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特許異議申立

2022-700495

排ガス処理装置および焼却設備

審判番号
2022-700495
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2018-553754
登録番号
6980693
請求日
2022年06月09日
審決日
2023年06月30日
公報発行日
2023年10月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】日立造船株式会社
  • 【権利者代理人】松阪 正弘
  • 【権利者代理人】田中 勉
  • 【権利者代理人】井田 正道
  • 【異議申立人】西内 大生
  • 【異議申立人】石井 健治
審判長/審判官
  • 審判長 平城 俊雅
  • 審判官 西村 泰英
  • 審判官 白土 博之
分類
P1651.113-YAA(F23J) / P1651.121-YAA(F23J)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6980693号発明「排ガス処理装置および焼却設備」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6980693号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-9〕について訂正することを認める。 特許第6980693号の請求項1~3、5~9に係る特許を維持する。 特許第6980693号の請求項4に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 1 手続の経緯 特許第6980693号の請求項1~9に係る特許についての出願は、2017年(平成29年)11月14日(優先権主張 2016年12月2日)を国際出願日とする出願がなされ、令和3年11月19日にその特許権の設定登録がされ、同年12月15日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、令和4年6月9日に特許異議申立人 西内 大生(以下、単に「西内」という)により特許異議の申立てがされ、続いて同年6月13日に特許異議申立人 石井 健治(同じく、「石井」という)により特許異議の申立てがされた。 当審は、令和4年9月28日付けで取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内である同年11月21日に意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)を行い、その訂正の請求に対して、特許異議申立人 石井は、同年12月26日に意見書を提出し、特許異議申立人 西内は、令和5年1月6日に意見書を提出した。 2 訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は、以下のア~オのとおりである。下線は訂正箇所を示す。 ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に 「前記コンベアは、ハウジングを備え、 前記ハウジング内の圧力は、前記煙道内の圧力よりも高く、前記排ガスが前記ハウジング内へと流入することが防止される。」とあるのを、 「前記コンベアは、ハウジングを備え、 前記ハウジング内の圧力は、前記煙道内の圧力よりも高く、前記排ガスが前記ハウジング内へと流入することが防止され、 前記コンベアが、前記補助経路に沿って設けられるとともに、前記集塵灰を塊となった状態で収容する複数の保持部を前記ハウジング内に有し、前記複数の保持部を、前記補助経路に沿って搬送する。」に訂正する。 (請求項1の記載を引用する請求項2、3、7~9も同様に訂正する。) イ 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項4を削除する。 ウ 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項5に 「請求項4に記載の排ガス処理装置であって、 前記集塵灰搬送部が、シュート部を備え、 前記ハウジングが、前記集塵灰供給位置に対向する出口開口を有し、 前記シュート部が、前記ハウジングの前記出口開口に接続されるとともに、前記煙道に開口し、 各保持部内に収容された前記集塵灰が前記シュート部に投下される。」とあるのを、 「排ガス処理装置であって、 排ガスが流れる煙道に設けられる集塵機と、 前記煙道において前記排ガスの発生源と前記集塵機との間の薬剤供給位置に、排ガス処理薬剤を供給する薬剤供給部と、 前記集塵機にて捕集された集塵灰を、前記煙道とは異なる補助経路に沿って、前記煙道における前記発生源と前記集塵機との間の集塵灰供給位置へとコンベアにより搬送する集塵灰搬送部と、 前記補助経路に設けられ、前記集塵灰を加熱する集塵灰加熱部と、 を備え、 前記コンベアは、ハウジングを備え、 前記ハウジング内の圧力は、前記煙道内の圧力よりも高く、前記排ガスが前記ハウジング内へと流入することが防止され、 前記コンベアが、前記補助経路に沿って設けられるとともに、前記集塵灰を塊となった状態で収容する複数の保持部を前記前記ハウジング内に有し、前記複数の保持部を、前記補助経路に沿って搬送し、 前記集塵灰搬送部が、シュート部を備え、 前記ハウジングが、前記集塵灰供給位置に対向する出口開口を有し、 前記シュート部が、前記ハウジングの前記出口開口に接続されるとともに、前記煙道に開口し、 各保持部内に収容された前記集塵灰が前記シュート部に投下される。」 に訂正する。 (請求項5の記載を引用する請求項6~9も同様に訂正する。) エ 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項7に 「請求項1ないし6のいずれか1つに記載の排ガス処理装置であって、」とあるのを、 「請求項1~3、5、6のいずれか1つに記載の排ガス処理装置であって、」に訂正する。 (請求項7の記載を引用する請求項8、9も同様に訂正する。) オ 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項9に 「請求項1ないし8のいずれか1つに記載の排ガス処理装置と、」とあるのを、 「請求項1~3、5~8のいずれか1つに記載の排ガス処理装置と、」に訂正する。 本件訂正請求は、訂正前の請求項1~9について、請求項2~9はそれぞれ請求項1を引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~9に対応する訂正後の請求項1~9は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項〔1-9〕に対して請求されたものである。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 ア 訂正事項1に係る訂正について 上記訂正事項1は、「コンベア」を「前記補助経路に沿って設けられるとともに、前記集塵灰を塊となった状態で収容する複数の保持部を前記前記ハウジング内に有し、前記複数の保持部を、前記補助経路に沿って搬送する」とする事項を追加して特定するものであるから、かかる訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 次に、当該追加して特定した事項は、訂正前の請求項4及び明細書の発明の詳細な説明の【0028】、【0029】に記載されており、新規事項の追加に該当しない。 さらに、訂正事項1に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないと認められる。 イ 訂正事項2に係る訂正について 上記訂正事項2は、請求項4を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。また、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 ウ 訂正事項3に係る訂正について 上記訂正事項3は、訂正前の請求項5が請求項1~3のいずれかを引用するとした請求項4の記載を引用するものであったところ、訂正前の請求項1及び請求項4の発明特定事項のみ備える発明に限定しつつ、その記載形式を、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとするよう訂正するものである。 よって、当該訂正事項3に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮、及び、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、を目的とするものである。 上記のとおりであるから、訂正事項3に係る訂正は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことが明らかである。 エ 訂正事項4に係る訂正について 上記訂正事項4は、訂正前の請求項7が、他の請求項である請求項1ないし6の記載を引用するものであったところ、上記訂正事項2による請求項4の削除により、引用先の多数の請求項の一部が存在しなくなったことを受けて、当該存在しない引用先を除くとする訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 上記のとおりであるから、訂正事項4に係る訂正は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことが明らかである。 オ 訂正事項5に係る訂正について 上記訂正事項5は、訂正前の請求項9が、他の請求項である請求項1ないし8の記載を引用するものであったところ、上記訂正事項2による請求項4の削除により、引用先の多数の請求項の一部が存在しなくなったことを受けて、当該存在しない引用先を除くとする訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 上記のとおりであるから、訂正事項5に係る訂正は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことが明らかである。 (3)小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項ないし第6項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-9〕について訂正することを認める。 3 訂正後の本件発明 本件訂正請求により訂正された請求項1~9に係る発明(以下「本件発明1」、「本件発明2」、などという。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~9に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 排ガス処理装置であって、 排ガスが流れる煙道に設けられる集塵機と、 前記煙道において前記排ガスの発生源と前記集塵機との間の薬剤供給位置に、排ガス処理薬剤を供給する薬剤供給部と、 前記集塵機にて捕集された集塵灰を、前記煙道とは異なる補助経路に沿って、前記煙道における前記発生源と前記集塵機との間の集塵灰供給位置へとコンベアにより搬送する集塵灰搬送部と、 前記補助経路に設けられ、前記集塵灰を加熱する集塵灰加熱部と、 を備え、 前記コンベアは、ハウジングを備え、 前記ハウジング内の圧力は、前記煙道内の圧力よりも高く、前記排ガスが前記ハウジング内へと流入することが防止され、 前記コンベアが、前記補助経路に沿って設けられるとともに、前記集塵灰を塊となった状態で収容する複数の保持部を前記ハウジング内に有し、前記複数の保持部を、前記補助経路に沿って搬送する。 