審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2022-012329

遊技機

審判番号
2022-012329
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-183178外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年08月08日
審決日
2023年04月04日
公報発行日
2023年06月30日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .575-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条、特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-183178「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 2月12日出願公開、特開2021- 13761〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 12項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、令和2年10月30日に出願した特許出願(特願2020-183178)であって、本願の出願後の手続の経緯の概略は、次のとおりである。

令和 3年 8月 6日付け:拒絶理由通知書
同年10月13日 :意見書、手続補正書の提出
同年12月14日付け:拒絶理由通知書(最後)
令和 4年 3月 4日 :意見書、手続補正書の提出

同年 4月28日付け:令和4年3月4日の手続補正についての

補正の却下の決定

同日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)

同年 5月17日 :原査定の謄本の送達

同年 8月 8日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 令和4年8月8日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

令和4年8月8日にされた手続補正を却下する。

[理由]

1 本件補正について

令和4年8月8日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、令和3年10月13日にされた手続補正により補正された請求項1の記載を、以下のとおり、本件補正後の請求項1の記載に補正するものである(下線は、補正箇所を明示するために当審合議体が付した。以下同様。)。

(本件補正前:令和3年10月13日にされた手続補正)

「【請求項1】
画像を表示する表示装置と、
遊技者が操作可能な操作部と、を備え、
前記操作部が操作されることに基づいて所定の演出を実行可能な遊技機であって、
前記操作部を模した操作部画像を前記表示装置に表示し、遊技者に対して前記操作部の操作を促す第1演出と、
前記第1演出の後、操作された態様を示す前記操作部画像を前記表示装置に表示した後、前記操作部が操作されたものとして、前記所定の演出を実行する第2演出と、を実行可能であり、
前記第2演出において、前記操作された態様を示す前記操作部画像を前記表示装置に表示する場合、前記操作部画像に示される操作面に対し、移動表示される所定画像が接触し、前記操作面において前記所定画像が移動方向を変える、
ことを特徴とする遊技機。」

(本件補正後:令和4年8月8日にされた手続補正)

「【請求項1】
画像を表示する表示装置と、
遊技者が操作可能な操作部と、を備え、
前記操作部が操作されることに基づいて所定の演出を実行可能な遊技機であって、
前記操作部を模した操作部画像を前記表示装置に表示し、遊技者に対して前記操作部の操作を促す第1演出と、
前記第1演出の後、操作された態様を示す前記操作部画像を前記表示装置に表示する第2演出と、
前記第2演出の後、前記操作部が操作されたものとして実行される所定の演出である第3演出と、を実行可能であり、
前記第2演出において、前記操作された態様を示す前記操作部画像を前記表示装置に表示する場合、前記操作部画像に示される操作面に対し、移動表示される所定画像が接触し、前記操作面において前記所定画像が移動方向を変え、
前記操作部画像は、当たりへの期待度に基づき、その形状については変化しないものの、その表示色については異なる色で表示可能である、
ことを特徴とする遊技機。」

2 補正の適否

(1) 本件補正

本件補正は、本件補正前の請求項1において、「第1演出の後」に実行される、「操作された態様を示す前記操作部画像を前記表示装置に表示した後、前記操作部が操作されたものとして、前記所定の演出を実行する第2演出」について、「操作された態様を示す前記操作部画像を前記表示装置に表示」する「演出」と、その「後」の、「前記操作部が操作されたものとして実行される所定の演出」に分解し、それぞれを「第2演出」、「第3演出」と呼び直して整理するとともに、本件補正前の「第2演出」を分解した一部としての新たな「第2演出」における「操作部画像」について、「当たりへの期待度に基づき、その形状については変化しないものの、その表示色については異なる色で表示可能」であることを限定したものである。

(2) 補正目的

前記(1)のとおり、本件補正は、本件補正前の発明特定事項に限定を加えることを含むものであって、本件補正後の請求項1に係る発明は、本件補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。

(3) 新規事項

本件補正は、願書に最初に添付した明細書の【1529】~【1532】、【1535】、図124の記載からみて、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たす。

3 本件補正発明の独立特許要件についての検討

前記2(2)のとおり、本件補正による特許請求の範囲の請求項1についての補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正であるから、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1) 本件補正発明

