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商標取消審判

2022-300293

リヨ

審判番号
2022-300293
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2017-011343外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
5983817
請求日
2022年03月25日
審決日
2024年04月23日
公報発行日
2024年10月25日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
T132 .1 -Y (W35)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
識別力・商標の種類(本文から自動判定・参考)
文字(標準文字の明示なし)
論点(本文から自動抽出・参考)
称呼要部・分離観察不使用(50条)使用の事実・証明社会通念上同一濃い色は判断部分で検討された論点、薄い色は本文中で触れているもの
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項第1号、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第5983817号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由

目次 ▾ 16項目
理 由

第1 本件商標

本件登録第5983817号商標(以下「本件商標」という。)は、「RIYO」の欧文字及び「リヨ」の片仮名を二段に横書きしてなり、平成29年2月3日に登録出願、第35類「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類、第36類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同年9月29日に設定登録されたものである。

そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年4月11日である。

なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である平成31年(2019年)4月11日から令和4年(2022年)4月10日までを、以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張

折りたたみ中(クリックで表示)

請求人は、本件商標の指定役務中、第35類「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「請求に係る役務」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定役務中、請求に係る役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

請求人は、被請求人の答弁に対して、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の主張

折りたたみ中(クリックで表示)

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を令和4年6月25日付け審判事件答弁書及び同5年6月23日付け回答書において要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。

1 審判事件答弁書における主張

(1)取消を求めている指定商品及び指定役務について

被請求人は、「電気機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」における「電気機械器具」のうち、「電気用スイッチプレート」、並びに「電子計算機用プログラム」に関し、二段併記商標である本件商標のうち、いずれか一方を使用している。

(2)証拠の説明

ア 乙第1号証

乙第1号証は、被請求人の会社概要や業務方針を示したパンフレットの原本である。令和元年12月頃に作成され、販売促進用のパンフレットとして顧客への頒布を継続している。

被請求人は、出版業、広告業を営むS社に依頼して、乙第1号証のパンフレットを作成した。

当該乙第1号証には、本件商標との関係で、別掲1の態様で標章が示されている。

上記の態様では「リヨ」の文字が当該パンフレットに用いられており、当該文字の「リヨ」の下方部分に、「De Home」が記載されているが、この部分は付記的な部分と捉えられ、一般需要者は先ずは要部である「リヨ」について強く認識し、意識する。本件商標「リヨ・RIYO」に対し、上記の態様は物理的に同一ではないものの、社会通念上からは本件商標「リヨ・RIYO」としての独立性は失われていないので、かような使用態様は本件商標の範囲に属していると考える。

また、当該パンフレットは、商標法第2条第3項第8号に規定する取引書類に該当し、住宅の建築希望者に頒布されるという性質を有することから、本件商標の指定商品及び指定役務についての使用に該当する。

イ 乙第2号証

乙第2号証は被請求人の主たる業務である家作りに関する基本方針を示したパンフレットの原本である。平成31年3月頃に作成され、現在も販売促進用のパンフレットとして顧客に頒布しており、被請求人の社員が作成したものである。

当該パンフレットの各ページには、前述の乙第1号証と同じ態様で商標の要部である「リヨ」が示され、同様の理由により本件商標の使用に該当するとともに、当該パンフレットも乙第1号証と同じく取引書類に該当する。

ウ 乙第3号証

乙第3号証は、住宅の電気設備に使用される「電気用のアルミスイッチプレート」の画像の写しと、その製作を依頼している業者(Y社)からの請求書の写しである。

「電気用のアルミスイッチプレート」は、2017年(平成29年)1月頃から製作・販売を開始し、建築を請け負った住宅に設置されている。「電気用のアルミスイッチプレート」の画像の写しは本年6月上旬に撮影され、請求書は、その写しに記載された日付である2021年4月30日に作成されている。

