2022-701269
認証装置、認証方法、及びプログラム
- 審判番号
- 2022-701269
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2020-512627外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 7100334
- 請求日
- 2022年12月19日
- 審決日
- 2023年05月23日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社ショーケース
- 【権利者代理人】佐野 弘
- 【異議申立人】佐伯 惠子
- 分類
- P1651.121-Y (G06T)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 15項目
第1 手続の経緯
特許第7100334号の請求項1ないし4に係る特許についての出願は、平成30年(2018年)11月30日を国際出願日とする出願であって、令和4年7月5日に特許権の設定登録がなされ、同年7月13日にその特許掲載公報が発行され、その後、その特許に対し、令和4年12月19日に特許異議申立人佐伯惠子により特許異議の申立てがされたものである。
第2 本件特許発明
特許第7100334号の請求項1ないし4の特許に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。(以下請求項1ないし4の特許に係る発明を「本件発明1」ないし「本件発明4」という。)
なお、請求項1に付したA~Eは、説明のために当審で付したものであり、以下「構成A」~「構成E」という。
「【請求項1】A 利用者の本人認証に用いる認証装置であって、B1 撮影装置を操作して利用者の顔を撮影し、該撮影した映像に基づいて前記利用者を認証する第一の認証手段と、B2 該第一の認証手段による認証の可否の結果を表示手段に表示させる第一の認証結果表示手段と、続きを表示(全56行)B3 前記第一の認証手段における前記認証に成功した場合に、前記利用者に所定の動作を要求するとともに、前記撮影装置を操作して前記動作を行う利用者を撮影し、該撮影した映像に基づいて前記利用者を認証する第二の認証手段と、B4 該第二の認証手段による認証の可否の結果を表示手段に表示させる第二の認証結果表示手段と、B5 前記利用者の顔の画像が記録される記録手段とを備え、C 前記第一の認証手段は、前記撮影装置が撮影した前記利用者の顔の画像と前記記録手段に記録された前記利用者の顔の画像とを比較する比較処理を行い、C1 前記第一の認証手段と前記第一の認証結果表示手段とは、前記比較処理の結果、前記第一の認証手段が両方の前記顔の画像が同一人物の前記顔の画像であることを認識した場合に、前記第一の認証結果表示手段が前記表示手段に認証に成功したことを表示させると共に、前記第一の認証手段が前記認証を成功したものとする第一の成功処理、及び、C2 前記比較処理の結果、前記第一の認証手段が前記両方の顔の画像が前記同一人物の顔の画像であることを認識できない場合に、前記第一の認証結果表示手段が前記表示手段に認証に成功しなかったことを表示させると共に、前記第一の認証手段が、前記撮影装置を操作して利用者の顔を撮影し、該撮影した映像に基づいて前記利用者を認証することを所定回数繰り返す第一の不成功処理、を行い、D 前記第二の認証手段は、前記第一の認証手段による前記認証が成功した後に前記利用者に対して所定の動作を要求する情報が出力されて、該所定の動作を要求する情報の出力の後に前記撮影装置が撮影した前記利用者の顔の静止画像と、前記第一の認証手段における前記比較処理で用いられた前記顔の画像とからそれぞれ所定の特徴点の情報を抽出し、それぞれの前記特徴点の差分情報によって前記利用者が前記所定の動作を行ったかを判断する判断処理を行い、D1 前記第二の認証手段と前記第二の認証結果表示手段とにおいては、前記判断処理の結果、前記第二の認証手段が前記特徴点の差分情報において前記要求された動作に対応した所定の静止状態を検出した場合に、前記第二の認証結果表示手段が、前記表示手段に認証に成功したことを表示させると共に前記第二の認証手段が前記認証を成功したものとする第二の成功処理、及び、D2 前記判断処理の結果、前記第二の認証手段が、前記要求された動作に対応した所定の静止状態を検出しなかった場合に、前記第二の認証結果表示手段が前記表示手段に認証に成功しなかったことを表示させると共に、前記第二の認証手段が、前記撮影装置を操作して利用者の顔を撮影し、該撮影した映像に基づいて前記利用者を認証することを所定回数繰り返す第二の不成功処理、を行い、E 前記第一の認証手段における前記第一の成功処理ののちに前記第二の認証手段における前記第二の成功処理が行われた場合に、前記利用者の認証が成功したものとすることを特徴とする、A 認証装置。【請求項2】前記撮影装置を備えた、前記利用者が使用する利用者端末が備えるWebブラウザとの間で通信を行う通信手段と、前記通信手段を用いた通信により、前記Webブラウザに前記撮影装置を操作する命令を含むHTMLコードを送信することにより前記撮影装置を操作する撮影装置操作手段と、を備えることを特徴とする、請求項1記載の認証装置。【請求項3】撮影装置を操作して利用者の顔を撮影し、該撮影した映像に基づいて前記利用者を認証する第一の認証手段と、該第一の認証手段による認証の可否の結果を表示手段に表示させる第一の認証結果表示手段と、前記第一の認証手段における前記認証に成功した場合に、前記利用者に所定の動作を要求するとともに、前記撮影装置を操作して前記動作を行う利用者を撮影し、該撮影した映像に基づいて前記利用者を認証する第二の認証手段と、該第二の認証手段による認証の可否の結果を表示手段に表示させる第二の認証結果表示手段と、前記利用者の顔の画像が記録される記録手段とを備え、前記利用者の本人認証に用いる認証装置が行う認証方法であって、前記利用者の顔が撮影された画像を前記記録手段に記録する記録ステップと、前記撮影装置を操作して利用者の顔を撮影し、該撮影した映像に基づいて前記利用者を第一の認証手段に認証させる第一の認証ステップと、該第一の認証ステップにおける認証の可否の結果を表示手段に表示させる第一の認証結果表示ステップと、前記第一の認証ステップにおける前記認証に成功した場合に、前記利用者に所定の動作を要求するとともに、前記撮影装置を操作して前記動作を行う前記利用者を撮影し、該撮影した映像に基づいて前記利用者を第二の認証手段に認証させる第二の認証ステップと、該第二の認証ステップにおける認証の可否の結果を表示手段に表示させる第二の認証結果表示ステップと、を備え、前記第一の認証ステップにおいては、前記第一の認証手段が、前記撮影装置が撮影した前記利用者の顔の画像と前記記録手段に記録された前記利用者の顔の画像とを比較する比較処理を行い、前記第一の認証手段と前記第一の認証結果表示手段とが、前記比較処理の結果、前記第一の認証手段が両方の前記顔の画像が同一人物の前記顔の画像であることを認識した場合に、前記第一の認証結果表示手段が前記表示手段に認証に成功したことを表示させると共に、前記第一の認証手段が前記認証を成功したものとする第一の成功処理、及び、前記比較処理の結果、前記第一の認証手段が前記両方の顔の画像が前記同