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特許拒絶査定不服審判

2024-007496

非燃焼性エアロゾル供給システムに使用する物品用のコンポーネント

審判番号
2024-007496
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2022-537586
請求日
2024年05月07日
審決日
2026年02月09日
公報発行日
2026年07月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
  • 【請求人代理人】池田 成人
  • 【請求人代理人】酒巻 順一郎
  • 【請求人代理人】野田 雅一
  • 【請求人代理人】山田 行一
審判長/審判官
  • 審判長 大山 健
  • 審判官 山本 崇昭
  • 審判官 竹下 和志
分類
P18 .121-Z (A24D) / P18 .575-Z (A24D) / P18 .113-Z (A24D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2022-537586「非燃焼性エアロゾル供給システムに使用する物品用のコンポーネント」拒絶査定不服審判事件〔令和3年6月24日国際公開、WO2021/123820、令和5年2月20日国内公表、特表2023-506994〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2020年(令和2年)12月18日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2019年12月20日(GB)英国)を国際出願日とする出願であって、その主な手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年 8月22日付け:拒絶理由通知 令和5年11月28日 :意見書、手続補正書の提出 令和5年12月21日付け:拒絶査定 令和6年 5月 7日 :審判請求書、手続補正書の提出 令和6年10月 4日 :上申書の提出 第2 令和6年5月7日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年5月7日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のとおり補正された(下線は補正箇所を示す。)。 「【請求項1】 非燃焼性エアロゾル供給システムに使用する物品用のコンポーネントであって、 口側端部セクションと、 前記口側端部セクションの上流の第1のキャビティを規定する第1の管状セクションと、 前記第1の管状セクションの上流の第2のキャビティを規定する第2の管状セクションと、 前記第1の管状セクションと前記第2の管状セクションとの間に配設された本体と を備え、 前記本体が、連続材料体であり、前記連続材料体の密度が、約0.75グラム/立方センチメートル(g/cc)未満である、コンポーネント。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正前の、令和5年11月28日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のとおりである。 「【請求項1】 非燃焼性エアロゾル供給システムに使用する物品用のコンポーネントであって、 口側端部セクションと、 前記口側端部セクションの上流の第1のキャビティを規定する第1の管状セクションと、 前記第1の管状セクションの上流の第2のキャビティを規定する第2の管状セクションと、 前記第1の管状セクションと前記第2の管状セクションとの間に配設された本体と を備え、 前記本体が、連続材料体である、コンポーネント。」 2 補正の適否 本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「連続材料体」の密度の数値範囲について、「連続材料体の密度が、約0.75グラム/立方センチメートル(g/cc)未満である」という限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 また、「本体(連続材料体)」が「管状体5’」である場合、「連続材料体の密度が、約0.75グラム/立方センチメートル(g/cc)未満である」ことは、願書に最初に添付した明細書の段落【0128】に実質的に記載されているといえるから、請求項1についての本件補正は、特許法17条の2第3項の規定に適合する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献1 ア 引用文献1 上記拒絶査定の理由に引用された、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である欧州特許出願公開第3494809号明細書(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。 なお、日本語訳として、当審の翻訳を付した。また、下線部は当審で付した(以下同様。)。 (ア)引用文献1の記載 「【0003】 For the heat-not-burn cigarette, tobacco shreds are heated (about 300℃) by a special heat source, and thus are merely heated but do not burn, then the temperature of the tobacco shreds is far lower than that of the conventional cigarette, the harmful chemical ingredients and the bio-toxicity of the smoke are greatly reduced, and the harmful ingredients produced by high-temperature burning and pyrolysis of the tobaccos can be reduced. ・・・」 (日本語訳) 「【0003】 燃焼しない紙巻きタバコ、刻みタバコは、特殊な加熱源により加熱され(約300℃)、従って、単に加熱されるが燃焼されず、たばこの温度が従来のものよりはるかに低い、有害化学成分及び煙の生物学的毒性は大幅に低減し、タバコの燃焼及び熱分解によって発生する有害成分を低減することができる。