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特許拒絶査定不服審判

2022-010453

電気掃除機

審判番号
2022-010453
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-004963
請求日
2022年07月05日
審決日
2024年07月17日
公報発行日
2024年10月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
審判長/審判官
  • 審判長 北村 英隆
  • 審判官 関口 哲生
  • 審判官 西 秀隆
分類
P18 .121-WZ (A47L) / P18 .537-WZ (A47L) / P18 .575-WZ (A47L) / P18 .56 -WZ (A47L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項特許法36条6項2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第4号、特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-4963「電気掃除機」拒絶査定不服審判事件〔令和2年7月27日出願公開、特開2020-110472〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 この出願(以下、「本願」という。)は、平成31年1月16日の出願であって、その手続の経緯は、以下のとおりである 令和3年 9月 7日付け 拒絶理由通知書 令和3年11月15日 意見書、手続補正書の提出 令和4年 3月25日付け 拒絶査定 令和4年 7月 5日 審判請求書、手続補正書の提出 令和5年 6月26日付け 拒絶理由通知書 令和5年 8月28日 意見書、手続補正書の提出 令和5年12月18日付け 拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書 令和6年 2月19日 意見書、手続補正書の提出 第2 令和6年2月19日にされた手続補正についての補正却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年2月19日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は補正箇所である。) 「【請求項1】 掃除機本体と、 前記掃除機本体に収納され吸引力を発生させる電動送風機と、 前記掃除機本体に収納され前記電動送風機を駆動するモータと、 前記掃除機本体に取り付けられ前記モータに電力を供給する蓄電池と、 前記掃除機本体に取り付けられ前記吸引力で吸引された塵埃を収容する集塵装置とを備え、 前記掃除機本体は、把持部によって使用者に保持され、 前記掃除機本体は、接続可能な長尺状の延長管があり、 前記集塵装置、前記モータ及び前記蓄電池は前記掃除機本体の長手方向の一直線上に配置され、 前記集塵装置と前記モータとは前記掃除機本体の長手方向に同軸に配置されており、 前記掃除機本体の前記集塵装置よりも上部に設けられ前記吸引力で吸引された塵埃を含む空気を前記集塵装置に送り込む導入管を備え、 前記把持部は、前記延長管の長手方向に対して前記モータと前記蓄電池とに重なる位置に設けられ、 前記把持部は、略前後方向に延びる第一把持部と、略上下方向に延びる第二把持部と、を有し、 前記第二把持部は、前記第一把持部よりも太く構成され、 前記集塵装置は、前記モータと反対側の面に設けられた蓋を備えることを特徴とする電気掃除機。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、令和5年8月28日提出の手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。 「【請求項1】 掃除機本体と、 前記掃除機本体に収納され吸引力を発生させる電動送風機と、 前記掃除機本体に収納され前記電動送風機を駆動するモータと、 前記掃除機本体に取り付けられ前記モータに電力を供給する蓄電池と、 前記掃除機本体に取り付けられ前記吸引力で吸引された塵埃を収容する集塵装置とを備え、 前記掃除機本体は、把持部によって使用者に保持され、 前記掃除機本体は、接続可能な長尺状の延長管があり、 前記集塵装置、前記モータ及び前記蓄電池は前記掃除機本体の長手方向の一直線上に配置され、 前記集塵装置と前記モータとは前記掃除機本体の長手方向に同軸に配置されており、 前記掃除機本体の前記集塵装置よりも上部に設けられ前記吸引力で吸引された塵埃を含む空気を前記集塵装置に送り込む導入管を備え、 前記導入管の円形と前記集塵装置の円形の外周が重なってなく、 前記把持部は、前記延長管の長手方向に対して前記モータと前記蓄電池とに重なる位置に設けられ、 前記集塵装置は、前記モータと反対側の面に設けられた蓋を備えている ことを特徴とする電気掃除機。」 (3)補正事項 上記(1)及び(2)によれば、本件補正は、 ア 本件補正前の請求項1の「前記導入管の円形と前記集塵装置の円形の外周が重なってなく、」という事項を削除する補正(以下、「補正事項1」という。)、 イ 本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するための必要な事項である「把持部」について、本件出願の願書に最初に添付した明細書の段落0014や段落0032等の記載に基づき「前記把持部は、略前後方向に延びる第一把持部と、略上下方向に延びる第二把持部と、を有し、前記第二把持部は、前記第一把持部よりも太く構成され、」との事項を追加する補正(以下、「補正事項2」という。)、 を含むものである。 2 補正の適否 (1)補正事項1について ア 補正事項1は、本件補正前の請求項1に記載の「前記導入管の円形と前記集塵装置の円形の外周が重なってなく、」という不明りょうであった事項を削除し、明りょうとしたものであるから、補正事項1は、特許法第17条の2第5項第4号に掲げる明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。 イ また、補正事項1は、上記アのとおり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであって、不明りょうであった事項を削除したものであるところ、本件補正前の請求項1に記載の「前記導入管の円形と前記集塵装置の円形の外周が重なってなく、」という事項は、願書に最初添付した明細書には何ら記載されておらず、令和3年11月15日付け手続補正において図6の記載内容に基づき追加された事項であって、そのような事項を削除することが新規事項を追加するものでないことは明らかであるから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。 (2)補正事項2について ア 補正事項2は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「把持部」について、「前記把持部は、略前後方向に延びる第一把持部と、略上下方向に延びる第二把持部と、を有し、前記第二把持部は、前記第一把持部よりも太く構成され、」との事項を追加して限定するものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、補正事項2は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 イ また、補正事項2は、願書に最初に添付した明細書の段落0014や段落0032等の記載に基づいたもので、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。 3 独立特許要件について 上記2(2)のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるので、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)各引用文献の記載及び引用発明 ア 引用文献1の記載事項、引用発明 令和5年12月18日付け拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)で引用された特開2017-185001号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある(下線は理解の一助のために当審が付した。以下同様。)。 (ア)「【0001】 この発明は、吸込具に関するものである。」 (イ)「【0004】 このように、特許文献1に示された従来技術においては、掃除機本体の下側に吸込具であるベースが配置される。そして、ベース(吸込具)の下側の面には、掃除機本体の塵埃吸込口取り外し可能に連結される附属塵埃吸込具(扁平ノズル、小ブラシ)を収納する収納室が設置されている。このため、吸込具の下面に排気口を設けることはできず、掃除機本体の排気口も掃除機本体の側面に設けられ、掃除機本体の下側には設けられていない。したがって、掃除機本体の排気口の開口面積を十分に確保することが困難である。 【0005】 一方、掃除機本体の排気口の開口面積を十分に確保した結果として、吸込具に電気掃除機を装着した状態で、掃除機本体の排気口が下側に配置されるような場合も考えられる。この場合には、掃除機本体からの排気が吸込具により妨げられて圧損が生じ、結果的に掃除機本体の吸引力の低下を招いたり、掃除機本体からの排気が直接に被清掃面に当たって被清掃面上の塵埃を舞い上げたりする可能性がある。また、排気口を掃除機本体の上部側に配置すると、掃除機を操作する使用者に排気が当たりやすくなり、使用者に不快感を与える可能性がある。 【0006】 この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、吸込具に電気掃除機を装着した状態で、掃除機本体の排気口が下側に配置されるような場合であっても、掃除機本体からの排気が吸込具により妨げられて圧損が生じることを抑制し、かつ、掃除機本体からの排気が直接に被清掃面に当たることも防止することができる吸込具を得るものである。」 (ウ)「【0018】 この発明の実施の形態1に係る吸込具1とともに用いられる電気掃除機4は、吸込具1に代えて他のアタッチメントを装着することにより、単体でスティッククリーナーとして使用されるものである。図3から図5を参照しながら、電気掃除機4の構成を説明する。電気掃除機4は、その本体部分を構成する掃除機本体501と、後述の集塵ユニット531とを備えている。 【0019】 掃除機本体501は、電動送風機502、電池ユニット520、掃除機取っ手505、掃除機吸込管507及び排気口509等を備えている。ここで、電動送風機502、電池ユニット520及び集塵ユニット531は、後述のように、互いに同径の円筒状に形成されている。そして、電気掃除機4は、集塵ユニット531が電動送風機502の前端面に着脱可能に取り付けられ、電池ユニット520が電動送風機502の後端面に取り付けられることにより、全体として細長い円筒状に形成されている。 【0020】 電動送風機502は、掃除機本体501に塵埃を吸い込むための気流を発生させるもので、円筒状の送風機ケーシング521と、この送風機ケーシング521内に収納された電動モータ及びファン等の可動部とを備えている。電池ユニット520は、電池ケーシング522と、この電池ケーシング522内に収納された充電池504及び制御基板503とを備えている。電池ケーシング522は、掃除機取っ手505と対面する上面部が平坦に形成され、上面部以外が円筒状に形成されている。充電池504は、電気掃除機4の電源を構成するもので、電動送風機502、制御基板503等に電力を供給する。制御基板503は、電気掃除機4の動作を制御するもので、マイクロコンピュータ等を備えている。」 (エ)「【0021】 掃除機取っ手505は、電気掃除機4の使用時に把持される部位であり、電池ユニット520の上面部に取り付けられ、前後方向に伸張している。掃除機取っ手505のうち人に把持されない前端部分は、電動送風機502の上面部まで伸張しており、この部位には、電気掃除機4の電源スイッチ等を含む操作部が配置されている。掃除機吸込管507は、被清掃面から吸い込んだ空気を集塵ユニット531に導入する管路である。掃除機吸込管507は、電動送風機502の前部側上面に固定されている。掃除機吸込管507は、掃除機取っ手505と直線状に並んだ状態で集塵ユニット531の上面部に沿って前後方向に伸張し、集塵ユニット531の前端面よりも前方に突出している。」 (オ)「【0022】 掃除機吸込管507には、掃除機吸込口506及び吸込管吐出口508が形成されている。掃除機吸込口506には、吸込具1が着脱可能に接続される。吸込管吐出口508には、集塵ユニット531の流入側に着脱可能に接続される。掃除機吸込口506には、この実施の形態1で説明する吸込具1だけでなく、他の各種の吸込具、延長管(いずれも図示せず)等のアタッチメントが接続される。 【0023】 掃除機吸込管507の前端側には、アタッチメントの着脱を行うための着脱ボタン510が配置されている。着脱ボタン510は、吸込具1側の接続掛け金受け373(後述)に掛け止めされる接続掛け金511(図4)と一体に形成されている。接続掛け金511は、使用者が着脱ボタン510を押すことにより接続掛け金受け373から外れた状態となり、アタッチメントの着脱が可能となる。」 (カ)「【0024】 排気口509は、塵埃を除去した後の空気を電気掃除機4から排出するための開口部である。排気口509は、図3に示すように、例えば複数のスリットにより構成され、送風機ケーシング521のうち上部側を除く位置、すなわち、送風機ケーシング521の左右の側面部及び下面部に開口している。この構成によれば、排気口509の開口面積を大きく形成しつつ、掃除機取っ手505を把持した使用者の手等に排気が当たるのを抑制することができる。 【0025】 なお、送風機ケーシング521の上部側には、排気口509と同様に見えるスリット状の凹部が形成されている。