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特許異議申立

2022-700813

TVCMの効果を可視化するための装置、方法及びそのためのプログラム

審判番号
2022-700813
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-006288
登録番号
7023392
請求日
2022年08月18日
審決日
2023年10月05日
公報発行日
2024年01月26日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】ノバセル株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人六本木通り特許事務所
  • 【異議申立人】塚田 顕子
審判長/審判官
  • 審判長 渡邊 聡
  • 審判官 梶尾 誠哉
  • 審判官 伏本 正典
分類
P1651.113-YAA(G06Q) / P1651.121-YAA(G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第4項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7023392号発明「TVCMの効果を可視化するための装置、方法及びそのためのプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7023392号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、3、4〕、2、5、6について訂正することを認める。 特許第7023392号の請求項1~6に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7023392号(以下「本件特許」という。)の請求項1~6に係る特許についての出願は、令和2年6月28日に出願された特願2020-111023号の一部を令和3年1月19日に新たな特許出願(特願2021-6288号)としたものであって、令和4年2月10日にその特許権の設定登録がされ、同年2月21日に特許掲載公報が発行された。 本件特許についての特許異議申立人 塚田顕子(以下「異議申立人」という。)による特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和4年 8月18日 :特許異議の申立て(全請求項) 同年12月20日付け:取消理由通知 令和5年 2月20日 :特許権者による意見書の提出、訂正請求 同年 4月18日 :異議申立人による意見書の提出 同年 6月 1日付け:取消理由通知(決定の予告) 同年 7月28日 :特許権者による意見書の提出、訂正請求 同年 9月 1日 :異議申立人による意見書の提出 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 令和5年7月28日の訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)は、本件特許の特許請求の範囲を訂正請求書に添付した特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~6について訂正することを求めるものであり、訂正の内容は、以下の訂正事項1~7のとおりである(各訂正事項中の下線は、訂正箇所を示す。)。 なお、本件訂正請求により、先の令和5年2月20日にされた訂正請求は、取り下げられたものとみなされる(特許法120条の5第7項)。 また、本件訂正請求のうち、訂正事項1~3に係る訂正前の請求項1~4について、訂正前の請求項2~4はそれぞれ請求項1を引用しているから、訂正前の請求項1~4に対応する訂正後の請求項1~4は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。しかるところ、特許権者は、訂正後の請求項2について、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することを求めている。 (1) 請求項1~4に係る訂正について ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「インターネット上の行動回数を表す行動履歴データ」と記載されているのを、「インターネット上の行動回数を表し、各行動に用いられた端末の位置を含む行動履歴データ」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項3及び4も同様に訂正する。)。 イ 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1に「比により係数を算出するステップ」と記載されているのを、「比により、曜日の属性ごとに係数を算出するステップ」に訂正する。 (請求項1の記載を引用する請求項3及び4も同様に訂正する。) ウ 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項2に「 請求項1記載の方法であって、」と記載されているのを、「 TVCMの効果を可視化するための方法であって、 コンピュータが、インターネット上の行動回数を表し、各行動に用いられた端末の位置を含む行動履歴データに基づいて生成された、前記TVCMを放映した対象地域に対応する効果測定地域における時系列の第1の効果スコア及び対比対象となる複数の対比地域における時系列の第2の効果スコアを取得するステップと、 前記コンピュータが、前記TVCMの放映前の期間の少なくとも一部における前記第2の効果スコアの和に応じた値と前記TVCMの放映前の期間の少なくとも一部における前記第1の効果スコアの和に応じた値との比により係数を算出するステップと、 前記コンピュータが、前記TVCMの放映期間及びその後の期間の少なくとも一部において第3の効果スコアを前記第1の効果スコアと同時に表示するための表示情報を生成するステップと を含み、 前記表示情報は、それを用いて、前記TVCMの放映期間及びその後の期間の少なくとも一部において、前記第2の効果スコアの値又は縦軸を前記係数により前記第1の効果スコアと対比可能に調整した前記第3の効果スコアが表示されるものであり、 」に訂正する。 (2) 請求項5に係る訂正について ア 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項5に「インターネット上の行動回数を表す行動履歴データ」と記載されているのを、「インターネット上の行動回数を表し、各行動に用いられた端末の位置を含む行動履歴データ」に訂正する。 イ 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5に「比により係数を算出するステップ」と記載されているのを、「比により、曜日の属性ごとに係数を算出するステップ」に訂正する。 (3) 請求項6に係る訂正について ア 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項6に「インターネット上の行動回数を表す行動履歴データ」と記載されているのを、「インターネット上の行動回数を表し、各行動に用いられた端末の位置を含む行動履歴データ」に訂正する。 イ 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項6に「比により係数を算出」と記載されているのを、「比により、曜日の属性ごとに係数を算出」に訂正する。 2 訂正の適否についての判断 以下、訂正の適否について判断する。 なお、特許異議の申立ては、上記第1のとおり、訂正前の全請求項(請求項1~6)に対してされているので、訂正を認める要件として、特許法120条の5第9項において読み替えて準用する同法126条7項に規定する独立特許要件は課されない。 (1) 請求項1~4に係る訂正について ア 訂正事項1について (ア) 訂正の目的 訂正事項1は、訂正前の請求項1の「行動履歴データ」を「各行動に用いられた端末の位置を含む行動履歴データ」と限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 (イ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であるか 訂正事項1は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合する。 (ウ) 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか 訂正事項1の「行動履歴データ」が「各行動に用いられた端末の位置」を含むことは、願書に添付した明細書(以下「願書に添付した特許請求の範囲又は図面」を含め、「本件明細書等」という。)の【0029】に「いずれの種類の行動履歴データにおいても、・・・各端末の行動時の位置を含み、・・・」、同【0031】に「各端末の行動時の位置は、たとえば経緯度又は住所により表される。」と記載されているから、訂正事項1に係る訂正は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正である。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合する。 イ 訂正事項2について (ア) 訂正の目的 訂正事項2は、訂正前の請求項1の「算出するステップ」を、「曜日の属性ごとに係数を算出するステップ」と限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 (イ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であるか 訂正事項2は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合する。 (ウ) 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか 訂正事項2の「係数を算出するステップ」が「曜日の属性ごとに」係数を算出することは、本件明細書等の【0021】に「また、平日及び休日で分けるといったように曜日の属性ごとに係数を算出してもよい。」と記載されているから、訂正事項2に係る訂正は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正である。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合する。 ウ 訂正事項3について (ア) 訂正の目的 訂正事項3は、訂正前の請求項2が請求項1を引用する記載であるところ、請求項1の記載を請求項2の記載に明示的に記載するように訂正するものであるから、訂正事項3は、特許法120条の5第2項ただし書4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当する。 また、訂正事項3は、訂正前の請求項2が引用する請求項1の記載について、「対比地域における時系列の第2の効果スコアを取得するステップ」を「複数の対比地域における時系列の第2の効果スコアを取得するステップ」と限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 (イ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であるか 訂正事項3は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることと、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合する。 (ウ) 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか 訂正事項3は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとするものである。 また、訂正事項3の「複数の対比地域における時系列の第2の効果スコアを取得するステップ」について、本件明細書等の【0031】には、「対比対象となる地域としては、たとえば全国、全国から効果測定地域を除いた地域、特定の1又は複数の地域等が挙げられる。」と記載されている。 以上によれば、訂正事項3に係る訂正は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正である。 したがって、訂正事項3は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合する。 (2) 請求項5に係る訂正について ア 訂正事項4について 訂正事項4は、訂正事項1と同様の訂正である。 したがって、訂正事項4は、上記(1)アと同様、(ア)特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するものであり、(イ)カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものであり、(ウ)願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合するものである。 イ 訂正事項5について 訂正事項5は、訂正事項2と同様の訂正である。 したがって、訂正事項5は、上記(1)イと同様、(ア)特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するものであり、(イ)カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものであり、(ウ)願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合するものである。 (3) 請求項6に係る訂正について ア 訂正事項6について ア 訂正事項6について 訂正事項6は、訂正事項1と同様の訂正である。 したがって、訂正事項6は、上記(1)アと同様、(ア)特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するものであり、(イ)カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものであり、(ウ)願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合するものである。 イ 訂正事項7について 訂正事項7は、訂正事項2と同様の訂正である。 したがって、訂正事項7は、上記(1)イと同様、(ア)特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するものであり、(イ)カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合するものであり、(ウ)願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合するものである。 3 小括 以上のとおり、本件訂正請求による訂正は適法にされたものであるから、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~6について訂正することを認める。 なお、訂正後の請求項2に係る訂正事項3は、引用関係の解消を目的として含む訂正であって、その訂正は認められるものである。そして、特許権者から、訂正後の請求項2について訂正が認められるときは請求項〔1~4〕とは別の訂正単位として扱われることの求めがあったことから、訂正後の請求項〔1、3、4〕、2、5、6について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 本件訂正請求により訂正された請求項1~6に係る発明(以下「本件発明1~6」という。)は、訂正請求書に添付された特許請求の範囲の請求項1~6に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。なお、下線は、訂正箇所を示す。 【請求項1】 TVCMの効果を可視化するための方法であって、 コンピュータが、インターネット上の行動回数を表し、各行動に用いられた端末の位置を含む行動履歴データに基づいて生成された、前記TVCMを放映した対象地域に対応する効果測定地域における時系列の第1の効果スコア及び対比対象となる対比地域における時系列の第2の効果スコアを取得するステップと、 前記コンピュータが、前記TVCMの放映前の期間の少なくとも一部における前記第2の効果スコアの和に応じた値と前記TVCMの放映前の期間の少なくとも一部における前記第1の効果スコアの和に応じた値との比により、曜日の属性ごとに係数を算出するステップと、 前記コンピュータが、前記TVCMの放映期間及びその後の期間の少なくとも一部において第3の効果スコアを前記第1の効果スコアと同時に表示するための表示情報を生成するステップと を含み、 前記表示情報は、それを用いて、前記TVCMの放映期間及びその後の期間の少なくとも一部において、前記第2の効果スコアの値又は縦軸を前記係数により前記第1の効果スコアと対比可能に調整した前記第3の効果スコアが表示されるものであることを特徴とする。 【請求項2】 TVCMの効果を可視化するための方法であって、 コンピュータが、インターネット上の行動回数を表し、各行動に用いられた端末の位置を含む行動履歴データに基づいて生成された、前記TVCMを放映した対象地域に対応する効果測定地域における時系列の第1の効果スコア及び対比対象となる複数の対比地域における時系列の第2の効果スコアを取得するステップと、 前記コンピュータが、前記TVCMの放映前の期間の少なくとも一部における前記第2の効果スコアの和に応じた値と前記TVCMの放映前の期間の少なくとも一部における前記第1の効果スコアの和に応じた値との比により係数を算出するステップと、 前記コンピュータが、前記TVCMの放映期間及びその後の期間の少なくとも一部において第3の効果スコアを前記第1の効果スコアと同時に表示するための表示情報を生成するステップと を含み、 前記表示情報は、それを用いて、前記TVCMの放映期間及びその後の期間の少なくとも一部において、前記第2の効果スコアの値又は縦軸を前記係数により前記第1の効果スコアと対比可能に調整した前記第3の効果スコアが表示されるものであり、 前記行動履歴データは、前記TVCMに関連づけられたウェブサイトに対するアクセス数、前記ウェブサイトにおける会員登録数又は前記ウェブサイトにおける注文数のいずれかであることを特徴とする。 【請求項3】 請求項1記載の方法であって、 前記行動履歴データは、前記TVCMに関連づけられたアプリの利用開始数であることを特徴とする。 【請求項4】 請求項1記載の方法であって、 前記表示情報は、それを用いて、前記第1の効果スコア及び前記第3の効果スコアの少なくとも一方が折れ線グラフで表示されるものであることを特徴とする。 【請求項5】 コンピュータに、TVCMの効果を可視化するための方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、 前記コンピュータが、インターネット上の行動回数を表し、各行動に用いられた端末の位置を含む行動履歴データに基づいて生成された、前記TVCMを放映した対象地域に対応する効果測定地域における時系列の第1の効果スコア及び対比対象となる対比地域における時系列の第2の効果スコアを取得するステップと、 前記コンピュータが、前記TVCMの放映前の期間の少なくとも一部における前記第2の効果スコアの和に応じた値と前記TVCMの放映前の期間の少なくとも一部における前記第1の効果スコアの和に応じた値との比により、曜日の属性ごとに係数を算出するステップと、 前記コンピュータが、前記TVCMの放映期間及びその後の期間の少なくとも一部において第3の効果スコアを前記第1の効果スコアと同時に表示するための表示情報を生成するステップと を含み、 前記表示情報は、それを用いて、前記TVCMの放映期間及びその後の期間の少なくとも一部において、前記第2の効果スコアの値又は縦軸を前記係数により前記第1の効果スコアと対比可能に調整した前記第3の効果スコアが表示されるものであることを特徴とする。 