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特許拒絶査定不服審判

2023-021862

シガレット及びシガレット用エアロゾル生成装置

審判番号
2023-021862
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-563138
請求日
2023年12月22日
審決日
2025年04月07日
公報発行日
2025年10月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ケーティー アンド ジー コーポレイション
  • 【請求人代理人】弁理士法人太陽国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 間中 耕治
  • 審判官 竹下 和志
  • 審判官 正木 裕也
分類
P18 .572-Z (A24D) / P18 .575-Z (A24D) / P18 .121-Z (A24D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021-563138「シガレット及びシガレット用エアロゾル生成装置」拒絶査定不服審判事件〔令和3年9月23日国際公開、WO2021/187720、令和4年6月29日特許出願公表、特表2022-530433〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件に係る出願(以下、「本願」という。)は、2020年(令和2年)11月27日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2020年3月17日、韓国(KR))を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は、以下のとおりである。 令和4年10月13日付け:拒絶理由通知 令和5年 1月24日 :意見書及び手続補正書の提出 同 年 4月28日付け:拒絶理由通知 同 年 8月 9日 :意見書及び手続補正書の提出 同 年 8月17日付け:拒絶査定(以下、「原査定」という。) 同 年12月22日 :拒絶査定不服審判の請求書及び手続補正書(以下、この手続補正書による手続補正を「本件補正」という。)の提出 第2 本件補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。 「【請求項1】 エアロゾル生成装置用シガレットにおいて、 エアロゾル生成物質を含むタバコロッドと、 前記タバコロッドの一側に位置し、前記シガレットの長手方向に沿って延びた中空を含む冷却ロッドと、を含み、 前記冷却ロッドの内面には、冷却素材層が塗布され、 前記冷却ロッドは、前記シガレットの半径方向に積層された複数の支持素材層の積層(laminate)を含み、 前記冷却ロッドには、少なくとも1つの穿孔が形成され、外部空気は、前記少なくとも1つの穿孔を通じて前記中空に流入され、 前記シガレットの一端を通じて第1気流量が排出され、 前記穿孔を通じて前記シガレットの半径方向に沿って前記シガレット内部に第2気流量が流入され、前記第1気流量に対する前記第2気流量の比率である空気希釈率は、30~90%であり、 前記冷却ロッドの厚さは、200μm~600μmである、シガレット。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、令和5年8月9日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。 「【請求項1】 エアロゾル生成装置用シガレットにおいて、 エアロゾル生成物質を含むタバコロッドと、 前記タバコロッドの一側に位置し、前記シガレットの長手方向に沿って延びた中空を含む冷却ロッドと、を含み、 前記冷却ロッドの内面には、冷却素材層が塗布され、 前記冷却ロッドには、少なくとも1つの穿孔が形成され、外部空気は、前記少なくとも1つの穿孔を通じて前記中空に流入され、 前記シガレットの一端を通じて第1気流量が排出され、 前記穿孔を通じて前記シガレットの半径方向に沿って前記シガレット内部に第2気流量が流入され、前記第1気流量に対する前記第2気流量の比率である空気希釈率は、30~90%である、シガレット。」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「冷却ロッド」が「シガレットの半径方向に積層された複数の支持素材層の積層(laminate)を含み」、かつ、その「厚さ」を「200μm~600μm」に限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 また、「冷却ロッド」が「シガレットの半径方向に積層された複数の支持素材層の積層(laminate)を含」むことは、願書に最初に添付した明細書の段落【0009】、【0048】、特許請求の範囲の【請求項3】に記載されており、「冷却ロッド」の「厚さ」が「200μm~600μm」であることは、願書に最初に添付した明細書の段落【0013】、【0039】、特許請求の範囲の【請求項7】に記載されているから、本件補正は、同条第3項の規定に適合する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下、「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献 ア 引用文献1 (ア)引用文献1の記載事項 令和5年8月17日付け拒絶査定で引用され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、中国特許出願公開第107087811号(以下、「引用文献1」という。)