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特許拒絶査定不服審判

2023-012696

抗CD8抗体及びその使用

審判番号
2023-012696
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-507096
請求日
2023年07月28日
審決日
2026年03月17日
公報発行日
2026年09月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ジェネンテック, インコーポレイテッド
  • 【請求人代理人】園田・小林弁理士法人
審判長/審判官
  • 審判長 中村 浩
  • 審判官 幸田 俊希
  • 審判官 荒木 英則
分類
P18 .537-WZ (C12N)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-507096「抗CD8抗体及びその使用」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 2月14日国際公開、WO2019/033043、令和 2年10月22日国内公表、特表2020-530297〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成30年8月10日(パリ条約による優先権主張2017年8月11日及び同年12月11日 いずれも(US)米国)を国際出願日とする出願であって、その主な手続の経緯は次のとおりである。 令和4年 7月 6日付け:拒絶理由通知書 同年12月12日 :意見書、手続補正書の提出 令和5年 3月22日付け:拒絶査定 同年 7月28日 :審判請求書、手続補正書の提出 同年 9月 7日 :手続補正書(方式)の提出 (審判請求書の「請求の理由」を補正するもの) 令和7年 7月 8日付け:拒絶理由通知書 同年12月23日 :意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明 本願請求項1~59に係る発明は、令和7年12月23日提出の手続補正書の特許請求の範囲1~59に記載された事項により特定されたものであるところ、そのうち請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりである。 「【請求項1】 ヒトCD8と結合し、かつCD8+細胞障害性T細胞の活性化を刺激または阻害しない、対象においてCD8+細胞障害性T細胞を検出するための抗CD8抗体であって、 前記抗体が、第1のFcドメインを含む抗体重鎖、抗体軽鎖、及び第2のFcドメインを含む一価抗体であり、 前記抗体重鎖が、前記抗体軽鎖と対合し、前記第1のFcドメイン及び前記第2のFcドメインが、二量体を形成し、 前記第1のFcドメインが、空洞を含み、前記第2のFcドメインが、前記第1のFcドメイン内の前記空洞に配置可能である突起部を含むか、または前記第2のFcドメインが、空洞を含み、前記第1のFcドメインが、前記第2のFcドメイン内の前記空洞に配置可能である突起部を含み、 前記抗体が、 (1)配列番号9に記載されるアミノ酸配列を含むCDR-H1と、(2)配列番号10に記載されるアミノ酸配列を含むCDR-H2と、(3)配列番号12に記載されるアミノ酸配列を含むCDR-H3と、を含む、重鎖可変ドメイン、及び(1)配列番号1に記載されるアミノ酸配列を含むCDR-L1と、(2)配列番号3に記載されるアミノ酸配列を含むCDR-L2と、(3)配列番号7に記載されるアミノ酸配列を含むCDR-L3と、を含む、軽鎖可変ドメインを含む;または 配列番号20に記載される重鎖可変ドメイン、及び配列番号21に記載される軽鎖可変ドメインを含む、抗CD8抗体。」 第3 当審が通知した拒絶の理由 当審が令和5年7月28日提出の手続補正書による補正前の請求項1に関して令和7年7月8日付けで通知した拒絶の理由のうち、理由2は以下のとおりである。 理由2 本願は、請求項1に記載される「CD8+T細胞」が血液中に存在し免疫系を担う「CD8+T細胞」である細胞障害性T細胞と、存在態様が大きく異なるその他の「CD8+T細胞」のいずれか、又はこれらの両方のいずれの場合であっても、本願の発明の詳細な説明の記載では本願発明により解決されるべき課題が解決できたものと理解することができないため、特許請求の範囲の記載が特許法36条6項1号に規定する要件を満たしていない。 第4 当審の判断 上記拒絶理由通知に対し、請求人は令和7年12月23日に手続補正書を提出して、請求項1の記載を上記「第2」で示したとおり補正した。 本願発明に関し、上記理由2が解消したか否かを、以下検討する。 1 発明の詳細な説明の記載事項 本願発明に関し、発明の詳細な説明及び図面には、以下の記載がある。なお、下線は当審で付した。 (1)【0003】~【0005】 「【0003】 腫瘍組織中の免疫細胞の数、タイプ、及び空間分布の特性評価は、がんの診断、予後、療法選択、及び療法への応答に関する極めて重要な情報を提供することができる。具体的には、CD8+細胞毒性リンパ球は、様々ながんにおける診断上及び予後診断上で意義を有することが一貫して報告されている。CD8+細胞を検出する現行の方法は、末梢血からの細胞または対象となる組織の単離を必要とする。このようなサンプリング法はエラーが生じやすく、インビボでCD8+細胞の数、局在化、及び移動に反映する動的情報を提供しない。インビボで免疫細胞を検出するための1つの例示的な非侵襲的方法は、放射性標識トレーサーを使用する陽電子放出断層撮影(PET)である。しかしながら、そのようなトレーサーの使用は、インビボでプローブの希釈をもたらす、放射性同位体の半減期及び細胞分裂によって制限される。したがって、当該技術分野には、インビボでCD8+細胞の量及び時間の分布の変化をモニタリングするための方法及び試薬に対する必要性が残されている。 【0004】 いくつかの実施形態において、ヒトCD8と結合し、かつCD8+T細胞の活性化を刺激または阻害しない抗CD8抗体が、本明細書で提供される。上記の実施形態のうちのいずれかに従う(またはそれに適用される)ある特定の実施形態において、抗CD8抗体は、CD8+T細胞の増殖を誘導しない。上記の実施形態のうちのいずれかに従う(またはそれに適用される)ある特定の実施形態において、抗CD8抗体は、CD8+T細胞によるIFN-γ産生を誘導しない。上記の実施形態のうちのいずれかに従う(またはそれに適用される)ある特定の実施形態において、抗CD8抗体は、CD4+T細胞と結合しない。上記の実施形態のうちのいずれかに従う(またはそれに適用される)ある特定の実施形態において、抗CD8抗体は、CD3-細胞と結合しない。上記の実施形態のうちのいずれかに従う(またはそれに適用される)ある特定の実施形態において、抗CD8抗体は、循環からCD8+T細胞を枯渇させない。 【0005】 上記の実施形態のうちのいずれかに従う(またはそれに適用される)ある特定の実施形態において、抗CD8抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体、またはヒト抗体である。上記の実施形態のうちのいずれかに従う(またはそれに適用される)ある特定の実施形態において、抗CD8抗体は、一価抗体である。上記の実施形態のうちのいずれかに従う(またはそれに適用される)ある特定の実施形態において、一価抗体は、第1のFcドメインを含む抗体重鎖、抗体軽鎖、及び第2のFcドメインを含み、抗体重鎖は、抗体軽鎖と対合し、第1のFcドメイン及び第2のFcドメインは、二量体を形成する。上記の実施形態のうちのいずれかに従う(またはそれに適用される)ある特定の実施形態において、第1のFcドメインは、空洞を含み、第2のFcドメインは、第1のFcドメイン内の空洞に配置可能である突起部を含む。上記の実施形態のうちのいずれかに従う(またはそれに適用される)ある特定の実施形態において、第1のFcドメインは、T366S、L358A、及びY407V変異を含み、第2のFcドメインは、T366W変異を含み、ここでアミノ酸残基は、EU付番方式に従って付番される。……」 (2) 【0014】 「【0014】 対象におけるCD8+細胞を検出する方法であって、a)対象に、上記の実施形態のうちのいずれかに従う(またはそれに適用される)標識された抗CD8抗体を投与することと、b)対象におけるCD8+細胞への標識された抗CD8抗体の結合を検出することと、を含み、結合の検出は、CD8+細胞の存在を示す、方法が、提供される。上記の実施形態のうちのいずれかに従う(またはそれに適用される)ある特定の実施形態において、対象におけるCD8+細胞への標識された抗CD8抗体の結合の検出は、対象におけるCD8+細胞を画像化することを含む。上記の実施形態のうちのいずれかに従う(またはそれに適用される)ある特定の実施形態において、対象におけるCD8+細胞の画像化は、対象における陽電子放出断層撮影(PET)スキャンまたは陽電子放出断層撮影/コンピュータ断層撮影(PET/CT)スキャンを実施することを含む。上記の実施形態のうちのいずれかに従う(またはそれに適用される)ある特定の実施形態において、CD8+細胞は、CD8+T細胞である。上記の実施形態のうちのいずれかに従う(またはそれに適用される)ある特定の実施形態において、対象は、ヒトまたは非ヒト霊長類である。上記の実施形態のうちのいずれかに従う(またはそれに適用される)ある特定の実施形態において、非ヒト霊長類は、カニクイザルまたはアカゲザルである。上記の実施形態のうちのいずれかに従う(またはそれに適用される)ある特定の実施形態において、対象は、ヒトである。上記の実施形態のうちのいずれかに従う(またはそれに適用される)ある特定の実施形態において、対象は、がんに罹患している。」 (3) 【0022】 「【0022】 定義 本明細書における「抗体」という用語は、最も広義に使用され、それらが所望の抗原結合活性、すなわち、CD8(ヒトCD8、カニクイザルCD8、及び/またはアカゲザルCD8)への結合を呈する限り、モノクローナル抗体、一価抗体(例えば、ワンアームド抗体)、及び抗体断片を含むが、これらに限定されない様々な抗体構造を包含する。」 (4) 【0050】 「【0050】 抗CD8抗体 a.機能的特性 本明細書で提供される抗CD8抗体は、以下の特性のうちの1つ以上を有する:(a)抗体はCD8+T細胞の活性化を阻害または刺激しない、(b)抗体はCD8+T細胞の増殖を誘導しない、(c)抗体はIFNγ産生を誘導しない、(d)抗体はヒトCD8と特異的に結合する、(e)抗体はアカゲザルCD8と特異的に結合する、(f)抗体はカニクイザルCD8と特異的に結合する、(g)抗体はCD4+細胞と結合しない、(g)抗体はCD3-細胞と結合しない、及び(h)抗体は循環からCD8+T細胞を枯渇させない。このような特性は、公知の方法、例えば、以下の実施例に使用される方法を使用して評価され得る。……」 (5) 【0063】 「【0063】 いくつかの実施形態において、(a)配列番号9に記載されるアミノ酸配列を含むCDR-H1と、(b)配列番号10に記載されるアミノ酸配列を含むCDR-H2と、(c)配列番号12に記載されるアミノ酸配列を含むCDR-H3と、(d)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDR-L1と、(e)配列番号3に記載されるアミノ酸配列を含むCDR-L2と、(f)配列番号7に記載されるアミノ酸配列を含むCDR-L3と、を含む、抗CD8抗体が、提供される。」 (6) 【0071】~【0072】 「【0071】 いくつかの実施形態において、抗CD8抗体は、それぞれ、配列番号14及び配列番号15に記載される、VH及びVL配列を含み、これらの配列の翻訳後修飾を含む。いくつかの実施形態において、抗CD8抗体は、それぞれ、配列番号16及び配列番号17に記載される、VH及びVL配列を含み、これらの配列の翻訳後修飾を含む。いくつかの実施形態において、抗CD8抗体は、それぞれ、配列番号18及び配列番号19に記載される、VH及びVL配列を含み、これらの配列の翻訳後修飾を含む。いくつかの実施形態において、抗CD8抗体は、それぞれ、配列番号20及び配列番号21に記載される、VH及びVL配列を含み、これらの配列の翻訳後修飾を含む。いくつかの実施形態において、抗CD8抗体は、それぞれ、配列番号22及び配列番号23に記載される、VH及びVL配列を含み、これらの配列の翻訳後修飾を含む。いくつかの実施形態において、抗CD8抗体は、それぞれ、配列番号24及び配列番号25に記載される、VH及びVL配列を含み、これらの配列の翻訳後修飾を含む。いくつかの実施形態において、抗CD8抗体は、それぞれ、配列番号26及び配列番号27に記載される、VH及びVL配列を含み、これらの配列の翻訳後修飾を含む。 【0072】 配列番号14~27のアミノ酸配列が、以下に提供される。 …… EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGFNIKDTYIHWVRQAPGQGLEWIGRIDPANDNTLYASK FQGRATITADTSTSTAYLELSSLRSEDTAVYYCGRGYGYYVFDHWGQGTLVTVSSASTKGPSVF PLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSS SLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHT(配列番号20) DVQITQSPSSLSASVGDRVTITCRTSRSISQYLAWYQEKPGKTNKLLIYSGSTLQSGIPSRFSGSGS GTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQVNEFPPTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVV CLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACE VTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号21) ……」 (7) 【0074】~【0075】 「【0074】 c.一価抗CD8抗体 いくつかの実施形態において、抗CD8抗体は、一価抗体である。いくつかの実施形態において、一価抗体は、完全長重鎖、軽鎖、及びFcを含むワンアームド抗体である。いくつかの実施形態において、ワンアームド抗体は、配列番号14、16、18、20、22、24、及び26のうちの任意の1つに記載されるアミノ酸配列を含むVHドメインを含む完全長重鎖を含む。さらにまたはあるいは、ワンアームド抗体は、配列番号15、17、19、21、23、25、及び27のうちの任意の1つに記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインを含む完全長軽鎖を含む。いくつかの実施形態において、完全長重鎖は、配列番号14に記載されるVH配列を含み、完全長軽鎖は、配列番号15に記載されるVL配列を含み、これらの配列の翻訳後修飾を含む。いくつかの実施形態において、完全長重鎖は、配列番号16に記載されるVH配列を含み、完全長軽鎖は、配列番号17に記載されるVL配列を含み、これらの配列の翻訳後修飾を含む。いくつかの実施形態において、完全長重鎖は、配列番号18に記載されるVH配列を含み、完全長軽鎖は、配列番号19に記載されるVL配列を含み、これらの配列の翻訳後修飾を含む。いくつかの実施形態において、完全長重鎖は、配列番号20に記載されるVH配列を含み、完全長軽鎖は、配列番号21に記載されるVL配列を含み、これらの配列の翻訳後修飾を含む。いくつかの実施形態において、完全長重鎖は、配列番号22に記載されるVH配列を含み、完全長軽鎖は、配列番号23に記載されるVL配列を含み、これらの配列の翻訳後修飾を含む。いくつかの実施形態において、完全長重鎖は、配列番号24に記載されるVH配列を含み、完全長軽鎖は、配列番号25に記載されるVL配列を含み、これらの配列の翻訳後修飾を含む。いくつかの実施形態において、完全長重鎖は、配列番号26に記載されるVH配列を含み、完全長軽鎖は、配列番号27に記載されるVL配列を含み、これらの配列の翻訳後修飾を含む。 【0075】 いくつかの実施形態において、完全長重鎖は、1つ以上の「ノブ」変異を含み、Fcは、1つ以上の「ホール」変異を含む。いくつかの実施形態において、完全長重鎖は、1つ以上の「ホール」変異を含み、Fcは、1つ以上の「ノブ」変異を含む。本明細書で提供されるワンアームド抗CD8抗体の例示的な概略図を、図1に提供する。」 (8) 【0101】 「【0101】 g.「ノブ・イン・ホール」バリアント ある特定の実施形態において、本明細書で提供される抗CD8抗体のFcドメインは、「ノブ・イン・ホール」変異を含む。「ノブ・イン・ホール」は、ヘテロ二量化のための抗体重鎖ホモ二量体を操作するために(例えば、二重特異性抗体、多特異性抗体、またはワンアームド抗体の十分な産生のための)設計戦略である。一般に、かかる技術は、第1のポリペプチド(第1の抗体重鎖中の第1のCH3ドメインなど)の界面で突起部(「ノブ」)、及び第2のポリペプチド(第2の抗体重鎖中の第2のCH3ドメインなど)の界面で対応する空洞(「ホール」)を導入することを含み、そのため、突起部は、ヘテロ二量体形成を促進し、ホモ二量体形成を妨げるように、空洞中に位置付けられ得る。突起部は、第1のポリペプチド(第1の抗体重鎖中の第1のCH3ドメインなど)の界面からのアミノ酸側鎖を、より大きい側鎖(例えば、アルギニン、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファン)で置き換えることによって構築される。突起部への同一のまたは類似のサイズの代償性空洞が、大型アミノ酸側鎖をより小さなもの(例えば、アラニン、セリン、バリン、またはトレオニン)で置き換えることによって第2のポリペプチド(第2の抗体重鎖中の第2のCH3ドメインなど)の界面中に形成される。突起部及び空洞は、ポリペプチドをコードする核酸を改変することによって、例えば、部位特異的変異誘発によって、またはペプチド合成によって作製され得る。いくつかの実施形態において、ノブ修飾は、Fcドメインの2つのサブユニットのうちの1つにアミノ酸置換T366Wを含み、ホール修飾は、Fcドメインの2つのサブユニットのうちの他方にアミノ酸置換T366S、L368A、及びY407Vを含む。いくつかの実施形態において、ノブ修飾を含むFcドメインのサブユニットは、アミノ酸置換S354Cをさらに含み、ホール修飾を含むFcドメインのサブユニットは、アミノ酸置換Y349Cをさらに含む。これらの2つのシステイン残基の導入は、Fc領域の2つのサブユニット間のジスルフィド架橋の形成をもたらし、それ故に、二量体をさらに安定化する(Carter,J Immunol Methods 248,7-15(2001))。ノブ・イントゥ・ホール変異の例示的なセットには、以下の表3に示されるものが含まれるが、これらに限定されない。 [図:0001438603000001.jpg] 」 (9) 【0126】~【0127】 「【0126】 いくつかの実施形態において、CD8+細胞の検出、局在化、及び/または画像化は、例えば、本明細書に他の箇所にさらなる詳細の技術を使用して、インビボで行われる。 【0127】 いくつかの実施形態において、インビボでCD8の存在の検出は、臓器または組織に、CD8(CD8+細胞など)を局在化することを含む。いくつかの実施形態において、本方法は、対象における臓器または組織中のCD8+細胞の数を決定することを含む。