【請求項6】 TVCMの効果を可視化するための装置であって、 インターネット上の行動回数を表し、各行動に用いられた端末の位置を含む行動履歴データに基づいて生成された、前記TVCMを放映した対象地域に対応する効果測定地域における時系列の第1の効果スコア及び対比対象となる対比地域における時系列の第2の効果スコアを取得し、 前記TVCMの放映前の期間の少なくとも一部における前記第2の効果スコアの和に応じた値と前記TVCMの放映前の期間の少なくとも一部における前記第1の効果スコアの和に応じた値との比により、曜日の属性ごとに係数を算出し、 前記TVCMの放映期間及びその後の期間の少なくとも一部において第3の効果スコアを前記第1の効果スコアと同時に表示するための表示情報を生成し、 前記表示情報は、それを用いて、前記TVCMの放映期間及びその後の期間の少なくとも一部において、前記第2の効果スコアの値又は縦軸を前記係数により前記第1の効果スコアと対比可能に調整した前記第3の効果スコアが表示されるものであることを特徴とする。 第4 取消理由通知に記載した取消理由について 1 取消理由の概要 訂正前の請求項1~6に係る特許に対して、当審が令和5年6月1日に特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 本件特許の請求項1~6に係る発明は、本件特許出願前に日本国内において頒布された、異議申立人が提出した以下の甲第1号証(以下「甲1」という。)に記載された発明に基づいて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定に違反してされたものであり、本件特許の請求項1~6に係る特許は取り消されるべきものである。 甲第1号証(甲1):KITTS,B. et al.,“Can Television Advertising Impact Be Measured on the Web? Web Spike Response as a Possible Conversion Tracking System for Television”, ADKDD'14: Proceedings of the Eighth International Workshop on Data Mining for Online Advertising August 2014 Pages 1?9 2 甲1及び甲1発明 (1) 甲1の記載事項 甲1には、次のとおりの記載がある(なお、訳文は、異議申立人の提出した甲1の全訳を採用し、一部、合議体が変更した。また、訳文中の下線は、合議体が付加した。)。 ア 1頁左欄 「1.INTRODUCTION TV effects are notoriously difficult to measure. Unlike online advertising, there is no cookie to enable tracking of a user between an ad view and action. This has left television with critical problems with the ability to measure and optimize airings, and we believe is resulting in a large number of irrelevant and poorly targeted ads. This paper will present experimental findings that suggest that this situation may be changing. We show that by aligning web activity with TV broadcasts in time and space and applying some signal processing techniques, it is possible to measure web activity bursts that peak about 13 seconds after traditional TV ad broadcasts. The implications for computational advertising are profound. Using this effect, we note that it may be possible to deploy a web-based TV conversion tracking system that will both work today on existing TV systems, and could be used for future IP-connected TV systems, thus enabling real-time optimization of television ad targeting for the first time.」 (訳文) 「1.はじめに TVの効果を測定するのが難しいことはよく知られています。オンライン広告とは異なり、ユーザの広告視聴からアクションまでをトラッキングできるCookieはありません。このため、TVは放送を測定および最適化できないという重大な問題があり、その結果、無関係であったり、ターゲットを絞れない広告が多数生じることになります。 本論文では、この状況が変わるかもしれないことを示唆する実験結果を提示します。Webアクティビティを時間的、空間的にTV放送と連携させ、いくつかの信号処理技術を利用することで、従来型のTV広告の放送の約13秒後にピークに達するWebアクティビティバーストを測定できることを示します。コンピュータを利用した広告の意義ははかり知れないものがあります。この効果を使用すれば、既存のTVシステムで今日機能し、将来のIP接続TVシステムでも使用できるWebベースのTVコンバージョントラッキングシステムを導入することで、TV広告ターゲティングのリアルタイムでの最適化が初めて可能になるかもしれないと認識しています。」 イ 1頁右欄 「2.1 Contribution Much of the previous work has been concerned with showing that a short latency effect exists ? the present paper will attempt to use that effect to provide measurement for real television campaigns. The present paper extends upon the previous research in several ways: (1) We describe algorithms that attribute web activity to television airings without the need for training or parametric assumptions. (2) We show how the attributed web response can be used in a TV ad targeting system to automatically target TV ads to the most responsive media. (3) We demonstrate the above in a live advertiser television campaign (4) We quantify the amount of TV activity that was correctly identified using an in-market experiment. Our general conclusion is that web spike response appears to be workable as a conversion tracking signal for television.」 (訳文) 「2.1貢献 過去の研究の多くは、短い遅延効果が存在することを証明しようとしていました。本論文ではその効果を利用して、実際のTVキャンペーンの測定値を提供することを試みます。本論文は、いくつかの点で先行研究を発展させたものです。(1)トレーニングやパラメトリックな仮定を必要とせずに、WebアクティビティをTV放送と関連づけるアルゴリズムについて説明します。(2)関連付けられたWebレスポンスをTV広告ターゲティングシステムでどのように使用すれば、最も応答性の高いメディアにTV広告を自動的にターゲティングできるかを示します。(3)ライブ広告主のTVキャンペーンで上記を実証します。(4)市場内での実験により正しく識別されたTVアクティビティの量を定量化します。我々の総合的な結論は、Webスパイク反応はTVのコンバージョントラッキング信号として機能させることができると思われるということです。」 