商標取消審判
2022-300808
キワミ、キョク、ゴク
- 審判番号
- 2022-300808
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2002-071581
- 登録番号
- 4763800
- 請求日
- 2022年09月01日
- 審決日
- 2023年11月22日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社 シニアライフクリエイト
- 【請求人代理人】佐藤 勝
- 【被請求人】ニコニコのり 株式会社
- 【被請求人代理人】藤田 典彦
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T132 .1 -Y (Y30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4763800号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4763800号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成14年8月23日に登録出願、第30類「ぎょうざ,しゅうまい,すし,おでん,お好み焼き,焼きそば,たこ焼き,べんとう,ラビオリ」(以下「請求に係る商品」という。)を含む第29類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年4月16日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年9月16日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、令和元年9月16日から令和4年9月15日までの期間(以下「要証期間」という。)である。
第2 請求人の主張
1 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、請求に係る商品についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次の2のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
2 本件商標は、その指定商品中、請求に係る商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
3 請求人は、被請求人の答弁に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 被請求人は、本件商標に関し、請求に係る商品中の「すし」につき通常使用権を許諾し、通常使用権者は要証期間内に日本国内において使用している(乙1~乙4)。
その使用態様は本件商標と社会通念上同一といえる範囲のものである。
したがって、本件審判の請求は理由がないものである。
2 証拠の説明
(1)乙第1号証 2021年(令和3年)12月7日付け締結の商標権使用許諾契約書
被請求人がイオンリテール株式会社との間に交わした本件商標の商標権に関する商標権使用許諾(通常使用権の許諾)契約書である。
許諾商標には本件商標の登録番号が記載され、使用商品として「太巻」「太巻ハーフ」「恵方巻セット」と記載されていて、これらの商品(いずれも指定商品「すし」に属するものである。)についてイオンリテール株式会社との間に2021年(令和3年)12月7日付けで発効し、2022年(令和4年)2月28日まで有効な通常使用権許諾契約が成立していることが分かる。
(2)乙第2号証 2021年(令和3年)12月10日に通常使用権者が行ったプレスリリースの記事
通常使用権者がニュースリリース・プレスリリース配信サービスを行う「PR TIMES」を通じて行った「恵方巻」についてのプレスリリース記事のコピーである。
この6/8ページに「鮨よしたけ監修 極(きわみ)太巻」の記述がある。
この記載における商標としての識別要部は「極」であり、本件商標とは社会通念上同一といえる範囲のものであり、商品「太巻(すし)」についての本件商標の使用に当たるものである。
(3)乙第3号証の1 通常使用権者が経営するスーパーマケットである「イオン」及び「イオンスタイル」で発売する商品を掲載した宣伝パンフレット
近年、節分の時期によく食されるようになっている「恵方巻」について通常使用権者が宣伝するために発行した宣伝パンフレットである。
同パンフレットに発行日は記載されていないが、「2022年の節分は2月3日(木)」とあり、ご予約締切日「2022年1月28日(金)」、お渡し期間「2022年2月1日(火)~2月3日(木)」などと記載されていることから、2022年(令和4年)2月の節分に向けての恵方巻を宣伝するパンフレットであることが分かる。
そして、同パンフレットには鮨よしたけ監修の「極太巻」が掲載されている。
「極」の文字は一際大きく記載されており、本件商標の行書体に対し明朝体であって書体が異なるものの同一の漢字である。
「きわみ」の文字も振り仮名の扱いであって、本件商標とは位置が異なるが、その使用態様は漢字とその読みを表す構成において共通であり、本件商標とは社会通念上同一といえる範囲のものである。
(4)乙第3号証の2 請求書
乙第3号証の1として提出したパンフレットの印刷費用の請求書のコピーである。
品名に「2022恵方巻パンフ」と記され、対象品が乙第3号証の1として提出したパンフレットであることが推認できる。
また、日付が2021年12月31日となっており、支払予定日が1月20日と記載されている。
少なくとも2021年末までに同パンフレットが納品され、翌年1月20日に支払されたことが推認でき、同パンフレットが実際に存在し、宣伝に使用されたものであることが分かる。