一人物の顔の画像であることを認識できない場合に、前記第一の認証結果表示手段が前記表示手段に認証に成功しなかったことを表示させると共に、前記第一の認証手段が、前記撮影装置を操作して利用者の顔を撮影し、該撮影した映像に基づいて前記利用者を認証することを所定回数繰り返す第一の不成功処理、を行い、前記第二の認証ステップにおいては、前記第二の認証手段が、前記第一の認証ステップにおける前記認証が成功した後に前記利用者に対して所定の動作を要求する情報が出力されて、該所定の動作を要求する情報の出力の後に前記撮影装置が撮影した前記利用者の顔の静止画像と、前記第一の認証ステップにおける前記比較処理で用いられた前記顔の画像とからそれぞれ所定の特徴点の情報を抽出し、それぞれの前記特徴点の差分情報によって前記利用者が前記所定の動作を行ったかを判断する判断処理を行い、前記第二の認証手段と前記第二の認証結果表示手段とにおいては、前記判断処理の結果、前記第二の認証手段が前記特徴点の差分情報において前記要求された動作に対応した所定の静止状態を検出した場合に、前記第二の認証結果表示手段が、前記表示手段に認証に成功したことを表示させると共に前記第二の認証手段が前記認証を成功したものとする第二の成功処理、及び、前記判断処理の結果、前記第二の認証手段が、前記要求された動作に対応した所定の静止状態を検出しなかった場合に、前記第二の認証結果表示手段が前記表示手段に認証に成功しなかったことを表示させると共に、前記第二の認証手段が、前記撮影装置を操作して利用者の顔を撮影し、該撮影した映像に基づいて前記利用者を認証することを所定回数繰り返す第二の不成功処理、を行い、前記第一の認証ステップにおける前記第一の成功処理ののちに前記第二の認証ステップにおける前記第二の成功処理が行われた場合に、前記利用者の認証が成功したものとすることを特徴とする、認証方法。【請求項4】コンピュータを請求項1又は2のいずれかに記載の認証装置として機能させることを特徴とする、コンピュータ読み込み可能なプログラム。」
第3 特許異議申立書に記載された申立理由
特許異議申立書に記載された申立理由の概要は、以下のとおりである。
1 申立理由
(1)申立理由1
本件発明1、3は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証および甲第3号証に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件発明1、3は同法第113条第1項第2号に該当し、取り消すべきである。
(2)申立理由2
本件発明2、4は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証、甲第3号証、甲第4号証に記載された技術および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件発明2、4は同法第113条第1項第2号に該当し、取り消すべきである。
2 証拠方法
(1)甲第1号証:特開2015-176555号公報
(2)甲第2号証:特開平11-339048号公報
(3)甲第3号証:特開2012-109976号公報
(4)甲第4号証:特開2010-218039号公報
第4 各甲号証の記載
1 甲第1号証について
甲第1号証には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審が付与した。以下同様。)。
「【0001】本発明は、通信端末及び通信端末の認証方法に関する。【0002】従来、通信端末においては、セキュリティの確保の観点から様々な認証方法が開発されてきた。例えば特許文献1に記載の個人識別装置では、顔画像カメラにより取得された顔画像データの認証を行う顔画像認証手段と、指紋センサにより取得された指紋データの認証を行う指紋認証手段とが設けられている。また、例えば特許文献3に記載の認証装置では、本人を特定する生体情報として、顔、指紋、声紋、目(虹彩・網膜パターン)などが用いられている。続きを表示(全40行)・・・(中略)・・・【0004】しかしながら、上述したような生体情報をユーザの認証に用いる場合であっても、例えば本人が睡眠状態にある状況下で悪意のある第三者がユーザの身体を操作すれば、当該ユーザの意思に反して通信端末の認証が行われてしまうことも考えられる。このような問題に対しては、認証に用いる生体情報を単純に組み合わせただけでは解決することが困難となっている。【0005】本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、ユーザの意思に反して認証が行われることを防止できる通信端末及び通信端末の認証方法を提供することを目的とする。・・・(中略)・・・【0007】この通信端末では、ユーザの顔画像に基づいて当該ユーザが登録ユーザであるかを判断し、さらに、通信端末側からの指示に基づく視線の動作に基づいて認証の可否を判断する。この通信端末では、ユーザが登録ユーザであることを特定した上で、指示された動作パターンに従ってユーザが視線を動かした場合に限って認証を行うので、ユーザの意思に反して認証が行われることを防止できる。・・・(中略)・・・【0016】図1は、本発明の第1実施形態に係る通信端末の機能的な構成要素を示すブロック図である。同図に示す通信端末1は、例えば携帯電話機である。通信端末1は、物理的には、CPUといった演算装置、RAM、ROMといった記憶装置、プッシュボタン等の操作部、ネットワークカードといった通信モジュールなどを備えている。通信端末1の各機能は、CPU、RAM等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPUの制御下で通信モジュールや操作部などを動作させ、RAM等のデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。【0017】通信端末1は、ユーザを認証する認証機能を有し、機能的な構成要素として、例えば指紋画像取得部(指紋画像取得手段)101と、ユーザ情報データベース(指紋画像データベース、顔画像データベース)102と、指紋画像判断部(指紋画像判断手段)103と、撮像部(顔画像取得手段)104と、顔画像判断部(顔画像判断手段)105と、動作生成部(動作生成手段)106と、動作判断部(動作判断部)107と、動作指示部(動作指示手段)108と、認証部(認証手段)109とを備えて構成されている。・・・(中略)・・・【0021】撮像部104は、ユーザの顔画像を取得する部分である。撮像部104は、指紋画像判断部103から指示情報を受け取ると、例えばユーザの顔周辺を撮像し、顔画像判断部105に出力する。顔画像の取得にあたって、撮像部104は、例えば取得した画像データの濃淡情報からユーザの眉間の位置を特定し、画像データ中の顔画像の抽出を行う。撮像部104による撮像を行う際、ユーザに対して撮像部104に正対するように動作指示部108に指示を表示してもよい。また、撮像部104は、抽出した顔画像からユーザの目の位置を特定し、目画像の抽出を行う。撮像部104は、取得した目画像を動作判断部107に出力する。【0022】顔画像判断部105は、撮像部104によって取得されたユーザの顔画像がユーザ情報データベース102に記憶された登録ユーザの顔画像に一致するか否かを判断する部分である。