ウ 3頁左欄~同右欄 「4. LIVE TV ADVERTISER EXPERIMENT We will now analyze a live advertiser to determine if web spike responses can be detected on very small airings. The data are from a live TV campaign that ran from 2/11/2013 to 7/9/2013 with 35,296 airings. The airings were detected using digital watermarks. The average spot cost was $143 per airing ?nowhere near Super Bowl airings costs. Web activity was aggregated from advertiser web logs in 5 minute time buckets. Figure 1 shows new visitor web activity using 5 minute time intervals and national geography, from 1/20/2013 to 2/25/2013. The timeseries starts to become more spikey around 2/11/2013. The reason for those spikes can be seen in close-up in Figure 2. Figure 3 shows that when we reveal TV media, that the airings that are producing the spikes line up exactly with the web spikes. In order to measure web spikes quantitatively, we provided several measurements for web spike magnitude in Table 2: 1. Additional traffic during 5 minute airing is the web traffic in native units that was generated during the TV airing. 2. Percentage increase over base is the during-airing reading divided by base activity. Base activity is equal to the reading in the 30 minutes prior to the airing, and where no other airing occurs within those 30 minutes. 3. tImp Correlation is the correlation coefficient between the metric and TV airing’s targeted impressions. This may produce a more accurate measure since the other metrics don’t account for targeting. 4. Increase per million impressions (wpmm) is the change in the web traffic multiplied by one million divided by number of television impressions. 5. Mean and Var are the mean and variance of the web traffic in native units. A p-value is shown based on a t-test for the instantaneous spike percentage change, during the time of airing, compared to the percentage changes of differences around baseline activity. 6. % of events shows the web traffic as a percentage of all web traffic. Some web traffic categories that have high spike response from infrequent events.」 (訳文) 「4.ライブTV広告主の実験 次に、ライブ広告主を分析して、非常に小規模な放映でWebスパイク反応を検出できるかを判断します。このデータは、2013年2月11日から2013年7月9日まで35,296回放映されたテレビの生放送キャンペーンからのものです。放映はデジタル透かしを使用して検出されました。平均スポットコストは、放映1回あたり143ドルでした。これはスーパーボウルの放映コストに比べてはるかに安いです。 Webアクティビティは、広告主のWebログから5分の時間単位で集計しました。図1の上図は、2013年1月20日から2013年2月25日までの、国内の地方別に5分間隔でみた新規訪問者のWebアクティビティを示しています。時系列データは2013年2月11日頃にスパイク状になり始めます。 これらのスパイクの理由は、図1の中央図のクローズアップで見ることができます。図1の下図は、テレビメディアを明らかにしたとき、スパイクを発生させている放映がWebスパイクと正確に一致していることを示しています。 Webスパイクを定量的に測定するために、表2にWebスパイクの大きさのいくつかの測定値を示しました。 1. 5分間の放映中のトラフィックの増加分は、テレビ放映中に生成されたネイティブユニットでのWebトラフィックです。 2. 基準値に対する増加率は、放映中の測定値を基準アクティビティで割ったものです。基準アクティビティは、放映の30分前の測定値に相当します(ただし、その30分間に他の放映が行われないことが前提です)。 3. tlmp相関は、メトリックとTV放映のターゲットインプレッション間の相関係数です。他のメトリックはターゲティングを考慮していないため、この方法より正確な測定値が生成される可能性があります。 4. 100万インプラッションあたりの増加(wpmm)は、Webトラフィックの変化量に100万を掛けて、テレビのインプレッション数で割ったものです。 5. MeanとVarは、ネイティブ単位でのWebトラフィックの平均と分散です。p値は、ベースラインアクティビティの前後の際の変化率と比較した、放送中習慣的なスパイク率の変化をt検定に基づいて表示したものです。 6. イベント割合は、全WebトラフィックのパーセンテージとしてWebトラフィックを示します。一部のカテゴリのWebトラフィックは、まれなイベントに対して高いスパイク反応を示します。」 エ 4頁右欄~5頁左欄 「5. WEB RESPONSE ATTRIBUTION 5.1 Problem Description “To Learn what TV is, you must learn what TV is not” ? Yoda Speak Generator The durability of web spikes introduces the intriguing possibility that we could use these web effects to build a television conversion tracking system that we could use for TV effectiveness reporting and optimization. In order to build such a system, we can make use of a useful property of the above models ? specifically, our observed web activity W(T,G) can divided into two parts: (a) the web activity due to the television airing f(I(M(T,G))) plus(b) background web activity that would have occurred anyway WNoTV(T,G): f(I(M(T,G)))=W(T,G)-WNoTV(T,G) When we are trying to estimate the total effects of television, a key insight is that we don’t have to identify the exact parametric functional form of ? indeed this could be a complex function, require a large number of factors, involve complex interactions, and may take a great deal of insight to understand. It would be easy to get the model wrong. Instead, our approach is to estimate the background WNoTV(T,G), and remove it from observed activity to infer the activity due to TV: in other words learn what TV is not. In practice, background traffic tends to be more reliable to estimate than activity during TV airings, as there are many more observations of web activity, and it is often periodic and predictable. TV estimates then become the observed residuals after subtraction of background, in the narrow window during TV airings when there is high signal-to-noise. We now turn to two algorithms for removal of background activity which introduce minimal assumptions.」 (訳文) 「5.WEB反応のアトリビューション 5.1 問題の解説 「TVとは何かを学ぶには、『何がTVではないか』を学ぶ必要があります」-ヨーダスピークジェネレーター Webスパイクの持続性は、TVの有効性の報告と最適化に使用するためのTVコンバージョントラッキングシステムを構築するのにこれらのWeb効果が有効であるという興味深い可能性を提供します。このようなシステムを構築するために、上記のモデルの有益な特性を利用できます。具体的には、観察されたWebアクティビティを以下の2つの部分に分けることができます。(a)TV放映によるWebアクティビティf(I(M(T,G)))と、(b)TV放映がなかったとしても発生したであろうバックグラウンドWebアクティビティWNoTV(T,G): f(I(M(T,G)))=W(T,G)-WNoTV(T,G) TVの総合的な効果を計算する時、重要なことは、fの正確なパラメトリック関数形式を特定する必要がないということです。実際、この形式は複雑な関数で、多くの因数を必要とし、複雑な相互作用を伴う場合があり、理解するために多くの洞察が必要となることがあります。モデルは簡単に誤解され得ます。 私たちのアプローチは、その代わりにバックグラウンドWNoTV(T,G)を推定し、それを観測されたアクティブティから削除して、TVによるアクティビティを推測します。言い換えれば、「何がTVではないか」を知ります。 実際には、バックグラウンドトラフィックは、TV放映中のアクティビティよりも確実に推定できる傾向があります。これは、Webアクティビティの観測がはるかに多く、定期的で予測可能であることが多いためです。TVの推定値は、S/N比の高いTV放映中の狭い時間枠で、バックグラウンドを差し引いた残余の観測値になります。ここで、最小限の仮定を導入するバックグラウンドアクティビティを削除するための2つのアルゴリズムに目を向けます。」 オ 5頁左欄 「5.2 Algorithm I: Instantaneous Minute Treatment-Control The Instantaneous Treatment-Control algorithm works by estimating the web traffic without TV as being equal to the web traffic in the time period before the airing. In the formula below, the web activity control period y indicates how many periods of time prior to the present will be used to create an average for web activity (eg. y=1), and the algorithm requires there to have been no media airings during z time-periods prior to the present (eg. z=1), the exclusion window. This ensures that the previous web activity isn’t being elevated by an earlier media event. [図:0001405787000001.jpg] By using the web activity prior to the airing as the noTV baseline, the treatment when TV was applied is close in time to the control, and the environmental conditions ? including day-hour-minute traffic levels - of the website should be very similar in these two cases. Therefore, any change in web visits is likely to have been caused by the TV airing. This algorithm has an advantage of being robust when faced with real-world problems such as bots. Bots are notorious for crawling various pages, and then may not be seen again for some time. This can cause significant problems when estimating models of web activity, since global models such as regression can be severely disrupted by what appears to be large amounts of web traffic. However, because web activity immediately prior to the airing is close in time to time of airing, it is likely that the bot will be present and generating a similar inflation during both time buckets T and T-1. Therefore if we have: f(I(T,G)=W(T,G)+BOT(T,G)-(W(T-1,G)+BOT(T-1,G)) If BOT(T-1,G)=BOT(T,G) then the estimate will not be affected. This is likely to be true in many cases because bot activity is correlated in time.」 (訳文) 「5.2 アルゴリズムI:瞬時処理・制御 瞬時処理・制御アルゴリズムは、TVなしのWebトラフィックを、放送前の期間のWebトラフィックと等しいと推定することで機能します。以下の式で、Webアクティビティ制御期間yは、Webアクティビティの平均を生成するために、現在の期間より前に何回の期間を要するかを示します(例:y=1)。このアルゴリズムでは、現在の期間より前のz回の期間(たとえば、z=1)(「除外ウィンドウ」)にメディアの放映が行われていないことが必要です。これにより、以前のメディアイベントによって上昇しないようにします。 [図:0001405787000002.jpg] 放送前のWebアクティビティをTVのないベースラインとして使用することで、TVが適用されたときの処理は統制に時間的に近くなり、Webサイトの環境条件(日-時間-分のトラフィックレベルを含む)は、これらの2つのケースがきわめて類似するはずです。したがって、Web訪問の変化は、TVの放映によって引き起こされた可能性が高くなります。 このアルゴリズムには、ボットなどの現実の問題に直面したときに堅牢であるという利点があります。ボットはさまざまなページを這い回ることで有名であり、しばらくの間、再び見かけない場合があります。これは、Webアクティビティのモデルを推定するときに重大な問題を引き起こす可能性があります。なぜなら、回帰などのグローバルモデルが、大量のWebトラフィックのようにみえるものによって著しく混乱させられる可能性があるためです。 ただし、放映直前のWebアクティビティは時間的に放映に近いため、ボットが存在し、TとT-1の両方の時間バケットで同様の上昇を生成する可能性があります。したがって、たとえば: f(I(T,G)=W(T,G)+BOT(T,G)-(W(T-1,G)+BOT(T-1,G)) BOT(T-1,G)=BOT(T,G)ならば、推定値は影響を受けません。ボットのアクティビティは時間的に相関しているため、これは多くの場合に当てはまる可能性があります。」 カ 6頁左欄~同右欄 「6. EXPERIMENTAL COMPARISON The web response alignment graphs are suggestive. However, TV is known to have complex and long-lasting effects. Could web spike response be used as a proxy to measure total TV effect? We firstly need to be able to measure total TV lift. A classic method for measuring total TV effect is to run a controlled experiment. Media is applied to certain geographies, and not to control geographies. The difference in web activity between treatment and control is then measured. This is called a Matched Market Experiment and it has been used in many previous studies to measure television effects. We implemented a Matched Market Experiment by purchasing 9,748,347 impressions and 296 airings ($483 per airing) of media on the week of February 11 and March 4 2013 