商標拒絶査定不服審判
2022-009520
ジェイエスエイエスイチゼロゼロサン、ジェイエスエイエスセンサン、ジェイエスエイ
- 審判番号
- 2022-009520
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-111579
- 請求日
- 2022年06月21日
- 審決日
- 2023年03月16日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】一般財団法人保険代理店サービス品質管理機構
- 【請求人代理人】山元 真人
- 審判長/審判官
- 審判長 岩崎 安子
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 茂木 祐輔
- 分類
- T18 .261-Z (W0916354142) / T18 .262-Z (W0916354142) / T18 .263-Z (W0916354142)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-111579拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年2月15日に登録出願された商願2021-17742に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同年9月8日に登録出願されたものでされたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年11月22日 :上申書の提出
令和3年11月29日付け:拒絶理由通知書
令和4年 1月11日 :意見書の提出
令和4年 3月10日付け:拒絶査定
令和4年 6月21日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「JSA-S1003」の文字等を標準文字で表してなり、第9類、第16類、第35類、第41類及び第42類に属する別掲1に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続している。
(1)登録第5812717号(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成27年3月20日
設定登録日:平成27年12月11日
指定商品及び指定役務:第9類、第16類、第41類、第42類及び第44類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務(別掲3)
(2)登録第5821745号(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲4のとおり
登録出願日:平成27年6月19日
設定登録日:平成28年1月22日
指定役務:第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務(別掲5)
以下、引用商標1と引用商標2をまとめていうときは、「引用商標」という。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、「JSA-S1003」の文字等を標準文字で表してなるところ、その構成中、「JSA」の欧文字と「S1003」の欧文字及び数字との間には、「-(ハイフン)」が配されており、これにより両文字等が視覚上分離して看取されるものである。
また、本願商標構成中の「JSA」の文字は、様々な組織や団体等の略称として用いられており、ただちに特定の意味合いを理解させる語とはいえないものである。他方、構成中の「S1003」の文字は、欧文字と数字の組合せでしかなく、特定の意味合いを有するものでもない。これらからすると、「JSA」の文字と「S1003」の文字等は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上の繋がりがあるとはいえないものである。
さらに、本願商標の全体から生じる「ジェイエスエイエスイチゼロゼロサン」又は「ジェイエスエイエスイッセンサン」の称呼は、16音又は14音と極めて冗長である。
そうすると、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際においては、視覚上目につきやすい冒頭の「JSA」の文字部分が、独立して自他商品又は自他役務の識別標識として機能し、取引者、需要者に認識、記憶され得るといえるから、これを要部として抽出し、他人の商標と比較することも許されるというべきである。
したがって、本願商標からは、全体から生じる「ジェイエスエイエスイチゼロゼロサン」又は「ジェイエスエイエスイッセンサン」の称呼のほかに、「JSA」の文字部分に応じて「ジェイエスエイ」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1について
引用商標1は、別掲2のとおり、紺色の盾状図形内に花弁状の図形を白抜きにして表した(以下「図形部分」という。)中央に紺色の「JSA」の欧文字を大きく表し、さらに盾状の図形の下には、当該図形の形状に沿うようにして、紺色で「JAPANESE SOCIETY OF ANESTHESIOLOGISTS」の欧文字を小さく表してなるものである。
そして、「JSA」の文字は、図形部分の中央に、かつ、花弁状の図形の白を背景に紺色で大きく目立つように表されていることから、看者の注意を引きやすいものといえる。
また、「JSA」の文字は、上記アのとおり特定の意味合いを有しないものであって、これと図形部分が結合することで何らかの意味合いを認識させるものではなく、さらに、「JSA」の文字と「JAPANESE SOCIETY OF ANESTHESIOLOGISTS」の文字とを一連に称呼するには冗長である。
そうすると、引用商標1の構成において、顕著に表された「JSA」の文字部分が、看者に対して強く支配的な印象を与えるものであり、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を強く発揮する部分といえるから、これを要部として抽出し、他人の商標と比較することも許されるというべきである。
したがって、引用商標1は、「JSA」の文字部分に応じて「ジェイエスエイ」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。
(イ)引用商標2について
引用商標2は、別掲4のとおり、地球を図案化したとおぼしき青色系統の円形図形内に、「JSA」の文字を中央に大きく白抜きで表してなるところ、「JSA」の文字が円形図形の中央に大きく白抜きで目立つように表されていることから、当該文字部分が看者の注意を引きやすいものといえる。また、「JSA」の文字は、上記アのとおり特定の意味合いを有しないものであって、これと図形部分が結合することで何らかの意味合いを認識させるものではない。