顔画像判断部105は、撮像部104から顔画像を受け取ると、当該顔画像に基づいてユーザ情報データベース102を参照する。そして、顔画像判断部105は、撮像部104によって取得されたユーザの顔画像が録ユーザの顔画像に一致する場合には、動作生成部106に対して動作パターンの生成を指示する指示情報を出力する。【0023】動作生成部106は、ユーザの視線についての動作パターンを生成する部分である。動作生成部106は、顔画像判断部105から指示情報を受け取ると、ユーザの視線についての動作パターンを生成し、動作判断部107に出力する。動作パターンは、例えば基準となる位置に対する上下左右の移動順序、移動回数、移動量、或いはこれらの組み合わせ等によって表されるパターンである。動作生成部106は、顔画像判断部105から指示情報を受け取る度に異なる動作パターンを生成する。【0024】動作判断部107は、ユーザの視線が動作指示部108によって指示された動作パターンに一致しているか否かを判断する部分である。動作判断部107は、動作生成部106から動作パターンを受け取ると、当該動作パターンを動作指示部108に出力する。動作パターンの出力後、動作判断部107は、例えば所定時間が経過するまで撮像部104からの目画像の入力を受け付ける。そして、動作判断部107は、撮像部104から受け取った目画像に基づいてユーザの視線の動作パターンを検出し、ユーザの視線が動作指示部108によって指示された動作パターンに一致していると判断した場合に、判断結果を示す判断結果情報を認証部109に出力する。【0025】動作指示部108は、ユーザに対して所定の動作パターンで視線を動かすように指示する部分である。動作指示部108は、例えばディスプレイなどの表示部によって構成される。動作指示部108は、動作判断部107から動作パターンを受け取ると、当該動作パターンに示される視線の動作をディスプレイに表示し、ユーザに対して視線の操作を促す。このとき、ディスプレイには、基準となる位置を示すマーカ等をあわせて表示することが好ましい。【0026】認証部109は、動作判断部107によってユーザの視線が動作指示部108で指示された動作パターンに一致していると判断された場合にユーザの認証を行う部分である。すなわち、認証部109は、動作判断部107から判断結果情報を受け取った場合に、ユーザの認証を行う。【0027】続いて、上述した通信端末1の動作について説明する。図2は、通信端末1の動作を示すフローチャートである。【0028】同図に示すように、通信端末1では、認証の開始にあたって、まず、ユーザの指紋画像の取得がなされる(ステップS01)。次に、ユーザの指紋画像が登録ユーザの指紋画像と一致するか否かの判断がなされる(ステップS02)。ステップS02において、ユーザの指紋画像が登録ユーザの指紋画像と一致していないと判断された場合、ユーザの認証は行われず、処理が終了する。【0029】ステップS02において、ユーザの指紋画像が登録ユーザの指紋画像と一致していると判断された場合、ユーザの顔画像の取得がなされる(ステップS03)。次に、ユーザの顔画像が登録ユーザの顔画像と一致するか否かの判断がなされる(ステップS04)。ステップS04において、ユーザの顔画像が登録ユーザの顔画像と一致していないと判断された場合、ユーザの認証は行われず、処理が終了する。【0030】ステップS04において、ユーザの顔画像が登録ユーザの顔画像と一致していると判断された場合、動作指示部108による視線の動作パターンの指示がなされる(ステップS05)。視線の動作パターンの指示の後、撮像部104で取得される目画像に基づいてユーザの視線の動作の検出がなされ、ユーザの視線の動作が動作パターンと一致しているか否かが判断される(ステップS06)。ステップS06において、ユーザの視線の動作が動作パターンと一致していないと判断された場合、ユーザの認証は行われず、処理が終了する。一方、ステップS06において、ユーザの視線の動作が動作パターンと一致していると判断された場合、ユーザの認証が行われる(ステップS07)。【0031】以上説明したように、通信端末1では、ユーザの顔画像に基づいて当該ユーザが登録ユーザであるかを判断し、さらに、通信端末1側からの指示に基づく視線の動作に基づいて認証の可否を判断する。この通信端末1では、ユーザが登録ユーザであることを特定した上で、指示された動作パターンに従ってユーザが視線を動かした場合に限って認証を行うので、ユーザの意思に反して認証が行われることを防止できる。」
「【図1】[図:0001398291000001.jpg]」
「【図2】[図:0001398291000002.jpg]」
・上記【0001】、【0002】~【0005】、【0017】によれば、甲第1号証には、生体情報を用いてユーザを認証する通信端末に関する発明が記載されている。
・上記【0016】、【0017】によれば、携帯電話機である通信端末は、撮像部104、顔画像判断部105、動作生成部106、動作判断部107、動作指示部108、認証部109を備えたものである。
・上記【0021】によれば、撮像部104は、ユーザの顔画像を取得する部分である。
・上記【0022】によれば、顔画像判断部105は、撮像部104によって取得されたユーザの顔画像がユーザ情報データベース102に記憶された登録ユーザの顔画像に一致するか否かを判断する部分である。
・上記【0023】によれば、動作生成部106は、ユーザの視線についての動作パターンを生成する部分である。
・上記【0024】によれば、動作判断部107は、ユーザの視線が動作指示部108によって指示された動作パターンに一致しているか否かを判断する部分である。
・上記【0025】によれば、動作指示部108は、ユーザに対して所定の動作パターンで視線を動かすように指示する部分である。
・上記【0026】によれば、認証部109は、動作判断部107によってユーザの視線が動作指示部108で指示された動作パターンに一致していると判断された場合にユーザの認証を行う部分である。
・上記【0027】、【図2】によれば、通信端末の動作は、ステップS03ないしステップS07の処理を含むものである。
・上記【0021】、【0022】、【0029】によれば、撮像部104によってユーザの顔画像の取得がなされる(ステップS03)と、次に、顔画像判断部105によってユーザの顔画像が登録ユーザの顔画像と一致するか否かの判断がなされる(ステップS04)。
・上記【0029】によれば、ユーザの顔画像が登録ユーザの顔画像と一致していないと判断された場合には、ユーザの認証は行われず、処理が終了する。
・上記【0030】によれば、ユーザの顔画像が登録ユーザの顔画像と一致していると判断された場合には、動作指示部108による視線の動作パターンの指示がなされる(ステップS05)。
・上記【0024】、【0030】によれば、視線の動作パターンの指示の後、動作判断部107によって、撮像部104で取得される目画像に基づいてユーザの視線の動作の検出がなされ、ユーザの視線の動作が動作パターンと一致しているか否かが判断される(ステップS06)。
・上記【0030】によれば、ユーザの視線の動作が動作パターンと一致していないと判断された場合には、ユーザの認証は行われず、処理が終了する。
