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特許拒絶査定不服審判

2022-018446

ホルダ

審判番号
2022-018446
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-169459
請求日
2022年11月16日
審決日
2023年05月30日
公報発行日
2023年08月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】日本電気株式会社
  • 【請求人代理人】速水 進治
  • 【請求人】NECプラットフォームズ株式会社
  • 【請求人代理人】速水 進治
審判長/審判官
  • 審判長 村上 聡
  • 審判官 栗山 卓也
  • 審判官 井上 哲男
分類
P18 .575-Z (A61J) / P18 .121-Z (A61J) / P18 .113-Z (A61J)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-169459「ホルダ」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 3月19日出願公開、特開2020- 39601〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成30年 9月11日の出願であって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。 令和 4年 4月22日付け:拒絶理由通知書 令和 4年 5月23日 :意見書及び手続補正書の提出 令和 4年 7月13日付け:拒絶理由通知書(最後) 令和 4年 9月 7日 :意見書及び手続補正書の提出 令和 4年 9月28日付け:補正の却下の決定 令和 4年 9月28日付け:拒絶査定 令和 4年11月16日 :審判請求書及び同時に手続補正書の提出 第2 令和 4年11月16日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和 4年11月16日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について (1)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)は、以下のとおりである(下線は、補正箇所であり、当審が付与したものである。)。 「【請求項1】 内容物を収容するための収容部を有するブリスタパックを保持可能なホルダであって、 複数の前記収容部は前記ブリスタパック上に並んで配置されており、 前記複数の収容部は、第1領域及び前記第1領域と並ぶ第2領域に分けられており、 板状の形状を有するリブ、並びに前記リブによって互いに仕切られた第1空間及び第2空間を有するベースと、 第1開口を有するカバーと、 を含み、 前記リブは、前記ベースの底から突出しており、 前記カバーは、前記ベースの端縁と連結しており、前記ベースに対して開閉可能になっており、 前記第1開口は、前記第1領域及び前記第2領域を含む前記複数の収容部の全体を囲うように形成されており、 前記ブリスタパックは、前記第1領域が前記第1空間と重なり、前記第2領域が前記第2空間と重なるように配置可能であり、 前記カバーは、前記ブリスタパックが前記ベースと前記カバーの間に配置され、かつ前記第1開口が前記収容部と重なるように、前記ベースに取り付け可能である、ホルダ。」 (2)本件補正前の、令和 4年 5月23日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、以下のとおりである。 なお、令和 4年 9月 7日にされた手続補正は、令和 4年 9月28日付け補正の却下の決定により却下された。 「【請求項1】 内容物を収容するための収容部を有するブリスタパックを保持可能なホルダであって、 複数の前記収容部は前記ブリスタパック上に並んで配置されており、 ベースと、 第1開口を有するカバーと、 を含み、 前記第1開口は、前記複数の収容部の全体を囲うように形成されており、 前記カバーは、前記ブリスタパックが前記ベースと前記カバーの間に配置され、かつ前記第1開口が前記収容部と重なるように、前記ベースに取り付け可能である、ホルダ。」 2 補正の適否について 本件補正は、補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「ブリスタパック」の複数の「収容部」について、「前記複数の収容部は、第1領域及び前記第1領域と並ぶ第2領域に分けられており」及び「前記第1領域及び前記第2領域を含む」と限定し、「ベース」について、「板状の形状を有するリブ、並びに前記リブによって互いに仕切られた第1空間及び第2空間を有する」と限定するとともに、当該「リブ」について、「前記リブは、前記ベースの底から突出しており」と限定し、「カバー」について、「前記カバーは、前記ベースの端縁と連結しており、前記ベースに対して開閉可能になっており」と限定し、さらに、「ブリスタパック」について、「前記ブリスタパックは、前記第1領域が前記第1空間と重なり、前記第2領域が前記第2空間と重なるように配置可能であり」と限定するものであって、本件補正前の請求項1に係る発明と本件補正発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。