そうすると、引用商標2の構成において、顕著に表された「JSA」の文字部分が、看者に対して強く支配的な印象を与えるものであり、自他役務の識別標識としての機能を強く発揮する部分といえるから、これを要部として抽出し、他人の商標と比較することも許されるというべきである。
したがって、引用商標2は、「JSA」の文字部分に応じて「ジェイエスエイ」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標の要部と引用商標の要部を比較するに、両者は、ともに「JSA」のつづりを共通にするものであるから、本願商標と引用商標は、外観において類似する。
次に、称呼については、本願商標と引用商標は、「ジェイエスエイ」の称呼を共通にするものである。
さらに、観念については、本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観において類似し、称呼を共通にするものであることから、両商標の外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、商品又は役務の出所について誤認混同を生ずるおそれがある類似の商標と判断するのが相当である。
エ 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務の類否について
(ア)本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標1の指定商品及び指定役務の類否について
a 本願商標の指定商品及び指定役務中、第9類「携帯情報端末,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント」は、引用商標1の指定商品及び指定役務中、第9類「電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」と同一又は類似の商品である。
b 本願商標の指定商品及び指定役務中、第16類「紙製包装用容器,紙製のぼり,紙製旗,紙類,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」は、引用商標1の指定商品及び指定役務中、第16類「紙製包装用容器,紙製のぼり,紙製旗,紙類,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」と同一の商品である。
c 本願商標の指定商品及び指定役務中、第35類「印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標1の指定商品及び指定役務中、第9類「電子出版物」及び第16類「印刷物」と類似の役務である。
d 本願商標の指定商品及び指定役務中、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,インターネットを利用して行う映像の提供,映画の上映・制作又は配給,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」は、引用商標1の指定商品及び指定役務中、第41類「麻酔科学に関する知識の教授,麻酔科関連医療に関する知識の教授,麻酔科関連医療に関する資格認定試験の実施,麻酔科関連医療に関する資格の認定及び資格の付与,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授,麻酔科学及び麻酔科関連医療に関する研修会・講習会・研究会又は講演会の企画・運営又は開催,その他のセミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,映画の上映・制作又は配給,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」と同一又は類似の役務である。
e 本願商標の指定商品及び指定役務中、第42類「医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,理化学機械器具の貸与」は、引用商標1の指定商品及び指定役務中、第42類「麻酔科学に関する研究及びその情報の提供,麻酔科関連医療に関する試験・検査又は研究及びその情報の提供,その他の医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,理化学機械器具の貸与」と同一又は類似の役務である。
(イ)本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標2の指定役務の類否について
本願商標の指定商品及び指定役務中、第42類「建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,機械器具に関する試験又は研究」は、引用商標2の指定役務である第42類「顧客との契約に基づいたJIS規格その他の国内規格・ISO9001規格・ISO14001規格その他の国際規格・海外規格に基づく品質マネジメントシステム・環境マネジメントシステム・情報セキュリティマネジメントシステム・労働安全衛生マネジメントシステム・事業継続マネジメントシステム・エネルギーマネジメントシステム・食品安全マネジメントシステム・道路交通安全マネジメントシステム・建築安全マネジメントシステム・アセットマネジメントシステム・財務マネジメントシステム・苦情処理マネジメントシステム・サイバーセキュリティマネジメントシステム・サプライチェーンセキュリティマネジメントシステム・ITサービスマネジメントシステム・農業生産管理工程(GAP)・HACCP及び翻訳並びに学習等のサービスの適合性についての審査登録並びに認証」と類似の役務である。
オ 小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品及び役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、ハイフンが結合の用法としても使用されている例を挙げるなどして、本願商標は一体的な構成であること、日本規格協会とのやり取りの際に「JSA-S」部分を抽出して「ジェイサス」と称呼していることなどから、本願商標から「JSA」の文字部分を分離抽出すべきでない旨主張する。
しかしながら、本願商標は、上記(1)アのとおり、「JSA」の文字が要部として抽出されるものである。
そして本願商標は、その構成中、「JSA-S」の文字部分が、視覚上看者の注意を引きやすいとか、よく知られた既成語であるといった事情は見られないから、強く支配的な印象を与えるものではない。そうすると、本願商標から、「JSA-S」の文字部分が分離抽出されるとは認められず、請求人主張のように「ジェイサス」の称呼は生じないというべきである。
イ 請求人は、過去の判決や審決を挙げて、本願商標と引用商標とも同様に捉えるべき旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるから、構成態様が異なる事例によって、本願商標と引用商標との類否判断が影響を受けるものではない。
ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-009520