審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2023-009355

媒体積載装置

審判番号
2023-009355
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-030234外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2023年06月07日
審決日
2024年06月07日
公報発行日
2024年08月30日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (B65H) / P18 .55 -Z (B65H) / P18 .575-Z (B65H)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第1号、特許法第17条の2第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019- 30234「媒体積載装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 8月31日出願公開、特開2020-132386〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成31年2月22日の出願であって、その手続の経緯の概略は次のとおりである。 令和4年11月14日付け:拒絶理由通知書 令和5年 1月6日:意見書、手続補正書の提出 同年 3月13日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) 同年 6月7日:審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和5年6月7日に提出された手続補正書による補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 令和5年6月7日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について 本件補正は、特許請求の範囲を全文にわたって補正をするものであるところ、特許請求の範囲について、下記(1)に示す本件補正前の(すなわち、令和5年1月6日に提出された手続補正書により補正された)特許請求の範囲の請求項1~16を、下記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1~13へと補正するものである。(下線は審決で付した。以下同じ。) (1)本件補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正前の特許請求の範囲の記載は次のとおりである。 「 【請求項1】 処理部により処理された媒体を積載する媒体積載部と、 前記媒体の後端に接触可能で、前記媒体を搬送する搬送部と、 前記搬送部により搬送される前記媒体が突き当てられる媒体突き当て部と、 前記媒体突き当て部に突き当てられて整合される前記媒体を前記媒体積載部に向かって押さえる押さえ部と、 を備え、 前記押さえ部は、前記媒体が突き当てられる突き当て方向において、前記搬送部が前記媒体に接触する位置と、前記媒体突き当て部との間の位置で前記媒体を押さえ、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して第1の力を加える第1押さえモードと、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して前記第1の力よりも強い第2の力を加える第2押さえモードと、 を有することを特徴とする媒体積載装置。 【請求項2】 前記媒体を整合する間は前記第1押さえモードを適用し、前記媒体が整合された後は前記第2押さえモードを適用することを特徴とする請求項1に記載の媒体積載装置。 【請求項3】 前記搬送部は、回転することによって前記媒体を搬送し、 前記搬送部が回転している間は前記第1押さえモードを適用し、前記搬送部の回転を停止した後は前記第2押さえモードを適用することを特徴とする請求項2に記載の媒体積載 装置。 【請求項4】 処理部により処理された媒体を積載する媒体積載部と、 回転することによって前記媒体を搬送する搬送部と、 前記搬送部により搬送される前記媒体が突き当てられる媒体突き当て部と、 前記媒体突き当て部に突き当てられて整合される前記媒体を前記媒体積載部に向かって押さえる押さえ部と、 を備え、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して第1の力を加える第1押さえモードと、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して前記第1の力よりも強い第2の力を加える第2押さえモードと、 を有し、 前記搬送部が回転している間は前記第1押さえモードを適用し、前記搬送部の回転を停止した後は前記第2押さえモードを適用する、 ことを特徴とする媒体積載装置。 【請求項5】 前記押さえ部を前記媒体積載部に向けて付勢可能な付勢部材をさらに備え、 前記第2押さえモード時における前記付勢部材の付勢力は、前記第1押さえモード時における前記付勢部材の付勢力よりも大きいことを特徴とする請求項1~請求項4の何れか一項に記載の媒体積載装置。 【請求項6】 前記押さえ部を前記媒体積載部に向けて押圧可能な押圧部をさらに備え、 前記押さえ部は弾性部材で構成され、 前記第2押さえモード時において前記押圧部が前記押さえ部を押圧する力は、前記第1押さえモード時において前記押圧部が前記押さえ部を押圧する力よりも大きいことを特徴とする請求項1~請求項4の何れか一項に記載の媒体積載装置。 【請求項7】 処理部により処理された媒体を積載する媒体積載部と、 前記媒体を搬送する搬送部と、 前記搬送部により搬送される前記媒体が突き当てられる媒体突き当て部と、 前記媒体突き当て部に突き当てられて整合される前記媒体を前記媒体積載部に向かって押さえる押さえ部と、 前記押さえ部を前記媒体積載部に向けて付勢可能な付勢部材と、 を備え、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して第1の力を加える第1押さえモードと、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して前記第1の力よりも強い第2の力を加える第2押さえモードと、 を有し、 前記付勢部材は、前記第1押さえモード及び前記第2押さえモードにおいて、前記押さえ部を前記媒体積載部に向けて付勢し、 前記第2押さえモード時における前記付勢部材の付勢力は、前記第1押さえモード時における前記付勢部材の付勢力よりも大きい、 ことを特徴とする媒体積載装置。 