商標拒絶査定不服審判
2022-014879
プリママタニティホスピタル、マタニティホスピタルプリマ、プリマ、プリマジョサンイン
- 審判番号
- 2022-014879
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-110330
- 請求日
- 2022年09月21日
- 審決日
- 2023年06月01日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】プリマ助産院合同会社
- 【請求人代理人】奥山 裕治
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .261-Z (W44) / T18 .262-Z (W44) / T18 .263-Z (W44)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-110330拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年9月6日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 4月15日付け:拒絶理由通知書
令和4年 5月30日付け:意見書
令和4年 6月15日付け:拒絶査定
令和4年 9月21日付け:審判請求書、手続補正書
第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第43類及び第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定役務については、上記第1の手続補正により、第44類「助産,母乳及び授乳に関する相談・指導・助言及び情報の提供,妊産褥婦・新生児・乳幼児及びその母親を対象とした医療・栄養・健康管理に関する相談・指導・助言及び情報の提供,健康診断,医療看護,医療補助,介護,訪問による介護,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,整体,はり治療,代替医療による治療,セラピー,妊産褥婦・新生児・乳幼児及びその母親を対象とした医療用機械器具の貸与」に補正されたものである。
第3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第4868721号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:プリマ(標準文字)
登録出願日:平成16年 7月30日
設定登録日:平成17年 6月 3日
更新登録日:平成27年 6月 2日
指定役務:第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用食器乾燥機の貸与,業務用食器洗浄機の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,タオルの貸与」
2 登録第4971446号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:プリマ(標準文字)
登録出願日:平成17年 7月20日
設定登録日:平成18年 7月21日
更新登録日:平成28年 6月21日
指定商品及び指定役務:第4類、第11類、第14類、第21類、第24類、第25類、第26類、第28類、第30類、第31類、第32類、第33類、第41類、第42類、第44類及び第45類に属する別掲2のとおりの商品及び役務
なお、指定商品及び指定役務は、商標登録の一部取消し審判により、第31類「種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽」について取り消すべき旨の審決がされ、令和3年11月30日にその確定審決の登録がなされた。
以下、これらの登録商標をまとめて「引用商標」という。
第4 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標から、「PRIMA」及び「プリマ」の文字部分を抽出した上で、本願商標は引用商標と同一又は類似であって、その指定役務と同一又は類似の商品又は役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第5 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、上段に濃いピンク色で顕著に大きく「PRIMA」(頭文字の「P」が他の文字の2倍ほど大きく表されている。)の文字を配し、そのうち「RIMA」の文字の上部に、薄いピンク色で小さく「MATERNITY」及び「HOSPITAL」の文字を上下二段書きしてなり、これら文字部分の右側に、濃いピンク色及び薄いピンク色にて2重で表されたハート内にベビーカーと思わしき図形を配してなり、それら文字部分及び図形部分の下段に濃いピンク色で「プリマ助産院」の文字を横書きしてなるものである。
そして、本願商標を構成する文字部分と図形部分とは、いずれも重なることなく間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることに加え、観念的な関連性も見いだすことはできないから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く、文字部分と図形部分とは、それぞれ自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
また、上段に薄いピンク色で小さく上下二段書きされた「MATERNITY HOSPITAL」の文字部分は、「産院」(「ジーニアス英和辞典第5版」株式会社大修館書店)を意味する語であるから、本願指定役務中「助産,母乳及び授乳に関する相談・指導・助言及び情報の提供,妊産褥婦・新生児・乳幼児及びその母親を対象とした医療・栄養・健康管理に関する相談・指導・助言及び情報の提供,健康診断,医療看護,医療補助,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,整体,はり治療,代替医療による治療,セラピー,妊産褥婦・新生児・乳幼児及びその母親を対象とした医療用機械器具の貸与」との関係においては、役務の提供場所、役務の質等を表したものと理解、認識されるとみるのが相当であって、それ自体、自他役務の識別標識としての機能を有しないか又は極めて弱いものといえる。
そうすると、本願商標は、その指定役務との関係において、その構成中、上段に濃いピンク色で顕著に大きく表され、出所識別標識としての機能を果たす「PRIMA」の文字部分が強く印象付けられるものである。
してみれば、本願商標は、独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得る「PRIMA」の文字部分を分離、抽出し、他人の商標と比較することが許されるものである。