ある特定の実施形態において、対象は、がんに罹患しており、インビボでのCD8の存在の検出は、腫瘍へのCD8+細胞を局在化することを含む。いくつかの実施形態において、CD8+細胞は、CD8+T細胞、例えば、腫瘍を浸潤するCD8+T細胞である。いくつかの実施形態において、本方法は、がんに罹患している対象における腫瘍内のCD8+T細胞の数を決定することを含む。いくつかの実施形態において、本方法は、複数の連続する時点でがんに罹患している対象における腫瘍内のCD8+T細胞の数を決定することを含む。」 (10) 実施例1(【0178】~【0179】) 「【0178】 実施例1:OKT8のヒト化及び親和性成熟 OKT8抗体のマウス可変領域を、ヒトカッパIを使用するヒトフレームワーク/VH1フレームワークにマウスCDRを移植することによってヒト化した。ヒト化OKT8抗体は、改善された結合性能を有するバリアントを生成するために、インビトロファージディスプレイに基づいた親和性成熟の基準としての役割を果たした。このようなバリアントを、以下の表4及び5に示す。 [図:0001438603000002.jpg] [図:0001438603000003.jpg] 【0179】 バリアントhuOKT8.v9~huOKT8.v12及びhuOKT8.A~huOKT8.MのKDを、表面プラズモン共鳴(SPR)を介して決定した。SPR分析の結果を、表6に示す。 [図:0001438603000004.jpg] huOKT8.v9及びhuOKT8.v11を、さらなる特徴付けのために選択した。」 (11) 実施例2(【0180】~【0192】) 「【0180】 実施例2:ヒト化親和性成熟OKT8バリアント抗体の特徴付け ヒトCD8、アカゲザルCD8、及びカニクイザルCD8のアミノ酸配列のアライメントを提供する、図2Aは、ヒトCD8とカニクイザルCD8(すなわち、カニクイザルCD8)との間に94%のアミノ酸同一性、ならびにヒトCD8とアカゲザルCD8との間に94%のアミノ酸同一性があることを示す。 【0181】 OKT8.v9及びOKT8.v11抗体を、一連の表面プラズモン共鳴(SPR)及びFACS分析において、ヒトCD8と比較して、カニクイザルCD8及びアカゲザルCD8に対する結合について評価した。結果を以下の表7に示す。 [図:0001438603000005.jpg] 【0182】 SPRによって決定されたように、OKT.v9 Fabは、huOKT8.v1(すなわち、早期の親和性成熟中に生成されたバリアント)と比較して、ヒトCD8への結合において37倍の改善、及びカニクイザルCD8への結合において50倍の改善を示した。SPRによって決定されたように、OKT.v11 Fabは、huOKT8.v1と比較して、ヒトCD8への結合において55倍の改善、及びカニクイザルCD8への結合において230倍の改善を示した。マウス血液またはラット血液から単離されたCD8+細胞を用いたFACSを介して決定して、OKT8.v11は、マウスCD8またはラットCD8との交差活性を示さなかった。 【0183】 相補的なSPR及びFACS分析を、ヒト、アカゲザル、またはカニクイザルから得られた新鮮な血液から単離された一次末梢血単核細胞(PBMC)を使用して実施した。図2Bに示すように、huOKT8.v11は、ヒトCD8、カニクイザルCD8、及びアカゲザルCD8と結合する。 【0184】 huOKT8.v11を、huOKT8.v11-OA-LALAPGを産生するために、ノブ・イン・ホール変異(すなわち、「ホール」重鎖内のT366S L358A Y407V及び「ノブ」Fc内のT366W)、ならびにL234A、L235A、及びP329Gエフェクター機能変異を含む、ワンアームドIgG1抗体として再形成した。次いで、huOKT8.v11-OA-LALAPGを、一連のインビトロでのT細胞機能及びサイトカイン放出アッセイにおいてさらに特徴付けた。 【0185】 第一に、抗CD3によるポリクローナルT細胞刺激へのCD8+T細胞応答を、huOKT8.v11-OA-LALAPGの存在下で評価した。CD8+T細胞は、製造業者の取扱説明書に従ってヒトCD8+T細胞濃縮キット(STEMCELL(商標)Technologies;Seattle,WA)を使用してヒト軟膜から単離した。……単離されたCD8+細胞集団の純度を、フローサイトメトリーによって評価した。細胞を、BD Biosciences(San Jose,CA)からの抗CD8抗体(クローンRPA T8)フィコエリトリン(PE)で染色した。細胞を、4℃暗所中で20分間インキュベートし、蛍光活性化細胞分類(FACS)染色緩衝液(BD Biosciences)で2回洗浄した。……ELISAを、DuoSetヒトIFN-γキット(R&D Systems;Minneapolis,MN)を使用して実施した。次に、50μLの体積で1μCi[3H]チミジンを、ウェルに添加し、プレートをインキュベーターに戻した。16時間の一晩培養後、細胞を収穫し、[3H]チミジンの取り込みを、液体シンチレーションカウンターを用いて測定した。OKT8.v11-OA-LALAPGの効果は、100μg/mLの高濃度でのみ試験した。 【0186】 精製されたCD8+T細胞を、100μg/mlのOKT8.v11-OA-LALAPGまたは100μg/mlのアイソタイプ対照(抗糖タンパク質D-OAまたは「抗gD-OA」)の存在下で抗CD3抗体の様々な濃度でインビトロにて活性化した。OKT8.v11-OA-LALAPGは、いかなる抗CD3の濃度でもCD8+T細胞の増殖(図3A)またはCD8+T細胞によるIFN-γ応答(図3B)に影響を及ぼさなかった。OKT8.v11-OA-LALAPGの存在下でCD8+T細胞の増殖及びIFN-γ応答は、試験したすべての濃度でアイソタイプ対照と同等であった。 【0187】 次に、CD8+T細胞を、抗原提示細胞依存性の様式で抗原特異的な刺激においてOKT8.v11-OA-LALAPGの効果を評価するために、破傷風トキソイドでインビトロにて活性化した。簡言すれば、末梢血単核細胞(PBMC)を、上述のように軟膜から単離した。……細胞を、それぞれ、抗CD8 PEで共染色して、CD8+T細胞の増殖を評価した。細胞を、抗CD25(クローンM-A251)アロフィコシアニン(APC)(BD Biosciences)でさらに染色して、CD25高発現マーキングの活性化を有する、細胞の活性化状態を評価した。 【0188】 CD8+T細胞を、OKT8.v11-OA-LALAPGまたはアイソタイプ対照抗gD-OAの存在下で、図3C及び3Dに示された濃度にて、破傷風トキソイドで刺激した。図3Cに示す、増殖応答を、カルボキシフルオセイン二酢酸サクシニミジルエステル(CFSE)の希釈によって評価した。1ラウンドを超えるCFSEの希釈を行う細胞によって決定して、CD8+T細胞を増殖する頻度を、ビヒクル処理した細胞に対して正規化し、データは、ビヒクルに対する割合(%)として表す。OKT8.v11-OA-LALAPGは、試験した最高濃度(100μg/mL)で増殖に影響を及ぼさなかった。図3Cを参照されたい。OKT8.v11-OA-LALAPG及び抗gD-OAの効果は、すべての濃度で同等であった。図3Dにおいて、CD8+T細胞を増殖する活性化状態を、活性化のためのマーカーとしてCD25発現を測定することによって評価した。CD25高細胞の頻度を、ビヒクル処理した細胞に対して正規化し、データは、ビヒクルに対する割合(%)として表す。OKT8.v11-OA-LALAPGまたは抗gD-OAはいずれも、試験したいかなる濃度でもCD8+T細胞の活性化に影響を及ぼさなかった。 …… 【0191】 さらなる実験を、OKT8.v11-OA-LALAPGが循環からCD8+T細胞を枯渇させるかどうかを決定するために実施した。簡言すれば、血液試料を、100mg/kgのOKT8.v11-OA-LALAPGで注射する前に、注射してから1日目及び注射してから15日目に、カニクイザルから得た。試料分析中、全リンパ球集団を、リンパ球集団を限界するために、CD45蛍光染料及び側方散乱光特性(SSC)限界(CD45明SSC暗)からなるリンパ球ゲーティング戦略を使用してフローサイトメトリーを介して特定した。次に、B細胞集団を、蛍光標識された抗CD8または蛍光標識された抗CD4抗体の使用を通して特定した。図3Eに示すように、経時的にCD8+ゲートに対して平均蛍光強度(MIF)の有意な差がなく、OKT8.v11-OA-LALAPGが循環からCD8+T細胞を枯渇させることを示す。 【0192】 さらなるFACS分析は、OKT8.v11が、CD4+T細胞またはCD3-T細胞と結合しないことを確認した(図3Fを参照のこと)。」 (12) 実施例3(【0193】~【0198】) 「【0193】 実施例3:分子画像化のために様々な抗体フォーマットの評価 パイロット免疫PET試験を、標識された抗CD8抗体を使用して実施して、マウスにおける分子画像化のための異なる抗体フォーマットの適合性を評価した。 【0194】 2つのマウス抗CD8構築物、すなわち、89Zr-mCD8-DANA(すなわち、DANAエフェクター機能変異を有するIgG1フォーマット)または89Zr-mCD8-(Fab’)2を、21ED3、すなわちハムスター抗マウス抗体を使用して作製した。各構築物を、CD8+T細胞の浸潤の増加によって特徴付けられる、マウスCT26結腸がん腫瘍を担持するマウスに注射した。CD8+T細胞の腫瘍浸潤は、DANA及び(Fab’)2 フォーマットの不良な安定性のため検出されなかった。 【0195】 ヒトCD8モデルにおいて、18F-OKT8.v11-Fabを、SCIDベージュマウスへのヒトPBMCの膵臓内注射後に試験した。しかしながら、18F-CD8-Fabの可視的取り込みが、ヒトPBMC移植マウスの膵臓内に検出されなかった。 