in treatment market Gj=Seattle. This purchased approximately 281 Gross Rating Points per week in the targeted area. We selected an aggregated control W(T,Gj,com) matched to this treatment and not running media as follows: [図:0001405787000003.jpg] where were trained using data from times that were prior to the start of television, selected using stepwise regression to avoid over-fitting, and the model was validated against a test set that was held out in time. The parameters are shown in Table 7. [図:0001405787000004.jpg] Difference of Differences can now be used to calculate the activity due to the treatment in this kind of design. The method measures the change in treatment area minus change in control area: [図:0001405787000005.jpg] Because we are using an explicit, time-varying control which minimizes difference between W(T0,Gj,CON) and W(T0,Gj), the treatment and control starting terms cancel, and the Difference of Difference formula becomes the formula below. The results are shown in Table 5 and Figure 5. [図:0001405787000006.jpg] The first surprising result is that web spike lift readings appear to predict total TV effect. Web Spike analysis reported 30.7% lift for Homepage, 14.8% for new visitors and 10.2% for visits. Experimental measurement exhibits the same relationship: 58%, 27%, 18% (Table 5; Figure 5). The second result is that the amount of lift measurable by web spike is small relative to the total effect of TV. We experimentally measured an additional 3.5 conversions for every conversion generated during the campaign in the 6 months after the campaign because of elevated lift in treatment area. Web spike is unable to detect this lift as it works on short-term effects. In addition, web spike measurements only observe a narrow time window around each airing when signal-to-noise is maximum. Based on algorithm 1 we measured only 0.69% of total web effect including residuals after 6 months. Never-the-less, despite measuring only a small amount of TV’s total effect, the measured signal appears to be correlated with overall TV effect.」 (訳文) 「6.実験的比較 ウェブ反応連携グラフは示唆に富んでいます。ただし、TVには複雑で長続きする効果があることが知られています。 Webスパイク反応をTVの総合的な効果を測定する代理として使用することは可能でしょうか? まず、TVの総合的な上昇を測定できる必要があります。TVの総合的な効果を測定するための古典的な方法は、統制された実験を行うことです。メディアは特定の地域に適用され、統制地域には適用されません。次に、処理と統制の間のWebアクティビティの違いを測定します。これらはマッチドマーケット実験と呼ばれ、TVの効果を測定するために多くの先行研究で使用されてきました。 2013年2月11日と3月4日の週に、処理市場Gjシアトルで9,748,347インプレッションと296回の放映(1放送あたり483ドル)のメディアを購入することにより、マッチドマーケット実験を実施しました。これにより、対象地域で1週間あたり約281GRPの延べ視聴率が購入されたことになります。この処理に一致し、メディアを実行しない集計統制W(T,Gj,CON)を次のとおり選択しました。: [図:0001405787000007.jpg] ここでWiは過剰適合を回避するためにステップワイズ回帰を使用して選択され、TVの開始前の時間T0のデータを使って学習させたものであり、モデルは時間内に保持されたテストセットに照らして検証されました。パラメータを表7に示します。 [図:0001405787000008.jpg] 差分の差を使用して、この種の設計での処理によるアクティビティを計算できるようになりました。この方法では、処理領域の変化から制御領域の変化を差し引いたものを測定します。 [図:0001405787000009.jpg] W(T0,Gj,CON)とW(T0,Gj)の差が最小となる、明示的な時変制御を使用しているため、処理と制御の開始項がキャンセルされ、差分の差は次の式になります。結果を表5と図5に示します。 [図:0001405787000010.jpg] 最初の驚くべき結果は、Webスパイク上昇の測定値がTVの総合的な効果を予測しているようにみえることです。Webスパイク分析では、トップページが30.7%、新規訪問者が14.8%、訪問が10.2%増加したと報告されています。実験測定でも同じ関係がみられます。すなわち、58%、27%、18%(表5、図5)です。 2番目の結果は、Webスパイクによって測定可能な上昇の量が、TVの総合的な効果に比べて小さいことです。処理地域の上昇幅が増加したため、我々はキャンペーン後の6ヶ月で、キャンペーン中に生成されたコンバージョン1回につき3.5回のコンバージョンを追加で実験的に測定しました。Webスパイクは短期的な効果に反応するため、この上昇を検出できません。さらにWebスパイクの測定ではS/N比が最大の場合にのみ、各放送の前後の狭い時間枠が観察されます。我々は、アルゴリズム1に基づいて、6ヶ月後の残差を含むWeb効果全体の0.69%しか測定しませんでした。ところがTVの総合的な効果のうち僅かしか測定していないのに、測定された信号はTVの総合的な効果と相関しているように見えます。」 キ 9頁 [図:0001405787000011.jpg] 「Figure 5. (left) Web Spike Percentage Lift for 60 minutes before through 60 minutes after a TV airing (at minute 0) with spike magnitude expressed in terms of percentage lift over average baseline activity. (right) Experimental Lift Measurement measured using Difference of differences calculated over a treatment and control geographic area for three web metrics. The timeseries is shown as a 7 day moving average. The control area with web activity is normalized to 1.0, and treatment area shows activity in units of percentage over control. The top graphs are Visits, middle are New Visitors, and bottom are New Visitors to the Homepage on Mobile devices. As Web Spike Percentage lift increases, so too does Experimentally measured lift.」 (訳文) 「 図5(左)TV放送の60分前から60分後までのWebスパイクのパーセンテージの上昇(0分)。スパイクの大きさは、平均ベースラインアクティビティに対する上昇率で表しています。(右)実験的上昇の測定は、3つのWebメトリックについて処理地域(treatment area)と統制地域(control geographic area)で計算した差分を使用して測定しました。