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特許拒絶査定不服審判

2023-019662

多機能量子比荷流変換装置

審判番号
2023-019662
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-240169外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2023年09月18日
審決日
2025年03月05日
公報発行日
2026年06月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .536-Z (H01L) / P18 .537-Z (H01L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法36条4項1号特許法36条6項2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第4項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-240169「多機能量子比荷流変換装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 7月 1日出願公開、特開2021-100091〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和元年12月21日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年 4月14日付け:手続補正書の提出 令和4年10月28日付け:拒絶理由通知書 令和5年 3月19日付け:意見書、手続補正書の提出 同年 5月22日付け:拒絶査定 同年 9月18日付け:審判請求書、手続補正書の提出 令和6年 3月 7日付け:上申書の提出 同年12月11日付け:審理終結通知書 令和7年 2月 3日付け:上申書の提出 第2 明細書及び特許請求の範囲の記載の誤記について 令和5年9月18日付けの手続補正書により補正された明細書及び特許請求の範囲に記載されている「負電荷e-22」、「正電荷e+23」は、「負量子荷NI(t)e-22」、「正量子荷PI(t)e+23」の明らかな誤記である(なお、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)では「負電荷e-22」、「正電荷e+23」との語句は用いられておらず、更には、令和6年3月7日付けの上申書及び令和7年2月3日付けの上申書で申立人も同旨の主張をしている。)。 また、同明細書及び特許請求の範囲に記載されている「電荷」も同様に「量子荷」の明らかな誤記である(なお、当初明細書等では「電荷」との語句は用いられていない。)。 さらに、特許請求の範囲に記載されている「出力量荷比流」、「入力最子荷比流」は、「出力量子荷比流」、「入力量子荷比流」の明らかな誤記である。 したがって、以下では、「負電荷e-22」、「正電荷e+23」、「電荷」、「出力量荷比流」、「入力最子荷比流」を、それぞれ正しい記載である「負量子荷NI(t)e-22」、「正量子荷PI(t)e+23」、「量子荷」、「出力量子荷比流」、「入力量子荷比流」に読み替えて検討する。 第3 特許請求の範囲の請求項1の記載 特許請求の範囲の請求項1には、以下の事項が記載されている(当審注:下線は、以下の「第5 明確性要件についての判断」において検討する事項であり、当審が付与した。)。 「【請求項1】 多機能量子荷比流変換装置QRTSCOD1は、量子荷比流生成機能部InpG1および内部電源25を有する量子荷比流増減幅機能部QAMP1からなり、 量子荷比流増減幅機能部QAMP1においては、意識信号C1(0/1)2を個別にはC1(0)2、C1(1)2とすると、入力量子荷比流Inpin 14および出力量子荷比流Inpout111を負優位量子荷比にするときは、多機能量子荷比流変換装置QRTSCOD1の外部から設定される一次相反信号f1(1、0)1かつ意識信号C1(0)2、また正優位量子荷比にするときは一次相反信号f1(0,1)1かつ意識信号C1(0)2とするのを基本とし、 量子荷比流生成機能部InpG1においては、エネルギー源13の出力電極(±電極)21から出力する量子荷のうち、-電極から出力する量子荷を負量子荷NI(t)e-22、+電極から出力する量子荷を正量子荷PI(t)e+23とすると、 負量子荷NI(t)e-22および正量子荷PI(t)e+23がダイオードの向きの通り同時同方向に流れ、量子荷比流生成機能部InpG1の負量子荷生成部16および正量子荷部生成部19にそれぞれ取り込まれ、 