【請求項8】 処理部により処理された媒体を積載する媒体積載部と、 前記媒体を搬送する搬送部と、 前記搬送部により搬送される前記媒体が突き当てられる媒体突き当て部と、 前記媒体突き当て部に突き当てられて整合される前記媒体を前記媒体積載部に向かって押さえる押さえ部と、 前記押さえ部を前記媒体積載部に向けて押圧可能な押圧部と、 を備え、 前記押さえ部は弾性部材で構成され、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して第1の力を加える第1押さえモードと、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して前記第1の力よりも強い第2の力を加える第2押さえモードと、 を有し、 前記押圧部は、前記第1押さえモード及び前記第2押さえモードにおいて、前記押さえ部を前記媒体積載部に向けて押圧し、 前記第2押さえモード時において前記押圧部が前記押さえ部を押圧する力は、前記第1押さえモード時において前記押圧部が前記押さえ部を押圧する力よりも大きい ことを特徴とする媒体積載装置。 【請求項9】 前記搬送部は、前記媒体積載部との間に前記媒体を挟んで回転して該媒体を前記媒体突き当て部に向けて搬送し、 前記押圧部が前記押さえ部を押圧する力は、前記搬送部の回転に連動して変化することを特徴とする請求項6又は請求項8に記載の媒体積載装置。 【請求項10】 前記押圧部は、前記搬送部の回転に連動して回転することで、前記押さえ部を押圧する力を変化させるカムを有することを特徴とする請求項9に記載の媒体積載装置。 【請求項11】 前記搬送部は、弾性変形可能な送り部が回転して前記媒体を搬送し、 前記送り部が変形しない状態で回転を停止する第1停止モードと、 前記送り部が前記媒体積載部との間に前記媒体を挟んで前記送り部が変形した状態で回転を停止する第2停止モードと、 を有することを特徴とする請求項1~請求項10のうち何れか一項に記載の媒体積載装置。 【請求項12】 前記第2押さえモードを適用するときには、前記第2停止モードを適用することを特徴とする請求項11に記載の媒体積載装置。 【請求項13】 処理部により処理された媒体を積載する媒体積載部と、 前記媒体を搬送する搬送部と、 前記搬送部により搬送される前記媒体が突き当てられる媒体突き当て部と、 前記媒体突き当て部に突き当てられて整合される前記媒体を前記媒体積載部に向かって押さえる押さえ部と、 前記媒体積載部に積載された前記媒体を送り出す送出機構と、 を備え、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して第1の力を加える第1押さえモードと、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して前記第1の力よりも強い第2の力を加える第2押さえモードと、 を有し、 前記送出機構によって前記媒体を送り出すときに、前記第1押さえモードを適用する、 ことを特徴とする媒体積載装置。 【請求項14】 前記搬送部は、弾性変形可能な送り部が回転して前記媒体を搬送し、 前記送り部が変形しない状態で回転を停止する第1停止モードと、 前記送り部が前記媒体積載部との間に前記媒体を挟んで前記送り部が変形した状態で回 転を停止する第2停止モードと、 を有し、 前記送出機構によって前記媒体を送り出すときに、前記第1停止モードを適用すること を特徴とする請求項13に記載の媒体積載装置。 【請求項15】 処理部により処理された媒体を積載する媒体積載部と、 前記媒体を搬送する搬送部と、 前記搬送部により搬送される前記媒体が突き当てられる媒体突き当て部と、 前記媒体突き当て部に突き当てられて整合される前記媒体を前記媒体積載部に向かって押さえる押さえ部と、 前記媒体積載部に積載された前記媒体に後処理を施す後処理部と、 を備え、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して第1の力を加える第1押さえモードと、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して前記第1の力よりも強い第2の力を加える第2押さえモードと、 を有し、 前記後処理部が前記媒体に前記後処理を行う間は、前記第2押さえモードを適用する、 ことを特徴とする後処理装置。 【請求項16】 前記搬送部は、弾性変形可能な送り部が回転して前記媒体を搬送し、 前記送り部が変形しない状態で回転を停止する第1停止モードと、 前記送り部が前記媒体積載部との間に前記媒体を挟んで前記送り部が変形した状態で回転を停止する第2停止モードと、 を有し、 前記後処理部が前記媒体に前記後処理を行う間は、前記第2停止モードを適用することを特徴とする請求項15に記載の後処理装置。」 (2)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の記載は、次のとおり補正された。 「 【請求項1】 処理部により処理された媒体を積載する媒体積載部と、 前記媒体の後端に接触可能で、前記媒体を搬送する搬送部と、 前記搬送部により搬送される前記媒体が突き当てられる媒体突き当て部と、 前記媒体突き当て部に突き当てられて整合される前記媒体を前記媒体積載部に向かって押さえる押さえ部と、 を備え、 前記搬送部は、前記媒体の後端に接触して前記媒体を搬送することで、前記媒体を前記媒体突き当て部に突き当て、 前記押さえ部は、前記媒体が突き当てられる突き当て方向において、前記搬送部が前記媒体に接触する位置と、前記媒体突き当て部との間の位置で前記媒体を押さえ、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して第1の力を加える第1押さえモードと、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して前記第1の力よりも強い第2の力を加える第2押さえモードと、 を有することを特徴とする媒体積載装置。 【請求項2】 前記媒体を整合する間は前記第1押さえモードを適用し、前記媒体が整合された後は前記第2押さえモードを適用することを特徴とする請求項1に記載の媒体積載装置。 