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特許拒絶査定不服審判

2023-013824

光源装置

審判番号
2023-013824
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-165674
請求日
2023年08月16日
審決日
2024年03月04日
公報発行日
2024年05月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】レボックス株式会社
  • 【請求人代理人】伊藤 温
  • 【請求人代理人】金木 章郎
審判長/審判官
  • 審判長 筑波 茂樹
  • 審判官 沼生 泰伸
  • 審判官 中村 則夫
分類
P18 .121-WZ (F21S)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-165674号「光源装置」拒絶査定不服審判事件〔令和4年4月11日出願公開、特開2022-57427号〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和2年9月30日の出願であって、その出願後の手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和3年10月18日付け:拒絶理由通知 令和4年 2月21日 :意見書の提出 同年 5月12日付け:拒絶理由通知 同年 9月15日 :意見書の提出 同年12月15日付け:拒絶理由通知 令和5年 2月16日 :意見書、手続補正書の提出 同年 5月12日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同月16日 :原査定の謄本の送達) 同年 8月16日 :審判請求書、手続補正書の提出 同年10月26日付け:拒絶理由通知 同年12月27日 :意見書、手続補正書の提出 なお、令和5年10月26日付けで当審において通知した拒絶理由を、以下「当審拒絶理由」といい、これに対して、同年12月27日に請求人から提出された意見書を、以下、単に「意見書」という。 第2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和5年12月27日に提出された手続補正書(以下、当該手続補正書による補正を「本件補正」という。)により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認める。 「【請求項1】 互いに波長域が異なる光を発し、かつ、互いに異なる位置に配置された複数の光源と、 前記複数の光源のうちの一の光源から発せられた光を起源とする第1の入射光と前記一の光源とは異なる他の光源から発せられた光を起源とする第2の入射光とを合成する複数のダイクロイックミラーであって、前記第1の入射光と前記第2の入射光とが合成される照明光生成合成点を有し、前記照明光生成合成点で合成された光を、対象物を照明する照明光として出射する照明光ダイクロイックミラーを含む、複数のダイクロイックミラーと、 前記複数の光源の各々から発せられた光を起源として前記ダイクロイックミラーに入射する光の光軸の入射角は、前記複数のダイクロイックミラーの各々において一定であり、 光路に沿って隣り合う前記ダイクロイックミラー同士の間隔よりも短い一定の長さを単位長さとして、光路に沿って位置する前記ダイクロイックミラー同士の間隔が、前記単位長さの2倍以上の整数倍の長さであり、 前記複数の光源の各々から前記照明光生成合成点までの光路の長さが同じである光源装置。」 第3 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由のうち、本件補正前の請求項1に係る発明に対する拒絶の理由の概要は、以下の理由を含むものである。 3.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、下記の頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 1 引用文献等一覧 引用文献2:国際公開第2013/146313号 第4 当審の判断 1 引用文献2に記載された発明の認定等 (1)引用文献2に記載された事項 当審拒絶理由において引用した前記引用文献2(国際公開第2013/146313号)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は、当審で付与した。)。 ア 「[0037] 以下、図1を用いて、レーザ光源装置1について説明を行う。