特許拒絶査定不服審判
2023-006967
管理システム、管理方法および管理プログラム
- 審判番号
- 2023-006967
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-140549
- 請求日
- 2023年04月27日
- 審決日
- 2024年01月22日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社富士通エフサス
- 【請求人代理人】弁理士法人酒井国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 渡邊 聡
- 審判官 松尾 俊介
- 審判官 相崎 裕恒
- 分類
- P18 .121-Z (G06Q)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022-140549「管理システム、管理方法および管理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年10月27日出願公開、特開2022-164912〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成30年3月26日の特許出願である特願2018-57606号の一部を令和3年6月14日に新たな特許出願とした特願2021-98519号の一部を、令和4年9月5日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 4年 9月26日 拒絶理由通知書(起案日)
令和 4年11月16日 意見書、手続補正書の提出
令和 5年 2月 9日 拒絶査定(起案日)
令和 5年 4月27日 審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和5年4月27日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和5年4月27日にされた手続補正を却下する。
[理由]
1 令和5年4月27日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)について
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線は、補正箇所を示すものとして、当審において付した。)
「【請求項1】
情報処理端末におけるログインおよびログオフを検知する検知部と、
前記検知部による検知内容に基づき、始業時刻前および終業時刻後において、前記ログインを検知してから前記ログオフを検知するまでの間、所定時間ごとに、操作入力を検知したか否かを判定し、前記操作入力を検知した各所定時間を合算することで、始業時刻前における情報処理端末の使用時間と、終業時刻後における情報処理端末の使用時間とを算出し、前記始業時刻前における情報処理端末の使用時間と、前記終業時刻後における情報処理端末の使用時間とを集計して、ユーザの時間外労働時間を算出する算出部と、
ユーザの前記時間外労働時間と、各部署に所属するユーザの指定された月の部署ごとの時間外労働時間の平均時間とのうち少なくとも一方を表示部に表示させる表示制御部と、
を備えることを特徴とする管理システム。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和4年11月16日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
情報処理端末におけるログインおよびログオフを検知する検知部と、
前記検知部による検知内容に基づき、始業時刻前における情報処理端末の使用時間と、終業時刻後における情報処理端末の使用時間とを集計して、ユーザの時間外労働時間を算出する算出部と、
ユーザの前記時間外労働時間と、各部署に所属するユーザの指定された月の部署ごとの時間外労働時間の平均時間とのうち少なくとも一方を表示部に表示させる表示制御部と、
を備えることを特徴とする管理システム。」
(3)補正事項
本件補正は、本件補正前の請求項1の「前記検知部による検知内容に基づき、始業時刻前における情報処理端末の使用時間と、終業時刻後における情報処理端末の使用時間とを集計して、ユーザの時間外労働時間を算出する算出部」の「始業時刻前における情報処理端末の使用時間と、終業時刻後における情報処理端末の使用時間とを集計」することに関して、本件補正前は、「前記検知部による検知内容に基づき、始業時刻前における情報処理端末の使用時間と、終業時刻後における情報処理端末の使用時間とを集計」としか特定されていなかったのに対し、本件補正後は、「前記検知部による検知内容に基づき、始業時刻前および終業時刻後において、前記ログインを検知してから前記ログオフを検知するまでの間、所定時間ごとに、操作入力を検知したか否かを判定し、前記操作入力を検知した各所定時間を合算することで、始業時刻前における情報処理端末の使用時間と、終業時刻後における情報処理端末の使用時間とを算出し、前記始業時刻前における情報処理端末の使用時間と、前記終業時刻後における情報処理端末の使用時間とを集計」するように特定する補正事項を含むものである。
すなわち、本件補正による補正事項は、「始業時刻前における情報処理端末の使用時間」、「終業時刻後における情報処理端末の使用時間」を「始業時刻前および終業時刻後において、前記ログインを検知してから前記ログオフを検知するまでの間、所定時間ごとに、操作入力を検知したか否かを判定し、前記操作入力を検知した各所定時間を合算することで」「算出する」構成を付加する補正事項であるといえる。
2 本件補正の適否
(1)上記補正事項について、本件補正が特許法第17条の2第3項の規定に適合するか否かについて検討する。
ア 上記補正事項に関して、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)には、以下のとおりの記載がある。
(ア)「【0020】
図18は、労働時間算出の一パターンを説明するための図である。図18に示すパターンは、図17の固定時間制で労働する労働者の場合を想定している。図18のパターンの場合、始業時刻は8時30分、終業時刻は17時30分、休憩時間が12時から13時まで、1日の労働時間は8時間と定められている。そして、労働者は、始業時刻である8時30分までに出社して、8時30分から労働を開始する。そして、終業時刻の17時30分を超えて労働する場合はその労働時間が残業時間、すなわち時間外労働時間となる。図18の場合、8時30分から12時までと、13時から17時30分まで労働すれば、1日の労働時間は8時間となり、その後19時まで労働すれば、1時間30分が時間外労働時間となる。」
(イ)「【0034】
労働時間記憶部111はたとえば、管理サーバ10の管理対象である各ユーザを一意に識別するための情報と対応付けて、各ユーザがクライアント20を使用して労働した時間を記憶する。たとえば、労働時間記憶部111は、ユーザを一意に識別するユーザID(Identifier)と、当該ユーザが使用するクライアント20を識別する情報と、を記憶する。またたとえば、労働時間記憶部111は、勤務日においてユーザがクライアント20を使用していた時間を示す情報を記憶する。たとえば、労働時間記憶部111は、クライアント20上でログイン操作およびログオフ操作が検知された日時を記憶する。また、たとえば、労働時間記憶部111は、クライアント20上で入力部(入出力部140のうち入力機能を有する部分。たとえばキーボードやマウス。)を介した操作入力が検知された日時を記憶する。また、たとえば、労働時間記憶部111は、クライアント20上での所定のファイルやページの使用や閲覧が検知された日時を記憶してもよい。
【0035】
図2は、労働時間記憶部111が記憶する情報の構成の一例を示す図である。図2の例では、「ユーザID」に対応付けて、「クライアントID」、「勤務日」、「総労働時間」、「ログイン・ログオフ」、「操作情報」が記憶される。「ユーザID」は、各ユーザを一意に識別するための情報である。「クライアントID」は当該ユーザが業務遂行に使用するクライアント20を一意に示す情報である。「勤務日」は当該ユーザが勤務する義務のある所定の日を特定する情報である。「総労働時間」は、対応する「勤務日」に当該ユーザが労働した時間の合計である。「総労働時間」は、対応する「勤務日」に当該ユーザがクライアント20を使用していた時間の長さを示す。「ログイン・ログオフ」は、対応する「勤務日」に当該クライアント20上でログイン操作およびログオフ操作が検知された時刻および操作の内容を示す。また、「操作情報」は、対応する「勤務日」に当該クライアント20上で入力部を介した操作入力等が検知された時刻および操作の内容を示す。労働時間記憶部111に記憶される「総労働時間」は、後述する算出部121による第1の算出処理または第2の算出処理により算出される。」
(ウ)「【0037】
タイミング記憶部112は、制御部120が処理を実行するタイミングに関する情報を記憶する。たとえば、タイミング記憶部112は、第1の所定期間におけるユーザの労働時間を算出するための第1の算出処理(図9参照)を実行する第1の所定のタイミングを記憶する。また、タイミング記憶部112は、第1の算出処理における対象期間である第1の所定期間を記憶する。また、タイミング記憶部112は、第1の所定期間における労働時間または時間外労働時間の限度として設定される第1の所定時間を記憶する。また、タイミング記憶部112は、制御部120が第2の算出処理(図12参照)を実行する第2の所定タイミングを記憶する。また、タイミング記憶部112は、第2の算出処理における対象期間である第2の所定期間を記憶する。また、タイミング記憶部112は、第2の所定期間中の所定勤務時間の合計、すなわち時間外労働とならない総労働時間である第2の所定時間を記憶する。
【0038】
図3は、タイミング記憶部112が記憶する情報の構成の一例を示す図である。図3の例では、「労働時間制」に対応付けて、「第1の所定タイミング」、「第1の所定期間」、「第1の所定時間」、「抑止処理」が記憶される。また、図3の例では、「労働時間制」に対応付けて、「第2の所定タイミング」、「第2の所定期間」、「第2の所定時間」が記憶される。なお、タイミングに関する情報は、「労働時間制」および「ユーザID」に対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合、同じ「労働時間制」が適用される複数のユーザ各々について異なるタイミングを設定するようにしてもよい。このように構成すれば、たとえば、同じ裁量労働制が適用されるユーザであっても、管理システム1は、異なる内容の労働パターンを各ユーザに適用して柔軟に管理することができる。
【0039】
たとえば、図3の例では、「労働時間制、A」に対応付けて、「第1の所定タイミング、30分毎」、「第1の所定期間、月始めから」、「第1の所定時間、170時間」、「抑止処理、PU+SD」が記憶される。これは、「A」という労働時間制が適用されるユーザについて、クライアント20がログイン中は30分毎に、月始めからのクライアント20の使用時間が累積労働時間として制御部120により算出されることを示す。また、算出された累積労働時間が170時間に達すると、制御部120により抑止処理が実行されることを示す。たとえば、抑止処理として、警告表示、強制シャットダウン、強制ログオフ等が実行できる。図3の例では、警告を表示するポップアップ画面が表示された(Pop Up:PU)後、強制シャットダウン(Shut Down:SD)が実行される。
【0040】
また、たとえば、図3の例では、「労働時間制、B」に対応付けて、「第1の所定タイミング、終業時刻」、「第1の所定期間、月始めから」、「第1の所定時間、150時間」、「抑止処理、PU」が記憶される。これは、労働時間制「B」が適用されるユーザについては、終業時刻になると、月初めからその時点までの累積労働時間が制御部120により算出されることを示す。また、算出された累積労働時間が150時間に達すると、制御部120により抑止処理としてポップアップ(PU)画面の表示が実行されることを示す。
【0041】
また、たとえば、図3の例では、「労働時間制、A」に対応付けて、「第2の所定タイミング」、「第2の所定期間」、「第2の所定時間」が記憶される。これは、労働時間制「A」が適用されるユーザについては、月末になると、その月の累積労働時間が制御部120により算出されることを示す。また、累積労働時間が160時間を超える分が、推定時間外勤務時間として制御部120により算出されることを示す。」
(エ)「【0043】
図4は、表示記憶部113が記憶する情報の構成の一例を示す図である。図4の(A)の例では、表示記憶部113は、「表示ID」、「データA」、「データB」、「データC」、「期間」、「フォーマット」、「対象」を記憶する。「表示ID」は、管理サーバ10が表示する表示パターンを一意に識別するための識別子である。「データA」は表示IDで特定される表示パターンにおいて「データA」として表示される項目を示す。「データB」は表示IDで特定される表示パターンにおいて「データB」として表示される項目を示す。「データC」は表示IDで特定される表示パターンにおいて「データC」として表示される項目を示す。たとえば、図4の(A)の例では、データAとして「定時労働時間」の値が表示される。また、データBとして「労働時間(申告時間)-定時労働時間」の値が表示される。また、データCとして「労働時間(クライアント使用時間)-労働時間(申告時間)」の値が表示される。「期間」は、表示するデータの期間を指定する情報を示す。また、「フォーマット」は、当該表示パターンにおいて表示する図形やグラフを含む形式を示す。「対象」は、表示パターンにおいて表示するデータに対応する対象範囲を示す。「対象」はたとえば、単一ユーザ、複数ユーザ、単一部署、複数部署、等である。対象が「単一ユーザ」である場合、管理サーバ10は、指定されるユーザ1人についてのレポートを表示する。また、対象が「複数ユーザ」である場合、管理サーバ10は、複数ユーザのデータを比較可能に表示する。また、対象が「単一部署」である場合、管理サーバ10は、指定される部署に所属する複数ユーザのデータを比較可能に表示する。また、「複数部署」である場合、管理サーバ10は、指定される複数部署のデータを比較可能に表示する。
【0044】(省略)
【0045】
図4の例では、たとえば、「表示ID、D001」に対応付けて、「データA、定時労働時間」、「データB、労働時間(申告時間)-定時労働時間」、「データC、労働時間(クライアント使用時間)-労働時間(申告時間)」、「期間、月ごと(2017年度)」が記憶される。また、「表示ID、D001」に対応付けて、「フォーマット、棒グラフA」が記憶される。また、「表示ID、D001」に対応付けて、「対象、単一ユーザ」が記憶される。また、「フォーマット、棒グラフA」に対応付けて、「データA、青」、「データB、オレンジ」、「データC、グレー(-)、赤(+)」が記憶される。これは、表示ID「D001」で特定される表示態様が選択されるときは、2017年度すなわち2017年の4月から2018年の3月までの月ごとに指定された単一ユーザの労働時間の内容が表示されることを示す。また、定時労働時間と、労働時間(申告時間)との差分が表示されることを示す。また、労働時間(クライアント使用時間)と労働時間(申告時間)との差分が表示されることを示す。
【0046】