には、関連する図面とともに以下の事項が記載されている。下線は、当審が付与した。以下同様。 A 「 [図:0001427355000001.jpg] 」(請求項8) (当審訳:「8.前記耐熱中空部シェル(3)の肉厚が0.5-1.1mmであることを特徴とする、請求項1に記載の、煙の温度を下げ、マウスピースの熱崩壊を防止する機能を有する低温シガレット。」) B 「 [図:0001427355000002.jpg] 」 (当審訳:「技術分野 [0001] 本発明は、新しいタイプのシガレット、具体的には、煙の温度を下げ、マウスピースの熱崩壊を防止する機能を有する低温シガレットの技術分野に関する。」) C 「 [図:0001427355000003.jpg] 」 (当審訳:「背景技術 [0002] 低温シガレットは、タバコが外部加熱要素によって加熱されるシガレットであり、シガレット内の噴霧媒体、タバコ内の香味成分、および外部香味は、燃焼によってではなく、煙を生成するために加熱され、従来のシガレットにおけるタバコの燃焼および熱劣化によって生成される既知の種類の有害な煤成分を低減する。外部熱源によって加熱される新しいシガレットの重要な構成要素は、加熱シガレットのシガレットスタブであり、低温加熱条件下で煙エアロゾルの形態でタバコ製品を放出する。タバコ製品は、通常200℃~400℃の霧化温度に達し、高温霧化煙がフィルター部分を通って口に入る温度は、通常のタバコが燃焼する温度よりも高い。」) D 「 [図:0001427355000004.jpg] 」 (当審訳:「[0023] 実施例1 [0024] 煙の温度を下げ、マウスピースの熱崩壊を防止する低温シガレットであって、フィルター1、耐熱中空部、タバコ部2が順に接続されてなり、耐熱中空部が、耐熱中空部シェル3、吸熱層9、耐熱中空部中空層4、及び組成物からなり、耐熱中空部中空層4が中空構造であり、耐熱中空部シェル3の内層の吸熱層9が相変化吸熱材料(例えばポリ乳酸)の層で塗布されていてもよく、又は 耐熱中空部中空層4には、相変化吸熱材料が包まれている。前記耐熱中空部の耐熱中空部シェル3は、耐熱性の高い繊維材料、セラミック材料、不織布、紙等の耐熱性の高い材料で形成されていてもよく、前記繊維材料は、天然繊維、人工繊維等の一定の高温に耐える種々の繊維材料であってもよい。耐熱中空部の中空層は、緩い多孔質な構造又は中空構造であり、緩い多孔質な通気方向は、煙道ガスの循環方向と同じ方向が最もよく、すなわち、煙道ガスの通気方向を変えることがなく、煙草の吸引抵抗に影響を与えない。本実施形態における耐熱中空部シェル3は、中空紙を中空棒状に巻いた構造であり、中空紙棒の肉厚(すなわち耐熱中空部シェル3の肉厚)は0.6mmである。」) E 「 [図:0001427355000005.jpg] 」 (当審訳:「[0027] 実施例2 [0028] 煙の温度を下げ、マウスピースの熱崩壊を防止する低温シガレットであって、フィルター1、耐熱中空部、タバコ部2が順に接続されてなり、耐熱中空部シェル3の一定位置に穿孔が施されている点、すなわち耐熱中空部中空層4に連通する空気孔5が形成されている点で実施例1と区別される。この種のタバコの周辺加熱消費において、加熱されたタバコ部2の熱気流は耐熱性中空部中空層4へタバコの方向に流れ、耐熱性中空部中空層4の冷気と混合し、空気孔5から入る外部の冷気はタバコ部2の熱気流と一緒に混合し、同時に、耐熱中空部シェル3の内層は相変化吸熱材料(例えばポリカーボネート)の吸熱層9で塗布され、相変化によって熱気流の熱を吸収する。 これにより、排ガス中の温度をさらに低下させることができ、タバコのマウスピースの構造はAのようになっている。 [0029] この実施例において、タバコ部2は、タバコフィラメント、タバコフレーク、霧化剤、タバコエキス、タバコ香料等からなり、タバコフィラメントが全重量の24%を占め、タバコフレークが全重量の57%を占め、霧化剤はグリセロール:エチレングリコールの質量比4:1からなり、全重量の15%を占め、タバコエキスが全重量の2.5%を占め、タバコ香料等が全重量の0.5%を占める。 同時に、1%を占める含水感熱カプセルを添加し、タバコ部2の配合はBである。タバコ部の加熱工程中、温度が220℃以上になった後、感熱カプセル中の水分を放出することができ、水分の蒸発によりタバコ部の温度が低下するため、耐熱中空部中空層4に入る排ガスの温度が全体として低下し、その後の冷却のために温度を低下させる便利な方法を提供する。 」) F 「図2 [図:0001427355000006.jpg] 」 (イ)上記(ア)から認められる事項 A 記載事項Cから、低温シガレットは、外部加熱要素によって加熱されるシガレットであって、燃焼によってではなく、煙を生成するために加熱されるものである。 よって、引用文献1に記載された低温シガレットは、外部加熱要素用低温シガレットであるといえる。 