これらの凹部は、排気口509として機能しないが、排気口509と同一の円周状に並ぶことでデザイン性を向上させている。また、掃除機吸込管507の外側には、例えば集塵ユニット531の前端面に沿って突出する掃除機凸部512が取り付けられている。掃除機凸部512には、充電池504に充電するための充電端子513が配置されている。」 (キ)「【0026】 次に、集塵ユニット531について説明する。集塵ユニット531は、掃除機本体501に着脱可能に取り付けられる。集塵ユニット531は、図4に示すように、例えば遠心力を利用して空気から塵埃を分離するサイクロン式の集塵装置により構成されている。集塵ユニット531は、集塵ケーシング523、隔壁536、集塵室537、集塵ユニット取っ手532、集塵ユニットレバー533、取っ手フランジ534、掃除機固定凸部受け535等を備えている。 【0027】 集塵ケーシング523は、送風機ケーシング521及び電池ケーシング522と等しい外径を有する円筒形状に形成されている。隔壁536は、集塵ケーシング523内に同軸に配置され、先端側が開口した2重の円錐状に形成されている。集塵室537は、集塵ケーシング523の内周面と隔壁536の外周面との間に形成されている。そして、集塵ユニット531は、掃除機吸込口506から集塵ケーシング523内に流入する空気中の塵埃を除去して集塵室537に捕集し、塵埃を除去した後の空気を電動送風機502に向けて流出させる。ここで、前述したように、集塵ユニット531は、サイクロン式の集塵装置により構成されている。すなわち、集塵ユニット531の内部において含塵空気を中心軸のまわりに旋回させて含塵空気から塵埃を分離する。 【0028】 集塵ユニット取っ手532は、集塵ユニット531を掃除機本体501から取り外すとき、及び、集塵室537内に溜まった塵埃を捨てるとき等に把持される部位であり、前後方向に伸張する細長い突起として形成されている。集塵ユニット取っ手532の前部側は、集塵ケーシング523の後部下端側の外周面に固着されている。また、集塵ユニット取っ手532の後部側は、電動送風機502の外周面と接触する位置まで伸張し、送風機ケーシング521に着脱可能に連結されている。 【0029】 集塵ユニットレバー533は、集塵ユニット531と電動送風機502との連結を解除するときに操作されるもので、集塵ユニット取っ手532の下面部に配置されている。使用者は、集塵ユニットレバー533を操作することにより、集塵ユニット531を掃除機本体501から取り外すことができる。」 (ク)「【0030】 取っ手フランジ534は、図5に示すように、集塵ユニット取っ手532の左右の側面の周縁部に形成された枠状の突起である。取っ手フランジ534は、集塵ユニット取っ手532を掴み易くする機能と、後述のように電気掃除機4を吸込具1に取り付けるときの掛け止め部としての機能とを有している。掃除機固定凸部受け535は、集塵ユニット取っ手532の前面部に開口する凹部である。吸込具1に電気掃除機4を装着した際に、掃除機固定凸部受け535内に吸込具1側の掃除機固定凸部125が挿入されるようになっている。」 (ケ)引用文献1には、以下の図面が示されている。 「【図3】 [図:0001414478000001.jpg] 【図4】 [図:0001414478000002.jpg] 【図5】 [図:0001414478000003.jpg] 」 (コ)前記(ウ)の段落0018及び(オ)の段落0022の記載から、電気掃除機4と延長管とにより、スティッククリーナーとして使用されることは明らかである。 (サ)前記(ウ)の段落0019、0020、(キ)の段落0026~0027の記載及び図4~5の記載から、集塵ユニット531、送風機ケーシング内の電動モータ及び電池ケーシング内の充電池は前記電気掃除機4の長手方向の一直線上に配置されているといえ、また、集塵ユニット531と送風機ケーシング内の電動モータとが、同軸に配置されているといえる。 (シ)図3~5の記載から、掃除機吸込管507の円形と集塵ユニット531の円形の外周が重なっていないことが看取される。 (ス)引用発明 前記(ア)~(シ)から、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「電気掃除機4と、 前記電気掃除機4に収納され吸引力を発生させる可動部と、 前記電気掃除機4に収納され前記可動部を駆動する電動モータと、 前記電気掃除機4に取り付けられ前記電動モータに電力を供給する充電池504と、 前記電気掃除機4に取り付けられ前記吸引力で吸引された塵埃を収容する集塵ユニット531とを備え、 前記電気掃除機4は、掃除機取っ手505によって使用者に保持され、 前記電気掃除機4は、接続可能な延長管があり、 前記集塵ユニット531、前記電動モータ及び前記充電池504は前記電気掃除機4の長手方向の一直線上に配置され、 前記集塵ユニット531と前記電動モータとは前記電気掃除機4の長手方向に同軸に配置されており、 前記電気掃除機4の前記集塵ユニット531よりも上部に設けられ前記吸引力で吸引された塵埃を含む空気を前記集塵ユニット531に送り込む掃除機吸込管507を備え、 前記掃除機吸込管507の円形と前記集塵ユニット531の円形の外周が重なってなく、 掃除機取っ手505は、電池ユニット520の上面部に取り付けられている スティッククリーナー。」 イ 引用文献2の記載事項 当審拒絶理由で引用された実願昭61-147146号(実開昭63-52557号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに、次の記載がある。 (ア)「以下、本考案の電気掃除機の一実施例の構成を第1図ないし第4図に基づいて説明する。 11は掃除機本体で、ほぼ円筒形状に形成された本体ケース12と、この本体ケース12の前端の開口部に着脱自在に結合された前側蓋体13と、前記本体ケース12の後端の開口部に着脱自在に結合された後側蓋体14とからなっている。 前記本体ケース12の上部にはハンドル21が一体に設けられている。また、前記本体ケース12の内部は連通口22を開口形成した仕切壁23より前側が集塵室24となっている。そして、この集塵室24内には、前記本体ケース12の前端の開口部を介して袋状の集塵フィルター25が挿脱自在に挿着されている。さらに、前記前側蓋体13は、前記集塵フィルター25の内部と掃除機本体11の外部とを連通する筒状の吸込口26が形成されている。 また、前記本体ケース12内の仕切壁23の後側には、その連通口22に吸込側を向けて電動送風機31が支持固定されているとともに、この電動送風機31の後方に位置して、この電動送風機31の電源である2次電池32が着脱自在に収納されている。なお、この2次電池32は、長手方向を前記本体ケース12の中心軸方向に一致させて配設されており、前記後側蓋体14により開閉される本体ケース12の後端の開口部を介して挿脱されるようになっている。さらに、前記後側蓋体14には、前記電動送風機31の排出側に連通する排気口33が開口形成されている。 また、前記ハンドル21の上部には、前記電動送風機31を制御するためのスイッチ34が設けられている。