商標取消審判
2022-300113
ログストリーム
- 審判番号
- 2022-300113
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2016-004782
- 登録番号
- 5857422
- 請求日
- 2022年02月07日
- 審決日
- 2023年01月16日
- 公報発行日
- 2023年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】園田・小林特許業務法人
- 【被請求人】株式会社 オープンストリーム
- 【被請求人代理人】弁理士法人白坂
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 大森 友子
- 審判官 相崎 裕恒
- 分類
- T132 .1 -Y (W0942)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5857422号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5857422号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「ログストリーム」のカタカナと「LogStream」の欧文字を二段に書してなり、平成28年1月18日に登録出願され、第9類「電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム」、第42類「電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」及び第35類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年6月10日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年2月21日であり、その請求の登録前3年以内の平成31年2月21日から令和4年2月20日までの期間を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第9類「全指定商品」及び第42類「全指定役務」(以下「請求に係る指定商品役務」という。)についての商標登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、請求に係る指定商品役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証の「LogStream」の説明文からのみでは、本件商標が請求に係る指定商品役務について使用されていた事実は確認できず、乙第1号証は、本件商標の請求に係る指定商品役務についての使用を立証するものではない。
(2)乙第5号証及び乙第6号証は、いずれも商標法第2条第3項各号の規定する使用に該当しないので、詳細を吟味するまでもなくこれらによって本件商標の使用は立証されない。
(3)乙第7号証ないし乙第10号証として提出されたパンフレットは、作成された時期が要証期間前の2016年5月であることが理解されるのみである。また、乙第9号証の写真が撮影された日付を示す情報はなく、単に答弁書提出日現在の様子を示すとのことであるから、乙第7号証ないし乙第10号証をもって、当該パンフレットが要証期間内に展示・頒布されたことが証明されたということはできない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証を提出している。
1 乙第1号証は、ホームページ公開データ保存サイトである「Wayback Machine」に、2019年8月20日に保存された本件商標権者ウェブサイトのページを印刷したものであり、日本国内における要証期間内の使用である。
乙第1号証の「LogStream」の説明文は、本件商標権者の製品「RecoBee」とともに「LogStream」を用いることで実現できる内容について説明しており、第9類「電子計算機用プログラム」、第42類「電子計算機用プログラムの提供」に関する広告の内容となっている。この広告を内容とする情報に「LogStream」を付して電磁的方法により提供する行為において、乙第1号証の「LogStream」は、本件商標と社会通念上同一の商標であるから、商標法第2条第3項第8号の使用に該当する。
2 本件商標権者は、同人ウェブサイトにおいて、少なくとも2020年2月7日まで、日本国内において、第9類「電子計算機用プログラム」、第42類「電子計算機用プログラムの提供」に関する広告を内容とする情報に、本件商標と社会通念上同一の商標である「LogStream」を付して電磁的方法により提供しており、乙第5号証及び乙第6号証は、本件商標権者ウェブサイトでの使用の裏付けとなるものである。
3 乙第7号証及び乙第8号証は、2016年5月に作成され、現在も第9類「電子計算機用プログラム」、第42類「電子計算機用プログラムの提供」について使用されている、本件商標と社会通念上同一の商標である「LogStream」に関するパンフレットの写真であり、乙第9号証は、この「LogStream」に関するパンフレットが日本国内の本件商標権者の本社の総合受付にて展示している現在の様子を示す写真である。乙第10号証は、このパンフレットの原本である。このパンフレットに表示の「LogStream」の使用は、広告的使用(商標法第2条第3項第8号)に係る使用である。
第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)2019年8月20日に、URLが「https://opst.co.jp/systemintegration/technology/」であるページ(以下「本件ウェブページ」という。)がインターネットアーカイブに格納された(乙1)。
本件ウェブページには、別掲2の企業ロゴ(以下「企業ロゴ」という。)が表示されている。
なお、企業ロゴは、本件商標権者の登録商標(商標登録第5984440号、同第5803569号)と同一のものと認められる。
