商標拒絶査定不服審判
2023-019392
エスジイエイ、サウスゴルフアカデミー、サウスゴルフ、サウス、ゴルフアカデミー、アカデミー
- 審判番号
- 2023-019392
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-050896
- 請求日
- 2023年11月15日
- 審決日
- 2024年10月03日
- 公報発行日
- 2024年12月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社南山堂ホールディングス
- 【請求人代理人】古岩 信嗣
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 渡邉 潤
- 分類
- T18 .261-Z (W41) / T18 .262-Z (W41) / T18 .263-Z (W41)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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商願2023- 50896拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和4年9月8日に登録出願された商願2022-104090に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、令和5年5月11日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 5月18日付け:拒絶理由通知書
令和5年 6月 8日 :意見書の提出
令和5年 8月 2日付け:拒絶査定
令和5年11月15日 :審判請求書の提出
第2 本願商標
本願商標は、別掲1の構成よりなり、第41類に属する別掲2に記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものである。
第3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 引用商標1(登録第5897250号)
商標 別掲3のとおり
指定商品・役務 第3類「化粧品,つけまつ毛用接着剤,つけづめ,つけまつ毛」及び第41類「興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」
登録出願日 平成28年2月8日
設定登録日 平成28年11月18日
2 引用商標2(登録第6433518号)
商標 SGA(標準文字)
指定役務 第41類「知識の教授,教育研修,教育及びこれに関する情報の提供,セミナー・シンポジウム・会議・講演会・研修会・研究会の企画・手配・運営・開催及びこれらに関する情報の提供,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催」
登録出願日 令和2年8月24日
設定登録日 令和3年8月25日
以下、引用商標1ないし引用商標2をまとめて「引用商標」という場合がある。
第4 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標の構成中、外観上、大きく顕著に表されておいる「SGA」の欧文字と、引用商標1の構成中の「SGA」の欧文字及び引用商標2とは、観念において比較できないとしても、外観においてそのつづりを共通するものであるから近似した印象を与え、称呼において「エスジイエイ」の称呼を共通にするから、その外観、称呼及び観念等によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、役務の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当であり、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務を含むものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当すると認定、判断したものである。
第5 商標法第4条第1項第11号の該当性について
1 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、「SGA」の欧文字(当該文字の中央に位置する「G」の欧文字は、左側円弧を赤色で、右側円弧を緑色で描いた楕円状の図形により囲われており、円弧上部付近には、赤色の小さな円図形が配されている。以下同じ。)を各文字が接するようにして緑色で横書きし、その下部に、「SGA」の欧文字よりも小さく黒色で横書きした「SOUTH GOLF ACADEMY」の欧文字を配してなるものであるところ、「SGA」の欧文字と「SOUTH GOLF ACADEMY」の欧文字は、重なることなく配置されていることから、それぞれが、視覚上、分離して看取、把握され得るものである。
そして、本願商標の構成中の「SGA」の欧文字は、緑色でひときわ太く、大きく顕著に表されていることに加え、楕円状の図形で囲われていることも相まって、その構成において、特に、看者の注意を引く部分であるといえる。
また、「SGA」の欧文字は、一般の辞書等に載録された特定の意味合いを表す語ではなく、特定の意味合いを表す語として一般に使用されているような特別な事情はないことから、一種の造語からなるものと認識されるものであり、本願の指定役務との関係において、自他役務の識別標識としての機能を有さないと判断するべき特段の事情はない。
