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特許拒絶査定不服審判

2023-020272

着色組成物、感光性着色組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置

審判番号
2023-020272
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-128876
請求日
2023年11月30日
審決日
2024年09月09日
公報発行日
2024年11月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】artience株式会社
  • 【請求人】東洋ビジュアルソリューションズ株式会社
審判長/審判官
  • 審判長 里村 利光
  • 審判官 宮澤 浩
  • 審判官 本田 博幸
分類
P18 .121-Z (G02B) / P18 .572-Z (G02B) / P18 .575-Z (G02B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

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特願2019-128876「着色組成物、感光性着色組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 2月12日出願公開、特開2021- 15169〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和元年7月11日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年 1月24日付け:拒絶理由通知書 令和5年 5月22日 :意見書、手続補正書の提出 令和5年 6月15日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書 令和5年 8月23日 :意見書、手続補正書の提出 令和5年 8月31日付け:同年8月23日付けの手続補正についての 補正の却下の決定、拒絶査定 令和5年11月30日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和5年11月30日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和5年11月30日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正前の請求項1に係る発明 本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、次のとおりである。 「ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)、分散剤(B)、バインダ樹脂(C)を含む着色組成物であって、該ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)が、一般式(3)で表される化合物であって、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(A1)およびハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料(A2)を含み、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(A1)100質量部に対するハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料(A2)が4.2~11質量部であり、かつ、該分散剤(B)が、リン酸系樹脂型分散剤(B1)および/またはカルボン酸系樹脂型分散剤(B2)を含むことを特徴とする着色組成物。 一般式(3) 【化1】 [図:0001416230000001.jpg] (式中、Qは中心金属を表し、X1~X16はそれぞれ独立に、H、Cl、Br、Iを表す。)」 (2)本件補正後の請求項1に係る発明 本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、次のとおりである(下線部は補正箇所を示す。)。 「ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)、分散剤(B)、バインダ樹脂(C)を含む着色組成物であって、該ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)が、一般式(3)で表される化合物であって、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(A1)およびハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料(A2)を含み、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(A1)100質量部に対するハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料(A2)が4.2~11質量部であり、かつ、該分散剤(B)が、下記(B1-1)で示されるリン酸系樹脂型分散剤およびカルボン酸系樹脂型分散剤(B2)を含むことを特徴とする着色組成物。 一般式(3) [図:0001416230000002.jpg] (式中、Qは中心金属を表し、X1~X16はそれぞれ独立に、H、Cl、Br、Iを表す。) (B1-1):下記一般式(1)で表される分散剤。 一般式(1) (HO-)3-n-PO-(O-R1)n (式中、R1は数平均分子量300~10000のポリエステル残基、nは1または2を表す。)」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「分散剤(B)」について「リン酸系樹脂型分散剤(B1)および/またはカルボン酸系樹脂型分散剤(B2)」とされていたのを、「リン酸系樹脂型分散剤(B1)」を「(B1-1)で示されるリン酸系樹脂型分散剤」に限定すると共に、「リン酸系樹脂型分散剤(B1)」である「(B1-1)で示されるリン酸系樹脂型分散剤」及び「カルボン酸系樹脂型分散剤(B2)」の両方を含むものであることを限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 3 本件補正発明 本件補正発明は、前記1(2)に記載したとおりのものである。 4 引用文献 (1)引用文献1 ア 引用文献1の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用され、本願の出願前に頒布された引用文献である、特開2002-250812号公報(平成14年9月6日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、以下の記載事項がある。なお、引用発明の認定等に用いた箇所に下線を付した。 (ア)発明の属する技術分野 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、カラー液晶表示装置や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタ用着色組成物、およびこの着色組成物を用いたカラーフィルタに関する。」 (イ)発明が解決しようとする課題 「【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記方法において、緑色フィルタの製造には、従来よりハロゲン化銅フタロシアニングリーン顔料を含む着色組成物が用いられている。銅フタロシアニンには分子構造上16個のハロゲンが導入でき、塩素のみが導入された C.I. PigmentGreen 7 と,臭素と塩素が導入された C.I. Pigment Green 36が知られている。