レーザ光源装置1の基本構成は、段差を有するシリコン基板10に、複数のレーザ素子(21、22、23)及びダイクロイックミラープリズム(31、32、33)を表面活性化接合技術によって接合した点である。」 イ 「[0043] 次に、レーザ光源装置1の動作の概略を説明する。レーザ素子20は、電極パターン46及び接合部40を介して、外部のレーザ素子駆動回路からの駆動電流が供給されると、それぞれのレーザ光を出射する。一例として、レーザ素子21は赤色レーザ素子であって赤色レーザ光21a(以下、Rレーザ光21aと略す)を出射し、レーザ素子22は緑色レーザ素子であって緑色レーザ光22a(以下、Gレーザ光22aと略す)を出射し、レーザ素子23は青色レーザ素子であって青色レーザ光23a(以下、Bレーザ光23aと略す)を出射する。 [0044] レーザ素子21から出射されたRレーザ光21aは、対応するダイクロプリズム31に入射し、ダイクロプリズム31は、反射部材であり、Rレーザ光21aを反射して、隣に位置するダイクロプリズム32に向けて出射する。ダイクロプリズム32は、Rレーザ光21aを入射して選択的に透過し、また、レーザ素子22から出射されたGレーザ光22aを入射して選択的に反射する。これにより、ダイクロプリズム32は、Rレーザ光21aとGレーザ光22aを合波して、RGレーザ光24を隣に位置するダイクロプリズム33に向けて出射する。 [0045] ダイクロプリズム33は、RGレーザ光24を入射して選択的に透過し、また、レーザ素子23から出射されたBレーザ光23aを入射して選択的に反射する。これにより、ダイクロプリズム33は、RGレーザ光24とBレーザ光23aを合波してRGBレーザ光25を出射する。すなわち、RGBレーザ光25は、Rレーザ光21a、Gレーザ光22a及びBレーザ光23aが合波されたレーザ光である。RGBレーザ光25を外部の空間光変調手段(図示せず)によって映像光に変換し、投影光学手段(図示せず)によってスクリーン(図示せず)に投影することで、高画質のフルカラー映像を表示することができる。」 ウ 「[0055] レーザ素子21から出射されるRレーザ光21aは、ダイクロプリズム31に入射し、ダイクロプリズム31によって直角に反射して、ダイクロプリズム32とダイクロプリズム33を透過して外部のレンズ2に入射する。また、レーザ素子22から出射されるGレーザ光22aは、ダイクロプリズム32に入射し、ダイクロプリズム32によって直角に反射して、ダイクロプリズム33を透過して外部のレンズ2に入射する。さらに、レーザ素子23から出射されるBレーザ光23aは、ダイクロプリズム33に入射し、ダイクロプリズム33によって直角に反射して、外部のレンズ2に入射する。」 エ 「[0057] レーザ素子20からそれぞれ出射されるRレーザ光21a、Gレーザ光22a、Bレーザ光23aの光路は、図示するように平行に距離I1だけ離れている。この距離I1が短いほど、シリコン基板10のサイズを小さくできるが、結合部40(図1参照)のパターン上の制約や、レーザ素子20を表面活性化接合するツール(図示せず)の制約等で、所定の距離が必要である。距離I1が存在するために、仮にすべてのレーザ素子20を横一列に並べた場合、ダイクロプリズム30に反射してレンズ2に到達するそれぞれのレーザ光は、光路長が異なることになる。」 オ 「[0059] この問題を解決するために、レーザ光源装置1では、第1の平面11と第2の平面12との間の段差13を水平方向に階段状に形成し、その段差13の端面に沿ってレーザ素子20を第1の平面11上に結合する構成とした。そして、水平方向の階段状の段差13の1段ごとの距離I2を前述した光路間の距離I1と等しくしている。したがって、レーザ光源装置1では、光路間の距離I1を、1段ごとの距離I2で相殺し、すべてのレーザ光の光路長が等しくなるように構成している。」 カ 図1 [図:0001410084000001.jpg] キ 図3 [図:0001410084000002.jpg] (2)引用文献2の認定事項 ア 図1から、「レーザ素子21~23は、互いに異なる位置に配置された」ものであることが看取される。 イ 段落[0045]の「ダイクロプリズム33は、RGレーザ光24とBレーザ光23aを合波してRGBレーザ光25を出射する。すなわち、RGBレーザ光25は、Rレーザ光21a、Gレーザ光22a及びBレーザ光23aが合波されたレーザ光である。RGBレーザ光25を外部の空間光変調手段(図示せず)によって映像光に変換し、投影光学手段(図示せず)によってスクリーン(図示せず)に投影することで、高画質のフルカラー映像を表示することができる。」