・上記【0026】、【0030】によれば、ユーザの視線の動作が動作パターンと一致していると判断された場合には、認証部109によってユーザの認証が行われる(ステップS07)。
・上記【0031】によれば、通信端末1では、ユーザが登録ユーザであることを特定した上で、指示された動作パターンに従ってユーザが視線を動かした場合に限って認証を行うので、ユーザの意思に反して認証が行われることを防止できる。
したがって、上記摘記事項及び図面を総合すると、甲第1号証には以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
なお、各構成の符号a~dは、説明のために当審で付したものであり、以下、「構成a」~「構成d」という。
「a 生体情報を用いてユーザを認証する通信端末であって、b 携帯電話機である通信端末は、撮像部104、顔画像判断部105、動作生成部106、動作判断部107、動作指示部108、認証部109を備えており、b1 撮像部104は、ユーザの顔画像を取得する部分であり、b2 顔画像判断部105は、撮像部104によって取得されたユーザの顔画像がユーザ情報データベース102に記憶された登録ユーザの顔画像に一致するか否かを判断する部分であり、続きを表示(全18行)b3 動作生成部106は、ユーザの視線についての動作パターンを生成する部分であり、b4 動作判断部107は、ユーザの視線が動作指示部108によって指示された動作パターンに一致しているか否かを判断する部分であり、b5 動作指示部108は、ユーザに対して所定の動作パターンで視線を動かすように指示する部分であり、b6 認証部109は、動作判断部107によってユーザの視線が動作指示部108で指示された動作パターンに一致していると判断された場合にユーザの認証を行う部分であり、c 通信端末の動作は、c1 撮像部104によってユーザの顔画像の取得がなされると、次に、顔画像判断部105によってユーザの顔画像が登録ユーザの顔画像と一致するか否かの判断がなされ、c11 ユーザの顔画像が登録ユーザの顔画像と一致していないと判断された場合には、ユーザの認証は行われず、処理が終了し、c12 ユーザの顔画像が登録ユーザの顔画像と一致していると判断された場合には、動作指示部108による視線の動作パターンの指示がなされ、c2 視線の動作パターンの指示の後、動作判断部107によって、撮像部104で取得される目画像に基づいてユーザの視線の動作の検出がなされ、ユーザの視線の動作が動作パターンと一致しているか否かが判断され、c21 ユーザの視線の動作が動作パターンと一致していないと判断された場合には、ユーザの認証は行われず、処理が終了し、c22 ユーザの視線の動作が動作パターンと一致していると判断された場合には、認証部109によってユーザの認証が行われる処理を含み、d ユーザが登録ユーザであることを特定した上で、指示された動作パターンに従ってユーザが視線を動かした場合に限って認証を行うので、ユーザの意思に反して認証が行われることを防止できるa 通信端末。」
2 甲第2号証について
甲第2号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「【0001】【発明の属する技術分野】この発明は、撮影装置で撮影した識別対象者の外見上の特徴量から、該識別対象者を特定する個人識別装置、個人識別方法および個人識別プログラムを記録した記録媒体に関する。」
「【0006】この発明の目的は、撮影装置で撮影した画像が人間を撮影した画像であるかどうかを判定し、人間を撮影した画像でなければ処理を中止することで、セキュリティの向上を図った個人識別装置、個人識別方法および個人識別プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。」
「【0017】顔領域抽出部13は、画像メモリ11から読み出した画像を処理して識別対象者の画像領域と背景領域との分離を行う(識別対象者の画像領域を抽出する。)(n5)。n5の処理は、識別対象者の画像とその周辺とを含む粗い検出であり、背景画像と取得画像との差分を抽出する背景差分手法、カラーを用いた肌色検出、オプチカルフローやフレーム間差分を用いた動き検出手法、顔らしさをニューラルネットワークやパターンマッチングによって求める手法等が知られている。【0018】顔領域抽出部13は、n5で検出した識別対象者の画像領域に基づいて、顔領域を正確に検出する(n6)。n6では、目、鼻、口等の顔部品の特徴モデルをもとにマッチングによって求める。n6で識別対象者の顔領域を検出すると、特徴抽出部14が顔の特徴量を求める(n7)。顔の特徴量を求める手法としては、平均的な顔との差を主成分分析等の統計的手法を用いて求める手法や、目、鼻、口等の濃淡画像からテンプレートマッチングにより求める手法等が知られている。」
「【0041】また、撮影対象判定処理の別の実施形態について説明する。図19は、この実施形態の撮影対象判定処理を示すフローチャートである。適当な時間間隔でCCDカメラ20で撮影した撮影対象の画像を画像メモリ11に記憶する(n71)。例えば、2秒間隔でCCDカメラ20で撮影した画像を画像メモリ11に記憶する(図20(A)、図21(A)参照)。画像判定部12は、画像メモリ11に記憶したそれぞれの画像に対して、上述のn5、n6と同様の手法で顔領域を検出し(n72)、異なるフレームの差分画像を作成する(n73)。・・・(中略)・・・【0043】なお、n3以降の処理においては、n71で画像メモリ11に記憶した画像の少なくとも1つを利用すればよい。また、上記の説明では、人間が完全に静止した状態を維持できないことを利用するとしたが、例えば、『瞬きしてください』や『口を開けて下さい』等の指示を出すようにしてもよい。この場合には指示した動作を検出したときに撮影対象が人間であると判定すればよい。【0044】また、撮影対象判定処理の別の実施形態について説明する。図22は、この実施形態の撮影対象判定処理を示すフローチャートである。この実施形態も、適当な時間間隔でCCDカメラ20で撮影されている撮影対象の画像を画像メモリ11に記憶する(n81)。撮影対象判定部12は、画像メモリ11に記憶したそれぞれの画像を処理して目、鼻等の顔部品を検出し(n82)、図23(A)に示すように顔の輪郭の両端を通る直線L1、L3を求めるとともに(n83)、L1とL3との中心線L2および両目の中心を通る線Lを求める(n84)。【0045】撮影対象が人間であれば右または左を向いたときに、直線LとL2との間隔が変化する(図23(B)参照)。しかし、撮影対象が写真であれば写真の向きをかえても直線LとL2とは略同じ位置に存在する(図23(C)参照)。【0046】撮影対象判定部12は、直線LとL2との間隔が予め設定した閾値よりも大きい画像が少なくとも1つあれば撮影対象が人間で有ると判定し、閾値よりも大きい画像がなければ対象が人間でないと判定する(n85~n87)。【0047】このように、この実施形態では、人間が顔の向きを左右に変えたときの変化を利用して撮影対象が人間であるかどうかを判定する。なお、『右を向いて下さい』や『左を向いて下さい』等の指示を出し、そのときの画像を画像メモリ11に記憶し、この画像を処理するようにしてもよい。」
「[図:0001398291000003.jpg]」