一般に、臭素導入量が多いほど可視光の透過波長領域が長波長側にシフトするが,カラーフィルタの緑色フィルタとしては透過波長領域がより長波長側にあるほうがXYZ表色系の3刺激値の中の明度(Y値)が高くなるため、一般に C.I.Pigment Green 36が用いられている。 【0006】しかし,臭素導入量には限界があり,更に明度を向上させるために、より長波長側に透過領域がシフトした緑色着色用組成物が求められていた。そこで、本発明の目的は、より明度の高い緑色フィルタを与えるカラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタを提供することにある。」 (ウ)課題を解決するための手段 「【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料と、中心金属である銅を積極的に異種金属に置換したハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料とを特定の比率で含む着色組成物を用いることにより、透過波長領域が長波長側にシフトし、より明度の高い緑色フィルターが得られることを見出し、本発明に至った。 【0008】すなわち、本発明は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる着色料担体と、該着色料担体に分散されたハロゲン化銅フタロシアニン顔料および中心金属がMg,Al,Si,Ti,V,Mn,Fe,Co,Ni,Zn,Ge,Snからなる群から選ばれる少なくとも1 種のハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料からなる緑色着色料を含み、かつ該ハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料の含有量が、緑色着色料の全量を基準として1~80モル%であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物を提供する。」 (エ)発明の実施の形態 「【0010】 【発明の実施の形態】本発明の着色組成物は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる着色料担体と、この着色料担体に分散された緑色着色料を含有する。緑色着色料は、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料およびハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料からなる。着色料担体は、得られる緑色フィルタセグメントにおいて樹脂質バインダーを提供する。 【0011】本発明に使用されるハロゲン化銅フタロシアニン顔料として具体的には、塩素のみが導入されたC.I. Pigment Green 7や、臭素と塩素が導入されたC.I. Pigment Green 36 が挙げられる。なかでも、透過波長領域がより長波長側にあるため、臭素が導入されたハロゲン化銅フタロシアニン顔料、例えばC.I. Pigment Green 36 が好適に用いられる。ハロゲン化銅フタロシアニン顔料は、透過波長領域が長波長側になるため、1分子内に平均して8~16個の臭素を含むことが好ましく、平均して12~16個のより臭素を含むことがより好ましい。 【0012】ハロゲン化銅フタロシアニン顔料と共に緑色着色料を構成するハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料は、緑色フィルタセグメントの透過波長領域をより長波長側にシフトさせる働きをするものである。ハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料の中心金属は、Mg,Al,Si,Ti,V,Mn,Fe,Co,Ni,Zn,Ge,Snから選ばれる少なくとも1種の異種金属である。ハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料は、中心金属が異なる2種類以上を混合して用いることもできる。また、中心金属がAl,Si,Ti,V,Mn,Fe,Ge,Snなどの3価または4価の金属の場合、軸置換基が存在する。軸置換基としては、-F, -Cl, -Br, -I等のハロゲン、アルコキシル基、フェノキシ基,=O 等が挙げられるがこれらに限定するものではない。 ・・・ 【0024】本発明の緑色着色料を分散させる着色料担体は、上述したように、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物により構成される。透明樹脂は、可視光領域の400~700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれ、その前駆体には、放射線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独または2種以上混合して用いることができる。本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬するときには、光開始剤等が添加される。 ・・・ 【0031】顔料を着色料担体中に分散する際には、適宜、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤、色素誘導体等の分散助剤を含有させることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を着色料担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。 【0032】樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、着色料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の着色料担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤;(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。」 (オ)実施例 「【0049】 【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、「部」とは「重量部」を、「%」とは「モル%」をそれぞれ意味する。まず、実施例および比較例に用いたアクリル樹脂溶液、粗製緑色顔料、緑色顔料について説明する。 【0050】(アクリル樹脂溶液の調製)反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。 スチレン 60.0部 メタクリル酸 60.0部 メタクリル酸メチル 65.0部 メタクリル酸ブチル 65.0部 アゾビスイソブチロニトリル 10.0部 滴下後さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けて、重量平均分子量が約40000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%となるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。 【0051】以下に、粗製緑色顔料の合成法を記す。なお、合成した粗製顔料中の金属の測定は、以下の方法で行った。まず、100mlビーカーに粗製顔料0.5g,硫酸1ml,および硝酸3mlを入れ、ガスコンロで1時間30分加熱して分解後、600℃の電気炉で4時間加熱して分解した。分解物に、塩酸5mlおよび純水25ml入れて溶解し、溶解物を50mlに定容し、ICP原子発光分光分析により金属原子量を測定した。また、粗製顔料中の塩素、臭素の数(1分子内に含まれる平均塩素数および平均臭素数)は、No.6の濾紙に粗製顔料0.01gを包み、過酸化水素5滴を滴下して、酸素置換した燃焼フラスコ中で燃焼した。燃焼後100mlに定容し、イオンクロマトグラフ分析により測定した。 【0052】[粗製緑色顔料1]塩化アルミニウム429部および塩化ナトリウム96部の140℃の溶融塩に、銅フタロシアニン64部およびアルミニウムフタロシアニン5部を溶解し、温度を保ったまま2時間攪拌した。