さらに、前記ハンドル21内の前側下部には、前記2次電池32を充電するための充電回路を搭載した回路基板35が設けられている。」(6頁6行~7頁19行) (イ)引用文献2には、以下の図面が記載されている。 「(第1図) [図:0001414478000004.jpg] 」 (ウ)第1図の記載から、本体ケース12内に電動送風機31及び2次電池32が配置され、本体ケース12に設けられたハンドル21は、電動送風機31及び2次電池32に沿って重なる位置に配置された点が看取される。 (エ)引用文献2記載事項 前記(ア)~(ウ)から、引用文献2には次の事項(以下、「引用文献2記載事項」という。)が記載されている。 「電機掃除機において、本体ケース12上部にはハンドル21が設けられ、本体ケース12内に電動送風機31及び2次電池32が配置され、ハンドル21は、電動送風機31及び2次電池32に沿って重なる位置に設けたこと。」 ウ 引用文献3の記載事項 当審拒絶理由で引用された特開2015-160071号公報(以下、「引用文献3」という。)には、図面とともに、次の記載がある。 (ア)「【0001】 本発明は、姿勢により動作ロックがかかる携帯電気器具のバッテリー係脱機構およびこれを備えた電気掃除機に関する。」 (イ)「【0030】 ハンドル11hは、前後方向に延びる円弧形状に形成されており、電動送風機MおよびバッテリーBの上方位置に配置されている。これにより、筐体におけるハンドル11hの下方にユーザーの手を差し入れる円弧開口部Hが形成される。ハンドル11h、円弧開口部Hおよび凹曲面部11g1は、左右方向から視て、左右カバー部材11fの円盤形状部11f1の中心軸Pを中心とする略同心円状に配置されている(図1参照)。 【0031】 ハンドル11hの下部を構成する下ハンドル部材11h1の前端は上カバー部材11gの前端および連結部材11dの上端と結合し、下ハンドル部材11h1の後端は上カバー部材11gの後端およびバッテリー収容ケース11eの後端と結合する。 この下ハンドル部材11h1の内部には操作部Sの後述する第1~第4スイッチs1~s4の図示しない各スイッチ本体および各スイッチ本体と電気的に接続されたリード線が収納されている。」 (ウ)引用文献3には、以下の図面が記載されている。 「【図1】 [図:0001414478000005.jpg] 【図6】 [図:0001414478000006.jpg] 【図7】 [図:0001414478000007.jpg] 【図8】 [図:0001414478000008.jpg] 」 (エ)図6~8の記載から、ハンドル11hは、電動送風機M及びバッテリーBに重なる位置に配置された点が看取される。 (オ)引用文献3記載事項 前記(ア)~(エ)から、引用文献3には次の事項(以下、「引用文献3記載事項」という。)が記載されている。 「電気掃除機において、ハンドル11hは、前後方向に、電動送風機MおよびバッテリーBの上方位置の、電動送風機M及びバッテリーBに重なる位置に設けられたこと。」 エ 引用文献4の記載事項 当審拒絶理由で引用された特開2016-137164号公報(以下、「引用文献4」という。)には、図面とともに、次の記載がある。 (ア)「【0023】 図2は電気掃除機をハンディ型として使用する際の全体を示す左側面図である。なお、図2は、吸口体3(図1参照)に替えて、隙間ノズル4を装着した状態を示している。また、吸口体3や隙間ノズル4を装着せずに使用してもよい。 図2に示すように、伸縮パイプ20は、該伸縮パイプ20のほぼ全体が本体部10内に収納されるようになっている。 【0024】 パイプケース部13は、前後方向に延在し、パイプケース部13の後端部から前方に向けて伸縮パイプ20が挿入され、パイプケース部13の前端部に隙間ノズル4が接続される。 【0025】 モータケース部11は、パイプケース部13の長手方向の略中央部から後方且つパイプケース部13の下側に位置している。また、モータケース部11の前方には、ダストケース2が設けられている。 【0026】 蓄電池ケース部12は、長手方向(前後方向)の略中央部から後方且つモータケース部11の下側に位置している。」 (イ)「【0030】 図3は図2に示す掃除機本体の中央断面図である。なお、図3は、掃除機本体1に吸口体3および隙間ノズル4が装着されていない状態を図示している。 図3に示すように、本体部10のモータケース部11には、電動送風機40が収容されている。また、モータケース部11内には、電動送風機40を固定するための固定ケース11aが設けられている。固定ケース11a内には、電動送風機40の後方に、掃除機本体1を制御する本体基板50(制御基板)が固定されている。この固定ケース11aを覆う形でモータケース部11が構成されている。 【0031】 電動送風機40は、回転駆動軸40aが伸縮パイプ20の下方において伸縮パイプ20と平行となるように配置されている。また、電動送風機40から排出された空気は、電動送風機40の後方に配置された本体基板50に流れて、本体基板50を冷却するようになっている。 【0032】 本体基板50は、上下に分割して配置され、対向する面に部品が実装されている。電動送風機40から排出された空気のほとんどは、各本体基板50の対向配置された部品(発熱部品)を冷却するように流れる。」 (ウ)「【0131】 図26に示すように、底蓋133は、深さをもった皿状で、上面の外周にパッキング157を備え、底蓋133を閉じた際、外筒128の底部との気密を保持できるようになっている。また、底蓋133は皿状にすることで強度を増している。また、底蓋133の外周の一部には、前記した外筒128に底蓋133を係止させる掛かり部155(図21参照)が設けられている。外筒128には、掛かり部155の対面に回転軸158a(図21参照)を備えたヒンジ部158(図21参照)が設けられている。 【0132】 前記したように、掃除機本体1にダストケース2を装着する際は、底蓋133の底面の窪み部159(図33参照)を掃除機本体1のダストケース固定突起13a(図33参照)に嵌合させて、ダストケース固定突起13aを起点にダストケース2を掃除機本体1側に押し付ける。そして、前記した上蓋132の上部のロックボタン119(図16参照)によってロックされることにより、ダストケース2が掃除機本体1と一体になる。したがって、ダストケース2を掃除機本体1に装着すると、蓋ロック機構150が掃除機本体1側に隠れる。これは、蓋ロック機構150を反対側(外側)に設けた場合、掃除中に蓋ロック機構150が解除される恐れがあるが、蓋ロック機構150が掃除機本体1側に隠れるようにすることで、誤動作を防止することができる。例えば、スティック状態でソファやベッドの下を掃除するときなど、掃除機本体1を床面に対して水平に近づける場合があるが、このとき、蓋ロック機構150を表側に設けた場合、床面と接触して蓋ロック機構150が解除される可能性がある。蓋ロック機構150とヒンジ部158の位置はこの限りでなく、掃除機本体1に対し左右に設けても構わない。