・・・」 「【0027】 Referring to Fig. 1 to Fig. 4, the present disclosure provides a heat-not-burn cigarette filter 10, including a first portion and a second portion connected with each other, wherein the first portion is a filter rod 100, and the second portion includes at least one cooling portion 200 and at least one hollow portion 300. The cooling portion 200 includes at least one through hole 210, and the middle part of the hollow portion 300 is in a through cavity structure. 【0028】 The heat-not-burn cigarette filter of the present disclosure includes the filter rod 100, the cooling portion 200 and the hollow portion 300. When smoking, after a tobacco portion is heated by a corresponding heater, smoke passes through the hollow portion 300, the cooling portion 200, and the filter rod 100, effectively improving the smoke throughput and the smoke concentration, meanwhile reducing the smoke temperature, and improving the smoking quality of the cigarette, etc.」 (日本語訳) 「【0027】 図1~図4を参照すると、本開示は、第1の部分と第2の部分を含む、燃焼しない紙巻きタバコフィルタ10を提供する第1の部分は、フィルタロッド100であり、第2の部分は、少なくとも1つの冷却部200と、少なくとも1つの中空部300とを有している。冷却部200は、少なくとも1つの貫通穴210を有し、中空部300の中間部が、キャビティ構造となっている。 【0028】 本開示の燃焼しない紙巻きタバコフィルタは、フィルタロッド100と、冷却部200と中空部300とを備えている。喫煙時、タバコの部分は、対応する加熱手段によって加熱された後、煙は、中空部300と、冷却部200と、フィルターロッド100を通り、煙量及び煙濃度を効果的に改良する一方で、煙の温度を下げ、紙巻タバコの喫煙品質を改良する。」 「【0037】 Preferably, the cooling portion 200 and the hollow portion 300 are both in a cylindrical shape, and the cooling portion 200 has a diameter of 5-8 mm, for example, 5 mm, 6 mm, 7 mm or 8 mm, etc. 【0038】 Preferably, the hollow portion 300 has a diameter of 5-8 mm, for example, 5 mm, 6 mm, 7 mm or 8 mm, etc. 【0039】 Preferably, the cavity structure of the hollow portion 300 has a diameter of 2-7 mm, for example, 2 mm, 3 mm, 4 mm, 5 mm, 6mm or 7mm, etc. 【0040】 Preferably, the hollow portion 300 and the cooling portion 200 are in a one-piece structure of the same material; and the cross section area of the cavity structure of the hollow portion 300 is greater than or equal to the cross section area of the through hole 210.」 (日本語訳) 「【0037】 好ましくは、冷却部200と中空部300は、いずれも円筒形状であり、冷却部200は5-8mm、例えば、5mm、6mm、7mm、または8mmなどの直径を有する。 【0038】 好ましくは、中空部300は、5-8mm、例えば、5mm、6mm、7mm又は8mmの直径を有している。 【0039】 好ましくは、前記中空部300のキャビティ構造は、2-7mm、例えば、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、または7mmなどの直径を有する。 【0040】 好ましくは、中空部300と冷却部200は、同一材料の一体構造であり、中空部分300のキャビティ構造の断面積よりも大きく、貫通孔210の断面積に等しい。」 「【0047】 As shown in Fig. 1, a heat-not-burn cigarette 1 includes a heat-not-burn cigarette filter 10 and a tobacco rod 20. The heat-not-burn cigarette filter 10 includes a cellulose acetate filter rod 100, a cooling portion 200, and a hollow portion 300 connected in sequence. The cooling portion 200 includes a plurality of through holes 210, and the middle part of the hollow portion 300 is in a through cavity structure. The wall thickness of the hollow portion 300 is slightly greater than that of the outer layer of the cooling portion 200. The cooling portion 200 uses a polylactic acid material, and the hollow portion 300 uses a cellulose acetate material.」 (日本語訳) 「【0047】 図1に示すように、燃焼しない紙巻きタバコ1は、燃焼しない紙巻きタバコフィルタ10及びタバコロッド20を形成する。燃焼しない紙巻きタバコフィルター10は、セルロースアセテートフィルタロッド100、冷却部200、及びそれらに接続された中空部300を有している。冷却部200は、複数の貫通孔210を有しており、中空部300の中間部はキャビティ構造である。中空部300の壁厚は、冷却部200の外側の層よりもわずかに大きい。冷却部200は、ポリ乳酸材料を使用し、中空部300は酢酸セルロース系物質を使用する。」 「【0053】 As shown in Fig. 3, a heat-not-burn cigarette 1 includes a heat-not-burn cigarette filter 10 and a tobacco rod 20. The heat-not-burn cigarette filter 10 includes a cellulose acetate filter rod 100 and a cooling portion 200 and a hollow portion 300 which are integrally molded. The cooling portion 200 includes a plurality of through holes 210, and the middle part of the hollow portion 300 is a through cavity structure. The cooling portion 200 is located in a middle position of the hollow portion 300. 【0054】 The cellulose acetate filter rod 100 is connected to the first end of the hollow portion 300, the tobacco rod 20 is connected to the second end of the hollow portion 300, and the heat-not-burn cigarette filter 10 and the tobacco rod 20 are wrapped with tipping paper to form an entire cigarette. 【0055】 When the above heat-not-burn cigarette 1 is used for smoking, a tobacco end is inserted into a corresponding heating means to be heated. After the heating is completed, a filter section of cellulose acetate is smoked. The smoke passes through a second end of the hollow portion 300. The smoke passes, after being gathered together, through the cooling portion 200, then passes through the first end of the hollow portion 300, not only reducing the smoke temperature and increasing the smoke concentration, but also omitting one recombination when the cigarettes are rolled and recombined, and thereby improving the production efficiency and reducing the cost of the cigarette.」 (日本語訳) 「【0053】 図3に示すように、燃焼しない紙巻きタバコ1は、燃焼しない紙巻きタバコフィルタ10及びタバコロッド20を形成する。燃焼しない紙巻きタバコフィルター10は、セルロースアセテートフィルタロッド100と、冷却部200が一体成型されている中空部300を備えている。冷却部200は、複数の貫通孔210を有しており、中空部300の中間部はキャビティ構造である。冷却部200は、中空部300の中央位置に配置されている。 【0054】 セルロースアセテートフィルタロッド100は、中空部300の第1の端部に接続され、タバコロッド20は、中空部300の第2の端部に接続されており、燃焼しない紙巻きタバコフィルタ10及びタバコロッド20には、紙巻きタバコを形成するチッピング紙で巻かれている。 【0055】 上記紙巻きタバコ1は、喫煙に使用される場合、タバコロッドが、対応する加熱手段に挿入され加熱される。加熱が完了した後に、酢酸セルロースのフィルター部は、喫煙される。煙は、中空部300の第2の端部を通過する。煙は、一緒に集められて、冷却部200を通過した後、中空部300の第1の端部を通過する。これにより煙の温度が低下し煙の濃度が上昇するだけでなく、紙巻きたばこを巻いて再結合する際に再結合を1回省略できるため、生産効率が向上し、たばこのコストが削減される。」 「 [図:0001436578000001.jpg] 」(図3) (イ)引用文献1から理解できる事項 上記(ア)の引用文献1の記載事項等から、以下の事項が理解できる。 a 段落【0003】、【0055】から、紙巻きタバコ1は、燃焼せず、タバコロッド20が対応する加熱手段に挿入され約300℃に加熱されることで、煙を発生するものであるのだから、エアロゾルを発生するものと理解される。そして、紙巻きタバコ1と加熱手段はエアロゾル供給システムを構成していると理解される。 b 段落【0053】から、紙巻きタバコフィルター10は、紙巻きタバコ1用のものと理解される。 