【請求項2】 請求項1に記載の排ガス処理装置であって、 前記ハウジングが、入口開口および出口開口を有し、 前記入口開口を介して前記コンベア内に前記集塵灰が供給され、前記出口開口が前記集塵灰供給位置に対向し、前記ハウジングが、前記入口開口および前記出口開口を除いて密閉される。 【請求項3】 請求項1または2に記載の排ガス処理装置であって、 前記排ガス処理薬剤がカルシウム系薬剤を含む。 【請求項4】(削除) 【請求項5】 排ガス処理装置であって、 排ガスが流れる煙道に設けられる集塵機と、 前記煙道において前記排ガスの発生源と前記集塵機との間の薬剤供給位置に、排ガス処理薬剤を供給する薬剤供給部と、 前記集塵機にて捕集された集塵灰を、前記煙道とは異なる補助経路に沿って、前記煙道における前記発生源と前記集塵機との間の集塵灰供給位置へとコンベアにより搬送する集塵灰搬送部と、 前記補助経路に設けられ、前記集塵灰を加熱する集塵灰加熱部と、 を備え、 前記コンベアは、ハウジングを備え、 前記ハウジング内の圧力は、前記煙道内の圧力よりも高く、前記排ガスが前記ハウジング内へと流入することが防止され、 前記コンベアが、前記補助経路に沿って設けられるとともに、前記集塵灰を塊となった状態で収容する複数の保持部を前記ハウジング内に有し、前記複数の保持部を、前記補助経路に沿って搬送し、 前記集塵灰搬送部が、シュート部を備え、 前記ハウジングが、前記集塵灰供給位置に対向する出口開口を有し、 前記シュート部が、前記ハウジングの前記出口開口に接続されるとともに、前記煙道に開口し、 各保持部内に収容された前記集塵灰が前記シュート部に投下される。 【請求項6】 請求項5に記載の排ガス処理装置であって、 前記集塵灰搬送部が、 前記シュート部内において、投下された前記集塵灰と衝突することにより、前記集塵灰を砕く破砕部と、 前記シュート部内に設けられ、開閉可能なゲートと、 をさらに備え、 前記補助経路に沿って前記集塵灰を搬送している間、前記ゲートは開いた状態であり、前記ハウジング内の圧力は、前記煙道内の圧力よりも高く、前記排ガスが前記ハウジング内へと流入することが防止される。 【請求項7】 請求項1~3、5、6のいずれか1つに記載の排ガス処理装置であって、 前記集塵灰搬送部が、前記補助経路に設けられるとともに、前記集塵灰を貯留する集塵灰貯留部を備え、 前記集塵灰加熱部が、前記集塵灰貯留部において前記集塵灰を加熱し、 前記集塵灰貯留部から、定量供給部により単位時間当たりに設定量の前記集塵灰が取り出されて前記コンベア内に供給される。 【請求項8】 請求項7に記載の排ガス処理装置であって、 前記集塵灰貯留部において前記集塵灰加熱部により加熱される部位近傍を振動させる集塵灰振動部をさらに備える。 【請求項9】 焼却設備であって、 廃棄物を燃焼させる燃焼室と、 前記燃焼室にて発生する排ガスを前記燃焼室から排出する煙道と、 前記煙道に設けられる請求項1~3、5~8のいずれか1つに記載の排ガス処理装置と、 を備える。」 4 取消理由通知に記載した取消理由の概要について 訂正前の請求項1~3、7~9に係る特許に対して、当審が令和4年9月28日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 理由1(進歩性)下記の請求項に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、下記の請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 記 <引用文献等一覧> 引用文献1:特開2014-24052号公報(甲2-1) 引用文献2:厚生省水道環境部監修/ごみ処理施設構造指針解説/焼却施設/粗大ごみ処理施設/高速堆肥化処理施設,社団法人全国都市清掃会議(甲2-4) 引用文献3:「タクマ最新の排ガス処理技術」タクマ技報Vol.23、No.2、P.12-21(甲1-10) 引用文献4:「消石灰吹込み飛灰の循環利用による酸性ガス処理~実証及び納入実績報告~」,都市清掃,Vol.66,No.313,p.276-279(甲1-15) 引用文献5:特開2003-118792号公報(甲2-3) なお、以下、上記「引用文献1」~「引用文献5」をそれぞれ「引1」ないし「引5」という。 <請求項の番号と、対応する書証の関係> 請求項1ないし3、および9に係る発明は、引用発明(引1)、引2の記載事項、引5の記載事項により容易想到。 請求項7及び8の発明は、引用発明、引2の記載事項、引3の記載事項、引4の記載事項、引5の記載事項により容易想到。 なお、西内が特許異議申立書に添付した書証である甲第1号証~甲第18号証を、以下、各々甲1-1、甲1-2、・・・等と呼び、 石井が特許異議申立書に添付した書証である甲第1号証~甲第11号証を、以下、各々甲2-1、甲2-2、・・・等と呼ぶ。 5 甲号証等の記載 (1) 引1(甲2-1)の記載事項、引用発明 本件特許の優先日前に頒布された引1には、次の記載がある(下線は、理解の一助のために当審が付与した。以下同様。)。 a 「【0040】 図1は、本発明による飛灰循環型排ガス処理方法を実施する装置の具体例を示すフローシートである。 【0041】 同図を参照すると、本発明による飛灰循環型排ガス処理方法は、例えばごみ焼却炉、ガス化溶融炉および産廃焼却炉などの廃棄物処理施設から排出される排ガス中に含まれる塩化水素、硫黄酸化物等の酸性ガスを除去して、大気中に放出される排ガスを無害化するための排ガス処理方法であって、排ガスに含まれる酸性ガスの除去用薬剤として重曹等よりなるナトリウム系薬剤を用い、バグフィルタ入口側の排ガス煙道(1)にナトリウム系薬剤を投入し、排ガス中の酸性ガスとナトリウム系薬剤との反応により塩を形成させ、該塩を含む飛灰をバグフィルタ(2)により捕集して除去するいわゆる乾式の排ガス処理方法である。 【0042】 そして、本発明による飛灰循環型排ガス処理方法は、バグフィルタ(2)で捕集された飛灰(排ガス中の煤塵+ナトリウム系薬剤と酸性ガスの反応生成物+未反応ナトリウム系薬剤)をバグフィルタ(2)の底部より取り出し、このバグフィルタ(BF)飛灰の一部を、バグフィルタ入口側の排ガス煙道(1)に戻すことを特徴としている。 ・・・ 【0046】 以下、本発明による飛灰循環型排ガス処理方法について、詳しく説明する。 【0047】 図1において、例えばごみ焼却炉、ガス化溶融炉などの廃棄物処理施設から排出される煤塵、および塩化水素、硫黄酸化物等の酸性ガスを含む排ガスの煙道(1)がバグフィルタ(2)に接続されている。バグフィルタ入口側の排ガス煙道(1)には、ナトリウム系薬剤およびろ過助剤を投入するための薬剤・ろ過助剤導入管(3)が接続されている。該導入管(3)の基端部はナトリウム系薬剤加熱バーナー(4)に接続され、また導入管(3)の中間部には、ろ過助剤供給装置(5)およびこれの下流側の薬剤供給装置(6)が設けられ、さらに薬剤供給装置(6)の下流側に薬剤・ろ過助剤供給ファン(7)が介在させられている。 【0048】 本発明による排ガス処理方法では、排ガスに含まれる酸性ガスの除去用薬剤として、例えば、重曹(NaHCO3)、または予め重曹を熱分解して生成させた多孔質の炭酸ナトリウム(Na2CO3)、さらにはセスキ炭酸ソーダ等のナトリウム系薬剤を用いる。」 b 「【0055】 ついで、バグフィルタ(以下、BFともいう)飛灰を、バグフィルタ(2)の底部より排出コンベア(11)によって取り出し、さらに振り分けコンベア(12)によってバグフィルタ飛灰を振り分けて、その一部を流送管(13)からバグフィルタ飛灰貯槽(14)に導入し、残部は、バグフィルタ飛灰排出管(15)から系外に排出する。 【0056】 バグフィルタ(2)上部の排気口には脱塩・脱硫処理済み排ガス排出ダクト(8)が接続され、該脱塩・脱硫処理済み排ガス排出ダクト(8)の中間部とバグフィルタ(2)の排ガス導入側の排ガス煙道(1)との間に、脱塩・脱硫処理済み排ガス循環ダクト(9)が設けられ、循環ダクト(9)の途上には飛灰循環ファン(10)が介在させられている。 【0057】 そして、バグフィルタ飛灰貯槽(14)の底部には循環飛灰供給コンベア(16)が具備されており、この循環飛灰供給コンベア(16)の作動によって飛灰貯槽(14)から所要量のバグフィルタ飛灰を、脱塩・脱硫処理済み排ガス循環ダクト(9)の飛灰循環ファン(10)より下流側において循環ダクト(9)内に供給する。これにより、バグフィルタ(2)排気口から排出される脱塩・脱硫処理済み排ガスの一部をキャリアガスとして、バグフィルタ(BF)飛灰がバグフィルタ(2)入口側の排ガス煙道(1)に戻される。」 c 「【図1】 [図:0001402735000001.jpg] 」 d 「【符号の説明】 【0112】 1:排ガス煙道 2:バグフィルタ 3:薬剤・ろ過助剤導入管 4:ナトリウム系薬剤加熱バーナー 5:ろ過助剤供給装置 6:薬剤供給装置 7:薬剤・ろ過助剤供給ファン 8:脱塩・脱硫処理済み排ガス排出ダクト 9:脱塩・脱硫処理済み排ガス循環ダクト 10:飛灰循環ファン 11:飛灰排出コンベア 12:振り分けコンベア 13:バグフィルタ飛灰流送管 14:バグフィルタ飛灰貯槽 15:バグフィルタ飛灰排出管 16:循環飛灰供給コンベア」 上記の各記載から、引1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。 e 図1の図示及びaの記載から、飛灰循環型排ガス処理方法を実施する装置は、飛灰循環型排ガス処理装置ということができ、該飛灰循環型排ガス処理装置は、例えばごみ焼却炉、ガス化溶融炉などの廃棄物処理施設とバグフィルタとを接続し、廃棄物処理施設から排出される排ガスが通る排ガス煙道(1)に接続されたバグフィルタ(2)であって、排ガス中にナトリウム塩を含んだ飛灰を捕集するバグフィルタ(2)と、前記排ガス煙道(1)に接続され、ナトリウム系薬剤およびろ過助剤を投入するための薬剤・ろ過助剤導入管(3)と、前記バグフィルタ(2)にて捕集された飛灰を、前記排ガス煙道(1)に戻す搬送路として、搬出コンベア(11)、振り分けコンベア(12)、バグフィルタ飛灰貯槽(14)、循環飛灰供給コンベア(16)、循環ダクト(9)の順路である搬送路とを備える点。 f 図1の図示およびbの記載から、循環飛灰供給コンベア(16)は、バグフィルタ飛灰貯槽(14)の底部に具備され、飛灰貯槽(14)から所要量のバグフィルタ飛灰を、脱塩・脱硫処理済み排ガス循環ダクト(9)の途中に設けた飛灰循環ファン(10)より下流側において循環ダクト(9)内に供給する点。 また、循環ダクト(9)は、バグフィルタ(2)排気口から排出される脱塩・脱硫処理済み排ガスの一部をキャリアガスとして、循環飛灰供給コンベア(16)から供給されたバグフィルタ(BF)飛灰をバグフィルタ(2)入口側の排ガス煙道(1)に戻すように排ガス煙道(1)に接続されている点。 