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特許拒絶査定不服審判

2022-019443

エアロゾル生成物品

審判番号
2022-019443
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-557968
請求日
2022年12月01日
審決日
2023年09月14日
公報発行日
2024年03月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ケーティー アンド ジー コーポレイション
  • 【請求人代理人】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 間中 耕治
  • 審判官 水野 治彦
  • 審判官 鈴木 充
分類
P18 .121-Z (A24D) / P18 .575-Z (A24D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-557968「エアロゾル生成物品」拒絶査定不服審判事件〔令和2年4月23日国際公開、WO2020/080783、令和3年10月14日国内公表、特表2021-527392〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2019年(令和元年)10月15日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2018年10月17日(KR)大韓民国)を国際出願日とする出願であって、令和4年1月24日付けで拒絶の理由が通知され、令和4年5月2日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和4年7月28日付けで拒絶査定がされ、これに対し、令和4年12月1日に拒絶査定不服審判が請求され、その審判の請求と同時に手続補正書が提出され、令和5年5月16日に上申書が提出されたものである。 第2 令和4年12月1日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の結論] 令和4年12月1日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.本件補正について (1)本件補正前の令和4年5月2日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。 「【請求項1】 加熱式のエアロゾル生成装置と結合してエアロゾルを生成するエアロゾル生成物品において、 タバコロッドと、 前記タバコロッドの下流に位置し、前記タバコロッドから生成されるエアロゾルを冷却させる冷却セグメントを含み、 前記冷却セグメントは、再構成タバコシート(reconstituted tobacco sheet)を含み、 前記再構成タバコシートは、折り畳まれた状態または巻かれた状態で形成され、前記エアロゾル生成物品の長手方向に複数のチャネルを含む、エアロゾル生成物品。」 (2)そして、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のとおり補正された。(下線は、補正箇所である。) 「【請求項1】 加熱式のエアロゾル生成装置と結合してエアロゾルを生成するエアロゾル生成物品において、 タバコロッドと、 前記タバコロッドの直ぐ下流に位置し、前記タバコロッドから生成されるエアロゾルを冷却させる冷却セグメントを含み、 前記タバコロッドは複数のタバコストランドを含み、 前記冷却セグメントは、再構成タバコシート(reconstituted tobacco sheet)を含み、 前記再構成タバコシートは、折り畳まれた状態または巻かれた状態で形成され、前記エアロゾル生成物品の長手方向に複数のチャネルを含み、 前記冷却セグメントの前記再構成タバコシートおよび前記タバコロッドは、材料成分が異なることを特徴とする、エアロゾル生成物品。」 2.補正の適否 本件補正は、願書に最初に添付した明細書の段落【0038】、【0042】、【0048】、【0049】、【0050】及び特許請求の範囲の請求項2を根拠とした特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たすものであり、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「タバコロッドの下流に位置し」について、「タバコロッドのすぐ下流に位置し」との限定を付加し、同様に「タバコロッド」について、「前記タバコロッドは複数のタバコストランドを含み、」との限定を付加し、「冷却セグメント」及び「タバコロッド」について「前記冷却セグメントの前記再構成タバコシートおよび前記タバコロッドは、材料成分が異なる」との限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明との産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1(以下、「本件補正発明」という。)