との記載及び図3から、「ダイクロプリズム33は、RGレーザ光24と青色レーザ光23aを合波する点を有し、当該点で合波されたRGBレーザ光25を外部の空間光変調手段に出射する」ものであると認められる。 ウ 段落[0055]の「レーザ素子22から出射されるGレーザ光22aは、ダイクロプリズム32に入射し、ダイクロプリズム32によって直角に反射して」及び「レーザ素子23から出射されるBレーザ光23aは、ダイクロプリズム33に入射し、ダイクロプリズム33によって直角に反射して」との記載並びに図1、3から、入射光としての各レーザ光は、ダイクロプリズム32やダイクロプリズム33のレーザ光を合波する面(以下「合波面」という。)に対して、その光軸を45度として入射しているものと認められるから、「レーザ素子21~23から出射されたレーザ光を起源としてダイクロプリズム32及びダイクロプリズム33の合波面に入射するレーザ光の光軸の入射角は、ダイクロプリズム32及びダイクロプリズム33の各々において45度である」ものと認められる。 エ 段落[0057]の「レーザ素子20からそれぞれ出射されるRレーザ光21a、Gレーザ光22a、Bレーザ光23aの光路は、図示するように平行に距離I1だけ離れている。」との記載及び図3から、「光路に沿って隣り合うダイクロプリズム32及びダイクロプリズム33の間隔はI1である」ものと認められる。 オ 段落[0059]の「水平方向の階段状の段差13の1段ごとの距離I2を前述した光路間の距離I1と等しくしている。したがって、レーザ光源装置1では、光路間の距離I1を、1段ごとの距離I2で相殺し、すべてのレーザ光の光路長が等しくなるように構成している。」との記載及び図3から、「レーザ素子21~23の各々からRGレーザ光24と青色レーザ光23aとが合波される点までの各レーザ光の光路長が同じである」ものと認められる。 (3)上記(1)及び(2)を踏まえると、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 <引用発明> 「互いに異なる位置に配置された、青色レーザ光23aを出射するレーザ素子23、緑色レーザ光22aを出射するレーザ素子22及び赤色レーザ光21aを出射するレーザ素子21と、 レーザ素子21から出射された赤色レーザ光21aとレーザ素子22から出射された緑色レーザ光22aを合波してRGレーザ光24を出射するダイクロプリズム32及びRGレーザ光24とレーザ素子23から出射された青色レーザ光23aを合波してRGBレーザ光25を出射するダイクロプリズム33であって、RGレーザ光24と青色レーザ光23aを合波する点を有し、当該点で合波されたRGBレーザ光25を外部の空間光変調手段に出射するダイクロプリズム33を含む、ダイクロプリズム32及びダイクロプリズム33と、 レーザ素子21~23から出射されたレーザ光を起源としてダイクロプリズム32及びダイクロプリズム33の合波面に入射するレーザ光の光軸の入射角は、ダイクロプリズム32及びダイクロプリズム33の各々において45度であり、 光路に沿って隣り合うダイクロプリズム32及びダイクロプリズム33の間隔はI1であり、 レーザ素子21~23の各々からRGレーザ光24と青色レーザ光23aとが合波される点までの各レーザ光の光路長が同じであるレーザ光源装置1。」 2 対比 本願発明と引用発明を対比する。 (1)後者の「青色レーザ光23aを出射するレーザ素子23、緑色レーザ光22aを出射するレーザ素子22及び赤色レーザ光21aを出射するレーザ素子21」は、レーザ素子21~23は、それぞれ赤色、緑色、青色という波長域が異なるレーザ光を出射するものであるから、前者の「互いに波長域が異なる光を発」する「複数の光源」に相当する。 そうすると、後者の「互いに異なる位置に配置された、青色レーザ光23aを出射するレーザ素子23、緑色レーザ光22aを出射するレーザ素子22及び赤色レーザ光21aを出射するレーザ素子21」は、前者の「互いに波長域が異なる光を発し、かつ、互いに異なる位置に配置された複数の光源」に相当する。 (2)後者の「レーザ素子21から出射された赤色レーザ光21aとレーザ素子22から出射された緑色レーザ光22aを合波してRGレーザ光24を出射するダイクロプリズム32」について、「ダイクロプリズム32」にとって「レーザ素子21」は「一の光源」であり、「レーザ素子22」は「他の光源」であるといえる。したがって、後者の「レーザ素子21から出射された赤色レーザ光21a」は前者の「前記複数の光源のうちの一の光源から発せられた光を起源とする第1の入射光」に相当し、後者の「レーザ素子22から出射された緑色レーザ光22a」は前者の「前記一の光源とは異なる他の光源から発せられた光を起源とする第2の入射光」に相当する。 