上記a~fから、引1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 (引用発明) 「ごみ焼却炉、ガス化溶融炉などの廃棄物処理施設とバグフィルタとを接続し、廃棄物処理施設から排出される排ガスが通る排ガス煙道(1)に接続されたバグフィルタ(2)であって、排ガス中にナトリウム塩を含んだ飛灰を捕集するバグフィルタ(2)と、 前記排ガス煙道(1)に接続され、ナトリウム系薬剤およびろ過助剤を投入するための薬剤・ろ過助剤導入管(3)と、 前記バグフィルタ(2)にて捕集された飛灰を、搬出コンベア(11)、振り分けコンベア(12)、バグフィルタ飛灰貯槽(14)、循環飛灰供給コンベア(16)、循環ダクト(9)の順路で前記排ガス煙道(1)に戻す搬送路と を備え、 前記循環飛灰供給コンベア(16)は、バグフィルタ飛灰貯槽(14)の底部に具備され、飛灰貯槽(14)から所要量のバグフィルタ飛灰を、脱塩・脱硫処理済み排ガス循環ダクト(9)の途中に設けた飛灰循環ファン(10)より下流側において循環ダクト(9)内に供給し、 前記循環ダクト(9)は、バグフィルタ(2)排気口から排出される脱塩・脱硫処理済み排ガスの一部をキャリアガスとし、飛灰循環ファン(10)の送風ガスにより、循環飛灰供給コンベア(16)から供給されたバグフィルタ(BF)飛灰をバグフィルタ(2)入口側の排ガス煙道(1)に戻すように排ガス煙道(1)に接続されている 飛灰循環型排ガス処理装置。」 (2) 引2の記載事項 本件特許の優先日前に頒布された引2(甲2-2)には、次のような記載がある。 「3.8 灰出し設備 (1) 灰およびダストシュート 灰およびダストシュートは,焼却灰等が架橋することのないよう,円滑に落下できる構造でなければならない。 (2) ダスト搬出装置 ダスト搬出装置は,煙道その他に空気等が漏入しない構造とし,円滑にダストが移送されるものでなければならない。 ・・・ (2) ダスト搬出装置 ダスト搬出装置とは,落下灰及び各部で捕集されたダストを搬出するための装置を指す。 ここでいうダストとは,ストーカ下,ガス冷却方式がボイラ式の場合のボイラ下部,水噴射式の場合の冷却室下部及び集じん設備で捕集されるダスト等を指す。 ・・・ ○4 集じん設備のダスト 集じん設備で捕集されたダストは,コンベヤ,シュートで灰冷却装置に排出され焼却灰と一緒に処理される場合や,単独に取り出されて飛灰加湿装置あるいは灰固化装置等で処理される場合がある。このダストは非常に水分を吸収し易い性質があり,排出装置の温度が下がると,内部で発生したドレンによりダストが固着することがあるので搬出装置に保温を施すことが望ましい。また,搬出装置は短い方が望ましいが,長距離輸送がやむを得ない場合には,蒸気又は電気ヒータ等によりコンベヤ自体を加温することもある。特に消石灰や炭酸カルシウム吹込のHCl除去を設置している場合は,ダストは潮解性のある塩化カルシウムを多く含むので一層の配慮が必要である。 ○5 コンベヤ ダストの搬出に利用されるコンベヤは,スクリューコンベヤ,スクレーパコンベヤ,チェンコンベヤ,空気コンベヤ,水コンベヤ等がある。 ・・・また吸湿性のあるダストを搬送する場合には,コンベヤケーシングから空気の漏れ込みのないようシールには十分注意しなければならない。 ・・・ ○6 ダスト出口部のシール ダスト出口(ボイラ下部等)とダスト搬送用のコンベヤとの接続部は,内部が誘引通風機で吸引されており負圧となっているので,外部空気が漏れ込まないようにしなければならない。」 上記の記載から、引2には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。 a 集じん設備で捕集されるダストを搬出するダスト搬出装置は、ダストが非常に水分を吸着しやすく、また、消石灰や炭酸カルシウム吹込によるHCl除去が設置された場合のダストは潮解性を有する塩化カルシウムを多く含むので、電気ヒータ等によりコンベヤ自体を加温することがある点。 b ダスト搬出装置はコンベヤを選ぶことができ、コンベヤケーシングは空気等が漏入しない構造としなければならない点。 c コンベヤが接続されるダスト出口の内部は負圧となっているので、シールなどで外部空気が漏れ込まないようにしなければならない点。 (3) 引3の記載事項 本件特許の優先日前に頒布された引3(甲1-10)には、次のような記載がある。 [図:0001402735000002.jpg] [図:0001402735000003.jpg] 上記の記載から、引3には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。 a 上記の記載及び図1の図示から、バグフィルターで捕集された飛灰を煙道に搬送する経路の途中に、搬送中の飛灰を一時貯留する循環ホッパーが設けられていること。 b 循環ホッパーで貯留された飛灰は、その後搬送路末端に設けた供給ロータリーバルブで必要量が煙道に投入されること。 (4) 引4の記載事項 本件特許の優先日前に頒布された引4(甲1-15)には、次のような記載がある。 [図:0001402735000004.jpg] [図:0001402735000005.jpg] 上記の記載から、引4には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。 a 飛灰循環システムの一部に飛灰を一時貯留する飛灰ホッパと、飛灰ホッパからの出口に飛灰供給ロータリバルブが置かれたシステムでは、飛灰供給ロータリバルブの役割として、循環飛灰を所定の飛灰循環率となるようバルブの回転数が調整されて飛灰が切り出されるようなされていること。 (5) 引5の記載事項 本件特許の優先日前に頒布された引5(甲2-3)には、次のような記載がある。 「【0010】 【発明の実施の形態及び実施例】図1は、本発明に用いられる都市ごみ焼却飛灰の貯留装置の一例を示すもので、図中1は、下側が中空錐台状に形成され、上端面が閉塞された筒状の貯留槽である。その天板1aには、飛灰導入口2が設けられており、都市ごみ焼却過程より発生し、潮解性を有する成分、例えば塩化カルシウム等が含有される飛灰(以下、潮解性飛灰という)が機械式、エア圧送等により搬送機Aで搬送されて、上記導入口2から貯留槽1内に導入される。なお、図中3は飛灰である。上記貯留槽1の下部(錐台部1b)には、ヒーター4が周方向に沿って飛灰3を均一に加熱するように配設されている。また、貯留槽1の下部には、バイブレーター5が配設され、このバイブレーター5の作動により飛灰3が振動し、排出部11内に落下、排出される。この排出部11は、有底筒状に形成され、上記貯留槽1の下端部にこの貯留槽1底部の飛灰排出口6を開閉するゲート7を介して連結されており、その底面には攪拌機12が取り付けられていると共に、該底面には、飛灰導出口13が形成され、排出部11内に排出された飛灰3がこの導出口13から飛灰を安定化装置(図示せず)に供給するための供給機B(テーブルフィーダー、ロータリーバルブ、スクリューコンベア等)に供給されるようになっている。」 【図1】 [図:0001402735000006.jpg] 「【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に用いられる飛灰貯留装置の一実施例を示す概略断面図である。 【符号の説明】 1 貯留槽 2 導入口 3 飛灰 4 ヒーター 5 バイブレーター 6 排出口 7 ゲート 11 排出部 12 攪拌機 13 導出口 21 乾燥空気供給装置 22 エアレーション機構 31 集塵機 32 濾布」 「【0013】本発明においては、上記貯留槽への飛灰の導入時及び貯留時に乾燥空気を非加熱状態で上述の乾燥空気供給源から連続的に導入する。この方法によれば、貯留槽内に乾燥空気を導入すること、特にこれにより貯留装置内の圧力を大気圧以上に保つことで貯留装置内への空気の流入を避けること、更に飛灰に付着する水分を排出し乾燥状態をより高めることが可能であり、これにより空気の流入による吸湿により貯留槽1内の潮解性飛灰3がブリッジ(棚吊り)現象を起こすことなく、所定期間貯留槽1内に乾燥状態で安定に保持され、これにより供給機Bにスムーズに飛灰3を排出、供給することができる。 【0014】なお、上記エアレーション機構22からは、乾燥空気を貯留槽内が0~0.05MPaG(ゲージ圧)となるように供給されるようにすることが好ましい。また、エアレーション機構22から乾燥空気を貯留槽内に供給すれば、搬送機A内で大量の排気があるケースでも外部から流入した空気中の湿分は、乾燥空気に取り込まれた形で集塵機31から通過していくため、貯留槽内は乾燥状態を維持することができる。」 上記の記載から、引5には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。 a 飛灰の貯留装置の構成として、貯留槽1の下部に飛灰3を加熱するヒーター4と、飛灰3を振動させるバイブレーター5が配設されるとともに、飛灰導出口13にはロータリーバルブを一例に含む供給機Bが備えられ、かつ、貯留槽内の圧力を大気圧以上に保つようにしていること。 (6) 甲1-2の記載事項 本件特許の優先日前に頒布された甲1-2(社団法人 全国都市清掃会議 編,「ごみ処理施設整備の計画・設計要領 2006改訂版」,第二版,社団法人 全国都市清掃会議,平成18年6月20日,p.297-301)には、飛灰を搬送する手段に関して、次のような記載がある。 「2) 飛灰搬出装置 ・・・ (5) コンベヤ 灰出しに利用されるコンベヤには、スクリューコンベヤ・ケースコンベヤ・スクレーパコンベヤ・チェーンコンベヤ・空気輸送装置等がある。 スクリューコンベヤは、断面の下部が円形の筒の中にスクリュー羽根を回転させ搬送するものであるが、構造上あまり長くするのは好ましくなく、比較的短距離の搬送に用いられる。 ケースコンベヤは、基本的にはスクレーパコンベヤと同じであるが、その構造が密閉型となっている。スクレーパコンベヤよりも速度が一般的に速いので摩耗に留意する必要がある。 スクレーパコンベヤは、チェーンにスクレーパ(かき板)をつけてダストを搬送するもので、構造が簡単ではあるが、ローラに飛灰が噛み込み、ローラの回転によって摩耗が生ずるので必要な対策を講じなければならない。また吸湿性のある飛灰を搬送する場合には、コンベヤケーシングから空気の漏れ込みのないようシールには十分注意しなければならない。 また、スクレーパコンベヤは湿式灰冷却装置のように開放型構造のものもある。」(298ページ7行~299ページ5行) (7) 甲1-9の記載事項 本件特許の優先日前に頒布された甲1-9(特開2003-35410号公報)には、飛灰を搬送する手段に関して、次のような記載がある。 「【0028】以下、上記構成について更に詳細に説明する。即ち、灰クレーン2から受入ホッパ3に供給された処理灰は、フライトフィーダ16及びバケットコンベヤ17の搬送手段を介して乾燥機13に供給されるようになっている。 【0029】フライトフィーダ16は、図2及び図3に示すように、受入ホッパ3下部に設けられたベルトコンベヤのベルト搬送面から所定の高さに突出する板状のフライト16aを複数備えたもので構成されており、受入ホッパ3内に供給された処理灰を一定量ずつ搬送されるようになっており、塊状の処理灰に対しては出来るだけそのままバケットコンベヤ17に搬送するようになっている。