本件補正発明を次のとおりのものと認定する(記号A~Fは、分説のため当審合議体が付した。以下、A等を付した事項を「構成A」等という。)。

「【請求項1】
A 画像を表示する表示装置と、
B 遊技者が操作可能な操作部と、を備え、
C 前記操作部が操作されることに基づいて所定の演出を実行可能な遊技機であって、
D1 前記操作部を模した操作部画像を前記表示装置に表示し、遊技者に対して前記操作部の操作を促す第1演出と、
D2 前記第1演出の後、操作された態様を示す前記操作部画像を前記表示装置に表示する第2演出と、
D3 前記第2演出の後、前記操作部が操作されたものとして実行される所定の演出である第3演出と、を実行可能であり、
D4 前記第2演出において、前記操作された態様を示す前記操作部画像を前記表示装置に表示する場合、前記操作部画像に示される操作面に対し、移動表示される所定画像が接触し、前記操作面において前記所定画像が移動方向を変え、
E 前記操作部画像は、当たりへの期待度に基づき、その形状については変化しないものの、その表示色については異なる色で表示可能である、
F ことを特徴とする遊技機。」

(2) 引用文献1

原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、本願出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2019-452号公報(平成31年1月10日出願公開。以下同じく「引用文献1」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている(下線は当審合議体が付した。以下同様。)。

ア 記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)
(ア) 「【0015】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、矩形状の外枠2、この外枠2に開閉可能に枢着された前面枠3及び前扉5を備えている。前面枠3は、額縁状であり開口部に遊技盤4(図3参照)が取付け可能となっている。また、前扉5の中央部にはガラス板6が嵌め込まれており、外部より遊技盤4が視認可能となっている。
(中略)
【0017】
前扉5の下側には前面板9があり、その左端部は、前面枠3に開放可能に枢着されている。前面板9には、発射機構を作動させるための発射ハンドル10、遊技球を貯留する上貯留皿11、下貯留皿12等が設けられている。
【0018】
上貯留皿11の表面部分には、内蔵ランプが点灯したとき操作が有効となる操作ボタン13が設けられている。操作ボタン13は、操作有効期間に遊技者がボタンを操作(押下げ)することにより、演出態様を変化させることができる。また、遊技画面から各種設定を行うメニュー画面に切り替える際にも操作ボタン13を用いる。」
(イ) 「【0032】
次に、図3を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1の遊技盤4について説明する。
(中略)
【0035】
遊技盤4の中央部には開口が形成され、この開口内に液晶表示装置36の表示画面が配置されている。液晶表示装置36は、種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である。」
(ウ) 「【0104】
次に、図8A~図8Cを参照して、ノーマルボタンモードと猫ボタンモードにおけるボタン操作演出の例について説明する。
(中略)
【0109】
続きを表示(全24行)
次に、図8Bは、猫ボタンモード時におけるボタン操作演出の例である。
【0110】
まず、図8B(a)は、ボタン操作演出の操作前の様子を示している。ここでは、操作有効期間を示すメータ65及び操作ボタンマーク13’が表示されている。なお、猫ボタンモード時の操作ボタンマーク13’には肉球マークがあり、ノーマルボタンモード時とは態様が異なっている。
(中略)
【0112】
また、画面右上の領域61には「猫ボタンモードON」の文字が表示され、猫のキャラクタ68が画面右端から出現する。ボタン操作演出が開始されたとき、操作ボタンマーク13’と同時に、その脇に猫のキャラクタ68を出現させてもよい。
(中略)
【0114】
図8B(b)は、遊技者が操作ボタン13を操作せず、メータ65のゲージが半分近く減少したときの様子を示している。ここで、猫のキャラクタ68が操作ボタンマーク13’を操作する。すなわち、猫ボタンモード時には、遊技者が操作ボタン13の操作をしなくても、猫のキャラクタ68が操作有効期間の適当なタイミングで操作ボタンマーク13’を操作する。
(中略)
【0116】
詳細は後述するが、猫のキャラクタ68が操作ボタンマーク13’を操作するタイミングは、少なくとも2種類あることが好ましい。また、猫のキャラクタ68が操作ボタンマーク13’を操作する前であれば、遊技者が自ら操作ボタン13を操作することもできる。その場合、猫のキャラクタ68によるアニメーションが中断又は中止され、猫のキャラクタ68は画面上から消える。
(中略)
【0118】
図8B(c)は、猫のキャラクタ68の操作ボタンマーク13’の操作、又は遊技者の操作ボタン13の操作による結果演出を示している。ここでも写真画像67が出現しているが、その前面を猫群が通過する群予告となっている。装飾図柄58はリーチ変動の態様となっているが、その後、当り又はハズレの態様で停止する。
(中略)
【0123】
猫のキャラクタ68によるアニメーションが実行された後、メータ65、操作ボタンマーク13’及び猫のキャラクタ68の表示を終了させる表示終了タイミングについても、種々の組み合わせが考えられる。
【0124】
例えば、メータ65、操作ボタンマーク13’及び猫のキャラクタ68の全てをほぼ同時にフェードアウトさせてもよいし、メータ65及び操作ボタンマーク13’を先にフェードアウトさせ、その後、猫のキャラクタ68をフェードアウトさせるようにしてもよい。もちろん、その逆の構成としてもよい。」
(エ) 「【0307】
次に、図25を参照して、猫ボタンモード時におけるボタン操作演出の例(5)を説明する。
(中略)
【0309】
図25(b)は、メータ65のゲージが僅かに減少したときの様子を示している。ここでは、猫のキャラクタ68が操作ボタンマーク13’に接近して所定のポーズをとっている。操作ボタンマーク13’の上方には「連打!」の文字が表示されているので、遊技者は、この後に猫のキャラクタ68による連打アクションが実行されると期待する。その後、図25(c)の画面に切り替わる。
【0310】
図25(c)は、さらに時間が経過して、メータ65の残りが少なくなった様子のボタン操作演出の様子を示している。ここで、猫のキャラクタ68は、操作ボタンマーク13’の連打を実行する。具体的には、操作有効期間における操作回数が定められ、操作回数が「あと8回」というようにカウントされる。その後、図25(d)の画面に切り替わる。」