乱数発生器上下限値切替部8‘においては、多機能量子荷比流変換装置QRTSCOD1の外部から設定される一次相反信号f1(1/0、0/1)1および都度意識的に設定される意識信号C1(0/1)2に対応してS-XOR論理5のもと、f1(1、0)1かつC1(0)2のときは負量子荷生成部16を介して乱数発生器14に上限値Max15、下限値(1+α)が設定され、同時に正量子荷生成部19を介して乱数発生器17に上限値(1-α)、下限値Min18が設定され、f1(1、0)1かつC1(1)2のときは負量子荷生成部16を介して乱数発生器14に上限値(1-α)、下限値Min18が設定され、同時に正量子荷生成部19を介して乱数発生器17に上限値Max15、下限値(1+α)が設定され、f1(0、1)1かつC1(0)2のときは正量子荷生成部19を介して乱数発生器17に上限値Max15、下限値(1+α)が設定され、同時に負量子荷生成部16を介して乱数発生器14に上限値(1-α)、下限値Min18が生成され、f1(0、1)1かつC1(1)2のときは正量子荷生成部19を介して乱数発生器17に上限値(1-α)、下限値Min18が設定され、同時に負量子荷生成部16を介して乱数発生器14に上限値Max15、下限値(1+α)が設定され、 負量子荷生成部16を介して乱数発生器14の上下限値の範囲内で発生する乱数、即ちMaxRn(t)1+αまたは1-αRn(t)Minが負量子荷NI(t)e-22に作用し、またそれぞれに対応して正量子荷生成部19において乱数発生器17の上下限値の範囲内で発生する乱数、即ち1-αRn(t)MinまたはMaxRn(t)1+αが正量子荷PI(t)e+23に作用した結果、 負量子荷生成部16において非周期的かつ変動的な(MaxRn(t)1+α)e-または(1-αRn(t)Min)e-、即ち略記NI(t)e-が生成され、またそれぞれに対応して正量子荷生成部19において非周期的かつ変動的な(1-αRn(t)Min)e+または(MaxRn(t)1+α)e+、即ち略記PI(t)e+生成されるので、 負量子荷生成部16において負優位量子荷のときは正量子荷生成部19において正劣位量子荷となり、負量子荷生成部16において負劣位量子荷のときは正量子荷生成部19において正優位量子荷となり、 結果として負量子荷生成部16において負優位量子荷(MaxRn(t)1+α)e->(1-αRn(t)Min)e+、略記NI(t)e->PI(t)e+となり、正量子荷生成部19においては正優位量子荷(1-αRn(t)Min)e-<(MaxRn(t)1+α)e+、略記NI(t)e-<PI(t)e+となり、 量子荷比生成部20においては、一次相反信号f1(1、0)1、意識信号C1(0)2またはf1(0、1)1、C1(1)2のときは(乱数発生器14で発生する乱数)e->(乱数発生器17で発生する乱数)e+、即ちNI(t)e->PI(t)e+のときは、非周期的かつ変動的な負優位量子荷比NI(t)e-/PI(t)e+が生成され、またf1(0、1)1、C1(0)2またはf1(1、0)1、C1(1)2のときは(乱数発生器14で発生する乱数)e-<(乱数発生器17で発生する乱数)e+、即ちNI(t)e-<PI(t)e+のときは、非周期的かつ変動的な正優位量子荷比PI(t)e+/NI(t)e-が生成され、 その結果、入力量子荷比流生成部4において、NI(t)e->PI(t)e+のとき非周期的かつ変動的な負優位量子荷比NI(t)e-/PI(t)e+、即ち(MaxRn(t)1+α)e-/(1-αRn(t)Min)e+に起因する入力量子荷比流Inpin14が生成され、またNI(t)e-<PI(t)e+のとき正優位量子荷比PI(t)e+/NI(t)e-、即ち(MaxRn(t)1+α)e+/(1-αRn(t)Min)e-に起因する入力量子荷比流Inpin14が生成され、 量子荷比流増減幅機能部QAMP1においては、同時に発現しない相反事象の一次相反信号f1(1/0、0/1)1のとき意識信号C1(0)2が働くと、S-XOR論理5に従ってS-X/N論理6への伝達の役割を果たす二次相反信号f2(1/0、0/1)8を出力し、また同時に発現しない相反事象の一次相反信号f1(1/0、0/1)1のとき意識信号C1(1)2が働くと、S-XOR論理5に従ってS-X/N論理6への伝達の役割を果たす二次相反信号f2(0/1、1/0)8を出力し、 その上、S-X/N論理6に従って二次相反信号f2(1/0、0/1)8に対して停止信号S1(0)3のときの三次相反信号f3(1/0、0/1)9は、S-QRTR論理7に従って構築システムにおける制御対象ごとに相反事象(例えば進行方向(前後)、速度(加減速)、回転方向(左右)、移動方向(上下)など)に対応して意味付けるものとし、 