即ち、フライトフィーダ16は、水分で固まった状態の処理灰を積極的に崩壊させるような破砕手段や解砕手段、さらに塊状の処理灰を強制的に除去するスクリーン、篩等の手段を備えておらず、受入ホッパ3からフライトフィーダ16への移動時の衝撃や、搬送中の摩擦や振動等で崩れた場合にはその崩れた状態のそのままの処理灰をバケットコンベヤ17に搬送するようになっている。 【0030】バケットコンベヤ17は、そのコンベヤ搬送部に凹状のバケット17aを複数備えたもので構成されており、処理灰を所定の高さ位置まで搬送した後、乾燥機13に供給するようになっている。このバケットコンベヤ17は、処理灰を乾燥機13に投入するための高さを得るために設けられたものであり、バケット17aによって、水分を含めた全処理灰を所定の高さ位置まで搬送することができるようになている。しかも、このバケットコンベヤ17は、水分を含んで塊状状態の処理灰を積極的に崩壊させるような破砕手段や解砕手段、さらに塊状の処理灰を強制的に除去するスクリーン、篩等の手段を備えておらず、フライトフィーダ16からバケットコンベヤ17への移動時の衝撃や、搬送中の振動等で崩れた場合にはその崩れた状態のそのままの処理灰を乾燥機13に搬送するようになっている。」 「【0048】以下、テルミット式灰溶融炉の前処理方法を、さらに上記前処理装置を用いて詳しく説明する。まず、灰ピット1に蓄えられた処理灰を受入ホッパ3に供給する。そうすると、フライトフィーダ16が受入ホッパ3内に蓄えられた処理灰を下側から順に、バケットコンベヤ17に切り出す。バケットコンベヤ17は、フライトフィーダ16から供給された処理灰を各バケット17aによって所定の高さ位置まで搬送してから乾燥機13に投入する。フライトフィーダ16やバケットコンベヤ17は、水分を含んで湿り一部塊状状態の処理灰をできるだけそのままの状態で乾燥機13に投入する。したがって、焼却灰に含まれる水分、粗大物、異物もそそまま乾燥機に投入することになる。」 「【図1】 [図:0001402735000007.jpg] 」 「【図2】 [図:0001402735000008.jpg] 」 「【図3】 [図:0001402735000009.jpg] 」 (8) 甲1-12の記載事項 本件特許の優先日前に頒布された甲1-12(特開平5-23539号公報)には、飛灰を搬送する手段に関して、次のような記載がある。 「【0017】回収した飛灰等を、バグフィルター16の底部から、スクリューコンベヤ17、パイプ18、搬送コンベヤ19およびバケットエレベータ20を介して搬送し、シュート21から燃焼炉11へ投入する。そして、燃焼炉11内部の燃焼熱(約800℃)により、飛灰、反応生成物および未反応の消石灰に付着した有機塩素化合物を加熱分解する。有機塩素化合物が分解された飛灰等は、燃焼炉11およびボイラ12の底部に設けられた回収口26、27から排出する。」 「【図1】 [図:0001402735000010.jpg] 」 (9) 甲2-4の記載事項 本件特許の優先日前に頒布された甲2-4(社団法人 全国都市清掃会議 編,「ごみ処理施設構造指針解説」,第7刷,社団法人 全国都市清掃会議,平成8年6月1日,p.262-264)には、ダストを搬送する手段に関して、次のような記載がある。 「○5 コンベヤ ダストの搬出に利用されるコンベヤは、スクリューコンベヤ、スクレーパコンベヤ、チェンコンベヤ、空気コンベヤ、水コンベヤ等がある。 スクリューコンベヤは、断面の下部が円形の筒の中にスクリュー羽根を回転させ搬送するものであるが、構造上あまり長くするのは好ましくなく、5m以内の比較的短距離の搬送に用いられる。 ケースコンベヤは、基本的にはスクレーパコンベヤと同じであるが、その構造が密閉型となっている。スクレーパコンベヤよりも速度が一般的に速いので摩耗に留意する必要がある。 スクレーパコンベヤは、チェーンにスクレーパ(かき板)をつけてダストを搬送するもので、構造が簡単ではあるが、ローラにダストが噛み込み、ローラの回転によって摩耗が生ずるので必要な対策を講じなければならない。また吸湿性のあるダストを搬送する場合には、コンベヤケーシングから空気の漏れ込みのないようシールには十分注意しなければならない。」(264ページ6~14行) (10) 甲1-1の記載事項 西内が主たる発明が記載されているとして提出した甲1-1(米国特許出願公開第2014/0338531号明細書)には、次の記載がある。なお、原文は省略し、西内が添付した抄訳文を以下に示す。 「[0002] 本開示は、排煙脱硫システムに用いることができる固体搬送システムに関し、特に乾式スクラバ構造(例えば、循環乾式スクラバ(CDS)又は新規の統合脱硫スクラバ(NIDS))を用いるものに関する。乾燥粉末又は乾燥粒子は、流動面を用いて搬送され、そのような表面に、流動化ガスとして高温のリサイクル煙道ガスが用いられる。これにより加熱部品を小型化し数を減らすことが可能になり、設備費用及び運転費用を削減できる。 [0003] 燃焼の間、燃料の化学エネルギーは熱に変換され、これを異なる用途に様々な形態で用いることができる。燃焼工程に用いられる燃料は、石炭、油(ディーゼル燃料、2号油、バンカーC油、又は6号油)、天然ガス、木材、タイヤ、バイオマス等の、様々な固体、液体、気体物質を含にうる。」 「[0007] 煙道ガス脱硫化用の乾式スクラバを用いた、SOx排出を低減する様々なシステム及び方法が開示される。煙道ガスから固体粒子を捕獲し、次いで、固体粒子が上を移動する1つ以上の流動化表面を備える固体輸送システムを用いて、固体粒子を乾式スクラバへリサイクルする。周囲空気ではなく、高温の煙道ガスを流動ガスとして用いる。これにより、通常、流動ガスを加熱するのに必要な加熱器に関連して生じる設備費用及び運転費用を削減することができる。」 「[0018] 図1は、乾式脱硫システムを備えるボイラの構成要素及び流路を例示する構成図である。 [0019] 図2は、脱硫システムのCDS吸収剤容器及び粒子捕集装置を、固体搬送システムと共に例示する側面図である。 [0020] 図3は、図2のシステムの平面図(上面図)である。 [0021] 図4は、図2のシステムの斜視図である。 [0022] 図5は、本開示の例示的実施形態の一つにおける脱硫システムの様々な流路を例示する構成図である。主煙道ガス通路は、CDS吸収剤容器や粒子捕集装置/集塵装置を含む装置部品の間に図示されている。煙道ガスリサイクル経路は、固体粒子を粒子捕集装置からCDS吸収剤容器にリサイクルする固体搬送システムへと延びている。」 「[0033] 「水和石灰」の語は、Ca(OH)2としても知られる水酸化カルシウムを意味する。本明細書で用いる「水和」の語は、分子水が存在するという意味ではない。「石灰スラリー」の語は、水酸化カルシウムと水との混合物を意味する。他のカルシウム吸着剤としては、例えば、石灰岩又は生石灰が挙げられる。「石灰岩」の語は、CaCO3としても知られる炭酸カルシウムを意味する。「生石灰」の語は、酸化カルシウム、CaOを意味する。」 「[0038] 本開示は、脱硫化のために乾式スクラバ(例えば、The Babcock & Wilcox社のCDS、 Alstom社のNIDSなど)を用いる汚染防止システムの運転に関連して費用を削減するための様々な方法及びシステムに関する。汚染防止システムは、煙道ガス内の汚染物質を捕獲するのに用いられる。広く一般的に、乾燥水酸化カルシウム粉末(即ち水和石灰)、生石灰、又は他の試薬を固体再循環流と共に煙道ガスに導入してSOx等の汚染物質を捕獲する。用いる吸収剤容器には、試薬、水、煙道ガスの間で反応を行うための空間が設けられている。得られる煙道ガスは、固体粒子及び清浄気体を含んでおり、下流の粒子捕集装置(例えばバグハウス)を通過して清浄気体から固体粒子を分離する。次いで固体粒子は、固体搬送システムを用いて吸収剤容器にリサイクルされる。 [0039] 固体搬送システムは、典型的には、粒子捕集装置に関連させて、流動化スライドコンベヤ、流動化パッドを用いる容器、及び流動化ホッパーを備えている。これらの構成部品は一般に、布、石、又はメッシュ表面を備えており、その表面を通して流動ガス(例えば空気)が通過して、固体粉末を流動させる。流動化スライドコンベヤの場合、流動化によって重力の方向に沿って粉末がコンベヤを流れる。流動化パッド容器の場合、容器を出た材料の重力による流れを流動化が補助する。布、石、又はメッシュ表面は粉末を支持し、粉末が流動化システムに入り込むのを防ぐ役割を果たす。 [0040] 流動化ガスの水蒸気成分が粒子上で凝縮すると粘着して流れにくくなるが、凝縮を確実に回避するように、流動ガスを加熱する。空気を加熱すると粉末も加熱され、外部からの水蒸気が粉末上で凝縮することが防がれる。流動ガスは水の露点よりも高い温度に加熱すべきである。 [0041] 本開示のシステムにおいて、吸収剤容器にリサイクルされる固体粒子は、加熱された周囲空気ではなく高温の煙道ガスを用いて流動化される。煙道ガスはすでに高温であるため、流動ガスを加熱するのに必要な電力が削減される。これにより必要な加熱器の数が減り、あるいは加熱器が小型化されて、設備費用及び運転費用が削減される。 [0042] 概して、本明細書に開示する排煙脱硫システム及び方法は、あらゆる燃焼システムと組み合わせて用いることが可能であると考えられる。燃焼はどのような目的で用いるものであってもよく、例えば発電のため、特定の製品を製造するため、又は単に所定の燃料を燃焼するために用いることができる。本方法を適用可能な燃焼システムの例としては、燃焼室として炉を有するボイラを用いる発電システム;セメントキルン;電気アーク炉;ガラス炉;溶鉱炉(銅、金、スズ等);ペレット化ロースター(pelletizer roasters);高炉;コークス炉バッテリ;化学燃焼加熱器;精製炉(refinery ovens);焼却炉(医療廃棄物用、一般廃棄物用等)が挙げられる。本明細書における「燃焼室」の語は、燃焼が行われるシステム内における、特定の構造を意味する。 [0043] 図1は概してボイラ100及び下流脱硫システム110を備える発電システムを例示する。粉砕機111からの石炭等の化石燃料112と、空気114とが炉105内で燃焼され、その結果、煙道ガス120が生成される。ボイラ内で使用する水を予熱するのに用いられる節約装置116を、煙道ガス120が通過して、蒸気が生成され、煙道ガス120が冷却される。節約装置116上流の他の伝熱面は図示していない。次いで煙道ガス120は、選択接触還元(SCR)システム130(その使用は任意である)に入り、煙道ガス120から窒素酸化物(NOx)が除去される。次いで煙道ガス120は、空気予熱器140を通過して、煙道ガス120が更に冷却され、炉105に入る空気114が加熱される。空気予熱器140を通過した後の煙道ガス120の温度は通常、約250~約400°F(121~204℃)である。次いで場合により煙道ガス120は集塵装置150を通過して、フライアッシュ及び他の大径粒子が回収される。次いで煙道ガスは乾式スクラバ160に入る。ここで、水和石灰又は生石灰162と水164が煙道ガスに注入されて、硫黄酸化物(SOx)と反応し、煙道ガス120が、約140~約210°F(60~99℃)に更に冷却される。水和石灰又は消石灰と水とを別々に導入することで、低品質の水を使用することが可能になる。吸収剤容器160において、水が蒸発し、その結果得られる清浄で粒子を含む煙道ガス120が織布フィルタや静電集塵器などの粒子捕集装置(例えばバグハウス)170へ運ばれて、煙道ガス120から粒子が除去される。