反応温度を180℃に昇温し、臭素を1時間あたり48部で5時間滴下した。その後、塩素を1時間あたり30部で2時間導入した。この反応液を水4000部に徐々に注入したのち、濾過、水洗して197.2部の粗製緑色顔料1を得た。得られた粗製緑色顔料1は、粗製ハロゲン化銅フタロシアニン顔料90.5%および粗製ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料9.5%からなり、粗製ハロゲン化銅フタロシアニン顔料1分子内に含まれる平均臭素数は13.5個、平均塩素数は2.5個であり、粗製ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料1分子内に含まれる平均臭素数は13.5個、平均塩素数は2.5個であった。 ・・・ 【0055】[粗製緑色顔料4]塩化アルミニウム429部および塩化ナトリウム96部の130℃の溶融塩に、銅フタロシアニン65部を溶解し、温度を保ったまま2時間攪拌した。反応温度を180℃に昇温し、臭素を1時間あたり48部で5時間滴下した。その後、塩素を1時間あたり30部で2時間導入した。この反応液を水4000部に徐々に注入したのち、濾過、水洗して193.5部の粗製緑色顔料4を得た。得られた粗製緑色顔料4は、粗製ハロゲン化銅フタロシアニン顔料97%および粗製ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料3%からなり、粗製ハロゲン化銅フタロシアニン顔料1分子内に含まれる平均臭素数は13.5個、平均塩素数は2.5個であり、粗製ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料1分子内に含まれる平均臭素数は13.5個、平均塩素数は2.5個であった。 ・・・ 【0058】次に、下記の方法で粗製緑色顔料を顔料化処理し、緑色顔料を製造した。 [緑色顔料1]粗製緑色顔料4:500部、塩化ナトリウム:500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で4時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の緑色顔料1を得た。なお、緑色顔料1は、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料97%およびハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料3%からなるものであった。 【0059】[緑色顔料2]粗製緑色顔料4:345部、粗製緑色顔料1:155部、塩化ナトリウム:500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で4時間混練した。つぎにこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥、490部の緑色顔料2を得た。なお、緑色顔料2は、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料95%およびハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料5%からなるものであった。 【0060】[緑色顔料3]粗製緑色顔料1:500部、塩化ナトリウム:500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、緑色顔料1と同様の操作を行い、490部の緑色顔料3を得た。なお、緑色顔料3は、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料90.5%およびハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料9.5%からなるものであった。 ・・・ 【0067】次に、これらの緑色顔料を用いて、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料とハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料の配合比を変えた緑色の感光性着色組成物(レジスト材)を作製した。 【0068】[実施例1]下記組成の混合物を均一に分散撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過してアルカリ現像型感光性着色組成物を作製した。 緑色顔料1 4.5部 アクリル樹脂溶液 24.0部 トリメチロールプロパントリアクリレート 5.4部 (新中村化学社製「NKエステルATMPT」) 光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」) 0.3部 増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB-F」) 0.2部 シクロヘキサノン 65.1部 【0069】[実施例2~7]緑色顔料1を緑色顔料2~7に変えた以外は、実施例1と同様にしてアルカリ現像型感光性着色組成物を作製した。」 イ 引用文献1に記載された発明 上記記載事項(オ)に基づけば、引用文献1には、実施例2に係るアルカリ現像型感光性着色組成物として、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「下記組成の混合物を均一に分散撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して作製した、アルカリ現像型感光性着色組成物。 緑色顔料2 4.5部 アクリル樹脂溶液 24.0部 トリメチロールプロパントリアクリレート 5.4部 (新中村化学社製「NKエステルATMPT」) 光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」) 0.3部 増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB-F」) 0.2部 シクロヘキサノン 65.1部 ここで、緑色顔料2は、粗製緑色顔料4:345部、粗製緑色顔料1:155部、塩化ナトリウム:500部、およびジエチレングリコール:250部を混練し、混練物を温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥して得たものであり、粗製ハロゲン化銅フタロシアニン顔料1分子内に含まれる平均臭素数は13.5個、平均塩素数は2.5個であり、粗製ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料1分子内に含まれる平均臭素数は13.5個、平均塩素数は2.5個であり、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料95モル%およびハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料5モル%からなるものである。」 (2)周知技術を示す引用文献 ア 引用文献3の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用文献3として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、国際公開第2015/019936号(以下「引用文献3」という。)には、以下の記載事項がある。なお、周知技術の認定に用いた箇所に下線を付した。以下の文献についても同様である。 (ア)技術分野 「[0001] 本発明は、液晶表示素子(LCD)や固体撮像素子(CCD、CMOSなど)等に用いられるカラーフィルタを作製するのに好適な着色感光性樹脂組成物、上記組成物により作製された着色領域を有するカラーフィルタ、および、上記カラーフィルタを備える固体撮像素子、有機LED用液晶表示装置に関する。」 (イ)発明が解決しようとする課題 「[0011] 本発明はかかる課題を解決するものであって、色ムラ(ザラ)やザラの経時安定性、さらにPCD後のパターン形成性に優れる着色感光性樹脂組成物、上記着色感光性樹脂組成物を利用した、硬化膜、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子および画像表示装置に関する。」 (ウ)課題を解決するための手段 「[0012] 本発明者らは詳細に検討した結果、塩基性色素誘導体および所定の分散剤を用いることにより、上記課題を解決しうることを見出した。 具体的には、下記手段<1>により、好ましくは、<2>~<15>により、上記課題は解決された。 <1>(A)顔料、(B)塩基性色素誘導体、(C-1)下記一般式(II)で表されるリン酸系分散剤、または、(C-2)少なくとも一つの末端に水酸基を有する重合体(POH)もしくは少なくとも一つの末端に第1級アミノ基を有する重合体(PNH2)と、トリカルボン酸無水物もしくはテトラカルボン酸二無水物とを反応させてなるカルボン酸系分散剤、(D)樹脂バインダー、(E)光重合開始剤、および(F)重合性化合物を含有する着色感光性樹脂組成物; [化1] [図:0001416230000003.jpg] 一般式(II)中、R3は数平均分子量400~30000のポリエステル構造を表し、yは1または2の整数を表す;yが2のとき、複数のR3は、同一であってもよく、異なっていてもよい。」 (エ)顔料 「[0022]<<(A)顔料>> 本発明の組成物は、(A)顔料を有する。本発明で使用する顔料としては、赤色顔料、緑色顔料および黄色顔料からなる群から選ばれることが好ましく、従来公知の種々の無機顔料または有機顔料を用いることができる。上記顔料としては、高透過率であることが好ましい。 ・・・ [0120] 顔料としては、アントラキノン顔料、ジケトピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料、キノフタロン顔料、イソインドリン顔料、アゾメチン顔料、およびジオキサジン顔料から選ばれる顔料であることが好ましい。特に、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド177(アントラキノン顔料)、C.I.ピグメントレッド254(ジケトピロロピロール顔料)、C.I.ピグメントグリーン7,36,58、C.I.ピグメントブルー15:6(フタロシアニン顔料)、C.I.ピグメントイエロー138(キノフタロン顔料)、C.I.ピグメントイエロー139,185(イソインドリン顔料)、C.I.ピグメントイエロー150(アゾメチン顔料)、C.I.ピグメントバイオレット23(ジオキサジン顔料)が最も好ましい。」 (オ)分散剤 「[0162]<<(C)分散剤>> 本発明の組成物は、(C-1)一般式(II)で表されるリン酸系分散剤または後述する(C-2)少なくとも一つの末端に水酸基を有する重合体(POH)もしくは少なくとも一つの末端に第1級アミノ基を有する重合体(PNH2)と、トリカルボン酸無水物もしくはテトラカルボン酸二無水物とを反応させてなるカルボン酸系分散剤を有する。上記分散剤を含有させることで、顔料粒子に対して分散剤が強力に吸着し、組成物の経時に伴うザラの悪化を抑制することが可能となる。本発明で用いる分散剤は、他の成分との相溶性が悪い傾向にあり、経時のザラが大きく、PCD後のパターン形成性が非常に悪かったが、本発明では(B)塩基性色素誘導体(特に、一般式(I)で表される色素誘導体)と併用することによりこの点を解消している。 [0163]-(C-1)一般式(II)で表されるリン酸系分散剤- 本発明の組成物は、(C-1)一般式(II)で表されるリン酸系分散剤を有する。上記分散剤を含有させることで、顔料粒子に対して分散剤が強力に吸着し、組成物の経時に伴うザラの悪化を抑制することが可能となる。 [0164]一般式(II) [化49] [図:0001416230000004.jpg] 一般式(II)中、R3は数平均分子量400~30000のポリエステル構造を表し、yは1または2を表す。yが2の場合、複数のR3は同一であっても異なっていてもよい。 [0165] R3は数平均分子量400~30000のポリエステル構造を表し、yが2の場合、複数のR3は同一であっても異なっていてもよい。上記ポリエステル構造の数平均分子量は、より好ましくは1900~10000であり、更に好ましくは400~3000であり、特に好ましくは2000~3000である。400未満の場合は顔料分散能に欠けるため、用いることができない。 ・・・ [0174]-(C-2)少なくとも一つの末端に水酸基を有する重合体(POH)もしくは少なくとも一つの末端に第1級アミノ基を有する重合体(PNH2)と、トリカルボン酸無水物もしくはテトラカルボン酸二無水物とを反応させてなるカルボン酸系分散剤- 本発明の組成物は、(C-2)少なくとも一つの末端に水酸基を有する重合体(POH)もしくは少なくとも一つの末端に第1級アミノ基を有する重合体(PNH2)と、トリカルボン酸無水物もしくはテトラカルボン酸二無水物とを反応させてなるカルボン酸系分散剤を有する。上記分散剤を含有させることで、顔料粒子に対して分散剤が強力に吸着し、組成物の経時に伴うザラの悪化を抑制することが可能となる。 ・・・ [0216] 本発明の組成物における分散剤の含有量は、全固形分に対して、1~30質量%が好ましく、より好ましくは2~20質量%であり、さらに好ましくは4~15質量%である。 また、分散剤の含有量は、(A)顔料の100質量部に対して、5~60質量部であることが好ましく、9~40質量部であることがより好ましい。 分散剤は、本発明の組成物中に1種のみ含まれていても良いし、2種以上含まれていても良い。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。」 イ 引用文献4の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用文献4として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2019-78878号公報(以下「引用文献4」という。)には、以下の記載事項がある。 (ア)技術分野 「【0001】 本発明は、カラーフィルタ用感光性着色組成物、及びカラーフィルタに関し、より詳細には、例えば、液晶表示装置又は有機ELディスプレイ等において用いられるカラーフィルタの赤、緑及び青色フィルタセグメント等の形成に特に有用な感光性着色組成物に関する。」 (イ)発明が解決しようとする課題 「【0007】 本発明は上記のような状況を鑑みてなされたものであり、感光性着色組成物に要求される諸パターニング特性(解像性、直線性、寸法安定性、現像安定性)や感光性着色組成物の粘度安定性を満たしながら、高い寸法安定性や直線性を実現できる感光性着色組成物や、その感光性着色組成物から製造されるカラーフィルタを提供することを目的とする。」 (ウ)課題を解決するための手段 「【0008】 本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の水酸基と、ピロメリット酸無水物及び/又はトリメリット酸無水物の酸無水物基と、の反応生成物の存在下で、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)を含むエチレン性不飽和単量体(c)を重合させた水酸基含有重合体の水酸基と、1つのイソシアネート基及び1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)のイソシアネート基と、を反応させた樹脂であり、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)の含有量が、エチレン性不飽和単量体(c)の全量に対して35~80質量%である樹脂型分散剤を含有するカラーフィルタ用感光性着色組成物が、上記のような高い寸法安定性や直線性を実現できることを見出した。 