更に、二次相反信号f2(1/0、0/1)8に対して停止信号S1(1)3が働くと、二次相反信号f2(1/0、0/1)8に関わらずS-X/N論理6に従って三次相反信号f3(0/0、0/0)9となるので、S-QRTR論理7に従って構築システムにおける制御対象への出力量子荷比流Inpout 111=0、即ち強制停止となり、 S-QRTR論理7のもと多機能量子荷比流変換装置QRTSCOD1の外部から固定的または可変的の何れかで設定される量子荷比流増減幅係数K112(ただし、K1=10nn=整数、固定または可変)に対応して、入力量子荷比流Inpin14と出力量子荷比流Inpout111との間でInpout1≒K1/Inpin1の関係が成り立つので、 n=0、即ち量子荷比流増減幅係数K1=1のとき、出力量子荷比流Inpout 111は入力量子荷比流Inpin 14を単に逆変換し、 更に、n≠0のとき、非周期的かつ変動的な低/高レベルの入力量子荷比流Inpin14を非周期的かつ変動的な高/低レベルの出力量子荷比流Inpout111に10nレベルで補正変換するのを基本とし、 出力帰還量子荷比流Inpin’110は、入力量子荷比流Inpin 14に帰還させるべきだが、殆ど無視できるため接地するものとし、 外部入力量子荷比流Inpin(o)124は、多機能量子荷比流変換装置QRTSCOD1の外部から量子荷比流を取り込み入力量子荷比流Inpin14に重畳させることを可能とする、 量子荷比流生成機能部InpG1および内部電源25を有する量子荷比流増減幅機能部QAMP1からなる多機能量子荷比流変換装置。」 第4 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、概略、次のとおりのものである。 1 理由1(明確性要件)この出願は、特許請求の範囲の請求項1、2の記載が明確でないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 2 理由2(実施可能要件)この出願は、発明の詳細な説明が、請求項1、2に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものではないから、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。 第5 明確性要件についての判断 1(1)請求項1には、「エネルギー源13の出力電極(±電極)21から出力する量子荷のうち、-電極から出力する量子荷を負量子荷NI(t)e-22、+電極から出力する量子荷を正量子荷PI(t)e+23とする」と記載されている(当審注:下線は当審が付与した。以下、同様である。)。 しかし、「エネルギー源13の出力電極(±電極)21から出力する量子荷」のうち、「-電極から出力する量子荷」である「負量子荷NI(t)e-22」、及び、「+電極から出力する量子荷」である「正量子荷PI(t)e+23」は、いずれも一般的に用いられている技術用語ではない。 (2)そこで、令和5年9月18日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面(以下、それぞれ、「本願明細書」、「図面」という。)の記載を見てみる。 ア 「エネルギー源13」について、本願明細書の【0076】には、「13 エネルギー源(非再生エネルギー源または再生可能エネルギー源)」と記載され、同【0075】には、「本発明は非再生エネルギー(原子力、化石火力など)の依存度削減および再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、潮力、地熱、バイオ、他)の依存度向上が可能となり、現代社会が抱えるエネルギー問題に関する危急の課題解決に寄与し得る。」と記載されているから、「エネルギー源13」とは、原子力、化石火力などの非再生エネルギー源、又は、太陽光、風力、水力、潮力、地熱、バイオ、他の再生可能エネルギー源であるといえる。 また、本願明細書の【0016】には、「量子荷比流生成機能部InpG1においては、エネルギー源13の出力電極(±電極)21から出力される量子荷のうち、-電極から出力する量子荷を負量子荷NI(t)e-22、+電極から出力する量子荷を正量子荷PI(t)e+23とすると、負量子荷NI(t)e-22および正量子荷PI(t)e+23は、ダイオードの向きから明らかなように、同時同方向に量子荷比流生成機能部InpG1の負量子荷生成部16および正量子荷生成部19にそれぞれ取り込まれる。」と記載されている。 