たとえば、図5Aは、実施形態にかかる管理システム1が表示するレポートの一例を説明するための図である。図5Aに示すレポートでは、グラフ中の棒それぞれが1カ月ごとの指定されたユーザ(労働者)の労働時間を示している。棒のうち、Xで示す部分は、「定時労働時間」すなわち「データA」に該当する部分である。また、Yで示す部分は、「労働時間(申告時間)-定時労働時間」すなわち「データB」に該当する部分である。また、Zで示す部分は、「労働時間(クライアント使用時間)-労働時間(申告時間)」すなわち「データC」に該当する部分である。実際には、Xの部分は表示記憶部113に記憶される態様すなわち青い色(図4、「データA、青」)で表示される。また、Yの部分はオレンジ色(図4、「データB、オレンジ」)で表示される。また、Zの部分はプラスであれば赤で、マイナスであればグレー(図4、「データC、グレー(-)、赤(+)」)で表示される。また、図5Aの例では、1カ月ごとのデータが2017年度分(2017年4月から2018年3月まで)表示される。また、図5Aの例では、画面の下部に表示態様を切り替えることができるボタン(タブ)が設けられている。ユーザは、ボタンを選択することでレポートの表示態様を変更することができる。たとえば、「残業時間一覧」が選択されると、「労働時間(クライアント利用時間)-定時労働時間」および「労働時間(申告時間)-定時労働時間」の一方または両方が表示される。またたとえば、「利用推移(週)」が選択されると、月ごとの労働時間の推移ではなく、週ごとの労働時間の推移が表示される。
【0047】
また、たとえば、図4の例では、表示ID「D005」に対応付けて、「データA、定時労働時間」、「データB、労働時間(申告時間)-定時労働時間」、「データC、労働時間(クライアント使用時間)-労働時間(申告時間)」、「期間、指定月」が記憶される。また、「表示ID、D005」に対応付けて、「フォーマット、棒グラフA」が記憶される。また、「表示ID、D005」に対応付けて、「対象、単一部署」が記憶される。これは、表示ID「D005」で特定される表示態様が選択されるときは、ユーザが指定した部署に所属する労働者各々について、指定された月の労働時間の内容が表示されることを示す。また、当該部署に所属する労働者各々について、定時労働時間と、労働時間(申告時間)との差分が表示されることを示す。また、当該部署に所属する労働者各々について、労働時間(クライアント使用時間)と労働時間(申告時間)との差分が表示されることを示す。
【0048】(省略)
【0049】
また、たとえば、図4の例では、表示ID「D007」に対応付けて、「データA、定時労働時間(平均)」、「データB、労働時間(申告時間)-定時労働時間(平均)」、「データC、労働時間(クライアント使用時間)-労働時間(申告時間)(平均)」、「期間、指定月」が記憶される。また、「表示ID、D007」に対応付けて、「フォーマット、棒グラフA」が記憶される。また、「表示ID、D007」に対応付けて、「対象、複数部署」が記憶される。これは、表示ID「D007」で特定される表示態様が選択されるときは、ユーザが指定した複数の部署各々に所属する労働者の指定された月の労働時間の平均値が表示されることを示す。また、各部署に所属する労働者の定時労働時間と、労働時間(申告時間)との差分の平均値が表示されることを示す。また、各部署に所属する労働者の労働時間(クライアント使用時間)と労働時間(申告時間)との差分の平均値が表示されることを示す。
【0050】(省略)
【0051】
なお、図5A乃至図5Cに示すような画面を表示するために表示記憶部113に記憶する情報の構成は特に限定されない。また、画面の構成に応じて、図4に示す情報以外の情報が適宜表示記憶部113に記憶される。」
(オ)「【0052】
[制御部120の構成および機能の一例]
図1に戻り、管理サーバ10の制御部120は、算出部121、抑止部122、推定部123、表示制御部124を有する。
【0053】
算出部121は、記憶部110に記憶される情報に基づき、各ユーザの労働時間を算出する。たとえば、算出部121は、第1の所定タイミング(図3参照)において、ログイン操作、ログオフ操作、クライアント20上での入力部を介した操作入力(図2参照)に基づき、第1の所定期間におけるユーザの労働時間を算出する。
【0054】
ここで、算出部121は、労働時間を、ログイン操作が検知された後、ログオフ操作が検知されるまでの間の操作入力が所定の条件を満足するか否かに応じて算出する。たとえば、算出部121は、ログイン操作後の所定時間ごとに、操作入力の有無を判定する。そして、算出部121は、所定時間中に操作入力があれば、当該所定時間はユーザが労働していた時間であると判定する。そして、算出部121は、ユーザが労働していた時間であると判定された所定時間を合算したものを労働時間として算出する。第1の所定期間中に複数回ログイン操作およびログオフ操作が検知されている場合は、算出部121は、ログイン操作からログオフ操作までの期間ごとに労働時間を算出して合算する。
【0055】
また、算出部121は、第2の所定タイミング(図3参照)がくると、第2の所定期間中の総労働時間を算出する。第2の所定タイミングにおける算出部121の処理は第1の所定タイミングにおける算出処理と同様である。算出部121が算出する労働時間は、ユーザによるクライアント20の使用時間である。
【0056】(省略)
【0057】
推定部123は、第2の所定タイミングにおいて、算出部121が算出した第2の所定期間の労働時間と第2の所定時間との比較に基づき、ユーザの推定時間外労働時間を算出する。管理サーバ10は、制度上は「勤務時間」の概念が存在しない裁量労働制が適用されるユーザや、管理監督者も管理対象とする。このため、管理サーバ10は、制度上は「時間外労働」や「勤務時間」という概念が存在しないユーザについても、一定の条件に合致する労働時間を推定時間外労働時間として算出する。
【0058】
推定部123はたとえば、算出した労働時間が第2の所定時間を超える分を推定時間外労働時間として出力する。また、推定部123は、推定時間外労働時間を記憶部110に記憶する(図示せず)。
【0059】
表示制御部124は、算出部121の処理の結果得られる労働時間(クライアント使用時間)、勤怠管理システム30から取得される労働時間(申告時間)に応じて、レポートを表示する画面の表示制御を実行する。表示制御部124は、たとえば、ユーザ入力に応じて、図5A乃至図5Cに示す画面を表示する。なお、表示制御部124が制御する画面は、管理サーバ10およびクライアント20のいずれにおいて表示してもよい。また、表示制御部124が制御する画面は、他のユーザ端末等で表示できるようにしてもよい。」
(カ)「【0067】
第1の検知部221は、クライアント20上でのログイン操作およびログオフ操作を検知する。第1の検知部221は、検知したログイン操作およびログオフ操作、ならびに当該操作が検知された日時を記憶部210に記憶する。記憶された情報は管理サーバ10に送信され、労働時間記憶部111に記憶される。管理サーバ10への送信タイミングは特に限定されない。
【0068】
第2の検知部222は、クライアント20上での入力部(入出力部240)を介した操作入力を検知する。第2の検知部222はたとえば、キーボードやマウスの操作による入力を検知する。第2の検知部222は、たとえば、ユーザによるキーボードの打鍵や、マウスのクリックを検知する。第2の検知部222は、検知した操作入力の内容と、当該操作入力を検知した日時を記憶部210に記憶する。記憶された情報は、ログイン操作およびログオフ操作の情報と同様、管理サーバ10に送信され、労働時間記憶部111に記憶される。管理サーバ10への送信タイミングは特に限定されない。」
(キ)「【0074】
記憶部310は、勤怠情報記憶部311および労働パターン記憶部312を有する。勤怠情報記憶部311は、管理システム1の管理対象であるユーザ各々を一意に識別する情報と対応付けて、当該ユーザの勤怠に関する情報を記憶する。たとえば、勤怠情報記憶部311は、各ユーザに適用される労働時間制、受理された時間外労働申請の内容、登録された出張や外出等の情報等を記憶する。またたとえば、勤怠情報記憶部311は、時間外労働申請の内容に基づき、各ユーザの労働時間(申告時間)を記憶する。勤怠情報記憶部311に記憶される情報の構成は特に限定されない。また、勤怠情報記憶部311は上記の他のユーザの勤怠管理に関する情報を記憶してもよい。
【0075】
労働パターン記憶部312は、管理対象のユーザに適用される労働時間制を記憶する。たとえば、労働パターン記憶部312は、各ユーザのユーザIDに対応付けて、適用される労働時間制と、(適用あれば)始業時刻および終業時刻、コアタイム、清算期間、みなし労働時間、時間外労働手当、深夜労働・休日出勤の手当等の情報を記憶する。労働パターン記憶部312は、一つの労働時間制について複数のパターンを記憶してもよい。労働パターン記憶部312に記憶される情報の構成は特に限定されない。また、労働パターン記憶部312は上記のほかのユーザの労務管理に関する情報を記憶してもよい。」
(ク)「【0080】
[管理システム1における管理処理のおおまかな流れの一例]
図6は、実施形態にかかる管理システム1における管理処理の大まかな流れの一例を示す図である。まず、第1の検知部221および第2の検知部222がクライアント20上におけるログイン操作、ログオフ操作、入力部を介した操作入力を検知する(検知処理、ステップS41)。第1の検知部221および第2の検知部222が検知した操作および操作の日時は管理サーバ10に送信される。そして、管理サーバ10の算出部121は、送信された操作および日時に基づき、操作入力が継続していたとみなすことができる時間すなわち労働時間を算出する(第1の算出処理、ステップS42)。抑止部122は、算出された労働時間に基づき抑止処理を実行する(ステップS43)。また、算出部121は、時間外労働時間を推定するために、第2の算出処理を実行する(ステップS44)。そして、推定部123は、第2の算出処理により算出された労働時間に基づきクライアント20を使用するユーザの推定時間外労働時間を算出する(推定処理、ステップS45)。推定時間外労働時間は、記憶部110に記憶される。そして、表示制御部124は、表示リクエストに応じて、レポートを表示する(表示処理、ステップS46)。これが管理システム1における管理処理のおおまかな流れの一例である。
【0081】
[検知処理の流れの一例]
図7は、実施形態にかかる管理システム1における検知処理の流れの一例を示すフローチャートである。図7の例では、検知処理は、クライアント20の第1の検知部221および第2の検知部222が実行する。まず、第1の検知部221は、クライアント20上でのログイン操作を検知する(ステップS51)。そして、第1の検知部221は、ログイン操作があった旨を当該操作の日時と対応付けて記憶部210に記憶する(ステップS52)。クライアント20がログインした後、第2の検知部222は、クライアント20上での入力部を介した操作入力を検知する(ステップS53)。第2の検知部222は、操作入力を検知するたびに、検知した操作の内容と日時とを対応付けて記憶部210に記憶する(ステップS54)。そして、第1の検知部は、クライアント20のログオフ操作を検知する(ステップS55)。第1の検知部はログオフ操作があった旨を当該操作の日時と対応付けて記憶部210に記憶する(ステップS56)。これで、検知処理が終了する。
【0082】
[抑止処理および推定処理の流れの一例]
図8は、実施形態にかかる管理システム1における抑止処理および推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。管理処理は、図7に示す検知処理と平行して実行される。
【0083】
まず、管理サーバ10の算出部121は、タイミング記憶部112に記憶される第1の所定タイミングがくると、労働時間記憶部111を参照して、第1の所定期間中のユーザの労働時間を算出する(ステップS61)。たとえば、第1の所定タイミングが30分毎ある場合、算出部121は、クライアント20がログイン中は30分毎に、労働時間記憶部111を参照し、ログイン操作およびログオフ操作、操作入力があった時間に基づき、第1の所定期間中の労働時間を算出する。労働時間を算出するための算出処理(図9、12参照)については後述する。算出部121は、算出した労働時間を抑止部122に渡す。
【0084】(省略)
【0085】
次に、算出部121は、第2の所定タイミングに到達したか否かを判定する(ステップS64)。たとえば、算出部121は、月末に達したか否かを判定する。そして、算出部121は第2の所定タイミングに到達していない、と判定した場合(ステップS64、No)、ステップS61に戻って処理を繰り返す。他方、算出部121は第2の所定タイミングに到達した、と判定した場合(ステップS64、Yes)、第2の所定期間中の労働時間を算出する(ステップS65)。そして、算出部121は算出した労働時間を推定部123に渡す。推定部123は、算出部121が算出した労働時間と、第2の所定時間とを比較し、労働時間が第2の所定時間を超える分を推定時間外労働時間として算出する(ステップS66)。そして、推定部123は、算出した推定時間外労働時間を、ユーザID等と対応付けて記憶部110に記憶する(ステップS67)。これで抑止処理および推定処理が終了する。
【0086】
[第1の算出処理の流れの一例]
図9は、実施形態にかかる管理システム1における、第1の算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1の算出処理は、図8のステップS61における処理に相当する。算出部121は、第1の所定タイミングおよび第2の所定タイミングにおいて、それぞれ第1の所定期間および第2の所定期間の労働時間を算出する。まず、算出部121は、該当する期間の最初のログイン操作を抽出する(ステップS71)。そして、算出部121は、ログイン操作後の最初のログオフ操作を抽出する(ステップS72)。そして、算出部121は、抽出したログイン操作からログオフ操作までの間の操作入力を抽出する(ステップS73)。そして、算出部121は、抽出した操作入力に基づき、ユーザがクライアント20の操作を継続していたと判定できる時間を労働時間として算出する(ステップS74)。そして、算出部121は、該当する期間内に、ステップS72で抽出したログオフ操作後にさらにログイン操作があるか否かを判定する(ステップS75)。算出部121は、さらにログイン操作があると判定した場合(ステップS75、Yes)、算出部121はステップS71に戻って処理を繰り返す。他方、さらにログイン操作はないと判定した場合(ステップS75、No)、算出部121は処理を終了する。
【0087】
図10および図11は、実施形態にかかる管理システム1における労働時間算出のパターンを説明するための図である。図10に示すように、ユーザが7時にログインし、当該ログイン操作が労働時間記憶部111に記憶されているとする。算出部121は、労働時間記憶部111から当該ログイン操作を抽出する。そして、ユーザが勤務した後、19時にログオフし、当該ログオフ操作が労働時間記憶部111に記憶されているとする。算出部121は、労働時間記憶部111から当該ログオフ操作を抽出する。そして、ユーザは、ログイン後に、継続的にクライアント20を8時10分まで操作していたとする。そして、当該操作入力が労働時間記憶部111に記憶されているとする。また、その後、ユーザは8時30分から12時の間、12時40分から17時30分の間、18時から19時の間も継続的にクライアント20を操作していたとする。この場合、算出部121は、7時から8時10分まで、8時30分から12時まで、12時40分から17時30分まで、18時から19時まで、を労働時間として算出する。したがって、算出部121は、ログイン操作からログオフ操作までの労働時間を10時間30分と算出する。