【0009】 <1>着色剤(A)、樹脂型分散剤(B)、光重合開始剤(C)、有機溶剤(D)及び重合性化合物(E)を含有するカラーフィルタ用感光性着色組成物であって、樹脂型分散剤(B)が、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の水酸基と、ピロメリット酸無水物及び/又はトリメリット酸無水物の酸無水物基と、の反応生成物の存在下で、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)を含むエチレン性不飽和単量体(c)を重合させた水酸基含有重合体の水酸基と、1つのイソシアネート基及び1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)のイソシアネート基と、を反応させた樹脂であり、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)に由来する構成単位の含有量が、エチレン性不飽和単量体(c)に由来する構成単位の全量に対して35質量%以上80質量%以下である、カラーフィルタ用感光性着色組成物。」 (エ)樹脂型分散剤(B) 「【0018】 <樹脂型分散剤(B)> 本発明の樹脂型分散剤(B)は、2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物(a)の水酸基と、ピロメリット酸無水物及び/又はトリメリット酸無水物の酸無水物基との反応生成物を最初に製造する第一の工程、続いて、前記反応生成物の残存しているチオール基を連鎖移動剤として水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)を含むエチレン性不飽和単量体(c)をラジカル重合することで水酸基を有するビニル重合体部分を導入した水酸基含有重合体を製造する第二の工程、さらに1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)との反応である第三の工程を経ることにより得られる。本発明の樹脂型分散剤(B)中の複数のカルボキシル基部分が顔料吸着部として機能し、ビニル重合体部分が溶媒親和部として機能する。」 (オ)着色剤(A) 「【0039】 <着色剤(A)> 本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物は、着色剤として、顔料又は染料を含んでもよい。顔料としては、有機又は無機の顔料を、単独又は2種類以上混合して用いることができる。顔料は、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。以下に、カラーフィルタ用着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。 【0040】 <有機顔料> ・・・ 【0044】 緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメント グリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、37、45、48、50、51、54、55、58、62、63、特開2008-19383号公報、特開2007-320986号公報、特開2004-70342号公報等に記載の亜鉛フタロシアニン顔料、特許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料などを挙げることができるが、特にこれらに限定されない。これらの中でも、透過率の観点から、好ましくはC.I.ピグメントグリーン36又は58である。」 ウ 引用文献10の記載事項 補正の却下の決定において引用文献10として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2015-106027号公報(以下「引用文献10」には、以下の記載事項がある。 (ア)技術分野 「【0001】 本発明は、液晶表示素子(LCD)や固体撮像素子(CCD、CMOSなど)等に用いられるカラーフィルタを作製するのに好適な着色感光性樹脂組成物、上記着色感光性樹脂組成物により作製された硬化膜ならびにパターン、上記着色感光性樹脂組成物により作製された着色領域を有するカラーフィルタ、および、上記カラーフィルタを備える固体撮像素子、画像表示装置に関する。 (イ)発明が解決しようとする課題 「【0006】 本願発明者が特許文献1~3を検討したところ、特許文献1~3に記載の組成物を用いて着色層を形成した場合、パターン形成性が劣ったり、未露光部の溶液残渣を引き起こすことが分かった。特に、10μm以下の微細なパターンを形成する場合に、未露光部の溶液残渣が生じやすい傾向にあることがわかった。 本願発明は、かかる従来技術の問題点を解決することを目的としたものであって、着色層を形成した場合、パターン形成性に優れ、かつ、未露光部に現像残渣が生じにくい着色感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。」 (ウ)課題を解決するための手段 「【0007】 本発明者らは詳細に検討した結果、特定構造の色素誘導体および特定構造の分散剤を用いることにより、上記課題を解決しうることを見出した。 具体的には、下記手段<1>により、好ましくは、<2>~<16>により、上記課題は解決された。 <1>少なくとも、(a)重合性基を有する樹脂、(b)多官能モノマー、(c)重合開始剤、(d)着色剤、(e)下記一般式(I)で表される色素誘導体、ならびに、(g1)下記一般式(II)で表されるリン酸系分散剤、および/または、(g2)少なくとも一つの末端に水酸基を有する重合体(POH)もしくは少なくとも一つの末端に第1級アミノ基を有する重合体(PNH2)と、トリカルボン酸無水物もしくはテトラカルボン酸二無水物とを反応させてなるカルボン酸系分散剤を含有する、着色感光性樹脂組成物。 【化1】 [図:0001416230000005.jpg] (一般式(I)中、Dyeはキノフタロン部位を有する基を表し、X1は、-NR’SO2-、-SO2NR’-、-CONR’-、-CH2NR’COCH2NR’-、または-NR’CO-を表し、X2は、炭素数が6~20のアリーレン基、または炭素数が4~20の複素芳香環基を表し、これらの基は、-NR’-、-O-、-SO2-または-CO-から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。X3は、-NR’-または-O-を表す。R’は、水素原子、炭素数が1~20のアルキル基、炭素数が2~20のアルケニル基、または炭素数が6~20のアリール基を表す。AおよびBは、それぞれ、下記一般式(1)、で表される基、下記一般式(2)で表される基、-O-(CH2)n-R8、-OR9、-NR10R11、-Cl、-Fおよび-X3-X2-X1-Dyeから選ばれる基を表し、R8は含窒素複素環残基を表し、R9、R10、R11は、それぞれ、水素原子、炭素数が1~20アルキル基、炭素数が2~20のアルケニル基または炭素数が6~20のアリール基を表し、nは0~20の整数を表す。AおよびBのいずれか一方は、下記一般式(1)で表される基、下記一般式(2)で表される基、-O-(CH2)n-R8、-OR9または-NR10R11であり、tは1~3の整数を表す。tが2以上の場合、複数のX1、X2、X3、A、およびBは同一であってもよく、異なっていてもよい。) 【化2】 [図:0001416230000006.jpg] (一般式(1)中、Y1は-NR’-または-O-を表し、Y2は炭素数が1~20のアルキレン基、炭素数が2~20のアルケニレン基、または炭素数が6~20のアリーレン基を表し、これらの基は、-NR’-、-O-、-SO2-、-CO-から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。R’は、水素原子、炭素数が1~20のアルキル基、炭素数が2~20のアルケニル基、または炭素数が6~20のアリール基を表す。R1およびR2はそれぞれ、炭素数が1~20のアルキル基、または炭素数が2~20のアルケニル基を表す。R1とR2が一体となって、更なる窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含み複素環構造を形成してもよい。 