c 段落【0054】、【0055】及び図3から、紙巻きタバコフィルター10において、セルロースアセテートフィルタロッド100は中空部300の第1の端部に接続され、タバコロッド20は中空部300の第2の端部に接続されており、かつタバコロッド20が加熱されて発生した煙は中空部300の第2の端部を通過し、冷却部200を通過した後、中空部300の第1の端部を通過するのだから、中空部300の第1の端部はセルロースアセテートフィルタロッド100の上流にあること、中空部300の第2の端部は同第1の端部の上流にあること、冷却部200は中空部300の第1の端部及び第2の端部の間に配設されていることがそれぞれ理解される。 d 段落【0037】、【0054】及び図3から、中空部300は、円筒形状であり、かつ壁厚を有する、第1の端部及び第2の端部を有すること、すなわち、中空部300の第1の端部及び第2の端部はどちらも円筒形状の壁を有することが理解される。そして、中空部300はキャビティ構造を有する(段落【0053】)のだから、中空部300の第1の端部及び第2の端部における円筒形状の壁は、それぞれキャビティを規定していると理解される。 (ウ)引用発明 上記(ア)、(イ)から、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 (引用発明) 「燃焼しない紙巻きタバコ1と加熱手段とで構成されたエアロゾル供給システムに使用する紙巻きタバコ1用の紙巻きタバコフィルター10であって、 セルロースアセテートフィルタロッド100と、 セルロースアセテートフィルタロッド100の上流の中空部300の第1の端部における円筒形状の壁と、 中空部300の第1の端部における円筒形状の壁の上流の中空部300の第2の端部における円筒形状の壁と、 中空部300の第1の端部における円筒形状の壁と中空部300の第2の端部における円筒形状の壁の間に配設された冷却部200とを備え、 冷却部200が、ポリ乳酸材料で形成されている、紙巻きタバコフィルター10。」 イ 周知技術 周知技術を示すために、当審において新たに引用する、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった国際公開第2019/130153号(以下「引用文献2」という。)、国際公開第2019/130155号(以下「引用文献3」という。)、及び国際公開第2019/130154号(以下「引用文献4」という。)には、次の記載がある。 なお、引用文献2~4の日本語訳として、対応する日本語ファミリー文献である特表2021-509575号公報、特表2021-509267号公報、及び特表2021-509256号公報の記載を付した。 (ア)引用文献2の記載 「It is desirable to provide a filter for use in an aerosol-generating article, wherein the filter has improved hardness. It is also desirable to provide a filter for use in an aerosol-generating article, wherein the filter has a resistance to draw similar to less hard filters.」(2ページ1~3行) (日本語訳) 「【0007】 改善された硬度をフィルターが有する、エアロゾル発生物品で使用するフィルターを提供することが望ましい。また、フィルターが、より堅くないフィルターと類似した引き出し抵抗を有する、エアロゾル発生物品で使用するフィルターを提供することが望ましい。」 「The filter material, including the plasticizer, may have any suitable tow weight or density. Preferably, the filter material has a weight between about 5 mg/mm and about 7 mg/mm. More preferably, the filter material has a weight between about 5.5 mg/mm and about 6.5 mg/mm. Preferably, the filter has a density between about 0.11 g/cm3 and about 0.2 g/cm3. Preferably, the filter has a density between about 0.12 g/cm3 and about 0.19 g/cm3, such as between about 0.12 g/cm3 and about 0.15 g/cm3. Filters that have higher weights and densities tend to be harder than those having lower weights and densities. However, increased the weight or density of filter material may also tend to increase RTD to undesirable levels or may filter too much aerosol, and thus prevent a sufficient amount of aerosol from being delivered to a user.」(7ページ23~31行) (日本語訳) 「【0037】 可塑剤を含むフィルター材料は、任意の適切なトウ重量または密度を有しうる。フィルター材料は、約5mg/mm~約7mg/mmの重量を有することが好ましい。フィルター材料は、約5.5mg/mm~約6.5mg/mmの重量を有することがより好ましい。フィルターは、約0.11g/cm3~約0.2g/cm3の密度を有することが好ましい。フィルターは、約0.12g/cm3~約0.15g/cm3など、約0.12g/cm3~約0.19g/cm3の密度を有することが好ましい。より高い重量および密度を有するフィルターは、より低い重量および密度を有するものより硬い傾向がある。しかしながら、フィルター材料の重量または密度の増大はまた、RTDを望ましくないレベルにまで増大させる傾向がある、または過剰なエアロゾルをフィルターする可能性があり、それ故に十分な量のエアロゾルがユーザーに送達されるのを妨げうる。」 