【0088】
またたとえば、図11に示すように、ユーザが7時にログインした後8時までクライアント20の操作を継続し、その後、9時から再び操作を開始して12時まで操作したとする。さらに、ユーザが13時から17時30分まで操作した後、18時から18時30分まで操作したが、その後19時にログオフするまで操作入力がなかったとする。この場合、算出部121はまず、7時のログイン操作と、19時のログオフ操作を抽出する。そして、算出部121は、ログイン操作とログオフ操作の間の、操作入力が継続した時間を抽出する。すなわち、算出部121は、7時から8時まで、9時から12時まで、13時から17時30分まで、18時から18時30分まで、を労働時間として抽出する。このため、図11の例では、算出部121が算出する労働時間は9時間となる。
【0089】
このように、算出部121は、ユーザが実際にクライアント20を操作し続けていた時間を労働時間として抽出する。ここで、操作入力は常時継続していなければ労働時間とみなさないのではなく、所定期間中に少なくとも1回入力があれば労働時間とする、等の条件を設定すればよい。たとえば、ログイン後の時間を15分ごとに区分し、15分の間に操作入力が継続する時間が1分以上あれば労働時間とみなす、操作入力の間隔が10分以上になった場合は操作入力がない期間を労働時間ではないとみなす等である。
【0090】
また、労働時間と判定するための操作入力についての条件は、ユーザ毎、またはユーザの業務内容毎に設定してもよい。また、たとえば、固定時間制のユーザについては操作入力がなくとも、ログイン操作からログオフ操作までの勤務時間の間は労働時間とみなす等の条件を設けてもよい。ただし、業務の性質上、クライアント20に操作入力を行わなければ業務を遂行できないユーザの場合には、算出部121は操作入力の有無のみに基づき労働時間か否かを判定してもよい。
【0091】(省略)
【0092】
[第2の算出処理の流れの一例]
図12は、実施形態にかかる管理システム1における、第2の算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2の算出処理は、図8のステップS64、S65における処理に相当する。第2の算出処理は、勤怠管理システム30に記憶される情報を参照して算出する労働時間を調整する点が、第1の算出処理と異なる。
【0093】
まず、算出部121は第2の所定タイミングにおいて第2の所定期間を対象として第1の算出処理(図9)を実行する(ステップS101)。そして、算出部121は算出対象の期間に対応する勤務時間の情報を勤怠管理システム30から抽出する(ステップS102)。そして、算出部121は、第1の算出処理によって算出した労働時間と、抽出した勤務時間の情報とを比較して、労働時間を調整する(ステップS103)。そして、算出部121は、調整後の労働時間を最終的な当該期間の労働時間として出力する(ステップS104)。これで、第2の算出処理が終了する。
【0094】
第2の算出処理においては、算出部121は、勤怠管理システム30に記憶される勤務時間の情報、たとえば出張や外出、休暇取得等の情報に基づき算出した労働時間を調整する。たとえば、勤怠管理システム30に出張と記憶されている時間帯については、算出部121は、第1の算出処理によって労働時間ではないと判定された時間帯であっても労働時間に含めて算出する。また、第1の算出処理により、操作入力はないが勤務時間内であるため労働時間と判定された時間帯について、勤怠管理システム30に「外出(私用)」と記憶されている場合は、算出部121は、当該時間帯を労働時間から除外して調整する。また、勤怠管理システム30には「外出(私用)」と記憶されていても、当該時間帯に操作入力がある場合は、算出部121は、当該時間帯を労働時間として算出する。このように労働時間を調整することで、算出部121は、より実情に即した労働時間を算出することができる。
【0095】
図13は、実施形態にかかる管理システム1における労働時間算出のさらに他のパターンを説明するための図である。図13に示すように、ユーザが7時にログインし、その後、8時までクライアント20を操作した後、8時30分から操作を再開し12時までクライアント20の操作入力が継続しているとする。そして、13時から再び操作が開始し、1時間程度の操作入力のない時間の後、17時30分まで操作が続き、18時から操作が再開した後19時にログオフ操作があったとする。また、当該ユーザは固定時間制が適用されるユーザであるため、算出部121は第1の算出処理においては、操作入力が1時間以上ない場合でも、勤務時間中は労働時間とみなして労働時間を算出する。すると、算出部121は、第1の算出処理の結果、当該ユーザの労働時間を10時間と算出したとする。第2の算出処理を実行する場合、算出部121はさらに、勤怠管理システム30に記憶される情報を参照する。そして、算出部121は、勤怠管理システム30の情報から、当該ユーザにつきこの日の15時から16時まで「外出(私用)」という情報を抽出する。算出部121は、該当する時間が労働時間として算出されていると判定すると、算出した労働時間から1時間を減算する。そして、算出部121は、第2の算出処理の結果として「9時間」を出力する。」
イ 当初明細書等の記載事項についての検討
上記ア(ア)の記載によれば、時間外労働時間について、「始業時刻は8時30分、終業時刻は17時30分、休憩時間が12時から13時まで、1日の労働時間は8時間と定められている」場合、「終業時刻の17時30分を超えて労働する場合はその労働時間が残業時間、すなわち時間外労働時間となる」とあるから、時間外労働時間は、定められた始業時間と就業時間以外の時間にて労働をした時間の総時間であることは記載されているものの、上記補正事項に関する直接的記載及びその示唆はない。
上記ア(イ)の記載によれば「労働時間記憶部111は、クライアント20上でログイン操作およびログオフ操作が検知された日時を記憶する。また、たとえば、労働時間記憶部111は、クライアント20上で入力部(入出力部140のうち入力機能を有する部分。たとえばキーボードやマウス。)を介した操作入力が検知された日時を記憶する」ことが記載され、【0035】の記載によれば「労働時間記憶部111には「ユーザID」に対応付けて、「クライアントID」、「勤務日」、「総労働時間」、「ログイン・ログオフ」、「操作情報」が記憶され、「総労働時間」は、対応する「勤務日」に当該ユーザがクライアント20を使用していた時間の長さを示すものであり、算出部121による第1の算出処理または第2の算出処理により算出される」ものであることが記載されている。
すなわち、総労働時間は、対応する「勤務日」に当該ユーザがクライアント20を使用していた時間の長さを示すものであり、算出部121による第1の算出処理または第2の算出処理により算出されるものであることが記載されているが、上記補正事項に関する直接的記載及びその示唆はない。
上記ア(ウ)には「タイミング記憶部112は」、「第1の所定期間におけるユーザの労働時間を算出するための第1の算出処理(図9参照)を実行する第1の所定のタイミング」及び「制御部120が第2の算出処理(図12参照)を実行する第2の所定タイミングを記憶」すること、「労働時間制」に対応付けて、「第1の所定タイミング」及び「第2の所定タイミング」を記憶すること、「図3の例では、「労働時間制、A」に対応付けて、「第1の所定タイミング、30分毎」、「第1の所定期間、月始めから」、「第1の所定時間、170時間」、「抑止処理、PU+SD」が記憶され、これは、「A」という労働時間制が適用されるユーザにて、クライアント20がログイン中は30分毎に、月始めからのクライアント20の使用時間が累積労働時間として制御部120により算出されることを示す。また、算出された累積労働時間がつい170時間に達すると、制御部120により抑止処理が実行されることを示す」こと、「図3の例では、「労働時間制、B」に対応付けて、「第1の所定タイミング、終業時刻」、「第1の所定期間、月始めから」、「第1の所定時間、150時間」、「抑止処理、PU」が記憶され、これは、労働時間制「B」が適用されるユーザについては、終業時刻になると、月初めからその時点までの累積労働時間が制御部120により算出されることを示す」こと、「たとえば、図3の例では、「労働時間制、A」に対応付けて、「第2の所定タイミング」、「第2の所定期間」、「第2の所定時間」が記憶され、これは、労働時間制「A」が適用されるユーザについては、月末になると、その月の累積労働時間が制御部120により算出されることを示す。また、累積労働時間が160時間を超える分が、推定時間外勤務時間として制御部120により算出されることを示す」ことが記載されているが、上記補正事項に対応する直接的記載及びその示唆はない。
上記ア(エ)には、図5A乃至図5Cに示すような画面と上記画面を表示するために表示記憶部113に記憶する情報の構成(図4)の説明として、以下のとおりの事項が記載されている。
「図4の(A)の例では、データAとして「定時労働時間」の値が表示される。また、データBとして「労働時間(申告時間)-定時労働時間」の値が表示される。また、データCとして「労働時間(クライアント使用時間)-労働時間(申告時間)」の値が表示される。」(【0043】)
「「表示ID、D001」に対応付けて、「データA、定時労働時間」、「データB、労働時間(申告時間)-定時労働時間」、「データC、労働時間(クライアント使用時間)-労働時間(申告時間)」、「期間、月ごと(2017年度)」が記憶され・・・表示ID「D001」で特定される表示態様が選択されるときは、2017年度すなわち2017年の4月から2018年の3月までの月ごとに指定された単一ユーザの労働時間の内容が表示されることを示す。また、定時労働時間と、労働時間(申告時間)との差分が表示されることを示す。また、労働時間(クライアント使用時間)と労働時間(申告時間)との差分が表示される」(【0045】)
「図5Aに示すレポートでは、グラフ中の棒それぞれが1カ月ごとの指定されたユーザ(労働者)の労働時間を示している。棒のうち、Xで示す部分は、「定時労働時間」すなわち「データA」に該当する部分である。また、Yで示す部分は、「労働時間(申告時間)-定時労働時間」すなわち「データB」に該当する部分である。また、Zで示す部分は、「労働時間(クライアント使用時間)-労働時間(申告時間)」すなわち「データC」に該当する部分である。・・・ユーザは、ボタンを選択することでレポートの表示態様を変更することができる。たとえば、「残業時間一覧」が選択されると、「労働時間(クライアント利用時間)-定時労働時間」および「労働時間(申告時間)-定時労働時間」の一方または両方が表示される。」(【0046】)
「図4の例では、表示ID「D005」に対応付けて、「データA、定時労働時間」、「データB、労働時間(申告時間)-定時労働時間」、「データC、労働時間(クライアント使用時間)-労働時間(申告時間)」、「期間、指定月」が記憶される。・・・表示ID「D005」で特定される表示態様が選択されるときは、ユーザが指定した部署に所属する労働者各々について、指定された月の労働時間の内容が表示されることを示す。また、当該部署に所属する労働者各々について、定時労働時間と、労働時間(申告時間)との差分が表示されることを示す。また、当該部署に所属する労働者各々について、労働時間(クライアント使用時間)と労働時間(申告時間)との差分が表示されることを示す。」(【0047】)
「図4の例では、表示ID「D007」に対応付けて、「データA、定時労働時間(平均)」、「データB、労働時間(申告時間)-定時労働時間(平均)」、「データC、労働時間(クライアント使用時間)-労働時間(申告時間)(平均)」、「期間、指定月」が記憶される。・・・表示ID「D007」で特定される表示態様が選択されるときは、ユーザが指定した複数の部署各々に所属する労働者の指定された月の労働時間の平均値が表示されることを示す。また、各部署に所属する労働者の定時労働時間と、労働時間(申告時間)との差分の平均値が表示されることを示す。また、各部署に所属する労働者の労働時間(クライアント使用時間)と労働時間(申告時間)との差分の平均値が表示されることを示す。」(【0049】)
すなわち、図5A乃至図5Cに示すような画面には、表示記憶部113に記憶された情報(図4)に基づいて、「定時労働時間」、「労働時間(申告時間)-定時労働時間」、「労働時間(クライアント使用時間)-労働時間(申告時間)」などの表示がなされるものであり「残業時間一覧」が選択されると、「労働時間(クライアント利用時間)-定時労働時間」および「労働時間(申告時間)-定時労働時間」の一方または両方が表示されることが記載されているが、上記補正事項に対応する直接的記載及びその示唆はない。
上記ア(オ)の記載によれば、「管理サーバ10の制御部120は、算出部121、抑止部122、推定部123、表示制御部124を有」し、「算出部121は、記憶部110に記憶される情報に基づき、各ユーザの労働時間を算出する。たとえば、算出部121は、第1の所定タイミング(図3参照)において、ログイン操作、ログオフ操作、クライアント20上での入力部を介した操作入力(図2参照)に基づき、第1の所定期間におけるユーザの労働時間を算出する」ものであって、「算出部121は、労働時間を、ログイン操作が検知された後、ログオフ操作が検知されるまでの間の操作入力が所定の条件を満足するか否かに応じて算出」し、「算出部121は、ログイン操作後の所定時間ごとに、操作入力の有無を判定する。そして、算出部121は、所定時間中に操作入力があれば、当該所定時間はユーザが労働していた時間であると判定し」、「算出部121は、ユーザが労働していた時間であると判定された所定時間を合算したものを労働時間として算出する。第1の所定期間中に複数回ログイン操作およびログオフ操作が検知されている場合は、算出部121は、ログイン操作からログオフ操作までの期間ごとに労働時間を算出して合算する。」こと及び、「算出部121は、第2の所定タイミング(図3参照)がくると、第2の所定期間中の総労働時間を」、「第1の所定タイミングにおける算出処理と同様」行い、「推定部123は、第2の所定タイミングにおいて、算出部121が算出した第2の所定期間の労働時間と第2の所定時間との比較に基づき、ユーザの推定時間外労働時間を算出」し、「算出した労働時間が第2の所定時間を超える分を推定時間外労働時間として出力」し、「表示制御部124は、算出部121の処理の結果得られる労働時間(クライアント使用時間)、勤怠管理システム30から取得される労働時間(申告時間)に応じて、レポートを表示する画面の表示制御を実行する」ものであって、「表示制御部124は、たとえば、ユーザ入力に応じて、図5A乃至図5Cに示す画面を表示する」ことは記載されているが、上記補正事項に関する直接的記載及びその示唆はない。
上記ア(カ)には、「第1の検知部221は、クライアント20上でのログイン操作およびログオフ操作を検知」し、「第1の検知部221は、検知したログイン操作およびログオフ操作、ならびに当該操作が検知された日時を記憶部210に記憶」し、「記憶された情報は管理サーバ10に送信され、労働時間記憶部111に記憶される」こと、及び、「第2の検知部222は、クライアント20上での入力部(入出力部240)を介した操作入力を検知し、「第2の検知部222はたとえば、キーボードやマウスの操作による入力を検知」し、「第2の検知部222は、検知した操作入力の内容と、当該操作入力を検知した日時を記憶部210に記憶」し、「記憶された情報は、ログイン操作およびログオフ操作の情報と同様、管理サーバ10に送信され、労働時間記憶部111に記憶される」ことが記載されているが、上記補正事項に関する直接的記載及びその示唆はない。