一般式(2)中、Z1はトリアジン環と窒素原子を結ぶ単結合、-NR’-、-NR’-G-CO-、NR’-G-CONR’’-、-NR’-G-SO2-、-NR’-G-SO2NR’’-、-O-G-CO-、-O-G-CONR’-、-O-G-SO2-または-O-G-SO2NR’-を表し、Gは炭素数が1~20のアルキレン基、炭素数が2~20のアルケニレン基または炭素数が6~20のアリーレン基を表し、R’およびR’’は、それぞれ水素原子、炭素数が1~20のアルキル基、炭素数が2~20のアルケニル基、または炭素数が6~20のアリール基を表す。R3、R4、R5、およびR6はそれぞれ、水素原子、炭素数が1~20のアルキル基、炭素数が2~20のアルケニル基、または炭素数が6~20のアリール基を表し、R7は炭素数が1~20のアルキル基、または炭素数が2~20のアルケニル基を表す。) 【化3】 [図:0001416230000007.jpg] (一般式(II)中、R3は数平均分子量400~30000のポリエステル構造を表し、yは1または2の整数を表す。yが2のとき、複数のR3は、同一であってもよく、異なっていてもよい。)」 (エ)(d)着色剤 「【0062】 <(d)着色剤> 本発明に用いられる着色剤は、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の染料や顔料を1種又は2種以上混合して用いることができ、これらは本発明の組成物の用途に応じて適宜選択される。本発明の組成物は、通常、着色剤として顔料を含み、さらに染料を含んでいてもよい。 ・・・ 【0065】 本発明において好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し本発明は、これらに限定されるものではない。 ・・・ 【0066】 C.I. ピグメント グリーン 7,10,36,37,58 ・・・ 【0067】 本発明で用いられる着色剤は、顔料を含むことが好ましく、ベンゼン環および親水性基を有する顔料を含むことがより好ましい。顔料が親水性基を有することにより、現像液との親和性が高くなることが考えられる。また、顔料がベンゼン環を有することにより、顔料のベンゼン環と樹脂等の芳香環との弱い相互作用により、着色層を形成した場合に、未露光部に現像残渣がより効果的に除去できると考えられる。」 (オ)分散剤 「【0094】 <分散剤> 本発明の組成物は、(g1)一般式(II)で表されるリン酸系分散剤、および/または、後述する(g2)少なくとも一つの末端に水酸基を有する重合体(POH)もしくは少なくとも一つの末端に第1級アミノ基を有する重合体(PNH2)と、トリカルボン酸無水物もしくはテトラカルボン酸二無水物とを反応させてなるカルボン酸系分散剤を有する。特に、(g1)一般式(II)で表されるリン酸系分散剤を含有することが好ましい。 【0095】 (g1)一般式(II)で表されるリン酸系分散剤 一般式(II) 【化21】 [図:0001416230000008.jpg] (一般式(II)中、R3は数平均分子量400~30000のポリエステル構造を表し、yは1または2を表す。yが2の場合、複数のR3は同一であっても異なっていてもよい。) 【0096】 R3は数平均分子量400~30000のポリエステル構造を表し、yが2の場合、複数のR3は同一であっても異なっていてもよい。上記ポリエステル構造の数平均分子量は、より好ましくは1900~10000であり、更に好ましくは400~3000であり、特に好ましくは2000~3000である。400未満の場合は顔料分散能に欠けるため、用いることができない。 ・・・ 【0105】 (g2)少なくとも一つの末端に水酸基を有する重合体(POH)もしくは少なくとも一つの末端に第1級アミノ基を有する重合体(PNH2)と、トリカルボン酸無水物もしくはテトラカルボン酸二無水物とを反応させてなるカルボン酸系分散剤 【0106】 カルボン酸系分散剤は、少なくとも一つの末端に水酸基を有する重合体(POH)もしくは少なくとも一つの末端に第1級アミノ基を有する重合体(PNH2)と、トリカルボン酸無水物もしくはテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得ることができる。 ・・・ 【0147】 本発明の組成物における分散剤の含有量は、全固形分に対して、1~30質量%が好ましく、より好ましくは1~20質量%であり、さらに好ましくは1~15質量%である。 また、分散剤の含有量は、(d)着色剤中の顔料100質量部に対して、1~60質量部であることが好ましく、3~30質量部であることがより好ましく、3~15質量部であることがさらに好ましい。 分散剤は、本発明の組成物中に1種のみ含まれていても良いし、2種以上含まれていても良い。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。 上記のほか、他の分散剤を含んでいても良く、特開2013-073104号公報の0338~0343に記載の分散剤も含んでいても良く、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。」 エ 引用文献3、4、10から把握できる周知技術 上記引用文献3、引用文献4、引用文献10の記載事項から、「カラーフィルタ用着色組成物」に関して、以下の周知技術が存在すると認められる。 「C.I.ピグメントグリーン7,36、アルミニウムフタロシアニン顔料などのフタロシアニン顔料を含有するカラーフィルタ用着色組成物に、分散剤として、一般式(II)で表されるリン酸系分散剤、又は、カルボキシ基部分を有する樹脂型分散剤を用いること。 [図:0001416230000009.jpg] ここで、R3は数平均分子量400~30000、より好ましくは1900~10000のポリエステル構造を表し、yは1または2を表す。」 5 対比 本件補正発明と引用発明とを対比する。 (1)ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A) 引用発明の「ハロゲン化銅フタロシアニン顔料」及び「ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料」は、それぞれ、本件補正発明の「ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(A1)」及び「ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料(A2)」に相当する。また、引用発明の「ハロゲン化銅フタロシアニン顔料」及び「ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料」は、いずれも、本件補正発明の「ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)」に相当する。 そして、引用発明の「アルカリ現像型感光性着色組成物」は、「緑色顔料2」として「ハロゲン化銅フタロシアニン顔料95モル%およびハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料5モル%からなるもの」を含む混合物を均一に分散撹拌混合した後、フィルタでろ過して作製されたものである。そうすると、引用発明の「アルカリ現像型感光性着色組成物」は、本件補正発明の「ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)」を「含む着色組成物」であるとする要件を満たしている。 また、引用発明は、「ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料」が、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料95モル%に対して、「5モル%」含まれている。