また、本件補正は、同条第3項及び第4項の規定に違反するものではない。 そこで、本件補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)のとおりである。 (2)引用文献、引用発明1及び周知技術 (2-1)原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2014-148325号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに次の記載がある(下線は、当審が付与したものである。以下同様。)。 ア「【0001】 本発明は、錠剤やカプセル等を包装したPTP(press through pack)包装シートの収納ケースに関するものである。」 イ「【0017】 図における符号1は、PTP包装シートである。このPTP包装シート1は、錠剤やカプセル等の内容物を内側に収納する複数の凸部(以下、この凸部を収納凸部1a1と記す)を備えた合成樹脂製のシート1aと、この合成樹脂製のシート1aの裏面に貼着され、内容物が収納された収納凸部1a1を密封するアルミの如き薄い金属製のシート1bにて構成されている。 【0018】 また、2は、PTP包装シート1を装入する容器本体である。この容器本体2は、PTP包装シート1の形状に適合する平面形状を区画形成する周壁2aと、周壁2aの下端に一体連結する底壁2bから構成されており、その内側には上向きに開放された凹所を形成してそこにPTP包装シート1を配置する収納空間が形成されている。 【0019】 また、3は、容器本体2の短辺2a1にヒンジ3aを介して揺動可能に一体連結する蓋体である。この蓋体3を、周壁2aの上部開放端に合致させることによって容器本体2の収納空間を閉じることができるようになっている。蓋体3の裏面には、収納空間を閉じたとき、外表面に設けられたL字形状をなすリブrが周壁2aの内壁面に弾性接触して容器本体2に対する連係強度(蓋体3を引き上げてスムーズに開放できる程度の強度)を高めて該蓋体3の不用意な開放を防止する嵌合片hが設けられている。」 ウ「【0021】 また、4は、蓋体3に設けられた複数の窓孔である。この窓孔4は、PTP包装シート1の収納凸部1a1に対応して設けられており、該収納凸部1a1をそれぞれ少なくとも面一状態で窓孔4から露出させ、そこを通して該収納凸部1a1を押圧することによりPTP包装シート1からの内容物の取り出しを可能としている。 【0022】 5は、容器本体2の収納空間に設けられ、PTP包装シート1を載置する台座である。この台座5は、PTP包装シート1の収納凸部1a1を避けるように設けられたE字状をなすものを例として示してある。この台座5は、容器本体2の成形(射出成形等)時に該容器本体2の外側からの肉抜きにより一体的に設けることができるが、別部材を組み合わせて台座5を形成してもよい。 【0023】 6は、台座5によって区画され、PTP包装シート1の収納凸部1a1に面して設けられた2列の溝部である。この溝部6は、容器本体2の底壁2bを底部としており、収納凸部1a1より押し出された内容物を受け止めるとともに、受け止められた内容物を、後述する取り出し部へと誘導するものであって、容器本体2の短辺2a2側に向けて開放された開放部6aを有している。溝部6はPTP包装シート1の収納凸部1a1に合わせて2列設け、その中央部でPTP包装シート1を支持するものを例として示したが、収納空間内でPTP包装シート1を確実に支持しておくことができるものであれば、溝部を2列にする必要はなく、適宜変更が可能である。」 エ「 [図:0001400322000001.jpg] 」 オ 図1から、複数の収納凸部1a1がPTP包装シート1上に並んで配置される点が看取される。 カ「 [図:0001400322000002.jpg] 」 キ 図3と図1とを併せみると、E字状の台座5が容器本体2の底壁2bから突出している点が看取される。そして、E字状の台座5を構成する3つの平行な長尺部分のうちの中央の長尺部分は、当然に容器本体2の底壁2bから突出している。 また、図1から、E字状の台座5の上記中央の長尺部分は、その長尺方向に垂直な面による断面の形状が、上下方向が左右方向よりも長い形状であることが看取される。したがって、当該E字状の台座5の中央の長尺部分は、板状の形状を有するといえる。 これらの事項ア~キを総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているといえる。 「内容物を内側に収納する複数の収納凸部1a1がその上に並んで配置されているPTP包装シート1の収納ケースであって、 周壁2aと底壁2bから構成され、PTP包装シート1を装入する容器本体2であって、その内側に上向きに開放された凹所を形成し、そこにPTP包装シート1を配置する収納空間が形成されている容器本体2と、容器本体2の短辺2a1にヒンジ3aを介して揺動可能に一体連結し、容器本体2の収納空間を閉じることができる蓋体3とを備え、 蓋体3に、PTP包装シート1の収納凸部1a1に対応して複数の窓孔が設けられており、 容器本体2の収納空間に、PTP包装シート1の収納凸部1a1を避けるようにしてPTP包装シート1を載置するE字状の台座5が設けられ、 E字状の台座5の中央の長尺部分が容器本体2の底壁2bから突出しており、 E字状の台座5の中央の長尺部分は、板状の形状を有しており、 台座5により、PTP包装シート1の収納凸部1a1に合わせて設けられた2列の溝部6が区画されている、 収納ケース。」 (2-2)本願の出願日前における周知技術の例として示す米国特許出願公開第2010/0243507号明細書(以下「引用文献2」という。)には、図面とともに次の記載がある。括弧内は、当審による和訳である。 ア「[0016] Referring now to the figures, wherein similar elements are designated with similar numbers, FIG. 1 illustrates an exemplary blank 10 for forming a secondary package, in this case an inner slide card configured to receive a primary package in the form of a blister pack.」 (ここで図面を参照すると、同様の要素は同様の番号で示されており、図1は、副パッケージの形態をした例示的なブランク10を示しており、この場合、ブリスタパックの形態をした主パッケージを受け入れるよう構成された内側スライドカードの形態である。) イ「[0018] Continuing with reference to FIG. 1, the illustrated secondary package 10 comprises a base panel 12 and a top panel 14 foldably attached to the base panel 12 along a fold line 16.」 (引き続き図1を参照すると、図示された副パッケージ10は、ベースパネル12と、折目線16に沿ってベースパネル12に折り曲げ可能に取り付けられたトップパネル14とを備えている。) ウ「[0019] The top panel 14 further comprises a blister pack receiving aperture 30.The perimeter of the illustrated receiving aperture 30 is generally the same shape as the perimeter of the top panel 14, being defined by opposing side edges 32a, 32b, an end edge 34, and an insert edge 36.・・・In the illustrated embodiment the perimeter of the receiving aperture 30 is slightly larger than the outside perimeter of the group of gates 40 located on the base panel 12.」 (トップパネル14はさらに、ブリスタパック受容開口部30を有する。示される受容開口部30の周縁は、対向する側縁部32a、32bと、端縁部34と、挿入縁部36とで規定され、概ねトップパネル14の周縁と同じ形状である。・・・図示の実施例では、ブリスタ受容開口部30の周縁は、ベースパネル12に配置されたゲート40群の外周縁よりわずかに大きい。) エ「 [図:0001400322000003.jpg] [図:0001400322000004.jpg] [図:0001400322000005.jpg] [図:0001400322000006.jpg] 」 (2-3)本願の出願日前における周知技術の例として示す特開平2-257960号公報(以下「引用文献3」という。)には、図面とともに次の記載がある。 ア「第6図にもどって警報装置1を説明すると、警報装置1は蝶番16で開閉可能な支持台17と枠体18とから成り…」(第4ページ右上欄第18-20行) イ「枠体18は中央に大きな開口18aが設けられ…」(第4ページ左下欄第15-16行) ウ「 [図:0001400322000007.jpg] 」 (2-4)上記(2-2)、(2-3)の記載を踏まえると、次の技術事項は、本願の出願日前に周知の技術といえる。 「ブリスタパックを受け入れるよう構成され、ベース部材と、ベース部材に折り曲げ回動可能に連結されたカバー部材とからなる容器において、カバー部材に、ブリスタパック上に並んで配置された複数の収容部の全体を囲むように形成された開口を設ける技術。」 (3)対比・判断 本件補正発明と引用発明1とを対比する。 引用発明1の「PTP包装シート1」は、その作用及び構造から、本件補正発明の「ブリスタパック」に相当し、以下同様に、「収納凸部1a1」は「収容部」に、「容器本体2」は「ベース」に、「蓋体3」は「カバー」に、それぞれ相当する。 そして、引用発明1の「内容物を内側に収納する複数の収納凸部1a1を備えたPTP包装シート1」は、本件補正発明の「内容物を収容するための」「複数の」「収容部を有するブリスタパック」に相当し、したがって、「内容物を内側に収納する複数の収納凸部1a1を備えたPTP包装シート1の収納ケース」は、「内容物を収容するための」「複数の」「収容部を有するブリスタパックを保持可能なホルダ」に相当する。 引用発明1の「複数の収納凸部1a1が」「PTP包装シート1」「の上に並んで配置されている」点は、本件補正発明の「複数の前記収容部は前記ブリスタパック上に並んで配置されて」いる点に相当する。 