上記ア(キ)には、「記憶部310は、勤怠情報記憶部311および労働パターン記憶部312を有」し、「勤怠情報記憶部311は、各ユーザに適用される労働時間制、受理された時間外労働申請の内容、・・・、時間外労働申請の内容に基づき、各ユーザの労働時間(申告時間)を記憶」すること、及び「労働パターン記憶部312は、各ユーザのユーザIDに対応付けて、適用される労働時間制と、(適用あれば)始業時刻および終業時刻、コアタイム、清算期間、みなし労働時間、時間外労働手当、深夜労働・休日出勤の手当等の情報を記憶」することが記載されているが、上記補正事項に関する直接的記載及びその示唆はない。
上記ア(ク)によれば、以下の事項が記載されているといえる。
管理システム1における管理処理の大まかな流れは、以下の(a)~(h)からなり、
(a)第1の検知部221および第2の検知部222がクライアント20上におけるログイン操作、ログオフ操作、入力部を介した操作入力を検知し、
(b)第1の検知部221および第2の検知部222が検知した操作および操作の日時は管理サーバ10に送信され
(c)管理サーバ10の算出部121は、送信された操作および日時に基づき、操作入力が継続していたとみなすことができる時間すなわち労働時間を算出(第1の算出処理)し、
(d)抑止部122は、算出された労働時間に基づき抑止処理を実行し、
(e)算出部121は、時間外労働時間を推定するために、第2の算出処理を実行し、
(f)推定部123は、第2の算出処理により算出された労働時間に基づきクライアント20を使用するユーザの推定時間外労働時間を算出(推定処理)し、
(g)推定時間外労働時間は、記憶部110に記憶され
(h)表示制御部124は、表示リクエストに応じて、レポートを表示する、
処理(a)は、
クライアント20の第1の検知部221および第2の検知部222が実行され、第1の検知部221は、クライアント20上でのログイン操作を検知して、ログイン操作があった旨を当該操作の日時と対応付けて記憶部210に記憶し。クライアント20がログインした後、第2の検知部222は、クライアント20上での入力部を介した操作入力を検知し、第2の検知部222は、操作入力を検知するたびに、検知した操作の内容と日時とを対応付けて記憶部210に記憶し、第1の検知部は、クライアント20のログオフ操作を検知し、ログオフ操作があった旨を当該操作の日時と対応付けて記憶部210に記憶する処理であり、
処理(c)は、
タイミング記憶部112に記憶される第1の所定タイミングがくると、労働時間記憶部111を参照して、第1の所定期間中のユーザの労働時間を算出処理であって、たとえば、第1の所定タイミングが30分毎ある場合、算出部121は、クライアント20がログイン中は30分毎に、労働時間記憶部111を参照し、ログイン操作およびログオフ操作、操作入力があった時間に基づき、第1の所定期間中の労働時間を算出する処理であり、具体的には、算出部121は、該当する期間の最初のログイン操作を抽出し、ログイン操作後の最初のログオフ操作を抽出し、抽出したログイン操作からログオフ操作までの間の操作入力を抽出して、抽出した操作入力に基づき、ユーザがクライアント20の操作を継続していたと判定できる時間を労働時間として算出し、該当する期間内に、最初に抽出したログオフ操作後にさらにログイン操作があるか否かを判定し、さらにログイン操作があると判定した場合、最初のログイン操作の抽出処理に戻って処理を繰り返し、さらにログイン操作はないと判定した場合は処理を終了する処理であり、
処理(e)は、
第2の所定タイミングに到達したか否かを判定し、第2の所定タイミングに到達したと判定した場合第2の所定期間中の労働時間を算出する処理であって、
第2の所定タイミングにおいて第2の所定期間を対象として第1の算出処理(処理(c))を実行し、算出対象の期間に対応する勤務時間の情報を勤怠管理システム30から抽出し、第1の算出処理によって算出した労働時間と、抽出した勤務時間の情報とを比較して、労働時間を調整し、調整後の労働時間を最終的な当該期間の労働時間として出力する処理であり、
労働時間を調整する処理は、例えば、
勤怠管理システム30に出張と記憶されている時間帯については、第1の算出処理によって労働時間ではないと判定された時間帯であっても労働時間に含めて算出すること
第1の算出処理により、操作入力はないが勤務時間内であるため労働時間と判定された時間帯について、勤怠管理システム30に「外出(私用)」と記憶されている場合は、当該時間帯を労働時間から除外して調整すること
勤怠管理システム30には「外出(私用)」と記憶されていても、当該時間帯に操作入力がある場合は、当該時間帯を労働時間として算出すること
ユーザが7時にログインし、その後、8時までクライアント20を操作した後、8時30分から操作を再開し12時までクライアント20の操作入力が継続し、そして、13時から再び操作が開始し、1時間程度の操作入力のない時間の後、17時30分まで操作が続き、18時から操作が再開した後19時にログオフ操作があったとし、また、当該ユーザは固定時間制が適用されるユーザであるため、算出部121は第1の算出処理においては、操作入力が1時間以上ない場合でも、勤務時間中は労働時間とみなして労働時間を算出した場合、第1の算出処理の結果、当該ユーザの労働時間を10時間と算出したとするとき、第2の算出処理を実行する場合、勤怠管理システム30に記憶される情報を参照して、勤怠管理システム30の情報から、当該ユーザにつきこの日の15時から16時まで「外出(私用)」という情報を抽出し、該当する時間が労働時間として算出されていると判定すると、算出した労働時間から1時間を減算して、第2の算出処理の結果として「9時間」を出力すること、
などであり、
処理(f)、(g)は、
推定部123が、算出部121が算出した労働時間と、第2の所定時間とを比較し、労働時間が第2の所定時間を超える分を推定時間外労働時間として算出し、算出した推定時間外労働時間を、ユーザID等と対応付けて記憶部110に記憶する処理である、
という技術事項が記載されている。
上記(a)~(h)の一連の処理(以下、「明細書等記載事項」という。)と、補正後の請求項1の特定事項(以下、「請求項1特定事項」という。)とを対比すると、明細書等記載事項の「第1の検知部」、「処理(c)により繰り返し求められた労働時間(の合計)」は、一応、請求項1特定事項の「情報処理端末におけるログインおよびログオフを検知する検知部」、「所定時間ごとに、操作入力を検知したか否かを判定し、前記操作入力を検知した各所定時間を合算(した時間)」に対応している。
また、請求項1特定事項の「始業時刻前における情報処理端末の使用時間と、終業時刻後における情報処理端末の使用時間」を集計した時間は、「ユーザの時間外労働時間」といえるものである。
しかし、明細書等記載事項では、上記労働時間の合計は、ログイン検知後からログオフ検知後まで、「始業時刻前」か否かおよび「終業時刻後」か否かを区別することなく求められており、「時間外労働時間」は、「推定部123が、算出部121が算出した労働時間と、第2の所定時間とを比較し、労働時間が第2の所定時間を超える分を推定時間外労働時間として算出」することで求めることが記載されるのみである。また、「ログイン」の時刻と始業時刻を区別し、「ログオフ」の時刻と終業時刻とを区別することも記載されていないから、これらを区別した上でそれらの間の「情報処理端末の使用時間」を集計することが上記明細書等記載事項から自明なことであるということもできない。
よって、請求項1特定事項の「始業時刻前および終業時刻後において、前記ログインを検知してから前記ログオフを検知するまでの間、所定時間ごとに、操作入力を検知したか否かを判定し、前記操作入力を検知した各所定時間を合算する」ことで「始業時刻前における情報処理端末の使用時間」、「終業時刻後における情報処理端末の使用時間」を算出することは記載されておらず、また、上記明細書等記載事項から自明なことであるということもできない。
以上、上記ア(ア)~(ク)の記載について検討したが、上記補正事項に相当する構成は、いずれの記載からも導くことができず、他の記載も含め、当初明細書等に記載されているということもできず、その示唆もない。よって、上記補正事項は、当初明細書等に記載された事項であるとも記載から自明な事項であるともいえず、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に適合しない。
3 補正の却下の決定のむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に適合しないから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明1について
令和5年4月27日にされた手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~4に係る発明(以下、「本願発明1」~「本願発明4」という。)は、令和4年11月16日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定されるものであり、そのうち請求項1に係る発明は、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
第4 原査定の拒絶の理由の概要
原査定(令和5年2月9日付け拒絶査定)の理由は、令和4年9月26日付け拒絶理由通知における理由1であって、その理由の概要は、以下のものと認める。
この出願の請求項1-4に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2、3に例示される周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
引用文献1.特開2005-011184号公報
引用文献2.特開2017-068379号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3.特開2016-167141号公報(周知技術を示す文献)
第5 引用文献及び引用発明
1 引用文献1について
(1)引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は、当審において付した。以下同様。)
「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、企業等において勤務者の勤怠管理を行う勤怠管理システムに関し、特に、勤怠項目毎の情報管理に関する。」
「【0037】
図2は勤怠管理システムの概略構成を示す図である。図2は、勤務者の認証処理を利用して勤怠情報を入力する構成について示している。」
「【0038】
図2において、ネットワーク9には、勤務者の勤怠状況情報を管理する勤怠管理サーバ3、業務管理を管理する業務管理サーバ4、ネットワーク9にアクセスするアクセス者の個人を認証するための認証サーバ2、認証されたアクセス者の端末(勤務者端末6、管理者端末7)が備える各表示手段に対して、勤怠管理システムが提供する機能やサービスを表示すると共に選択を行うメニューを表示させるメニューサーバ5、勤務者や管理者等の利用者が勤怠管理サーバ3を利用するための端末(勤務者端末6、管理者端末7)が接続されている。」
「【0039】
また、ネットワーク9には、勤務者を特定する認証情報を取得するための認証情報取得手段8が接続される。認証情報取得手段8は、ネットワーク9に直接接続する構成、あるいは、勤務者端末6に設ける構成とすることができる。ネットワーク9に直接接続する構成では、例えば勤務室の出入口に設け、勤務室の出入する勤務者の認証情報を取得することにより認証を行う。また、勤務者端末6に設ける構成では、勤務者が勤務者端末6からネットワーク9にアクセスする際に、そのアクセス者の認証情報を取得することにより認証を行う。なお、図示していないが、認証情報取得手段8は管理者端末7に対して設ける構成とすることもできる。」
「【0040】
なお、図2には、機能管理サーバとして、勤務者の勤務状況を管理する勤怠管理サーバ3、業務スケジュールや業務実績等を管理する業務管理サーバ4が示されているが、この勤怠管理サーバ3や業務管理サーバ4に限らず、各利用者の勤怠記録をまとめた出勤状況を管理するサーバ、各種営業実績を管理する営業実績管理サーバ、受注状況を管理する受注サーバ、給与関係を管理する給与管理サーバ、利用者の福利厚生を管理する福利厚生管理サーバ、会議室や応接室等の設備を管理する設備管理サーバ、種々のお知らせを管理するお知らせ管理サーバ等、使用態様に応じて任意に設定することができる。また、この他に、利用者の入退出を管理するゲート管理システムをネットワーク9に接続することもできる。」
「【0043】
また、各端末(勤務者端末6、管理者端末7)は、ネットワーク9にLAN等により直接に接続されたり、インターネット等の通信網(図示していない)を介して接続され、ログイン操作によりネットワーク9に接続した後、勤怠管理サーバ3や業務管理サーバ4等を利用する。なお、ネットワーク9との信号接続を切り離す場合には、ログアウト操作を行う。」
「【0045】
認証サーバ2は、認証情報取得手段8からの認証情報に基づいて、勤務者の認証処理を行う。」
「【0046】
また、ネットワーク9は、LAN等の閉じられた通信網の他、インターネット(図示していない)を用いることもできる。このインターネットを介して接続される端末(図示していない)を利用する場合には、在宅勤務や出張先からネットワーク9へのアクセスに適用することができる。」
「【0065】
図4において、勤怠管理サーバ3は、勤怠データ記録手段30に対して勤怠情報を記録するための構成、及び記録された勤怠情報を勤怠項目毎に抽出する構成を内部に備える。」
「【0066】
勤怠情報を記録するための構成は、図1に示した構成と同様に、認証に基づいて勤怠情報を記録管理するものであり、認証情報取得手段(図1中の100)により勤務者の認証情報を取得し、認証手段(図1中の110)はこの認証情報に基づいて予め登録した登録者であるか否かの認証を行う。この際、認証手段は認証時刻を時計手段(図示していない)から取得し、取得した認証取得時刻データを出退社時刻認定手段3cに送る。」
「【0067】
出退社時刻認定手段3cは、認証手段(図1中の100)から送られた認証取得時刻データに基づいて、勤務者の出社時刻、あるいは退社時刻を認定する。出退社時刻記録手段3dは、出退社時刻認定手段3cから送られた出退社時刻データを勤怠情報管理手段3bあるいは直接に勤怠データ記録手段30に記録する。勤怠情報管理手段3bは、勤務者の勤怠情報を管理しており、I/O手段3aを介して端末50から送られた勤怠情報を勤怠データ記録手段30に記録管理する他、勤怠情報の一情報として出退社時刻記録手段3dから得た出退社時刻データを勤怠データ記録手段30に記録し管理する。」
「【0068】
図4において、勤怠管理サーバ3は、勤務者の出退社時刻データを含む勤怠状況情報を記録する勤怠データ記録手段30、及び勤怠情報記録手段3bを備える。また、勤怠管理サーバ3は、上記の他に、勤怠事項申請情報を記録することもできる。勤怠情報記録手段3bは、I/O手段3aを介して入力した勤怠情報や勤怠事項申請情報を勤怠データ記録手段30cに記録する他、管理者端末から入力された承認結果を勤怠データ記録手段30に記録する。」
「【0069】
