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特許拒絶査定不服審判

2023-021619

電気掃除装置、電気掃除装置用のプログラム、電気掃除機、電気掃除機用のプログラム、別体装置及び別体装置用プログラム

審判番号
2023-021619
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-124882外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2023年12月20日
審決日
2025年11月12日
公報発行日
2026年02月27日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .537-WZ (A47L) / P18 .121-WZ (A47L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021-124882「電気掃除装置、電気掃除装置用のプログラム、電気掃除機、電気掃除機用のプログラム、別体装置及び別体装置用プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年11月25日出願公開、特開2021-180872〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成25年7月30日に出願された特願2013-157642号の一部を、平成29年6月14日に新たな特許出願とした特願2017-116365号の一部を、平成30年9月25日に新たな特許出願とした特願2018-178226号の一部を、令和2年3月13日に新たな特許出願とした特願2020-43570号の一部を、令和3年7月30日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和 4年10月27日付け:拒絶理由通知書 令和 4年11月24日 :意見書、手続補正書の提出 令和 5年 3月28日付け:拒絶理由通知書 令和 5年 5月19日 :意見書、手続補正書の提出 令和 5年 9月12日付け:令和5年5月19日の手続補正についての補正の却下の決定・拒絶査定 令和 5年12月20日 :審判請求書、手続補正書の提出 令和 7年 4月18日付け:拒絶理由通知書 令和 7年 6月19日 :意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明 本願の請求項に係る発明は、令和7年6月19日に提出された手続補正書による補正後の特許請求の範囲の請求項1ないし56に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。 「 【請求項1】 所定の掃除対象エリアの内の常駐障害物を除く領域である掃除可能領域内を移動しながら掃除を実行する電気掃除機と、前記電気掃除機と通信可能に接続される前記電気掃除機とは別体の別体装置とを有する電気掃除装置であって、 前記電気掃除機は、 掃除対象物及び/又は非掃除対象物を撮像するための撮像部と、 前記別体装置と通信するための通信手段と、 を備え、 前記別体装置は、 表示画面と、 前記電気掃除機と通信するための通信手段と、 を備え、 前記電気掃除機及び/又は前記別体装置は、 前記撮像部の撮像画像から前記掃除可能領域内に存在する前記非掃除対象物を認識する画像認識手段と、 前記画像認識手段での前記非掃除対象物の認識を前記電気掃除機の掃除動作における前記非掃除対象物の回避のために用いる認識利用手段と、 前記画像認識手段で認識した前記非掃除対象物の前記撮像部による撮像画像を記憶する撮像画像記憶手段と、 前記表示画面に、前記掃除可能領域内における前記回避した前記非掃除対象物に対して、前記非掃除対象物が何であるかを分かるように、前記撮像画像記憶手段に記憶された前記非掃除対象物の撮像画像に基づいて前記非掃除対象物がアイコン化されたものを、対応付けて表示するための処理を行う表示処理手段と、 を備えることを特徴とする電気掃除装置。」 第3 拒絶の理由 令和7年4月18日付けで当審が通知した拒絶の理由のうち、本願発明に対応する請求項1に係る発明に対する理由2(進歩性)の概要は、次のとおりである。 (進歩性) 請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内または外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2、3に例示された周知の技術的事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1.