左右に設けることで、先述した誤動作を防止することができるとともに、ヒンジ部158の突出が無くなるため、前後方向の高さを短くでき、コンパクト化が可能となる。」 (エ)「【0141】 次に、ごみ捨て時の動作を図26および図27を参照して説明する。 図26に示すように、底蓋133は、ダストケース2の側面に設けた蓋ロック機構150のボタン154(図20参照)を摘まむことで解除される。すなわち、底蓋133は、蓋ロック機構150の反対側にヒンジ部158(図21参照)を備え、ヒンジ部158の回転軸158a(図21参照)を軸に回転し、図27に示すように、底蓋133が略垂直(底蓋133の上面が垂直)状態になる。」 (オ)「【0163】 次に、ダストケース着脱機構(ロックボタン)の構成について説明する。 図33に示すように、パイプケース部13には、ダストケース2を固定するためのダストケース固定突起13aを備え、モータケース部11には、ダストケース2を固定するダストケース固定穴118を備えている。ダストケース2には、ロックボタンばね120によって付勢されたロックボタン119が設けられている。ダストケース固定突起13aをダストケース2の底面の窪み部159に差し込み、ダストケース固定突起13aを起点にパイプケース部13側に回動させることで、ロックボタン119がダストケース固定穴118に引っ掛かり、ダストケース2が掃除機本体1と一体化される。 【0164】 ダストケース2を外す際は、ロックボタン119を前側にスライドさせることで、ロックボタン119がダストケース固定穴118から外れ、ダストケース2を取付時とは逆方向に回動させることにより、窪み部159をダストケース固定突起13aから外すことができる。 【0165】 図33に示すように、底蓋133の底面(裏側面)には、掃除機本体1のパイプケース部13側に窪み部159が備えられており、掃除機本体1のダストケース固定突起13aと底蓋133の底面の窪み部159(図3参照)が嵌合する形状となっている。なお、ダストケース固定突起13aおよび窪み部159は、左右方向(図33の紙面垂直方向)に幅を持って形成されている。これにより、ダストケース2を掃除機本体1に装着する際に、ダストケース2が回転方向に動作することを抑制している。」 (カ)引用文献4には、以下の図面が記載されている。 「【図2】 [図:0001414478000009.jpg] 【図3】 [図:0001414478000010.jpg] 【図20】 【図21】 [図:0001414478000011.jpg] 【図26】 【図27】 [図:0001414478000012.jpg] 【図33】 [図:0001414478000013.jpg] 」 (キ)図2~3の記載から、ダストケース2と電動送風機40が直線上に配置されていることが看取される。 (ク)図3、26~27の記載から、ダストケース2の底蓋133が、電動送風機40のある側の面と反対側の面に設けられていることが看取される。 (ケ)引用文献4記載事項 前記(ア)~(ク)から、引用文献4には次の事項(以下、「引用文献4記載事項」という。)が記載されている。 「ダストケース2及び電動送風機40が直線上に配置される電機掃除機において、ダストケース2が電動送風機40と反対側の面に設けられた底蓋133を備えること。」 オ 引用文献5の記載事項 当審拒絶理由で引用された韓国公開特許第10-2015-0125223号公報(以下、「引用文献5」という。)には、図面とともに、次の記載がある。(訳は、当審による。) (ア)「[0027] [図:0001414478000014.jpg] 」 ([0027] 掃除機(1)は本体(10)と、本体(10)の一側に設けられる流入口(12)を含むことができる。また、本体(10)は集塵ユニット(20)と、本体(10)に移動可能になるように設置された移動ユニット(40)を含むことができる。) (イ)「[0031] [図:0001414478000015.jpg] 」 ([0031] ダストボックス(22)の一側にはダストボックス(22)を開閉することができるカバー(23)が用意されうる。カバー(23)はダストボックス(22)の一側に回転可能に固定されうるように回転部材(24)を含むことができる。また、カバー(23)は、ダストボックス(22)に固定されうるように用意された固定部材(25)を含むことができる。固定部材(25)はダストボックス(22)と対応するフックなど多様な形態に用意されうる。) (ウ)「[0034] [図:0001414478000016.jpg] 」 ([0034] サイクロン(30)の開放された側には本体(10)内部で空気を吸いこむ駆動力を提供する駆動ユニット(80)が設置されることができる。サイクロン(30)と駆動ユニット(80)の間には空気の微細な異物を欠かすフィルター(84)が用意されうる。フィルター(84)はスポンジ、メッシュ網など複数のメッシュを有する多様な形態に用意されうる。駆動ユニット(80)はモーター(82)を含むことができ、モーター(82)は動力を提供するバッテリー(未図示)や外部動力源(未図示)と連結されることができる。) (エ)引用文献5には、以下の図面が記載されている。 「(図面1) [図:0001414478000017.jpg] (図面2) [図:0001414478000018.jpg] (図面6) [図:0001414478000019.jpg] 」 (オ)図面2の記載から、ダストボックス22とモーター82が直線上に配置されていることが看取される。 (カ)図面2、6の記載から、ダストボックス22のカバー23が、モーター82のある側の面と反対側の面に設けられていることが看取される。 (キ)引用文献5記載事項 前記(ア)~(カ)から、引用文献5には次の事項(以下、「引用文献5記載事項」という。)が記載されている。 「ダストボックス22及びモーター82が直線上に配置される電機掃除機において、ダストケース2が電動送風機40と反対側の面に設けられたカバー23を備えること。」 カ 引用文献6の記載事項 本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である特開2018-126396号公報(以下、「引用文献6」という。)には、図面とともに、次の記載がある。 (ア)「【0016】 ハンドル部12は、本体部10の後方に設けられ、略L字状に形成された把持部12aを有している。把持部12aは、前後方向に直線状に延びる第1把持部12a1と、略上下方向に直線状に延びる第2把持部12a2と、を有している。第1把持部12a1は、第2把持部12a2よりも上部に配置されている。第2把持部12a2は、上下方向に対して上部が前方に向くように傾斜している。また、第1把持部12a1と第2把持部12a2は略棒状かつ連続して形成されている。このように、第1把持部12a1と第2把持部12a2とをそれぞれ直線状に構成することで、使用者が持ち手の位置を認識し易くなる。」 (イ)「【0028】 また、電動送風機40と本体基板50は、上下方向に重なるように配置されている。このため、前後方向の寸法を短くできる。また、電動送風機40および本体基板50は、ハンドル部12の第1把持部12a1の下方に位置している。