また、後者の「RGレーザ光24とレーザ素子23から出射された青色レーザ光23aを合波してRGBレーザ光25を出射するダイクロプリズム33」について、「ダイクロプリズム33」にとって「レーザ素子23」は「一の光源」であり、「RGレーザ光24」の起源となった緑色レーザ光22aを出射した「レーザ素子22」は「他の光源」であるといえる。したがって、後者の「レーザ素子23から出射された青色レーザ光23a」は前者の「前記複数の光源のうちの一の光源から発せられた光を起源とする第1の入射光」に相当し、後者の「レーザ素子22から出射された緑色レーザ光22a」を起源とした「RGレーザ光24」は前者の「前記一の光源とは異なる他の光源から発せられた光を起源とする第2の入射光」に相当する。 また、後者の「ダイクロプリズム」は、前者の「ダイクロイックミラー」と、「光学素子」である点で共通する。 これらを踏まえると、後者の「レーザ素子21から出射された赤色レーザ光21aとレーザ素子22から出射された緑色レーザ光22aを合波してRGレーザ光24を出射するダイクロプリズム32及びRGレーザ光24とレーザ素子23から出射された青色レーザ光23aを合波してRGBレーザ光25を出射するダイクロプリズム33」は、前者の「前記複数の光源のうちの一の光源から発せられた光を起源とする第1の入射光と前記一の光源とは異なる他の光源から発せられた光を起源とする第2の入射光とを合成する複数のダイクロイックミラー」と、「前記複数の光源のうちの一の光源から発せられた光を起源とする第1の入射光と前記一の光源とは異なる他の光源から発せられた光を起源とする第2の入射光とを合成する複数の光学素子」である点で共通する。 (3)後者の「RGレーザ光24と青色レーザ光23aを合波する点を有し、当該点で合波されたRGBレーザ光25を外部の空間光変調手段に出射するダイクロプリズム33」は、「RGBレーザ光25を外部の空間光変調手段に出射する」ことは、対象物である空間光変調手段を照明することであるともいえるから、上記(2)で示した相当関係も踏まえると、前者の「前記第1の入射光と前記第2の入射光とが合成される照明光生成合成点を有し、前記照明光生成合成点で合成された光を、対象物を照明する照明光として出射する照明光ダイクロイックミラー」と、「前記第1の入射光と前記第2の入射光とが合成される照明光生成合成点を有し、前記照明光生成合成点で合成された光を、対象物を照明する照明光として出射する光学素子」である点で共通する。 (4)後者の「レーザ素子21~23から出射されたレーザ光を起源としてダイクロプリズム32及びダイクロプリズム33の合波面に入射するレーザ光の光軸の入射角は、ダイクロプリズム32及びダイクロプリズム33の各々において45度であ」る構成は、前者の「前記複数の光源の各々から発せられた光を起源として前記ダイクロイックミラーに入射する光の光軸の入射角は、前記複数のダイクロイックミラーの各々において一定であ」る構成と、「前記複数の光源の各々から発せられた光を起源として前記光学素子に入射する光の光軸の入射角は、前記複数の光学素子の各々において一定であ」る点で共通する。 (5)前者の「単位長さ」についてみると、請求項1にはダイクロイックミラー同士の間隔よりも短いものであること以上に、どのような長さであるのか特定されておらず、本願明細書等を参照しても「単位長さ」を定義するものは何ら見当たらない。また、請求人は、この「単位長さ」について、意見書の(2-1-3)において、「フレーム400の長さFLの半分の長さが単位長さである」旨説明しているが、そもそも請求項1には、フレームに対応する手段が特定されていないのであるから、こうした意味に限定して捉えることもできない。そうすると、この「単位長さ」は、請求項1の記載から特定される「光路に沿って隣り合う前記ダイクロイックミラー同士の間隔よりも短い一定の長さ」以上の意味を持つものとは認められず、後者の「光路に沿って隣り合うダイクロプリズム32及びダイクロプリズム33の間隔」である「I1」の、例えば「2分の1の長さ」は、前者の「単位長さ」に対応し得るものといえる。したがって、後者の「光路に沿って隣り合うダイクロプリズム32及びダイクロプリズム33の間隔はI1であ」る構成は(例えば、I1の2分の1の長さを単位長さとした場合には、ダイクロプリズム32及びダイクロプリズム33の間隔が単位長さの2倍となるから)、前者の「光路に沿って隣り合う前記ダイクロイックミラー同士の間隔よりも短い一定の長さを単位長さとして、光路に沿って位置する前記ダイクロイックミラー同士の間隔が、前記単位長さの2倍以上の整数倍の長さであ」る構成と、「光路に沿って隣り合う前記光学素子同士の間隔よりも短い一定の長さを単位長さとして、光路に沿って位置する前記光学素子同士の間隔が、前記単位長さの2倍以上の整数倍の長さであ」る点で共通する。 (6)後者の「レーザ素子21~23の各々からRGレーザ光24と青色レーザ光23aとが合波される点までの各レーザ光の光路長が同じである」構成は、前者の「前記複数の光源の各々から前記照明光生成合成点までの光路の長さが同じである」構成に相当する。 (7)後者の「レーザ光源装置1」は、前者の「光源装置」に相当する。 (8) 上記(1)~(7)より、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりと認められる。 <一致点> 「互いに波長域が異なる光を発し、かつ、互いに異なる位置に配置された複数の光源と、 前記複数の光源のうちの一の光源から発せられた光を起源とする第1の入射光と前記一の光源とは異なる他の光源から発せられた光を起源とする第2の入射光とを合成する複数の光学素子であって、前記第1の入射光と前記第2の入射光とが合成される照明光生成合成点を有し、前記照明光生成合成点で合成された光を、対象物を照明する照明光として出射する光学素子を含む、複数の光学素子と、 前記複数の光源の各々から発せられた光を起源として前記光学素子に入射する光の光軸の入射角は、前記複数の光学素子の各々において一定であり、 光路に沿って隣り合う前記光学素子同士の間隔よりも短い一定の長さを単位長さとして、光路に沿って位置する前記光学素子同士の間隔が、前記単位長さの2倍以上の整数倍の長さであり、 前記複数の光源の各々から前記照明光生成合成点までの光路の長さが同じである光源装置。」 <相違点> 各光源から発せられた光を起源とする入射光を合成する光学素子として、本願発明はダイクロイックミラーを用いているのに対して、引用発明はダイクロプリズムを用いている点。 3 判断 上記相違点について検討する。 引用文献2の段落[0086]には、「ダイクロプリズム30は、ダイクロイックミラーでも機能的には良いが、ミラーは薄いためにシリコン基板10への接合が困難である。」と記載されており、ダイクロプリズムに替えてダイクロイックミラーを用いることが示唆されている。なお、「ミラーは薄いためにシリコン基板10への接合が困難である。」との記載は、ダイクロイックミラーの使用を否定するものではないし、段落[0011]の「合波器はダイクロイックミラープリズムであることが好ましい。」との記載も同様である。したがって、引用発明において、各光源から発せられた光を起源とする入射光を合成する光学素子として、ダイクロプリズムに替えてダイクロイックミラーを用い、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が必要に応じて適宜なし得たことである。 よって、本願発明は、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 4 請求人の主張について (1)請求人の主張の内容 請求人は、引用文献2に関して、意見書において、「引用文献2は、光路に沿って隣り合うダイクロイックミラー同士の間隔よりも短い一定の長さを、単位長さにすることについて、なんら記載も示唆もしない。さらに、引用文献2は、複数の光源や複数のダイクロプリズムの光路に沿った配置について、単位長さを基準にすることについても記載も示唆もしない。」及び「引用文献1~4には、単位長さという概念は、開示も示唆もされておらず、単位長さを基準にして、複数のダイクロイックミラーの配置を指定することについても、開示も示唆もされていない。」との主張をしている。 (2)請求人の主張についての検討 引用文献2において「単位長さ」が明示的に用いられていないとしても、上記2(5)で説示したように、引用発明の「I1」の、例えば「2分の1の長さ」を、本願発明の「単位長さ」に対応付けることができるから、光源装置の構成として、請求人の上記主張する点において本願発明と引用発明との間に差異はない。 したがって、請求人の上記主張を検討しても、本願発明は、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第5 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-013824

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