特開2005-312893号公報 引用文献2.特開2012-190073号公報 引用文献3.米国特許出願公開第2013/0056032号明細書 第4 引用文献の記載及び引用発明 1 引用文献1の記載 当審が通知した拒絶の理由で引用された引用文献1には、図面とともに、次の記載がある(下線は、当審で付した。)。 (1)「 【0001】 本発明は、掃除機制御装置、当該掃除機制御装置を含む掃除機およびロボット、ならびに掃除機制御方法に関する。」 (2)「 【0041】 (第一の実施の形態) 図1は本発明の実施の形態における掃除機の構成を示すブロック図である。 掃除機100は、物体識別部102、動作判断部108、動作記憶部114、制御処理部116、および掃除実行部118を含む。ここで、物体識別部102、動作判断部108、動作記憶部114、および制御処理部116により掃除機制御装置が実現される。 【0042】 掃除実行部118は、掃除を実行する。掃除実行部118の詳細な構成は後述する。 【0043】 物体識別部102は、所定の物体を検出し、その物体から識別情報を取得する。動作記憶部114は、物体の識別情報と、その物体に応じた掃除実行部118の動作とを対応づけて記憶する。動作判断部108は、物体識別部102が取得した物体の識別情報に基づき、動作記憶部114から、その物体に応じた掃除実行部118の動作を読み出す。制御処理部116は、動作判断部108が読み出した掃除実行部118の動作を制御信号として掃除実行部118に出力し、掃除実行部118の動作を制御する。 【0044】 図2および図3は、物体識別部102を詳細に示す図である。 図2は、物体識別部102の構成の一例を示すブロック図である。ここで、検出対象の物体201には、識別情報が記憶された識別タグ211が付されている。 【0045】 物体識別部102は、識別タグ211が付された検出対象物体201を検出して識別タグ211に記憶された情報を読み出す物体検出部104と、物体検出部104が読み出した情報の中から識別情報を取得する識別情報取得部106とを含む。ここで、たとえば、識別タグ211は無線ICタグとすることができ、物体検出部104は無線ICタグリーダとすることができる。また、識別タグ211と物体検出部104とは、赤外線発光器と赤外線受光器、バーコードシールとバーコードスキャナ、超音波発信器と超音波受信器との組合せとすることもできる。 【0046】 図3は、物体識別部102の構成の他の例を示すブロック図である。 物体識別部102は、検出対象物体201を撮影して検出対象物体201の画像データを取得する撮像部130と、画像データと識別情報とを対応づけて記憶する画像データ記憶部132と、物体検出部104が取得した画像データと、画像データ記憶部132に記憶された画像データの特徴点とをマッチングして、物体検出部104が取得した画像データに対応する識別情報を取得する識別情報取得部106とを含む。 【0047】 図4は、動作記憶部114の内部構成の一例を示す図である。 ここで、動作記憶部114は、物体の識別情報(識別ID)と掃除実行部118の動作IDとを対応づけた動作ID対応表114aと、動作IDと動作とを対応づけた動作対応表114bとを含む。 【0048】 動作ID対応表114aは、物体名欄と、識別ID欄と、動作ID欄とを有する。動作対応表114bは、動作ID欄と動作欄とを有する。動作としては、「通常の掃除」、「念入りに掃除」、「近づかない」、「アラーム通知」という処理が含まれる。 【0049】 たとえば、動作ID対応表114aにおいて、物体名が「ゴミ箱1」で識別IDが「003」や物体名が「ゴミ箱2」で識別IDが「004」の物体は、動作ID「B」に対応づけられている。動作対応表114bを参照すると、動作ID「B」の動作は「念入りに掃除」となっている。制御処理部116は、物体識別部102が識別IDが「003」のゴミ箱1や識別IDが「004」のゴミ箱2を識別すると、掃除実行部118がその周囲で念入りに掃除するよう掃除実行部118を制御する。 【0050】 また、たとえば、動作ID対応表114aにおいて、物体名が「指輪」で識別IDが「001」の物体は、動作ID「D」に対応づけられている。動作対応表114bを参照すると、動作ID「D」の動作は「アラーム通知」となっている。制御処理部116は、物体識別部102が識別IDが「001」の指輪を識別すると、掃除実行部118がアラームを通知するよう掃除実行部118を制御する。 【0051】 同様に、動作ID対応表114aにおいて、物体名が「花瓶」で識別IDが「005」の物体は、動作ID「C」に対応づけられている。