また、勤怠管理サーバ3は、出退社時刻認定手段3c及び出退社時刻記録手段3dを備える。出退社時刻認定手段3dは、I/O手段3aから、ネットワーク9を介して認証情報取得手段8の認証取得時刻データを入力し、この認証情報時刻データに基づいて勤務者の出社時刻、退社時刻を認定する。また、出退社時刻記録手段3eは、出退社時刻認定手段3dで認定した出社時刻、退社時刻の時刻データを勤怠データ記録手段30に記録する。なお、出退社時刻記録手段3dによる出退社時刻データは、勤怠情報記録手段3bを介して勤怠データ記録手段30に記録するように構成してもよい。」
「【0070】
また、勤怠情報記録手段3bは、管理者端末により各勤務者の勤怠状況や出退社時刻による出勤状態、勤怠事項申請情報等を承認した場合には、この承認結果についても、勤怠データ記録手段30に記録する。」
「【0071】
この他に、勤怠管理サーバ3は勤怠状況送信手段(図示していない)を備える構成とすることもできる。勤怠情報記録手段3bは、端末(勤務者端末6,管理者端末7)から勤怠状況情報や勤怠事項申請情報の参照要求を受けると、勤怠データ記録手段30cから勤怠状況情報、勤怠事象申請情報、あるいは承認結果を勤怠情報記録手段3bを介して読み出し、I/O手段3aを介して端末(勤務者端末6,管理者端末7)に送信する。」
「【0072】
勤務者端末6や管理者端末7は、勤怠状況送信手段3eから送信された,勤怠状況情報、勤怠事象申請情報、あるいは承認結果を表示することができる。」
「【0073】
なお、認証サーバ2は、勤怠管理サーバ3内に設ける構成とすることも、勤怠管理サーバ3とは別にネットワーク9に接続して設ける構成とすることもできる。」
「【0074】
また、記録された勤怠情報を勤怠項目毎に抽出する構成は、図3に示した構成と同様に、抽出手段10と抽出条件設定手段20と出力手段40とを備え、抽出条件設定手段20の勤怠項目設定手段20aにより抽出する勤怠項目を設定し、抽出条件設定手段20の抽出範囲設定手段20bにより時期や部門等の抽出範囲を設定する。」
「【0075】
なお、勤怠データ記録手段30及び出力手段40は勤怠管理サーバ3内に限らず、ネットワーク9を介して外部に設ける構成とすることもできる。」
「【0076】
また、図5は抽出手段を勤怠管理サーバ側に設け抽出条件設定手段を端末側に設ける構成例を示している。」
「【0077】
図5において、勤怠管理サーバ3は、勤怠データ記録手段30に対して勤怠情報を記録するための構成、及び記録された勤怠情報を勤怠項目毎に抽出する構成の内の一部(抽出手段10)を内部に備える。勤怠情報を勤怠項目毎に抽出する構成の内の抽出条件設定手段20及び出力手段50は端末側に備える。この構成により、端末毎に抽出する勤怠項目を設定することができ、また、その抽出した出力を取得することができる。」
「【0081】
次に、本発明の勤務者端末の一構成例について説明する。図6は本発明の勤務者端末6の一構成例を説明するためのブロック図である。」
「【0082】
勤務者端末6は、ネットワーク9の間で信号の授受を行うI/O手段6aと、このI/O手段6aに接続される認証情報取得手段6b,勤怠情報入力手段6c,勤怠事項申請手段6d,個人勤怠情報表示手段6eを備える。認証情報取得手段6bは、勤務者端末6を利用する者が予め登録された者であるかを認証するために、勤務者を認証するための情報を取得する手段、例えば、指紋,虹彩,声紋等の種々の個人を特定する認証情報を入力する手段(例えば、指紋を検出するセンサ)とすることができる。」
「【0083】
勤怠情報入力手段6cは勤務者の勤怠状況情報を入力する手段であり、また、勤怠事項申請手段6dは、勤務者が休暇や遅刻等の勤怠事項を事前に申請する手段である。認証情報取得手段6b,勤怠情報入力手段6c,及び勤怠事項申請手段6dには時刻読取手段6fが接続され、各手段の操作時の時刻を取得する。時刻読取手段6fで読み取った操作時の時刻データは、認証情報取得手段6b,勤怠情報入力手段6c,及び勤怠事項申請手段6dにおいて得られた情報に付加されて、勤怠管理サーバに送信される。」
「【0084】
個人勤怠情報表示手段6eは、勤怠管理サーバ3の勤怠データベース3cに記憶されている、勤務者の出退社時刻を含む勤怠状況情報や勤怠事項申請情報や承認結果を取り込んで表示する。」
「【0085】
個人勤怠情報表示手段6eは、図4の構成において、抽出条件設定手段20に勤怠項目や勤怠データ範囲を入力する機能、抽出結果を表示する表示機能を備える構成とする他、図5の構成中の端末50内に備える抽出条件設定手段20や出力手段40を備える構成とすることができる。」
「【0091】
図8は、端末(勤務者端末6,管理者端末7)において、ネットワークに接続する際のログイン時の表示例を示している。この個人認証画面60の表示例では、端末画面上に、ログインするために、例えば社員番号(あるいはパスワード)を入力する入力枠表示60a、ログイン用のボタン表示60b、利用者が登録者であるかを認証するために、認証情報入力手段(例えば、指紋センサ)の操作を促す表示60c等が示される。」
「【0092】
入力枠表示60aに社員番号を入力し、ボタン表示60bをマウス等のクリックで操作すると、社員番号の照合が行われる。社員番号が照合されると、表示60cが表示され、認証情報の取得が求められる。表示60cには、例えば、指紋センサに指を置く旨の指示が表示される。」
「【0093】
パスワードの照合と認証情報の取得により個人認証が確認されると、ログイン処理が行われ、次にメニュー画面が表示される。このとき、図示しない時計手段(時刻読取手段)から認証取得時刻(ログイン時刻)を取得し、認証取得時刻データ(ログイン時刻情報)を各種機能管理システムに送る。時刻読取手段は、認証サーバ2やメニューサーバ4等の任意のサーバあるいは端末に設けることも、又は単独でクロックをネットワークに接続することもできる。」
「【0094】
このログイン処理により勤務者が登録者であることが認証されると、メニューサーバ5により、端末(勤務者端末6,管理者端末7)の画面上に図9に示すようなメニュー画面が表示される。図9に示すメニュー画面61の例では、例えば、業務管理システム61a,勤怠管理システム61b等の機能管理システムの選択ボタン表示や、各種のお知らせの選択ボタン表示61cが表示される。また、このメニュー画面61には、ログアウトの選択を行うボタン表示61dが表示される。なお、このメニュー画面は一例であって、他の表示内容とすることもできる。」
「【0095】
なお、メニュー画面61において、ログアウトの選択ボタン61dがクリックされた場合には、時刻読取手段から認証取得時刻(ログアウト時刻)が取得され、認証取得時刻データ(ログアウト時刻情報)を各種機能管理システムに送る。また、メニュー画面61において機能管理システムを選択すると、選択された機能管理システムの処理画面が表示される。」
「【0096】
メニュー画面61において、例えば、勤怠管理システムの選択してボタン61bを選択してクリックすると、メニューサーバ5は勤怠管理サーバ3に接続する。選択された勤怠管理サーバ3は、ホームページを表示する表示データを端末(勤務者端末6,管理者端末7)に送りホームページを表示する。」
「【0097】
ホームページ上には、勤怠管理サーバが処理する処理内容を表示する。処理内容として、例えば、出勤簿,有休・振休,上長設定,マニュアル,管理用,お知らせ等がある。出勤簿のページでは、勤務者の勤怠状況の一覧表の他、欠勤、有給休暇,振替休日,出張,遅刻,直行,早退,直帰,残業,早出勤務,時間外勤務等の勤怠事項の申請を行う。また、上長設定のページでは、勤怠事項申請情報を承認する上長を設定する。」
「【0100】
図11は、出勤簿の一表示例である。この表示例では、出勤簿の表示画面63に、勤務内容、勤務開始時刻、勤務終了時刻、総残業時間、深夜勤務、申請1、申請2、出社時刻、退社時刻、ログイン時刻(認証取得時刻)、ログアウト時刻(認証取得時刻)等が、各日付毎に表示される。なお、勤務内容の欄には、例えば休日勤務等の通常勤務と異なる勤務状態が記述される。また、勤務開始時刻及び勤務終了時刻は、勤務者に通常設定されている勤務時間や、遅刻や残業等の事前申請により変更された勤務時間が記述される。総残業時間には、当日及び当月のおける残業時間の合計が記述される。当日の総残業時間は、通常勤務の勤務終了時刻と、退社時刻と実際の勤務終了時刻との時間差から算出される。なお、この時間差は、所定時間(例えば、5分や10分等)を単位として設定することができる。」
「【0102】
図11に示す出勤簿において、勤務開始時刻、勤務終了時刻、ログイン時刻、ログアウト時刻、出社時刻、退社時刻、総残業時間等の時刻データは、抽出する勤怠項目を規定するデータ項目として用いることができ、これらの時刻データと勤怠項目を規定する指標として設定しておいた規定時刻との比較により、勤怠項目を抽出する。」
「【0104】
また、あるいは、勤怠項目を早退、残業、深夜勤務等も、抽出する勤怠項目を規定するデータ項目として退社時刻や業務終了時刻を用いることができる。勤怠データ中の出勤時刻又は業務開始時刻と、早退、残業、深夜勤務等を規定する規定時刻とを比較し、出勤時刻又は業務開始時刻が規定時刻を越えた場合に早退、残業、深夜勤務等を抽出する。また、ログイン時刻やログアウト時刻を用いることもできる。」
「【0107】
図12は勤怠管理システムメニュー画面の一例であり、図9に示すメニュー画面において勤怠管理システム61bを選択することにより表示される。勤怠管理システムメニュー画面64には、出勤簿64c,有給休暇・振り替え休暇64d,統計機能64e等の勤怠管理に係わる各種選択ボタンが表示される。また、ホーム64a、お知らせ64b、マニュアル64f、ログアウト64gの選択を行う選択ボタン表示も表示される。なお、この勤怠管理システムメニュー画面は一例であって、他の表示内容とすることもできる。」
「【0108】
図13は勤怠管理システム統計処理画面の表示例であり、図12の勤怠管理システムメニュー画面において統計機能64eを選択することにより表示される。」
「【0109】
勤怠管理システム統計処理画面65には勤怠項目65a及び勤怠データ範囲65bが表示され、これらを選択あるいは入力することにより勤怠項目を抽出する抽出条件を設定する。」
「【0110】
勤怠項目65aには、例えば遅効、早退、欠勤、有休、休日等の予め設定された勤怠項目が選択可能に表示され、何れかを選択することで勤怠項目を設定する。また、勤怠データ範囲65bには、各勤怠項目について勤怠データから抽出するための時期範囲及び部門範囲が入力可能に表示され、この各範囲に入力することで勤怠データ範囲を設定する。なお、全部門を選択範囲とする場合には、この部門の勤怠データ範囲の表示を省略することもできる。」
「【0113】
図14は、抽出条件の例を示している。図14(a)は、勤怠項目の閾値が予め設定されている例である。例えば、遅刻、欠勤、早退、通常勤務、残業、深夜勤務等が社内規程により定められ、各勤怠項目を規定する時刻や時間範囲が設定されている場合には、その時刻や時間範囲を閾値として定めておく。勤怠データ範囲は、抽出処理及び勤怠項目毎に設定することができる。」
「【0114】
なお、この時刻や時間範囲の閾値は、社内規程を記録するデータベースから自動で取り込むように連携させておくことができ、社内規程の変更があった場合にはこの変更を自動的に反映させて閾値を変更させることもできる。」
「【0118】
また、図15(b)に示す一覧表示67は、勤怠項目として残業を選択し、勤怠データ範囲としてある期間のほぼ1月を設定した場合を示している。ここでは、抽出結果として残業した日の日付け、勤務終了時刻、ログオウト時刻、退社時刻、残業時間等のデータが表示されている。なお、表示内容は、上記例に限らず任意に設定することができる。」
「【符号の説明】
1 勤怠管理システム
2 認証サーバ
2a 認証データベース
3 勤怠管理サーバ
3a I/O手段
3b 勤怠情報記録手段
3c 出退社時刻認定手段
3d 出退社時刻記録手段
4 業務管理サーバ
5 メニューサーバ
6 勤務者端末
6a I/O手段
6b 認証情報取得手段
6c 勤怠情報入力手段
6d 勤怠事項申請手段
6e 個人勤怠情報表示手段
6f 時刻読取手段
7 管理者端末
7a I/O手段
7b 認証情報取得手段
7c 勤務者設定手段
7d 承認手段
7e 勤務者勤怠情報表示手段
7f 時刻読取手段
8 認証情報取得手段
9 ネットワーク
10 抽出手段
10a データベース検索手段
20 抽出条件設定手段
20a 勤怠項目設定手段
20b 抽出範囲設定手段
20c 閾値記録手段
20d 設定値記録手段
30 勤怠データ記録手段
40 出力手段
50 端末
50a I/O手段
60 個人認証画面
60a 入力枠表示
60b ログイン用のボタン表示
60c 認証情報入力手段の操作を促す表示
61 メニュー画面
61a 業務管理システムの選択ボタン表示
61b 勤怠管理システムの選択ボタン表示
61c お知らせの選択ボタン表示
61d ログアウトの選択を行うボタン表示
62 出勤簿登録画面
62a 勤務種別ボタン表示
62b 勤務時間ボタン表示
62c 出勤登録のボタン表示
63 出勤簿の表示画面
64 勤怠管理システムメニュー画面
64a ホームの選択ボタン表示
64b お知らせの選択ボタン表示
64c 出勤簿の選択ボタン表示
64d 有給休暇・振り替え休暇の選択ボタン表示
64e 統計機能の選択ボタン表示
64f マニュアルの選択ボタン表示
64g ログアウトの選択ボタン表示
65 勤怠管理システム統計処理画面
65a 勤怠項目表示
65b 勤怠データ範囲表示
65c 表示の選択ボタン表示
65d その他の条件の選択ボタン表示
64g ログアウトの選択ボタン表示
65e ログアウトの選択ボタン表示
66,67 一覧表示
100 認証情報取得手段
110 認証手段
120 出退社時刻認定手段
130 出退社時刻記録手段
140 勤怠情報管理手段」
「
[図:0001408854000001.jpg]
」
「
[図:0001408854000002.jpg]
」
「
[図:0001408854000003.jpg]
」
「
[図:0001408854000004.jpg]
」
「
[図:0001408854000005.jpg]
」
「
[図:0001408854000006.jpg]
」
「
[図:0001408854000007.jpg]
」
「
[図:0001408854000008.jpg]
」
(2)引用文献1に記載されている事項
ア 勤怠管理システムについて
段落【0001】、【0037】、【0038】の記載によると、引用文献1には、「勤怠管理システム」に関する発明が記載されていること、及び「勤怠管理システム」は「勤怠管理サーバ3、業務管理サーバ4、認証サーバ2、メニューサーバ5、端末(勤務者端末6、管理者端末7)がネットワーク9に接続されている勤怠管理システム」であることが記載されている。
イ ログイン・ログオフについて
段落【0082】の記載によると、引用文献1には、「勤務者端末6は、勤務者端末6を利用する者が予め登録された者であるかを認証するために、勤務者を認証するための情報を取得する認証情報取得手段(例えば、指紋,虹彩,声紋、指紋を検出する手段)」を備えることが記載されている。
段落【0043】の記載によると、引用文献1には、上記アの「各端末(勤務者端末6、管理者端末7)」は、「ログイン操作によりネットワーク9に接続した後、勤怠管理サーバ3や業務管理サーバ4等を利用すること」が記載されている。
また、段落【0091】、【図8】の記載によると、引用文献1には、「端末(勤務者端末6、管理者端末7)において、ネットワークに接続する際のログイン時」には、「端末画面上に、個人認証画面として、社員番号(あるいはパスワード)を入力する入力枠表示60a、ログイン用のボタン表示60b、利用者が登録者であるかを認証するために、認証情報入力手段(例えば、指紋センサ)の操作を促す表示60cが示される」ことが記載されている。