B 記載事項E及び図2の図示事項から、低温シガレットは、タバコ部2を含んでいるが、このタバコ部2は、記載事項Eから、霧化剤として、グリセロール:エチレングリコールの質量比4:1からなるものを含んでいるからグリセロールとエチレングリコールからなる霧化剤を含むものということができる。 C 図2の図示事項から、低温シガレットは、タバコ部2の図面左方である一側に位置する耐熱中空部を含むことが看取できる。また、記載事項Eの耐熱中空部は、中空であり、図2の図示事項と併せて記載事項Dの実施例1の耐熱中空部の熱中空層4の説明を踏まえれば、低温シガレットの長手方向に沿って延びているものといえる。 D 記載事項Eの耐熱中空部は、記載事項Dの実施例1の耐熱中空部の説明を踏まえれば、耐熱中空部の構成要素である耐熱中空部シェル3に、相変化によって熱気流の熱を吸収する吸熱層9が塗布されているから、耐熱中空部の内面には、熱気流の熱を吸収する吸熱層9が塗布され、耐熱中空部は吸熱層9が塗布された耐熱中空部シェル3を含むものといえる。 E 記載事項E及び図2の図示事項から、耐熱中空部には、穿孔である耐熱中空部中空層4に連通する空気孔5が形成され、空気孔5から入る外部の冷気はタバコ部2の熱気流と一緒に混合するから、耐熱中空部には、穿孔である耐熱中空部中空層4に連通する空気孔5を備えているものといえる。 F 記載事項Cから、低温シガレットにおいて、フィルター部分を通って高温霧化煙が口に入るのだから、記載事項Eの実施例2においても、フィルター1を通って煙が排出されるものといえる。 また、図2の図示事項から、空気孔5が低温シガレットの半径方向に設けられていることが看取できるから、空気孔5を通じて低温シガレットの半径方向に沿って低温シガレット内部に冷気が流入するものといえる。 G 記載事項Eから、耐熱中空部シェル3の肉厚が0.6mmである。 (ウ)引用発明 上記(ア)及び(イ)を踏まえると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 〔引用発明〕 「外部加熱要素用低温シガレットにおいて、 グリセロールとエチレングリコールからなる霧化剤を含むタバコ部2と、 前記タバコ部2の一側に位置し、前記シガレットの長手方向に沿って延びた耐熱中空部と、を含み、 前記耐熱中空部の内面には、熱気流の熱を吸収する吸熱層9が塗布され、 前記耐熱中空部は、内面に吸熱層9が塗布された耐熱中空部シェル3を含み、 前記耐熱中空部には、穿孔である耐熱中空部中空層4に連通する空気孔5が形成され、 前記低温シガレットのフィルター1を通って煙が排出され、 前記空気孔5を通じて低温シガレットの半径方向に沿って低温シガレット内部に冷気が流入し、 前記耐熱中空部シェル3の肉厚が0.6mmである低温シガレット。」 イ 引用文献2 (ア)引用文献2の記載事項 令和5年8月17日付け拒絶査定で引用され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、中国実用新案第210043188号(以下、「引用文献2」という。)には、関連する図面とともに以下の事項が記載されている。 A 「 [図:0001427355000007.jpg] 」 (当審訳:「技術分野 [0001] 本実用新案は、不燃性シガレットを加熱する分野に関し、特に不燃性シガレットを加熱するシガレットに関する。」) B 「 [図:0001427355000008.jpg] 」 (当審訳:「実用新案の内容 [0006] この実用新案は、不燃性シガレットを加熱するためのシガレットを提供し、このシガレットは、順に、コア部1、支持部2、冷却部3およびフィルター部4からなる; [0007] 前記支持部2は、軸方向の空洞21を有する; [0008] 前記冷却部3は、壁31と空洞32を有する中空管であり、前記壁31の内壁はポリマー材料の不織布層である; [0009] 前記支持部2、前記冷却部3および前記フィルター部4は、成型紙5によって三元複合マウスピースを形成するように巻かれ、前記コア部1は、シガレット紙6によってタバコ部を形成するように巻かれ、前記三元複合マウスピースおよび前記タバコ部は、接合紙7によって接合される。 [0010] 好ましくは、前記筒壁31の外壁は、前記高分子材料不織布層、紙層、金属箔層、高分子材料フィルムのいずれか1つ以上であり、前記高分子材料不織布層は、ポリエチレン不織布層、ポリプロピレン不織布層、ポリ塩化ビニル不織布層、ポリエチレンテレフタレート不織布層、ポリ乳酸不織布層であり、前記高分子材料フィルムは、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、 ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリ乳酸フィルムである。」) C 「 [図:0001427355000009.jpg] 」 (当審訳:「[0019] 2、本実用新案のシガレットの冷却部3の筒壁31の内壁を高分子材料不織布層とし、この高分子材料不織布層をポリ乳酸材料、ポリエチレン材料、ポリプロピレン材料、ポリ塩化ビニル材料、ポリエチレンテレフタレート材料から作ることにより、その熱可塑性を著しく低下させることができ、熱の存在下で変形を受け難くすることができ、熱を受けて冷却部3が崩壊することを回避することができ、前記筒壁31の内壁に 前記内壁材高分子材料不織布層と、前記外壁材高分子材料不織布層、紙層、金属箔層又は高分子材料膜の1層又は数層を重ね合わせ、空管を形成することにより、シガレット用冷却部3の管壁31の支持性能を明らかに向上させることができる。」) D 