【0196】 さらなるヒトCD8モデルにおいて、89Zr-huOKT8.v1-OA(すなわち、ワンアームド抗体)を、HPB-ALL(ヒトT細胞性白血病)CD8+異種移植片腫瘍またはDaudi(ヒトバーキットリンパ腫)CD8-異種移植片腫瘍を担持するマウスに注射した。次いで、マウスを、初期投与から1日目、2日目、及び5日目の投与でPETスキャンを介してモニタリングした。図5A及び5Bは、それぞれ、腫瘍組織及び心臓組織における時間の関数としての組織中の1グラム当たり初期投与の割合(%)として89Zr-huOKT8.v1-OAの取り込みを示す。89Zr-huOKT8.v1-OAは、腫瘍組織中のCD8依存性の取り込みを示した。図5Aを参照されたい。それと対照的に、89Zr-OA-CD8.v1の最小取り込みが、HPB-ALL異種移植片マウスまたはDaudi異種移植片マウスのいずれかで非腫瘍組織中で測定された。図5Bを参照されたい。 【0197】 89Zr-huOKT8.v1-OAの取り込みのCD8特異性を確認するために、相補的実験を、89Zr-huOKT8.v1-OA、89Zr-huOKT8.v9-OA、または糖タンパク質Dを標的とする対照抗体、89Zr-gD-OAを注射したHPB-ALL異種移植片マウスにおいて実施した。注射後、マウスを、初期投与から1日目、2日目、及び5日目の投与でPETスキャンを介してモニタリングした。最小の89Zr-huOKT8.v1-OA、89Zr-huOKT8.v9-OA、または89Zr-gD-OAが、2日後血液プール中で検出された。血液中の時間の関数としての組織中の1グラム当たり初期投与の割合(%)として89Zr-huOKT8.v1-OA、89Zr-huOKT8.v9-OA、及び89Zr-gD-OAの取り込みを示す図6A及び7Aを参照されたい。89Zr-huOKT8.v1-OAの取り込みが、約25%のピーク取り込みで、CD8+HPB-ALL腫瘍組織中で観察された。図6Bを参照されたい。同等のピークの取り込みが、89Zr-huOKT8.v9-OAで観察された。図7Bを参照されたい。それと対照的に、対照89Zr-gD-OAの唯一の残渣の取り込みが、HPB-ALL腫瘍組織中で観察された。図6B及び7Bを参照されたい。さらに、腎臓による89Zr-huOKT8.v1-OA及び89Zr-huOKT8.v9-OAのクリアランスが主であった(89Zr-huOKT8.v1-OAについては、図4Cを参照されたい)。肝臓により主に除去されている画像化ツールとは異なって、89Zr-huOKT8.v1-OAまたは89Zr-huOKT8.v9-OAの使用は、肝臓または腹部領域内のCD8+細胞の検出が明確であり得る。さらに、バックグラウンドマウス組織への交差応答性は、観察されなかった(図6Cを参照されたい)。 【0198】 89Zr-OA-CD8-FvFc、すなわち、一価単一鎖Fc-Fv融合物もまた、上記のように、試験された。89Zr-OA-CD8-FvFcは、CD8+腫瘍組織中の取り込みを示したが、心臓組織中の取り込みを示さなかった。図8Aを参照されたい。腫瘍組織中の89Zr-OA-CD8-FvFcのピークの取り込みは、89Zr-huOKT8.v1-OA及び89Zr-huOKT8.v9-OAの取り込みと同等である。しかしながら、腎臓よりも肝臓による89Zr-OA-CD8-FvFcのクリアランスが主であり(図8Bを参照のこと)、89Zr-OA-CD8-FvFcが肝臓または腹部領域内のCD8+細胞の検出を曖昧にし得ることを示した。」 (13) 実施例4(【0199】~【0205】) 「【0199】 実施例4:マウスモデルにおける89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGの検出の感受性及び範囲の評価 上に論じられたように、huOKT8.v11は、huOKT8.v11-OA-LALAPGを産生するために、ノブ・イン・ホール変異(すなわち、「ホール」重鎖内のT366S L358A Y407V及び「ノブ」Fc内のT366W)、ならびにL234A、L235A、及びP329Gエフェクター機能変異を含む、ワンアームドIgG1抗体として再形成された(概略図については図1を参照のこと)。放射性標識されたhuOKT8.v11-OA-LALAPGの検出の感受性及び範囲を、キメラHPB-ALL/Daudi異種移植片を使用して一連の免疫PET実験において評価した。簡言すれば、表8に示すように、特定された比のHPB-ALL細胞とDaudi細胞を注射したマウスは、異なるレベルでCD8を発現する腫瘍を発症することを示す。 【0200】 [図:0001438603000006.jpg] 【0201】 100%のHPB-ALL、25%のHPB-ALL、5%のHPB-ALL、または0%のHPB-ALLキメラ腫瘍を担持するマウス(n=4/群)に、89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGまたは89Zr-gD-OAを注射した。注射後、マウスを、初期投与から1日目、2日目、5日目、7日目、及び9日目の投与でPETスキャンを介してモニタリングし、腫瘍組織、肝臓組織、腎臓組織、及び血液プール中の89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGまたは89Zr-gD-OAの取り込みを、測定した。図9Bに示すように、腫瘍組織中の89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGの取り込みは、腫瘍組織中のCD8+細胞のレベルに応じて異なった。89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGのピーク取り込みは、100%のHPB-ALL腫瘍で40%超、25%のHPB-ALL腫瘍で約20%、5%のHPB-ALL腫瘍で約15%、及び0%のHPB-ALL腫瘍で0%であった。89Zr-gD-OAの最小取り込みが、キメラ腫瘍の組織で検出された。最小89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGまたは89Zr-gD-OAが、キメラHPB-ALL/Daudi腫瘍を担持するマウスの血液中で検出された。図9Aを参照されたい。9Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPG及び89Zr-gD-OAの中程度の取り込みが、キメラHPB-ALL/Daudi腫瘍を担持するマウスの腎臓組織で検出され(図9Cを参照のこと)、一方、89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPG及び89Zr-gD-OAの最小取り込みが、肝臓組織で検出された(図9Dを参照のこと)。図9C及び9Dに示す結果は、腎臓による89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPG及び89Zr-gD-OAのクリアランスが主であることを示す。図9Eは、89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGまたは89Zr-gD-OAを注射した100%のHPB-ALL、25%のHPB-ALL、5%のHPB-ALL、または0%のHPB-ALLキメラ腫瘍を担持するマウス(n=4/群)のPET画像を提供する。PETは、注射から7日目に行われた。総合すれば、図9A~9Eに示す結果は、CD8濃度の2倍の変化を、89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGを使用して測定することができることを示す。 【0202】 相補的実験を、SCIDマウス、及び100%のHPB-ALL腫瘍のレベルの約20%でCD8を発現する、PF382(ヒトT細胞白血病)異種移植片腫瘍を担持するヌードマウスにおいて実施した。マウス(n=4/群)に、89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGまたは89Zr-gD-OAを注射し、初期投与から1日目、2日目、5日目、7日目、及び9日目の投与でPETスキャンを介してモニタリングした。図10Aに示すように、SCID及びヌード異種移植片マウスの両方からのPF382腫瘍組織中の89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGのレベルは、時間の関数として増加し、5日目に約15%のピーク取り込みを有した。それと対照的に、89Zr-gD-OAの最小取り込みが、PF382腫瘍組織で検出された。血液プール中の89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPG及び89Zr-gD-OAのレベルは、経時的に減少した(図10Bを参照のこと)。 【0203】 図11Aは、異種移植片マウスにおけるHPB-ALL、PF382、TALL-1、及びDaudi腫瘍中の89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPG及び89Zr-gD-OAの取り込みの直接比較を提供する。TALL-1腫瘍中のCD8レベルは、PF382腫瘍中のものよりも低い。89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGのピーク取り込みは、HPB-ALL腫瘍で40%超、PF382腫瘍で約15%、TALL-1腫瘍で約12%、及びDaudi腫瘍で5%未満であった。89Zr-gD-OAを使用した対照実験の結果を、図11Bに示す。異種移植片マウスからの血液プール中の89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPG及び89Zr-gD-OAのレベルは、最小であり、経時的に減少した(図11C及び11Dを参照のこと)。 