さらに、本願図面には以下の記載がある。 「【図1】 [図:0001435494000001.jpg] 」 イ 以上の記載から、本願明細書及び図面には、原子力、化石火力などの非再生エネルギー源、又は、太陽光、風力、水力、潮力、地熱、バイオ、他の再生可能エネルギー源の出力電極(±電極)21のうち、-電極から出力する量子荷が負量子荷NI(t)e-22であり、+電極から出力する量子荷が正量子荷PI(t)e+23であることが記載されているといえる。 しかし、原子力、化石火力などの非再生エネルギー源、又は、太陽光、風力、水力、潮力、地熱、バイオ、他の再生可能エネルギー源の出力電極(±電極)21のうち、-電極から負量子荷NI(t)e-22が出力し、また、+電極から正量子荷PI(t)e+23が出力することは、本願の出願当時の技術常識であるとはいえない。 (3)そうすると、請求項1に記載されている「エネルギー源13の出力電極(±電極)21から出力する量子荷」のうち、「-電極から出力する量子荷」である「負量子荷NI(t)e-22」、及び、「+電極から出力する量子荷」である「正量子荷PI(t)e+23」は、本願明細書及び図面、並びに、本願の出願当時の技術常識を参酌しても、どのようなものか不明である。 したがって、請求項1に記載されている「エネルギー源13の出力電極(±電極)21から出力する量子荷」のうち、「-電極から出力する量子荷」である「負量子荷NI(t)e-22」、及び、「+電極から出力する量子荷」である「正量子荷PI(t)e+23」は、いずれも明確でない。 2(1)請求項1には、「負量子荷生成部16を介して乱数発生器14の上下限値の範囲内で発生する乱数、即ちMaxRn(t)1+αまたは1-αRn(t)Minが負量子荷NI(t)e-22に作用し、またそれぞれに対応して正量子荷生成部19において乱数発生器17の上下限値の範囲内で発生する乱数、即ち1-αRn(t)MinまたはMaxRn(t)1+αが正量子荷PI(t)e+23に作用した結果、負量子荷生成部16において非周期的かつ変動的な(MaxRn(t)1+α)e-または(1-αRn(t)Min)e-、即ち略記NI(t)e-が生成され、またそれぞれに対応して正量子荷生成部19において非周期的かつ変動的な(1-αRn(t)Min)e+または(MaxRn(t)1+α)e+、即ち略記PI(t)e+生成される」と記載されている。 この記載によれば、「非周期的かつ変動的な(MaxRn(t)1+α)e-または(1-αRn(t)Min)e-、即ち略記NI(t)e-」は、負量子荷生成部16を介して乱数発生器14の上下限値の範囲内で発生する乱数、即ちMaxRn(t)1+αまたは1-αRn(t)Minが負量子荷NI(t)e-22に作用した結果、負量子荷生成部16において生成されるものである。 また、「非周期的かつ変動的な(1-αRn(t)Min)e+または(MaxRn(t)1+α)e+、即ち略記PI(t)e+」は、それぞれに対応して正量子荷生成部19において乱数発生器17の上下限値の範囲内で発生する乱数、即ち1-αRn(t)MinまたはMaxRn(t)1+αが正量子荷PI(t)e+23に作用した結果、それぞれに対応して正量子荷生成部19において生成されるものである。 (2)上記(1)の検討によれば、「NI(t)e-」は、MaxRn(t)1+αまたは1-αRn(t)Minが負量子荷NI(t)e-22に作用して生成されるものであり、「PI(t)e+」は、「1-αRn(t)MinまたはMaxRn(t)1+αが正量子荷PI(t)e+23に作用して生成されるものであるといえる。 しかし、上記1(3)で検討したとおり、「負量子荷NI(t)e-22」、及び、「正量子荷PI(t)e+23」は、本願明細書及び図面、並びに、本願の出願当時の技術常識を参酌しても、どのようなものか不明である。 そうすると、「NI(t)e-」も、「負量子荷NI(t)e-22」と同様に、どのようなものか不明であり、「PI(t)e+」も「正量子荷PI(t)e+23」と同様に、本願明細書及び図面、並びに、本願の出願当時の技術常識を参酌しても、どのようなものか不明である。 3(1)請求項1には、「量子荷比生成部20においては、一次相反信号f1(1、0)1、意識信号C1(0)2またはf1(0、1)1、C1(1)2のときは(乱数発生器14で発生する乱数)e->(乱数発生器17で発生する乱数)e+、即ちNI(t)e->PI(t)e+のときは、非周期的かつ変動的な負優位量子荷比NI(t)e-/PI(t)e+が生成され、またf1(0、1)1、C1(0)2またはf1(1、0)1、C1(1)2のときは(乱数発生器14で発生する乱数)e-<(乱数発生器17で発生する乱数)e+、即ちNI(t)e-<PI(t)e+のときは、非周期的かつ変動的な正優位量子荷比PI(t)e+/NI(t)e-が生成され」と記載されている。 