「 [図:0001427355000010.jpg] 」 (当審訳:「[0033] 前記内壁のPLA不織布層と前記外壁の2枚のPLA不織布層とを全体的に重ね合わせた後、前記内壁側に向けて圧延して前記冷却部3を形成し、前記圧延工程は、前記内壁と前記外壁とを全体的に重ね合わせて形成されたシートの側面に沿って圧延され、前記筒壁31の厚さが0.5mmであり、前記冷却部3の長さが17mmであることを特徴とする。」) E 「図1 [図:0001427355000011.jpg] 」 (イ)上記(ア)から認められる事項 A 記載事項Bから、冷却部3は、壁31と空洞32とを有する中空管からなるものであり、記載事項Dから、壁31は、外壁及び内壁を全体的に重ね合わせて形成された積層構造であるといえる。 また、記載事項Bから、壁31の外壁自体を、高分子材料不織布層、紙層、金属箔層、高分子材料フィルムのいずれか1つ以上の層から形成することが記載されており、また、記載事項Cから、内壁材高分子材料不織布層から形成した壁31の内壁に対して、外壁材高分子材料不織布層、紙層、金属箔層又は高分子材料膜の1層又は数層を重ね合わせて、層状に形成することが記載されているから、上記内壁及び外壁の積層構造からなる壁31は、不織布層と、不織布層、紙層、金属箔層、高分子材料フィルムのいずれか1層以上の層との積層構造からなるものといえる。 B 記載事項Cから、空管を積層構造として形成することにより、シガレット用冷却部3の管壁31の支持性能が向上するものといえる。 (ウ)引用文献2に記載された技術的事項 上記(ア)及び(イ)を踏まえると、引用文献2には、次の発明(以下、「引用文献2に記載された技術的事項」という。)が記載されているものと認められる。 〔引用文献2に記載された技術的事項〕 「不燃性シガレットの壁31と空洞32とを有する中空管からなる冷却部3について、壁31を、不織布層と、不織布層、紙層、金属箔層、高分子材料フィルムのいずれか1層以上の層との積層構造として形成することにより、シガレット用冷却部3の管壁31の支持性能を向上すること。」 ウ 引用文献3 (ア)引用文献3の記載事項 令和5年8月17日付け拒絶査定で引用され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特表2015-530106号(以下、「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。 A 「【0001】 本開示は、喫煙物品の吸口端の汚損を防止または低減する、新規で進歩的な吸口端部分を有する喫煙物品に関する。」 B 「【0019】 本開示に記載された喫煙物品は、通気ゾーンを含んでもよい。通気ゾーンは、通気ゾーンに隣接するエリアと比較して、通気ゾーンに沿ったデバイス中への空気流量を大きくすることを可能にする、高い有孔率を有する。通常は、包装材における穿孔の形態である、通気ゾーンは、吸口端部分の上流にあるか、または吸口端部分の領域にある。通気ゾーンの場所に関わらず、通気ゾーンは、好ましくは、主流煙の約30%から約90%間の希釈、より好ましくは、主流煙の約50%から約80%の間の希釈をもたらす。「希釈」とは、通気ゾーンを完全に開放した状態で、喫煙物品の吸口端から消費者へ配送される煙に含まれる空気の体積パーセントを指す。通気ゾーンによって達成される、通気または希釈の程度は、ISO試験方法9512:2002によって求めることができる。」 (イ)上記(ア)から認められる事項 記載事項Bから、喫煙物品に含まれる通気ゾーンでは、喫煙物品の吸口端から消費者へ配送される煙を、包装材における穿孔からデバイス中へ流入する空気流量を設定することで、主流煙の約50%から約80%の間の希釈をするものといえる。 (ウ)引用文献3に記載された技術的事項 上記(ア)及び(イ)を踏まえると、引用文献3には、次の発明(以下、「引用文献3に記載された技術的事項」という。)が記載されているものと認められる。 〔引用文献3に記載された技術的事項〕 「喫煙物品に含まれる通気ゾーンが、喫煙物品の吸口端から消費者へ配送される煙を、包装材における穿孔からデバイス中へ流入する空気流量を設定することで、主流煙の約50%から約80%の間の希釈をすること。」 エ 引用文献4 (ア)引用文献4の記載事項 令和5年8月17日付け拒絶査定で引用され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、国際公開第2020/025731号(以下、「引用文献4」という。)には、以下の事項が記載されている。なお、当審訳については、引用文献4の対応する国内公報である特表2021-532786号公報を参照した。 A 「Technical Field The present invention relates to aerosol generation. Background Smoking articles such as cigarettes, cigars and the like bum tobacco during use to create tobacco smoke. Alternatives to these types of articles release an inhalable aerosol or vapour by releasing compounds from a substrate material by heating without burning. These may be referred to as non-combustible smoking articles or aerosol generating assemblies.」 (当審訳:「【技術分野】 【0001】 本発明は、エアロゾルの生成に関する。 【背景技術】 【0002】 紙巻きタバコ、葉巻などの喫煙物品は、使用中にタバコを燃やしてタバコの煙を生成する。このような種類の物品に対する代替物は、燃焼させることなく加熱することによって基体材料から化合物を放出することにより、吸入可能なエアロゾル又は蒸気を放出する。これらは、非燃焼型の喫煙物品又はエアロゾル生成組立品と称されることがある。」) B 「The aerosol generating article may additionally comprise ventilation apertures provided in a sidewall of the article. In some cases, the ventilation apertures may be provided in the filter and/or cooling element. These apertures may allow cool air to be drawn into the article during use, which can mix with the heated volatilised components thereby cooling the aerosol. The ventilation enhances the generation of visible heated volatilised components from the article when it is heated in use. The heated volatilised components are made visible by the process of cooling the heated volatilised components such that supersaturation of the heated volatilised components occurs. The heated volatilised components then undergo droplet formation, otherwise known as nucleation, and eventually the size of the aerosol particles of the heated volatilised components increases by further condensation of the heated volatilised components and by coagulation of newly formed droplets from the heated volatilised components. In some cases, the ratio of the cool air to the sum of the heated volatilised components and the cool air, known as the ventilation ratio, is at least 15%. A ventilation ratio of 15% enables the heated volatilised components to be made visible by the method described above. The visibility of the heated volatilised components enables the user to identify that the volatilised components have been generated and adds to the sensory experience of the smoking experience. In another example, the ventilation ratio is between 50% and 85% to provide additional cooling to the heated volatilised components. In some cases, the ventilation ratio may be at least 60% or 65%.」 (当審訳:「【0078】 エアロゾル生成物品は、物品の側壁に設けられる通気孔を更に備えてもよい。幾つかの例において、通気孔は、フィルター及び/又は冷却要素に設けられてもよい。これらの孔は、使用中に冷たい空気が物品内に引き込まれることを可能にし、この冷たい空気は、加熱された揮発成分と混合し、それによってエアロゾルを冷却することができる。 【0079】 通気は、物品が使用時に加熱されるときに、物品から可視の加熱揮発成分が生成されることを促進する。加熱揮発成分は、加熱揮発成分の過飽和が生じるように加熱揮発成分を冷却する工程によって可視化される。加熱揮発成分は、この後、液滴形成(核形成としても知られる)を受け、最終的に、加熱揮発成分のエアロゾル粒子のサイズは、加熱揮発成分の更なる凝縮によって、及び加熱揮発成分から新たに形成された液滴の凝集によって、増大する。 