【0204】 総合すれば、上で論じられた結果は、組織のCD8濃度を89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGで測定することができることを確認する。 【0205】 さらなる画像化実験を、89Zrで標識されたhuOKT8.v17ベースの試薬または124Iで標識されたhuOKT8.v17ベースの試薬を使用してHPB-ALL腫瘍異種移植片を担持するマウスにおいて実施した。3mg/kgで標識された抗体を、各マウスに投与した。HPB-ALL-異種移植片マウスが3mg/kgの89Zr-gDまたは124I-gDを施されたアイソタイプ対照実験を、並行して実施した。図12に示すように、89Zrで標識されたhuOKT8.v17及び124Iで標識されたhuOKT8.v17の両方が、CD8+腫瘍組織で両方とも検出可能であった。非特異的シグナルは、124Iで標識された抗体を施されたマウスにおいてはあまり観察されなかった。」 (14) 実施例5(【0206】~【0208】) 「【0206】 実施例5:89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGを用いた非ヒト霊長類における分子画像化 画像化実験を、取り込みが、通常、CD8に富む組織中で検出され得るかどうかを決定するために、アカゲザルにおいて89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGで実施した。アカゲザル(5kg)に、1mCiの放射線量を含む10mgの89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGを注射した。図13Aは、2mg/kgの初期投与から7日目のPET MIP画像を示す。CD8に富むリンパ節、脾臓、及び胸腺は、明確に可視化され得る。肝臓及び腎臓への89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGのクリアランスもまた、可視である。それと対照的に、CD8に富む組織は、89Zr-gD-OAを注射してから5日目にPET MIP画像において可視ではない。(図13Bを参照のこと)。肝臓及び腎臓へのクリアランスのみが、見られ得る。 【0207】 さらなる組織分布画像化実験もまた、表9に概説されるように、画像化感受性のためのダイナミックレンジを見出すために、カニクイザルにおいて実施した。 [図:0001438603000007.jpg] 【0208】 0.05mg/kgの89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPG、0.23mg/kgの89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPG、及び89Zr-gD-OAを初期投与してから5日目におけるPET MIP画像を、それぞれ、図14A、14B、及び14Cに提供する。CD8に富むリンパ節及び脾臓は、図14A及び14Bに使用された公称投与の89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGで使用して可視化され得る。このようなCD8に富む組織は、0.3mg/kgの89Zr-gD-OAを注射したサルにおいて可視的ではない(図14Cを参照のこと)。」 (15) 実施例6(【0209】~【0213】) 「【0209】 実施例6:マウス及び非ヒト霊長類における薬物動態及び毒物動態分析 huOKT8.v1-OA-LALAPG、huOKT8.v9-OA-LALAPG、及びhuOKT8.v11-OA-LALAPGの薬物動態試験を、マウスにおいて実施した。表10に示すように、Cmax、AUCinf、CL、半減期、及びVssは、3つすべてのバリアントに対して同様であった。 [図:0001438603000008.jpg] 【0210】 カニクイザルにおいて実施されたさらなる薬物動態試験の結果を、以下の表11に提供する。 [図:0001438603000009.jpg] 【0211】 89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGは、0.05mg/kg~1mg/kgの用量範囲にわたって線形薬物動態を示した。CLは、約15mL/日/kgであった。サイトカイン血漿中濃度の変化は、観察されなかった。 【0212】 次に、実験を、カニクイザルにおける非標識huOKT8.v11-OA-LALAPG(すなわち、N-スクシニル-デスフェリオキサミンリンカーを含むhuOKT8.v11-OA-LALAPG)の毒性及び毒物動態を評価するために実施した。非標識huOKT8.v11-OA-LALAPGを、表12に示す用量レベル及び用量濃度で遅延ボーラス静脈内注入を介して1日目及び15日目に1回、サルに投与した。 [図:0001438603000010.jpg] 【0213】 huOKT8.v11-OA-LALAPGは、最大100mg/kgの濃度(すなわち、試験された最高用量)で良好な耐容性を示し、無影響量(NOAEL)が少なくとも100mg/kg/用量であることを示した。測定された安全エンドポイントのうちのいずれの効果も、観察されなかった。huOKT8.v11-OA-LALAPGを投与した12匹のサルのうちの10匹のサルが、抗薬物抗体(ADA)に対して陽性であった。」 (16) 実施例7(【0215】~【0216】) 「【0214】 実施例7:ヒト薬物動態の予測及び安全因子の推定 huOKT8.v11-OA-LALAPGは、CLの0.85及び分布容積の1.0の固定指数の、種-不変時間法(species-invariate time method)によるカニクイザルの薬物動態パラメータからの予測に基づいて、ヒトにおいて約6.3mL/日/kgのCL及び10.4日の半減期を有すると予測される。これらの予測は、ヒトの約70kgの仮定体重及びカニクイザルの約3.0kgの仮定体重に基づいている。 【0215】 ヒトにおけるhuOKT8.v11-OA-LALAPGの、さらに予測された薬物動態計量値(pharmacokinetic metrics)を、下の表13に提供する。 [図:0001438603000011.jpg] 【0216】 表12中の予測は、0.85の指数での種-不変時間法を使用した実施例6のカニクイザルTKデータに基づいている。これらの予測は、ヒトの約70kgの仮定体重及びカニクイザルの約3.0kgの仮定体重に基づいている。カニクイザルにおける用量及び用量レジメン=100mg/kg;2週1回;ヒト用量レジメン=3週1回。安定因子の推定は、必要とされる安全を網羅する因子(10倍)及び親和性補償(13倍)に及ぶ。」 (17) 実施例8(【0217】~【0227】) 「【0217】 実施例8:微生物叢研究及び免疫表現型の特定のためにCD8画像化を使用する方法 (例えば、本明細書に記載される)抗CD8抗体または他のCD8画像化部分を、CD8+細胞による腫瘍及びリンパ節の浸潤を評価するために使用することができる。そのような画像化は、患者の予後及び/またはがん免疫療法に対する応答を予測する微生物叢シグネチャの根底にある免疫表現型を特定するために使用される。 …… 【0223】 微生物叢研究及び発見と併せて使用されるCD8画像化剤は、本明細書に開示されている任意の抗CD8抗体(例えば、huOKT8v.1、huOKT8v.9、huOKT8v.10、huOKT8v.11、huOKT8v.12、huOKT8v.15、及びhuOKT8v.17)であり得る。 【0224】 ある特定の実施形態において、がん免疫療法は、チェックポイント阻害剤である。ある特定の実施形態において、がん免疫療法は、T細胞標的療法剤である。ある特定の実施形態において、T細胞標的療法剤は、T細胞二特異性、三特異性、もしくは多重特異性抗体またはこれらの抗原結合断片である。ある特定の実施形態において、がん免疫療法は、NK細胞標的療法剤である。ある特定の実施形態において、NK細胞標的療法剤は、二特異性、三特異性、もしくは多重特異性抗体またはこれらの抗原結合断片である。 【0225】 ある特定の実施形態において、(例えば、本明細書に記載される)抗CD8抗体または他のCD8画像化部分を使用するCD8画像化は、CD16またはCD3標的部分などのチェックポイント阻害剤または免疫調節分子の投与前、投与中、及び投与後の腫瘍及びリンパ節CD8+浸潤を評価するために使用することができる。このような画像化は、CD16またはCD3標的部分などのチェックポイント阻害剤または免疫調節分子の有効性と関連する微生物叢を決定するために使用される。 【0226】 この実施例において使用されるチェックポイント阻害剤は、任意のチェックポイント阻害剤であり得る。ある特定の実施形態において、チェックポイント阻害剤は、抗PD1または抗PDL1抗体である。ある特定の実施形態において、チェックポイント阻害剤は、アテゾリズマブ(Tecentriq(登録商標))である。 【0227】 免疫調節分子は、CD8細胞の増殖及び浸潤に影響を及ぼす任意の分子であり得る。例には、T細胞二特異性分子、例えば、CD3と結合する抗体、CD16と結合する腫瘍関連抗原及び分子、ならびに腫瘍関連抗原を含む。」 (18) 実施例9(【0228】~【0230】) 「【0228】 実施例9:がん免疫療法の有効性を決定するためのCD8画像化を使用する方法 (例えば、本明細書に記載される)抗CD8抗体または他のCD8画像化部分は、CD8+細胞による腫瘍及びリンパ節への浸潤を評価するために使用される。このような画像化は、患者の予後及び/またはがん免疫療法に対する応答を予測する免疫表現型を特定するために使用される。