上記摘記事項及び図面を総合すると、甲第2号証には、次の事項が記載されている。
「撮影装置で撮影した識別対象者の外見上の特徴量から、該識別対象者を特定する個人識別装置において、適当な時間間隔で撮影した撮影対象の画像を画像メモリに記憶し、画像メモリに記憶したそれぞれの画像に対して、目、鼻、口等の顔部品の特徴モデルをもとに顔領域を検出し、顔の輪郭の両端を通る直線L1、L3を求めるとともに、L1とL3との中心線L2および両目の中心を通る線Lを求め、人間が顔の向きを左右に変えたときの直線LとL2との間隔の変化を利用して、撮影対象が人間であるかどうかを判定すること。」
3 甲第3号証について
甲第3号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「【0001】小型の携帯電子端末が社会の至る所で利用されるようになり、人々はとりわけ、情報を取得する、他の人とコミュニケーションを図る、娯楽を提供する及び金銭の取引を実行するのに端末を使用し、端末により依存するようになってきている。これらの端末の機能が向上し、機密性の高い個人データ及び金銭の情報にもアクセスできるようになった一方、端末は小型であることから、紛失や盗難に遭いやすい。端末を使用しようとしている人について、既にその端末の使用が許可されているか否かを判断する様々なセキュリティ技術が開発されている。盗まれる可能性のあるパスワード又はアーチファクト(例えば、キー、バッジ等)の替わりに、生体認証を使用することが提案されている。しかしながら、生体認証でも、認証に使用される特徴を記録し(顔の写真、声の音声記録、指紋のコピー等)、記録されたデータで生体センサをだますことにより、他人に成り済ますことができてしまう。」
「【0010】本発明の様々な実施形態は、機器を使用しようとしている人物が、機器の使用を承認されているか否かを判断することを目的とする生体技術の利用を改善するものである。改善された技術は、生きているヒトを測定した生体測定結果と、ヒトの記録を測定した生体測定結果とを区別することを試みることを含む。本明細書において、"認証する(authorize)"という言葉及びその派生語は、システムを使用しようとしている人について、そのシステムの利用がすでに承認されているか否かを判断するプロセスを指すのに使用され、"検証する(verify)"という言葉及びその派生語は、受信された生体入力が、ある種の記録ではなく、生きているヒトからの入力であるかを判断するプロセスを指すのに使用されている。多くの適用例において、要求されているアクセスを許可する前に、認証プロセス及び検証プロセスに合格しなければならない。ある実施形態では、認証及び/又は検証の複数段階を使用して、成り済ましによりセキュリティシステムをだますのを難しくしてもよいし、又は、機器の機能への異なる複数のアクセスレベルに対して異なる複数のレベルのセキュリティを提供してもよい。」
「【0012】図1は、本発明の一実施形態に係る多機能携帯ユーザー端末を示した図である。図示されている端末110は、タッチスクリーン(タッチセンサ式の表示画面)120及びボタンA、B、Cといった様々な構成要素を有する。図には、レンズ130も示されており、レンズは、端末のカメラの外部から視認可能な部分であってもよい。その他、ボタン、センサ、出力装置等が端末に備えられていてもよく、図面を複雑にしない目的から、これらについての図示が省略されている。様々な実施形態において、カメラは、必要条件に応じて、静止画又は動画を撮像する。」
「【0017】図2は、本発明の一実施形態に係る、生きているヒトからの生体入力であることを検証する方法を示したフローチャートである。ここで説明されるプロセスは、入力が生きているヒトからの入力であって、記録されたアーチファクトではないことを検証することを目的としており、そのヒトがシステムの使用が許可されているかを検証するために設計されてはいない。しかしながら、ある実施形態では、認証された人物であるかの判断と、入力が生きているヒトからのものであるかの検証との両方に、同じ入力を使用してもよい。別の実施形態では、認証及び検証のオペレーションは、同じ入力を使用しなくてもよいし、同じ入力の一部のみを使用してもよい。【0018】段階210において、電子機器は、機器の機能へのアクセス要求、又は、少なくとも機器の機能の特定レベルへのアクセス要求を受信してもよい(異なるレベルの機能は、異なるレベルの認証を必要とし、認証を提供するためのプロセスも相応に異なる場合がある)。要求は、アクセスを要求している人物が直接起動してもよいし(例えば、ボタンを押す、タッチスクリーンに接触する等)、引き金(triggering)イベント(例えば、機器の動きを検出した、機器のカメラを介して外部の動きが見られた、特定の言葉が話されたのが聞こえた等)に応答して自動的に起動してもよい。このアクセスを許可するかの判断に使用される認証シーケンスの一部として、段階220において、機器は、人物から生体入力を受信する準備をしてもよい。準備には、これらに限定されないが、例えば、顔認識、瞳孔検出及び手の動きを検出するソフトウェアを起動する、カメラの照明源を起動する等が含まれる。段階230において、機器は、第1生体入力を受信してもよい。この入力は、考え得る複数の形式のうちの何れであってもよく、例えば、音声入力、指紋又は人物の体の一部分の画像である。人物の様々な部分の具体的な例については、後で詳細に記載する。【0019】第1生体入力を取得した後、段階240において、機器は、第2生体入力から検出可能な、人物の体における変化を開始させることを試みてもよい。ある実施形態では、(例えば、ユーザーにある行動を実行するよう指導し促す音声又は動画を使用して)、人物に変化を起こすように促すことで行ってもよい。別の実施形態では、ユーザーは、変化を起こすトレーニングを受け、トレーニングからどの変化を起こすのかを学んでもよい。更なる別の実施形態では、機器が、ユーザーの生体的反応における無意識の変化を引き起こしてもよい。変化を起こすための十分な時間が経過した後、段階250において、機器は、第2認証入力を受信してもよい。この入力は、様々な方法で始動されてもよく、これに限定するわけではないが、例えば、1)ボタンを押下する、音声のコマンドを話す等、ユーザーによって手動で始動される、2)第1入力から所定時間が経過した後、機器によって自動的に始動される、3)機器が、カメラを介して人物をモニタリングし、動画又は一連の静止画を解釈して、ユーザーが所望の反応(応答)を提供しようとしていることを示す画像を選択する、ことによって始動されてもよい。【0020】両方の入力を分析した後、段階260において、両方の結果を比較し、段階270において、測定された特徴が、所望の態様で変化したかを判断する。所望の態様で変化していない場合、その人物の検証プロセスは失敗であると判断され、段階290においてその旨が示される。ある実施形態では、所定回数、再試行することが許されてもよく、許容される再試行の全回数で失敗するまで、又は、特定の時間内に許容される回数の再試行を全て実行しおらず合格もしていない場合には、セキュリティプロセスが失敗であると考えなくてもよい。生体的特徴が所望の態様で変化したと判断された場合には、最初の試行又は許容される再試行の何れかにおいて、その人物が、検証プロセスに合格したことが段階280で示される。ここで、検証プロセスに合格したことは、認証プロセスに合格したことを意味しているわけではないことに注意する。すなわち、認証プロセスで合格しなければ、アクセスは拒否される。【0021】ある実施形態では、人物が認証されているか否かを検証するテスト、及び、生体入力が生きている人からの入力であるかを判断するテストに使用される入力は、同じであってもよい。例えば、人物が認証されている人物かを判断する顔認識において、人物の顔の画像を処理してもよく、同じ画像を使用して、その人物の顔の表情を分析してもよい。同様に、目の画像を使用して、その目が、認証されている人物の目の特徴を有するかを検証してもよく、同じ目の画像を使用して、瞳孔の大きさを特定してもよい。これら及びその他の実施形態について、以下に説明する。」