動作対応表114bを参照すると、動作ID「C」の動作は「近づかない」となっている。制御処理部116は、物体識別部102が「005」の花瓶を識別すると、掃除実行部118が近づかないように掃除実行部118を制御する。 【0052】 本実施の形態における掃除機100において、ゴミ箱のように、周囲にゴミや埃が多いことが予想される物体と、「念入りに掃除」という掃除実行部118の動作とを対応づけて動作記憶部114に記憶しておくことにより、掃除実行部118にゴミや埃が多いことが予想される物体の周囲を念入りに掃除させることができる。また、指輪や花瓶のように、掃除実行部118が吸い込んだり壊したりしては困ることが予想される物体と、「アラーム通知」や「近づかない」等の掃除実行部118の動作とを対応づけて動作記憶部114に記憶しておくことにより、掃除実行部118がそのような物体を吸い込んだり壊したりすることのないように掃除実行部118を制御することができる。 【0053】 図5は、掃除実行部118を詳細に示すブロック図である。掃除実行部118は、ゴミ吸引手段118a、ゴミ掃き出し手段118b、ゴミ拭き手段118c等のゴミを掃除するための手段と、掃除機100を自律的に移動させるための自走手段118dと、ユーザに対してアラームを通知するためのアラーム通知手段118eとを含む。掃除実行部118の各手段は、制御処理部116からの制御信号に応じて制御され、目的の掃除動作を実現する。 【0054】 次に、掃除実行部118が目的の掃除動作を実行するための制御処理部116の制御の例を示す。 【0055】 たとえば、動作判断部108が掃除実行部118の動作として「通常の掃除」を選択した場合、制御処理部116は、自走手段118dにより掃除機100を移動させつつ、ゴミ吸引手段118aにゴミの吸い込みをさせて移動経路上のゴミを吸い込ませる等の処理を行う。 【0056】 また、動作判断部108が掃除実行部118の動作として「念入りに掃除」を選択した場合、制御処理部116は、自走手段118dによる掃除機100の移動速度を遅くするとともに、ゴミ吸引手段118aによるゴミの吸引力を増強させて、移動経路上のゴミをより精度よく吸い込ませる等の処理を行う。 【0057】 また、動作判断部108が掃除実行部118の動作として「近づかない」を選択した場合、制御処理部116は、自走手段118dにより掃除機100を進行方向と逆方向に移動させた後に方向転換をする等の処理を行う。 【0058】 また、動作判断部108が掃除実行部118の動作として「アラーム通知」を選択した場合、制御処理部116は、ゴミ吸引手段118aおよび自走手段118dの動作を停止するとともに、アラーム通知手段118eによりユーザにアラーム状態を通知させる処理を行う。ここで、アラーム通知手段118eは、たとえば、音声出力やモニタに表示させる等して、ユーザに「吸い込み禁止物体があります。確認してください」等のメッセージを伝達することができる。 【0059】 制御処理部116が掃除実行部118を具体的に動作させるための制御プログラムは、動作記憶部114に記憶されていてもよく、また掃除機100は、動作記憶部114とは異なる記憶部を有し、その記憶部に記憶されていてもよい。」 (3)「 【0069】 (第二の実施の形態) 図8は、本発明の実施の形態における掃除機の構成を示す。 本実施の形態における掃除機101は、第一の実施の形態において図1を参照して説明した掃除機100の構成に加えて、さらに、登録処理部126を含む。 【0070】 登録処理部126は、ユーザから動作記憶部114に記憶する情報の入力等の指示を受け付ける。登録処理部126は、入力受付部127および提示処理部128を有する。提示処理部128は、動作記憶部114に記憶されている情報を提示する処理を行う。入力受付部127は、ユーザから、動作記憶部114に記憶する情報の編集、追加、削除等の指示を受け付ける。ここで、掃除機101は操作パネルやディスプレイ(ともに不図示)を有することができる。ユーザは、操作パネルを介して動作記憶部114に記憶する情報の編集、追加、削除等の指示を入力する。また、提示処理部128は、動作記憶部114に記憶されている情報をディスプレイに表示することができる。入力受付部127は、ユーザから受け付けた指示に基づき、動作記憶部114を更新する。 【0071】 また、登録処理部126は、新たな物体の情報が動作記憶部114に入力されると、既に動作IDが対応づけられている類似の物体の情報を参考にして、自動的に対応する動作IDを付し、それをユーザに提示してユーザからの修正等を受け付けるようにすることもできる。これにより、ユーザの手間を省くことができる。 【0072】 図9は、本実施の形態における掃除機101の構成の他の例を示すブロック図である。 