「電気用のアルミスイッチプレート」の画像の写しは、被請求人の社員によって撮影・印刷され、業者(Y社)からの請求書は、業者自身によって作成されている。

乙第3号証に示すように、当該画像の右隅には、ローマ字で本件商標と同一範囲にある「RIYO」の文字が刻印されている。この「電気用のアルミスイッチプレート」は、被請求人が建築業務を請け負った際に、建築物内部の電気設備の一部として設置・販売される電気機械器具の一つであり、建築請負契約を締結した多くの顧客に対し、被請求人が販売する商品の一つである。商品自体に登録商標を付すことは、商標法第2条第3項第1号に規定されているように商標の使用に該当する。

使用時期は、請求書の日付(2021年4月30日)からも明らかなように、商標法第50条第2項の「審判の請求の登録前三年以内に日本国内において商標権者等のいずれかが、その請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしている」との要件を具備しており、被請求人が本件商標を使用していることは明らかである。

エ 乙第4号証

乙第4号証は、被請求人のウェブサイトに掲載され、特許取得済みの建築積算用のソフトウエアである「ズカラカズ(登録商標)」に関するニュースを示すもので、インターネット上の以下のアドレスに掲載されたウェブサイトのページを打ち出した書面の写しである。

2018年4月27日より、被請求人のウェブサイトの一部として継続して掲載され、被請求人の社員により作成されたものである。

ソフトウエアとは、電子計算機用プログラムと同義であることから、乙第4号証に示されるようにインターネット上のウェブサイトに、建築積算用のソフトウエア(「ズカラカズ」)を掲載することは、当該ソフトウエアの販売促進を図るためになされた、商標法第2条第3項第8号に規定する広告としての使用に該当する。同ウェブサイトには、その上部に「リヨのイノベーション」と記載され、本件取消審判に係る登録商標が付して用いられていることが明らかである。また、実際のネット上の画面には、乙第1号証にて提示した標章と、同様の態様で商標が示されている。

ウェブサイト上への掲載は、前述したように継続中であり、商標法第50条第1項中に規定する「継続して三年以上日本国内において商標権者等が各指定商品又は指定役務についての登録商標の使用をしていないときは、~以下略」との要件を満たさないので、本件審判請求は成り立たない。

また、乙第4号証に記載されている点、並びに、前述のウェブサイトヘの継続的な掲載の事実は、商標法第50条第2項の「審判の請求の登録前三年以内に日本国内において商標権者等のいずれかが、その請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしている」ことを明確に立証するものである。

オ 乙第5号証

乙第5号証は、前述の建築積算ソフトウエアである「ズカラカズ」のパンフレットの原本であり、2018年2月に作成され、建築業者などに頒布されているものであって、R社の社員の依頼により、前述の出版業、広告業を営むS社により作成された。

乙第5号証によれば、建築積算ソフトウエアである「ズカラカズ」はR社により販売・提供されていることを示している。乙第5号証は、前述した乙第4号証のウェブサイトの打ち出した書面に、記載されたソフトウエアである「ズカラカズ」のパンフレットであるが、同ソフトウエアは、被請求人の子会社としての性格を有するR社により提供されている。この点については後述の乙第6号証及び乙第7号証にて明らかにする。

カ 乙第6号証

乙第6号証は、被請求人の同族会社等の判定に関する明細書の写しであり、2022年(令和4年)4月25日に、被請求人の社員であるKが作成したものである。

被請求人である株式会社リヨ・デ・ホームは、現代表者であるO氏が100%の株式を所有していることを示している。

キ 乙第7号証

乙第7号証は、前述の乙第5号証に記載された建築積算ソフトウエアである「ズカラカズ」の提供元であるR社の同族会社等の判定に関する明細書の写しであり、2022年(令和4年)4月25日に、被請求人の社員であるKが作成したものである。

乙第7号証によれば、R社は、被請求人の代表者であるO氏が、被請求人会社と同様に、100%の株式を所有していることを示している。

つまり、R社と被請求人会社は、O氏によって経営されており、今回の商標権については黙示の使用許諾が、被請求人からR社に与えられていることを示す証左となるものである。