次いで清浄な煙道ガス120は、スタック180へ送られる。 [0044] バグハウス170からのリサイクル流172は、典型的には固体アルカリ粒子を回収するのに用いられて、バグハウスから乾式スクラバ160へリサイクルされる。この再循環により、未反応の試薬が乾式スクラバ吸収剤容器160を通過して硫黄酸化物と反応する機会が複数回得られ、試薬の高い利用率につながっている。新鮮な水和石灰又は生石灰162を追加して、使用済みの水和石灰と入れ替えることもできる。粒子はまた、バグハウス170から除去されて廃棄される(参照符号174)。 [0045] 図2及び図3は、固体粒子を吸収剤容器へ戻すのに用いられる固体搬送システム200のさらなる詳細を示す。図2は側面図、図3は平面図(即ち上面からの図)である。図4は、同様のシステムの斜視図である。 [0046] まず図2を参照するに、勾配(grade)204に対してそれほど高くない位置にある導管202を通じて、未処理の煙道ガスが左側から汚染防止システムに入る。導管は垂直方向に曲がっていて、ベンチュリ管220(図4参照)を通じて循環乾式スクラバ(CDS)吸収剤容器210の底部入口212内へと上向きに煙道ガスが流れるようになっている。煙道ガスが上方に流れる際、ベンチュリ220の上流又は下流の固形注入点222を通過する。本例示では、図3のように、4つのベンチュリを示す。水注入点224が、吸収剤容器210の基部かつベンチュリ220の下流に配置されている。次いで固体粒子及び清浄気体は、吸収剤容器の上部出口214からバグハウス230内へ流入する。バグハウス230は、勾配204から一定の高さ235に持ち上げられていてもよい。 [0047] 次に、固体粒子がガス流から除去され、固体粒子の一部はバグハウスから吸収剤容器へ再循環される。固体粒子は、流動化ホッパを介してバグハウス230から流動化スライド240上へ出る。バグハウスのサイズと構成に応じて1つ又は2つ以上のスライドを用いることができる。本開示において、スライドの表面は、高温の煙道ガスを用いて流動化されている。 [0048] 次いで固体粒子を、固体投入点と同数の第2のスライドセット上に略均等に分割しなければならない場合がある。この特定の構成に示されるように、分配ボックス250をこの目的のために用いることができる。スライド240は、バグハウス230から分配ボックス250へと伸びている。ここでは2つの分配ボックスが示されている。分配ボックスは、バグハウスからの固体粒子流を2つの異なる流れに分割し、それらの流れは別々の流動化スライド242から固体注入点222へ移動する。図3では、4つの固体注入点がある一方、図4では、6つの固体注入点があり、それぞれが、吸収剤容器210周りに均等に配置したベンチュリ220のそれぞれに対応している。しかし、注入点の数を、ベンチュリの数と同じにする必要はない。ある実施形態において、各スライドは、7°という最低傾斜で流れを実現している。分配ボックス250の高さ255は、約8フィート~約15フィートであってもよい。なお、図3にみられるように、分配ボックスは吸収剤容器の下ではなく吸収剤容器の側方に配置されており、つまり分配ボックスは吸収剤容器の高さに影響を与えない。分配容器の基部はさらに流動化表面を備え、固体粒子の分配を補助している。 [0049] 水和石灰又は生石灰のサイロ260は、各分配ボックス250へ延びる導管262を備えている。図4に見られるように、新鮮な水和石灰が分配ボックス250内に、あるいはCDS吸収剤容器210(図示せず)内に、あるいはCDS吸収剤容器(図示せず)の上流の導管202に注入される。分配ボックスではまた、固体粒子と新鮮な水和石灰とが混合される。概して、新鮮な水和石灰サイロ260は、サイロから注入点へ少なくとも15°の傾斜が達成できるように注入点より高く持ち上げられ、新鮮な水和石灰が重力により供給可能になっている。導管262は、流動化スライドコンベヤとみなすこともできる。 [0050] 図4を再度参照するに、清浄気体はバグハウス230からダクト232を介してバグハウス下流のスタック206へと出て、そこから大気へ排気される。清浄気体再循環煙道270も図示されているが、これはバグハウス230の下流から固体注入点222上流の点へ清浄煙道ガスを再循環させる。 [0051] なお、図2~4は、脱硫システム及び固体搬送システムの1つの例示的実施形態を提示するものであり、様々な変形が本開示の範囲内にあると考えられる。例えば、分配ボックスを用いる必要はない。フィルタ出口から吸収剤容器内へ固体を直接導入するのに、任意の数の固体注入点を用いることができる。注入点は、ベンチュリの上流でもよいし下流でもよい。水和石灰/生石灰は、様々な種類のコンベヤを介して主煙道ガス流路へ導入することができ、その導入場所は、CDS吸収剤容器の上流の任意の場所又はリサイクル固体流の任意の場所でよく、一般に、固体粒子がシステムから除去又はパージされる場所の下流であってもよい。本明細書ではCDS吸収剤容器を、煙道ガス内の汚染物質と固体粒子との間での反応が可能なように大型の円筒状を有するものとして説明したが、反応が可能な十分な構造又はダクト長を有していれば、どのようなものを用いてもよいと考えられる。例えば、角型のダクトを用いることが考えられる。 [0052] 図5は、本開示の幾つかの実施形態の排煙脱硫システム300及びその固体搬送システムを例示する概略図である。このシステムは、循環乾式スクラバ360、粒子捕集装置370を介して排出用スタック380へと延在する主煙道ガス流路320を備える。ファン(例えば誘引ファン)386を、例えば粒子捕集装置370の下流かつスタック380の上流で、主煙道ガス流路に配置することもできる。 [0053] リサイクル煙道ガス流路385も例示されている。主煙道ガス流路320内の煙道ガスの一部が1つ以上の取出点381、382、383、384において取り出され、固体搬送システムに送られて流動ガスとして用いられる。 [0054] 幾つかの異なる取出点が例示されている。これらの点の1つのみを用いてもよいし、これらの任意の組合せを用いてもよいと考えられる。取出点381は、ファン386の下流かつスタック380の上流に位置している。取出点382は、循環乾式スクラバ360の上流に位置している。取出点383は、循環乾式スクラバ360と粒子捕集装置370との間に位置している。取出点384は、粒子捕集装置370とファン386との間に位置している。 [0055] リサイクル煙道ガス流路385は(圧力を増すために)ファン/ブロワ387を通過し、固体搬送システムに供給される流動ガスの最終温度を制御するヒータ388を通過する。ヒータ388とファン/ブロワ387は、任意の順序で配置することができる。ここで図示されるように、粒子捕集装置370に収集された固体粒子がホッパ392内に落ちて、ホッパ392は、固体粒子を分配容器390(ここでもまた、分配容器の使用は任意である)へ送る流動化スライド391へ供給する。分配容器が満杯の場合、固体粒子の滞留(backlog)が生じるが、粒子をサージビン389へ分岐させることができる。次いで粒子は、分配容器390から吸収剤容器360へ送られ、固体粒子のリサイクル経路が完了する。 [0056] 煙道ガスリサイクル経路385は、流動化スライド391、分配容器390、織布フィルタホッパ392、及び/又はサージビン389の流動化表面に流動ガスを提供するのに用いられる。固体粒子を処分することもできる(参照符号374)。」 「Figure 1 [図:0001402735000011.jpg] 」 「Figure 4 [図:0001402735000012.jpg] 」 「Figure 5 [図:0001402735000013.jpg] 」 Figure 5 の図示には、320から390に延びる流路385であって、途中に387及び388が設けられた流路385が記され、当該流路は図中の391にも分岐していることが看取される。上記[0055]-[0056]の記載と合わせると、流動化スライド391に、ファン/ブロア387により圧力を増された煙道ガスが、ヒータ388で加熱され、流動化スライド391の流動化表面に流動ガスが提供されることが理解できる。 なお、甲1-1の[0055]には、「リサイクル煙道ガス流路385は(圧力を増すために)ファン/ブロワ387を通過し」と記載されており、リサイクル煙道ガス流路385は圧力が高いことは理解できるが、リサイクル煙道ガス流路385と分配容器390を介して接続された流動化スライド240、391のハウジング内の圧力が煙道の圧力より高いと認めることはできない。 以上を総合すると、甲1-1には次の発明が記載されている。 (甲1-1発明) 「ボイラ100の炉105内で化石燃料112を燃焼し、生成された煙道ガス120を、大径粒子を集塵する集塵装置150、乾式スクラバ160,主として固体アルカリ粒子を集塵するバグハウス170、230、370の順に通過させるシステムであって、 前記乾式スクラバ160では、水和石灰又は生石灰が注入され、 前記バグハウス170、230、370で、集塵により回収された固体アルカリ粒子は、流動化ホッパを介して、前記乾式スクラバ160の固体注入点222へ流動化スライド240、391にて搬送される、煙道ガスリサイクル経路385が設けられており、 前記流動化スライド240、391は、バグハウス170、230、370から分配ボックス250、390へと伸び、7°という最低傾斜で流れを実現するとともに、集塵後の煙道ガスを加熱し、ファン/ブロアで圧力を増された煙道ガスが、前記流動化スライド240、391の流動化表面に提供される、システム。」 (11) 石井が令和4年12月26日に提出した意見書に添付された参考文献1~3に記載の事項 本件特許の優先日前に頒布された参考文献1~3には、飛灰を搬送する手段に関して、次のような記載がある。 <参考文献1:特開2002-98321号公報> 「【0019】本発明の実施の形態に係るダスト排出装置1は、二次燃焼室Sの内壁面(二次燃焼塔9の周壁9a内面)に付着するダストDを空気Aにより吹き飛ばしてこれを固体の状態で外部へ排出するようにしたものであり、図1に示す如く、二次燃焼室Sの内壁面に付着・堆積するダストDを吹き飛ばす空気ブラスト装置15と、吹き飛ばされたダストDを固体の状態で排出するスクレーパコンベヤ16(フライトコンベヤとも云う)とを備えている。」 「【図1】 [図:0001402735000014.jpg] 」 <参考文献2:特開2004-16874号公報> 「【0045】 前記集塵器Bは静電集塵器、あるいは、バグフィルタで構成される一般的なものである。又、この集塵器Bで捕捉回収された溶融飛灰を搬送する前記飛灰搬送経路2は外気と遮断された筒状空間の内部にフライトコンベアを配置したものを想定しているが、スクリューコンベアやバケットコンベアを用いることも可能である。」 「【図1】 [図:0001402735000015.jpg] 」 <参考文献3:特開2012-241951号公報> 「【0032】 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。 