が、同法同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について検討する。 ア 本件補正発明 本件補正発明は、上記1.(2)に記載されたとおりのものである。 イ 引用文献 (ア) 引用文献1 原査定の拒絶の理由で引用された国際公開第2018/110834号(以下、「引用文献1」という。)には、「AEROSOL GENERATION METHOD AND APPARATUS」に関して、次の記載事項及び図示事項がある(下線は、当審が付したものである。また、括弧内は、当審による翻訳文である。以下同様。)。 あ「 [図:0001407366000001.jpg] (当審訳: [1] 本発明は、エアロゾル生成方法及びその装置に係り、さらに詳細には、シガレット内のエアロゾル生成物質が加熱されることによってエアロゾルが生成される方法及びその装置に関する。)」 い「 [図:0001407366000002.jpg] (当審訳: [101] 図1を参照すれば、エアロゾル生成装置(1)(以下、‘ホルダ’とする)は、バッテリ(110)、制御部(120)及びヒータ(130)を含む。また、ホルダ(1)は、ケース(140)によって形成された内部空間を含む。ホルダ(1)の内部空間には、シガレットが挿入される。 [102] 図1に図示されたホルダ(1)には、本実施形態と係わる構成要素だけが図示されている。従って、図1に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がホルダ(1)にさらに含まれもするということは、本実施形態と係わる技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。 [103] シガレットがホルダ(1)に挿入されれば、ホルダ(1)は、ヒータ(130)を加熱する。シガレット内のエアロゾル生成物質は、加熱されたヒータ(130)によって温度が上昇し、それにより、エアロゾルが生成される。生成されたエアロゾルは、シガレットのフィルタを介してユーザに伝達される。ただし、シガレットがホルダ(1)に挿入されていない場合にも、ホルダ(1)は、ヒータ(130)を加熱することができる。)」 う「 [図:0001407366000003.jpg] (当審訳: [324] 図23A及び図23Bを参照すれば、シガレット(3)は、タバコロッド(310)、第1フィルタセグメント(321)、冷却構造物(322)及び第2フィルタセグメント(323)を含む。図11を参照して説明した第1部分(310)は、タバコロッド(310)を含み、第2部分(320)は、第1フィルタセグメント(321)、冷却構造物(322)及び第2フィルタセグメント(323)を含む。)」 え「 [図:0001407366000004.jpg] (当審訳: [336] 図23A及び図23Bに図示されたシガレット(3)の構造は、一例に過ぎず、一部構成が省略されもする。例えば、シガレット(3)には、第1フィルタセグメント(321)、冷却構造物(322)及び第2フィルタセグメント(323)のうち1以上が含まれない。)」 お「 [図:0001407366000005.jpg] (当審訳: [341] 他の例として、タバコロッド(310)は、タバコシートが細切れにされた複数のタバコ筋でもっても充填される。例えば、タバコロッド(310)は、複数のタバコ筋が互いに同じ方向(平行)またはランダムに合わされても形成される。具体的には、タバコロッド(310)は、複数のタバコ筋が合わされて形成され、ヒータ(130)が挿入されるか、あるいはエアロゾルが通過することができる縦方向の複数のチャネルが形成される。そのとき、タバコ筋の大きさ及び配列により、縦方向のチャネルは、均一であってもよく、不均一であってもよい。 [342] 例えば、タバコ筋は、以下のような過程によっても製造される。まず、タバコ原料を粉砕し、エアロゾル生成物質(例えば、グリセリン、プロピレングリコールなど)、加香液、バインダ(例えば、グアガム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース(Carboxymethylcellulose;CMC)など)、水などが混合されたスラリーを作った後、スラリーを利用してシートを形成する。該スラリーを作るとき、タバコ筋物性を改質するために、天然パルプまたはセルロースが添加され、1個以上のバインダが混合されても使用される。そして、シートを乾燥させた後、乾燥されたシートを切り刻んだり細切れにしたりすることにより、タバコ筋が生成される。 [343] タバコ原料は、タバコ葉片、タバコ幹、及び/またはタバコ処理中に生じたタバコ微粉でもある。また、タバコシートには、木材セルロース纎維のような他の添加剤が含有されてもよい。 [344] 該スラリーには、エアロゾル生成物質が5%ないし40%が添加され、タバコ筋完製品には、エアロゾル生成物質が2%ないし35%が残留される。望ましくは、タバコ筋完製品には、エアロゾル生成物質が10%ないし25%が残留される。)」 