ここで、引用発明は、いずれも1分子内に含まれる平均臭素数が13.5個、平均塩素数が2.5個である「粗製ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料」及び「粗製ハロゲン化銅フタロシアニン顔料」の混連物から得られるものであるから、引用発明の「ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料」及び「ハロゲン化銅フタロシアニン顔料」の平均分子量は、それぞれ、「1690.7」(=12.0×32+14.0×32+27.0×1+35.5×2.5+79.9×13.5)及び「1727.3」(=12.0×32+14.0×32+63.5×1+35.5×2.5+79.9×13.5)である。そうすると、引用発明の「ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料」は、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料100質量部に対して、5.2質量部(=(1690.7×5)÷(1727.3×100))含まれていることになる。したがって、引用発明の「ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料」は、本件補正発明の「ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(A1)100質量部に対するハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料(A2)が4.2~11質量部」とする要件を満たしている。 (2)バインダ樹脂(C) 引用発明の「アルカリ現像型感光性着色組成物」は、「アクリル樹脂溶液」を含む混合物を均一に分散撹拌混合した後、フィルタでろ過して作製されたものである。そして、「アクリル樹脂」は、技術的にみて、本件補正発明の「バインダ樹脂(C)」に相当する。そうすると、引用発明の「アルカリ現像型感光性着色組成物」は、本件補正発明の「バインダ樹脂(C)」を「含む着色組成物」であるとする要件を満たしている。 (3)着色組成物 引用発明の「アルカリ現像型感光性着色組成物」は、本件補正発明の「着色組成物」に相当する。 (4)一致点及び相違点 以上より、本件補正発明と引用発明とは、 「ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)、バインダ樹脂(C)を含む着色組成物であって、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(A1)およびハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料(A2)を含み、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(A1)100質量部に対するハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料(A2)が4.2~11質量部である着色組成物。」 である点で一致し、以下の点で相違又は一応相違する。 [相違点1] ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)が、本件補正発明は、一般式(3)で表される化合物であるのに対し、引用発明の「ハロゲン化銅フタロシアニン顔料」及び「ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料」が本件補正発明3の一般式(3)で表される化合物であるか一応明らかでない点。 [相違点2] 本件補正発明は、「分散剤(B)」を含み、該分散剤(B)が、「(B1-1)で示されるリン酸系樹脂型分散剤およびカルボン酸系樹脂型分散剤(B2)を含む」のに対し、引用発明は、分散剤を含んでいない点。 6 判断 (1)[相違点1]について 引用発明の「緑色顔料2」を構成する「ハロゲン化銅フタロシアニン顔料」及び「ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料」は、引用文献1の記載事項(オ)の段落【0052】における[粗製緑色顔料1]の製造工程、及び、【0055】における[粗製緑色顔料4]の製造工程からみて、塩化アルミニウム及び塩化ナトリウムの溶融塩に、銅フタロシアニン又は、銅フタロシアニン及びアルミニウムフタロシアニンを溶解し、攪拌し、反応温度を180℃に昇温し、臭素又は臭素及び塩素を導入して得たものである。そうすると、引用発明の「緑色顔料2」を構成する「ハロゲン化銅フタロシアニン顔料」及び「ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料」は、以下に示す「フタロシアニン」の中心に「銅」又は「アルミニウム」が中心金属として導入されてなる錯体において、芳香族環に存在する水素原子が臭素又は塩素に置換された構造を有するといえる。 [図:0001416230000010.jpg] そうすると、引用発明の「緑色顔料2」を構成する「ハロゲン化銅フタロシアニン顔料」及び「ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料」は、以下の式で表される化合物であって、Qが銅又はアルミニウムであり、X1~X16がそれぞれ独立に、H、Cl、Brのいずれかである化合物であるといえる。 [図:0001416230000011.jpg] したがって、引用発明の「ハロゲン化銅フタロシアニン顔料」及び「ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料」は、本件補正発明の「一般式(3)で表される化合物」であるとする要件を満たすものであるから、[相違点1]は実質的な相違点ではない。 また、仮に実質的な相違点であったとしても、「ハロゲン化銅フタロシアニン顔料」及び「ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料」として、本件特許発明の一般式(3)で表される化合物は、文献を示すまでもなく周知である。 したがって、引用発明の「ハロゲン化銅フタロシアニン顔料」及び「ハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料」を、本件特許発明の一般式(3)で表される化合物とすることは、当業者が適宜なし得ることである。 (2)[相違点2]について 引用発明の記載事項(エ)には、「顔料を着色料担体中に分散する際には、適宜、樹脂型顔料分散剤、・・・等の分散助剤を含有させることができる。」(段落【0031】)及び「樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、着色料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の着色料担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、・・・ポリカルボン酸、・・・燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。」(段落【0032】)との記載がある。当該記載に基づけば、引用文献1には、引用発明に対し、ポリカルボン酸や燐酸エステル等の樹脂型顔料分散剤を含有させること、及び、複数種の樹脂型顔料分散剤を混合して用いることが示唆されていたといえる。 また、前記4(2)エに記載したとおり、「C.I.ピグメントグリーン7,36、アルミニウムフタロシアニン顔料などのフタロシアニン顔料を含有するカラーフィルタ用着色組成物に、分散剤として、一般式(II)で表されるリン酸系分散剤、又は、カルボキシ基部分を有する樹脂型分散剤を用いること」は周知技術である。 [図:0001416230000012.jpg] ここで、C.I.ピグメントグリーン7及びC.I.ピグメントグリーン36は、引用文献1の段落【0011】に記載されているように、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料に塩素のみ又は臭素と塩素が導入されたものであるから、本件補正発明の「ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(A1)」に該当する。