引用発明1は、「台座5により、PTP包装シート1の収納凸部1a1に合わせて設けられた2列の溝部6が区画されている」ものであるところ、上記(2-1)エの記載を踏まえれば、引用発明1のE字状の台座5の「中央の長尺部分」が、容器本体2の収納空間を2列の溝部6に区画している。そうすると、引用発明1の上記「板状の形状を有して」いる「中央の長尺部分」が本件補正発明の「板状の形状を有するリブ」に相当し、引用発明1の上記「中央の長尺部分」によって「区画」される「容器本体2」の「2列の溝部6」が、本件補正発明の「前記リブによって互いに仕切られた」、「ベース」の「第1空間及び第2空間」に相当する。 そして、引用発明1の「E字状の台座5の中央の長尺部分が容器本体2の底壁2bから突出して」いる点は、本件補正発明の「前記リブは、前記ベースの底から突出して」いる点に相当する。 さらに、引用発明1は、2列の溝部6の各々が「PTP包装シート1の収納凸部1a1に合わせて設けられ」ており、各列の溝部6に対応するそれぞれの収納凸部1a1の領域を、複数の収納凸部1a1における「第1領域」及び「第1領域と並ぶ第2領域」と表現することができる。このことを踏まえると、引用発明1の複数の収納凸部1a1が「第1領域」と「第1領域と並ぶ第2領域」とに分けられている点は、本件補正発明の「前記複数の収容部は、第1領域及び前記第1領域と並ぶ第2領域に分けられて」いる点に相当する。 そして、上記(2-1)エを踏まえると、引用発明1のPTP包装シート1が、第1領域が2列の溝部6の一方と重なり、第2領域がその他方と重なるように配置可能となっている点は、本件補正発明の「前記ブリスタパックは、前記第1領域が前記第1空間と重なり、前記第2領域が前記第2空間と重なるように配置可能であ」る点に相当する。 また、引用発明1の「蓋体3」が、「容器本体2の短辺2a1にヒンジ3aを介して揺動可能に一体連結し、容器本体2の収納空間を閉じることができる」点は、本件補正発明の「前記カバーは、前記ベースの端縁と連結しており、前記ベースに対して開閉可能になって」いる点に相当する。 また、引用発明1の、「容器本体2」「にPTP包装シート1を配置」して、その「収納空間を」蓋体3によって「閉じる」構造は、本件補正発明の「前記カバーは、前記ブリスタパックが前記ベースと前記カバーの間に配置され」る構造に相当する。 さらに、引用発明1の「複数の窓孔4」と本件補正発明の「第1開口」とは、カバーに設けられる開口である限りで一致する。 そして、本件補正発明の「前記カバーは、」「前記第1開口が前記収容部と重なるように、前記ベースに取り付け可能である」点と、引用発明1の「収納凸部1a1に対応して複数の窓孔が設けられて」いる点とは、カバーが、その開口が収容部と重なるように、ベースに取付け可能である限りで一致する。 そうすると、両者は、 「内容物を収容するための収容部を有するブリスタパックを保持可能なホルダであって、 複数の前記収容部は前記ブリスタパック上に並んで配置されており、 前記複数の収容部は、第1領域及び前記第1領域と並ぶ第2領域に分けられており、 板状の形状を有するリブ、並びに前記リブによって互いに仕切られた第1空間及び第2空間を有するベースと、 開口を有するカバーと、 を含み、 前記リブは、前記ベースの底から突出しており、 前記カバーは、前記ベースの端縁と連結しており、前記ベースに対して開閉可能になっており、 前記ブリスタパックは、前記第1領域が前記第1空間と重なり、前記第2領域が前記第2空間と重なるように配置可能であり、 前記カバーは、前記ブリスタパックが前記ベースと前記カバーの間に配置され、かつ前記開口が前記収容部と重なるように、前記ベースに取り付け可能である、ホルダ。」 である点で一致し、次の点で相違する。 [相違点] カバーに開口が設けられ、該カバーが、当該開口が収容部と重なるように、ベースに取付け可能である点に関して、本件補正発明では、開口は「第1開口」であり、「前記第1開口は、前記第1領域及び前記第2領域を含む前記複数の収容部の全体を囲うように形成されて」いるのに対し、引用発明1では、開口は「複数の窓孔4」であり、「収納凸部1a1に対応して複数の窓孔4が設けられて」いる点。 上記相違点について検討する。 引用発明1は、「蓋体3に、PTP包装シート1の収納凸部1a1に対応して複数の窓孔4が設けられて」いるところ、このように収納凸部1a1と窓孔4とがそれぞれ対応して設けられる構造は、上記(2-1)ウを参照すると、PTP包装シート1を収納ケース内に配置した状態で、該収納凸部1a1をそれぞれ少なくとも面一状態で窓孔4から露出させ、そこを通して該収納凸部1a1を押圧することによりPTP包装シート1からの内容物の取り出しを可能とするためのものである。 そして、上記(2-4)のとおり、ブリスタパックを受け入れるよう構成され、ベース部材と、ベース部材に折り曲げ回動可能に連結されたカバー部材とからなる容器において、カバー部材に、ブリスタパック上に並んで配置された複数の収容部の全体を囲むように形成された開口を設ける技術が本願の出願日前に周知であり、当該周知の技術も、収容部を開口から露出させ、そこを通して該収容部を押圧することによりブリスタパックの内容物の取り出しを可能とするものであることから、引用発明1に当該周知技術を適用して、本件補正発明に係る上記相違点の事項とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 (4)効果の検討 そして、本件補正発明の奏する効果は、引用発明1及び上記周知技術の奏する効果から当業者が予測し得る範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 (5)小活 したがって、本件補正発明は、引用発明1及び上記周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 3 むすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~3に係る発明は、令和 4年 5月23日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2の[理由]1の(2)に記載されたとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、本願発明は、引用文献2に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、という理由を含むものである。 3 引用文献及び引用発明2 上記引用文献2には、上記第2の[理由]2(2-2)ア~エの事項が記載されている。 また、次の事項が認定される。 オ 図4から、ブリスタパック51は、内容物を収容するための複数の収容部がパック上に並んで配置されている点が看取される。 また、図3及び図4から、トップパネル14は、ブリスタパック51がベースパネル12とトップパネル14の間に配置され、かつ、ブリスタパック受容開口部30がブリスタパック51の収容部と重なるように、ベースパネル12に取り付けられている点が看取される。 これらの事項ア~オを総合すると、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているといえる。 「ブリスタパック51の形態をした主パッケージを受け入れるよう構成された内側スライドカードの形態である、副パッケージの形態をしたブランク10であって、 ブリスタパック51は、内容物を収容するための複数の収容部がパック上に並んで配置されており、 ベースパネル12と、折目線16に沿ってベースパネル12に折り曲げ可能に取り付けられたトップパネル14とを備え、 トップパネル14はさらに、ブリスタパック受容開口部30を有し、 受容開口部30の周縁は、対向する側縁部32a、32bと、端縁部34と、挿入縁部36とで規定され、概ねトップパネル14の周縁と同じ形状であり、 ブリスタパック受容開口部30の周縁は、ベースパネル12に配置されたゲート40群の外周縁よりわずかに大きく、 トップパネル14は、ブリスタパック51がベースパネル12とトップパネル14の間に配置され、かつ、ブリスタパック受容開口部30がブリスタパック51の収容部と重なるように、ベースパネル12に取り付けられている、 ブランク10。」 4 対比・判断 本願発明と引用発明2とを対比する。 引用発明2の「ブランク10」は、その作用及び構造から、本願発明の「ホルダ」に相当し、以下同様に、「ベースパネル12」は「ベース」に、「トップパネル14」は「カバー」に、トップパネル14が有する「ブリスタパック受容開口部30」はカバーが有する「第1開口」に、それぞれ相当する。 引用発明2の「内容物を収容するための複数の収容部がパック上に並んで配置されて」いる「ブリスタパック51」は、本願発明の「内容物を収容するための収容部を有」し、「複数の前記収容部」がその「上に並んで配置されて」いる「ブリスタパック」に相当する。 そして、引用発明2の「ブリスタパックの形態をした主パッケージを受け入れるよう構成された」「ブランク10」は、本願発明の「ブリスタパックを保持可能なホルダ」に相当する。 引用発明2の「受容開口部30の周縁は、対向する側縁部32a、32bと、端縁部34と、挿入縁部36とで規定され、概ねトップパネル14の周縁と同じ形状であり、ブリスタパック受容開口部30の周縁は、ベースパネル12に配置されたゲート40群の外周縁よりわずかに大き」い点は、上記第2の[理由]2(2-2)エを参照すると、ベースパネル12に配置された各ゲート40がブリスタパック51の各収容部に位置合わせされていることが明らかであるから、本願発明の「前記第1開口は、前記複数の収容部の全体を囲うように形成されて」いる点に相当する。 引用発明2の「トップパネル14は、ブリスタパック51がベースパネル12とトップパネル14の間に配置され、かつ、ブリスタパック受容開口部30がブリスタパック51の収容部と重なるように、ベースパネル12に取り付けられている」点は、本願発明の「前記カバーは、前記ブリスタパックが前記ベースと前記カバーの間に配置され、かつ前記第1開口が前記収容部と重なるように、前記ベースに取り付け可能である」点に相当する。 そうすると、両者は、 「内容物を収容するための収容部を有するブリスタパックを保持可能なホルダであって、 複数の前記収容部は前記ブリスタパック上に並んで配置されており、 ベースと、 第1開口を有するカバーと、 を含み、 前記第1開口は、前記複数の収容部の全体を囲うように形成されており、 前記カバーは、前記ブリスタパックが前記ベースと前記カバーの間に配置され、かつ前記第1開口が前記収容部と重なるように、前記ベースに取り付け可能である、ホルダ。」 である点で一致し、両者の間に相違する点はない。 よって、本願発明は、引用発明2である。 5 小活 本願発明は、引用発明2であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-018446

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