「[図:0001398291000004.jpg]」
上記摘記事項及び図面を総合すると、甲第3号証には、次の事項が記載されている。
「生体認証を使用する携帯端末において、(1)成り済ましを難しくするために、認証及び/又は検証の複数段階を使用すること、及び(2)検証プロセスにおいて、第1生体入力と、人物の体における変化を起こすための十分な時間が経過した後の第2生体入力との両方の入力を分析し、測定された特徴が所望の態様で変化していない場合には、その人物の検証プロセスは失敗であると判断され、その旨が表示されるとともに、所定回数、再試行し、所望の態様で変化したと判断された場合には、検証プロセスに合格したことが表示されること。」
4 甲第4号証について
甲第4号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「【0001】本発明は、顔認証システム及び顔認証方法に関する。」
「【0008】そこで、本発明は、認証対象者の利便性を殆ど損なうことなく、顔認証を確実に行えるようにした顔認証システムを提供することを目的とする。」
「【0042】図2の認証システムは、プログラム制御により動作する認証サーバ21と、認証サーバ21の動作に必要なプログラムや情報を記憶する記憶装置22と、認証装置23と、操作を行う人物の認証情報を必要とする電子機器や入退場管理装置などの認証対象機器24とを含む。認証サーバ21、認証装置23及び認証対象機器24の間は、無線若しくは有線のネットワーク25を介して接続される。・・・(中略)・・・【0044】認証サーバ21は、通信制御部211と、映像解析部212と、顔認識実行部213と、認証管理部214と、認証誘導制御部215とを備えている。」
「【0053】認証装置23は、通信制御部231と、映像送信制御部232と、誘導実行部233と、カメラ234と、スピーカ235と、表示器236とを備えている。・・・(中略)・・・【0055】映像送信制御部232は、カメラ234を制御して認証対象機器24と認証対象者を撮像し、その映像データを通信制御部231を介して認証サーバ21に送る。」
「【0070】映像解析部212は、認証管理部214から与えられた認証対象機器24を識別する情報に基づいて、認証要求を送信した認証対象機器24に関連付けられた一又は二以上の認証装置23に対し、通信制御部211を介して映像データを送信するよう要求する(ステップS303)。」
「【図2】[図:0001398291000005.jpg]」
上記摘記事項及び図面を総合すると、甲第4号証には、次の事項が記載されている。
「顔認証システムにおいて、認証サーバ21が、認証装置23に対して認証対象者の映像データを送信するように要求し、認証装置23が、カメラで撮像した映像データを認証サーバ21に送ること。」
第5 当審の判断
1 申立理由1について
(1)本件発明1に対して
ア 対比
本件発明1と甲1発明を対比する。
(ア)構成Aについて
甲1発明の「生体情報を用いてユーザを認証する通信端末」(構成a)は、通信端末を利用するユーザの本人認証を行うものといえ、本件発明1の「利用者の本人認証に用いる認証装置」に相当する。
(イ)構成B1について
甲1発明の「通信端末」は「撮像部104」を備えており(構成b)、撮影装置といえるものである。
また、甲1発明において、構成b2及びc1の「ユーザの顔画像」や構成c2の「目画像」は、いずれも撮像部104が操作されて取得されたものといえる。
そうすると、甲1発明の構成b2の「顔画像判断部105」は、「撮像部104によって取得されたユーザの顔画像がユーザ情報データベース102に記憶された登録ユーザの顔画像に一致するか否かを判断する部分」であるから、本件発明1の構成B1の「撮影装置を操作して利用者の顔を撮影し、該撮影した映像に基づいて前記利用者を認証する第一の認証手段」に相当する。
(ウ)構成B2について
本件発明1は「該第一の認証手段による認証の可否の結果を表示手段に表示させる第一の認証結果表示手段」を備えるのに対して、甲1発明はその旨の特定がない点で相違する。
(エ)構成B3について
甲1発明の構成c12において「ユーザの顔画像が登録ユーザの顔画像と一致していると判断された場合には、動作指示部108による視線の動作パターンの指示がなされ」ることは、ユーザに所定の動作を要求するものといえ、本件発明1の構成B3の「前記第一の認証手段における前記認証に成功した場合に、前記利用者に所定の動作を要求する」ことに相当する。
また、甲1発明の構成c2の「動作判断部107によって、撮像部104で取得される目画像に基づいてユーザの視線の動作の検出がなされ、ユーザの視線の動作が動作パターンと一致しているか否かが判断され」ることは、本件発明1の構成B3の「前記撮影装置を操作して前記動作を行う利用者を撮影し、該撮影した映像に基づいて前記利用者を認証する」ことに相当する。
そうすると、甲1発明の構成c12の処理を行う「動作指示部108」及び構成c2の処理を行う「動作判断部107」からなる構成は、本件発明1の構成B3の「前記第一の認証手段における前記認証に成功した場合に、前記利用者に所定の動作を要求するとともに、前記撮影装置を操作して前記動作を行う利用者を撮影し、該撮影した映像に基づいて前記利用者を認証する第二の認証手段」に相当する。
(オ)構成B4について
本件発明1は「該第二の認証手段による認証の可否の結果を表示手段に表示させる第二の認証結果表示手段」を備えるのに対して、甲1発明はその旨の特定がない点で相違する。
(カ)構成B5、Cについて
甲1発明の構成b2の「登録ユーザの顔情報」が記憶された「ユーザ情報データベース102」は、本件発明1の構成B5の「前記利用者の顔の画像が記録される記録手段」に相当する。
そして、上記(イ)で述べたとおり、甲1発明の「顔画像判断部105」は本件発明1の「第一の認証手段」に相当するものであり、甲1発明の構成c1の「撮像部104によってユーザの顔画像の取得がなされると、次に、顔画像判断部105によってユーザの顔画像が登録ユーザの顔画像と一致するか否かの判断がなされ」ることは、本件発明1の構成Cの「前記第一の認証手段は、前記撮影装置が撮影した前記利用者の顔の画像と前記記録手段に記録された前記利用者の顔の画像とを比較する比較処理を行」うことに相当する。
(キ)構成C1について