【請求項3】 前記搬送部は、回転することによって前記媒体を搬送し、 前記搬送部が回転している間は前記第1押さえモードを適用し、前記搬送部の回転を停止した後は前記第2押さえモードを適用することを特徴とする請求項2に記載の媒体積載装置。 【請求項4】 処理部により処理された媒体を積載する媒体積載部と、 回転することによって前記媒体を搬送する搬送部と、 前記搬送部により搬送される前記媒体が突き当てられる媒体突き当て部と、 前記媒体突き当て部に突き当てられて整合される前記媒体を前記媒体積載部に向かって押さえる押さえ部と、 を備え、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して第1の力を加える第1押さえモードと、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して前記第1の力よりも強い第2の力を加える第2押さえモードと、 を有し、 前記搬送部が回転している間は前記第1押さえモードを適用し、前記搬送部の回転を停止した後は前記第2押さえモードを適用する、 ことを特徴とする媒体積載装置。 【請求項5】 前記押さえ部を前記媒体積載部に向けて付勢可能な付勢部材をさらに備え、 前記第2押さえモード時における前記付勢部材の付勢力は、前記第1押さえモード時における前記付勢部材の付勢力よりも大きいことを特徴とする請求項1~請求項4の何れか一項に記載の媒体積載装置。 【請求項6】 前記押さえ部を前記媒体積載部に向けて押圧可能な押圧部をさらに備え、 前記押さえ部は弾性部材で構成され、 前記第2押さえモード時において前記押圧部が前記押さえ部を押圧する力は、前記第1押さえモード時において前記押圧部が前記押さえ部を押圧する力よりも大きいことを特徴とする請求項1~請求項4の何れか一項に記載の媒体積載装置。 【請求項7】 処理部により処理された媒体を積載する媒体積載部と、 前記媒体を搬送する搬送部と、 前記搬送部により搬送される前記媒体が突き当てられる媒体突き当て部と、 前記媒体突き当て部に突き当てられて整合される前記媒体を前記媒体積載部に向かって押さえる押さえ部と、 前記押さえ部を前記媒体積載部に向けて押圧可能な押圧部と、 を備え、 前記押さえ部は弾性部材で構成され、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して第1の力を加える第1押さえモードと、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して前記第1の力よりも強い第2の力を加える第2押さえモードと、 を有し、 前記押圧部は、前記第1押さえモード及び前記第2押さえモードにおいて、前記押さえ部を前記媒体積載部に向けて押圧し、 前記第2押さえモード時において前記押圧部が前記押さえ部を押圧する力は、前記第1押さえモード時において前記押圧部が前記押さえ部を押圧する力よりも大きい ことを特徴とする媒体積載装置。 【請求項8】 前記搬送部は、前記媒体積載部との間に前記媒体を挟んで回転して該媒体を前記媒体突き当て部に向けて搬送し、 前記押圧部が前記押さえ部を押圧する力は、前記搬送部の回転に連動して変化することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の媒体積載装置。 【請求項9】 前記押圧部は、前記搬送部の回転に連動して回転することで、前記押さえ部を押圧する力を変化させるカムを有することを特徴とする請求項8に記載の媒体積載装置。 【請求項10】 前記搬送部は、弾性変形可能な送り部が回転して前記媒体を搬送し、 前記送り部が変形しない状態で回転を停止する第1停止モードと、 前記送り部が前記媒体積載部との間に前記媒体を挟んで前記送り部が変形した状態で回転を停止する第2停止モードと、 を有することを特徴とする請求項1~請求項9のうち何れか一項に記載の媒体積載装置。 【請求項11】 前記第2押さえモードを適用するときには、前記第2停止モードを適用することを特徴とする請求項10に記載の媒体積載装置。 【請求項12】 処理部により処理された媒体を積載する媒体積載部と、 前記媒体を搬送する搬送部と、 前記搬送部により搬送される前記媒体が突き当てられる媒体突き当て部と、 前記媒体突き当て部に突き当てられて整合される前記媒体を前記媒体積載部に向かって押さえる押さえ部と、 前記媒体積載部に積載された前記媒体に後処理を施す後処理部と、 を備え、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して第1の力を加える第1押さえモードと、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して前記第1の力よりも強い第2の力を加える第2 押さえモードと、 を有し、 前記後処理部が前記媒体に前記後処理を行う間は、前記第2押さえモードを適用する、 ことを特徴とする後処理装置。 【請求項13】 前記搬送部は、弾性変形可能な送り部が回転して前記媒体を搬送し、 前記送り部が変形しない状態で回転を停止する第1停止モードと、 前記送り部が前記媒体積載部との間に前記媒体を挟んで前記送り部が変形した状態で回転を停止する第2停止モードと、 を有し、 前記後処理部が前記媒体に前記後処理を行う間は、前記第2停止モードを適用することを特徴とする請求項12に記載の後処理装置。」 (3)本件補正の内容 上記(1)及び(2)によれば、本件補正は、次の補正事項からなるものである。 補正事項1:本件補正前の請求項1の「搬送部」について、「前記媒体の後端に接触して前記媒体を搬送することで、前記媒体を前記媒体突き当て部に突き当て」るという事項を追加する補正。 補正事項2:本件補正前の請求項7、13、14を削除し、請求項7、13、14の削除に伴い、本件補正前の請求項8~11の項番を1つずつ、本件補正前の請求項15、16の項番を3つずつ繰り上げる補正。 2 本件補正の適否 (1)新規事項 補正事項1について、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載されていた事項であるか検討する。 補正事項1に関連して、当初明細書等には以下の記載がある。 「【0028】 図5に示すように、回転機構37は、ベルトモーター40を逆転駆動して搬送ベルト29を第2回転方向A2に回転させることで、媒体12を第2搬送方向Y2に搬送する。