か「 [図:0001407366000006.jpg] (当審訳: [360] 冷却構造物(322)は、ヒータ(130)がタバコロッド(310)を加熱することによって生成されたエアロゾルを冷却させる。従って、ユーザは、適当な温度に冷却されたエアロゾルを吸入することができる。)」 き「 [図:0001407366000007.jpg] (当審訳: [427] 図38Aないし図38Cは、保形物によって作製された冷却構造物の例について説明するための図面である。 [428] 図38Aを参照すれば、冷却構造物(4710)は、ポリラクト酸、刻みタバコまたは炭それぞれによって製造された顆粒によっても充填される。また、該顆粒はポリラクト酸、刻みタバコ及び炭の混合物によっても製造される。一方、該顆粒は、ポリラクト酸、刻みタバコ及び/または炭以外にも、エアロゾルの冷却効果を上昇させることができる要素をさらに含んでもよい。)」 く「 [図:0001407366000008.jpg] 図1」 け「 [図:0001407366000009.jpg] 図23a」 こ「 [図:0001407366000010.jpg] 図38a」 さ 上記「う」及び「か」の記載事項及び「け」の図示事項から、シガレット3は、タバコロッド310の下流に第1フィルタセグメント321が位置し、第1フィルタセグメント321の下流にタバコロッド310を加熱することによって生成されたエアロゾルを冷却させる冷却構造物322が位置するといえる。 し 上記「お」の記載事項から、タバコロッド310は、エアロゾル生成物質が残留される複数のタバコ筋で充填されるといえる。 これら記載事項及び図示事項を総合し、整理すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。 「 ヒータ130を含むエアロゾル生成装置1に挿入され加熱されたヒータ130によってエアロゾルが生成されるシガレット3において、 タバコロッド310と、 前記タバコロッド310の下流に位置し、前記タバコロッド310を加熱することによって生成されたエアロゾルを冷却させる冷却構造物322を含み、 前記タバコロッド310はエアロゾル生成物質が残留される複数のタバコ筋でもって充填され、 前記冷却構造物は、刻みたばこによって製造された顆粒によって充填される、シガレット。」 (イ) 引用文献2 原査定の拒絶の理由で引用された国際公開第2013/034306号(以下、「引用文献2」という。)には、「RECONTITUTED TOBACCO PLUG FOR A SMOKING ARTICLE」に関して、次の記載事項及び図示事項がある。 あ「The invention relates to a plug for a smoking article that is adapted to be arranged at the mouth end of a smoking article, the plug comprising a reconstituted tobacco sheet. (当審訳:本発明は、喫煙物品、再構成タバコシートを含む口端部に配置するように構成された喫煙物品のためのプラグに関するものである。)」(1ページ2-3行) い「The object of the invention is to provide a plug which is eco-friendly, as it is mainly or entirely comprised of organic material, namely tobacco, and provides a defined pathway for smoke to flow through the plug foran enhanced smoking experience, while preventing tobacco from entering a consumer's mouth. (当審訳:本発明の目的は、主にまたは全体的に有機材料、つまりタバコで構成された環境にやさしいプラグを提供することであり、消費者の口中にタバコが入る間、プラグを経由して流れる喫煙物品の定義された煙の経路を提供することである。)」(2ページ6-9行) う「According to the invention a plug for a smoking article is provided, the plug comprising a reconstituted tobacco sheet, wherein the reconstituted tobacco sheet is wrapped around a longitudinal axis of the plug, such that the plug provides a longitudinally extending central channel parallel to the longitudinal axis of the plug. (当審訳:喫煙物品のためのプラグに関する本発明は、再構成タバコシートからなるプラグを提供する。再構成されたタバコシートは、プラグの長手方向軸の周囲に巻き付けられており、これにより、プラグは、長手方向軸に平行な長手方向に伸長する中央通路を提供する。)」