甲1発明の構成c12の「ユーザの顔画像が登録ユーザの顔画像と一致していると判断された場合」の処理は、ユーザが登録ユーザであることの認証に成功したときの「成功処理」といえるから、当該構成c12と本件発明1の構成C1とは「前記第一の認証手段は、前記比較処理の結果、前記第一の認証手段が両方の前記顔の画像が同一人物の前記顔の画像であることを認識した場合に、前記第一の認証手段が前記認証を成功したものとする第一の成功処理」を行う点で共通する。
ただし、第一の成功処理において、本件発明1は「前記第一の認証結果表示手段が前記表示手段に認証に成功したことを表示させる」のに対して、甲1発明はその旨の特定がない点で相違する。
(ク)構成C2について
甲1発明の構成c11の「ユーザの顔画像が登録ユーザの顔画像と一致していないと判断された場合」の処理は、ユーザが登録ユーザであることの認証に失敗したときの「不成功処理」といえるから、当該構成c11と本件発明1の構成C2とは「前記比較処理の結果、前記第一の認証手段が前記両方の顔の画像が前記同一人物の顔の画像であることを認識できない場合に、第一の不成功処理」を行う点で共通する。
ただし、第一の不成功処理において、本件発明1は「前記第一の認証結果表示手段が前記表示手段に認証に成功したことを表示させる」のに対して、甲1発明はその旨の特定がない点で相違する。
また、第一の不成功処理において、本件発明1は「前記第一の認証手段が、前記撮影装置を操作して利用者の顔を撮影し、該撮影した映像に基づいて前記利用者を認証することを所定回数繰り返す」のに対して、甲1発明は、繰り返しなしに処理が終了する点で相違する。
(ケ)構成D、D1について
a 上記(エ)で述べたとおり、甲1発明の「動作指示部108」及び「動作判断部107」からなる構成は、本件発明1の「第二の認証手段」に相当する。
b 甲1発明の構成c12において「ユーザの顔画像が登録ユーザの顔画像と一致していると判断された場合には、動作指示部108による視線の動作パターンの指示がなされ」ることは、本件発明1の構成Dにおいて「前記第一の認証手段による前記認証が成功した後に前記利用者に対して所定の動作を要求する情報が出力され」ることに相当する。
c 甲1発明の構成c2の「視線の動作パターンの指示の後、動作判断部107によって、撮像部104で取得される目画像に基づいてユーザの視線の動作の検出がなされ、ユーザの視線の動作が動作パターンと一致しているか否かが判断され」ることと、本件発明1の構成Dとは「該所定の動作を要求する情報の出力の後に前記撮影装置が撮影した前記利用者の画像から前記利用者が前記所定の動作を行ったかを判断する判断処理を行」う点で共通する。
また、甲1発明の構成c22の「ユーザの視線の動作が動作パターンと一致していると判断された場合」の処理は、ユーザが動作パターンに従って視線を動かす認証に成功したときの「成功処理」といえるから、当該構成c22と本件発明1の構成D1とは「前記第二の認証手段においては、前記判断処理の結果、前記第二の認証手段が前記要求された動作に対応した所定の状態を検出した場合に、前記第二の認証手段が前記認証を成功したものとする第二の成功処理」である点で共通する。
d ただし、第二の認証手段における所定の動作を行ったか否かの判断に関して、本件発明1は、該所定の動作を要求する情報の出力の後に「前記撮影装置が撮影した前記利用者の顔の静止画像」と「前記第一の認証手段における前記比較処理で用いられた前記顔の画像」からそれぞれ所定の特徴点の情報を抽出し、それぞれの前記特徴点の差分情報によって判断しており、また、前記特徴点の差分情報において「所定の静止状態」を検出するのに対して、甲1発明は、撮像部104で取得される目画像に基づいてユーザの視線の動作の検出がなされ、ユーザの視線の動作が動作パターンと一致しているか否かが判断される点で相違する。
e また、第二の成功処理において、本件発明1は「前記第二の認証結果表示手段が、前記表示手段に認証に成功したことを表示させ」るのに対して、甲1発明はそのような構成の特定がない点で相違する。
(コ)構成D2について
甲1発明の構成c21の「ユーザの視線の動作が動作パターンと一致していないと判断された場合」の処理は、ユーザが動作パターンに従って視線を動かす認証に失敗したときの「不成功処理」といえるから、当該構成c21と本件発明1の構成D1とは「前記判断処理の結果、前記第二の認証手段が、前記要求された動作に対応した所定の状態を検出しなかった場合に、第二の不成功処理」を行う点で共通する。
ただし、第二の不成功処理において、本件発明1は「前記第二の認証結果表示手段が前記表示手段に認証に成功しなかったことを表示させる」のに対して、甲1発明はその旨の特定がない点で相違する。
また、第二の不成功処理において、本件発明1は「前記第二の認証手段が、前記撮影装置を操作して利用者の顔を撮影し、該撮影した映像に基づいて前記利用者を認証することを所定回数繰り返す」のに対して、甲1発明は、繰り返しなしに処理が終了する点で相違する。
(サ)構成Eについて
上記(キ)、(ケ)で述べたとおり、甲1発明は本件発明1の「第一の成功処理」、「第二の成功処理」に相当する処理を含んでおり、甲1発明の構成dの「ユーザが登録ユーザであることを特定した上で、指示された動作パターンに従ってユーザが視線を動かした場合に限って認証を行う」ことは、本件発明1の構成Eの「前記第一の認証手段における前記第一の成功処理ののちに前記第二の認証手段における前記第二の成功処理が行われた場合に、前記利用者の認証が成功したものとする」ことに相当する。
以上のことから、本件発明1と甲1発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
A 利用者の本人認証に用いる認証装置であって、
B1 撮影装置を操作して利用者の顔を撮影し、該撮影した映像に基づいて前記利用者を認証する第一の認証手段と、
B3 前記第一の認証手段における前記認証に成功した場合に、前記利用者に所定の動作を要求するとともに、前記撮影装置を操作して前記動作を行う利用者を撮影し、該撮影した映像に基づいて前記利用者を認証する第二の認証手段と、
B5 前記利用者の顔の画像が記録される記録手段と
を備え、
C 前記第一の認証手段は、前記撮影装置が撮影した前記利用者の顔の画像と前記記録手段に記録された前記利用者の顔の画像とを比較する比較処理を行い、
C1’前記第一の認証手段は、
前記比較処理の結果、前記第一の認証手段が両方の前記顔の画像が同一人物の前記顔の画像であることを認識した場合に、前記第一の認証手段が前記認証を成功したものとする第一の成功処理、
及び、
C2’前記比較処理の結果、前記第一の認証手段が前記両方の顔の画像が前記同一人物の顔の画像であることを認識できない場合に、第一の不成功処理、
を行い、
D’前記第二の認証手段は、前記第一の認証手段による前記認証が成功した後に前記利用者に対して所定の動作を要求する情報が出力されて、該所定の動作を要求する情報の出力の後に前記撮影装置が撮影した前記利用者の画像から前記利用者が前記所定の動作を行ったかを判断する判断処理を行い、
D1’前記第二の認証手段においては、
前記判断処理の結果、前記第二の認証手段が前記要求された動作に対応した所定の状態を検出した場合に、前記第二の認証手段が前記認証を成功したものとする第二の成功処理、
及び、
D2’前記判断処理の結果、前記第二の認証手段が、前記要求された動作に対応した所定の状態を検出しなかった場合に、第二の不成功処理、