「The filters of the present invention may be particularly desirable for use in heat-not-burn articles in which the aerosol-forming substrate is not combusted. ・・・」(11ページ17~18行) (日本語訳) 「【0061】 本発明のフィルターは、エアロゾル形成基体が燃焼されない加熱非燃焼式物品で使用するのに特に望ましい場合がある。・・・」 (イ)引用文献3の記載 「It is desirable to provide a filter for use in an aerosol-generating article, wherein the filter has improved hardness. Preferably, the filter retains desired characteristics, such as filter efficiency and resistance to draw.」(2ページ3~5行) (日本語訳) 「【0007】 改善された硬度をフィルターが有する、エアロゾル発生物品で使用するフィルターを提供することが望ましい。フィルターは、フィルター効率および引き出し抵抗などの望ましい特性を保持することが好ましい。」 「The filter material, including the plasticizer, may have any suitable tow weight or density. Preferably, the filter material has a weight between about 5 mg/mm and about 7 mg/mm. More preferably, the filter material has a weight between about 5.5 mg/mm and about 6.5 mg/mm. Preferably, the filter has a density between about 0.11 g/cm3 and about 0.2 g/cm3. Preferably, the filter has a density between about 0.12 g/cm3 and about 0.19 g/cm3, such as between about 0.12 g/cm3 and about 0.15 g/cm3. Filters that have higher weights and densities tend to be harder than those having lower weights and densities. However, increased the weight or density of filter material may also tend to increase RTD to undesirable levels or may filter too much aerosol, and thus prevent a sufficient amount of aerosol from being delivered to a user.」(7ページ7~15行) (日本語訳) 「【0034】 可塑剤を含むフィルター材料は、任意の適切なトウ重量または密度を有しうる。フィルター材料は、約5mg/mm~約7mg/mmの重量を有することが好ましい。フィルター材料は、約5.5mg/mm~約6.5mg/mmの重量を有することがより好ましい。フィルターは、約0.11g/cm3~約0.2g/cm3の密度を有することが好ましい。フィルターは、約0.12g/cm3~約0.15g/cm3など、約0.12g/cm3~約0.19g/cm3の密度を有することが好ましい。より高い重量および密度を有するフィルターは、より低い重量および密度を有するものより硬い傾向がある。しかしながら、フィルター材料の重量または密度の増大はまた、RTDを望ましくないレベルにまで増大させる傾向がある、または過剰なエアロゾルをフィルターする可能性があり、それ故に十分な量のエアロゾルがユーザーに送達されるのを妨げうる。」 「The filters of the present invention may be particularly desirable for use in heat-not-burn articles in which the aerosol-forming substrate is not combusted.・・・」(11ページ25~26行) (日本語訳) 「【0060】 本発明のフィルターは、エアロゾル形成基体が燃焼されない加熱非燃焼式物品で使用するのに特に望ましい場合がある。・・・」 (ウ)引用文献4の記載 「It is desirable to provide a filter for use in an aerosol-generating article, wherein the filter has improved hardness. It is also desirable to provide a filter for use in an aerosol-generating article, wherein the filter has desired filter characteristics, such as a resistance to draw similar to less hard filters.」(2ページ3~6行) (日本語訳) 「【0007】 改善された硬度をフィルターが有する、エアロゾル発生物品で使用するフィルターを提供することが望ましい。また、フィルターがより硬くないフィルターと類似した引き出し抵抗などの望ましいフィルター特性を有する、エアロゾル発生物品で使用するフィルターを提供することも望ましい。」 