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特許拒絶査定不服審判

2022-020292

処理装置および処理方法

審判番号
2022-020292
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2022-502124
請求日
2022年12月14日
審決日
2023年07月10日
公報発行日
2023年08月25日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人深見特許事務所
  • 【請求人】三菱電機株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人深見特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 中野 裕二
  • 審判官 山内 裕史
  • 審判官 富澤 哲生
分類
P18 .537-WY (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(XML)

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特願2022-502124「処理装置および処理方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年12月22日国際公開、WO2022/264273、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2021年(令和3年)6月15日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年 1月12日: 手続補正書の提出 令和4年 4月22日付け:拒絶理由通知書 令和4年 7月 4日: 意見書、手続補正書の提出 令和4年 9月20日付け:拒絶査定 令和4年12月14日: 審判請求書、手続補正書の提出 第2 原査定の概要 原査定(令和4年9月20日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 (明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 ・請求項 1-7 請求項1には「前記複数のグループは、第1グループと、第1グループよりも非作業時間を含む割合が高い第2グループとを含み、前記分類部は、前記対応時間に基づき前記混合ガウスモデルを用いて前記複数の履歴情報を、少なくとも前記第1グループと前記第2グループとに分類する」との記載があるが、対応時間は、保守員がビルに到着してからビル施設に関する作業が完了するまでの時間であり、このような情報を用いて2つのグループに分類できるのは、対応時間が長いか短いかのグループであり、非作業時間の長短はわからないから、対応時間に含まれる非作業時間が長いか短いかのグループに分けることができるものではない。したがって、このような対応時間から、非作業時間の割合が高いグループとそうでないグループに如何にして分類できるのか、依然として不明である。 請求項7にも同様の点が指摘される。 さらに、請求項1を引用する請求項2-6にも同様の点が指摘される。 第3 本願発明 本願請求項1-7に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明7」という。)は、令和4年12月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1-7に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1-7は以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 ビルに設置されたビル設備の保守に関する情報を処理する処理装置であって、 複数の履歴情報を取得する取得部と、 前記複数の履歴情報を混合ガウスモデルを用いて複数のグループに分類する分類部とを備え、 前記複数の履歴情報の各々は、保守員が前記ビルに到着してから前記ビル設備に関する作業が完了するまでの対応時間を含み、 前記対応時間には、前記ビルにおいて前記作業が行われる作業時間以外に、前記作業が行えずに前記保守員が待たされる非作業時間が含まれることがあり、 前記分類部が分類した前記複数のグループの各々について、前記対応時間の平均値の時系列情報を含む統計値を算出する算出部と、 前記分類部の分類結果と前記算出部の算出結果とを出力する出力部とをさらに備え、 前記複数のグループは、第1グループと、前記第1グループよりも前記対応時間の平均値が大きい第2グループとを含み、 前記分類部は、前記対応時間に基づき前記混合ガウスモデルを用いて前記複数の履歴情報を前記第1グループと前記第2グループとに分類する、処理装置。 【請求項2】 前記非作業時間は、前記保守員が前記ビルに到着してから前記ビルに入館するまでの時間と、前記作業に必要な部品を手配するために前記作業が中断される時間と、有償部品を交換する際に前記ビルのオーナーに確認を取るために前記作業が中断される時間との少なくとも1つを含む、請求項1に記載の処理装置。 【請求項3】 前記算出部は、前記対応時間の平均値の時系列情報から将来の前記対応時間の平均値を予測する、請求項1または請求項2に記載の処理装置。 【請求項4】 前記複数の履歴情報の各々は、前記対応時間以外に、前記ビルの種類と、昇降機の種類と、前記昇降機の故障の種類と、前記保守の契約の種類との少なくとも1つを含む関連情報を含み、 前記処理装置は、前記関連情報の少なくとも1つに基づいて前記複数の履歴情報を分割する分割部をさらに備え、 前記分類部は、前記分割部によって分割された前記複数の履歴情報ごとに、前記複数のグループに分類する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の処理装置。 【請求項5】 前記分割部は、さらに、前記分類部が分類した前記複数のグループの各々を、前記関連情報の少なくとも1つに基づいて分割し、 前記算出部は、前記分割部が分割しかつ前記分類部が分類した前記複数のグループの各々について、前記統計値を算出する、請求項4に記載の処理装置。 【請求項6】 前記関連情報のうちから、前記分割部が前記複数の履歴情報を分割するために用いる情報を決定する決定部をさらに備える、請求項4または請求項5に記載の処理装置。 【請求項7】 ビルに設置されたビル設備の保守に関する情報をコンピュータが処理する処理方法であって、 複数の履歴情報を取得するステップと、 前記複数の履歴情報を混合ガウスモデルを用いて複数のグループに分類するステップとを備え、 前記複数の履歴情報の各々は、保守員が前記ビルに到着してから前記ビル設備に関する作業が完了するまでの対応時間を含み、 前記対応時間には、前記ビルにおいて前記作業が行われる作業時間以外に、前記作業が行えずに前記保守員が待たされる非作業時間が含まれることがあり、 前記分類するステップが分類した前記複数のグループの各々について、前記対応時間の平均値の時系列情報を含む情報を算出するステップと、 前記分類するステップの分類結果と前記算出するステップの算出結果とを出力するステップとをさらに備え、 前記複数のグループは、第1グループと、前記第1グループよりも前記対応時間の平均値が大きい第2グループとを含み、 前記分類するステップは、前記対応時間に基づき前記混合ガウスモデルを用いて前記複数の履歴情報を前記第1グループと前記第2グループとに分類する、処理方法。」 第4 判断 特許を受けようとする発明が明確であるか否かは、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。 以下、この観点に立って、判断する。 令和4年12月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1には、「前記複数の履歴情報を混合ガウスモデルを用いて複数のグループに分類する分類部とを備え、前記複数の履歴情報の各々は、保守員が前記ビルに到着してから前記ビル設備に関する作業が完了するまでの対応時間を含み」と記載され、また、「前記複数のグループは、第1グループと、前記第1グループよりも前記対応時間の平均値が大きい第2グループとを含み、前記分類部は、前記対応時間に基づき前記混合ガウスモデルを用いて前記複数の履歴情報を前記第1グループと前記第2グループとに分類する」と記載されている。 これらの記載に基づけば、本願発明1における分類部は、複数の履歴情報を、当該複数の履歴情報の各々が含む対応時間に基づいて、混合ガウスモデルを用いて、対応時間の平均値が小さい第1グループと対応時間の平均値が大きい第2グループという2つのグループに分類する処理を行うものであることが理解できる。 なお、請求項1の「前記対応時間には、前記ビルにおいて前記作業が行われる作業時間以外に、前記作業が行えずに前記保守員が待たされる非作業時間が含まれることがあり」の記載によって上記理解が左右されるものではない。 したがって、本願発明1は、明確である。 請求項1と同様の記載がある請求項7、また、請求項1を引用する請求項2-6についても同様であって本願発明2-7は明確である。 以上から、令和4年12月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1-7の記載は、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎として、発明特定事項の意味内容や技術的意味を十分理解でき、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえない。 第5 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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