ク 乙第8号証

乙第8号証は、リヨ・デ・グループ(被請求人及びR社)により開発された前述の建築積算ソフトウエアである「ズカラカズ」の開発経緯、特徴を示した販売促進用の資料の写しであり、現在、説明用資料として頒布若しくは説明会などで使用されており、2020年(令和2年)9月26日に、R社の社員が作成したものである。

乙第8号証には、別掲2の態様で標章が示されている。

具体的には、本件商標の片仮名部分である「リヨ」が第1ページ目(タイトルページ)の右上に示されている。提示の態様は、大きな文字で示される「リヨ」に対し、その下方部分に小さな文字により「De Group」が付加されているが、需要者はまず要部である「リヨ」を認識する。したがって、かかる標章の使用は、本件商標の範囲内での使用に該当すると考える。

また、当該乙第8号証は、工務店や設計事務所などの建築事業者に頒布される説明資料であり、その内容として、建築積算用のソフトウエア(電子計算機用プログラム)である「ズカラカズ(登録商標)」の特徴や機能を示し、この資料は広告としての意味合いを有するとともに、価格表なども掲載され、建築関係の業者に対して展示、頒布されるものである。したがって、当該乙第8号証は、電子計算機用プログラムについて、商標法第2条第3項第8号に規定する取引書類に該当し、本件商標「リヨ・RIYO」の使用の事実を示すものである。

使用時期に関しては、2020年(令和2年)9月26日に作成され、それ以降に適時行っている建築業者向けの商談に用いられていることから、商標法第50条第1項に規定する「継続して三年以上日本国内において商標権者等が各指定商品又は指定役務についての登録商標の使用をしていないときは、~以下略」との要件を満たしていない。

また、乙第8号証は、作成年月日である2020年(令和2年)9月26日以降、建築業者との商談や販売代理店への説明資料として、被請求人及びR社によって利用されており、商標法第50条第2項の「審判の請求の登録前三年以内に日本国内において商標権者等のいずれかが、その請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしている」との要件にも合致し、請求に係る役務についての登録商標の使用事実を示すものである。

2 回答書における主張

新たな証拠として乙第9号証を提出する。

乙第9号証は、被請求人が販売しているアルミスイッチプレート・照明に関するカタログの原本である。

カタログの社名欄の側方に記載されているように、当該カタログは2020年4月1日現在の電気器具関連商品(アルミスイッチプレート・照明)のカタログであり、掲載商品、値段に変更はあるものの、同様な態様で現在も顧客に対して頒布が継続されている。

作成者は、被請求人である。

当該乙第9号証には、別掲3の態様で標章が示されている。

本件商標に対し、別掲3の標章の態様は物理的には同一ではないものの、二段併記の本件商標の各文字は、片仮名、ローマ字読みで同一の称呼を生じるものである。上記態様は、そのうち一方の「リヨ」を使用するものであり、かような使用態様は本件商標の範囲に属していると考えられる。

加えて、当該カタログの左側上欄に記載されている1口プレート、2口プレート、3口プレートには、【RIYO】の刻印が記されることが記載されており、この【RIYO】は、二段併記の本件商標のうち、ローマ字の「RIYO」であることから、本件商標の範囲内で商標が使用されていることを示している。

また、当該カタログは、住宅の建築希望者やリフォーム希望者に、被請求人が販売しているアルミスイッチプレート、照明器具を紹介するために頒布されるものである。アルミスイッチプレート、照明器具は、「電気機械器具」に属している。

したがって、当該カタログは、請求に係る役務である、いわゆる小売等役務についての価格表といえる。

すなわち、被請求人の当該カタログの頒布は、商標法第2条第3項第8号に規定する標章の使用に該当する。

第4 当審の判断

1 被請求人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、以下のとおりである。

(1)乙第3号証は、住宅の電気設備に使用される「電気用のアルミスイッチプレート」の画像の写し(1葉目)及び、その製作を依頼している業者(Y社)からの請求書の写し(2葉目)とするものである。