(2ページ16-19行) え「The plug, and in particular the rolled reconstituted tobacco sheet, is preferably cylindrical, with the longitudinal axis being the central axis of the cylinder. The plug may have a circular, oval, elliptical or other cross-section. However, as a further alternative, the plug may also have the shape of a frustum of a cone. The wrapping of the reconstituted tobacco sheet around the longitudinal axis creates in particular a wound up form of the reconstituted tobacco sheet around the longitudinal axis of the plug. In particular, the reconstituted tobacco sheet is wrapped up having a two dimensional spiral as its cross section. The plug is preferably only formed of the reconstituted tobacco sheet, thus, consists only of the reconstituted tobacco for its entire cross-section. In other embodiments, the plug may be formed only from the reconstituted sheet and an adhesive, as discussed below. A main purpose of the plug is to prevent tobacco from entering the mouth of a consumer of a smoking article comprising the plug, while having a limited effect on the draw resistance. Portions of the smoke may also condense on or be otherwise absorbed by the plug when the smoking article is smoked. The plug is mainly used in smoking articles, in particular cigarettes, that are filterless. (当審訳:プラグ、特に巻かれた再構成タバコシートは、好ましくは円筒の中心軸を縦軸とする円筒形である。プラグは、円形、長円形、楕円形、または他の断面を有していてもよい。しかしながら、更なる代替形態として、プラグは、円錐台の形状を有していてもよい。 縦軸線周りの再構成タバコシートの巻き付けは、特に、プラグの縦軸の周りの再構成タバコシートの巻回された形状を生む。具体的には、再構成されたタバコシートは、断面2次元螺旋を有している。 プラグは、再構成タバコシートのみにより形成され、したがって、その横断面全体について再構成タバコのみから構成される。他の実施形態では、プラグは、再構成されたシートと粘着剤のみで形成されてもよい。 プラグの主目的は、引抜強度の限定的な効果を有する間、プラグを含む喫煙物品の消費者の口中に入るたばこを防止することである。煙の一部は、喫煙物品が喫煙されたときに凝縮又はプラグによって吸収されてもよい。プラグは、喫煙物品、特にフィルタなしのシガレットで利用される。)」(2ページ32-3ページ12行) お「In Figure 2, the plug 3 can be seen individually, wherein at the plug mouth end 5, the wrapped, spirally wound form of the reconstituted tobacco sheet is shown with the opening of the central channel 9. In Figure 3, the mouth end 5 of the plug 3 can be seen in a plane view. The arrow inside the channel 9 shows the dimension of the channel 9, as described above. Around the central channel 9, the reconstituted tobacco sheet 10 is wound up in layers. In the region of the outermost