これにより、使用者が把持部12a1を握って操作する場合、電気掃除機100の重心が第1把持部12a1の下方近傍になるので、電気掃除機100の先を上向きで使用する場合、電気掃除機100を安定して保持できる。 【0029】 また、第1把持部12a1とモータケース部11の上面11cとの間には、手を挿入するための幅寸法H1の隙間12cが形成されている。また第2把持部12a2とモータケース部11の背面11dとの間には、幅寸法H1よりも広い幅寸法H2の隙間12dが形成されている。このように、第1把持部12a1を把持して掃除する場合には、腕を伸ばした状態で保持できるので、第1把持部12a1を強く握ることなく、電気掃除機100を前後に動かすことができる。また、第2把持部12a2を把持して掃除する場合には、隙間12dに手(指)を深く挿入して強く握る必要があるので、幅寸法H2を幅寸法H1よりも広くすることで、第2把持部12a2を安定して把持することができる。 【0030】 また、第1把持部12a1の厚みT1は薄く形成され、第2把持部12a2の厚みT2は厚みT1よりも厚く形成されている。つまり、第1把持部12a1は細く、第2把持部12a2は太く形成されている。このように、第2把持部12a2を握って掃除する場合には、第2把持部12a2の厚みT2を厚くすることで、深く握り易くなるとともに、第2把持部12a2の強度を高くすることができる。 【0031】 蓄電池3は、例えば、エネルギ効率の高いリチウムイオン電池で構成することができる。また、蓄電池3は、ハンドル部12の第2把持部12a2の下方に配置されている。このように、蓄電池3を電気掃除機100の後端に設けることで、ハンドル部12の重心が第2把持部12a2に近くなるので、電気掃除機100の先を上向きで使用する場合、操作感を軽くすることができる。」 (ウ)引用文献6には、以下の図面が記載されている。 「【図4】 [図:0001414478000020.jpg] 」 (エ)図4の記載から、把持部12aは、電動送風機40及び蓄電池3に重なる位置に配置された点が看取される。 (オ)引用文献6記載事項 前記(ア)~(エ)から、引用文献6には次の事項(以下、「引用文献6記載事項」という。)が記載されている。 「電気掃除機において、把持部12aは、電動送風機40及び蓄電池3に重なる位置に設けられ、また、前記把持部12aは、略前後方向に延びる第1把持部12a1と、略上下方向に延びる第2把持部12a2と、を有し、前記第2把持部12a2は、前記第1把持部12a2よりも太く構成すること。」 キ 引用文献7の記載事項 本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である特開2018-164486号公報(以下、「引用文献7」という。)には、図面とともに、次の記載がある。 (ア)「【0017】 ハンドル部12は、本体部10の後方に設けられ、略L字状に形成された把持部12aを有している。把持部12aは、前後方向に直線状に延びる第1把持部12a1と、略上下方向に直線状に延びる第2把持部12a2と、を有している。第1把持部12a1は、第2把持部12a2よりも上部に配置されている。第2把持部12a2は、上下方向に対して上部が前方に向くように傾斜している。また、第1把持部12a1と第2把持部12a2は略棒状かつ連続して形成されている。このように、第1把持部12a1と第2把持部12a2とをそれぞれ直線状に構成することで、使用者が持ち手の位置を認識し易くなる。」 (イ)「【0029】 また、電動送風機40と本体基板50は、上下方向に重なるように配置されている。このため、前後方向の寸法を短くできる。また、電動送風機40および本体基板50は、ハンドル部12の第1把持部12a1の下方に位置している。これにより、使用者が把持部12a1を握って操作する場合、電気掃除機100の重心が第1把持部12a1の下方近傍になるので、電気掃除機100の先を上向きで使用する場合、電気掃除機100を安定して保持できる。 【0030】 また、第1把持部12a1とモータケース部11の上面11cとの間には、手を挿入するための幅寸法H1の隙間12cが形成されている。また第2把持部12a2とモータケース部11の背面11dとの間には、幅寸法H1よりも広い幅寸法H2の隙間12dが形成されている。このように、第1把持部12a1を把持して掃除する場合には、腕を伸ばした状態で保持できるので、第1把持部12a1を強く握ることなく、電気掃除機100を前後に動かすことができる。また、第2把持部12a2を把持して掃除する場合には、隙間12dに手(指)を深く挿入して強く握る必要があるので、幅寸法H2を幅寸法H1よりも広くすることで、第2把持部12a2を安定して把持することができる。 【0031】 また、第1把持部12a1の厚みT1は薄く形成され、第2把持部12a2の厚みT2は厚みT1よりも厚く形成されている。つまり、第1把持部12a1は細く、第2把持部12a2は太く形成されている。このように、第2把持部12a2を握って掃除する場合には、第2把持部12a2の厚みT2を厚くすることで、深く握り易くなるとともに、第2把持部12a2の強度を高くすることができる。 【0032】 蓄電池3は、例えば、エネルギ効率の高いリチウムイオン電池で構成することができる。また、蓄電池3は、ハンドル部12の第2把持部12a2の下方に配置されている。このように、蓄電池3を電気掃除機100の後端に設けることで、ハンドル部12の重心が第2把持部12a2に近くなるので、電気掃除機100の先を上向きで使用する場合、操作感を軽くすることができる。」 (ウ)引用文献7には、以下の図面が記載されている。 「【図4】 [図:0001414478000021.jpg] 」 (エ)図4の記載から、把持部12aは、電動送風機40及び蓄電池3に重なる位置に配置された点が看取される。 (オ)引用文献7記載事項 前記(ア)~(エ)から、引用文献7には次の事項(以下、「引用文献7記載事項」という。)が記載されている。 「電機掃除機において、把持部12aは、電動送風機40及び蓄電池3に重なる位置に設けられ、また、前記把持部12aは、略前後方向に延びる第1把持部12a1と、略上下方向に延びる第2把持部12a2と、を有し、前記第2把持部12a2は、前記第1把持部12a2よりも太く構成すること。」 (3)引用発明との対比 ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。 引用発明の「電気掃除機4」は本件補正発明の「掃除機本体」に相当し、以下同様に、「可動部」は「電動送風機」に、「電動モータ」は「モータ」に、「充電池504」は「蓄電池」に、「集塵ユニット531」は「集塵装置」に、「掃除機取っ手505」は「把持部」に、「掃除機吸込管507」は「導入管」に、「スティッククリーナー」は「電気掃除機」に、それぞれ相当する。 また、引用文献1には、上記(2)ア(ウ)の段落0018に「この発明の実施の形態1に係る吸込具1とともに用いられる電気掃除機4は、吸込具1に代えて他のアタッチメントを装着することにより、単体でスティッククリーナーとして使用されるものである。」