この記載によれば、「負優位量子荷比NI(t)e-/PI(t)e+」は、量子荷比生成部20において、NI(t)e->PI(t)e+のときに生成されるものである。 また、「正優位量子荷比PI(t)e+/NI(t)e-」は、NI(t)e-<PI(t)e+のときに生成されるものである。 (2)しかし、上記2(2)で検討したとおり、「NI(t)e-」及び「PI(t)e+」は、本願明細書及び図面、並びに、本願の出願当時の技術常識を参酌しても、どのようなものか不明である。 そうすると、「負優位量子荷比NI(t)e-/PI(t)e+」及び「正優位量子荷比PI(t)e+/NI(t)e-」も、「NI(t)e-」及び「PI(t)e+」と同様に、本願明細書及び図面、並びに、本願の出願当時の技術常識を参酌しても、どのようなものか不明である。 4(1)請求項1には、「その結果、入力量子荷比流生成部4において、NI(t)e->PI(t)e+のとき非周期的かつ変動的な負優位量子荷比NI(t)e-/PI(t)e+、即ち(MaxRn(t)1+α)e-/(1-αRn(t)Min)e+に起因する入力量子荷比流Inpin14が生成され、またNI(t)e-<PI(t)e+のとき正優位量子荷比PI(t)e+/NI(t)e-、即ち(MaxRn(t)1+α)e+/(1-αRn(t)Min)e-に起因する入力量子荷比流Inpin14が生成され」と記載されている。 この記載によれば、「入力量子荷比流Inpin14」は、入力量子荷比流生成部4において、NI(t)e->PI(t)e+のとき非周期的かつ変動的な負優位量子荷比NI(t)e-/PI(t)e+、即ち(MaxRn(t)1+α)e-/(1-αRn(t)Min)e+に起因して生成され、また、NI(t)e-<PI(t)e+のとき正優位量子荷比PI(t)e+/NI(t)e-、即ち(MaxRn(t)1+α)e+/(1-αRn(t)Min)e-に起因して生成されるものである。 (2)上記(1)の検討によれば、「入力量子荷比流Inpin14」は、負優位量子荷比NI(t)e-/PI(t)e+、又は、正優位量子荷比PI(t)e+/NI(t)e-に起因して生成されるものである。 しかし、上記3(2)で検討したとおり、「負優位量子荷比NI(t)e-/PI(t)e+」及び「正優位量子荷比PI(t)e+/NI(t)e-」は、本願明細書及び図面、並びに、本願の出願当時の技術常識を参酌しても、どのようなものか不明である。 そうすると、「入力量子荷比流Inpin14」も、「負優位量子荷比NI(t)e-/PI(t)e+」及び「正優位量子荷比PI(t)e+/NI(t)e-」と同様に、本願明細書及び図面、並びに、本願の出願当時の技術常識を参酌しても、どのようなものか不明である。 5(1)請求項1には、「S-QRTR論理7のもと多機能量子荷比流変換装置QRTSCOD1の外部から固定的または可変的の何れかで設定される量子荷比流増減幅係数K112(ただし、K1=10nn=整数、固定または可変)に対応して、入力量子荷比流Inpin14と出力量子荷比流Inpout111との間でInpout1≒K1/Inpin1の関係が成り立つので、 n=0、即ち量子荷比流増減幅係数K1=1のとき、出力量子荷比流Inpout 111は入力量子荷比流Inpin 14を単に逆変換し、 更に、n≠0のとき、非周期的かつ変動的な低/高レベルの入力量子荷比流Inpin14を非周期的かつ変動的な高/低レベルの出力量子荷比流Inpout111に10nレベルで補正変換するのを基本とし」と記載されている。 この記載から、「出力量子荷比流Inpout 111」は、「S-QRTR論理7のもと多機能量子荷比流変換装置QRTSCOD1の外部から固定的または可変的の何れかで設定される量子荷比流増減幅係数K112(ただし、K1=10nn=整数、固定または可変)に対応して、入力量子荷比流Inpin14と出力量子荷比流Inpout111との間でInpout1≒K1/Inpin1の関係が成り立つ」ことを前提として、n=0、即ち量子荷比流増減幅係数K1=1のとき、入力量子荷比流Inpin 14を単に逆変換したものであり、また、n≠0のとき、非周期的かつ変動的な低/高レベルの入力量子荷比流Inpin14を10nレベルで補正変換したものである。 (2)上記(1)の検討によれば、「出力量子荷比流Inpout 111」は、入力量子荷比流Inpin 14を単に逆変換したもの、又は、入力量子荷比流Inpin14を10nレベルで補正変換したものであるといえる。 