商標拒絶査定不服審判
2022-014540
タイムカプセルストックオプション、タイムカプセル、ストックオプション、ストック、オプション
- 審判番号
- 2022-014540
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-134433
- 請求日
- 2022年09月14日
- 審決日
- 2023年10月26日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】SOICO株式会社
- 【請求人代理人】成川 弘樹
- 【請求人代理人】大崎 絵美
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 山根 まり子
- 分類
- T18 .261-Z (W3536) / T18 .262-Z (W3536) / T18 .263-Z (W3536)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-134433拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年10月28日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年4月18日付け:拒絶理由通知書
令和4年6月6日付け:意見書
令和4年6月9日付け:拒絶査定
令和4年9月14日付け:審判請求書
令和5年7月31日付け:審尋
第2 本願商標
本願商標は、「タイムカプセルストックオプション」の文字を標準文字で表してなり、第35類及び第36類に属する別掲1のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものである。
第3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5016264号商標(以下「引用商標」という。)は、「タイムカプセル」の文字を標準文字で表してなり、平成18年6月26日に登録出願、第36類「有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,有価証券先渡取引,商品市場における先物取引の受託」を指定役務として、同19年1月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
第4 当審の判断
1 本願商標について
本願商標は、「タイムカプセルストックオプション」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ストックオプション」の文字は、「会社への帰属意識を高めることを目的として、経営者や従業員に自社株を一定価格で購入する権利を与える制度。」(広辞苑第七版(株式会社岩波書店)ストックオプション【stock option】の項参照)の意味を有する語であり、株取引の一類型を表す語である。
そして、本願の指定役務は、例えば、「ストックオプションの評価,有価証券に関する相談・助言及び情報の提供,有価証券の発行,有価証券等管理業務,有価証券の売買,有価証券等清算取次ぎ」などであるから、それらの「ストックオプションや株取引に関係する役務」(別掲2の指定役務)との関係において、その役務の質等を認識させるものであって、役務の出所識別標識としての機能がないか、又は希薄な部分と認識されるものと認められるものである。
また、構成中の「タイムカプセル」の文字は、「現今の文書・物品などを収納し、将来の発掘を期待して埋める容器。」(前掲書 タイムカプセル【time capsule】の項参照)の意味を有する語であり、その指定役務との関係においては、役務の質等を認識させる語とはいえず、自他役務の識別標識としての機能を有するものである。
そうすると、本願商標は、その構成中、「タイムカプセル」の文字部分が取引者、需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であり、「タイムカプセル」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較することが許されるものであるから、当該文字部分が独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。
したがって、本願商標は、その全体のほか、その要部である「タイムカプセル」の文字部分に相応して「タイムカプセル」の称呼及び「現今の文書・物品などを収納し、将来の発掘を期待して埋める容器。」程度の観念をも生じるものというのが相当である。
2 引用商標について
引用商標は、「タイムカプセル」の文字を標準文字で表してなり、「タイムカプセル」の称呼及び「現今の文書・物品などを収納し、将来の発掘を期待して埋める容器。」程度の観念を生じるものというのが相当である。
3 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標の類否について検討すると、外観において、全体としては相違するものの、本願商標の要部である「タイムカプセル」の文字部分と引用商標とは、いずれも標準文字からなり、構成文字を同じくするものであり、「タイムカプセル」の称呼及び「現今の文書・物品などを収納し、将来の発掘を期待して埋める容器。」程度の観念を共通にするものであるから、本願商標と引用商標は、互いに類似する商標というべきである。
4 本願の指定役務と引用商標の指定役務との類否について
本願の第36類の指定役務中、別掲2の指定役務と、引用商標の指定役務は、同一又は類似の役務である。
5 小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
6 請求人の主張について
(1)請求人は、(ア)「ストックオプション」の語は、制度又は権利の名称であり、別掲2の指定役務の普通名称ではなく、需要者等に容易に役務の内容を理解させるものではなく直ちに識別性を欠くともいえない、(イ)「ストックオプション」の文字は、「有償ストックオプション」や「信託型ストックオプション」等のように語頭に他の語を冠することで一つの用語を形成することが多いから、本願商標は一体に認識されるのが自然である、(ウ)「タイムカプセル」の語は、年月が経つことで価値が高まるという性質になぞらえて、長期間保有する金融商品について比喩的に用いられがちであるから、前記役務との関係で識別力が弱いものである等を述べ、本願商標において「タイムカプセル」の文字部分のみを独立して認識するような特段の事情はなく、本願商標と引用商標とは非類似である旨主張している。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標の構成中「ストックオプション」の文字は株取引の一類型を表す語であり、別掲2の指定役務との関係において、その役務の質等を認識させるものであって、役務の出所識別標識としての機能がないか、又は希薄な部分と認識されるものであり、また、「タイムカプセル」の文字は、仮に、長期間保有する金融商品について比喩として用いられる場合があるとしても、その指定役務との関係において、役務の質等(内容)を端的に表す語として、一般的に認識されていると認めるに足りる事情は見いだせず、その他、本願商標の構成中「タイムカプセル」の文字部分が、自他役務を識別する機能を果たし得ないとみるべき事情は認められない。
また、仮に、「〇〇ストックオプション」のように語頭に他の語を冠し用いられていることが多いとしても、前記事情を踏まえると、そのことによって、本願商標が、常に一体としてのみ把握されるものであると認めることはできない。
(2)請求人は、他の登録例を挙げて、本願商標と引用商標とは非類似の商標である旨主張している。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、それらの登録例は、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標の類否については、上記5においてした判断のとおりであるから、それらの登録例や審決例をもってその判断が左右されることはない。
(3)したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
7 むすび
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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