われる「乙第8号証の1により2019年5月15日時点では既に本件商標が使用されていることが確認出来、さらに、以下のサイトにおいて第三者が投稿された写真が同一の外観を保持していることから、少なくとも2023年1月17日(以下の写真右上に表示されている投稿日)までは継続的に当該商標が使用されていたことを証明いたします。」の記載があり、その下に、URL及びQRコードの記載がある。
さらに、それらの下にウェブサイトの内容が提示されており、その中に、「仙川ファン」及び「【閉店】WelleR仙川店 2023年2月15日」の各記載、並びに上記アの写真と外観が概ね同一の店舗の写真が含まれているところ、当該店舗の建物に、別掲2に示すとおりの標章(以下「使用標章」という。)が掲出されていることがわかる。
また、上記写真の右上には、時計状の図形とともに「2023年1月17日」の記載がある。
そして、店舗の建物に掲出された使用標章は、乙第6号証における写真、乙第8号証の1における動画でも確認できる。
キ 乙第9号証の1
乙第9号証の1は、「店舗用定期建物賃貸借契約書」であり、1葉目において、その表題の記載の下、「貸主」欄に貸主の氏名の記載、「借主」欄に商標権者の記載がある。
また、その下の「1.物件の表示(A)」の記載に対応する表中の「所在」欄に上記アの住所と番地が一致する東京都調布市仙川町内の住所の記載があり、「2.事業内容(具体的に記載してください)(B)」の記載に対応する四角枠内に「宝飾品・服飾品の企画、製作、輸出及び売買」の記載がある。
ク 乙第9号証の2
乙第9号証の2は銀行口座の「取引明細照会(普通預金)」であり、左上に商標権者の記載、右上に銀行名の記載があり、さらに、これらの記載の下に提示された取引の一覧を示す表中、「取引日」欄が「2023/1/31」、「取引時刻」欄が「05:00:35」、「取引番号」欄が「0002」の行における「摘要」欄に、上記キの貸主の氏名の片仮名表記が、「振込」の記載とともに記載されている。
また、「お引き出し金額(円)」欄には、「462,000」の記載があり、この金額は、乙第9号証の1の「3.賃貸借の条件(C)」の記載に対応する表中の「賃料」欄に記載の「月額 税抜420,000円」に消費税10%分を加算した額と一致する。
(2)上記(1)によれば、次の事実を認めることができる。
ア 乙第8号証の5において提示されているウェブサイトの内容は、2023年1月17日に掲載されたものと解されるところ、その中に含まれている写真は、建物に使用標章が掲出された「WelleR仙川店」(以下「本件店舗」という。)の外観を示すものである。
よって、本件店舗の建物には、2023年1月の時点で使用標章が掲出されていたものと認められる。
イ 乙第9号証の1の「店舗用定期建物賃貸借契約書」(以下「契約書」という。)に記載の住所は、乙第6号証におけるウェブサイトの提示部分に記載の「WelleR(ウェラー) 仙川店」すなわち本件店舗の住所と番地が一致しているから、契約書は、商標権者が、本件店舗の建物を貸主から賃借していたことを示すものであり、一方、乙第9号証の2は、商標権者がその賃料を2023年1月に貸主に納付したことを示すものである。
よって、商標権者は、2023年1月の時点で本件店舗の経営者であったものと認められる。
ウ 乙第8号証の1の動画に撮影されている店舗は、乙第6号証及び乙第8号証の5のそれぞれにおけるウェブサイトの提示部分に含まれる各写真における店舗の写真のいずれとも、店舗の建物に掲出された使用標章を含め、外観が概ね同一であるから、本件店舗であるといえる。
そして、乙第8号証の3の写真において、店舗の窓越しに写り込んでいる薬局における入り口ガラス扉の左側の「処方せん受付」の表示や、当該ガラス扉の右側の窓ガラスに貼り付けられた白色の十字型のマークが、乙第8号証の1の動画撮影されている本件店舗の右側に存在する薬局と一致しているから、当該写真は、本件店舗の店舗内を撮影したものといえる。
そうすると、本件店舗においては、当該写真が撮影された2019年7月1日の時点で、イヤリング、ブレスレット、ネックレス等の身飾品が販売されていたものと認められる。
エ 乙第8号証の4に提示されている画像における撮影日が「2019年5月15日」とされる投稿動画の表示部分が、乙第8号証の1の動画の再生開始から5分23秒経過後に示されるものと同一であることからすれば、乙第8号証の1の動画は、2019年5月15日に撮影されたものといえる。
一方、上記ウで述べたように、乙第8号証の1の動画と、乙第8号証の5の写真で確認できる本件店舗の外観は概ね同一であり、店舗内外の掲示物の配置等の細部において違いがあるとしても、業態の変化がうかがえるほどではない。
さらに、乙第6号証におけるウェブサイトの提示部分には、本件店舗が「世界中から買い付けた宝石やアクセサリーが3000種類以上揃うジュエリーセレクトショップ」である旨の記載がある。
そうすると、本件店舗における身飾品の販売は、2023年1月においても行われていたものと推認できる。
オ 以上を総合すると、商標権者は、2023年1月に、建物に使用標章を掲出した本件店舗において、身飾品を販売したことが認められる。
2 判断
上記1からすれば、次のとおり判断できる。
(1)使用者、使用時期、使用商品及び使用行為について
商標権者が2023年1月に、建物に使用標章を掲出した店舗において身飾品を販売した行為について、使用標章の使用者は商標権者であり、使用標章の使用時期は要証期間であり、使用商品は、請求に係る指定商品である第14類「身飾品」に該当する商品である。
また、身飾品を販売する店舗の建物に使用標章を掲出する行為は、商標法第2条第3項第8号にいう、商品に関する広告に標章を付して展示する行為に該当する。
(2)本件商標と使用標章との社会通念上の同一性について
本件商標は、砂時計を模した図形(以下「砂時計図形」という。)の下に、筆記体の「WelleR」の欧文字と、「ウェラー」の片仮名を2段に書してなり、さらに、「WelleR」の欧文字中、「W」の上に、王冠を模した図形(以下「王冠図形」という。)を配してなるものといえる。
これに対し、使用標章は、砂時計図形の左側に、「W」の上に王冠図形を配した「WelleR」の欧文字が配置されており、また、「ウェラー」の片仮名が存在しないものである。
しかしながら、本件商標においては、砂時計図形、及び「W」の上に王冠図形を配した筆記体の「WelleR」の欧文字が、それぞれ、自他商品の識別標識としての機能を有する部分として看者の注意を強く惹く部分であるといえ、両者の位置関係が本件商標と使用標章とで異なるとしても、看者の受ける印象に格別の差異を生じさせるものではない。
また、本件商標における「ウェラー」の片仮名は、その上段の「WelleR」の欧文字の読み(称呼)を表したものと理解されるところ、「ウェラー」及び「WelleR」のそれぞれからは、特定の観念が生じるものではなく、両者の観念が異なるとはいえない。
そうすると、使用標章は、本件商標と社会通念上同一の標章及び商標であると認められる。
(3)小括
上記(1)及び(2)によれば、商標権者は、要証期間に日本国内において、請求に係る指定商品に該当する商品に関する広告に、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる標章を付して展示する、商標法第2条第3項第8号に該当する行為を行ったことが認められる。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、請求に係る指定商品に該当する商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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