また、段落【0092】、【0093】の記載によると、引用文献1には、「入力枠表示60aに社員番号を入力し、ボタン表示60bをマウス等のクリックで操作すると、社員番号の照合が行われ、社員番号が照合されると、表示60cが表示され、認証情報の取得が求められる。表示60cには、例えば、指紋センサに指を置く旨の指示が表示され」、「パスワードの照合と認証情報の取得により個人認証が確認されると、ログイン処理が行われ、次にメニュー画面が表示され、このとき、時計手段(時刻読取手段)から認証取得時刻(ログイン時刻)を取得し、認証取得時刻データ(ログイン時刻情報)を各種機能管理システムに送」ることが記載されている。
さらに、段落【0094】の記載によると、引用文献1には「ログイン処理により勤務者が登録者であることが認証されると、メニューサーバ5により、端末(勤務者端末6,管理者端末7)の画面上に、業務管理システム61a,勤怠管理システム61b等の機能管理システムの選択ボタン表示や、各種のお知らせの選択ボタン表示61cが表示されるメニュー画面が表示され」、「メニュー画面61には、ログアウトの選択を行うボタン表示61dが表示される」ことが記載されている。
そして、段落【0095】の記載によると、引用文献1には「メニュー画面61において、ログアウトの選択ボタン61dがクリックされた場合には、時刻読取手段から認証取得時刻(ログアウト時刻)が取得され、認証取得時刻データ(ログアウト時刻情報)を各種機能管理システムに送る」ことが記載されている。
ウ 出勤簿の表示について
段落【0096】、【0097】、【0100】、【0107】、【符号の説明】の記載によると、引用文献1には、
メニュー画面61において、勤怠管理システムの選択をしてボタン61bを選択してクリックすると、メニューサーバ5は勤怠管理サーバ3に接続し、選択された勤怠管理サーバ3は、ホームページを表示する表示データを端末(勤務者端末6,管理者端末7)に送りホームページを表示し、【0096】
勤怠管理システム61bを選択することにより表示される勤怠管理システムメニュー画面には、勤怠管理に係わる各種選択ボタンである、出勤簿(出勤簿の選択ボタン)64cが表示され、【0107】
勤怠管理サーバが処理する処理内容の出勤簿では、勤務者の勤怠状況の一覧表の表示が可能であり、【0097】
出勤簿の一表示例である、出勤簿の表示画面63には、勤務内容、勤務開始時刻、勤務終了時刻、総残業時間、深夜勤務、申請1、申請2、出社時刻、退社時刻、ログイン時刻(認証取得時刻)、ログアウト時刻(認証取得時刻)等が、各日付毎に表示される、【0100】
ことが記載されている。
エ 総残業について
段落【0100】の記載によると、引用文献1には「総残業時間には、当日及び当月のおける残業時間の合計が記述され、当日の総残業時間は、通常勤務の勤務終了時刻と、退社時刻と実際の勤務終了時刻との時間差から算出される」ことが記載されている。
オ まとめ
以上まとめると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
(a)勤怠管理サーバ3、業務管理サーバ4、認証サーバ2、メニューサーバ5、勤務者端末6がネットワーク9に接続されている勤怠管理システムであって、
(b)勤務者端末6は、ログイン操作によりネットワーク9に接続した後、勤怠管理サーバ3や業務管理サーバ4等を利用することができ、
(c)勤務者端末6は、勤務者端末6を利用する者が予め登録された者であるかを認証するために、勤務者を認証するための情報を取得する認証情報取得手段(例えば、指紋,虹彩,声紋、指紋を検出する手段)を備え、
(d)勤務者端末において、ネットワークに接続する際のログイン時には、端末画面上に、個人認証画面として、社員番号(あるいはパスワード)を入力する入力枠表示60a、ログイン用のボタン表示60b、利用者が登録者であるかを認証するために、認証情報入力手段(例えば、指紋センサ)の操作を促す表示60cが示され、
(e)入力枠表示60aに社員番号を入力し、社員番号の照合が行われ、社員番号が照合されると、認証情報の取得が求められ、例えば、指紋センサに指を置くなどの認証情報の取得により個人認証が確認されると、ログイン処理が行われ、次にメニュー画面が表示され、このとき、時計手段(時刻読取手段)から認証取得時刻(ログイン時刻)を取得し、認証取得時刻データ(ログイン時刻情報)を各種機能管理システムに送り、
(f)ログイン処理により勤務者が登録者であることが認証されると、メニューサーバ5により、勤務者端末6の画面上に、業務管理システム61a,勤怠管理システム61b等の機能管理システムの選択ボタン表示や、各種のお知らせの選択ボタン表示61cが表示されるメニュー画面が表示され、メニュー画面61には、ログアウトの選択を行うボタン表示61dが表示され、
(g)メニュー画面61において、ログアウトの選択ボタン61dがクリックされた場合には、時刻読取手段から認証取得時刻(ログアウト時刻)が取得され、認証取得時刻データ(ログアウト時刻情報)を各種機能管理システムに送り、
(h)メニュー画面61において、勤怠管理システムの選択をしてボタン61bを選択してクリックすると、メニューサーバ5は勤怠管理サーバ3に接続し、選択された勤怠管理サーバ3は、ホームページを表示する表示データを勤務者端末6に送りホームページを表示し、
(i)勤怠管理システム61bを選択することにより表示される勤怠管理システムメニュー画面には、勤怠管理に係わる各種選択ボタンである、出勤簿(出勤簿の選択ボタン)64cが表示され、
(j)勤怠管理サーバが処理する処理内容の出勤簿では、勤務者の勤怠状況の一覧表の表示が可能であり、
(k)出勤簿の一表示例である出勤簿の表示画面63には、勤務内容、勤務開始時刻、勤務終了時刻、総残業時間、深夜勤務、申請1、申請2、出社時刻、退社時刻、ログイン時刻(認証取得時刻)、ログアウト時刻(認証取得時刻)等が、各日付毎に表示され、
(l)総残業時間には、当日及び当月のおける残業時間の合計が記述され、当日の総残業時間は、通常勤務の勤務終了時刻と、退社時刻と実際の勤務終了時刻との時間差から算出される、
(m)勤怠管理システム。
2 引用文献2について
(1)引用文献2に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、機器使用管理システム、機器使用管理方法および機器使用管理プログラムに関する。
・・・(中略)・・・
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような従来のシステムでは、勤務者の勤務形態の相違を考慮にいれて勤務者の勤務時間を管理することはできなかった。
【0006】
1つの側面では、勤務者の勤務形態の相違を加味して勤務時間を管理することができる機器使用管理システム、機器使用管理方法および機器使用管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の案では、ユーザ各々の勤務形態と、当該ユーザが使用する情報処理端末のログイン中の動作時間と、を記憶する。そして、記憶部に記憶されるユーザの勤務形態に基づき、ユーザが使用する情報処理端末のログイン中の各動作時間を勤務時間または非勤務時間としてカウントすることで、ユーザの勤務時間を算出する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の1実施形態によれば、勤務者の勤務形態の相違を加味して勤務時間を管理することができる。・・・(中略)・・・
【0013】
[機器使用管理システムの構成の一例]
図1は、第1の実施形態に係る機器使用管理システム1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、機器使用管理システム1は、機器使用管理サーバ10と、認証サーバ20と、クライアント30,40と、を備える。機器使用管理サーバ10、認証サーバ20、クライアント30,40は、ネットワーク50を介して相互に通信可能に接続される。機器使用管理サーバ10と認証サーバ20とは一つのサーバに統合してもよい。図1には2つのクライアント30,40を示すが、ネットワーク50に接続されるクライアントの数は2つに限定されない。
・・・(中略)・・・
【0018】
[機器使用管理サーバの構成の一例]
機器使用管理サーバ10の構成につき、図1を参照して説明する。機器使用管理サーバ10は、記憶部11と制御部12とを有する。
・・・(中略)・・・
【0021】
[記憶部に記憶される情報の一例]
記憶部11は、勤務情報記憶部111と、ユーザ情報記憶部112と、勤務時間情報記憶部113と、を有する。
・・・(中略)・・・
【0035】
[制御部の構成の一例]
次に、図1に戻り、機器使用管理サーバ10の構成の説明を続ける。図1に示すように、制御部12は、接続制御部121と、接続監視部122と、勤務時間算出部123と、申請受付部125と、を有する。
【0036】
接続制御部121は、機器使用管理サーバ10とクライアント30,40との接続を制御する。クライアント30,40は、認証サーバ20による認証に成功し、機器使用管理サーバ10にアクセスするための情報を取得すると、当該情報を用いて機器使用管理サーバ10にアクセスする。接続制御部121は、クライアント30,40から送信される情報と、記憶部11に記憶される情報に基づき、クライアント30,40の接続を許可または拒否する。第1の実施形態では、接続制御部121が、クライアント30,40の接続を許可すると、クライアント30,40がログインしたことが勤務時間情報記憶部113に記憶される。接続を拒否する場合、接続制御部121は、抑止部124(後述)に抑止指示の送信を指示する。
【0037】
接続監視部122は、機器使用管理サーバ10と接続中のクライアント30,40の動作を監視する。接続監視部122は、定期的にクライアント30,40の動作を検知して、勤務時間情報記憶部113に記憶させる。たとえば、接続監視部122は、クライアント30,40がスリープ状態にあることを検知すると、勤務時間情報記憶部113に、検知した時刻を示すタイムスタンプとともにスリープ状態を検知したことを記憶する。また、接続監視部122は、クライアント30,40がスリープ状態ではなくなったことを検知すると、勤務時間情報記憶部113に、検知した時刻を示すタイムスタンプとともにスリープ状態が終了したことを記憶する。接続監視部122は、予め設定された時間たとえば15分ごとにクライアント30,40の動作を検知する。
【0038】
勤務時間算出部123は、機器使用管理サーバ10と接続中のクライアント30,40を使用するユーザの勤務時間を算出する。勤務時間算出部123は、記憶部11に記憶される勤務情報、ユーザ情報、勤務時間情報に基づき、各ユーザの勤務時間を算出する。勤務時間算出の詳細については後述する。
・・・(中略)・・・
【0060】
[第1の実施形態に係る機器使用管理の処理の流れの一例]
図6は、第1の実施形態に係る機器使用管理処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【0061】
まず、クライアント30が認証画面に入力されたユーザIDとパスワードとを含む認証要求を認証サーバ20に送信する。認証サーバ20が認証処理を行い、クライアント30が機器使用管理サーバ10にアクセスする(ログイン、ステップS601)。機器使用管理サーバ10とクライアント30とが接続すると、機器使用管理サーバ10の接続監視部122はクライアント30の動作状態の監視を開始する(ステップS602)。また、機器使用管理サーバ10の勤務時間算出部123は、クライアント30のユーザの勤務時間の算出を開始する(ステップS603)。そして、勤務時間算出部123は、算出した勤務時間が所定の労働時間に到達したかまたは現在時刻が所定の終業時間に到達したか否かを判定する(ステップS604)。算出した勤務時間が所定の労働時間に到達していない、または、現在時刻が所定の終業時間に到達していない、と判定した場合(ステップS604、否定)、勤務時間算出部123は、元に戻ってステップS604の判定を繰り返す。他方、算出した勤務時間が所定の労働時間に到達した、または、現在時刻が所定の終業時間に到達したと判定した場合(ステップS604、肯定)、勤務時間算出部123は、抑止部124に抑止指示の送信を指示する。抑止部124は、抑止指示をクライアント30に送信し、クライアント30の制御部32は、抑止処理を実行する(ステップS605)。これで、機器使用管理処理が終了する。
【0062】
[勤務時間算出の手法の一例]
次に、図7および図8を参照して、勤務形態に応じた勤務時間の算出手法について説明する。図7は、勤務形態と勤務時間の取り扱いの一例について説明するための図である。図8は、第1の実施形態における各勤務形態における勤務時間の算出手法の一例を説明するための図である。
【0063】
図7の例は、勤務情報記憶部111に記憶される勤務形態「A」、「B」、「C」のそれぞれにおける勤務時間の区分を示している。まず、勤務形態「A」の場合(図7の上のグラフ)、8時30分が始業時間、17時30分が終業時間である。そして、休憩時間は11時30分から12時30分までが割り当てられている。したがって、8時30分から11時30分までと12時30分から17時30分までとは、「時間内勤務」に該当する。また勤務形態「A」の場合に、時間外勤務をする場合、17時30分以降が時間外勤務となる。また、22時から翌朝5時までは深夜勤務に該当する。
・・・(中略)・・・
【0067】
ユーザAは、勤務を開始する際に、機器使用管理サーバ10の管理対象となる情報処理端末たとえばクライアント30を用いて機器使用管理システム1にログインする(図8の(1))。クライアント30からの認証要求に応じてクライアント30と認証サーバ20との間で認証が成功し、クライアント30と機器使用管理サーバ10との間で通信が開始する。機器使用管理サーバ10の勤務時間情報記憶部113に、ユーザがログインしたことが記憶される。
【0068】
クライアント30が機器使用管理サーバ10に接続すると、機器使用管理サーバ10は、クライアント30のIPアドレスを取得する。機器使用管理サーバ10は、クライアント30のIPアドレスによって、当該クライアント30が社内の情報機器であるか社外の情報機器であるかを判別する。図8の例では、クライアント30には、社内の情報機器であることを示すIPアドレス「192.168.1.1」が割り当てられている。
【0069】
ユーザAの規定の労働時間は8時30分から17時30分であるが、ユーザAは時間外勤務の申請をすることができる。ユーザAは、終業時間の17時30分より前に18時から21時の時間外勤務の申請を行い、承認を受けたことが勤務時間情報記憶部113に記憶される(図8の(2))。機器使用管理サーバ10は、承認済みの時間外勤務の情報が勤務時間情報記憶部113に記憶されている場合、規定の終業時間前になっても抑止指示の送信は行わない。
【0070】
ユーザAは、時間外勤務を申請した時間帯「18:00~21:00」の間継続して勤務する。この間、クライアント30は19時から20時50分の間スリープ状態となっている(図8の(3))。ユーザAは21時に勤務を終えてクライアント30をログオフさせる(図8の(4))。
【0071】
機器使用管理サーバ10は、ユーザが社内勤務をしている場合であって、時間内勤務または承認された時間外勤務中である場合は、クライアントのスリープ状態は労働時間の算出において考慮しない。したがって、図8のユーザAの労働時間は、通常の勤務時間と時間外申請をした勤務時間の合計となる。つまり、時間内勤務時間8時間+休憩時間1時間+時間外勤務時間3時間=12時間が、ユーザAの労働時間として算出される。