時系列データは7日間の移動平均として表しています。Webアクティビティのある統制地域は1.0に正規化し、処理地域では統制地域に対するパーセンテージの単位でアクティビティを示します。上のグラフは訪問数、中央は新規訪問者、下はモバイルデバイスのトップページへの新規訪問者です。Webスパイク上昇が増加すると、実験的に測定された上昇も増加します。」 (2) 甲1の記載から理解できること ア 上記(1)ア及びイによれば、甲1には、TV広告の放送の13秒後にピークとなるWebアクティビティのスパイクが生じ、この効果を測定することにより、TV広告のコンバージョントラッキング信号として機能させることができることが記載されている。 したがって、甲1には、「TV広告の放映後のWebアクティビティのスパイクを測定することにより、TV広告によるコンバージョンをトラッキングすることができる」ことが記載されているといえる。 イ 上記(1)エ及びオによれば、甲1には、TV広告によるWebアクティビティのスパイクの持続性は、TV広告が放映されたときのWebアクティビティからTV広告が放映されなかったときのバックグラウンドのWebアクティビティを減算することにより最適化することができ、バックグラウンドのWebアクティビティは、TV広告放送前の期間のWebアクティビティと等しいと推定することができることが記載されている。 ウ 上記(1)カによれば、甲1には、特定の処理地域に広告メディアを適用し、処理地域以外の統制地域には広告メディアを適用しないで、Webアクティビティの違いを測定したWebアクティビティのスパイクは、TV広告の総合的な効果と相関がみられることが記載されている。また、上記ウによれば、甲1には、Webアクティビティは、国内の地方別に集計したものであることが記載されている。 エ 上記(1)イ及びエによれば、甲1には、「特定の処理地域に広告メディアを適用し、処理地域以外の統制地域には広告メディアを適用しないで、TV広告を放映し、処理地域のWebアクティビティと統制地域のWebアクティビティの違いをみることにより、TV広告の総合的な効果を測定することができる」ことが記載されているといえる。 オ 上記(1)キによれば、甲1には、「処理地域と統制地域について、Webメトリックとして、訪問数、新規訪問者、モバイルデバイスのトップページへの新規訪問者の3つのWebアクティビティの7日間の移動平均として表した時系列データを、統制地域を1.0に正規化し、処理地域を統制地域に対するパーセンテージとして表し、統制地域のWebアクティビティと、処理地域のWebアクティビティとをグラフ表示する」ことが記載され、当該グラフの表示は、「処理地域と統制地域のWebアクティビティを表示する表示方法」といえる。 (3) 甲1発明 上記(2)によれば、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている。 [甲1発明] 「TV広告の放映後のWebアクティビティのスパイクを測定することにより、TV広告によるコンバージョンをトラッキングすることができ、 特定の処理地域に広告メディアを適用し、処理地域以外の統制地域には広告メディアを適用しないで、TV広告を放映し、Webアクティビティを国内の地方別に集計し、処理地域のWebアクティビティと統制地域のWebアクティビティの違いをみることにより、TV広告の総合的な効果を測定することができ、 処理地域と統制地域について、Webメトリックとして、訪問数、新規訪問者、モバイルデバイスのトップページへの新規訪問者の3つのWebアクティビティの7日間の移動平均として表した時系列データを、統制地域を1.0に正規化し、処理地域を統制地域に対するパーセンテージとして表し、統制地域のWebアクティビティと、処理地域のWebアクティビティとをグラフ表示する、 処理地域と統制地域のWebアクティビティを表示する表示方法。」 3 当審における判断 (1) 本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲1発明を対比する。 (ア) 甲1発明の「処理地域と統制地域のWebアクティビティを表示する表示方法」は、TV広告を放映する処理地域と、TV広告を放映しない統制地域とでWebアクティビティの違いを比較して、TV広告によるコンバージョンをトラッキングする、すなわち、TV広告の放映による、Webの訪問数、新規訪問者、モバイルデバイスのトップページへの新規訪問者の増加を追跡するためのものであるから、TV広告のWebアクティビティに対する効果を表示するものといえる。 したがって、甲1発明の「処理地域と統制地域のWebアクティビティを表示する表示方法」は、本件発明1と同様の「TVCMの効果を可視化するための方法」であるといえる。 (イ) 甲1発明の「Webメトリック」としての「訪問数、新規訪問者、モバイルデバイスのトップページへの新規訪問者の3つのWebアクティビティ」は、本件発明1の「インターネット上の行動回数を表す行動履歴データ」に相当し、甲1発明の「広告メディアを適用」して「TV広告を放映」した「処理地域」は、本件発明1の「TVCMを放映した対象地域に対応する効果測定地域」に相当し、甲1発明の「広告メディアを適用しないで」「TV広告を放映」した「処理地域以外の統制地域」は、本件発明1の「対比対象となる対比地域」に相当する。 そして、甲1発明の「Webアクティビティの7日間の移動平均として表した時系列データ」は、本件発明1の「インターネット上の行動回数を表す行動履歴データに基づいて生成された」、「時系列」の「効果スコア」に相当し、甲1発明において、この「時系列データ」を取得していることは明らかである。 また、甲1発明は、「Webアクティビティを国内の地方別に集計」するから、「Webアクティビティ」に用いられたモバイルデバイスのアクセス元の地域を特定していることは明らかである。 したがって、甲1発明の、モバイルデバイス(端末)のアクセス元の地域を取得することにより、「広告メディアを適用」して「TV広告を放映」した「処理地域」の「訪問数、新規訪問者、モバイルデバイスのトップページへの新規訪問者の3つのWebアクティビティの7日間の移動平均として表した時系列データ」と、「広告メディアを適用しないで」「TV広告を放映」した「処理地域以外の統制地域」の「訪問数、新規訪問者、モバイルデバイスのトップページへの新規訪問者の3つのWebアクティビティの7日間の移動平均として表した時系列データ」を取得することは、本件発明1の「インターネット上の行動回数を表し、各行動に用いられた端末の位置を含む行動履歴データに基づいて生成された、前記TVCMを放映した対象地域に対応する効果測定地域における時系列の第1の効果スコア及び対比対象となる対比地域における時系列の第2の効果スコアを取得するステップ」と、「インターネット上の行動回数を表し、各行動に用いられた端末の地理的情報を含む行動履歴データに基づいて生成された、前記TVCMを放映した対象地域に対応する効果測定地域における時系列の第1の効果スコア及び対比対象となる対比地域における時系列の第2の効果スコアを取得するステップ」である点で共通する。 (ウ) 甲1発明は「TV広告の放映後のWebアクティビティのスパイクを測定する」だけではなく、放映前のデータも測定していることは明らかであるから、甲1発明の「Webアクティビティの7日間の移動平均として表した時系列データ」は、TV広告の放映前から放映後までの期間の時系列データを含むものである。 そして、甲1発明では、「統制地域のWebアクティビティと、処理地域のWebアクティビティとをグラフ表示」しているから、そのための「表示情報を生成するステップ」を含んでいることは明らかである。 したがって、甲1発明の「処理地域と統制地域について、Webメトリックとして、訪問数、新規訪問者、モバイルデバイスのトップページへの新規訪問者の3つのWebアクティビティの7日間の移動平均として表した時系列データを、統制地域を1.0に正規化し、処理地域を統制地域に対するパーセンテージとして表し、統制地域のWebアクティビティと、処理地域のWebアクティビティとをグラフ表示」するための表示情報を生成するステップと、本件発明1の「前記TVCMの放映期間及びその後の期間の少なくとも一部において第3の効果スコアを前記第1の効果スコアと同時に表示するための表示情報を生成するステップ」とは、「前記TVCMの放映期間及びその後の期間の少なくとも一部において第2の効果スコアに関するスコアを第1の効果スコアに関するスコアと同時に表示するための表示情報を生成するステップ」である点で共通する。 以上によれば、本件発明1と甲1発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 [一致点] TVCMの効果を可視化するための方法であって、 インターネット上の行動回数を表し、各行動に用いられた端末の地理的情報を含む行動履歴データに基づいて生成された、前記TVCMを放映した対象地域に対応する効果測定地域における時系列の第1の効果スコア及び対比対象となる対比地域における時系列の第2の効果スコアを取得するステップと、 前記TVCMの放映期間及びその後の期間の少なくとも一部において第2の効果スコアに関するスコアを第1の効果スコアに関するスコアと同時に表示するための表示情報を生成するステップと を含む。 [相違点] [相違点1] 本件発明1は、各ステップを「コンピュータ」が行うと特定しているのに対し、甲1発明ではそのような特定のない点。 [相違点2] 本件発明1は、「前記TVCMの放映前の期間の少なくとも一部における前記第2の効果スコアの和に応じた値と前記TVCMの放映前の期間の少なくとも一部における前記第1の効果スコアの和に応じた値との比により、曜日の属性ごとに係数を算出するステップ」を有するのに対し、甲1発明はそのようなステップを有しない点。 [相違点3] 「表示情報を生成するステップ」における「第2の効果スコアに関するスコアを第1の効果スコアに関するスコアと同時に表示するための表示情報」について、本件発明1は、「第2の効果スコアに関するスコア」が「第3の効果スコア」であり、「第1の効果スコアに関するスコア」が「第1の効果スコア」そのものであるから、「表示情報」は、「前記TVCMの放映期間及びその後の期間の少なくとも一部において第3の効果スコアを前記第1の効果スコアと同時に表示するための表示情報」であって、「前記表示情報は、それを用いて、前記TVCMの放映期間及びその後の期間の少なくとも一部において、前記第2の効果スコアの値又は縦軸を前記係数により前記第1の効果スコアと対比可能に調整した前記第3の効果スコア」であるのに対し、甲1発明は、「第2の効果スコアに関するスコア」が「第2の効果スコア」(統制地域のWebアクティビティの時系列データ)を調整したもの(1.0に正規化)であり、「第1の効果スコアに関するスコア」が「第1の効果スコア」(処理地域のWebアクティビティの時系列データ)を調整したもの(「第2の効果スコア」に対するパーセンテージ)であって、本件発明1のような「表示情報」ではない点。 [相違点4] 行動履歴データに含まれる行動に用いられた「端末の地理的情報」が、本件発明1では、「端末の位置」であるのに対し、甲1発明では、「端末のアクセス元の地域」であり、「端末の位置」とは特定されていない点。 イ 判断 事案に鑑み、相違点3について検討する。 (ア) 甲1発明は、上記アの[相違点3]のとおり、「第1の効果スコア」(処理地域のWebアクティビティの時系列データ)そのものを表示するのではなく、「第1の効果スコア」を「第2の効果スコア」に対するパーセンテージで調整したものを表示するものである。 そうすると、甲1発明において、「第1の効果スコア」そのものを表示しない以上、「第1の効果スコアと対比可能に調整した前記第3の効果スコア」を表示させる必要はないから、甲1発明において、「第3の効果スコア」を表示するための表示情報を生成する動機付けはない。 なお、仮に、甲1発明において、「第1の効果スコア」そのものを表示するように構成することが容易であったとしても、甲1には、相違点3に係る構成は記載されておらず、ほかに周知技術であるということもできない。 そして、本件発明1は、相違点3の構成によって、本願明細書等の【0016】に記載されているように、「放映前の期間141の少なくとも一部における第1の効果スコア110と放映前の期間141の少なくとも一部における第2の効果スコアとの対比により、放映期間142及びその後の期間143における第2の効果スコアを調整し、TVCMが放映されなかったという仮定の下での効果を表す第3の効果スコア130を第1の効果スコア110と同時に表示して、TVCMの効果を視覚的に判然と伝達することができる。」という効果を奏するものである。 したがって、甲1発明において、相違点3の構成を採用することは、当業者であっても容易に想到し得るものではない。 (イ) これに対し、異議申立人は、甲1の図5に示された実験結果は、TVCMの放映期間及びその後の期間の少なくとも一部において第3の効果スコアを第1の効果スコアと同時に表示するための表示情報を生成することで得られたものであることは明らかであり、当該表示情報が、それを用いて、TVCMの放映期間及びその後の期間の少なくとも一部において、第2の効果スコアの値又は縦軸を上述の係数により第1の効果スコアと対比可能に調整した第3の効果スコアを表示するものであることも明らかであるから、相違点3に係る構成は、甲1に記載されている旨主張する(異議申立書27頁中段)。 しかしながら、甲1の図5には、上記2(1)キ及び同(2)オのとおり、「処理地域と統制地域について、Webメトリックとして、訪問数、新規訪問者、モバイルデバイスのトップページへの新規訪問者の3つのWebアクティビティの7日間の移動平均として表した時系列データを、統制地域を1.0に正規化し、処理地域を統制地域に対するパーセンテージとして表し、統制地域のWebアクティビティと、処理地域のWebアクティビティとをグラフ表示する」ことが記載されているといえるにとどまり、第1の効果スコア(処理地域のWebアクティビティの時系列データ)そのものを表示することや、第3の効果スコアを第1の効果スコアと同時に表示することを含め、相違点3に係る構成が記載されているとはいえない。 したがって、異議申立人の主張は採用できない。 (ウ) 小括 以上によれば、ほかの相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 本件発明1についてのまとめ 以上のとおり、本件発明1は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであるとはいえない。 したがって、本件発明1に係る特許は、取り消されるべきものではない。 (2) 本件発明2について 本件発明2と、甲1発明を対比すると、上記(1)アの[相違点3]を含むものである。 そうすると、上記(1)イと同様、本件発明2は、甲1発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 したがって、本件発明2は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであるとはいえないから、本件発明2に係る特許は、取り消されるべきものではない。 (3) 本件発明3及び4について 本件発明3及び4は、上記第3のとおり、本件発明1の構成にさらに構成を付加し、本件発明1を限定したものであるから、上記(1)アの[相違点3]を有する。 そうすると、上記(1)イと同様、本件発明3及び4は、甲1発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 したがって、本件発明3及び4は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであるとはいえないから、本件発明3及び4に係る特許は、取り消されるべきものではない。 (4) 本件発明5及び6について 本件発明5は、本件発明1の「TVCMの効果を可視化するための方法」について、カテゴリーが異なるのみである「コンピュータに、TVCMの効果を可視化するための方法を実行させるためのプログラム」とした発明である。 そうすると、本件発明5は、甲1から認定される「コンピュータに、TVCMの効果を可視化するための方法を実行させるためのプログラム」と対比すると、上記(1)アの[相違点3]と同様の相違点を有することとなるから、上記(1)イと同様、本件発明5は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであるとはいえない。 また、本件発明6も、本件発明1の「TVCMの効果を可視化するための方法」について、カテゴリーが異なるのみである「TVCMの効果を可視化するための装置」とした発明である。 そうすると、本件発明6は、甲1から認定される「TVCMの効果を可視化するための装置」と対比すると、上記(1)アの[相違点3]と同様の相違点を有することとなるから、上記(1)イと同様、本件発明6は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであるとはいえない。 したがって、本件発明5及び6は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであるとはいえないから、本件発明5及び6に係る特許は、取り消されるべきものではない。 第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 1 異議申立人は、異議申立書において、訂正前の特許請求の範囲の請求項1~6に記載された発明は、甲1に記載された発明であるから、特許法29条1項3号の規定により特許を受けることができない旨主張する。 しかしながら、訂正後の本件発明1~6と、甲1に記載された発明を対比すると、第4の3(1)アのとおり、[相違点]に係る構成を有するから、本件発明1~6は甲1に記載された発明であるということはできない。 したがって、異議申立人の主張は採用できない。 2 また、異議申立人は、上記甲1に加え、訂正前の特許請求の範囲の請求項2及び請求項3について以下の甲2及び甲3、請求項4について以下の甲4を証拠方法として提出し、甲1に記載された発明であるか、あるいは、甲1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである旨主張する。 <証拠方法> 甲第2号証(甲2):特開2015-222458号公報 甲第3号証(甲3):特開2017-224198号公報 甲第4号証(甲4):特開2007-164276号公報 しかしながら、異議申立人が提出した証拠方法は、本件発明1を限定した本件発明2~4における発明特定事項に対するものであり、本件発明1並びにカテゴリーが異なるのみである本件発明5及び本件発明6の発明特定事項についての証拠方法ではない。 そして、異議申立人の主張する甲2の【0013】、【0038】及び【0060】、甲3の【0001】、【0002】及び【0040】、甲4の【0034】及び【0041】をみても、上記第4の3(1)アの[相違点3]に係る構成は記載されていないし、甲1発明に対して、[相違点3]に係る構成を採用する動機付けについて記載も示唆もされていない。 そうすると、異議申立人が提出した甲2~甲4を考慮したとしても、本件発明1~6は甲1に記載された発明であるとはいえないし、上記第4の3の当審における判断を左右するものでもない。 したがって、異議申立人の主張は採用できない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件特許の請求項1~6に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項1~6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700813

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