しかし、上記4(2)で検討したとおり、「入力量子荷比流Inpin14」は、本願明細書及び図面、並びに、本願の出願当時の技術常識を参酌しても、どのようなものか不明である。 そうすると、「出力量子荷比流Inpout 111」も、「入力量子荷比流Inpin14」と同様に、本願明細書及び図面、並びに、本願の出願当時の技術常識を参酌しても、どのようなものか不明である。 6 以上によれば、請求項1に記載されている「負量子荷NI(t)e-22」、「正量子荷PI(t)e+23」、「NI(t)e-」、「PI(t)e+」、「負優位量子荷比NI(t)e-/PI(t)e+」、「正優位量子荷比PI(t)e+/NI(t)e-」、「入力量子荷比流Inpin14」及び「出力量子荷比流Inpout 111」は、いずれも明確でない。 したがって、請求項1の記載は明確でない。 また、請求項2は、請求項1の記載を引用しているから、請求項2の記載も明確でない。 第6 実施可能要件についての判断 1 請求項1に係る発明は、「多機能量子荷比流変換装置」についての発明である。 そして、請求項1に記載の「エネルギー源13の出力電極(±電極)21から出力する量子荷のうち、-電極から出力する量子荷を負量子荷NI(t)e-22、+電極から出力する量子荷を正量子荷PI(t)e+23とすると、 負量子荷NI(t)e-22および正量子荷PI(t)e+23がダイオードの向きの通り同時同方向に流れ、量子荷比流生成機能部InpG1の負量子荷生成部16および正量子荷部生成部19にそれぞれ取り込まれ」ることについて、本願明細書の発明の詳細な説明の【0016】には、「量子荷比流生成機能部InpG1においては、エネルギー源13の出力電極(±電極)21から出力される量子荷のうち、-電極から出力する量子荷を負量子荷NI(t)e-22、+電極から出力する量子荷を正量子荷PI(t)e+23とすると、負量子荷NI(t)e-22および正量子荷PI(t)e+23は、ダイオードの向きから明らかなように、同時同方向に量子荷比流生成機能部InpG1の負量子荷生成部16および正量子荷生成部19にそれぞれ取り込まれる。」と記載されている。 2 しかし、上記第5 1で検討したとおり、請求項1の「エネルギー源13の出力電極(±電極)21から出力する量子荷のうち」、「-電極から出力する量子荷」である「負量子荷NI(t)e-22」、及び、「+電極から出力する量子荷」である「正量子荷PI(t)e+23」は、いずれも一般的に用いられている技術用語ではなく、また、本願明細書及び図面、並びに、本願の出願当時の技術常識を参酌しても、どのようなものか不明である。 そして、発明の詳細な説明には、「エネルギー源13」の「-電極」から「負量子荷NI(t)e-22」を「出力」し、「+電極」から「正量子荷PI(t)e+23」を「出力」し、さらに、「負量子荷NI(t)e-22および正量子荷PI(t)e+23」を、「ダイオードの向きの通り同時同方向に流れ、量子荷比流生成機能部InpG1の負量子荷生成部16および正量子荷部生成部19にそれぞれ取り込まれ」るようにすることを実現させるための具体的な構成(以下、「本願発明実現構成」という。)は記載されていない。 3 以上によれば、本願発明実現構成は、発明の詳細な説明の記載からは理解することができないし、また、本願の出願当時の技術常識であるともいえない。 そうすると、発明の詳細な説明には、発明の詳細な説明の記載及び本願の出願当時の技術常識に基づいて、請求項1に係る発明の「多機能量子荷比流変換装置」を製造し、使用することができるように、それぞれ具体的に記載されているとはいえない。 したがって、発明の詳細な説明は、請求項1に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものではない。 また、請求項2は、請求項1の記載を引用しているから、発明の詳細な説明は、請求項1に係る発明と同様に、請求項2に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものではない。 第7 むすび 以上のとおり、本願は、特許請求の範囲の請求項1、2の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 また、本願は、発明の詳細な説明の記載が、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。 したがって、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-019662

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