加えて、本願商標の構成中の楕円状の図形は、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないため、特定の称呼及び観念は生じないものである。
一方、本願商標の構成中の「SOUTH GOLF ACADEMY」の欧文字は、「SOUTH」の欧文字が「南の」を、「GOLF」の欧文字が「ゴルフ」を、「ACADEMY」の欧文字が「特殊専門学校」(いずれも「ジーニアス英和辞典 第6版」発行者:株式会社大修館書店)を意味する語であることから、全体として「南のゴルフの専門学校」ほどの意味合いを認識させるものの、「SGA」の欧文字は、上記のとおり、一種の造語からなるものと認識されるものであるから、「SGA」の欧文字と「SOUTH GOLF ACADEMY」の欧文字との間に観念的な関連性は見いだせないものである。
そうすると、本願商標の構成中の「SGA」の欧文字と「SOUTH GOLF ACADEMY」の欧文字は、重なることなく配置され、視覚上、分離して看取、把握され得るものであり、観念的な関連性は見いだせないものであるから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとはいえないものであり、それぞれが独立して、自他役務の識別標識としての機能を果たし得る要部になるものとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、その構成文字全体に相応して「エスジイエイサウスゴルフアカデミー」の称呼を生じるほか、その構成中、緑色でひときわ太く、大きく顕著に表されている「SGA」の欧文字に相応して「エスジイエイ」の称呼を生じ、これよりは特定の観念を生じず、また、構成中の「SOUTH GOLF ACADEMY」の欧文字に相応して「サウスゴルフアカデミー」の称呼を生じ、これよりは「南のゴルフの専門学校」の観念を生じるものである。
2 引用商標について
(1)引用商標1について
引用商標1は、別掲3のとおり、「SGA」の欧文字を横書きし、当該文字を囲った楕円状の図形の上部には、中央部分に「club」の欧文字を筆記体風に書した王冠図形を配し、楕円状の図形の左右及び下部には、王冠図形の先端部分にある装飾と見られる円状の図形を3個ずつ配した構成(以下、楕円状の図形、王冠図形及び円状の図形3個をまとめて、単に「図形」という。)からなるものであるところ、その構成中の「SGA」の欧文字は、大きく顕著に表されているため、その構成において、特に、看者の注意を引く部分であるといえる。
そして、引用商標1の構成中の図形は、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないため、特定の称呼及び観念は生じないものである。
また、「SGA」の欧文字は、上記1のとおり、一般の辞書等に載録された特定の意味合いを表す語ではなく、特定の意味合いを表す語として一般に使用されているような特別な事情はないことから、一種の造語からなるものと認識されるものであり、引用商標1の指定役務との関係において、自他役務の識別標識としての機能を有さないと判断するべき特段の事情はない。
そうすると、引用商標1は、本願商標との類否を判断するに当たって、引用商標1の構成中、「SGA」の欧文字を要部として抽出し、これと他人の商標とを比較して商標の類否を判断することも許されるものというべきである。
したがって、引用商標1は、その構成中の要部である、「SGA」の欧文字に相応して「エスジイエイ」の称呼を生じ、これよりは特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標2について
引用商標2は、上記第3の2のとおり、「SGA」の欧文字を標準文字で表してなるところ、上記1のとおり、当該文字に相応して「エスジイエイ」の称呼を生じ、これよりは特定の観念を生じないものである。
3 本願商標と引用商標との類否について
(1)本願商標と引用商標1との類否について
本願商標と引用商標1とを比較すると、両商標は、構成全体を見た場合、「SOUTH GOLF ACADEMY」の欧文字の有無等の明らかな差異があることから、外観において相違するが、本願商標及び引用商標1の要部である「SGA」の欧文字を比較すると、両者は、楕円状の図形の有無や書体の差異があるとしても、「SGA」のつづりを共通にするから、外観上、近似した印象を与えるものである。
また、本願商標及び引用商標1の要部である「SGA」の欧文字に相応して生じる「エスジイエイ」の称呼は同一であり、称呼を共通にするものである。
そして、観念においては、本願商標と引用商標1の要部である「SGA」の欧文字は、いずれも、特定の観念を生じないから、観念において比較できないものである。
そうすると、本願商標と引用商標1とは、観念において比較できないとしても、「エスジイエイ」の称呼を共通にし、外観において近似した印象を与えるため、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、全体的に考察すれば、両商標は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
(2)本願商標と引用商標2との類否について
本願商標と引用商標2とを比較すると、両商標は、構成全体を見た場合、「SOUTH GOLF ACADEMY」の欧文字の有無等の明らかな差異があることから、外観において相違するが、本願商標の要部である「SGA」の欧文字及び引用商標2を比較すると、両者は、楕円状の図形の有無や書体の差異があるとしても、「SGA」のつづりを共通にするから、外観上、近似した印象を与えるものである。