図1は本発明を適用した都市ごみ焼却プラントの一例を示す概略系統図であり、当該都市ごみ焼却プラントは、都市ごみを焼却するストーカ式焼却炉1と、ストーカ式焼却炉1で発生した高温の排ガスから熱を回収するボイラ2と、ボイラ2で発生した蒸気を排ガスにより過熱する過熱器3と、ボイラ2から排出された排ガスの熱を更に回収するエコノマイザー4と、エコノマイザー4を通過した排ガスに減温水を噴霧して排ガスを冷却する減温塔5と、排ガス中の飛灰A4及び酸性ガスを除去するろ過式の集じん器6と、ストーカ式焼却炉1内の排ガスを吸引する誘引通風機7と、クリーンな排ガスを大気中に放出する煙突8と、ボイラ2下から排出されるボイラ灰A1、エコノマイザー4下から排出されるエコノマイザー灰A2及び減温塔5下から排出される減温塔灰A3を搬送してこれらの灰をストーカ式焼却炉1のストーカ1aから排出される焼却灰Aに混合し得ると共に、ボイラ灰A1、エコノマイザー灰A2及び減温塔灰A3を搬送してこれらの灰をろ過式の集じん器6下から排出される飛灰A4に混合し得る灰の分離搬送装置9とから構成されており、ボイラ灰A1中の塩素濃度に応じて灰の分離搬送装置9によりボイラ灰A1等の灰が焼却灰A側又は飛灰A4側に混合されるようにボイラ灰A1等を搬送するようにしたものである。 【0033】 尚、図1に於いて、10は投入ホッパ、11は押込送風機、12は空気予熱器、13は二次送風機である。 また、灰の分離搬送装置9以外の機器(ストーカ式焼却炉1、ボイラ2、過熱器3、エコノマイザー4、減温塔5、ろ過式の集じん器6及び誘引通風機7等)は、従来公知のものと同様構造に構成されているため、ここではその詳細な説明を省略する。 【0034】 前記灰の分離搬送装置9は、ボイラ2下から排出されるボイラ灰A1、エコノマイザー4下から排出されるエコノマイザー灰A2及び減温塔5下から排出される減温塔灰A3を搬送してストーカ式焼却炉1のストーカ1aから排出される焼却灰Aに混合する第1灰搬送装置14と、ボイラ2下から排出されるボイラ灰A1、エコノマイザー4下から排出されるエコノマイザー灰A2及び減温塔5下から排出される減温塔灰A3を搬送してろ過式の集じん器6下から排出される飛灰A4に混合する第2灰搬送装置15と、ボイラ灰A1を第1灰搬送装置14側又は第2灰搬送装置15側へ切り替え搬送するボイラ灰切り替え装置16と、エコノマイザー灰A2を第1灰搬送装置14側又は第2灰搬送装置15側へ切り替え搬送するエコノマイザー灰切り替え装置17と、減温塔灰A3を第1灰搬送装置14側又は第2灰搬送装置15側へ切り替え搬送する減温塔灰切り替え装置18とを備えており、ボイラ灰A1中の塩素濃度が低い通常運転時(ボイラ2のボイラ水管に付着している灰の払い落とし作業しているときや塩素成分を多く含む都市ごみや産業廃棄物等を燃焼させているとき等)には、各切り替え装置16,17,18を切り替え操作し、第1灰搬送装置14によりボイラ灰A1のみ又はボイラ灰A1とエコノマイザー灰A2のみ若しくはボイラ灰A1とエコノマイザー灰A2と減温塔灰A3の全ての灰を焼却灰Aに混合するように搬送し、また、ボイラ灰A1中の塩素濃度が高くなる運転条件のときには、各切り替え装置16,17,18を切り替え操作し、第2灰搬送装置15によりボイラ灰A1のみ又はボイラ灰A1とエコノマイザー灰A2のみ若しくはボイラ灰A1とエコノマイザー灰A2と減温塔灰A3の全ての灰を飛灰A4に混合するように搬送するものである。 【0035】 具体的には、前記第1灰搬送装置14は、ボイラ2の下方に設けたボイラ灰用ホッパ2aに接続され、下端部開口がストーカ1aの下流側近傍の直上に位置するボイラ灰排出シュート14aと、エコノマイザー4の下方に設けたエコノマイザー灰用ホッパ4aに接続されたエコノマイザー灰排出シュート14bと、減温塔5の下部に設けた減温塔灰用ホッパ5aに接続された減温塔灰排出シュート14cと、ボイラ灰排出シュート14a、エコノマイザー灰排出シュート14b及び減温塔灰排出シュート14cにそれぞれ接続され、エコノマイザー灰A2及び減温塔灰A3をボイラ灰排出シュート14a側へ搬送するコンベア14dとから構成されており、ボイラ灰排出シュート14a内を自重落下して来たボイラ灰A1をボイラ灰排出シュート14aの下端開口から排出してストーカ1aから排出される焼却灰Aに混合し、また、エコノマイザー灰排出シュート14b内及び減温塔灰排出シュート14c内をそれぞれ自重落下して来たエコノマイザー灰A2及び減温塔灰A3をコンベア14dによりボイラ灰排出シュート14a内に搬送し、エコノマイザー灰A2及び減温塔灰A3をボイラ灰排出シュート14aの下端開口から排出して焼却灰Aに混合するようにしたものである。 この第1灰搬送装置14は、ボイラ灰A1、エコノマイザー灰A2及び減温塔灰A3をストーカ式焼却炉1のストーカ1aから排出される焼却灰Aに混合するための第1搬送経路を形成するものである。 【0036】 また、前記第2灰搬送装置15は、ボイラ灰排出シュート14aに分岐状に接続されたボイラ灰分岐シュート15aと、エコノマイザー灰排出シュート14bに分岐状に接続されたエコノマイザー灰分岐シュート15aと、減温塔灰排出シュート14cに分岐状に接続された減温塔灰分岐シュート15aと、ボイラ灰分岐シュート15a、エコノマイザー灰分岐シュート15a及び減温塔灰分岐シュート15aにそれぞれ接続され、ボイラ灰A1、エコノマイザー灰A2及び減温塔灰A3をろ過式の集じん器6下から排出される飛灰A4側へ搬送するコンベア15dとから構成されており、ボイラ灰排出シュート14a内、エコノマイザー灰排出シュート14b内及び減温塔灰排出シュート14c内をそれぞれ自重落下して来たボイラ灰A1、エコノマイザー灰A2及び減温塔灰A3を、ボイラ灰分岐シュート15a、エコノマイザー灰分岐シュート15a及び減温塔灰分岐シュート15aを介してコンベア15dへ落下排出し、これらの灰をコンベア15dにより搬送して飛灰A4に混合するようにしたものである。 この第2灰搬送装置15は、ボイラ灰A1、エコノマイザー灰A2及び減温塔灰A3をろ過式の集じん器6下から排出される飛灰A4に混合するための第2搬送経路を形成するものである。 【0037】 尚、第1灰搬送装置14のコンベア14d及び第2灰搬送装置15のコンベア15dには、それぞれスクリューコンベア又はフライトコンベア若しくはスクレーパコンベア等が使用されている。」 「【図1】 [図:0001402735000016.jpg] 」 (12) 甲2-5の記載事項 本件特許の優先日前に頒布された甲2-5(実願昭57-75420号(実開昭58-178327号)のマイクロフィルム)は、「5.証拠方法」欄には、「実開昭58-178327」と表記されているが、提出された証拠には、明細書が付けられていたことから、当審では上記のとおり、実願昭57-75420号(実開昭58-178327号)のマイクロフィルムとして扱った。 甲2-5には、「有害ガス除去装置」と題して、次の事項が記載されている。 「焼却炉の煙道途中に順次電気集塵機と、有害ガス除去用の粉末吸収剤吹込みノズル装置と、更に前記吸収剤捕集除去用のバグフイルターを設け、しかも該バグフイルターの下部ホツパーにはロータリーバルブを介してエジエクタを連結し、且つ該エジエクタには前記焼却炉内、或いはこれと電気集塵機間の煙道内に通ずる連通管を設けると共にその端部に該連通管内への高圧空気送給用の高圧ブロアーを配備して、前記バグフイルターより剥離された粉末吸収剤を適宜再吹込みし得るよう構成したことを特徴とする有害ガス除去装置。」(実用新案登録請求の範囲) 「(5)は前記電気集塵機(2)の後方に連結されたフイルター濾布(6)内蔵のバグフイルターであり、該バグフィルター(5)はその連結煙道(3)適所に設けた有害ガス吸着用の粉末吸収剤、例えばCaOやCa(OH)2等を吹込みし得るノズル装置(4)を備え、該ノズル装置(4)からの前記吸収剤を前記バグフイルター(5)のフイルター濾布(6)表面に漸次堆積させて皮膜を形成させた後打撃により落下させて捕集できるようになつている。 しかして、(8)は、前記フイルター濾布(6)面より剥離された前記粉末吸収剤を下部ホツポー(5’)からロータリーバルブ(7)を介して供給せしめるエジエクタであり、該エジエクタ(8)には、前記焼却炉(1)或いはこれと電気集塵機(2)間の煙道に通ずる連通管(9)を設けると共に該連通管(9)端に高圧空気を送り込むための高圧ブロア(10)を配備させて、エジエクタ(8)内に適宜供給せしめる粉末吸収剤を前記連通管(9)を介して焼却炉(1)内或いはこれと電気集塵機(2)間煙道内に再吹込みし得るようにしている。」(明細書4ページ下から7行~5ページ12行) 「 [図:0001402735000017.jpg] 」 6 当審の判断 (1) 本件発明1について 本件発明1と引用発明とを対比する。 引用発明の「ごみ焼却炉、ガス化溶融炉などの廃棄物処理施設とバグフィルタとを接続し、廃棄物処理施設から排出される排ガスが通る排ガス煙道(1)に接続されたバグフィルタ(2)であって、排ガス中にナトリウム塩を含んだ飛灰を捕集するバグフィルタ(2)」は、本件発明1の「排ガスが流れる煙道に設けられる集塵機」に相当する。 引用発明の「前記排ガス煙道(1)に接続され、ナトリウム系薬剤およびろ過助剤を投入するための薬剤・ろ過助剤導入管(3)」は、「前記排ガス煙道(1)」が「例えばごみ焼却炉、ガス化溶融炉などの廃棄物処理施設とバグフィルタとを接続し、廃棄物処理施設から排出される排ガスが通る排ガス煙道(1)」であることから見て、ナトリウム系薬剤およびろ過助剤の投入位置は、排ガスの発生源である廃棄物処理施設とバグフィルタ(2)との間になることが明らかであるため、本件発明1の「前記煙道において前記排ガスの発生源と前記集塵機との間の薬剤供給位置に、排ガス処理薬剤を供給する薬剤供給部」に相当する。 引用発明の「前記バグフィルタ(2)にて捕集された飛灰を、搬出コンベア(11)、振り分けコンベア(12)、バグフィルタ飛灰貯槽(14)、循環飛灰供給コンベア(16)、循環ダクト(9)の順路で前記排ガス煙道(1)に戻す搬送路」と、本件発明1の「前記集塵機にて捕集された集塵灰を、前記煙道とは異なる補助経路に沿って、前記煙道における前記発生源と前記集塵機との間の集塵灰供給位置へとコンベアにより搬送する集塵灰搬送部」とは、「前記集塵機にて捕集された集塵灰を、前記煙道とは異なる補助経路に沿って、前記煙道における前記発生源と前記集塵機との間の集塵灰供給位置へ」「搬送する集塵灰搬送部」の限りにおいて一致する。 さらに、引用発明の「飛灰循環型排ガス処理装置」は、本件発明1の「排ガス処理装置」に相当する。 以上により本件発明1と引用発明とは、以下の一致点で一致し、かつ、相違点で相違する。 [一致点] 排ガス処理装置であって、 排ガスが流れる煙道に設けられる集塵機と、 前記煙道において前記排ガスの発生源と前記集塵機との間の薬剤供給位置に、排ガス処理薬剤を供給する薬剤供給部と、 前記集塵機にて捕集された集塵灰を、前記煙道とは異なる補助経路に沿って、前記煙道における前記発生源と前記集塵機との間の集塵灰供給位置へ搬送する集塵灰搬送部と、 を備える。 [相違点1] 本件発明1は、「前記補助経路に設けられ、前記集塵灰を加熱する集塵灰加熱部」を「備え」るのに対し、引用発明は、かかる集塵灰を加熱する手段を有しない点。 [相違点2] 「集塵灰搬送部」に関して、本件発明1は、「前記煙道とは異なる補助経路に沿って、前記煙道における前記発生源と前記集塵機との間の集塵灰供給位置へとコンベアにより搬送する」ことに加えて、「前記コンベアは、ハウジングを備え、前記ハウジング内の圧力は、前記煙道内の圧力よりも高く、前記排ガスが前記ハウジング内へと流入することが防止され」るのに対し、引用発明は、「搬出コンベア(11)、振り分けコンベア(12)、バグフィルタ飛灰貯槽(14)、循環飛灰供給コンベア(16)、循環ダクト(9)の順路で前記排ガス煙道(1)に戻す搬送路」で構成される結果、「前記コンベアは、ハウジングを備え、前記ハウジング内の圧力は、前記煙道内の圧力よりも高く、前記排ガスが前記ハウジング内へと流入することが防止される」事項を有していない点。 [相違点3] 本件発明1は、「前記コンベアが、前記補助経路に沿って設けられるとともに、前記集塵灰を塊となった状態で収容する複数の保持部を前記ハウジング内に有し、前記複数の保持部を、前記補助経路に沿って搬送する」のに対して、引用発明は、そのような構成を備えない点。 そこで、上記相違点について検討する。 事案に鑑み、相違点2から検討する。 [相違点2について] 本件発明1が当該相違点2に係る構成を備えるとしている点について、 特許明細書の記載を参酌すると、本件発明の目的は、【0005】に記載されているように、集塵灰を煙道へと戻す経路における集塵灰の固着を抑制することを目的とし、かかる目的を達成する上で採用したコンベアに関して、【0026】~【0036】に説明がなされ、比較例(【0034】)の排ガス処理装置では外部の空気または処理済み排ガスであるキャリアガスが使用されていることによって、集塵灰が冷却され、潮解により集塵灰の固着が発生し、集塵灰を煙道へ戻すことができなくなるという問題があったのを、相違点2に係る構成の採用により、潮解の原因である低温のキャリアガスを使用しない搬送としつつ、搬送路である補助経路にフライトコンベアを用いることで、搬送途上における集塵灰の温度低下の抑制を図れるとし、加えて【0030】に、「補助経路441に沿って集塵灰を搬送している間、原則として、ゲート446は開いた状態である。ハウジング461内の圧力は、煙道3内の圧力よりも高く、排ガスがハウジング461内へと流入することが防止される。」とされたことが理解できる。 一方で、引用発明の飛灰の搬送路は、搬出コンベア(11)、振り分けコンベア(12)、バグフィルタ飛灰貯槽(14)、循環飛灰供給コンベア(16)、循環ダクト(9)の順路で前記排ガス煙道(1)に戻す搬送路とし、「飛灰循環ファン(10)の送風ガスにより、循環飛灰供給コンベア(16)から供給されたバグフィルタ(BF)飛灰をバグフィルタ(2)入口側の排ガス煙道(1)に戻す」とされ、本件発明1と実質的に相違するのは明らかである。 また、取消理由で通知した引2(甲2-4)には、「コンベア」及び「コンベアケーシング」について記載があり、引5(甲2-3)には、貯留槽内の圧力を大気圧以上に保つ点が記載されている。しかしながら、コンベアケーシング内の圧力が排ガス煙道内より高い状態である点は、引2、引5のいずれにも記載されていない。 そして、相違点2に係る「コンベア」は、「塊となった状態」の「集塵灰」を「収容する複数の保持部を有する」ものとされ、具体例ではフライトコンベアを使用することを含むものである。上記4(2)コの参考文献1に、スクレーパコンベアもフライトコンベアと同等とされていることを加味して見ても、取消理由で引用した引2(甲2-4)、引3(甲1-10)、引4(甲1-15)、引5(甲2-3)に記載された飛灰等の搬送手段の中には、相違点2に係るコンベアと同種のフライトコンベア/スクレーパコンベアはない。 加えて、他の甲号証及び参考文献として提出された文献において、飛灰などの搬送手段として、フライトコンベア/スクレーパコンベアが用いられることが周知であることは確認できるが、フライトコンベア/スクレーパコンベアを気密とし、かつ、「ハウジング内の圧力」が「煙道内の圧力よりも高く」されることで「排ガスが前記ハウジング内へと流入することが防止され」るようにすることは、いずれにも開示されていないところからみて、公知のフライトコンベア、またはスクレーパコンベアが通常有する事項ではなく、技術常識でもない。 そうすると、引用発明に対し、相違点2に係る構成を備えることは、当業者といえども容易に想到し得たことではない。 以上のとおりであるから、他の相違点1、3を検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明及び引2、引5に記載の技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、引用発明ないし他の全証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 (2) 本件発明2-3、5-9について 本件発明2-3及び5-9は、いずれも訂正後の請求項1に係る発明が備える発明特定事項を全て備え、かつ、その一部をさらに特定したものか、または、訂正後の請求項1に係る発明が備える発明特定事項を全て備え、かつ、新たに他の発明特定事項である「シュート部」を備えるもの、もしくは、請求項1の排ガス処理装置と、「燃焼室」と「煙道」とを備えた「焼却設備」を発明とするもの、のいずれかである。 そうすると、上記アで検討した相違点2に係る構成が、当業者により容易想到とは認められない以上、本件発明2-3及び5-9も同様に、引用発明ないし他の全証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3) 特許異議申立人の意見について 特許異議申立人 西内は、令和5年1月6日提出の意見書において、大略次の主張(意見書12~13ページ「(4)むすび」参照)をしている。 (西内主張)本件訂正請求による訂正により追加された「前記集塵機にて捕集された集塵灰を、前記煙道とは異なる補助経路に沿って、前記煙道における前記発生源と前記集塵機との間の集塵灰供給位置へと」「搬送する」「コンベア」が、「前記補助経路に沿って設けられるとともに、前記集塵灰を塊となった状態で収容する複数の保持部を前記ハウジング内に有し、前記複数の保持部を、前記補助経路に沿って搬送する」とした事項は、甲1-10の図1及び2により当業者が当然に想到する、そうでないとしても、甲1-2、甲1-9や、甲1-12からも想到可能である。 また、特許異議申立人 石井は、令和4年12月26日提出の意見書において、大略次の主張(意見書9ページ「(10)むすび」参照)をしている。 (石井主張)訂正の請求により追加された「前記集塵機にて捕集された集塵灰を、前記煙道とは異なる補助経路に沿って、前記煙道における前記発生源と前記集塵機との間の集塵灰供給位置へと」「搬送する」「コンベア」が、「前記補助経路に沿って設けられるとともに、前記集塵灰を塊となった状態で収容する複数の保持部を前記ハウジング内に有し、前記複数の保持部を、前記補助経路に沿って搬送する」とした事項については、甲2-4、並びに令和4年12月26日提出の意見書に添付した参考文献1~3に記載された周知慣用技術に過ぎない。 そこで、上記主張について各々検討する。 (西内主張について) 周知技術とされた甲1-10、甲1-2、甲1-9、甲1-12に開示されたコンベアを見ても、上記(1)[相違点2について]にて採り上げた、「ハウジング内の圧力は、前記煙道内の圧力よりも高く、前記排ガスが前記ハウジング内へと流入することが防止され」るとした事項を充足する集塵灰の搬送手段を開示していない。 本件発明1が当該相違点2に係る構成を有している技術的意味は、「集塵灰を搬送するコンベアが、発生源と集塵機との間の集塵灰供給位置」を「煙道」としている関係から、集塵灰供給時に煙道からの排ガスが、コンベア内へ流入することを防ぐために、コンベアハウジング内の圧力を、煙道内の圧力よりも高くするというものである(本件特許明細書の段落【0030】、【0036】)。これに対し、西内が周知技術として挙げた甲1-10の飛灰循環システムでは、飛灰は最終的に供給ロータリーバルブから煙道に供給されるため、循環コンベヤ、あるいは飛灰排出コンベヤとして備わっているコンベヤ類のハウジング内圧力とは関係しない。甲1-2に開示の飛灰搬出装置は、そもそも煙道内へ飛灰を直接供給するための装置を想定しておらず、煙道内圧力との関係を開示していない。甲1-9が開示するバケットコンベヤ17は、乾燥機13へ投入するために使用され、煙道への供給を想定しておらず、煙道内圧力との関係を開示していない。甲1-12は、飛灰は最終的にシュート21から燃焼炉11に供給されるため、飛灰の投入位置が異なり、かつ、スクリューコンベヤ17として備わっているコンベヤのハウジング内圧力と煙道内圧力とは関係せず、コンベヤからの飛灰供給も伴っていない。 よって、西内の周知技術として示した証拠からは、本件発明を当業者が容易に想到できたものとはいえない。 引き続き、石井の主張について検討する。 (石井主張について) 甲2-4に記載の事項では、262ページ下から3行~2行にあるとおり、「灰出し設備」は、焼却灰及び各部で捕集されたダストをとり集め場外へ搬出するための設備とされているため、必ずしも煙道などの指定位置への搬出を予定するものではない。また、当該スクレーパコンベヤの中には、密閉型で構成されるものも周知であり、水平搬送だけでなく傾斜搬送も可能であることは知られているが、内部の圧力を高くすることは一般的ではない。また、スクレーパコンベヤで搬送される対象物の性状について、塊で搬送するとの明記は、甲2-4には見当たらない。 参考文献1ないし3のスクレーパコンベヤ、フライトコンベヤについて、参考文献1ではケーシング21を有するものの、内部の圧力に対する明記はない。搬送される対象物も、二次燃焼室の内壁面に付着・堆積したダストとされ、集塵灰を対象とするものではない。参考文献2の【0045】のフライトコンベアについては、集塵器Bの飛灰を搬送対象とする点や、外気と遮断された点、すなわち、密閉ではあるものの、内部の圧力の明記や、飛灰が塊であるとの明記もなく、搬送路全体に用いられてもいない。参考文献3の【0037】、【0053】に記載のフライトコンベア若しくはスクレーパコンベアは、搬送経路として煙道に戻すものではなく、単にコンベアとして使用可能なコンベアのタイプ名の列挙にとどまり、集塵灰の性状が塊であるとか、コンベア内部の圧力が高くされていることの明示もない。 そうすると、本件発明1-3、5-9に共通とされる「コンベア」を充足するコンベアは、石井が示すものとはいずれも相違するから、周知慣用技術のコンベアとはいえない。 なお、石井は、上記相違点2の「前記コンベアは、ハウジングを備え、前記ハウジング内の圧力は、前記煙道内の圧力よりも高く、前記排ガスが前記ハウジング内へと流入することが防止される」とされた発明特定事項が周知であることを示す証拠として、甲2-5を挙げているが、上記5(12)で摘記したとおり、甲2-5は飛灰の搬送に高圧空気による搬送を選んでいるため、搬送路内が高圧となるのであり、フライトコンベア等、保持部を有する形式のコンベアを搬送に用いていないため、上記相違点2の要件を満たすコンベアを開示していない。 総合すると、本件発明1-3、5-9が共通に有するとされる「コンベア」を、本件特許出願前に周知慣用とされたコンベアに過ぎないとする特許異議申立人らの主張は、十分な裏付けを有しているとはいえない。 よって、本件発明1-3、5-9は、特許異議申立人の主張によっては、これを当業者が容易に想到し得るものとはいえない。 7 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について (1)特許異議申立人 西内の不採用とされた申立理由 西内は、次の2点を申立理由に挙げている。 