乙第3号証の2葉目の請求書の写しには、本件商標権者が商品の製作を依頼している業者(Y社)から本件商標権者宛ての2021年4月30日付けの請求書であり、「品名」の欄に「アルミスイッチプレート製作 3mm 2口用 116×120」の記載、「数量」の欄に「5枚」の記載がある。

(2)乙第9号証は、「アルミスイッチプレート・照明商品一覧」と題する商品カタログであり、スイッチプレート3点を含む複数の商品の写真、商品名及び価格が掲載されている。このうち、左上に掲載されたスイッチプレートは、乙第3号証の1葉目の画像の商品と同視し得るものである。

そして、これらの商品の下方には、別掲3のとおりの商標(以下「使用商標」という。)が表示されており、使用商標の右側には、本件商標権者の名称、住所、電話番号、ファクシミリ番号及び「2020年4月1日現在」の記載がある。

2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。

(1)使用商標について

ア 本件商標は、上記第1のとおり、「RIYO」の欧文字及び「リヨ」の片仮名を二段に横書きしてなるところ、下段の「リヨ」の文字は、上段の「RIYO」の文字の読みを片仮名で表したものと容易に理解されるものである。

イ 使用商標は、別掲3のとおりの構成からなるところ、これは、黒塗りの長方形内に、上段に図案化された「リヨ」の片仮名を白抜きで大きく横書きし、下段右方に「De Home」の欧文字を白抜きで小さく横書きしたものと看取できる。そして、両者は文字種及び大きさが相違し、視覚上分離して把握されるものである。そうすると、使用商標においては、構成中、顕著に大きく表された「リヨ」の文字部分が独立した要部として、これに接する取引者、需要者に認識、理解されるといえる。

ウ 本件商標の構成中の「リヨ」の文字部分と、使用商標の要部である「リヨ」の文字部分は、書体において相違するとしても、同一の文字を表したものであり、その称呼も同一である。

そうすると、本件商標と使用商標とは、社会通念上同一の商標と認められる。

(2)使用者について

使用商標が表示された商品カタログ(乙9、以下「本件カタログ」という。)には、本件商標権者の名称が、電話番号等の連絡先とともに記載されていることから、本件カタログにおいて使用商標を表示したのは、本件商標権者と認められる。

(3)使用役務について

本件カタログは、スイッチプレートの写真や価格等が掲載されており、顧客に対し、これらの商品についての各種情報を提供するものであって、下方に本件商標権者の名称等とともに使用商標が表示されていることから、「スイッチプレートの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「使用役務」という場合がある。)に係る広告といえる。

そして、「スイッチプレート」は、請求に係る役務(電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供)の取扱商品である「電気機械器具類」の範ちゅうに含まれるものである。

そうすると、使用役務は、請求に係る役務に含まれると認められる。

(4)使用時期について

上記1によれば、2020年4月1日頃に本件カタログが作成され、顧客からの注文を受けて、当該商品カタログに掲載されている2口のスイッチプレートが、2021年4月30日に製造業者から本件商標権者に納品されたものと推認できる[K1]。

そうすると、本件カタログは、要証期間である2020年4月から2021年4月頃にかけて、取引先に頒布されたものと推認できる。

(5)使用行為について

本件カタログは、上記(3)のとおり、使用役務に関する広告に該当する。

そして、上記(4)のとおり、使用商標を付した本件カタログは、取引先に頒布されたものとみることができ、この行為は、商標法第2条第3項第8号の「役務に関する広告に標章を付して頒布する行為」に該当する。

(6)小括

以上によれば、本件商標権者は、要証期間である2020年4月ないし2021年4月の間に、日本国内において、請求に係る役務に含まれる「スイッチプレートの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に係る広告に、本件商標と社会通念上同一の商標を付して頒布する行為(商標法第2条第3項第8号)を行ったものと認められる。

3 まとめ

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標権者がその請求に係る指定役務について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したといえる。

したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定役務について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

別掲(理由中で参照)

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