【0080】 幾つかの例において、加熱揮発成分と冷たい空気との合計に対する冷たい空気の比率(通気比として知られる)は、少なくとも15%である。15%という通気比は、加熱揮発成分を上述の方法によって可視化することを可能にする。加熱揮発成分の可視性は、使用者が、揮発成分が生成されたことを識別できるようにし、喫煙体験の知覚体験を高める。 【0081】 別の例では、加熱揮発成分を更に冷却するために、通気比が50%~85%である。幾つかの例において、通気比は、少なくとも60%又は65%であってもよい。」) (イ)上記(ア)から認められる事項 A 記載事項Bから、エアロゾル生成物品のフィルター及び/又は冷却要素に設けられた通気孔により、使用中に冷たい空気が物品内に引き込まれることを可能にし、この冷たい空気が加熱された揮発成分と混合することでエアロゾルを冷却するものであって、加熱揮発成分と冷たい空気との合計に対する冷たい空気の比率である通気比を、少なくとも60%又は65%とすることが開示されているといえる。 (ウ)引用文献4に記載された技術的事項 上記(ア)及び(イ)を踏まえると、引用文献4には、次の発明(以下、「引用文献4に記載された技術的事項」という。)が記載されているものと認められる。 〔引用文献4に記載された技術的事項〕 「エアロゾル生成物品のフィルター及び/又は冷却要素に設けられた通気孔により、使用中に冷たい空気が物品内に引き込まれることを可能にし、この冷たい空気が加熱された揮発成分と混合することでエアロゾルを冷却するものであって、加熱揮発成分と冷たい空気との合計に対する冷たい空気の比率である通気比を、少なくとも60%又は65%とすること。」 (3)当審の判断 ア 対比 本件補正発明と引用発明とを対比する。 本件補正発明と、引用発明とを対比すると、引用発明の「外部加熱要素」は、加熱することで、エアロゾルである煙を生成する機能を奏するものといえるから、その機能、構成又は技術的意義から見て、本件補正発明の「エアロゾル生成装置」に相当する。同様に、「低温シガレット」、「タバコ部2」、「耐熱中空部」は、「シガレット」、「タバコロッド」、「冷却ロッド」に相当する。 引用発明の「グリセロールとエチレングリコールからなる霧化剤」は、本件補正発明の「エアロゾル生成物質」に相当する。 そして、引用発明において「耐熱中空部」は、中空であり、「シガレットの長手方向に沿って延びた」ものであるから、本件補正発明の「冷却ロッド」が「シガレットの長手方向に沿って延びた中空を含む」ことに相当する。 してみると、引用発明の「外部加熱要素用低温シガレットにおいて、グリセロールとエチレングリコールからなる霧化剤を含むタバコ部2と、前記タバコ部2の一側に位置し、前記シガレットの長手方向に沿って延びた中空構造の耐熱中空部と、を含」むことは、本件補正発明の「エアロゾル生成装置用シガレットにおいて、エアロゾル生成物質を含むタバコロッドと、前記タバコロッドの一側に位置し、前記シガレットの長手方向に沿って延びた中空を含む冷却ロッドと、を含」むことに相当する。 また、引用発明の「吸熱層9」は、熱気流の熱を吸収することで、気流を冷却するものであるから、本件補正発明の「冷却素材層」に相当する。 そうすると、引用発明の「耐熱中空部の内面には、熱気流の熱を吸収する吸熱層9が塗布され」ることは、本件補正発明の「冷却ロッドの内面には、冷却素材層が塗布され」ることに相当する。 また、引用発明の「耐熱中空部シェル3」は、内面に吸熱層9が塗布される支持層として機能することから、本件補正発明の「支持素材層」に相当する。 そうすると、引用発明の「耐熱中空部は、内面に吸熱層9が塗布された耐熱中空部シェル3を含」むことは、本件補正発明の「冷却ロッドは、前記シガレットの半径方向に積層された複数の支持素材層の積層(laminate)を含」むことと、「冷却ロッドは、支持素材層を含」むことの限りにおいて一致する。 また、引用発明の「空気孔5」は、穿孔であるから、本件補正発明の「少なくとも1つの穿孔」に相当する。 そして、引用発明の「耐熱中空部には、穿孔である耐熱中空層4に連通する空気孔5が形成され」ることは、穿孔である空気孔5が、冷気を、耐熱中空部中空層4に対して流入させるように、耐熱中空部に形成されるものであるから、本件補正発明の「冷却ロッドには、少なくとも1つの穿孔が形成され、外部空気は、前記少なくとも1つの穿孔を通じて前記中空に流入され」ることに相当する。 また、引用発明の「低温シガレットのフィルター1を通って煙が排出され」ることは、図2の図示事項から、低温シガレットにおいてフィルター1が端部に設けられていることが看取でき、フィルター1を通じて所定量の煙が排出されるものであるから、本件補正発明の「シガレットの一端を通じて第1気流量が排出され」ることに相当する。 また、引用発明の「空気孔5を通じて低温シガレットの半径方向に沿って低温シガレット内部に冷気が流入する」ことは、記載事項Eから、穿孔である空気孔5を通じて、低温シガレットの内部に、所定量の冷気が流入することから、本件補正発明の「穿孔を通じて前記シガレットの半径方向に沿って前記シガレット内部に第2気流量が流入され」ることに相当する。 よって、本件補正発明と引用発明とは、次の一致点で一致し、相違点で相違する。 