このような画像化は、例えば、腫瘍及び他のリンパ節におけるCD8+T細胞の割合を決定するために使用される。このような画像化は、免疫療法剤、または1つ以上のがん免疫療法剤を含むがん併用がん薬剤を選択するために使用される。 …… 【0230】 ある特定の実施形態において、(例えば、本明細書に記載される)抗CD8抗体または他のCD8画像化部分を使用するCD8画像化は、本明細書に記載される、がんの治療、診断、予後、併用診断、及び進行/寛解のモニタリングのために使用することができる。」 (19) 図1及び「図面の簡単な説明」(【0020】)の図1部分 「【図1】 [図:0001438603000012.jpg] 【図1】ノブ・イン・ホール変異及びLALAPGエフェクター機能変異を含むワンアームド抗CD8抗体の例示的な概略図を提供する。」 (20) 図2B及び「図面の簡単な説明」(【0020】)の図2B部分 「【図2B】 [図:0001438603000013.jpg] 【図2B】huOKT8.v11が組換えヒトCD8、アカゲザルCD8、またはカニクイザルCD8を発現するCHO細胞に結合することができるかどうかを決定するために実施された実験の結果を示す。」 (21) 図3A~E及び「図面の簡単な説明」(【0020】)の図3A~E部分 「【図3A】 [図:0001438603000014.jpg] 【図3A】OKT8.v11-OA-LALAPGまたは抗gD-OA(アイソタイプ対照)の存在下での、抗CD3を介したポリクローナルT細胞の刺激に対するCD8+T細胞応答を評価するために実施された実験の結果を提供する。 【図3B】 [図:0001438603000015.jpg] 【図3B】OKT8.v11-OA-LALAPGまたは抗gD-OA(アイソタイプ対照)の存在下での、抗CD3を介したポリクローナルT細胞の刺激に対するCD8+T細胞のIFN-ガンマ応答を評価するために実施された実験の結果を提供する。 【図3C】 [図:0001438603000016.jpg] 【図3C】破傷風トキソイド刺激後のOKT8.v11-OA-LALAPGまたは抗gD-OA(アイソタイプ対照)の存在下で、CD8+T細胞の増殖を評価するために実施された実験の結果を提供する。 【図3D】 [図:0001438603000017.jpg] 【図3D】破傷風トキソイド刺激後のOKT8.v11-OA-LALAPGまたは抗gD-OA(アイソタイプ対照)と共にインキュベートされたCD8+T細胞のCD25発現のレベルを評価するために実施された実験の結果を提供する。 【図3E】 [図:0001438603000018.jpg] 【図3E】OKT8.v11-OA-LALAPGが循環からCD8+T細胞を枯渇させるかどうかを決定するために実施された実験の結果を提供する。」 (22) 図5A~B及び「図面の簡単な説明」(【0020】)の図5A~B部分 「【図5A】 [図:0001438603000019.jpg] 【図5A】HPB-ALL-またはDaudi-異種移植マウスの血液プール中に存在する89Zr-huOKT8.v1-OAの量を決定するために実施された実験の結果を示す。 【図5B】 [図:0001438603000020.jpg] 【図5B】HPB-ALL-またはDaudi-異種移植マウスの腫瘍組織に存在する89Zr-huOKT8.v1-OAの量を決定するために実施された実験の結果を示す。」 (23) 図6A~C及び「図面の簡単な説明」(【0020】)の図6A~C部分 「【図6A】 [図:0001438603000021.jpg] 【図6A】HPB-ALL-異種移植マウスの血液プール中の89Zr-huOKT8.v1-OAまたは89Zr-gD-OAの量を決定するために実施された実験の結果を示す。 【図6B】 [図:0001438603000022.jpg] 【図6B】HPB-ALL-異種移植マウスの腫瘍組織によって取り込まれた89Zr-huOKT8.v1-OAまたは89Zr-gD-OAの量を決定するために実施された実験の結果を示す。 【図6C】 [図:0001438603000023.jpg] 【図6C】89Zr-huOKT8.v1-OAを注射したHPB-ALL腫瘍異種移植マウスのPET MIPを示す。PETスキャンは、注射してから5日目に行われた。」 (24) 図7A~B及び「図面の簡単な説明」(【0020】)の図7A~B部分 「【図7A】 [図:0001438603000024.jpg] 【図7A】HPB-ALL-異種移植マウスの血液プール中の89Zr-huOKT8.v9-OAまたは89Zr-gD-OAの量を決定するために実施された実験の結果を示す。 【図7B】 [図:0001438603000025.jpg] 【図7B】HPB-ALL-異種移植マウスの腫瘍組織によって取り込まれた89Zr-huOKT8.v1-OAまたは89Zr-gD-OAの量を決定するために実施された実験の結果を示す。」 (25) 図8A~B及び「図面の簡単な説明」(【0020】)の図8A~B部分 「【図8A】 [図:0001438603000026.jpg] 【図8A】HPB-ALL-異種移植マウスの腫瘍組織及び血液プール(心臓含有量)中に存在する89Zr-OA-CD8-FvFcの量を決定するために実施された実験の結果を示す。 【図8B】 [図:0001438603000027.jpg] 【図8B】89Zr-OA-CD8-FvFcで注射してから0日目、1日目、2日目、及び5日目の、HPB-ALL腫瘍異種移植マウスのPET MIPを示す。」 (26) 図9A~E及び「図面の簡単な説明」(【0020】)の図9A~E部分 「【図9A】 [図:0001438603000028.jpg] 【図9A】100%のHPB-ALL、25%のHPB-ALL、5%のHPB-ALL、または0%のHPB-ALLキメラ腫瘍を担持するマウスの血液プール中の89Zr-huOKT8.v11-OAまたは89Zr-gD-OAの量を決定するために実施された実験の結果を示す。 【図9B】 [図:0001438603000029.jpg] 【図9B】100%のHPB-ALL、25%のHPB-ALL、5%のHPB-ALL、または0%のHPB-ALLキメラ腫瘍を担持するマウスにおける腫瘍組織によって取り込まれた89Zr-huOKT8.v11-OAまたは89Zr-gD-OAの量を決定するために実施された実験の結果を示す。 【図9C】 [図:0001438603000030.jpg] 【図9C】100%のHPB-ALL、25%のHPB-ALL、5%のHPB-ALL、または0%のHPB-ALLキメラ腫瘍を担持するマウスの腎臓組織によって取り込まれた89Zr-huOKT8.v11-OAまたは89Zr-gD-OAの量を決定するために実施された実験の結果を示す。 【図9D】 [図:0001438603000031.jpg] 【図9D】100%のHPB-ALL、25%のHPB-ALL、5%のHPB-ALL、または0%のHPB-ALLキメラ腫瘍を担持するマウスの肝臓組織によって取り込まれた89Zr-huOKT8.v11-OAまたは89Zr-gD-OAの量を決定するために実施された実験の結果を示す。 【図9E】 [図:0001438603000032.jpg] 【図9E】89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGまたは89Zr-gD-OAを注射した100%のHPB-ALL、25%のHPB-ALL、5%のHPB-ALL、または0%のHPB-ALLキメラ腫瘍を担持するマウスのPET画像を提供する。PETスキャンは、注射してから7日目に行われた。 (27) 図10A~B及び「図面の簡単な説明」(【0020】)の図10A~B部分 「【図10A】 [図:0001438603000033.jpg] 【図10A】PF382-異種移植ヌードマウスまたはSCIDマウスの腫瘍組織によって取り込まれた89Zr-OA-CD8-FvFcの量を決定するために実施された実験の結果を示す。 【図10B】 [図:0001438603000034.jpg] 【図10B】PF382-異種移植ヌードマウスまたはSCIDマウスからの血液プール中の89Zr-OA-CD8-FvFcの量を決定するために実施された実験の結果を示す。」 (28) 図11A~B及び「図面の簡単な説明」(【0020】)の図11A~B部分 「【図11A】 [図:0001438603000035.jpg] 【図11A】異種移植マウスにおけるHPB-ALL、PF382、TALL-1、及びDaudi腫瘍内の89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGの取り込みの直接比較を提供する。 【図11B】 [図:0001438603000036.jpg] 【図11B】異種移植マウスにおけるHPB-ALL、PF382、TALL-1、及びDaudi腫瘍内の89Zr-gD-OAの取り込みの直接比較を提供する。」 (29) 図12及び「図面の簡単な説明」(【0020】)の図12部分 「【図12】 [図:0001438603000037.jpg] 【図12】89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGまたは124I-huOKT8.v11-OA-LALAPGが、HBP-ALL-異種移植マウスにおけるCD8+腫瘍組織中で検出可能であるかどうかを評価するために実施された実験の結果を示す。」 2 サポート要件(特許法36条6項1号)に関する判断 (1) サポート要件の判断規範 特許請求の範囲の記載が、明細書のサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明であって、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識等に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものであり、本願明細書のサポート要件の存在は、本願出願人すなわち審判請求人が証明責任を負うと解するのが相当である。 (2) 本願発明が解決しようとする課題について 上記1の【0003】の記載からみて、本願発明で解決されるべき課題(以下、「本願課題」という。)は、 「腫瘍組織中の免疫細胞としてのCD8+細胞の量及び時間の分布の変化をモニタリングするための方法及び試薬の提供」 と認められる。 また、モニタリング対象を「腫瘍組織中の免疫細胞」に限定しない形として、 「がんの診断、予後、療法選択、及び療法への応答に関する情報を提供することができる、インビボで免疫細胞としてのCD8+細胞の量及び時間の分布の変化をモニタリングするための方法及び試薬の提供」 と課題を認定することも考えられることから、このように認定した場合についても予備的に検討する。 本願発明が特許法36条6項1号に規定されるサポート要件を満足するためには、いずれの課題認定であっても、発明の詳細な説明の記載と当業者における技術常識を踏まえ、本願発明の抗CD8抗体が、腫瘍と区別してインビボで免疫細胞としてのCD8+細胞の量及び時間の分布の変化をモニタリングできることを認識できる必要がある。 (3) 発明の詳細な説明の記載 上記(2)の観点で、以下、発明の詳細な説明における記載を検討する。 ア 実施例1では、OKT8抗体のマウス可変領域を、ヒトカッパIを使用するヒトフレームワーク/VH1フレームワークにマウスCDRを移植することによってヒト化したことが記載され、種々のバリアントを表4及び表5で挙げ、これらのKD値を、表面プラズモン共鳴を介して決定したことが記載される。また、バリアントのうち「huOKT8.v11」のCDR-L1~L3及びCDR-H1~H3のアミノ酸配列は、それぞれ、本願発明の軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインに含まれるCDR部分のアミノ酸配列、【0063】に記載のCDR-L1~L3及びCDR-H1~H3と一致する。 イ 実施例2では、huOKT8.v11を、ノブ・イン・ホール変異、ならびにL234A、L235A、及びP329Gエフェクター機能変異を含む、ワンアームドIgG1抗体として再形成してhuOKT8.v11-OA-LALAPGを産生したことが記載される。また、ヒト化親和性成熟OKT8バリアント抗体の特徴付けに関する試験として、huOKT8.v11-OA-LALAPG存在下での「抗CD3によるポリクローナルT細胞刺激へのCD8+T細胞応答」は、いかなる抗CD3の濃度でもCD8+T細胞の増殖またはCD8+T細胞によるIFN-γ応答に影響を及ぼさなかったこと、破傷風トキソイドで活性化したCD8+T細胞を用いた「抗原提示細胞依存性の様式で抗原特異的な刺激における、OKT8.v11-OA-LALAPGの効果」は、試験したいかなる濃度でもCD8+T細胞の活性化に影響を及ぼさなかったことが記載されている。 また、「OKT8.v11-OA-LALAPGが循環からCD8+T細胞を枯渇させるかどうか」について、【0191】ではOKT8.v11-OA-LALAPGが循環からCD8+T細胞を「枯渇させることを示す。」との記載があるが、これは、同段落で挙げられた図3Eとして示される「OKT8.v11-OA-LALAPGが循環からCD8+T細胞を枯渇させるかどうかを決定するために実施された実験の結果」において、経時的にCD8+ゲートに対して平均蛍光強度(MIF)の有意な差がないことが示されこと、及び、本願の原文には「OKT8.v11-OA-LALAPG does not deplete CD8+T cells from circulation.」と記載されていることからみて、OKT8.v11-OA-LALAPGは循環からCD8+T細胞を「枯渇させないことを示す。」と記載されるべきものの誤記であると認められる。 したがって、実施例2では、OKT8.v11-OA-LALAPGが「CD8+細胞障害性T細胞の活性化を刺激または阻害しない」ことが示されている。 ウ 実施例3をみると、18F-OKT8.v11-Fabや、huOKT8.v11-OA-LALAPGと構造が類似し、89Zrが結合した、ワンアームド抗体である89Zr-huOKT8.v1-OAに関連して以下の(a)~(c)の記載がある。 (a)ヒトCD8モデルにおいて、18F-OKT8.v11-Fabを、SCIDベージュマウスへのヒトPBMCの膵臓内注射後に試験したところ、18F-CD8-Fabの可視的取り込みが、ヒトPBMC移植マウスの膵臓内に検出されなかった(【0195】)。 (b)ヒトCD8モデルにおいて、89Zr-huOKT8.v1-OA(すなわち、ワンアームド抗体)を、HPB-ALL(ヒトT細胞性白血病)CD8+異種移植片腫瘍またはDaudi(ヒトバーキットリンパ腫)CD8-異種移植片腫瘍を担持するマウスに注射したところ、腫瘍組織中のCD8依存性の取り込みがみられる一方、非腫瘍組織中での取り込みは最小であることが測定された。(【0196】) (c)89Zr-huOKT8.v1-OAの取り込みのCD8特異性を確認するために、HPB-ALL異種移植片マウスにおいて相補的実験を実施したところ、2日後血液プール中では、89Zr-huOKT8.v1-OAの検出が最小であり、CD8+HPB-ALL腫瘍組織中では、89Zr-huOKT8.v1-OAが、約25%の取り込みがピークとして観察され、腎臓において89Zr-huOKT8.v1-OA及び89Zr-huOKT8.v9-OAがクリアランスを受け、肝臓または腹部領域内では、89Zr-huOKT8.v1-OAまたは89Zr-huOKT8.v9-OAの使用によりCD8+細胞が検出された。(【0197】) しかし、(a)では、huOKT8.v11-OA-LALAPGとCDR-L1~L3及びCDR-H1~H3のアミノ酸配列が共通している抗CD8抗体である18F-OKT8.v11-Fabの可視的取り込みは、ヒトPBMC移植ヒトCD8モデルの膵臓内に検出されなかったことが示されており、当該CDRのセットを有する抗CD8抗体では、ヒトCD8モデルにおけるCD8+T細胞を検出できなかったものといえる。 また、(b)や(c)では、使用されているものがCD8+異種移植片腫瘍であるHPB-ALLとCD8-異種移植片腫瘍であるDaudiであり、その測定結果は、CD8+異種移植片腫瘍であるHPB-ALLを含む腫瘍組織において、CD8-異種移植片腫瘍であるDaudiを含む腫瘍組織より多くの89Zr-huOKT8.v1-OAが長期にわたり検出されたものであって(図5B)、89Zr-huOKT8.v1-OAがCD8+腫瘍組織を検出できることが示されたものと理解でき、HPB-ALL-またはDaudi-異種移植マウスの血液プール中に存在する89Zr-huOKT8.v1-OAは速やかに減少しており(図5A)、腫瘍組織以外では腫瘍組織と比べて取り込みの程度が明らかに低い水準であることがわかるから、腫瘍細胞を特異的に検出されたことを示しているといえる。しかし、免疫細胞としてのCD8+細胞の検出という観点からは、上記(b)、(c)の試験系では腫瘍細胞とは別に腫瘍細胞を標的とする免疫細胞がいるわけではなく、HPB-ALLにおけるCD8+細胞が免疫細胞のモデルであると考える場合には、腫瘍に対応する細胞が存在しないことになるから、この試験においては、「腫瘍組織中の免疫細胞」又は「がんの診断、予後、療法選択、及び療法への応答に関する情報を提供することができる、インビボで免疫細胞」としてのCD8+細胞を検出できるかどうかは不明である。仮に検出できるものとしても、移植片に含まれるCD8+である腫瘍細胞と免疫細胞としてのCD8+細胞とを区別しないまま検出することとなるのは明らかである。 したがって、実施例3の結果では、腫瘍と区別して免疫細胞としてのCD8+細胞をモニタリングできると理解することができない。 エ 実施例4をみると、huOKT8.v11-OA-LALAPGに89Zrが結合した、89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGに関連して以下の(d)~(i)の記載がある。 (d)腫瘍組織中の89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGの取り込みは、腫瘍組織中のCD8+細胞のレベルに応じて異なり、取り込みのピークは、100%のHPB-ALL腫瘍で40%超、25%のHPB-ALL腫瘍で約20%、5%のHPB-ALL腫瘍で約15%であり、0%のHPB-ALL腫瘍では0%であった。(【0199】~【0201】) (e)キメラHPB-ALL/Daudi腫瘍を担持するマウスの肝臓組織や血液中で、89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGの検出は最小であった。(【0201】) (f)キメラHPB-ALL/Daudi腫瘍を担持するマウスの腎臓組織で、89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGの取り込みの検出は中程度であった。(【0201】) (g)100%のHPB-ALL腫瘍の約20%のレベルでCD8を発現する、PF382(ヒトT細胞白血病)異種移植片腫瘍を担持するヌードマウスにおいて相補的実験を実施したところ、PF382腫瘍組織中の89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGの取り込みレベルは時間の関数として増加し、5日目に約15%のピークであった一方、血液プール中の89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGの取り込みレベルは、経時的に減少した。