と、また、上記(2)ア(オ)の段落0022の「掃除機吸込口506には、この実施の形態1で説明する吸込具1だけでなく、他の各種の吸込具、延長管(いずれも図示せず)等のアタッチメントが接続される。」と記載されているところ、スティッククリーナーのアタッチメントとして使用される延長管は、長尺であることは明らかであるから、引用発明の「延長管」は、本件補正発明の「長尺状の延長管」に相当する。 イ 一致点及び相違点 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 (一致点) 「掃除機本体と、 前記掃除機本体に収納され吸引力を発生させる電動送風機と、 前記掃除機本体に収納され前記電動送風機を駆動するモータと、 前記掃除機本体に取り付けられ前記モータに電力を供給する蓄電池と、 前記掃除機本体に取り付けられ前記吸引力で吸引された塵埃を収容する集塵装置とを備え、 前記掃除機本体は、把持部によって使用者に保持され、 前記掃除機本体は、接続可能な長尺状の延長管があり、 前記集塵装置、前記モータ及び前記蓄電池は前記掃除機本体の長手方向の一直線上に配置され、 前記集塵装置と前記モータとは前記掃除機本体の長手方向に同軸に配置されており、 前記掃除機本体の前記集塵装置よりも上部に設けられ前記吸引力で吸引された塵埃を含む空気を前記集塵装置に送り込む導入管を備えた 電気掃除機。」 (相違点1) 本件補正発明は、「前記把持部は、前記延長管の長手方向に対して前記モータと前記蓄電池とに重なる位置に設けられ、前記把持部は、略前後方向に延びる第一把持部と、略上下方向に延びる第二把持部と、を有し、前記第二把持部は、前記第一把持部よりも太く構成され」ているのに対し、 引用発明は、掃除機取っ手505は電池ユニット520の上面部に取り付けられているものの、掃除機取っ手505が「略前後方向に延びる第一把持部と、略上下方向に延びる第二把持部と、を有し、前記第二把持部は、前記第一把持部よりも太く」される構成を有するものか明らかでない点。 (相違点2) 本件補正発明は、「前記集塵装置は、前記モータと反対側の面に設けられた蓋を備える」のに対し、 引用発明では、集塵ユニット531が、前記電動モータと反対側の面に設けられた蓋を備えているか明らかでない点。 (4)判断 以下、相違点について検討する。 (相違点1について) 引用文献1の図3~5の記載(上記(2)ア(ケ))によれば、掃除機取っ手505が掃除機吸込管507の長手方向に延び、電池ユニット520と重なる位置に設けられていることが看取され、また、引用文献1の段落0022の記載(上記(2)ア(オ))から、延長管は掃除機吸込管507の掃除機吸込口506に接続され、延長管は、掃除機吸込管507の長手方向に延びるものと理解できる。 そうすると、引用発明において、掃除機取っ手505が、延長管の長手方向に対して電池ユニット520に重なる位置に設けられているといえる。 また、掃除機において、把持部の配置は、使用者が掃除機を安定して保持することに鑑みて、当業者が適宜設定し得た設計事項にすぎないところ、電気掃除機において、把持部を、モータと蓄電池とに重なる位置に設けるように構成することは、例えば、引用文献2、3、6、7に開示されるように、当業者にとって従来周知の技術(例えば、上記(2)イ、ウ、カ、キを参照。)である。 さらに、掃除機の把持部において、使用者が掃除機を安定して保持するために、把持部の太さも、当業者が適宜設定し得た設計事項にすぎないところ、把持部を、略前後方向に延びる第一把持部と、略上下方向に延びる第二把持部とで構成し、前記第二把持部は、前記第一把持部よりも太く構成することも、例えば、引用文献6、7に開示されるように、当業者にとって従来周知の技術(例えば、上記(2)カ、キを参照。)である。 以上によれば、引用発明において、掃除機取っ手に上記周知の技術を適用し、上記相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 (相違点2について) 集塵装置に溜まった塵埃を廃棄する際に、集塵装置のどこから廃棄するように構成するかは、当業者が適宜設定すべき設計事項にすぎないところ、集塵装置及びモータが直線上に配置される電気掃除機において、集塵装置がモータと反対側の面に設けられた蓋を備えるように構成し、溜まった塵埃を廃棄するように構成することは、例えば、引用文献4、5に開示されるように、当業者にとって従来周知の技術(例えば、上記(2)エ、オを参照。)である。 そうすると、引用発明において、集塵ユニットに上記周知の技術を適用し、上記相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 (5)審判請求人の主張に対して 審判請求人は令和6年2月19日提出の意見書で、「引用文献1-5には、本願発明で開示した「前記把持部は、前記延長管の長手方向に対して前記モータと前記蓄電池とに重なる位置に設けられ、前記把持部は、略前後方向に延びる第一把持部と略上下方向に延びる第二把持部とを有し、前記第二把持部は、前記第一把持部よりも太く構成され」る構成は記載がなく、当該構成を示唆する記載もありません。したがって、このような引用文献1-5の明細書等から当業者といえども本願請求項1の発明を容易に想到することは困難です。」(4頁9-15行)と主張する。 しかしながら、掃除機において、使用者が使用する際に取り回しを行いやすいよう把持する際の重量バランス、持ちやすさ等を考慮し、把持部の位置及び形状を決定することは自明の課題であり、上記(4)の「(相違点1について)」で示したように、引用発明において、相違点1に係る「前記把持部は、前記延長管の長手方向に対して前記モータと前記蓄電池とに重なる位置に設けられ、前記把持部は、略前後方向に延びる第一把持部と略上下方向に延びる第二把持部とを有し、前記第二把持部は、前記第一把持部よりも太く構成され」ることは、周知の技術を適用し、当業者が容易になし得たことである。 以上によれば、上記審判請求人の主張は、採用できない。 (6)作用効果について 前記相違点を勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知の技術が奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 (7)まとめ したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 4 本件補正についてのむすび 以上によれば、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和6年2月19日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、本件補正前の、令和5年8月28日提出の手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 当審の拒絶の理由 本願発明に対して、当審が令和5年12月18日付けで通知した拒絶の理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は、以下のとおりである。 (1)理由1(明確性要件)について この出願は、本件補正前の請求項1の記載が次の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 請求項1に「前記掃除機本体の前記集塵装置よりも上部に設けられ前記吸引力で吸引された塵埃を含む空気を前記集塵装置に送り込む導入管を備え、前記導入管の円形と前記集塵装置の円形の外周が重なってなく、」という事項が記載されているところ、前記事項に示される「導入管」と同一の字句で示され、例えば、発明の詳細な説明の段落0012や0022に示される「導入管14」との関係が不明であり、その結果、令和3年11月15日付け意見書の1頁下から4行~2頁1行で説明されることと発明の詳細な説明に記載されることとが、必ずしも整合せず、発明が不明確である。 したがって、請求項1に係る発明は明確でない。 (2)理由2(進歩性)について 本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明及び引用文献2~5に示される周知の技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第4 当審拒絶理由に対する判断 上記第2のとおり、本件補正は却下されたところ、本願発明が拒絶の理由を解消したか否かについて検討する。 1 理由1(明確性要件)について 本件補正は、上記第2のとおり却下され、本件補正前の請求項1を改めて検討しても、上記第3の2(1)の内容に誤りはないから、理由1(明確性)が解消していないことは明らかである。 なお、審判請求人は、令和6年2月19日提出の意見書において、本件補正により理由1(明確性要件)が解消した旨主張している(1頁下から12行~下から8行)。 しかしながら、本件補正は、上記第2のとおり却下されているため、審判請求人の主張を採用することはできない。 2 理由2(進歩性)について (1)引用文献の記載及び引用発明 当審拒絶理由で引用された引用文献1~5及びその記載事項は、上記第2[理由]3(2)ア~オに記載したとおりである。 (2)本願発明と引用発明との対比、判断 上記理由1で検討したように、「導入管」の示すものが不明りょうであり、本願発明の「前記導入管の円形と前記集塵装置の円形の外周が重なってなく、」という事項が必ずしも明りょうとはいえないところ、上記事項は、令和3年11月15日付け意見書の1頁下から4行~2頁1行で説明されたことが特定されているものと理解し、引用発明の認定、及び、本願発明と引用発明との対比、判断を行った。 ア 本願発明と引用発明とを対比する。 引用発明の「電気掃除機4」は本願発明の「掃除機本体」に相当し、以下同様に、「可動部」は「電動送風機」に、「電動モータ」は「モータ」に、「充電池504」は「蓄電池」に、「集塵ユニット531」は「集塵装置」に、「掃除機取っ手505」は「把持部」に、「掃除機吸込管507」は「導入管」に、「スティッククリーナー」は「電気掃除機」に、それぞれ相当する。 また、引用文献1の段落0018(上記第2[理由]3(2)ア(ウ)を参照)や段落0022(上記第2[理由]3(2)ア(オ)を参照)の記載に鑑みると、スティッククリーナーのアタッチメントとして使用される延長管は、長尺であることは明らかであるから、引用発明の「延長管」は、本願発明の「長尺状の延長管」に相当する。 そうすると、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 (一致点) 「掃除機本体と、 前記掃除機本体に収納され吸引力を発生させる電動送風機と、 前記掃除機本体に収納され前記電動送風機を駆動するモータと、 前記掃除機本体に取り付けられ前記モータに電力を供給する蓄電池と、 前記掃除機本体に取り付けられ前記吸引力で吸引された塵埃を収容する集塵装置とを備え、 前記掃除機本体は、把持部によって使用者に保持され、 前記掃除機本体は、接続可能な長尺状の延長管があり、 前記集塵装置、前記モータ及び前記蓄電池は前記掃除機本体の長手方向の一直線上に配置され、 前記集塵装置と前記モータとは前記掃除機本体の長手方向に同軸に配置されており、 前記掃除機本体の前記集塵装置よりも上部に設けられ前記吸引力で吸引された塵埃を含む空気を前記集塵装置に送り込む導入管を備え、 前記導入管の円形と前記集塵装置の円形の外周が重なってない、 電気掃除機。」 (相違点3) 本願発明は、「前記把持部は、前記延長管の長手方向に対して前記モータと前記蓄電池とに重なる位置に設けられ」ているのに対し、 引用発明は、掃除機取っ手505は電池ユニット520の上面部に取り付けられている点。 (相違点4) 本願発明は、「前記集塵装置は、前記モータと反対側の面に設けられた蓋を備える」のに対し、 引用発明では、集塵ユニット531が、前記電動モータと反対側の面に設けられた蓋を備えているか明らかでない点。 イ 判断 以下、相違点について検討する。 (相違点3について) 引用発明において、掃除機取っ手505が、延長管の長手方向に対して電池ユニット520に重なる位置に設けられているといえる。 また、掃除機において、把持部の配置は、使用者が掃除機を安定して保持することに鑑みて、当業者が適宜設定し得た設計事項にすぎないところ、電気掃除機において、把持部を、モータと蓄電池とに重なる位置に設けるように構成することは、例えば、引用文献2、3に開示されるように、当業者にとって従来周知の技術(例えば、上記第2[理由]3(2)イ、ウを参照。)である。 以上によれば、引用発明において、掃除機取っ手に上記周知の技術を適用し、上記相違点3に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 (相違点4について) 集塵装置に溜まった塵埃を廃棄する際に、集塵装置のどこから廃棄するように構成するかは、当業者が適宜設定すべき設計事項にすぎないところ、集塵装置及びモータが直線上に配置される電気掃除機において、集塵装置がモータと反対側の面に設けられた蓋を備えるように構成し、溜まった塵埃を廃棄するように構成することは、例えば、引用文献4、5に開示されるように、当業者にとって従来周知の技術(例えば、上記第2[理由]3(2)エ、オを参照。)である。 そうすると、引用発明において、集塵ユニットに上記周知の技術を適用し、上記相違点4に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 第5 むすび 以上のとおり、当審拒絶理由の理由1(明確性要件)は解消しておらず、この出願は、請求項1の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 また、当審拒絶理由の理由2(進歩性)は解消しておらず、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-010453

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