〔一致点〕 「 エアロゾル生成装置用シガレットにおいて、 エアロゾル生成物質を含むタバコロッドと、 前記タバコロッドの一側に位置し、前記シガレットの長手方向に沿って延びた中空を含む冷却ロッドと、を含み、 前記冷却ロッドの内面には、冷却素材層が塗布され、 前記冷却ロッドは、支持素材層を含み、 前記冷却ロッドには、少なくとも1つの穿孔が形成され、外部空気は、前記少なくとも1つの穿孔を通じて前記中空に流入され、 前記シガレットの一端を通じて第1気流量が排出され、 前記穿孔を通じて前記シガレットの半径方向に沿って前記シガレット内部に第2気流量が流入される、シガレット。」 〔相違点1〕 「冷却ロッドは、支持素材層を含」むことについて、本件補正発明では、「冷却ロッドは、前記シガレットの半径方向に積層された複数の支持素材層の積層(laminate)を含」むのに対して、引用発明では、「耐熱中空部は、内面に吸熱層9が塗布された耐熱中空部シェル3を含」む点。 〔相違点2〕 本件補正発明では、「第1気流量に対する前記第2気流量の比率である空気希釈率は、30~90%であ」るのに対して、引用発明では、このような限定がされていない点。 〔相違点3〕 本件補正発明では、「冷却ロッドの厚さは、200μm~600μmであ」るのに対して、引用発明では、耐熱中空部シェル3の肉厚が0.6mmである点。 イ 相違点に対する判断 相違点1について検討する。 引用文献2に記載された技術的事項には、冷却部3が、不燃性シガレットの半径方向に積層された複数の層の積層を含む壁31を有することが開示されている。 そして、引用発明の耐熱中空部と、引用文献2に記載された技術的事項の冷却部3とは、いずれも喫煙物品の技術分野で共通し、加熱によって生じたエアロゾルを冷却する機能も共通している。 そして、引用発明の耐熱中空部も、中空管を構成する壁部における支持性能の向上という課題を内在しているから、引用発明の耐熱中空部が有する吸熱層9が塗布された層に対して、引用文献2に記載された技術的事項を適用して、相違点1に係る本件補正発明の構成を得ることは、当業者であれば、容易になし得た事項に過ぎない。 次に、相違点2について検討する。 引用文献3に記載された技術的事項は、主流煙を、穿孔からデバイス中へ流入する空気流量で希釈するものであるが、喫煙物品の吸口端から消費者へ配送される煙に対する、穿孔からデバイス中へ流入する空気流量の割合を求めると、流入する空気流量を主流煙の約50%として希釈をした場合には、50/150となり、約33%の希釈率となる。 同様に、流入する空気流量を主流煙の約80%として希釈をした場合には、80/180となり、約44%の希釈率となる。 また、引用文献4に記載された技術的事項によれば、通気比は、少なくとも60%又は65%である。 そうすると、喫煙物品において、「第1気流量に対する前記第2気流量の比率である空気希釈率」を、「30~90%」の範囲とすることは、本願優先日前に周知・慣用の技術(以下、単に「周知技術」という。)であったものと認められる。 そして、引用発明と、周知技術とは、いずれも喫煙物品の技術分野で共通し、加熱によって生じたエアロゾルを冷気で希釈する機能も共通している。 よって、引用発明の空気孔5を通じて低温シガレットの半径方向に沿って低温シガレット内部に流入する冷気による煙の希釈について、周知技術を適用して、相違点2に係る本件補正発明の構成を得ることは、当業者であれば、容易になし得た事項に過ぎない。 次に、相違点3について検討する。 引用発明において、吸熱層9が塗布された耐熱中空部シェル3の肉厚は、0.6mmであり、この厚みに対して、塗布された吸熱層9の厚みが加わるものとなる。 ここで、引用文献1の記載事項Aには、吸熱層9が塗布された層である耐熱中空部シェル3の厚さを0.5-1.1mmの範囲とすることが示唆されており、実施例の0.6mmよりも薄くすることが示唆されている。 そして、上記示唆があることと、耐熱中空部シェル3と吸熱層9との合計の厚みは、吸熱層9の量と耐熱中空部シェル3に求められる強度から、当業者が実験的に適宜設定し得た程度の設計的事項にすぎないから、200μm~600μmの範囲とすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項といわざるを得ない。 なお、引用文献2に記載された技術的事項のシガレット用冷却部3の管壁31の厚みは、引用文献2の記載事項Dから、実施例として0.5mm(500μm)とされている。 そうすると、シガレットにおける積層された壁部を有する冷却ロッドの厚さには、200μm~600μmの範囲のものが採用されることが、当業者の通常の知識に属する事項といえるから、引用発明の吸熱層9が塗布された層に対して、相違点1に対する判断で示したとおり、複数の層の積層を含む構造を採用した場合においても、耐熱中空部の壁の厚さを200μm~600μmの範囲とすることは、上記当業者の通常の知識にも整合する事項といえる。 また、本願の明細書において、冷却ロッドの厚さは、200μm~600μmとすることについて記載された段落【0013】、【0039】を参酌しても、これらの厚さの上限である600μmにも、下限である200μmにも、数値の臨界的意義が認められないから、200μm~600μmの範囲に、当業者の予測を超えた格別の効果が存在するものといえない。 また、本件補正発明は、全体としてみても引用発明、引用文献2に記載された技術的事項、周知技術から予測し得ない格別な効果を奏するものではない。 