「The filter material, including the plasticizer, may have any suitable tow weight or density. Preferably, the filter material has a weight between about 5 mg/mm and about 7 mg/mm. More preferably, the filter material has a weight between about 5.5 mg/mm and about 6.5 mg/mm. Preferably, the filter has a density between about 0.11 g/cm3 and about 0.2 g/cm3. More preferably, the filter has a density between about 0.12 g/cm3 and about 0.19 g/cm3, such as between about 0.12 g/cm3 and about 0.15 g/cm3. Filters that have higher weights and densities tend to be harder than those having lower weights and densities. However, increased the weight or density of filter material may also tend to increase RTD to undesirable levels or may filter too much aerosol, and thus prevent a sufficient amount of aerosol from being delivered to a user.」(7ページ14~22行) (日本語訳) 「【0032】 可塑剤を含むフィルター材料は、任意の適切なトウ重量または密度を有しうる。フィルター材料は、約5mg/mm~約7mg/mmの重量を有することが好ましい。フィルター材料は、約5.5mg/mm~約6.5mg/mmの重量を有することがより好ましい。フィルターは、約0.11g/cm3~約0.2g/cm3の密度を有することが好ましい。フィルターは、約0.12g/cm3~約0.15g/cm3など、約0.12g/cm3~約0.19g/cm3の密度を有することがより好ましい。より高い重量および密度を有するフィルターは、より低い重量および密度を有するものより硬い傾向がある。しかしながら、フィルター材料の重量または密度の増大はまた、RTDを望ましくないレベルにまで増大させる傾向がある、または過剰なエアロゾルをフィルターする可能性があり、それ故に十分な量のエアロゾルがユーザーに送達されるのを妨げうる。」 「The filters of the present invention may be particularly desirable for use in heat-not-burn articles in which the aerosol-forming substrate is not combusted. ・・・」(11ページ17~18行) (日本語訳) 「【0056】 本発明のフィルターは、エアロゾル形成基体が燃焼されない加熱非燃焼式物品で使用するのに特に望ましい場合がある。・・・」 (エ)周知技術 引用文献2~4の記載を鑑みれば、本願の優先日前に以下の事項が周知の技術(以下「周知技術」という。)であると認められる。 「エアロゾル形成基体が燃焼されない加熱非燃焼式物品で使用するフィルターにおいて、硬度を高めつつエアロゾルの過剰なフィルターを防止するために、フィルターの密度を約0.11g/cm3~約0.2g/cm3とすること。」 (3)対比 ア 本件補正発明と引用発明との対比 本件補正発明と引用発明とを対比する。 引用発明の「燃焼しない紙巻きタバコ1と加熱手段とで構成されたエアロゾル供給システム」は、本件補正発明の「非燃焼性エアロゾル供給システム」に相当し、「紙巻きタバコ1用」は「物品用」に、「紙巻きタバコフィルター10」は「コンポーネント」に、それぞれ相当する。 してみると、引用発明の「燃焼しない紙巻きタバコ1と加熱手段とで構成されたエアロゾル供給システムに使用する紙巻きタバコ1用の紙巻きタバコフィルター10」は、本件補正発明の「非燃焼性エアロゾル供給システムに使用する物品用のコンポーネント」に相当する。 また、引用発明の「セルロースアセテートフィルタロッド100」は、上記(2)ア(イ)bに鑑みれば、本件補正発明の「口側端部セクション」に相当する。 また、引用発明の「中空部300の第1の端部における円筒形状の壁」は、本件補正発明の「第1の管状セクション」に相当する。 また、引用発明の「中空部300の第1の端部」は、上記(2)ア(イ) dに鑑みれば、キャビティを規定するものであるから、本件補正発明の「第1のキャビティ」に相当することから、引用発明の「中空部300の第1の端部における円筒形状の壁」は、「第1のキャビティを規定する第1の管状セクション」に相当するものということもできる。 してみると、引用発明の「セルロースアセテートフィルタロッド100の上流の中空部300の第1の端部における円筒形状の壁」は、本件補正発明の「前記口側端部セクションの上流の第1のキャビティを規定する第1の管状セクション」に相当する。 また、引用発明の「中空部300の第2の端部における円筒形状の壁」は、本件補正発明の「第2の管状セクション」に相当する。 また、引用発明の「中空部300の第2の端部」は、上記(2)ア(イ)dに鑑みれば、キャビティを規定するものであるから、本件補正発明の「第2のキャビティ」に相当するものということもでき、引用発明の「中空部300の第2の端部における円筒形状の壁」は、「第2のキャビティを規定する第2の管状セクション」に相当するものということもできる。 してみると、引用発明の「中空部300の第1の端部における円筒形状の壁の上流の中空部300の第2の端部における円筒形状の壁」は、本件補正発明の「前記第1の管状セクションの上流の第2のキャビティを規定する第2の管状セクション」に相当する。 また、引用発明の「冷却部200」は、中空部300の第1の端部における円筒形状の壁と中空部300の第2の端部における円筒形状の壁の間に配設されているから、その配置等に鑑みれば、本件補正発明の「本体」に相当する。 してみると、引用発明の「中空部300の第1の端部における円筒形状の壁と中空部300の第2の端部における円筒形状の壁の間に配設された冷却部200」は、本件補正発明の「前記第1の管状セクションと前記第2の管状セクションとの間に配設された本体」に相当する。 イ 一致点及び相違点 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 【一致点】 「非燃焼性エアロゾル供給システムに使用する物品用のコンポーネントであって、 口側端部セクションと、 前記口側端部セクションの上流の第1のキャビティを規定する第1の管状セクションと、 前記第1の管状セクションの上流の第2のキャビティを規定する第2の管状セクションと、 前記第1の管状セクションと前記第2の管状セクションとの間に配設された本体と を備える、コンポーネント。」 