を行い、
E 前記第一の認証手段における前記第一の成功処理ののちに前記第二の認証手段における前記第二の成功処理が行われた場合に、前記利用者の認証が成功したものとすることを特徴とする、
A 認証装置。
<相違点1>
本件発明1は「該第一の認証手段による認証の可否の結果を表示手段に表示させる第一の認証結果表示手段」を備えており、第一の成功処理において「前記第一の認証結果表示手段が前記表示手段に認証に成功したことを表示させ」、第一の不成功処理において「前記第一の認証結果表示手段が前記表示手段に認証に成功しなかったことを表示させる」のに対して、甲1発明はその旨の特定がない点。
<相違点2>
本件発明1は「該第二の認証手段による認証の可否の結果を表示手段に表示させる第二の認証結果表示手段」を備えており、第二の成功処理において「前記第二の認証結果表示手段が、前記表示手段に認証に成功したことを表示させ」、第二の不成功処理において「前記第二の認証結果表示手段が前記表示手段に認証に成功しなかったことを表示させる」のに対して、甲1発明はその旨の特定がない点。
<相違点3>
第一の不成功処理において、本件発明1は「前記第一の認証手段が、前記撮影装置を操作して利用者の顔を撮影し、該撮影した映像に基づいて前記利用者を認証することを所定回数繰り返す」のに対して、甲1発明は、繰り返しなしに処理が終了する点。
<相違点4>
第二の不成功処理において、本件発明1は「前記第二の認証手段が、前記撮影装置を操作して利用者の顔を撮影し、該撮影した映像に基づいて前記利用者を認証することを所定回数繰り返す」のに対して、甲1発明は、繰り返しなしに処理が終了する点。
<相違点5>
第二の認証手段における所定の動作を行ったか否かの判断に関して、本件発明1は、該所定の動作を要求する情報の出力の後に「前記撮影装置が撮影した前記利用者の顔の静止画像」と「前記第一の認証手段における前記比較処理で用いられた前記顔の画像」からそれぞれ所定の特徴点の情報を抽出し、それぞれの前記特徴点の差分情報によって判断しており、また、前記特徴点の差分情報において「所定の静止状態」を検出するのに対して、甲1発明は、撮像部104で取得される目画像に基づいてユーザの視線の動作の検出がなされ、ユーザの視線の動作が動作パターンと一致しているか否かが判断される点。
イ 相違点についての判断
事案に鑑みて、先に相違点3ないし5についてまとめて検討する。
甲第3号証には、
「生体認証を使用する携帯端末において、(1)成り済ましを難しくするために、認証及び/又は検証の複数段階を使用すること、及び(2)検証プロセスにおいて、第1生体入力と、人物の体における変化を起こすための十分な時間が経過した後の第2生体入力との両方の入力を分析し、測定された特徴が所望の態様で変化していない場合には、その人物の検証プロセスは失敗であると判断され、その旨が表示されるとともに、所定回数、再試行し、所望の態様で変化したと判断された場合には、検証プロセスに合格したことが表示されること。」(上記第4の3参照)
が記載されている。
上記甲第3号証に記載された技術は、複数段階の認証及び/又は検証のうち、ある検証プロセスが失敗であると判断された場合には、そのプロセスを所定回数、再試行するものと認められ、甲1発明と甲第3号証記載の技術とは、生体認証において複数段階の確認を行う点で共通している。
そうすると、甲1発明に甲第3号証記載の技術を適用する動機付けがあるといえる。
しかしながら、甲1発明に甲第3号証記載の技術を適用して「ユーザの顔画像が登録ユーザの顔画像と一致していないと判断された場合」の処理(第一の不成功処理)や「ユーザの視線の動作が動作パターンと一致していないと判断された場合」の処理(第二の不成功処理)を、それぞれ、所定回数、再試行するように適宜設計変更できたとしても、本件発明1は上記相違点5のとおり、「第一の認証手段における比較処理で用いられた顔の画像」を、第二の認証処理に使用するものである。
一方、この点に関して甲第2号証には、
「撮影装置で撮影した識別対象者の外見上の特徴量から、該識別対象者を特定する個人識別装置において、適当な時間間隔で撮影した撮影対象の画像を画像メモリに記憶し、画像メモリに記憶したそれぞれの画像に対して、目、鼻、口等の顔部品の特徴モデルをもとに顔領域を検出し、顔の輪郭の両端を通る直線L1、L3を求めるとともに、L1とL3との中心線L2および両目の中心を通る線Lを求め、人間が顔の向きを左右に変えたときの直線LとL2との間隔の変化を利用して、撮影対象が人間であるかどうかを判定すること。」(上記第4の2参照)
が記載されているが、甲第2号証に記載された技術は「適当な時間間隔」で撮影された画像を判定に用いるものであって、第一の認証手段における比較処理で用いられた顔の画像を、第二の認証処理に使用するものではない。
そのため、甲1発明に甲第2号証及び甲第3号証の技術を適用したとしても、上記相違点3ないし5に係る本件発明1の構成とはならない。
また、生体認証において複数段階の確認を行う場合に、第一の認証手段における比較処理で用いられた顔の画像を、第二の認証処理に使用することが技術常識であることの証拠はない。
したがって、上記相違点1、2について検討するまでもなく、本件発明1は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証および甲第3号証に記載された技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件発明3について
本件発明3は、本件発明1の発明のカテゴリを、単に認証装置の発明から、認証方法の発明へと変更したものであって、本件発明1と同様の発明特定事項をすべて備えている。
よって、本件発明3は、上記(1)に示した理由と同様の理由により、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証および甲第3号証に記載された技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、特許法第29条第2項の規定に反してなされたものではない。
2 申立理由2について
本件発明2は、請求項1を引用するものであり、本件発明1に対して、さらに限定した構成を追加したものである。
また、本件発明4は、請求項1または2を引用するものであり、コンピュータを請求項1または2に記載の認証装置として機能させるためのプログラムの発明であって、本件発明1の発明特定事項をすべて備えている。
よって、上記1に示した理由と同様の理由により、本件発明2、4は、特許法第29条第2項の規定に反してなされたものではない。
3 当審における判断のまとめ
以上1及び2のとおり、本件発明1ないし4について、特許法第29条第2項の規定に反してなされたものであり、取り消されるべきものであるという申立理由1及び2(同法第113条第1項第2号)は、存在しない。
第6 むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立書に記載された申立理由1、2及び証拠によっては、本件発明1ないし4を取り消すことはできない。
また,他に請求項1ないし4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2022-701269