したがって、本願発明1は、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項、周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (4)請求人の主張 請求人は、審判請求書において、以下の主張をしている。 ・「即ち、引用文献1には「heatproof hollow section shell3の厚さが0.6mmである」と記載されているものの、heatproof hollow section shell3は複数の支持素材層の積層で形成されていないため、冷却ロッドに含まれた各支持素材層の曲げが容易になる効果や、冷却ロッドの製造が容易になる効果を実現することはできません。」 ・「・・・引用文献2は冷却セクション3の支持力を補助するため支持セクション2を設けることを特徴とするため、当業者が引用文献2から「冷却ロッドの曲げモーメントに対する支持力を強化する効果」を実現する本願特徴B,Cを導出する動機付けが全くありません。」 しかしながら、引用発明における耐熱中空部が有する吸熱層9が塗布された層を、複数の層の積層で形成された構成とすることは、相違点1に対する判断で示したとおりであって、引用発明に、引用文献2に記載された技術的事項を適用する動機付けは、存在するといえる。 また、複数の支持素材層を積層することと、冷却ロッドに含まれた各支持素材層の曲げが容易になる効果や、冷却ロッドの製造が容易になる効果との関係については、当業者が予測し得た範囲に過ぎない。なお、相違点3で説示したとおり、シガレットにおける積層された壁部を有する冷却ロッドの厚さに、一般に、200μm~600μmの範囲のものが採用されることは、当業者の通常の知識に属する事項にすぎず、格別のものではない。 また、引用文献2には、コア部1と冷却部3の間に支持部2を設けることが記載されているものの、当該支持部2が冷却部3の支持力を補助する目的で設けられているとは、記載も示唆もされておらず、上記のとおり、引用発明に、引用文献2に記載された技術的事項を適用する動機付けは、存在するといえる。 そして、引用文献2の記載事項Cから、冷却部3は、積層することで、「変形を受け難くすることができ、熱を受けて冷却部3が崩壊することを回避」して、「シガレット用冷却部3の管壁31の支持性能を明らかに向上させることができ」たものといえるから、「冷却ロッドの曲げモーメントに対する支持力を強化する効果」も、引用文献2に接した当業者にとって予測し得た範囲に過ぎない。 よって、請求人の主張を採用することはできない。 (5)まとめ 以上のとおり、本件補正発明は、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項、周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (6)本件補正についてのむすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 上記のとおり本件補正は、却下されたので、本願の請求項1-10に係る発明は、令和5年8月9日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-10に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2の1(2)に記載のとおりのものである。 第4 原査定における拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、本願発明は、本願優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記引用文献に記載された発明に基いて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 記 引用文献1.中国特許出願公開第107087811号 引用文献4.特表2015-530106号(周知技術を示す文献) 引用文献5.国際公開第2019/096983号(周知技術を示す文献) 引用文献6.国際公開第2020/025731号(周知技術を示す文献) 第5 引用文献、引用発明 引用文献1、4、6の記載事項、認定事項及び引用発明は、上記第2の2(2)ア、第2の2(2)ウ、第2の2(2)エに記載したとおりである。 第6 対比・判断 本願発明は、前記第2の2(1)の本件補正発明から、「前記冷却ロッドは、前記シガレットの半径方向に積層された複数の支持素材層の積層(laminate)を含み、」及び「前記冷却ロッドの厚さは、200μm~600μmである」に係る限定事項を削除したものである。 また、上述のとおり、引用発明の空気孔5を通じて低温シガレットの半径方向に沿って低温シガレット内部に流入する冷気による煙の希釈についての範囲を、本件補正発明で特定されている範囲とすることは、周知技術に基いて、当業者が容易になし得た事項であると判断されるのだから、本願発明においても、本願補正発明と同様の理由により、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない発明であるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-021862

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