また、上記一般式(II)のR3は数平均分子量400~30000、より好ましくは1900~10000のポリエステル構造を表し、yは1または2を表すものであるから、本件補正発明の「(B1-1)で示されるリン酸系樹脂型分散剤」に該当する。さらに、周知技術における「カルボキシ基部分を有する樹脂型分散剤」は、本件補正発明の「カルボン酸系樹脂型分散剤(B2)」に該当する。 そうすると、引用文献1の上記示唆に基づいて、引用発明に上記周知技術の樹脂型分散剤を組み合わせて採用し、相違点2に係る本件補正後発明の構成に想到することは、当業者が容易になし得たことである。そして、後記(3)に示すように、これらを組み合わせたことにより、格別な効果を奏するということもできない。 審判請求人は、審判の請求の理由において、「引用文献1明細書段落[0032]において、樹脂型分散剤としてポリカルボン酸、燐酸エステルを用いることができる旨、加えて2種以上を混合して用いることができる旨の記載がありますが、前記2種以外にも多数の樹脂型分散剤が列挙されている中から、あえてポリカルボン酸および燐酸エステルの中でもさらに(B1-1)で示される化合物を併用する動機がありません。」と主張している。また、引用文献10について、「顔料の化学的特性等によって、適する樹脂型分散剤が同じとは限らないことは当業者には周知の事柄であるため、引用文献10の具体的開示にあるような、母骨格が異なる、ハロゲンが入っていない等化学的特性が全く異なる顔料種に用いられている樹脂型分散剤の組成を、引用文献1記載のハロゲン化金属フタロシアニン顔料を用いた着色組成物に適用する動機がありません。」と述べている。 しかし、引用文献1の段落【0032】に列挙された樹脂型分散剤のうち、ポリカルボン酸系及び燐酸エステル系の樹脂型顔料分散剤は、引用文献3、引用文献4、又は、引用文献10に開示されているように、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料の分散剤として好適であることが知られている。また、引用文献3(段落[0343]~[0344]、[0357]~[0360]、[0374]~[0378]、[0379]~[0385]、[0395]~[0398][0409]~[0413])、及び、引用文献4(段落【0317】~【0321】、【0327】、【0332】、【0333】、【0338】、【0341】)~【0354】)には、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料の分散剤として、これらの樹脂型分散剤のいずれかを用いた実施例も記載されている。そうすると、引用文献1の段落【0032】に列挙された樹脂型分散剤の中から、実際に分散剤として使用したことが知られたポリカルボン酸及び燐酸エステル系の樹脂型顔料分散剤を選択することは、当業者が当然考慮することである。 したがって、引用発明において、当該ポリカルボン酸及びリン酸エステル系の樹脂型顔料分散剤を選択する動機付けは存在するから、審判請求人の上記主張は採用できない。 (3)効果について 引用発明は、前記5(1)に記載したとおり、「ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(A1)100質量部に対するハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料(A2)が4.2~11質量部」とする要件を満たしている。そうすると、本願の段落【0020】における「本発明の着色組成物は、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)としてハロゲン化銅フタロシアニン顔料(A1)およびハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料(A2)を含有し、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(A1)100質量部に対するハロゲン化アルミニウムフタロシアニン顔料(A2)の含有量が3~11質量部であり、この範囲であるとカラーフィルタの画素(塗膜)の誘電正接の値を抑制できるため液晶表示装置としたときの表示不良を抑えられ、さらに、着色組成物や感光性着色組成物自体の保存安定性も良好である。」との記載からみて、「液晶表示装置としたときの表示不良を抑えられ、さらに、着色組成物や感光性着色組成物自体の保存安定性も良好」という効果を奏するものといえる。 したがって、引用発明は、本願補正発明と同様に、「着色組成物および感光性着色組成物として保存安定性が良く、かつ、銅フタロシアニンに起因する液晶表示装置の表示不良を解消できる」という効果を奏するものといえる。 なお、前記(2)において検討したとおり、引用文献1には、「樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、着色料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の着色料担体への分散を安定化する働きをするものである。」(段落【0032】)との記載がある。当該記載に基づけば、樹脂型顔料分散剤を含有させることにより、保存安定性が良くなることは、当業者が予測できる範囲のものといえる。また、本願の明細書の実験例等を参酌すると、顔料分散剤として、リン酸系樹脂型分散剤B1-1を単独で使用した場合、カルボン酸系樹脂型分散剤B2を単独で使用した場合、リン酸系樹脂型分散剤B1-1とカルボン酸系樹脂型分散剤B2を併用した場合のいずれの場合においても、保存安定性の効果は「○:変化率10%未満」とされており、効果において違いを見出すことができない。そうすると、これらの樹脂型分散剤を組み合わせて含有させたことにより、当業者が予測し得ない格別な効果を奏するということもできない。 7 むすび 以上のとおり、本件補正発明と引用発明との相違点は、実質的な相違点でないか、当業者が容易になし得るものであるから、本件補正発明は、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。そうすると、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本件発明 1 本件発明 本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~7に係る発明は、令和5年5月22日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、前記第2の1(1)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由の概要は、この出願の請求項1~7に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の引用文献に記載された発明及び周知技術に基づいて、その出願日前にその発明の属する分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1:特開2002-250812号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献及びその記載事項は、前記第2の4に記載したとおりである。 4 対比・判断 本件発明は、前記第2の2で検討した本件補正発明から、「分散剤(B)」についての限定事項を削除したものである。 そうすると、本件発明の発明特定事項を全て含み、さらに限定を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の5~7に記載したとおり、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明も、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本件発明は、特許法第29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-020272

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