end of the reconstituted tobacco sheet 10, adhesive 12 is provided, to stabilize the form of the plug 3. Additionally, in some embodiments a wrapper 11 may be provided around the plug 3, which is however not shown in Figure 3. As can be seen in Figure 3, the main route of smoke and air is through the channel 9, while some of the smoke may also pass in between the adjacent layers of reconstituted tobacco sheet 10. (当審訳:図2において、中央通路9の開口部を備えた、再構成タバコシートがらせん状に巻き付けられた形態である、口端部5のプラグ3が示されている。 図3において、プラグ3の口側端5は、平面図で見ることができる。上述のとおり、通路9の内側の矢印は通路9の寸法を示す。中央通路9の周囲には、再構成タバコシート10が層状に巻かれる。再構成タバコシート10の最も外側の端の領域で、プラグ3の形態を安定化するために接着剤12が設けられる。さらに、いくつかの実施形態で、図3に示されていないラッパー11がプラグ3の周囲に設けられる。図3から分かるように、煙及び空気の主経路は通路9を介するものであるが、煙の一部は、再構成タバコシート10の隣接した層の間を通過する。)」(8ページ4-14行) か「図2 [図:0001407366000011.jpg] 」 き「図3 [図:0001407366000012.jpg] 」 これら記載事項及び図示事項を総合し、整理すると、引用文献2には、以下の事項(以下、「引用文献2の記載事項」という。)が記載されている。 「プラグ3は、再構成タバコシートがらせん状に巻き付けられた形態であり、煙の主経路は通路9を介するものであるが、煙の一部は隣接層の間を通過すること。」 ウ 引用発明1との対比 本件補正発明と引用発明1とを対比する。 後者の「シガレット3」は、その機能、構成及び技術的意義からみて前者の「エアロゾル生成物品」に相当する。 後者の「ヒータ130を含むエアロゾル生成装置1」は、「シガレット3」が「挿入され加熱されたヒータ130によってエアロゾルが生成される」ものであるから、その機能、構成及び技術的意義からみて前者の「加熱式のエアロゾル生成装置」に相当する。 そうすると、後者の「ヒータ130を含むエアロゾル装置1に挿入され」ることは、「シガレット3」と「ヒータ130を含むエアロゾル生成装置1」とが結合することであるから、前者の「加熱式のエアロゾル生成装置と結合」することに相当し、後者の「加熱されたヒータ130によってエアロゾルが生成される」ことは、前者の「エアロゾルを生成する」ことに相当する。 後者の「前記タバコロッド310を加熱することによって生成されたエアロゾルを冷却させる」ことは、その機能、構成及び技術的意義からみて前者の「前記タバコロッドから生成されるエアロゾルを冷却させる」ことに相当する。同様に、後者の「冷却構造物322」は、前者の「冷却セグメント」に相当する。 そうすると、後者の「前記タバコロッド310の下流に位置し、前記タバコロッド310を加熱することによって生成されたエアロゾルを冷却させる冷却構造物322を含」むことと前者の「前記タバコロッドの直ぐ下流に位置し、前記タバコロッドから生成されるエアロゾルを冷却させる冷却セグメントを含」むこととは、「前記タバコロッドの下流に位置し、前記タバコロッドから生成されるエアロゾルを冷却させる冷却セグメントを含」むことという限りで一致する。 後者の「タバコ筋」は、その機能、構成及び技術的意義からみて前者の「タバコストランド」に相当する。そうすると、後者の「前記タバコロッド310はエアロゾル生成物質が残留される複数のタバコ筋でもって充填され」ることは、前者の「前記タバコロッドは複数のタバコストランドを含」むことに相当する。 したがって、両者は 「 加熱式のエアロゾル生成装置と結合してエアロゾルを生成するエアロゾル生成物品において、 タバコロッドと、 前記タバコロッドの下流に位置し、前記タバコロッドから生成されるエアロゾルを冷却させる冷却セグメントを含み、 前記タバコロッドは複数のタバコストランドを含み、 エアロゾル生成物品。」 である点で一致し、次の2点で相違する。 [相違点1] 「冷却セグメント」の「位置」に関して、前者は、「タバコロッドの直ぐ下流に位置」するのに対し、後者は、「タバコロッドの下流に位置」するものである点。 [相違点2] 前者の「冷却セグメント」は、「再構成タバコシート」を含み、さらに当該「再構成タバコシート」は「折り畳まれた状態または巻かれた状態で形成され、前記エアロゾル生成物品の長手方向に複数のチャネルを含」むとともに、「冷却セグメントの再構成タバコシートおよびタバコロッドは、材料成分が異なる」ものであるのに対し、後者の「冷却構造物」は、「刻みたばこによって製造された顆粒によって充填される」ものである点。 