登録処理部126は、掃除機101本体とは別の端末またはサーバ301に設ける構成とすることができる。この場合、登録処理部126は、有線または無線のネットワークを介して動作記憶部114から情報を取得したり、動作記憶部114に情報を送信したりすることができる。また、登録処理部126と動作記憶部114との間の情報の送受信は、たとえばブルートゥース(Bluetooth)や赤外線により行うこともできる。ここで、登録処理部126が設けられる端末またはサーバ301は、携帯電話、パーソナルコンピュータ、PDA等とすることができる。登録処理部126からの情報の入力等は、たとえば掃除機101のユーザが行うことができる。また、たとえば掃除機の製造会社等のサービス提供者が上述したネットワーク等を介して顧客の掃除機101の動作記憶部114の情報を更新するようにすることもできる。 【0073】 図10は、本実施の形態における掃除機101の構成の他の例を示すブロック図である。 ここで、登録処理部126に加えて、動作記憶部114も掃除機101本体とは別の端末またはサーバ302に設ける構成とすることができる。この場合、動作判断部108は、有線または無線のネットワークを介して動作記憶部114から情報を取得することができる。また、動作記憶部114の情報は、たとえばブルートゥース(Bluetooth)や赤外線により動作判断部108に送信されるようにすることもできる。ここで、登録処理部126および動作記憶部114が設けられる端末またはサーバ302は、携帯電話、パーソナルコンピュータ、PDA等とすることができる。 【0074】 登録処理部126からの情報の入力等は、たとえば掃除機101のユーザが行うことができる。また、たとえば掃除機の製造会社等のサービス提供者が動作記憶部114の情報を更新するようにすることもできる。この場合、複数の掃除機101で動作記憶部114を共有するようにすることができる。」 (4)「 【0077】 (第三の実施の形態) 本実施の形態において、掃除機は、自律走行可能に構成され、掃除機が自動的に掃除対象のエリアを掃除する処理を行う。 【0078】 図12は、本発明の実施の形態における掃除機の構成を示すブロック図である。 本実施の形態における掃除機103は、第二の実施の形態において図8を参照して説明した掃除機101の構成に加えて、さらに、位置情報取得部134、エリア情報記憶部136、センサ入力処理部138、および撮像部140を含む。 【0079】 位置情報取得部134は、GPS等の機能を有し、自己位置を検知する。位置情報取得部134は、自己の位置情報を制御処理部116に通知する。エリア情報記憶部136は、掃除機103が掃除する対象のエリアの見取り図等のマップ情報を記憶する。 【0080】 撮像部140は、たとえばCCDカメラであり、掃除機103の進行方向や周囲にある物体の画像データを取得する。センサ入力処理部138は、撮像部140から送出される画像信号等に基づいて周囲の状態を認識し、その認識結果を制御処理部116に通知する。 【0081】 本実施の形態において、制御処理部116は、位置情報取得部134から通知された掃除機103の位置情報と、エリア情報記憶部136に記憶された掃除対象のエリアの見取り図とに基づき、掃除機103の移動方向を決定する。制御処理部116は、掃除対象のエリアを効率よく移動できるように、掃除機103の移動方向を制御することができる。また、制御処理部116は、センサ入力処理部138から通知により、移動方向に障害物があるような場合は、その障害物を避ける等して移動方向を制御する。 【0082】 制御処理部116は、掃除実行部118の自走手段118d(図5参照)を駆動するための制御信号を生成し、掃除実行部118に送出する。これにより、掃除機103は掃除対象のエリア内を効率よく移動することができる。 【0083】 また、本実施の形態において、動作判断部108は、動作読出部110と動作予測部112とを含む。動作読出部110は、物体識別部102が物体を識別すると、動作記憶部114から、識別情報取得部106が取得した識別情報に対応づけられた掃除実行部118の動作を読み出す。 【0084】 動作予測部112は、識別情報取得部106が取得した識別情報に対応する掃除実行部118の動作が動作記憶部114に記憶されていない等により、動作読出部110が掃除実行部118の動作を読み出せない場合に、物体識別部102が識別した物体に応じた掃除実行部118の動作を予測する。たとえば、動作予測部112は、撮像部140が取得した物体の画像データに基づきセンサ入力処理部138が認識した画像認識結果を考慮して、物体の種類を予測することができる。