(【0202】) (h)異種移植片マウスにおけるHPB-ALL、PF382、TALL-1(TALL-1腫瘍中のCD8レベルは、PF382腫瘍中のものよりも低い)、及びDaudi腫瘍中の89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGの取り込みを直接比較すると、取り込みのピークでHPB-ALL腫瘍で40%超、PF382腫瘍で約15%、TALL-1腫瘍で約12%、及びDaudi腫瘍で5%未満であった。(【0203】) (i)組織のCD8濃度を89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGで測定することができることを確認した。(【0204】) 上記(d)~(i)では、実施例3で挙げられたCD8+異種移植片腫瘍であるHPB-ALLとCD8-異種移植片腫瘍であるDaudiが使用されているのに加え、(g)、(h)ではHPB-ALL腫瘍の約20%のレベルでCD8を発現する、PF382(ヒトT細胞白血病)異種移植片腫瘍が、(h)ではPF382腫瘍中のものよりも低いレベルでCD8を発現するTALL-1腫瘍が使用されている。これらのものを用いた測定結果は、CD8+異種移植片腫瘍であるHPB-ALLとCD8-異種移植片腫瘍であるDaudiが混在したキメラ腫瘍では、キメラ腫瘍に占めるHPB-ALLの割合が高いほど、高い割合で89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGが検出されたのに対し、血液プール中に存在する89Zr-huOKT8.v1-OAは速やかに減少しており(表8、図9A~B)、また、PF382やTALL-1をCD8+異種移植片腫瘍として用いた場合も、89Zr-huOKT8.v1-OAがCD8+腫瘍組織を検出できることが示されたものと理解できるとともに、HPB-ALLと比較して、その程度はCD8の発現割合と対応する関係にあること、血液プール中に存在する89Zr-huOKT8.v1-OAは速やかに減少していること(図10A~B、図11a、図11C)がわかり、腫瘍細胞を特異的に検出されたことを示しているといえる。 しかし、免疫細胞としてのCD8+細胞の検出という観点からは、上記(d)~(i)の試験系では腫瘍細胞とは別に腫瘍細胞を標的とする免疫細胞がいるわけではなく、HPB-ALL、PF382、及びTALL-1におけるCD8+細胞が免疫細胞のモデルとであると考える場合には、腫瘍に対応する細胞が存在しないことになるから、この試験においては、「腫瘍組織中の免疫細胞」又は「がんの診断、予後、療法選択、及び療法への応答に関する情報を提供することができる、インビボで免疫細胞」としてのCD8+細胞を検出できるかどうかは不明である。仮に検出できるものとしても、移植片に含まれるCD8+である腫瘍細胞と免疫細胞としてのCD8+細胞とを区別しないまま検出することとなるのは明らかである。 したがって、実施例4の結果では、腫瘍と区別して免疫細胞としてのCD8+細胞をモニタリングできると理解することができない。 オ 実施例5をみると、89Zr-huOKT8.v11-OA-LALAPGを用いたアカゲザルにおける分子画像化について、リンパ節、脾臓、及び胸腺における可視化、肝臓及び腎臓へのクリアランスが可視されたことが記載されている(図13~14)。 実施例2には、OKT8.v11は、ヒトCD8、カニクイザルCD8、及びアカゲザルCD8と結合することが記載されており(表7、図2B)、上記実施例5の結果はアカゲザルの組織中に含まれるCD8+細胞の分布を測定したものと考えられるところ、リンパ節、脾臓、胸腺はCD8に富む臓器であるから可視化できたこと、肝臓や腎臓は代謝や排泄に関わる臓器であり、代謝、排泄を受けるCD8+細胞が画像に反映されたことが理解でき、免疫細胞としてのCD8+細胞をモニタリングしたものということはできる。 しかしながら、分子画像化試験に用いられたアカゲザルは、腫瘍組織を有していたり、腫瘍組織が移植されたものではないから、実施例5はアカゲザルの体内で「腫瘍組織中の免疫細胞」又は「がんの診断、予後、療法選択、及び療法への応答に関する情報を提供することができる、インビボで免疫細胞」がどのように検出されるかについては記載されたものではない。また、実施例3、4のように、腫瘍組織が体内に存在する場合、腫瘍組織と血液プール等の他の組織との間で、抗体による検出状況が大きく変わってしまうことがあることを踏まえると、正常な個体におけるモニタリング結果が示されるのみでは、「腫瘍組織中の免疫細胞」又は「がんの診断、予後、療法選択、及び療法への応答に関する情報を提供することができる、インビボで免疫細胞」をモニタリングできたことを示すものとはいえない。 したがって、実施例5の結果では、腫瘍と区別して免疫細胞としてのCD8+細胞をモニタリングできると理解することができない。 カ 実施例6をみると、マウス及びカニクイザルにおけるhuOKT8.v11-OA-LALAPGの薬物動態試験及び毒物動態に関する試験について記載されている。 実施例7をみると、ヒトにおけるhuOKT8.v11-OA-LALAPGの薬物動態の予測及び安全因子の推定について記載されている。 実施例8をみると、微生物叢研究及び免疫表現型の特定のためにCD8画像化を使用する方法として、使用されるCD8画像化剤は、本明細書に開示されている任意の抗CD8抗体(例えば、huOKT8v.1、huOKT8v.9、huOKT8v.10、huOKT8v.11、huOKT8v.12、huOKT8v.15、及びhuOKT8v.17)であり得ることが記載されている。 実施例9をみると、例えば、本明細書に記載される抗CD8抗体または他のCD8画像化部分は、CD8+細胞による腫瘍及びリンパ節への浸潤を評価するために使用できることが記載されている。 しかしながら、実施例6や7で示された結果はあくまで抗体に関する薬物動態に関する試験結果であって、免疫細胞としてのCD8+細胞の量及び時間の分布の変化をモニタリングしたものではなく、腫瘍組織を対象としたものでもない。また、実施例8、9は具体的な試験結果が示されているわけでもない。そうすると、いずれの場合であっても、腫瘍と区別して免疫細胞としてのCD8+細胞をモニタリングしたことを示したものではない。 キ 実施例以外の発明の詳細な説明をみると、請求項1に記載されるCDR-L1~L3及びCDR-H1~H3のアミノ酸配列の組み合わせや、配列番号20及び21でアミノ酸配列が表されるVH及びVL配列、「ノブ」変異及び「ホール」変異を用いたワンアームド抗体の構築、製造された抗CD8抗体を用いたCD8+細胞の検出、局在化、及び/または画像化、がんに罹患している対象における腫瘍内のCD8+T細胞の数の決定について記載されている。 しかしながら、いずれの場合であっても、免疫細胞としてのCD8+細胞の量及び時間の分布の変化をモニタリングした結果が示されておらず、腫瘍組織を対象として試験を行った結果が示されているわけでもない。そうすると、いずれの場合であっても、腫瘍と区別して免疫細胞としてのCD8+細胞をモニタリングしたことを示したものではない。 (4) サポート要件の適否に関する検討 本願発明は「ヒトCD8と結合し、かつCD8+細胞障害性T細胞の活性化を刺激または阻害しない、対象においてCD8+細胞障害性T細胞を検出するための抗CD8抗体」であるところ、(3)で検討したように、実施例3~5や他の実施例、発明の詳細な説明における記載や当業者における技術常識を踏まえても、腫瘍と区別して免疫細胞としてのCD8+細胞をモニタリングできると理解することができない。 したがって、本願発明について、発明の詳細な説明の記載と当業者における技術常識を踏まえても、本願発明の抗体を用いて、本願課題を解決できたとはいえず、サポート要件の判断規範を満足できたとはいえない。 (5) 小括 以上検討したとおり、発明の詳細な説明は、技術常識を踏まえても、本願発明によって本願課題を解決できると当業者が認識できるように記載されたとはいえず、本願発明は、特許法36条6項1号に規定されるサポート要件を満足するものではない。 3 請求人の主張について (1) 本願発明に関して当審が検討した上記2の点について、請求人は、令和7年12月23日提出の意見書において、以下の旨を主張して、本願が特許法36条6項1号に規定する要件を満たすことは明らかであると主張する。 本願明細書は、本願CD8+T細胞が、免疫系を担う「CD8+T細胞」である「細胞障害性T細胞」が存在する血液から単離され、抗CD3によるポリクローナルT細胞刺激へのCD8+T細胞応答、CD8+T細胞の破傷風トキソイドによるインビトロでの活性化、及びCD8抗体である抗OKT8.v11-OA-LALAPG等による循環からのCD8+T細胞の枯渇についての試験等に使用されたことを実証しており、これらの試験は、実施例2等、対象におけるCD8+T細胞の検出に関する検討に関連している。 (2) しかしながら、2で検討したとおり、請求人が根拠として主張する上記試験からは、「腫瘍組織中の免疫細胞としてのCD8+細胞の量及び時間の分布の変化をモニタリングするための方法及び試薬の提供」又は「がんの診断、予後、療法選択、及び療法への応答に関する情報を提供することができる、インビボで免疫細胞としてのCD8+細胞の量及び時間の分布の変化をモニタリングするための方法及び試薬の提供」という本願課題が解決できることを理解できるものではないから、上記主張は採用することができない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本願は、特許法36条6項1号に規定する要件を満たしておらず、特許を受けることができないものである。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-012696

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