また、本願商標の要部である「SGA」の欧文字及び引用商標2「SGA」の欧文字に相応して生じる「エスジイエイ」の称呼は同一であり、称呼を共通にするものである。
そして、観念においては、本願商標の要部である「SGA」の欧文字と引用商標2「SGA」の欧文字は、いずれも、特定の観念を生じないから、観念において比較できないものである。
そうすると、本願商標と引用商標2とは、観念において比較できないとしても、「エスジイエイ」の称呼を共通にし、外観において近似した印象を与えるため、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、全体的に考察すれば、両商標は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
4 本願の指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務との類否について
(1)本願の指定役務と引用商標1の指定役務との類否について
本願の指定役務中、第41類「興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),教育又は娯楽に関する競技会の企画・運営,文化又は教育のための展示会の企画・運営,スポーツイベントの運営及び開催」は、引用商標1の指定商品及び指定役務中、第41類「興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」と同一又は類似の役務である。
(2)本願の指定役務と引用商標2の指定役務との類否について
本願の指定役務中、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,コーチング(訓練),個人指導(フィットネストレーニング),シミュレーターを使った訓練,体育の教授,ノウハウの伝授(訓練),フィットネスの教授,セミナーの企画・運営又は開催,会議の手配及び運営,議会の手配及び運営,教育フォーラムの手配及び運営,研修会の手配及び管理,シンポジウムの手配及び運営,セミナーの手配及び運営,討論会の手配及び運営,教育又は娯楽に関する競技会の企画・運営,文化又は教育のための展示会の企画・運営」は、引用商標2の指定役務と同一又は類似の役務である。
5 小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定役務と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
6 請求人の主張について
(1)請求人は、「本願商標の構成中、「SGA」の上段文字が何らの観念も生じないのに対し、「SOUTH GOLF ACADEMY」の下段文字は、「南のゴルフの専門学校」との観念を理解できることからすれば、下段文字が需要者に対して強く支配的な印象を与える部分である。また、「SGA」の欧文字のような欧文字3文字頭字語を熟語や句の略語とすることは常套手段であって、当該欧文字3文字頭字語は、指定役務との関係において自他役務の出所識別機能を果たし得ないとまではいえないものの、何ら独創性を有するものではなく、出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものではない。そして、このような略語としての欧文字3文字頭字語は、本願商標のように着色されたり、図形が付加されることによって、商品・役務の出所識別標識というよりは、むしろ瞬間的に需要者の視覚的注意を惹くための一種のアイキャッチとして機能するに過ぎない。したがって、本願商標において、「SGA」の文字が出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分であるとの認定は失当である。」旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標の構成中、「SGA」の上段文字からは観念が生じず、「SOUTH GOLF ACADEMY」の下段文字からは「南のゴルフの専門学校」ほどの意味合いが生じることを認定し、それぞれの語が独立して、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものと判断している。
その上で、本願商標と引用商標との類否判断にあたっては、本願商標の構成中、緑色でひときわ太く、大きく顕著に表されている「SGA」の欧文字を要部の一として抽出し、本願商標と引用商標1の要部である「SGA」の欧文字及び本願商標と引用商標2の「SGA」の欧文字とがそれぞれ類似すると判断しているのであるから、「SGA」の上段文字が何らの観念も生じないことは、上記1の判断を左右するものではない。
また、「SGA」の上段文字を要部として抽出し、引用商標と比較することが許されないほど、「SOUTH GOLF ACADEMY」の下段文字が需要者に対して強く支配的な印象を与えるというべき事情はない。
さらに、上記1のとおり、「SGA」の文字は、本願の指定役務との関係において、自他役務の識別標識としての機能を有さないと判断するべき特段の事情もないから、仮に、欧文字3文字頭字語を熟語や句の略語とすることは常套手段であるとしても、これが上記1の判断に影響を及ぼすものではない。
(2)以上のとおり、請求人の上記主張は、採用することができず、その他、請求人の主張は、いずれも採用するべき事情はない。
7 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
審決本文(J-PlatPat)
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