エ 判断 初めに、上記相違点1ついて検討する。 引用文献1の段落[336](「イ(ア)え」を参照。)に記載されたとおり、引用文献1に開示されるシガレット(3)は、その一部が省略されるものであって、第1フィルタセグメント(321)、冷却構造物(322)及び第2フィルタセグメント(323)のうち1つ以上はシガレット(3)には含まれないものとすることができるものである。 そして、例えば引用文献1の図23a(「イ(ア)け」を参照。)に図示されるシガレット(3)において、第1フィルタセグメント(321)をシガレット(3)に含まれないものとして、ダバコロッド310の直ぐ下流に冷却構造物(322)を位置する設計変更ができることは、引用文献1の上記記載に接した当業者であれば容易に理解できることである。 そうすると、引用発明において、相違点1に係る本件補正発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことである。 次に上記相違点2について検討する。 引用文献2の記載事項におけるプラグ3は、再構成タバコシートがらせん状に巻き付けられた形態であり、また、煙は主経路である通路9を通過する他、その一部が隣接層の間を通過するものであるから、長手方向に複数のチャネルを含むものといえる。そうすると、引用文献2の記載事項は、「巻かれた状態で形成され、長手方向に複数のチャネルを含む、再構成タバコシート」を含む「プラグ」を開示するといえる。ここで、引用発明1と引用文献2の記載事項とは、喫煙を行うための物品である点で共通する。 また、引用文献2の記載事項のプラグにおいて、「煙の一部は、喫煙物品が喫煙されたときに凝縮」する(「イ(イ)え」を参照。)もの、すなわち煙の一部は、プラグで冷却され、凝縮されるものであるから、引用発明1の冷却構造物と共通する機能を備えるといえる。 さらに、引用発明1の冷却構造物として引用文献2の記載事項におけるプラグが採用できないとする格別な事情もない。 そうすると、引用発明1の冷却構造物に換えて引用文献2の記載事項におけるプラグを採用することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 そして、引用発明1の冷却構造物に換えて引用文献2の記載事項におけるプラグを採用したものは、タバコロッドがエアロゾル生成物質が残留される複数のタバコストランドであり、プラグが再構成タバコシートを含むものであるから、「冷却セグメントの再構成タバコシートおよびタバコロッドは、材料成分が異なる」ものとなることは、当業者であれば理解できることである。 したがって、引用発明1の冷却構造物に換えて引用文献2の記載事項におけるプラグを採用し、相違点2に係る本件補正発明の発明特定事項とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 また、本件補正発明は、全体としてみても、引用発明1及び引用文献2の記載事項から予測し得ない格別な効果を奏するものではない。 したがって、本件補正発明は、引用発明1及び引用文献2の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3.審判請求人の主張について 審判請求人は、審判請求書において「いずれの引用文献にも、本願の請求項1、9に係る発明の下記の構成が記載されていない。 「エアロゾル生成物品は、タバコロッドの直ぐ下流に位置し、タバコロッドから生成されるエアロゾルを冷却させる冷却セグメントを含み、タバコロッドは複数のタバコストランドを含み、冷却セグメントは、再構成タバコシートを含み、冷却セグメントの再構成タバコシートおよびタバコロッドは、材料成分が異なること」」と主張する。 また、令和5年5月16日の上申書において、次の主張を行っている。 (1)「引用文献1のフィルタセグメントは、タバコロッド内の物質が押し戻されることを防止するために設けられているので(引用文献1の段落0354)、当業者は、タバコロッドと冷却セグメントとの間のフィルタセグメントを除去する本願発明の構成、すなわちタバコロッドの直ぐ下流に位置する冷却セグメントを想到できない。」 (2)「引用文献1において、ポリ乳酸、刻みタバコ、及びチャコールに加えて、エアロゾル冷却効果を更に増大させることが可能な要素が含まれ得るという特徴が開示されているが'(引用文献1の段落0428)、引用文献1は、顆粒の元となる「刻みタバコ」の構成要素がタバコロッドと異なるという特徴を開示していない。」 (3)「引用文献2に記載の発明によれば、喫煙物品は、燃焼式の喫煙物品であり、タバコロッドと、タバコロッドの下流に位置するプラグとを含み、プラグは巻かれた状態の再構成タバコシートを含み、プラグは長手方向に延びる唯一の中央チャネルを有し、プラグは、タバコ粒子が、刻みタバコを含むタバコロッドからユーザの口に入ることを防止する。しかし、エアロゾル生成物品は、タバコロッドの直ぐ下流に位置し、タバコロッドから生成されるエアロゾルを冷却させる冷却セグメントを含み、タバコロッドは複数のタバコストランドを含み、冷却セグメントは、再構成タバコシートを含み、冷却セグメントの再構成タバコシートおよびタバコロッドは、材料成分が異なることについては、何ら記載も示唆もされていない。」 