【相違点】 本件補正発明は、「本体が、連続材料体であ」り「連続材料体の密度が、約0.75グラム/立方センチメートル(g/cc)未満である」のに対し、 引用発明の冷却部200は、「連続材料体」であるか不明であるとともに、その密度が不明な点。 (4)判断 ア 相違点について 以下、相違点について検討する。 (ア)まず、引用発明の「冷却部200」が「連続材料体」であるか検討する。 ここで、引用文献1の上記段落【0047】には、冷却部200はポリ乳酸材料で形成されていることが記載されているところ、ポリ乳酸材料は乳酸モノマーがエステル結合で連鎖的に結合した高分子化合物(ポリマー)であり、線形あるいはブロック構造の連続体であるといえるから、ポリ乳酸材料で形成された冷却部200は、連続材料体であるといえる。また、引用文献1の段落【0040】、【0053】には、中空部300と冷却部200は、同一材料の一体構造であることも記載されているから、中空部300との関係においても、冷却部200は中空部300と連続する材料体、すなわち「連続材料体」であるといえる。 したがって、引用発明の「冷却部200」は、本件補正発明の「連続材料体」に相当するから、その点は相違点とはならない。 (イ)続いて、連続材料体の密度について検討する。 上記(2)イ(エ)で認定した周知技術から、「エアロゾル形成基体が燃焼されない加熱非燃焼式物品で使用するフィルターにおいて、硬度を高めつつエアロゾルの過剰なフィルターを防止する」ことは本願の優先日前における技術常識であったといえるから、引用発明の「紙巻きタバコフィルター10」においても、硬度を高めつつエアロゾルの過剰なフィルターを防止することは内在する課題であったと認められる。さらには、引用発明の「紙巻きタバコフィルター10」と、上記周知技術は、燃焼しない紙巻きタバコと加熱手段とで構成されたエアロゾル供給システムのフィルターに関する技術である点で技術分野及び機能・作用も共通する。 したがって、引用発明において、上記周知技術を適用して、引用発明の「紙巻きタバコフィルター10」の構成要素である「冷却部200」(連続材料体)について、その密度を約0.11g/cm3~約0.2g/cm3とし、相違点に係る本件補正発明の数値範囲の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 イ 作用効果 そして、相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 ウ 請求人の主張について 請求人は、審判請求書の9~10ページにおいて、本件補正発明に係る引用発明との相違点が設計事項等ではない旨を主張し、特に、本件補正発明の相違点に係る構成の「密度」は、高密度の材料による硬度の向上と低密度材料の低熱伝達特性との間の良好なバランスをもたらすことが分かっており(本願明細書の段落【0128】)、本件補正発明は、有利な効果がある旨を主張する。 しかしながら、上記ア(イ)で示したように、「エアロゾル形成基体が燃焼されない加熱非燃焼式物品で使用するフィルターにおいて、硬度を高めつつエアロゾルの過剰なフィルターを防止する」ことは本願の優先日前における技術常識であったといえ、上記イで示したように、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の作用効果から予測される範囲内のものにすぎないから、請求人の主張は採用できない。 エ 小括 したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 本件補正についてのむすび よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和6年5月7日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし19に係る発明は、令和5年11月28日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし19に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、上記第2の[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 令和5年12月21日付け拒絶査定の理由のうち、請求項1に係る発明に対する拒絶の理由は、概ね次のとおりである。 (理由1)本願の請求項1に係る発明は、本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 (理由2)本願の請求項1に係る発明は、本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献に記載された発明に基づいて、その優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 (引用文献1)欧州特許出願公開第3494809号明細書 3 引用文献 原査定の拒絶の理由1及び2で引用された引用文献1の記載事項及び引用発明は、概ね上記第2の[理由]2(2)アに記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、上記第2の[理由]1及び2で検討した本件補正発明の「連続材料体」について、「連続材料体の密度が、約0.75グラム/立方センチメートル(g/cc)未満である」という限定を削除し拡張したものに該当する。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに上記「連続材料体の密度が、約0.75グラム/立方センチメートル(g/cc)未満である」との発明特定事項を付加した本件補正発明が、上記第2の[理由]2(4)に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるところ、上記第2の[理由]2(3)イに示した「一致点及び相違点」、及び第2の[理由]2(4)ア(ア)に示したように、引用発明の「冷却部200」は本願発明の「連続材料体」に相当することから、本願発明は引用発明である、又は本願発明は引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号及び同法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-007496

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