また、動作予測部112は、識別情報取得部106が取得した識別情報をキーとしてネットワーク等を介して接続された外部サーバ(不図示)から、その識別情報に対応する物体の情報を取得することもでき、取得した物体の情報に基づき、物体の種類を予測することもできる。 【0085】 ここで、動作記憶部114には、物体の種類とその種類に応じた掃除の動作とも対応づけて記憶することができる。図13は、動作記憶部114の内部構成の一例を示す図である。動作記憶部114は、物体の識別情報(識別ID)と掃除実行部118の動作IDとを対応づけた動作ID対応表114aと、動作IDと動作とを対応づけた動作対応表114bとを含む。動作対応表114bは、第一の実施の形態において図4を参照して説明したのと同様である。 【0086】 動作ID対応表114aは、物体名欄と、識別ID欄と、動作ID欄とに加えて、物体種類欄を有する。物体種類欄には、各物体の種類が記憶される。たとえば、物体名「指輪」は、物体種類が「貴重品」である。また、物体名「携帯電話」は、物体種類が「電気機器小」である。 【0087】 図12に戻り、動作予測部112は、物体の種類を予測すると、その物体と同じ種類の物体に対応づけられた掃除実行部118の動作をその物体に応じた掃除実行部118の動作として予測する。制御処理部116は、動作予測部112が予測した掃除実行部118の動作を制御信号として掃除実行部118に出力し、掃除実行部118の動作を制御する。 【0088】 また、本実施の形態において、登録処理部126は、新たな物体の情報が動作記憶部114に入力されると、物体の種類に応じて、同じ種類の物体に対応づけられている動作IDを参考にして、自動的に対応する動作IDを付し、それをユーザに提示してユーザからの修正等を受け付けるようにすることができる。これにより、ユーザの手間を省くことができる。 【0089】 図14は、本実施の形態における動作判断部108の処理手順を示すフローチャートである。以下説明する手順は、第一の実施の形態における図6のステップS108の処理に該当する。 【0090】 動作読出部110は、物体識別部102の識別情報取得部106から識別情報を取得すると、動作記憶部114を参照して、その識別情報に対応する掃除実行部118の動作が記憶されているか否かを判断する(S120)。動作が記憶されていない場合(S120のNO)、その旨を動作予測部112に通知する。動作予測部112は、物体識別部102が識別した物体の詳細な情報を取得する(S122)。このとき、物体の画像データを取得した場合、その画像データを物体の識別情報に対応づけて記憶しておくこともできる。これにより、ユーザが不在時に掃除を行っている場合でも、後にユーザに確認させて、動作記憶部114に適切な情報を記憶させることができる。つづいて、動作予測部112は、取得した物体の情報に基づき、その物体の種類を予測する(S124)。 【0091】 動作予測部112は、動作記憶部114を参照して、ステップS124で予測した物体の種類と同じ種類の物体の登録情報があるか否かを判断する(S126)。同種類の物体の登録情報がある場合(S126のYES)、その物体に対応づけられた掃除実行部118の動作を読み出す(S128)。一方、ステップS126において、同種類の物体の登録情報がない場合(S126のNO)、動作予測部112は、たとえばその物体に近づかない等の動作を読み出す(S130)。 【0092】 ステップS120において、識別情報取得部106から取得した識別情報に対応する掃除実行部118の動作が記憶されている場合(S120のYES)、動作読出部110は、その動作を読み出す(S132)。この後、制御処理部116は、動作判断部108が読み出した動作を掃除実行部118に実行させる。」 (5)「 【0095】 (第四の実施の形態) 本実施の形態における掃除機は、第三の実施の形態で説明したのと同様に、自律走行可能に構成され、自動的に掃除対象のエリアを掃除する処理を行う。また、本実施の形態において、掃除機は、掃除の履歴を記憶する。これにより、自動的に掃除を行った場合に、後でユーザが掃除の状況等を把握することができる。 【0096】 図15は、本発明の実施の形態における掃除機の構成を示すブロック図である。 本実施の形態における掃除機105は、第三の実施の形態において図12を参照して説明した掃除機103の構成に加えて、さらに、履歴書込部142、掃除履歴記憶部144、および出力処理部146を含む。 【0097】 履歴書込部142は、制御処理部116の掃除実行部118に対する制御履歴を掃除履歴記憶部144に記憶する。