そこで、これら主張について検討する。 初めに、審判請求書においていずれの引用文献にも記載されていない旨主張する「エアロゾル生成物品は、タバコロッドの直ぐ下流に位置し、タバコロッドから生成されるエアロゾルを冷却させる冷却セグメントを含」むこと及び当該主張に関連する上申書における上記(1)及び(3)の「エアロゾル生成物品は、タバコロッドの直ぐ下流に位置し、タバコロッドから生成されるエアロゾルを冷却させる冷却セグメントを含」むことに係る主張を検討すると、2.エの相違点1の検討において上述したとおり、引用文献1の段落[336](「イ(ア)え」を参照。)には、第1フィルタセグメント(321)、冷却構造物(322)及び第2フィルタセグメント(323)のうち1つ以上はシガレット(3)には含まれないものとすることが記載されている。そうすると、引用文献1の段落[354]の記載にかかわらず、第1フィルタセグメント(321)は、その必要に応じて含まないものとすることができると解されるものである。 したがって、審判請求人のこれら主張は当を得ない。 次に、審判請求書においていずれの引用文献にも記載されていない旨主張する「タバコロッドは複数のタバコストランドを含み、冷却セグメントは、再構成タバコシートを含み、冷却セグメントの再構成タバコシートおよびタバコロッドは、材料成分が異なること」、上申書における上記(2)及び(3)に係る主張((3)に係る主張のうち「エアロゾル生成物品は、タバコロッドの直ぐ下流に位置し、タバコロッドから生成されるエアロゾルを冷却させる冷却セグメントを含」むことに係る主張についての検討は上述したとおりである。)を検討すると、引用発明1は、エアロゾル生成物質が残留される複数のタバコ筋を備えており、また、2.エの相違点2の判断で上述したとおり、引用発明1の冷却構造物に換えて引用文献2の記載事項におけるプラグを採用したものは、タバコロッドがエアロゾル生成物質が残留される複数のタバコ筋であり、冷却セグメントが再構成タバコシートを含み、エアロゾル生成物質が残留される複数のタバコ筋と再構成タバコシートは材料成分が異なるのであるから、「冷却セグメントは、再構成タバコシートを含み、冷却セグメントの再構成タバコシートおよびタバコロッドは、材料成分が異なること」を備えるものといえる。 。 したがって、審判請求人のこれら主張は当を得ない。 よって、審判請求書及び上申書における審判請求人の主張は当を得ない。 4.小括 上記2.のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に反するものであるから、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1.本願発明 本件補正は、上記の通り却下されたので、本願の請求項1ないし請求項10に係る発明は、令和4年5月2日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし請求項10に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、前記第2 1.(1)に記載のとおりのものである。 2.原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、本願の請求項1に係る発明は、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献に記載された発明に基いて、その出願前に発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1:国際公開第2018/110834号 引用文献2:国際公開第2013/034306号 3.引用文献 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1及び引用文献2に記載の事項は、前記第2[理由]2.イに記載したとおりである。 4.対比・判断 本願発明は、前記第2[理由]2.で検討した本件補正発明から、「タバコロッドの下流に位置し」についての「タバコロッドの直ぐ下流に位置し」との限定、「タバコロッド」についての「前記タバコロッドは複数のタバコストランドを含み、」との限定、及び「冷却セグメント」及び「タバコロッド」についての「前記冷却セグメントの前記再構成タバコシートおよび前記タバコロッドは、材料成分が異なる」との限定を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2[理由]2.エに記載したとおり、引用発明1及び引用文献2の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明1及び引用文献2の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-019443

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