ア 訂正前の特許請求の範囲に記載した請求項1、2、3、9の発明は、甲1-1に記載の発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して取り消されるべきである旨 イ 訂正前の特許請求の範囲に記載した請求項1、2、3、9の発明は、甲1-1に記載の発明及び甲1-2~1-5並びに甲1-6~1-8の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、 請求項4の発明は、甲1-1に記載の発明と、甲1-2~1-9の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、 また、 請求項5の発明は、甲1-1発明と、甲1-2記載事項乃至甲1-12記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、 さらに、 請求項6の発明は、甲1-1発明と、甲1-2~甲1-14記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、 請求項7の発明は、甲1-1発明と、甲1-2~甲1-16記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、 請求項8の発明は、甲1-1発明と、甲1-2~甲1-18記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、 いずれも特許法第29条第2項の規定に違反して取り消されるべき旨 を主張する。 (2)特許異議申立人 石井の不採用とされた申立理由 石井は、次の点を申立理由に挙げている。 ウ 訂正前の特許請求の範囲に記載した請求項1、2の発明は、甲2-1~甲2-5に記載の発明に基いて、 請求項3~5の発明は、石井が提出した甲2-1に記載の発明と、甲2-2、甲2-3、甲2-4の記載事項、甲2-5及び甲2-6の記載事項に基いて、 また、請求項6の発明は、甲2-1発明と、甲2-2、甲2-3、甲2-4、甲2-5、甲2-6、甲2-7及び甲2-8記載事項に基いて、 請求項7の発明は、甲2-2、甲2-3、甲2-4、甲2-5、甲2-6、甲2-7、甲2-8及び甲2-9記載事項に基いて、 請求項8、9の発明は、甲2-2、甲2-3、甲2-4、甲2-5、甲2-6、甲2-7、甲2-8、甲2-9、甲2-10及び甲2-11記載事項に基いて、当業者が容易に想到し得るものであり、 いずれも特許法第29条第2項の規定に違反して取り消されるべき旨を主張する。 (3)当審の判断 西内が挙げた、(1)ア及びイについてみる。 本件発明1と、上記5(10)の甲1-1発明とを対比する。 甲1-1発明の「生成された煙道ガス120を、大径粒子を集塵する集塵装置150」、「水和石灰又は生石灰が注入され」る「乾式スクラバ160」、「前記バグハウス170、230、370で、集塵により回収された固体アルカリ粒子」は、各々本件発明1の「排ガスが流れる煙道に設けられる集塵機」、「薬剤供給位置に、排ガス処理薬剤を供給する薬剤供給部」、「集塵機にて捕集された集塵灰」に相当する。また、甲1-1発明の「システム」は、前述の相当関係が成り立ち、全体としてみれば、「排ガス」を「処理」していると言えるため、本件発明1の「排ガス処理装置」に相当する。 甲1-1発明の「前記バグハウス170、230、370で、集塵により回収された固体アルカリ粒子は、流動化ホッパを介して、前記乾式スクラバ160の固体注入点222へ流動化スライド240、391にて搬送される、煙道ガスリサイクル経路385」と、本件発明1の「前記集塵機にて捕集された集塵灰を、前記煙道とは異なる補助経路に沿って、前記煙道における前記発生源と前記集塵機との間の集塵灰供給位置へとコンベアにより搬送する集塵灰搬送部」でありかつ「前記コンベアは、ハウジングを備え、前記ハウジング内の圧力は、前記煙道内の圧力よりも高く、前記排ガスが前記ハウジング内へと流入することが防止される」とされたこととは、「前記集塵機にて捕集された集塵灰を、前記煙道とは異なる補助経路に沿って、前記煙道における前記発生源と前記集塵機との間の集塵灰供給位置へと」「搬送する集塵灰搬送部」の限りにおいて一致する。 以上により、本件発明1と甲1-1発明とは、次の一致点で一致し、相違点で相違する。 [一致点] 排ガス処理装置であって、 排ガスが流れる煙道に設けられる集塵機と、 薬剤供給位置に、排ガス処理薬剤を供給する薬剤供給部と、 前記集塵機にて捕集された集塵灰を、前記煙道とは異なる補助経路に沿って、前記煙道における前記発生源と前記集塵機との間の集塵灰供給位置へと搬送する集塵灰搬送部と、を備える排ガス処理装置。 [相違点4] 本件発明1の「排ガス処理装置」は、「前記補助経路に設けられ、前記集塵灰を加熱する集塵灰加熱部」を備えるのに対し、甲1-1発明の「システム」は、「集塵により回収された固体アルカリ粒子」を、固体アルカリ粒子を搬送する搬送路上で加熱する手段を、システムとして有していない点。 [相違点5] 「集塵灰搬送部」に関して、本件発明1は、前記集塵機にて捕集された集塵灰を、前記煙道とは異なる補助経路に沿って、前記煙道における前記発生源と前記集塵機との間の集塵灰供給位置へとコンベアにより搬送する集塵灰搬送部」でありかつ「前記コンベアは、ハウジングを備え、前記ハウジング内の圧力は、前記煙道内の圧力よりも高く、前記排ガスが前記ハウジング内へと流入することが防止される」とされているのに対し、甲1-1発明の「流動化スライド240、391」は、「加熱」された「集塵後の煙道ガス」が「圧力を増されて」「提供される」ものの、「前記ハウジング内の圧力は、前記煙道内の圧力よりも高く、前記排ガスが前記ハウジング内へと流入することが防止される」に対応する事項を伴っていない点。 [相違点6] 本件発明1では、「前記コンベアが、前記補助経路に沿って設けられるとともに、前記集塵灰を塊となった状態で収容する複数の保持部を前記ハウジング内に有し、前記複数の保持部を、前記補助経路に沿って搬送する」のに対して、甲1-1発明では、そのような構成がない点。 上記相違点4-6について検討する。 西内は、ヒータ388が本件発明1の「集塵灰加熱部」に相当すると主張する(令和5年1月6日提出の意見書、異議申立書15ページ)が、甲1-1の[0055]、Figure 5の記載、図示で確認できるとおり、ヒータ388は集塵灰が搬送される経路であるバグハウス170からの再循環リサイクル流172には設けられず、これとは別の経路として[0053]に例示される、リサイクル煙道ガス流路385上に設けられており、ヒータ388は、本件発明1の「集塵灰加熱部」の特定事項とされる「前記補助経路に設けられ」の要件に一致しない。 西内は、他に異議申立書17ページにて、甲1-2を挙げ、「飛灰が固着しないように飛灰の搬出経路を加温する」ことが技術常識である点をも挙げているが、甲1-2では飛灰の搬出を溶融施設や場外へ搬出するための灰出し設備であるとし(「3.3.8 灰出し設備」参照)、集塵灰を煙道に供給する場合を開示していない。甲1-3、甲1-4、甲1-5にもそれぞれ、相違点4に対応する構成要件Eを開示するとの主張が、異議申立書になされているが、甲1-3で加熱された飛灰である脱塩残渣73は、加熱されるものの、煙道へ戻すとした開示がない。甲1-4、および甲1-5も同様である。 よって、西内の相違点4に係る主張は、採り上げられない。 また、相違点5の「前記ハウジング内の圧力は、前記煙道内の圧力よりも高く、前記排ガスが前記ハウジング内へと流入することが防止される」点は、上記「6(3) 特許異議申立人の意見について」の西内の意見における「(相違点2について)」で示したとおり、西内の申立理由で示したいずれの証拠にも開示がない。 さらに、相違点6について、甲1-1発明の流動化スライドは、流動化によって重力の方向に沿って粉末が流れるものであるところ(甲1-1の[0039]参照)、このような甲1-1発明の流動化スライドに代えて、西内が周知技術と主張する、集塵灰を塊となった状態で収容する複数の保持部を有するコンベアをあえて採用する動機付けは成り立たない。 そして、本件訂正後の請求項2-3、5-9に係る発明は、いずれも訂正後の請求項1に係る発明が備える発明特定事項を全て備え、かつ、その一部をさらに特定したものか、または、訂正後の請求項1に係る発明が備える発明特定事項を全て備え、かつ、新たに他の発明特定事項である「シュート部」を備えるもの、もしくは、請求項1の排ガス処理装置と、「燃焼室」と「煙道」とを備えた「焼却設備」を発明とするもの、のいずれかであるから、同様の理由により、西内が申し立てる理由ア、イによっては、これを取り消すべきとすることはできない。 次に、石井が挙げた、(2)ウについてみる。 本件発明1と甲2-1発明とを対比すると、上記6(1)で検討したとおり、相違点1~相違点3で相違する。 そして、相違点2については、石井が提出した甲2-2~2-5、参考文献1~3に記載の事項には、いずれも対応する開示がない。 加えて、相違点2に挙げた他の相違となる、「コンベア」が「ハウジングを備え」、「ハウジング内の圧力は、前記煙道内の圧力よりも高く」とされた相違があり、この点についても当審では、いずれの証拠を見ても公知の技術的事項とはいえないとした。 石井は、特許異議申立書の第22ページ下から9行~23頁末行にかけて、甲2-5に相当する記載がなされている旨主張しているが、上記5(12)に摘記したとおり、甲2-5にはそもそもコンベアで搬送することは記載されておらず、高圧空気による粉末吸収剤の搬送が記載されているのみであって、当該追加の相違を公知ないし周知慣用とし得る事項の記載はない。また、石井が他に挙げた甲2-2~2-4、甲2-6にも、これを充足する記載事項はなく、当業者にとり容易想到ではない。 そして、本件訂正後の請求項2-3、5-9に係る発明は、いずれも訂正後の請求項1に係る発明が備える発明特定事項を全て備え、かつ、その一部をさらに特定したものか、または、訂正後の請求項1に係る発明が備える発明特定事項を全て備え、かつ、新たに他の発明特定事項である「シュート部」を備えるもの、もしくは、請求項1の排ガス処理装置と、「燃焼室」と「煙道」とを備えた「焼却設備」を発明とするもの、のいずれかであるから、同様の理由により、石井が申し立てる理由ウによっては、これを取り消すべきとすることはできない。 以上総合すると、特許異議申立人 西内及び石井のかかる主張は、いずれも採用することができない。 8 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1~3、5~9に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1~3、5~9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 さらに、請求項4に係る特許は、上記のとおり、訂正により削除された。これにより、特許異議申立人西内及び石井による特許異議の申立てについて、請求項4に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700495

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