本実施の形態において、制御処理部116は、位置情報取得部134から送出される掃除機105の位置情報と、エリア情報記憶部136に記憶された掃除対象エリアのマップ情報とに基づき、掃除機105が掃除対象エリアのどの位置にいるかを常に把握する。履歴書込部142は、掃除機105の位置情報と、そのときに制御処理部116が掃除実行部118に指示した制御内容とを対応づけて掃除履歴記憶部144に記憶する。 【0098】 出力処理部146は、ユーザの指示等に基づき、掃除履歴記憶部144から掃除履歴情報を読み出し、出力する処理を行う。出力処理部146は、たとえばモニタに掃除履歴情報を表示することもでき、またプリンタ等により掃除履歴情報を印刷出力することもできる。 【0099】 図16は、出力処理部146により出力された掃除レポートの一例を示す図である。 ここでは、部屋Aの掃除履歴が示されている。この部屋には、識別ID「006」の作業台と、識別ID「003」のゴミ箱1と、識別ID「004」のゴミ箱2と、識別ID「007」の加湿器と、識別ID「005」の花瓶と、識別ID「001」の指輪とが含まれる。作業台、ゴミ箱1およびゴミ箱2の周囲は、念入りに掃除されている。また、指輪および花瓶の周囲には掃除機105が近づかないように制御され、未掃除となっている。それ以外のエリアは通常の掃除がされている。 【0100】 このように、掃除履歴を記憶して、出力できるようにすることにより、たとえばユーザの不在時に掃除機105に自動的に掃除を行わせた場合でも、部屋のどの部分がどのように掃除されたかを知ることができる。これに基づき、たとえば掃除がされていないエリアをユーザが後で自分で掃除をするようにすることができる。また、たとえば指輪を部屋の中で落として紛失しまった場合等に、掃除履歴を見ることにより、指輪を探し出すこともできる。」 (6)図16 [図:0001431552000001.jpg] 2 引用発明 上記(1)~(6)の記載を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 引用発明 「 掃除対象のエリアの見取り図に基づき掃除機の移動方向を決定し、掃除対象のエリアを掃除する掃除機101と、前記掃除機101と無線のネットワークを介して情報の取得、送信を行う、前記掃除機101とは別の端末である携帯電話等の端末302を有する掃除機101及び携帯電話等の端末302であって、 前記掃除機101は、 検出対象物体の画像データを取得する撮像部130と、 前記携帯電話等の端末302と情報の取得、送信を行う無線のネットワーク を備え、 前記掃除機101は、 モニタを備え、 携帯電話等の端末302は、 前記掃除機101と情報の取得、送信を行う無線のネットワーク を備え、 掃除機101は、 前記撮像部130が取得した画像データと、画像データ記憶部132に記憶された画像データの特徴点とをマッチングして、画像データに対応する識別情報を取得する識別情報取得部106と、 前記識別情報取得部106が取得した物体の識別情報に対応付けられた掃除実行部118の動作として「近づかない」を選択する動作判断部108と、 前記モニタに、掃除履歴情報として識別情報を表示する出力処理部146と、 を備える掃除機101及び携帯電話等の端末302。」 第5 対比 1 以下、本願発明と引用発明とを対比する。 (1)引用発明の「掃除機101」は、本願発明の「電気掃除機」に相当し、以下同様に、「携帯電話等の端末302」は「別体装置」に、「掃除機101及び携帯電話等の端末302」は「電気掃除装置」に、「検出対象物体」は「掃除対象物及び/又は非掃除対象物」に、「撮像部130」は「撮像部」に、「モニタ」は「表示画面」に、それぞれ相当する。 (2)引用発明の「掃除機101」が「掃除対象のエリアの見取り図に基づき掃除機の移動方向を決定し、掃除対象のエリアを掃除する」ことは、見取り図は、エリア情報記憶部136に記憶されている、掃除する対象のエリアのマップ情報であり、掃除機は自身の位置情報と見取り図とに基づいて移動方向を決定し、移動方向に障害物があるような場合は、障害物を避ける等して掃除可能である領域を掃除するものであるので、本願発明の「電気掃除機」が「所定の掃除対象エリアの内の常駐障害物を除く領域である掃除可能領域内を移動しながら掃除を実行する」ことに相当する。 (3)引用発明の「掃除機101」と「携帯電話等の端末302」が「無線のネットワークを介して情報の取得、送信を行う」ことは、本願発明の「電気掃除機」と「別体装置」が「通信可能に接続される」ことに相当する。 (4)引用発明の「撮像部130」が「検出対象物体の画像データを取得する」ことは、本願発明の「撮像部」が「掃除対象物及び/又は非掃除対象物を撮像する」ことに相当する。 (5)引用発明の「掃除機101」と「携帯電話等の端末302」が「情報の取得、送信を行う無線のネットワーク」は、本願発明の「電気掃除機」と「別体装置」が「通信するための通信手段」に相当する。 (6)引用発明の「掃除機101」が、「モニタを備え」た構成と、本願発明の「別体装置」が、「表示画面」を「備え」た構成は、「電気掃除装置が、表示画面を備え」た点で共通する。 (7)引用発明の「識別情報取得部106」は、撮像部130が取得した花瓶、指輪等の物体の画像データを、画像データ記憶部132に記憶された画像データとマッチングして、撮像した物体の物体名等を認識しており、花瓶、指輪等の物体は、掃除を行わない物体であるので、引用発明の「撮像部130が取得した画像データと、画像データ記憶部132に記憶された画像データの特徴点とをマッチングして、画像データに対応する識別情報を取得する識別情報取得部106」は、本願発明の「撮像部の撮像画像から掃除可能領域内に存在する非掃除対象物を認識する画像認識手段」に相当する。 (8)引用発明の「動作判断部108」は、識別情報取得部106が取得した花瓶等の物体の識別情報に対応付けられた掃除実行部118の動作として「近づかない」を選択し、掃除機101が当該物体を回避するようにしているので、引用発明の「識別情報取得部106が取得した物体の識別情報に対応付けられた掃除実行部118の動作として「近づかない」を選択する動作判断部108」は、本願発明の「画像認識手段での非掃除対象物の認識を電気掃除機の掃除動作における非掃除対象物の回避のために用いる認識利用手段」に相当する。 (9)引用発明の「出力処理部146」は、引用文献1の図16等を参照すると、動作判断部108によって「近づかない」と判断した花瓶等の物体に対して、「近づかない」と判断した物体が何であるか分かるように(花瓶等と分かるように)、モニタに、「近づかない」と判断した物体の識別情報を対応付けて表示するための処理を行っているので、引用発明の「前記モニタに、掃除履歴情報として識別情報を表示する出力処理部146」と、本願発明の「前記表示画面に、前記掃除可能領域内における前記回避した前記非掃除対象物に対して、前記非掃除対象物が何であるかを分かるように、前記撮像画像記憶手段に記憶された前記非掃除対象物の撮像画像に基づいて前記非掃除対象物がアイコン化されたものを、対応付けて表示するための処理を行う表示処理手段」は、「表示画面に、非掃除対象物が何であるかを分かるように、非掃除対象物を特定するものを、対応付けて表示するための処理を行う表示処理手段」という点で共通する。 2 したがって、本願発明と引用発明とは、 「 所定の掃除対象エリアの内の常駐障害物を除く領域である掃除可能領域内を移動しながら掃除を実行する電気掃除機と、前記電気掃除機と通信可能に接続される前記電気掃除機とは別体の別体装置とを有する電気掃除装置であって、 前記電気掃除機は、 掃除対象物及び/又は非掃除対象物を撮像するための撮像部と、 前記別体装置と通信するための通信手段と、 を備え、 前記別体装置は、 前記電気掃除機と通信するための通信手段と、 を備え、 電気掃除装置が、表示画面を備え、 前記電気掃除機及び/又は前記別体装置は、 前記撮像部の撮像画像から前記掃除可能領域内に存在する前記非掃除対象物を認識する画像認識手段と、 前記画像認識手段での前記非掃除対象物の認識を前記電気掃除機の掃除動作における前記非掃除対象物の回避のために用いる認識利用手段と、 前記表示画面に、非掃除対象物が何であるかを分かるように、非掃除対象物を特定するものを、対応付けて表示するための処理を行う表示処理手段と、 を備える電気掃除装置。」 である点で一致し、次の点で相違する。 [相違点1] 本願発明は、別体装置が「非掃除対象物が何であるかを分かるようにする」表示を行う「表示画面」を備えているのに対し、引用発明は、掃除機101のモニタが「掃除履歴情報として識別情報を表示する」ものの、携帯電話等の端末302において、そのような表示を行うか不明である点。 [相違点2] 本願発明は、「画像認識手段で認識した非掃除対象物の撮像部による撮像画像を記憶する撮像画像記憶手段」を備え、表示処理手段は、「表示画面に、掃除可能領域内における回避した非掃除対象物に対して、非掃除対象物が何であるかを分かるように、撮像画像記憶手段に記憶された非掃除対象物の撮像画像に基づいて非掃除対象物がアイコン化されたものを、対応付けて表示するための処理を行う」のに対して、引用発明は、「画像認識手段で認識した非掃除対象物の撮像部による撮像画像を記憶する撮像画像記憶手段」を有しているか明らかでなく、出力処理部146(表示処理手段)が、「前記モニタに、掃除履歴情報として識別情報を表示する」ものの、撮像画像記憶手段に記憶された非掃除対象物の撮像画像に基づいて非掃除対象物がアイコン化されたものを、対応付けて表示するか不明である点。 