また、下段に濃いピンク色で横書きされた「プリマ助産院」のうち、「助産院」の文字部分は、「助産師が運営する、出産のための施設。」(「大辞泉第二版」株式会社小学館)を意味する語であり、本願指定役務中「助産,母乳及び授乳に関する相談・指導・助言及び情報の提供,妊産褥婦・新生児・乳幼児及びその母親を対象とした医療・栄養・健康管理に関する相談・指導・助言及び情報の提供,健康診断,医療看護,医療補助,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,整体,はり治療,代替医療による治療,セラピー,妊産褥婦・新生児・乳幼児及びその母親を対象とした医療用機械器具の貸与」との関係においては、役務の提供場所、役務の質等を表したものと理解、認識されるとみるのが相当であって、それ自体、自他役務の識別標識としての機能を有しないか又は極めて弱いものといえる。
そうすると、本願商標は、その指定役務との関係において、その構成中、下段に濃いピンク色で明瞭に表され、出所識別標識としての機能を果たす「プリマ」の文字部分が強く印象付けられるものである。
してみれば、本願商標は、独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得る「PRIMA」及び「プリマ」の文字部分を分離、抽出し、他人の商標と比較することが許されるものである。
したがって、本願商標は、その構成中の「PRIMA」及び「プリマ」の文字部分に相応して、「プリマ」の称呼を生じ、「プリマドンナ・プリマバレリーナの略」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)ほどの観念が生じるものである。
(2)引用商標2について
引用商標2は、「プリマ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して、「プリマ」の称呼を生じ、上記(1)と同様に、「プリマドンナ・プリマバレリーナの略」ほどの観念が生じるものである。
(3)本願商標と引用商標2との類否について
本願商標と引用商標2とは、それぞれ上記(1)並びに上記(2)のとおりの構成からなるところ、本願商標の構成中の「プリマ」の文字部分と引用商標2の「プリマ」の文字は、色彩や書体等が異なるものの、同じ片仮名で表され、それぞれの構成中の片仮名3文字全てが、同じ綴りの文字からなるものであり、両者は外観上、類似するというのが相当である。
また、本願商標の構成中「PRIMA」の文字部分と、引用商標2の「プリマ」の文字とを比較すると、外観においては、文字種が異なるものの、商標の構成文字を同一の称呼を生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記したり,デザイン化したりすることが一般に行われている取引の実情があることに鑑みれば,両商標の外観上の相違は、格別異なった印象を与えるものとはいえないものである。
そして、両者は「プリマ」の称呼及び「プリマドンナ・プリマバレリーナの略」の観念を共通にするものである。
してみれば、本願商標と引用商標2とは、外観において近似した印象を与えるか、又は相違するものの、その相違は格別異なった印象を与えず、称呼及び観念を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合勘案すれば、両者は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
(4)本願商標の指定役務と引用商標2の指定役務との類否について
本願商標の指定役務中、第44類「助産,母乳及び授乳に関する相談・指導・助言及び情報の提供,妊産褥婦・新生児・乳幼児及びその母親を対象とした医療・栄養・健康管理に関する相談・指導・助言及び情報の提供,健康診断,医療看護,医療補助,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,整体,はり治療,代替医療による治療,セラピー,妊産褥婦・新生児・乳幼児及びその母親を対象とした医療用機械器具の貸与」は、引用商標2の指定役務中、第44類「あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,健康管理に関する指導及び情報の提供,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,医療用機械器具の貸与」と類似の役務である。
(5)小括
以上より、本願商標は、引用商標2と類似する商標であり、かつ、その指定役務も引用商標2の指定役務と類似の役務であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標の構成中「プリマ助産院」の文字部分について、「第一の」等の意味を有する「プリマ」の文字もまた、指定役務との関係において格別に自他商品識別力が高いとはいい難く、本願商標の指定役務と同一又は類似する役務について頻繁に使われている事実があり、「プリマ」の文字は、本願指定役務と同一又は類似する役務との関係において、自他商品等識別力が極めて弱い文字であり、「プリマ」の語と「助産院」の語の文字は、自他商品識別力の軽重においても格別の差異はないため、「助産院」を、捨象すべき合理的な理由はない旨主張する。
しかしながら、上記1(1)のとおり、「プリマ」の文字部分からは、「プリマドンナ・プリマバレリーナの略」ほどの観念が生じるものであり、また、「プリマ」の文字を含む登録例があることをもって、「プリマ」の文字部分が、本願指定役務と同一又は類似する役務との関係において、自他役務識別力が極めて弱い文字であるということはできないものである。
そして、本願商標の構成中「助産院」の文字部分は、「助産師が運営する、出産のための施設。」を表す語であり、当該文字部分は、本願指定役務中「助産,母乳及び授乳に関する相談・指導・助言及び情報の提供,妊産褥婦・新生児・乳幼児及びその母親を対象とした医療・栄養・健康管理に関する相談・指導・助言及び情報の提供,健康診断,医療看護,医療補助,代替医療による治療,セラピー,妊産褥婦・新生児・乳幼児及びその母親を対象とした医療用機械器具の貸与」との関係においては、役務の提供場所、役務の質等を表したものと理解、認識されるとみるのが相当であって、それ自体、自他役務の識別標識としての機能を有しないか又は極めて弱いというべきであるから、本願商標より「PRIMA」又は「プリマ」の文字部分が取引者、需要者に対し、役務の出所標識として強く支配的な印象を与えるものといえ、当該文字部分を要部として取り出し、これと引用商標とを比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
(2)請求人は、他の登録例、審決例を挙げて、本願商標と引用商標とは非類似の商標である旨を主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、それらの登録例、審決例は、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標2の類否については、上記1(3)においてした判断のとおりであるから、それらの登録例をもってその判断が左右されることはない。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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