第2ガイド位置に位置する可動ガイド56は、第2搬送方向Y2に搬送される媒体12の上面に接触し、媒体12を吸着面29aから剥がす。可動ガイド56により吸着面29aから剥がされた媒体12は、搬送ベルト29の下に位置する媒体積載部32に受け止められる。 【0029】 次に、媒体積載装置28の一実施形態について説明する。 図6に示すように、媒体積載装置28は、媒体積載部32と、搬送ベルト29から剥がされた媒体12を搬送する搬送部60と、搬送部60により搬送される媒体12が突き当てられる媒体突き当て部61と、を備える。媒体積載部32は、媒体突き当て部61に突き当てられて整合される媒体12を媒体積載部32に向かって押さえる押さえ部62を備える。媒体積載部32は、媒体突き当て部61が位置する側の端が反対側の端よりも鉛直方向Zの下方に位置するように斜めに設けると、媒体突き当て部61に突き当てられる媒体12を整合しやすくすることができる。 【0030】 搬送部60は、弾性変形可能な送り部64を有するパドル65と、パドル65を回転可能に支持する回転軸66と、回転軸66を回転させる送りモーター67と、を備える。搬送部60は、送りモーター67の出力軸を回転軸66に直接連結して回転軸66を回転させてもよいし、ベルトや歯車などを介して駆動力を伝達し、回転軸66を回転させてもよい。搬送部60は、送り部64が媒体積載部32との間に媒体12を挟む状態で回転し、媒体12を媒体突き当て部61に向けて突き当て方向Y3に搬送する。押さえ部62は、突き当て方向Y3において搬送部60が媒体12に接触する位置と、媒体突き当て部61と、の間の位置で媒体12を押さえる。」 「図5 [図:0001412969000001.jpg] 」 ここで、補正事項1の「搬送部は」、「媒体を搬送することで、前記媒体を前記媒体突き当て部に突き当て」ることについて、当初明細書等には、「搬送部60は、送り部64が媒体積載部32との間に媒体12を挟む状態で回転し、媒体12を媒体突き当て部61に向けて突き当て方向Y3に搬送する。」(段落【0030】)と記載されている。 一方で、補正事項1の「搬送部は、媒体の後端に接触して、前記媒体を搬送する」ことについて、当初明細書等(段落【0030】)には、「媒体12を媒体突き当て部61に向けて突き当て方向Y3に搬送する」時に、「送り部64が媒体積載部32との間に媒体12を挟む状態で回転」して搬送することは記載されているが、搬送部が媒体の後端に接触して、媒体を搬送することは記載されていない。 また、当初明細書等(段落【0028】)には、「図5に示すように・・・媒体12を第2搬送方向Y2に搬送する。第2ガイド位置に位置する可動ガイド56は、第2搬送方向Y2に搬送される媒体12の上面に接触し、媒体12を吸着面29aから剥がす。可動ガイド56により吸着面29aから剥がされた媒体12は、搬送ベルト29の下に位置する媒体積載部32に受け止められる。」と記載されていることから、可動ガイド56の第2ガイド位置は、図5に示す位置であり、媒体12を吸着面29aから剥がし、搬送ベルト29の下に位置する媒体積載部32に搬送するようにガイドする位置であると認められる。そして、当初明細書等(段落【0028】)には、「第2ガイド位置に位置する可動ガイド56」により「吸着面29aから剥がされた媒体12は、搬送ベルト29の下に位置する媒体積載部32に受け止められ」(【0028】)、「搬送部60は、送り部64が媒体積載部32との間に媒体12を挟む状態で回転し、媒体12を媒体突き当て部61に向けて突き当て方向Y3に搬送する」(【0030】)と記載されている。しかしながら、吸着面29aから剥がされた媒体12が媒体積載部32に受け止められ、搬送部60(送り部64)と媒体積載部で挟まれる時に、媒体12の後端がちょうど搬送部60に接触するには、可動ガイド56を第2ガイド位置にするタイミングや傾斜角度等を制御する必要があるが、その点について当初明細書等には記載されていないし、自明な事項でもない。 そうすると、補正事項1の「搬送部は、前記媒体の後端に接触して媒体を搬送することで、媒体を前記媒体突き当て部に突き当て」るという事項は、当初明細書等から自明な事項や技術常識から導かれる事項でもないため、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。 以上のとおりであるから、本件補正は、当初明細書等に記載された事項の範囲内においてするものとはいえず、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 以上のとおり、本件補正は特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 (2)補正の目的 上記(1)のとおり、本件補正は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであるところ、新たな技術的事項を導入するものでないとして、補正の目的について、以下、検討する。 ア 補正事項1 補正事項1は、本件補正前の請求項1に係る発明の発明特定事項である「搬送部」について、「前記媒体の後端に接触可能で、前記媒体を搬送する」ものであり、「媒体突き当て部」に「突き当てられる」「媒体」を搬送するものと特定されていたところ、「前記媒体の後端に接触して前記媒体を搬送することで、前記媒体を前記媒体突き当て部に突き当て」るものとして限定するものである。 また、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 したがって、補正事項は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 補正事項2 上記2(3)に記載のとおり、補正事項2は、本件補正前の請求項7、13、14を削除する補正であり、本件補正前の請求項7、13、14が削除されたことに伴い項番が繰り上げられたものである。 したがって、補正事項2は、特許法第17条の2第5項第1号に掲げる「請求項の削除」を目的とするものに該当する。 3 独立特許要件について 上記2(1)のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであるが、上記2(2)のとおり、仮に本件補正に含まれる上記補正事項が当初明細書等に記載された事項の範囲内においてするものとして補正されたとした場合には、請求項1に係る補正は、同条第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるので、本件補正後の請求項1に係る発明(令和5年6月7日に提出された手続補正書の特許請求の範囲に記載された事項により特定される、上記「1(2)本件補正後の特許請求の範囲」の【請求項1】(以下、「本件補正発明1」という。))