【0072】
次に、図8の中央の図を参照して、時間外勤務および社外勤務が許可されている、勤務形態「B」のユーザBの場合の労働時間の算出手法について説明する。ユーザBは、たとえば図3の「ユーザID、USER02」のユーザである。また、ユーザBは、携帯可能な情報処理端末をクライアント40として使用している。
【0073】
ユーザBは、始業時間の9時30分に機器使用管理システム1にログインする(図8の(5))。時間内勤務時間である9時30分から18時30分の間、ユーザBは社内勤務する。時間内勤務が終了する前の17時30分に、ユーザBは、19時から22時の時間外勤務を申請する(図8の(6))。社内勤務中、クライアント40にはIPアドレス「192.168.1.3」が割り当てられている。ユーザBは、時間外勤務を申請した後、規定の終業時間18時30分になると、クライアント40を自宅に持ち帰る。クライアント40は、18時から19時30分の間スリープ状態である(図8の(7))。ユーザBは帰宅後、再びクライアント40を使用して勤務を開始する。自宅での勤務中、クライアント40には、IPアドレス「10.0.0.1」が割り当てられる。ユーザBは、時間外勤務を申請した19時から22時のうち、19時30分から22時の間、クライアント40を使用して勤務する。そして、22時にユーザBはクライアント40を機器使用管理システム1からログオフさせる(図8の(8))。
【0074】
このように、社内勤務を基本とするユーザが、社外で時間外勤務をする場合、クライアントがスリープ状態である時間帯は勤務時間としてカウントしない。つまり、ユーザBの場合、時間内勤務時間8時間+休憩時間1時間+時間外勤務を申請した時間のうちクライアントがスリープ状態でない時間2.5時間=11.5時間が労働時間となる。
・・・(中略)・・・
【0078】
このように、第1の実施形態の機器使用管理サーバ10は、ユーザが社内勤務のときはクライアントがスリープ状態となっている時間帯も労働時間としてカウントする。そして、ユーザが社外勤務のときは、クライアントがスリープ状態となっている時間帯は労働時間としてカウントしない。機器使用管理サーバ10は、社外勤務中か社内勤務中かを、たとえばクライアントのIPアドレスにもとづいて判定する。
・・・(中略)・・・
【0080】
また、ログインやログアウトのタイミングは、始業時間および終業時間の前後に所定の幅を持たせて設定しておき、設定された所定の時間枠であればログインおよびログアウトを受け付けるように設定することができる。
【0081】
[機器使用管理サーバの処理の一例]
次に、図9~図12を参照し、機器使用管理サーバ10の各部における処理の流れの一例について説明する。図9は、第1の実施形態におけるログイン時の接続制御部121の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図10は、第1の実施形態における接続監視部122の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図11は、第1の実施形態における勤務時間算出部123の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図12は、第1の実施形態における申請受付部125の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0082】
[ログイン時の接続制御部の処理の一例]
図9を参照し、機器使用管理サーバ10の接続制御部121の処理の流れについて説明する。クライアント30,40は、認証要求を認証サーバ20に送信した後認証に成功すると、機器使用管理サーバ10にアクセスする。接続制御部121は、クライアント30,40から送信される情報にもとづき、クライアント30,40が機器使用管理システム1にログインしようとしているか否かを判定する(ステップS901)。ログインではないと判定した場合(ステップS901、否定)、接続制御部121は処理を終了する。ログインであると判定した場合(ステップS901、肯定)、接続制御部121は、クライアント30,40から送信される情報に基づき記憶部11を参照して当該クライアント30,40のユーザを特定する。そして、接続制御部121は、記憶部11を参照して、現在時刻が当該ユーザの勤務時間枠内か否かを判定する(ステップS902)。勤務時間枠は、ユーザが勤務を開始すると予想される時間帯を一定の幅をもたせて予め設定したものである。勤務時間枠については後述する。
【0083】
勤務時間枠内ではないと判定した場合(ステップS902、否定)、接続制御部121は、抑止部124に抑止指示の送信を指示し、クライアント30,40に抑止処理を実行させる(ステップS903)。抑止処理とは、クライアント30,40を用いた勤務ができないように、機器使用管理システム1にログインした状態でのクライアント30,40の使用を抑制する処理である。たとえば、クライアント30,40のロック、シャットダウン、ログオフ、警告表示などが抑止処理である。接続制御部121は、ユーザが勤務時間外にクライアント30,40を使用しようとした場合に、抑止部124から抑止指示を送信させる。抑止指示を受信したクライアント30,40は、予め記憶された条件に基づき、ロック、シャットダウン、ログオフ、警告表示などの処理を実行する。たとえば、クライアント30,40は、勤務時間外のログインであることを警告する警告表示を表示部に表示する。その後、所定時間内にユーザの入力がなければシャットダウンする。抑止処理の内容は特に限定されず、クライアントの使用を抑制できるものであればよい。
【0084】
他方、勤務時間枠内であると判定した場合(ステップS902、肯定)、接続制御部121は、クライアント30,40の使用を許可する(ステップS904)。接続制御部121は、クライアント30,40のユーザのログインを勤務時間情報記憶部113に記録する(ステップS905)。そして、接続制御部121は、クライアント30,40と接続して、クライアント30,40に対する接続監視部122、勤務時間算出部123、申請受付部125の処理を実行させる。接続制御部121による処理はこれで終了する。
【0085】
[クライアント接続中の接続監視部の処理の一例]
次に、図10を参照し、接続監視部122の処理の流れの一例について説明する。接続監視部122は、機器使用管理サーバ10と接続しているクライアント30,40の動作を監視する。接続監視部122は、クライアント30,40が機器使用管理サーバ10と接続してから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS1001)。所定時間が経過していないと判定すると(ステップS1001、否定)、接続監視部122はステップS1001の判定を繰り返す。他方、所定時間が経過したと判定すると(ステップS1001、肯定)、接続監視部122は、クライアント30,40において操作が行われたか否かを判定する(ステップS1002)。操作ありと判定すると(ステップS1002、肯定)、接続監視部122は、ステップS1001に戻る。操作なしと判定すると(ステップS1002、否定)、接続監視部122は、所定時間操作がないか否かを判定する(ステップS1003)。所定時間の間になんらかの操作があったと判定すると(ステップS1003,否定)、接続監視部122は、ステップS1001に戻る。他方、所定時間操作がないと判定すると(ステップS1003、肯定)、接続監視部122は、当該クライアントはスリープ状態にあると判定する(ステップS1004)。そして、接続監視部122は、クライアントがスリープ状態と検知した日時とスリープ状態である旨を、勤務時間情報記憶部113に記憶する(ステップS1005)。そして、接続監視部122は、クライアント30,40がログオフしたか否かを判定する(ステップS1006)。ログオフしていないと判定すると(ステップS1006、否定)、接続監視部122は、ステップS1001に戻る。他方、ログオフしたと判定すると(ステップS1006、肯定)、接続監視部122は、処理を終了する。
【0086】
図10の例では、接続監視部122がクライアントのスリープ状態を判定するものとした。ただし、クライアント30,40側から自機器の状態を定期的に接続監視部122に送信し、接続監視部122は、受信した情報を勤務時間情報記憶部113に適宜記憶していくように構成してもよい。
・・・(中略)・・・
【0092】
[機器管理使用処理の流れの一例]
図13は、第1の実施形態における機器使用管理処理の概略的な流れの一例を示す図である。図13に示すように、クライアント30のユーザは、勤務を開始するとき、まず認証サーバ20に認証要求を送信する(図13の(1))。認証要求を受信した認証サーバ20は、認証要求に含まれるパスワードおよびユーザIDをユーザ認証情報記憶部211に記憶される情報と照合し、一致すれば認証成功と判断する(図13の(2))。認証に成功すると、認証サーバ20は、クライアント30による機器使用管理サーバ10への接続を許可する(図13の(3))。クライアント30は、接続許可によって通知される情報に基づき、機器使用管理サーバ10に接続する(図13の(4))。機器使用管理サーバ10は、クライアント30から送信される情報に基づき、クライアント30のログインの可否を判定する(図13の(5))。機器使用管理サーバ10は、クライアント30のユーザの勤務情報、ユーザ情報および勤務時間情報を参照して、現在時刻が勤務時間枠内か否かを判定する。機器使用管理サーバ10は、勤務時間枠内と判定した場合に、ログイン可と判定して、ユーザによるクライアント30の使用を許可する。そして、ユーザはクライアント30を使用して勤務する。クライアント30の操作状態は順次、機器使用管理サーバ10の接続監視部122が検知し、勤務時間情報記憶部113に記憶される。たとえば、クライアント30がスリープ状態になる(図13の(6))。機器使用管理サーバ10の接続監視部122は、クライアント30の操作が所定時間にわたって検知されないことにより、スリープ状態を検知する(図13の(7))。接続監視部122は検知されたスリープ状態を勤務時間情報記憶部113に記憶する(図13の(7))。ユーザがクライアント30を使用して勤務している間、機器使用管理サーバ10の勤務時間算出部123は、継続的に勤務時間を算出する(図13の(8))。現在時刻が終業時間枠に達したかまたは勤務時間が所定時間に到達したと判定すると、勤務時間算出部123は、抑止指示をクライアント30に送信する(図13の(9))。抑止指示を受信したクライアント30は、予め設定されている内容の抑止処理を実行する(図13の(10))。抑止処理の結果、クライアント30は機器使用管理サーバ10からログアウトする(図13の(11))。機器使用管理サーバ10は、クライアント30のログアウトを勤務時間情報記憶部113に記憶する(図13の(12))。これで、クライアント30を使用したユーザの1日の勤務が終了し、機器使用管理処理が終了する。
【0093】
[時間外勤務申請を伴う機器使用管理処理の流れの一例]
図14は、第1の実施形態における機器使用管理処理の流れの他の例を示す図である。図14の例では、クライアント30のユーザは、時間外勤務をするためには申請してクライアント40のユーザの承認を得なければならない。
【0094】
図14の(1)~(8)の処理は、図13の(1)~(8)の処理と同様であるため説明を省略する。図14の(8)で、勤務時間算出部123は勤務時間の算出を行う。そして、現在時刻が終業時間枠内であるか、または、勤務時間が所定時間に到達したと判定すると、機器使用管理サーバ10が抑止指示をクライアント30に送信する(図14の(9))。図14の例では、抑止指示が送信されてから一定期間の間に時間外勤務の申請を行うことができる。クライアント30のユーザは、抑止処理によってクライアント30の表示部に表示されるメッセージに従い、時間外勤務の申請を行う(図14の(10))。機器使用管理サーバ10は、クライアント30のユーザ情報を参照し、承認権をもつユーザのクライアント40に申請通知を送信する(図14の(11))。申請通知は、時間外勤務の申請があったこと、申請者を特定する情報、申請された時間外勤務時間帯の情報を含む。クライアント40のユーザは、通知に応じて、申請を承認または拒否できる。クライアント40のユーザが申請を承認する旨を機器使用管理サーバ10に送信する(図14の(12)と、機器使用管理サーバ10はその旨勤務時間情報記憶部113に記憶する(図14の(13))。その後、機器使用管理サーバ10は、図14の(7)(8)の処理を繰り返す(図14の(14))。そして、クライアント30が機器使用管理サーバ10からログアウトする(図14の(15))。機器使用管理サーバ10は、クライアント30のログアウトを勤務時間情報記憶部113に記憶する(図14の(16))。これで機器使用管理処理が終了する。
【0095】
[第1の実施形態の効果]
このように、第1の実施形態に係る機器使用管理システムは、記憶部と、算出部とを備える。記憶部は、ユーザ各々の勤務形態と、当該ユーザが使用する情報処理端末のログイン中の動作時間と、を記憶する。算出部は、記憶部に記憶されるユーザの勤務形態に基づき、ユーザが使用する情報処理端末のログイン中の各動作時間を勤務時間または非勤務時間としてカウントすることで、ユーザの勤務時間を算出する。
・・・(中略)・・・
【0100】
[変形例]
なお、上記実施形態では、クライアントのログインおよびログアウトをそれぞれ、1日の勤務開始と勤務終了に対応づけて機器使用管理処理を実現するものとした。これに限定されず、他の操作がクライアント上で実行された場合に、機器使用管理サーバが勤務開始および勤務終了を検知するように構成してもよい。・・・(後略)」
「
[図:0001408854000009.jpg]
」
「
[図:0001408854000010.jpg]
」
「
[図:0001408854000011.jpg]
」
「
[図:0001408854000012.jpg]
」
(2)引用文献2に記載されている事項
上記(1)で摘記した事項を踏まえると、引用文献2には以下の事項が記載されている。
ア 機器使用管理システムについて
引用文献2の【0006】には、「勤務者の勤務形態の相違を加味して勤務時間を管理することができる機器使用管理システム、機器使用管理方法および機器使用管理プログラムを提供することを目的とする」と記載されているから、引用文献2に記載された機器使用管理システムは、勤務者の勤務時間を管理することができる機器使用管理システムであるといえる。
イ 勤務時間の算出について
引用文献2の【0007】の記載をみると、引用文献2に記載された機器使用管理システムは、勤務者の勤務時間を管理することができる機器使用管理システムとするために、「ユーザ各々の勤務形態と、当該ユーザが使用する情報処理端末のログイン中の動作時間と、を記憶」し、「そして、記憶部に記憶されるユーザの勤務形態に基づき、ユーザが使用する情報処理端末のログイン中の各動作時間を勤務時間または非勤務時間としてカウントすることで、ユーザの勤務時間を算出する」構成を備えている、すなわち、少なくとも「ユーザが使用する情報処理端末のログイン中の動作時間を記憶し、ユーザが使用する情報処理端末のログイン中の各動作時間を勤務時間または非勤務時間としてカウントすることで、ユーザの勤務時間を算出する構成」が開示されているといえる。
ウ 時間内勤務・時間外勤務