(2)本件ウェブページには、企業ロゴとともに「システムインテグレーション」の文字が記載されている。また、本件ウェブページのタイトルは、「オープンストリームテクノロジー」であり、「オープンストリームはネットワーク、クラウド、モバイル、ビッグデータ技術など最先端の戦略技術系に強い会社です。Webアプリケーション開発技術のみならず、データ解析・分析能力やクラウド技術を熟知し、システム全体を提案していきます。また、事業創造に対する幅広い知見と最先端の戦略技術を併せ持つことにより、ビジネスを意識した問題解決力と確かな実績に裏づけられた技術力でお客様のイノベーションに貢献します。」という説明文(以下「説明文1」という。)が記載されている。
(3)本件ウェブページには、複数のパラグラフが設けられており、そのうちの一つのタイトルとして、「「LogStream(以下「使用商標」という。)」&「RecoBee」」と記載されている。また、このタイトルのパラグラフにおいて、「ユーザーの行動をリアルタイムで把握。ビジネスに活用可能なデータに。IoTが注目され普及が急速に進むスマートフォン・スマートデバイス等のモバイル端末で、ユーザーの行動を動きレベル(立つ・座る・歩く・走るなど)で収集し、独自のビッグデータ処理ノウハウを活用し解析、レコメンド情報などの発信・通知を今までにないタイムリーかつ最適な形で実現します。」との説明文(以下「説明文2」という。)が記載されている。
(4)パンフレット(乙10。以下「本件パンフレット」という。)は、本件商標権者の名称や企業ロゴが表示され、さらに、本件パンフレットが2016年5月現在の内容である旨が記載されているものである。
本件パンフレットの第1面には、「オープンストリームでは、開発実績の豊富なクラウド環境上の様々なビッグデータソリューションを組合せ独自のプラットフォームを構築、ビジネスの活用シーンに合わせて提供します。」「ビッグデータテクノロジをクラウドサービスを中心にプラットフォームとして提供」との説明文(以下「説明文3」という。)が記載されている。
また、本件パンフレットの第2面には、「LogStream」と「RecoBee」が説明されており、このうち、「LogStream」の説明として、これが「リアルタイムデータ収集・蓄積プラットフォーム」として「大量」で「リアルタイム」なデータの「収集」と、収集されたデータの「加工」及び「蓄積」を行うものである旨が記載されるとともに、「Web」、「スマートデバイス・ウェアラブルサーバ・ネットワーク機器」、「各種センサー」等から「データ収集ライブラリ」を介して「収集処理」が行われる旨が図示されている。
2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
本件商標は、「ログストリーム」のカタカナと「LogStream」の欧文字を二段に書してなるものであり、上段の「ログストリーム」は、下段の「LogStream」の読みを示すものであるといえる。
これに対し、使用商標は、「LogStream」の文字からなるところ、当該文字は本件商標の下段の欧文字とつづりを同じくし、かつその構成文字から生じる「ログストリーム」の称呼も本件商標と同一であるから、本件商標と社会通念上同一の商標であるといえる。
(2)使用者について
上記1(1)及び1(3)によれば、使用商標を表示する本件ウェブページには、企業ロゴが表示されており、この企業ロゴは、本件商標権者の登録商標であることから、本件ウェブページに使用商標を表示したのは、本件商標権者である。
このことから、使用商標の使用者は、本件商標権者であると認められる。
(3)使用役務について
上記1(2)及び1(4)によれば、本件商標権者は、クラウド環境において、いわゆる「ビッグデータ」を取り扱うためのクラウドサービスをプラットフォームとして提供しているところ、本件商標権者が提供する「LogStream」(使用商標)を名称とするプラットフォームは、Web、スマートデバイス・ウェアラブルサーバ・ネットワーク機器、各種センサー等からデータ収集ライブラリとこのデータ収集ライブラリを介して大量のデータをリアルタイムに「収集」し、収集されたデータの「加工」及び「蓄積」をするためのクラウドサービスであると認められる。このことから、本件商標権者は、当該クラウドサービスを提供するサーバにおいてデータを「収集」、「加工」及び「蓄積」するためのプログラムをプラットフォームの利用者に対して提供しているところ、当該行為は、電子計算機用プログラムの提供(以下「使用役務」という。)であるといえる。この使用役務は、請求に係る指定商品役務中、第42類の「電子計算機用プログラムの提供」に該当するものである。
(4)使用時期について
上記1(1)によれば、本件商標権者は、要証期間内である2019年8月20日に使用商標が表示された本件ウェブページを電磁的方法により提供したことが明らかである。
よって、使用時期は、要証期間内である。
(5)使用行為について
上記1(2)の説明文1は、本件商標権者の事業を説明するものであり、上記1(3)の説明文2は、説明文1において説明されている事業のうち、「LogStream」(使用商標)を名称とするプラットフォームの事業についての広告であることから、説明文1及び説明文2を含む本件ウェブページは、全体として、本件商標権者における使用役務に関する広告に該当する。
また、当該広告は日本語で記載されており、日本国内における使用であることが明らかである。
してみると、本件商標権者は、要証期間内に、請求に係る指定商品役務中、第42類「電子計算機用プログラムの提供」に関する広告に本件商標と社会通念上同一の商標である使用商標を付して電磁的方法により提供する行為を行ったものであり、この行為は、商標法第2条第3項第8号の行為に該当する。
3 むすび
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が請求に係る指定商品について本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を使用していたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-300113