が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下に検討する。 (1)本件補正後の請求項1に係る発明 本件補正発明1は、上記「1(2)本件補正後の特許請求の範囲」の【請求項1】に記載された事項により特定されるものと認められる。 (2)引用文献1の記載事項及び引用発明1の認定 ア 引用文献1の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願日前である平成23年4月7日に頒布された刊行物である特開2011-68498号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている。 (ア)「【0016】 同図において、100はレーザビームプリンタ、100Aはレーザビームプリンタ本体(以下、プリンタ本体という)であり、このレーザビームプリンタ100は単独にコンピュータ、或いはLAN等のネットワークに接続され、これらコンピュータやネットワークから送られた画像情報やプリント信号等に基づいて、所定の画像形成プロセスによってシートに画像形成(印字)し、排出するようになっている。 【0017】 また、300はシート処理装置であり、このシート処理装置300は、プリンタ本体100Aの上方に配されると共に、プリンタ本体100Aから機外に排出されるシートを順次装置内に取り込んだ後、このシートをシート積載部である中間トレイ15に載置し、この後、整合を行い、所定のジョブ毎にシートを束ねて当該シートの1ヶ所又は複数箇所をステイプルするようになっている。なお、このシート処理装置300は、単にシートを排紙トレイ50に排出積載することもできるようになっている。 ・・・ 【0019】 プリンタ本体100Aでは、給送カセット200内にシートS が複数枚積載され、各種ローラによって最上位のシートS 1 が順次1 枚ずつ分離給送されるようになっている。そして、コンピュータやネットワークから供給された所定のプリント信号により、給送カセット200から給送されたシートSは、まず所謂レーザービーム方式の画像形成プロセスによりトナー画像を形成する画像形成部101において上面にトナー画像が転写され、続いて下流側の定着器120で熱及び圧力を加えられることにより、このトナー画像が永久定着される。 【0020】 次に、画像が定着されたシートSは、排出ローラ130に至るまでの略U 字状のシート搬送路で折り返されることにより画像面が反転し、このように画像面が下側になった状態でプリンタ本体100Aから外部にフェースダウンで排出される。 【0021】 ここで、このシートSは不図示の制御手段からの制御信号に基づいて回動するプリンタ本体100Aのフラッパ150の位置に応じて、例えば排出ローラ130によってプリンタ本体100の上部に設けられたフェースダウン(FD)排出部125に排出されるか、シート処理装置300の中間トレイ15に排出されるかが選択されるようになっている。 【0022】 次に、シート処理装置300の構成について説明する。 【0023】 図2は、シート処理装置300の拡大図であり、図2において、1は上部入口ガイド、2は下部入口ガイドであり、プリンタ本体100Aから排出されるシートSは、上部入口ガイド1及び下部入口ガイド2にガイドされながら、上部中間ローラ4と下部中間ローラ13によって、中間トレイ15へと搬送される。なお、点線で示した部分は、後述するステイプル等の処理を行うための中間積載部14である。 【0024】 そして、このように中間トレイ15の上方に設けられ、シートSを中間トレイ15へと排出する排出ローラである中間ローラ対4,13によって中間トレイ15へと搬送されてきたシートSは、搬送ガイド6により、上部排紙ローラ8及び下部排紙ローラ17へとガイドされ、この後、この排紙ローラ対8,17により搬送され、やがてシート後端が中間ローラ対4,13を通過すると、紙落としフラグ5により後端が下方に押圧され、これによりシートSは中間トレイ15へと落下する。 【0025】 次に、このように中間トレイ15上に落下したシートSは、この後、戻し手段(移動手段)である戻しローラ7によりシート搬送方向と逆方向に搬送され、これによりシートSの後端は、シートのシート搬送方向の整合を行うための基準壁である整合基準壁11へと突き当てられる。なお、排紙ローラ対8,17は離間可能となっており、このようにシートSが逆送されるとき、排紙ローラ対8,17は離間した状態となっている。 【0026】 次に、このようにシートSのシート搬送方向の整合が行われた後、図3に示すシートSのシート搬送方向と直交する幅方向の位置の整合を行う幅方向整合手段30が、想像線で示す待機位置から、シートSが幅方向基準壁31に突き当るまで矢印方向に移動し、シートSの幅方向の整合動作を行う。 【0027】 そして、このようなシートのシート搬送方向の整合動作及び幅方向の整合動作を繰り返して中間トレイ15に所定枚数のシートSをスタックした後、ステイプラ32によりシート端部に綴じ処理を行う。なお、このように綴じ処理が行われた後、シート束は排紙ローラ対8,17により図1 に示す排紙トレイ50に排出される。なお、図2において、18は満載検知フラグであり、制御手段は、この満載検知フラグ18により排紙トレイ50上のシートSの満載を検知するようにしている。 【0028】 ところで、図2に示すように整合基準壁11と戻しローラ7との間には、整合基準壁11に向けて搬送されたシートSの先端をガイドするガイド手段である上ガイド12が設けられている。そして、この上ガイド12により、戻しローラ7によって戻されたシートSの後端を整合基準壁11へとガイドし、突き当てるようにしている。 【0029】 ここで、この上ガイド12は支点12aにより回動自在に保持されており、上ガイド12は支点12aよりも整合基準壁側で中間トレイ15のシート載置面15aに接するようになっており、これによりシートSを第1の付勢力で付勢しつつスムーズに案内することができるようになっている。通常は、自重(第1の付勢力)により先端が、中間トレイ15のシート載置面15aに接している位置にあり、戻されたシートSが当接すると、上ガイド12は図4の矢印に示すようにシートSに押されて上方に回動しながらシートSを整合基準壁11に向けてガイドするようになっている。 