商標拒絶査定不服審判
2022-014386
ジェイエスエフ、ジャパンスケーティングフェデレーション、ジャパンスケーティング、スケーティングフェデレーション、スケーティング
- 審判番号
- 2022-014386
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-105679
- 請求日
- 2022年09月12日
- 審決日
- 2023年05月31日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】公益財団法人日本スケート連盟
- 【請求人代理人】柴田 昭夫
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .261-Z (W09141625262835) / T18 .262-Z (W09141625262835) / T18 .263-Z (W09141625262835)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-105679拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年8月25日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 1月17日付け:拒絶理由通知書
令和4年 5月 9日受付:意見書
令和4年 6月 8日付け:拒絶査定
令和4年 9月12日付け:審判請求書、手続補正書
第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類、第14類、第16類、第25類、第26類、第28類、第35類及び第41類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、上記第1の手続補正により、第9類、第14類、第16類、第25類、第26類、第28類及び第35類に属する別掲2のとおりの指定商品及び指定役務に補正されたものである。
第3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第5749520号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:平成26年 9月21日
設定登録日:平成27年 3月13日
指定商品及び指定役務:第9類、第35類、第37類及び第42類に属する別掲4のとおりの商品及び役務
2 登録第5882168号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「JSF」(標準文字)
登録出願日:平成27年 8月19日
設定登録日:平成28年 9月16日
指定商品及び指定役務:第9類、第11類、第12類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類、第25類、第26類、第27類、第28類、第35類、第36類、第37類及び第42類に属する別掲5のとおりの商品及び役務
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、8つの茶色の四辺形を組み合わせてなる図形を左側に配し、右側上部に太字で大きく「JSF」の文字を配し、右側下部に上部に比べ小さく三段書きされた「JAPAN」、「SKATING」及び「FEDERATION」の文字を配してなるものである。
そして、本願商標を構成する図形部分と文字部分とは、いずれも重なることなく間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることに加え、観念的な関連性も見いだすことはできないから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く、図形部分と文字部分とは、それぞれ独立して、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
また、「JSF」の文字部分は、下部の文字部分と比べ太字で大きく表され、看者に強い印象を与えるものであるから、これらは、視覚上分離して看取されるものといえる。
さらに、「JSF」の文字部分と、「JAPAN」、「SKATING」及び「FEDERATION」の文字部分とを一連に称呼したときに生じる「ジェイエスエフジャパンスケーティングフェデレーション」の称呼は、冗長である。
加えて、本願商標の構成中、右側上部の「JSF」の文字部分は、右側下部の「JAPAN」、「SKATING」及び「FEDERATION」の各単語の頭文字であると理解されるとしても、これらの文字全体が既成の語として特定の観念を生じる等の事情も認められないことから、これらを常に一体不可分のものとして認識しなければならない理由は見いだせない。
してみれば、本願商標は、その構成中の「JSF」の文字部分のみを分離抽出し、これが本願商標の自他商品及び自他役務の識別標識を表示する要部として認識され、この部分のみを引用商標と比較することが許されるというべきであり、当該文字に相応して「ジェイエスエフ」の称呼を生じ、当該文字は辞書等に載録されている既成の語ではなく、本願商標の指定商品及び指定役務との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるともいい難いから、造語として看取されるものである。
したがって、本願商標からは、「ジェイエスエフ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1について
引用商標1は、別掲3のとおり、上部にオレンジ色と赤色のグラデーションからなる円図形内に白抜きの幾何学的図形を組み合わせた図形を配し、その下部に大きく表した「JSF」の文字を配した構成よりなるものである。
そして、引用商標1を構成する図形部分と文字部分とは、いずれも重なることなく間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることに加え、観念的な関連性も見いだすことはできないから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く、図形部分と文字部分とは、それぞれ独立して、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
そうすると、引用商標1は、その構成中の要部の一つである「JSF」の文字部分に相応して、「ジェイエスエフ」の称呼が生じ、当該文字は辞書等に載録されている既成の語ではなく、引用商標1の指定商品及び指定役務との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるともいい難いから、造語として看取されるものである。
したがって、引用商標1からは、「ジェイエスエフ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標2について
引用商標2は、「JSF」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「ジェイエスエフ」の称呼を生じ、当該文字は辞書等に載録されている既成の語ではなく、引用商標2の指定商品及び指定役務との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるともいい難いから、造語として看取されるものである。
したがって、引用商標2からは、「ジェイエスエフ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標を比較すると、外観について、両商標は、全体としては相違するものの、本願商標の要部である「JSF」の文字部分と、引用商標1の要部である「JSF」の文字部分及び引用商標2の「JSF」の文字は、文字の書体や太さの相違があるとしても、それぞれの構成中の欧文字3文字全てが、同じ綴りの文字からなるものであり、両者は外観上、近似した印象を与えるというのが相当である。
そして、称呼については、両者は「ジェイエスエフ」の称呼を共通にするものである。
また、観念については、両者はいずれも特定の観念が生じないから比較することができない。
したがって、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、「ジェイエスエフ」の称呼を共通にし、外観上近似した印象を与えるため、これらの外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合勘案すれば、両者は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
(4)本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務の類否について
本願商標の指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似の商品及び役務である。
(5)小括
以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品及び指定役務も引用商標に係る指定商品及び指定役務と同一又は類似の商品及び役務であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標は、図形部分と2つの文字部分である「JSF」の文字部分及び「JAPAN/SKATING/FEDERATION」の文字部分とを組み合わせたまとまりのある構成をもって、既に取引者、需要者間に広く知られた商標になっており、「JSF」の文字単独で使用されている実情にはない旨主張するとともに、甲第5号証ないし甲第8号証及び甲第10号証(枝番を含む。)ないし甲第18号証を提出している。
しかしながら、本願商標は、上記1(1)のとおり、その構成中の「JSF」の文字部分のみを分離抽出し、これが本願商標の自他商品及び自他役務の識別標識を表示する要部として認識され、この部分のみを引用商標と比較することが許されるというべきである。
なお、請求人の提出に係る証拠によれば、本願商標と実質的に同一の態様以外にも、本願商標の構成要素の一部が使用されていることが認められ、本願商標が、常に一体のものとして請求人の出所識別標識として認識されているとはいえないものであり、本願商標については、上記1(1)のとおり判断するのが相当である。
(2)請求人は、他の審決例を挙げて、本願商標と引用商標とは非類似の商標であると判断されるべき旨を主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、それらの審決例は、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標については、上記1(3)においてした判断のとおりであるから、それらの登録例をもってその判断が左右されることはない。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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