第6 判断 1 相違点1について 引用文献1の【0098】には、出力処理部146が、掃除履歴情報を、掃除機101のモニタに表示すること、またプリンタ等により印刷出力することが記載されている。そして、当該掃除履歴情報は、図16によれば、「非掃除対象物が何であるかを分かるようにする」表示を行うものであるといえる。 上記引用文献1における記載(【0098】)のように、掃除機101に備えられたモニタとは別に掃除履歴情報を出力する構成が示唆されており、一般的に、携帯電話等の端末302には画像を出力する機能が備わっていること、また手元の携帯電話等の端末302で情報を取得することにより利便性が高まることが自明である点を踏まえると、引用発明において、掃除履歴情報を携帯電話等の端末302において表示することは、当業者が容易に想到し得たものである。 2 相違点2について 引用発明は、撮像部130が取得した画像データと、画像データ記憶部132に記憶された画像データの特徴点とをマッチングして、画像データに対応する識別情報を取得する識別情報取得処理を行っているが、複数の画像データを比較するマッチング処理の際には、複数のそれぞれの画像データを所定の記憶手段に少なくとも一時保存することは常套手段であり、引用発明においても、撮像部が取得した画像データは所定の記憶手段に保存されていることは明らかである。そして、引用発明は、撮像部130により取得され、所定の記憶手段に保存された画像データに基づいて、非掃除対象物を特定するものを、対応付けてモニタに表示しているものであるといえる。 また、モニタに情報を提示するにあたって、容易に理解できるようアイコン化して表示することは周知技術といえる(例えば、引用文献2の【0035】(「検出された物体に対応したアイコンを表示する。」)、【0037】(「表示された画像は、カメラ3が撮影したそのままの画像であっても良いし、物体検知結果などに基づいて物体(家具など)をアイコン化して表示しても良い。」)、引用文献3の【0110】、図17等)。したがって、引用発明においても、モニタに識別情報としてユーザが情報を把握しやすくする目的において、撮影画像に基づいてアイコン化することは、当業者が容易に想到し得たことである。 以上のとおり、引用発明において、引用文献2~3に記載された周知の事項及び常套手段を踏まえて、本願発明の上記相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 3 本願発明の効果について 本願発明の作用効果については、引用発明、前記周知の事項及び常套手段から当業者が予測できる範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 4 請求人の主張について 審判請求人は、令和7年6月19日に提出した意見書において、「しかしながら、上述したように、引用文献1には、この出願の補正後の請求項1の構成要件(A4-3)「前記画像認識手段で認識した前記非掃除対象物の前記撮像部による撮像画像を記憶する撮像画像記憶手段」は開示されていない。 したがって、引用文献2や引用文献3を引用文献1に適用したとしても、何らかのアイコンを表示することは想起できるが、この出願の補正後の請求項1の構成要件(A4-3)の撮像画像記憶手段が存在することを前提とするこの出願の補正後の請求項1の構成要件(A4-4)における「前記回避した前記非掃除対象物に対して、前記非掃除対象物が何であるかを分かるように、前記撮像画像記憶手段で記憶された前記非掃除対象物の撮像画像に基づいて前記非掃除対象物がアイコン化されたものを対応付けて表示する」ことは、容易に想起できるとは到底考えられないと思料する。」と主張している。 しかしながら、前記2のとおり、引用発明は、(A4-3)の構成を備えていることは明らかであると認められ、引用発明において、引用文献2~3に記載された周知の事項及び常套手段を踏まえて、本願発明の相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 したがって、審判請求人の前記主張を採用することはできない。 5 まとめ したがって、本願発明は、引用発明、前記周知の事項及び常套手段に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 そうすると、この出願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-021619

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