【0030】 なお、シートSを整合基準壁11に確実に突き当てるため、戻しローラ7はシートSを余分に戻すよう制御される。このとき、上ガイド12はシートSを余分に戻すために発生するループを押さえ込む役目もしている。ここで、本実施形態においては、上ガイド12の自重により中間トレイ15に接するよう第1の付勢力を設定しているが、シートSの剛性等によっては、ループを確実に押さえ込むことができるよう、バネ等の付勢手段をさらに設けてシートガイド時の第1の付勢力を調整しても良い。 【0031】 このようなシートガイド時の第1の付勢力はシートSに押されて上方に回動しつつ、シートSに発生するループを押え込む範囲に設定される。シートSに押されて上方に回動できないような第1の付勢力が設定された場合には、ジャムの発生、あるいはシートSの破損等を招く可能性がある。 【0032】 また、この上ガイド12はシートSの後端が整合基準壁11に突き当った後は、自重(第1の付勢力)によりシートSを押えるようになっている。そして、このようにシートSを押えることにより、シートSがカールしている場合には、シートSのカールを押えることができる。 【0033】 ところで、図2において、10はリンクレバーであり、このリンクレバー10は、リンクレバー10と共に上ガイド12を整合基準壁11により後端位置が規制されたシートSを押圧する方向に付勢する付勢手段を構成するアクチュエータとしてのソレノイド9により作動し、上ガイド12を下方回動させるようにしている。そして、このように上ガイド12を下方回動させると、通常は、自重(第1の付勢力)により先端が中間トレイ15に接する位置にある上ガイド12が、図5の矢印に示すようにシートSを中間トレイ15のシート積載面15aへと押えこむ位置に移動するようになっている。 【0034】 そして、このように上ガイド12がシートSを中間トレイ15のシート積載面15aへと押えこむ位置に移動することにより、自重(第1の付勢力)によりシートSを押える場合に比べて大きな第2の付勢力で、シートSを中間トレイ15へと押えこむことができる。 【0035】 即ち、上ガイド12は、通常は、自重(第1の付勢力)により先端が中間トレイ15に接する位置にあり、ソレノイド9が作動すると、リンクレバー10を介して自重による第1の付勢力よりも大きな第2の付勢力で、シートSを中間トレイ15へと押えこむことができる。そして、このように上ガイド12によりシートSを押え込むことにより、この後、後続シートS2が中間トレイ15へ積載されるときも、先行シートSが後続シートS2により押し出されるのを防ぐことができる。」 (イ)「図5 [図:0001412969000002.jpg] 」 (ウ)上記(ア)の段落【0025】より、シートSは戻しローラ7によりシート搬送方向と逆方向に搬送されるので、戻しローラ7はシートを搬送するものであると認められる。 (エ)上記(イ)より、上ガイド12は、シートSが整合基準壁11に突き当てられる突き当て方向において、戻しローラ7がシートSに接触する位置と、整合基準壁11との間の位置でシートSを押さえていることが看取できる。 上記(ア)~(エ)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。 「画像形成部において上面にトナー画像が転写されてトナー画像が定着されたシートが排出され、シート積載部である中間トレイと、 中間トレイ上に落下したシートを搬送する戻しローラと、 戻しローラにより搬送されるシートが突き当てられる整合基準壁と、 シート搬送方向の整合を行うための基準壁である整合基準壁へと突き当てられるシートを中間トレイへ押さえこむ上ガイドと、 を備え、 中間トレイへと搬送されてきたシートは、搬送ガイドにより、上部排紙ローラ及び下部排紙ローラへとガイドされ、戻しローラによりシート搬送方向と逆方向に搬送され、 上ガイドは、シートが整合基準壁に突き当てられる突き当て方向において、戻しローラがシートに接触する位置と、整合基準壁との間の位置でシートを押さえ、 上ガイドは、第1の付勢力により中間トレイに接し、 第1の付勢力によりシートを押える場合に比べて大きな第2の付勢力で、シートを中間トレイへと押えこむことができ、 シートをシート積載部である中間トレイに載置し、この後、整合を行う、 シート処理装置。」 (3)対比 本件補正発明1と引用発明1とを対比する。 ア 引用発明1の「シート」、「中間トレイ」、「戻しローラ」、「整合基準壁」、「上ガイド」は、本件補正発明1の「媒体」、「媒体積載部」、「搬送部」、「媒体突き当て部」、「押さえ部」にそれぞれ相当する。 イ 引用発明1の「画像形成部」は、シートにトナー画像を転写するという処理を行っていると認められるので、本件発補正明1の「処理部」に相当する。 ウ 引用発明1の「中間トレイ」は、「画像形成部において上面にトナー画像が転写されてトナー画像が定着されたシートが排出され、シート積載部で」あるので、「画像形成部において上面にトナー画像が転写され」る処理がなされたシートが積載されるものである。そうすると、本件補正発明1の「媒体積載部」と、引用発明1の「中間トレイ」とは、「処理部により処理された媒体を積載する」ものである点で一致する。 エ 引用発明1の「シートを搬送する戻しローラ」は、本件補正発明1の「媒体を搬送する搬送部」に相当する。 オ 引用発明1の「戻しローラにより搬送されるシートが突き当てられる整合基準壁」は、本件補正発明1の「搬送部により搬送される前記媒体が突き当てられる媒体突き当て部」に相当する。 カ 引用発明1の「シート搬送方向の整合を行うための基準壁である整合基準壁へと突き当てられるシートを中間トレイへ押さえ込む上ガイド」は、本件補正発明1の「媒体突き当て部に突き当てられて整合される前記媒体を前記媒体積載部に向かって押さえる押さえ部」に相当する。 キ 引用発明1の「上ガイド」は、「シートが突き当てられる突き当て方向において、戻しローラがシートに接触する位置と、整合基準壁との間の位置でシートを押さえ」ていることから、本件補正発明1の「押さえ部」と引用発明1の「上ガイド」とは、「媒体が突き当てられる突き当て方向において、前記搬送部が前記媒体に接触する位置と、前記媒体突き当て部との間の位置で媒体を押さえ」るものである点で一致する。 ク 引用発明1の「上ガイド」は、「第1の付勢力により中間トレイに接し、第1の付勢力によりシートを押える場合に比べて大きな第2の付勢力で、シートを中間トレイへと押えこむことができる」ものである。