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特許拒絶査定不服審判

2022-012767

半導体装置、及びその製造方法

審判番号
2022-012767
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-149059外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年08月15日
審決日
2023年05月02日
公報発行日
2023年07月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .575-Z (H01L) / P18 .537-Z (H01L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法36条6項2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第2号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-149059「半導体装置、及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 2月21日出願公開、特開2019- 29556〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成29年8月1日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和 3年10月18日付け:拒絶理由通知 令和 3年12月17日 :意見書、手続補正書の提出 令和 4年 5月12日付け:拒絶査定(原査定) 令和 4年 8月15日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和4年8月15日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和4年8月15日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) 本件補正は、補正前の、令和3年12月17日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~35を補正して、補正後の請求項1~35とするとともに、明細書の記載を補正するものであり、そのうちの補正前後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のとおりである。(下線は、補正箇所を示すために当審で付した。) (本件補正前) 「【請求項1】 半導体チップと、 前記半導体チップを覆う封止材と、 平面視で前記半導体チップよりも面積が大きい再配線層と、を備え、 前記封止材は、硬化したエポキシ樹脂を含み、 前記再配線層の層間絶縁膜の133W、50Paの条件で3分間処理の酸素プラズマ処理時の処理前後の膜厚を測定することにより算出されるエッチングレートが、0.05ミクロン/分以上であることを特徴とする半導体装置。」 (本件補正後) 「【請求項1】 半導体チップと、 前記半導体チップを覆う封止材と、 平面視で前記半導体チップよりも面積が大きい再配線層と、を備え、 前記封止材は、硬化したエポキシ樹脂を含み、 神港精機社製のEXAM装置を用いて133W、50Paの条件で3分間処理の酸素プラズマ処理時の処理前後の膜厚を測定することにより算出される、前記再配線層の層間絶縁膜のエッチングレートが、0.05ミクロン/分以上であることを特徴とする半導体装置。」 2 本件補正の適否 (1)補正事項 請求項1に関する本件補正の内容は、次のとおりである。 [補正事項1] 補正前の請求項1に記載の「前記再配線層の層間絶縁膜の133W、50Paの条件で3分間処理の酸素プラズマ処理時の処理前後の膜厚を測定することにより算出されるエッチングレート」を、「神港精機社製のEXAM装置を用いて133W、50Paの条件で3分間処理の酸素プラズマ処理時の処理前後の膜厚を測定することにより算出される、前記再配線層の層間絶縁膜のエッチングレート」とすること。 (2)補正の目的の適否について ア 補正事項1について 補正事項1は、補正前の請求項1に記載された発明の発明特定事項である「前記再配線層の層間絶縁膜」の「酸素プラズマ処理」について、「神港精機社製のEXAM装置を用いて」という構成を追加して、「前記再配線層の層間絶縁膜」の「酸素プラズマ処理」を限定する補正であり、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 したがって、補正事項1は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 イ 上記のとおり、本件補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正事項1を含むものであるから、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (3)独立特許要件について 特許法第36条第6項第2号に規定する要件(特許請求の範囲の記載不備)について ア 前記1(本件補正後)に記載のとおり、本件補正後の請求項1には、「神港精機社製のEXAM装置を用いて133W、50Paの条件で3分間処理の酸素プラズマ処理時の処理前後の膜厚を測定することにより算出される、前記再配線層の層間絶縁膜のエッチングレートが、0.05ミクロン/分以上である」と記載されている。 イ 本件補正後の請求項1において、「神港精機社製のEXAM装置を用いて」と特定しているものの、当該装置におけるプラズマ処理の温度が1つに決まっていると認めるに足る証拠はないから、この特定により、プラズマ処理の温度が特定されたということはできない。 また、気体の状態方程式PV=nRT(P:圧力、V:体積、n:気体のモル数、R:気体定数、T:温度)から、反応ガス(酸素ガス)濃度(=n/V)は圧力と温度に依存するといえるところ、仮に、当該装置におけるプラズマ処理を行う空間の容積(V:体積)が分かったとしても、プラズマ処理の温度が特定されたといえないので、反応ガス(酸素ガス)濃度が特定されたということもできない。 そして、本件補正後の請求項1に記載の「神港精機社製のEXAM装置」は、下記の周知例1に記載のとおり、多目的プラズマエッチング装置であって、多目的である以上様々な処理が可能であり、請求項1において、「神港精機社製のEXAM装置」を用いて、「133W、50Paの条件で3分間処理の酸素プラズマ処理」という記載により、電力[W]と圧力[Pa]と処理時間[分]の数値範囲を特定しているが、例えば、プラズマ処理の温度、プラズマモード、反応ガス濃度等によって、プラズマ処理結果が異なることが明らかである。 そうすると、この「神港精機社製のEXAM装置」用いて、「133W、50Paの条件で3分間」の酸素プラズマ処理を行った結果が、常に一定の品質、組成等を確保することが明確であるとはいえない。 周知例1:https://www.shinko-seiki.com/products/187/ https://premium.ipros.jp/shinko-seiki/catalog/detail/503291/ ウ したがって、本件補正発明は、明確ではなく、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないため、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 3 むすび 以上のとおりであるから、補正事項1を含む本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合しないので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和3年12月17日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~35に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(本件補正前)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、C.(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない、というものを含む。 3 判断(理由C.(明確性)について) 前記第2[理由]1(本件補正前)に記載のとおり、本願発明は、「前記再配線層の層間絶縁膜の133W、50Paの条件で3分間処理の酸素プラズマ処理時の処理前後の膜厚を測定することにより算出されるエッチングレート」との発明特定事項を含むものであるところ、「133W、50Paの条件で3分間処理の酸素プラズマ処理」という記載により、電力[W]と圧力[Pa]と処理時間[分]の数値範囲を特定しているが、例えば、プラズマ処理の温度、反応ガス濃度等によって、プラズマ処理結果が異なることが明らかである。 そうすると、「133W、50Paの条件で3分間処理の酸素プラズマ処理」の結果が、常に一定の品質、組成等を確保することが明確であるとはいえない。 したがって、本願発明は、明確ではない。 第4 むすび 以上のとおり、本願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-012767

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