(5)乙第4号証 インターネット上のブログである「すいかの北九州ランチ」において2022年(令和4年)2月4日に投稿された記事の抜粋
インターネット上においてハンドルネーム「すいか」と称する者が「すいかの北九州ランチ」と題して運営するブログにおいて2022年(令和4年)2月4日付けで投稿した「銀座鮨よしたけ監修 極太巻き イオン」と題された記事のコピーである。
同記事には前日に「銀座鮨よしたけ監修」の恵方巻き「極太巻き」を通常使用権者の店舗であるイオン戸畑店にて購入し食したことが記され、その商品を撮影した写真が掲載されている。
同写真に撮影された商品には商品「太巻」が入った容器の蓋に「極太巻」の文字が明瞭に表された厚紙のカバーが貼られている。
それには「極」の文字が「きわみ」の添え字とともに一際大きく表示され、その下に「太巻」の文字がやや小さく表されているところから、「極」の文字が強く認識されるものであり、「極」の書体が少し異なり、添え字の位置もやや異なるものではあるが、本件商標の態様から大きく離れるものではなく、この使用態様は本件商標と社会通念上同ーといえる範囲のものである。
同商品には加工年月日(22.2.3)及び消費期限(22.2.4AM2)の記載があるシールが貼られ、同商品がこの日時に実際に存在したことが分かる。
第4 当審の判断
1 被請求人の提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。
(1)商標権者は、イオンリテール株式会社に対して、2021年(令和3年)12月9日から2022年(令和4年)2月28日までの間、「太巻きすし」についての本件商標の使用について、通常使用権を許諾した(乙1)。
(2)イオンリテール株式会社は、凸版印刷株式会社に作成を発注したパンフレット(以下「本件パンフレット」という。)について、2021年(令和3年)12月31日付けで凸版印刷株式会社から代金の請求があった(乙3の2)。
(3)本件パンフレットには、「2022年の節分は2月3日(木)」、「早得 お早めのご予約でお得! 2022年1月12日(水)20時までのお申し込みで・・・ 5%OFF」の記載があり、また、「太巻きすし」(以下「使用商品」という。)の写真の掲載とともに、別掲2のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標」という。)が表示されている(乙3の1)。
2 前記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用者について
前記1(1)によれば、イオンリテール株式会社は、令和3年12月9日から同4年2月28日までの間、「太巻きすし」について、本件商標の通常使用権者である。
(2)使用商品について
使用商品は「太巻きすし」であるから、請求に係る商品中「すし」の範ちゅうに含まれる商品である。
(3)使用商標について
本件商標は、別掲1のとおり、筆文字風の書体で表された「極」の漢字を大きく表し、その右上に「きわみ」の平仮名を小さく縦書きで表した構成からなるものである。
他方、使用商標は、別掲2のとおり、「極」の漢字及びその上に小さく「きわみ」の平仮名を表し、これらの右に少し間隔を開けて、「極」の漢字よりもやや小さく「太巻」の漢字を表した構成からなるものである。
そして、使用商標の構成中「太巻」の文字部分は、使用商品との関係では商品の品質を表すものであるから、使用商標における出所識別標識としての要部は「極」及び「きわみ」の文字部分にあるといえる。
そうすると、本件商標と使用商標における出所識別標識としての要部とは、「極」の漢字の書体並びに「きわみ」の平仮名の位置及び縦書きか横書きかの違いはあるものの、いずれも「極」の漢字及び「きわみ」の平仮名からなるものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる。
そして、使用商標は、「太巻きすし」の本件パンフレット(広告)に付されていたといえる。
(4)使用時期について
前記1(2)のとおり、イオンリテール株式会社は、令和3年12月31日付けで凸版印刷株式会社から本件パンフレットの代金を請求されたのであるから、本件パンフレットは、遅くとも同日までには、イオンリテール株式会社に納品されていたと推認することができる。
そして、前記1(3)のとおり、本件パンフレットには、「2022年の節分は2月3日(木)」及び「早得 お早めのご予約でお得! 2022年1月12日(水)20時までのお申し込みで・・・ 5%OFF」の記載がある。
そうすると、本件パンフレットは、2022年(令和4年)の節分の時期に合わせて作成されたものであり、イオンリテール株式会社に納品された令和3年12月31日から5%OFFの申込み締切日である同4年1月12日までの間に頒布されたものと推認することができる。
そして、当該期間は、要証期間内である。
(5)小括
以上によれば、通常使用権者であるイオンリテール株式会社は、要証期間内である令和3年12月31日から同4年1月12日までの間に、請求に係る商品中「すし」の範ちゅうに含まれる使用商品(太巻きすし)の広告(本件パンフレット)に本件商標と社会通念上同一の使用商標を付して頒布したものと認めることができる。
そして、この行為は、商標法第2条第3項第8号にいう「商品・・・に関する広告・・・に標章を付して・・・頒布・・・する行為」に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が、請求に係る商品中「すし」の範ちゅうに含まれる使用商品について、本件商標と社会通念上同一の商標の使用をしていることを証明したということができる。
したがって、本件商標の請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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