引用文献2の【0062】、【0063】の記載をみると、勤務時間算出手法として、勤務形態「A」の場合、「8時30分が始業時間、17時30分が終業時間であり、休憩時間は11時30分から12時30分までが割り当てられることから、8時30分から11時30分までと12時30分から17時30分までとは、「時間内勤務」に該当し、時間外勤務をする場合、17時30分以降が時間外勤務となる」ことが記載されている。
エ 勤務時間の算出の実施例について
引用文献2の【0067】~【0071】、【0080】の記載をみると、以下の勤務時間算出処理が行われることが記載されている。
(a)ユーザAは、勤務を開始する際に、機器使用管理サーバ10の管理対象となる情報処理端末(クライアント30)を用いて機器使用管理システム1にログインし、認証が成功すると、機器使用管理サーバ10の勤務時間情報記憶部113に、ユーザがログインしたことが記憶され、(【0067】)
(b)クライアント30が機器使用管理サーバ10に接続すると、機器使用管理サーバ10は、クライアント30のIPアドレスを取得し、クライアント30のIPアドレスによって、当該クライアント30が社内の情報機器である(社内の情報機器であることを示すIPアドレス「192.168.1.1」)ことを判別し、(【0068】)
(c)ユーザAの規定の労働時間は8時30分から17時30分であるが、ユーザAは時間外勤務の申請(終業時間の17時30分より前に18時から21時の時間外勤務の申請)をすることができ、承認を受けたことが勤務時間情報記憶部113に記憶され、、承認済みの時間外勤務の情報が勤務時間情報記憶部113に記憶されている場合、規定の終業時間前になっても抑止指示の送信は行わず、(【0069】)
(d)ユーザAは、時間外勤務を申請した時間帯「18:00~21:00」の間継続して勤務を行うが、クライアント30は19時から20時50分の間スリープ状態となっていて、ユーザAは21時に勤務を終えてクライアント30をログオフさせた場合、(【0070】)
(e)機器使用管理サーバ10は、ユーザが社内勤務をしている場合であって、時間内勤務または承認された時間外勤務中である場合は、クライアントのスリープ状態は労働時間の算出において考慮せず、したがって、ユーザAの労働時間は、通常の勤務時間と時間外申請をした勤務時間の合計、つまり、時間内勤務時間8時間+休憩時間1時間+時間外勤務時間3時間=12時間が、ユーザAの労働時間として算出されるものであって、(【0071】)
(f)ログインやログアウトのタイミングは、始業時間および終業時間の前後に所定の幅を持たせて設定しておき、設定された所定の時間枠であればログインおよびログアウトを受け付けるように設定することができる、(【0080】)
(g)勤務時間算出処理。
上記(a)~(g)の処理を総括すると、ユーザが情報処理端末(クライアント30)を用いて機器使用管理システム1にログイン、ログオフさせたことを検知し、ユーザAの規定の労働時間は8時30分から17時30分であるが18時から21時の時間外勤務が承認された場合、ユーザが8時30分(の所定の幅の時間枠)にログインを行い、21時以降(の所定の幅の時間枠)にログオフを行うと、上記ログインとログオフの検知結果に基づいて、17:30分以降の時間外労働時間が算出されることが記載されているといえる。
オ 効果等
引用文献2の【0078】には、「このように、第1の実施形態の機器使用管理サーバ10は、ユーザが社内勤務のときはクライアントがスリープ状態となっている時間帯も労働時間としてカウントする。」との記載があり、【0095】には、「このように、第1の実施形態に係る機器使用管理システムは、記憶部と、算出部とを備え」、「記憶部は、ユーザ各々の勤務形態と、当該ユーザが使用する情報処理端末のログイン中の動作時間と、を記憶」し、「算出部は、記憶部に記憶されるユーザの勤務形態に基づき、ユーザが使用する情報処理端末のログイン中の各動作時間を勤務時間または非勤務時間としてカウントすることで、ユーザの勤務時間を算出する。」との記載があり、【0100】には、「なお、上記実施形態では、クライアントのログインおよびログアウトをそれぞれ、1日の勤務開始と勤務終了に対応づけて機器使用管理処理を実現するものとした。」との記載がある。
第6 当審の判断
1 本願発明1と引用発明との対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「勤怠管理システム」は、勤怠に関する管理を行うシステムであるから、以下で検討する相違点を除いて、本願発明1の「管理システム」に相当する。
(2)引用発明の「勤務者端末6」は、上記第5 1(2)オによれば、端末画面上に、個人認証画面として各種表示を行ったり(構成(d))、勤務者を認証するための情報を取得する認証情報取得手段(例えば、指紋,虹彩,声紋、指紋を検出する手段)を備え(構成(c))、指紋センサに指を置くなどの認証情報の取得により個人認証の確認(構成(e))などの情報処理を行っているから、情報処理端末である。
そして、上記「勤務者端末6」は、上記第5 1(2)オ(c)~(g)の構成により、端末装置のネットワーク9に対する接続に関するログイン・ログオフの処理、すなわち、ログインおよびログオフの検知を行っているから、当該検知部を有しているといえる。
したがって、引用発明の管理システムは、本願発明1の「情報処理端末におけるログインおよびログオフを検知する検知部」を備えているといえる。
(3)引用発明では上記第5 1(2)オ(l)の算出(処理)を行うことにより、「当日の総残業時間」が算出されることが記載されている。
ここで、本願発明の「時間外労働時間」は、本願明細書の【0014】、【0020】に、
「【0014】
「固定時間制」とは、始業時刻および終業時刻が定められており、始業時刻から終業時刻までの時間帯が勤務時間となる労働時間制である。固定時間制が適用される労働者は、定められた勤務時間の間は労働が義務づけられる。そして、固定時間制が適用される労働者が、勤務時間を超えて労働すると、時間外労働をした、とみなされる。そして、時間外労働をした労働者には時間外労働時間分の時間外労働手当、いわゆる残業代が支払われる。また、労働者が深夜や休日に出勤した場合は、通常の時間外労働手当とは異なる深夜労働、休日出勤についての割増賃金が支払われる。勤務時間はたとえば、9時から17時までと定められる。また、勤務時間中に法令等に従い1時間程度の休憩時間が設けられることが多い。」
「【0020】
図18は、労働時間算出の一パターンを説明するための図である。図18に示すパターンは、図17の固定時間制で労働する労働者の場合を想定している。図18のパターンの場合、始業時刻は8時30分、終業時刻は17時30分、休憩時間が12時から13時まで、1日の労働時間は8時間と定められている。そして、労働者は、始業時刻である8時30分までに出社して、8時30分から労働を開始する。そして、終業時刻の17時30分を超えて労働する場合はその労働時間が残業時間、すなわち時間外労働時間となる。図18の場合、8時30分から12時までと、13時から17時30分まで労働すれば、1日の労働時間は8時間となり、その後19時まで労働すれば、1時間30分が時間外労働時間となる。」
と記載されるように、本願明細書では格別「時間外労働(時間)」と「残業(時間)」とを区別していないから、引用発明の「残業」は、本願発明1の「時間外労働」に相当する。
また、引用発明の「勤務者端末6」の「勤務者」は、勤務者端末を利用する「ユーザ」であり、上記勤務者端末を利用して上記第5 1(2)オ(k)で出勤簿の表示画面63に表示される各種表示内容(総残業時間など)は、上記ユーザに関するものであることは当たり前のことであるから、上記表示される「総残業時間」は、本願発明1の「ユーザの時間外労働時間」に相当する。
以上のことから、引用発明の上記第5 1(2)オ(l)に示した算出(処理)によって算出される「総残業時間」は、本願発明1の「ユーザの時間外労働時間」であり、引用発明は、当該算出を行う手段を有しているから、引用発明の当該算出する手段は、本願発明の「前記検知部による検知内容に基づき、始業時刻前における情報処理端末の使用時間と、終業時刻後における情報処理端末の使用時間とを集計して、ユーザの時間外労働時間を算出する算出部」と「ユーザの時間外労働時間を算出する算出部」である点で共通する。
もっとも、「ユーザの時間外労働時間を算出する算出部」は、本願発明1では「前記検知部による検知内容に基づき、始業時刻前における情報処理端末の使用時間と、終業時刻後における情報処理端末の使用時間とを集計」するのに対し、引用発明では「前記検知部による検知内容に基づき、始業時刻前における情報処理端末の使用時間と、終業時刻後における情報処理端末の使用時間とを集計」しない点で相違する。
(4)引用発明では、「表示画面63には、総残業時間等が各日付毎に表示され」る。
上記(3)で検討したように引用発明の「総残業時間」は、本願発明1の「ユーザの時間外労働時間」に相当する。
そして、引用発明は「表示画面63には、総残業時間等が各日付毎に表示され」るのであるからそのように制御する表示制御部を有しているといえ、引用発明の管理システムは「ユーザの時間外労働時間を表示部に表示させる表示制御部」を備えているといえる。
ここで、本願発明1の「表示制御部」は「ユーザの前記時間外労働時間と、各部署に所属するユーザの指定された月の部署ごとの時間外労働時間の平均時間とのうち少なくとも一方を表示部に表示させる表示制御部」であって、「ユーザの前記時間外労働時間」、「各部署に所属するユーザの指定された月の部署ごとの時間外労働時間の平均時間」が択一的選択事項として特定されているところ、引用発明の「ユーザの時間外労働時間を表示部に表示させる表示制御部」は、当該択一的記載のうちの「ユーザの前記時間外労働時間を表示部に表示させる表示制御部」と、「ユーザの時間外労働時間を表示部に表示させる表示制御部」である点で共通する。
したがって、引用発明の管理システムの備える「ユーザの時間外労働時間を表示部に表示させる表示制御部」は、本願発明1の「ユーザの前記時間外労働時間と、各部署に所属するユーザの指定された月の部署ごとの時間外労働時間の平均時間とのうち少なくとも一方を表示部に表示させる表示制御部」と、「ユーザの時間外労働時間と、各部署に所属するユーザの指定された月の部署ごとの時間外労働時間の平均時間とのうち少なくとも一方を表示部に表示させる表示制御部」である点で共通する。
(5)まとめ(一致点・相違点)
以上、上記(1)~(4)によると、本願発明1と引用発明とは、次の一致点、相違点を有する。
[一致点]
情報処理端末におけるログインおよびログオフを検知する検知部と、
ユーザの時間外労働時間を算出する算出部と、
ユーザの前記時間外労働時間と、各部署に所属するユーザの指定された月の部署ごとの時間外労働時間の平均時間とのうち少なくとも一方を表示部に表示させる表示制御部と、
を備えることを特徴とする管理システム。
[相違点]
「ユーザの時間外労働時間を算出する算出部」は、本願発明1では「前記検知部による検知内容に基づき、始業時刻前における情報処理端末の使用時間と、終業時刻後における情報処理端末の使用時間とを集計」するのに対し、引用発明では「前記検知部による検知内容に基づき、始業時刻前における情報処理端末の使用時間と、終業時刻後における情報処理端末の使用時間とを集計」しない点。
2 相違点の判断
(1)引用文献2には、下記ア~ウに示すとおり、本願発明1と引用発明との相違点のうち、「前記検知部による検知内容に基づき、終業時刻後における情報処理端末の使用時間を集計して、ユーザの時間外労働時間を算出する」ことが記載されている。
ア 本願発明1の「情報処理端末の使用時間」は、いずれも、「情報処理端末におけるログインおよびログオフを検知する検知部」「による検知内容に基づく」ものであるところ、本願の発明の詳細な説明の【0090】の「また、たとえば、固定時間制のユーザについては操作入力がなくとも、ログイン操作からログオフ操作までの勤務時間の間は労働時間とみなす等の条件を設けてもよい。」との記載からみて、本願発明1の「情報処理端末におけるログインおよびログオフを検知する検知部」「による検知内容に基づき」「集計」される「終業時刻後における情報処理端末の使用時間」は、「ログイン操作からログオフ操作までの勤務時間の間は労働時間とみな」し、このうちの「終業時刻後における」「(上記労働時間とみなされた)ログオフ操作までの勤務時間」を含むものである。
イ 他方、引用文献2に記載された勤務時間算出処理においても、「ユーザが情報処理端末(クライアント30)を用いて機器使用管理システム1にログイン、ログオフさせたことを検知し、ユーザAの規定の労働時間は8時30分から17時30分であるが18時から21時の時間外勤務が承認された場合、ユーザが8時30分(の所定の幅の時間枠)にログインを行い、21時以降(の所定の幅の時間枠)にログオフを行うと、上記ログインとログオフの検知結果に基づいて、17:30分以降の時間外労働時間が算出される」のであるから、引用文献2の「時間外労働時間」は、「ログイン操作からログオフ操作までの勤務時間の間は労働時間とみなし、このうちの終業時刻後における(上記労働時間とみなされた)ログオフ操作までの勤務時間」といえる。
ウ 以上を踏まえれば、本願発明1の「情報処理端末におけるログインおよびログオフを検知する検知部」「による検知内容に基づき」「集計」される「終業時刻後における情報処理端末の使用時間」は、引用文献2の「ログイン操作からログオフ操作までの勤務時間の間は労働時間とみなし、このうちの終業時刻後における(上記労働時間とみなされた)ログオフ操作までの勤務時間」である「時間外労働時間」を含むものであり、これに相当するといえる。
(2)一般に、労働時間は、その開始時刻と終了時刻がセットとなって得られるものであり、平成30年法律第71号による改正前の労働基準法32条2項及び36条の規定からみて、厚生労働大臣が定める基準(36条2項)に適合する協定(同条3項)の範囲内であれば、始業時刻前の時間外労働(本願出願前に伊藤忠商事により導入された「朝型勤務」やいわゆる「朝残業」)が可能であることは、文献を示すまでもない事項であり、引用文献1(「残業」の「時間範囲」は「社内規定」において定められる。段落【0113】)においても、始業時刻前の労働の時間を終業時刻後の時間外労働時間と同様に「時間外労働時間」と扱うか否かは、社内規定で適宜定められることになる。
(3)以上を踏まえて検討する。
引用発明は、「情報処理端末におけるログインおよびログオフを検知する検知部」を備え、「ログインやログアウトのタイミング」が「始業時間および終業時間の前後」の「所定の時間枠」において受け付けられるものとされており、ログインからログアウトまでを始業から終業までと関連づけていることが明らかである。このことを踏まえれば、引用発明の時間外労働時間の算出にあたって集計される時間外労働時間として、引用文献2に記載された「ログイン操作からログオフ操作までの勤務時間の間は労働時間とみなし、終業時刻後におけるログオフ操作までの勤務時間を時間外労働時間とすることは、引用発明と引用文献2の記載から容易になし得たことであり、その際、終業時刻からログオフ操作までの時間と同様にログイン操作から始業時間までの時間についても、時間外労働時間として、相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
3 効果等
そして、上記相違点を総合的に勘案しても、本願発明1の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2に記載された技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
第7 むすび
以上のとおりであるから、本願発明1は、引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-006967