そして、本件補正発明1の「第1押さえモード」及び「第2押さえモード」は、「媒体積載部に対して第1の力を加える」こと、及び「前記押さえ部が前記媒体積載部に対して前記第1の力よりも強い第2の力を加える」ことを示している。そうすると、引用発明1の「第1の付勢力により中間トレイに接」すること、及び「第1の付勢力によりシートを押える場合に比べて大きな第2の付勢力で、シートを中間トレイへと押えこむことができる」ことは、それぞれ、本件補正発明1の「押さえモード」及び「第2押さえモード」に相当する。 よって、本件補正発明1の「押さえ部」と引用発明1の「上ガイド」とは、「媒体積載部に対して第1の力を加える第1押さえモード」と、「前記押さえ部が前記媒体積載部に対して前記第1の力よりも強い第2の力を加える第2押さえモードとを有」しているとの概念で一致する。 ケ 引用発明1の「シート処理装置」は、シート積載部である中間トレイにシートを載置する装置であるので、本件発明1の「媒体積載装置」に相当する。 コ 上記ア~ケより、本件補正発明1と引用発明1とは、 「処理部により処理された媒体を積載する媒体積載部と、 前記媒体を搬送する搬送部と、 前記搬送部により搬送される前記媒体が突き当てられる媒体突き当て部と、 前記媒体突き当て部に突き当てられて整合される前記媒体を前記媒体積載部に向かって 押さえる押さえ部と、 を備え、 前記押さえ部は、前記媒体が突き当てられる突き当て方向において、前記搬送部が前記 媒体に接触する位置と、前記媒体突き当て部との間の位置で前記媒体を押さえ、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して第1の力を加える第1押さえモードと、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して前記第1の力よりも強い第2の力を加える第2押さえモードと、 を有することを特徴とする媒体積載装置」 である点で一致し、次の点で相違する。 相違点1:本件補正発明1は、「搬送部」が「媒体の後端に接触可能」であるのに対し、引用発明1は、「戻しローラ」が媒体の後端に接触可能か否か不明である点。 相違点2:本件補正発明1は、「搬送部」が「媒体の後端に接触して前記媒体を搬送することで、媒体を前記媒体突き当て部に突き当て」るのに対し、引用発明1は、「戻しローラ」が搬送しシートを整合基準壁に突き当てるが、その際に、シートの後端に接触してシートを搬送しているか否か不明である点。 (4)判断 上記相違点1、2について、検討する。 引用発明1の戻しローラは、中間トレイ上に落下したシートを、整合基準壁に突き当てるように搬送する役割しか負っていないので、整合基準壁に搬送さえできればよい。 また、引用発明1において、「中間トレイへと搬送されてきたシートは、搬送ガイドにより、上部排紙ローラ及び下部排紙ローラへとガイドされ、戻しローラによりシート搬送方向と逆方向に搬送され」るので、シートの後端が戻しローラに接触するまで、シート搬送方向(シート排出方向)に搬送することは可能であり、シートの後端が戻しローラに接触する位置において、シート搬送方向と逆方向に搬送するように戻しローラを作動させることに特段の困難性も見いだせない。 したがって、引用発明1において、戻しローラがシートの後端に接触して搬送するように構成することは、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。 したがって、本件補正発明1は、引用発明に基づいて、当業者が容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 そして、本件補正発明1の効果も、引用発明1から、当業者が予測し得る程度のものといえる。 (5)独立特許要件についての検討のまとめ 以上検討したように、本件補正発明1は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであって、本件補正発明1は、特許出願の際、独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において読み替えて準用する同法第126条第7項の規定に違反する。 4 補正の却下の決定のむすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 また、仮に、本件補正が、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するとしても、同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項で読み替えて準用する第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記第2のとおり却下された。 本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和5年1月6日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の【請求項1】に記載された事項により特定される、以下のとおりのものと認める。 「【請求項1】 処理部により処理された媒体を積載する媒体積載部と、 前記媒体の後端に接触可能で、前記媒体を搬送する搬送部と、 前記搬送部により搬送される前記媒体が突き当てられる媒体突き当て部と、 前記媒体突き当て部に突き当てられて整合される前記媒体を前記媒体積載部に向かって押さえる押さえ部と、 を備え、 前記押さえ部は、前記媒体が突き当てられる突き当て方向において、前記搬送部が前記媒体に接触する位置と、前記媒体突き当て部との間の位置で前記媒体を押さえ、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して第1の力を加える第1押さえモードと、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して前記第1の力よりも強い第2の力を加える第2押さえモードと、 を有することを特徴とする媒体積載装置。」 2 原査定の拒絶の理由 原査定の理由とされた、令和4年11月14日付け拒絶理由通知書に記載した理由の概要は、以下のものを含むものである。 (進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された引用文献1(特開2011-68498号公報)に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 3 引用文献 令和4年11月14日付け拒絶理由通知書で引用された引用文献、及びその記載内容は、上記「第2 3(2)」で認定したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、実質的に、本件補正発明1の「前記搬送部は、前記媒体の後端に接触して前記媒体を搬送することで、前記媒体を前記媒体突き当て部に突き当て」るとの特定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明と引用発明1とを対比すると、上記「第2 3 (3)」での検討を勘案すると、両者は、 「処理部により処理された媒体を積載する媒体積載部と、 前記媒体を搬送する搬送部と、 前記搬送部により搬送される前記媒体が突き当てられる媒体突き当て部と、 前記媒体突き当て部に突き当てられて整合される前記媒体を前記媒体積載部に向かって 押さえる押さえ部と、 を備え、 前記押さえ部は、前記媒体が突き当てられる突き当て方向において、前記搬送部が前記 媒体に接触する位置と、前記媒体突き当て部との間の位置で前記媒体を押さえ、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して第1の力を加える第1押さえモードと、 前記押さえ部が前記媒体積載部に対して前記第1の力よりも強い第2の力を加える第2 押さえモードと、 を有することを特徴とする媒体積載装置」 である点で一致し、次の点で相違する。 相違点1:本件補正発明1は、「搬送部」が「媒体の後端に接触可能」であるのに対し、引用発明1は、「戻しローラ」が媒体の後端に接触可能か否か不明である点。 そうすると、上記「第2 3(4)」の判断と同様に、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、本願発明は、特許法第29条第2項 の規定により、特許を受けることができない。 そして、本願発明の効果も、引用発明1から、当業者が予測し得る程度のものといえる。 第4 むすび 以上のとおりであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。 したがって、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2023-009355

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決221件(セイコーエプソン株式会社)
  • 2025-017134拒絶査定不服審判 / 2026-08-21 / 原査定取消(特許/登録すべき)投写システム、投写方法、及び投写プログラム
    同じ当事者: セイコーエプソン株式会社
  • 2025-008789拒絶査定不服審判 / 2026-08-04 / 原査定取消(特許/登録すべき)PETボトルの製造方法
    同じ当事者: セイコーエプソン株式会社
  • 2024-003222拒絶査定不服審判 / 2026-06-12 / 原査定取消(特許/登録すべき)インクジェット記録方法
    同じ当事者: セイコーエプソン株式会社
  • 2025-004097拒絶査定不服審判 / 2026-06-04 / 原査定取消(特許/登録すべき)時計用部品の製造方法および時計用部品
    同じ当事者: セイコーエプソン株式会社
  • 2025-011260拒絶査定不服審判 / 2026-05-27 / 原査定取消(特許/登録すべき)絶縁物被覆軟磁性粉末の製造方法
    同じ当事者: セイコーエプソン株式会社
検索でもっと見る →
同じ根拠条文の審決7,656件(特許法29条2項)
  • 2022-020434拒絶査定不服審判 / 2024-03-26 / 請求不成立ローラー、分離装置、画像読取装置及び記録装置
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2022-011949拒絶査定不服審判 / 2023-07-11 / 請求不成立樹脂フィルムの繰出し方法
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2021-008491拒絶査定不服審判 / 2022-09-27 / 請求不成立文具
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2020-017367拒絶査定不服審判 / 2021-11-24 / 請求不成立印刷装置および印刷装置の制御方法
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2019-003057拒絶査定不服審判 / 2020-01-20 / 請求不成立接着フィルム用リール及びこれに使用される連結体
    共通の条文: 特許法29条2項
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)166件(121・B65H、55・B65H、575・B65H)
  • 2024-008661拒絶査定不服審判 / 2025-06-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)画像記録装置
    共通の審決分類: 121・B65H、55・B65H
  • 2023-006821拒絶査定不服審判 / 2024-10-16 / 原査定取消(特許/登録すべき)二軸配向ポリエステルフィルムロール
    共通の審決分類: 121・B65H、55・B65H
  • 2022-020434拒絶査定不服審判 / 2024-03-26 / 請求不成立ローラー、分離装置、画像読取装置及び記録装置
    共通の審決分類: 121・B65H、575・B65H
  • 2022-015411拒絶査定不服審判 / 2024-01-05 / 原査定取消(特許/登録すべき)巻芯
    共通の審決分類: 121・B65H、55・B65H
  • 2022-007575拒絶査定不服審判 / 2023-10-31 / 原査定取消(特許/登録すべき)記録システム
    共通の審決分類: 121・B65H、55・B65H

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存