(オ) 図8B「

[図:0001398062000001.jpg]

」

(カ) 図25「

[図:0001398062000002.jpg]

」

イ 引用発明

前記アの記載事項を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(符号a~fは、本件補正発明の分説A~Fに概ね対応させて当審合議体が付したものである。)。

(引用発明)

「a 種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である液晶表示装置36と(【0035】)、
b 操作ボタン13が設けられ(【0018】)、
c 遊技者が操作ボタン13を操作(押下げ)することにより、演出態様を変化させることができるパチンコ遊技機1であって(【0015】、【0018】、【0032】)
d1、d2、d3、d4 猫ボタンモード時におけるボタン操作演出では(【0109】)、ボタン操作演出の操作前に、操作有効期間を示すメータ65及び操作ボタンマーク13’が表示され(【0110】)、猫のキャラクタ68が画面右端から出現し(【0112】)、遊技者が操作ボタン13を操作せず、メータ65のゲージが半分近く減少したとき、遊技者が操作ボタン13の操作をしなくても、猫のキャラクタ68が操作ボタンマーク13’を操作する、猫のキャラクタ68によるアニメーションが実行され(【0114】、【0123】)、猫のキャラクタ68の操作ボタンマーク13’の操作による結果演出として、写真画像67が出現し、その前面を猫群が通過する群予告がなされる(【0118】)、
f パチンコ遊技機1(【0015】、【0032】)。」

(3) 引用文献2について

原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用され、本願出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2020-156856号公報(令和2年10月1日出願公開。以下同じく「引用文献2」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。

ア 記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)
(ア) 「【0140】
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出(単に「変動演出」とも言う)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄は、例えば1~9の数字図柄で構成され、演出図柄の変動表示では、特図の可変表示の開始に伴って演出図柄が変動し、特図の可変表示の終了に伴って演出図柄が停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示(本停止表示)が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
(中略)
続きを表示(全13行)
【0232】
7-2-2.ボタン演出
次に、ボタン演出について図30~図40を用いて説明する。ボタン演出は、特図変動演出において、Nリーチの実行後に実行され得る演出である。このボタン演出の実行後には、発展演出が実行されるときと、発展演出が実行されること無くリーチハズレを示唆する停止態様で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示されるときとがある。そのため、本実施形態のボタン演出は、その後の発展演出の実行の可能性があることを示唆する演出であるといえる。
(中略)
【0263】
7-2-8.ON設定態様の連打ボタン演出
図34および図37には、自動モードが「ON」のときにおける連打ボタン演出、つまりON設定態様の連打ボタン演出を示す。ON設定態様の連打ボタン演出ではまず、ON設定態様の単押ボタン演出と同様、図34に示すボタン画像CG4とキャラ画像CG5とを含む複合画像G140、および、期間表示画像CG2が表示部50aに表示される。但し、ON設定態様の連打ボタン演出では、この複合画像G140は、このON設定態様の連打ボタン演出(ボタン演出)の実行期間の1/4に到達するタイミング(以下「第2のタイミング」ともいう)まで継続して表示される。
【0264】
実行期間が上記第2のタイミングに達したら、複合画像G140から図37(A)および図37(B)に示すボタン画像CG4とキャラ画像CG5とを含む複合画像G143に表示が切り替わる。この複合画像G143のキャラ画像CG5は、ボタン画像CG4をハンマーで繰り返し叩く(押す)動作を示した画像であり、ボタン画像CG4は、特殊キャラクタに叩かれてボタンが繰り返し下方に沈む画像である(図37(A)および図37(B)参照)。」

(イ) 図37「

[図:0001398062000003.jpg]

」

イ 引用文献2記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)

前記アの記載事項から、引用文献2には、「特図変動演出において実行され得る演出であるボタン演出のうち(【0232】)、自動モードが「ON」のときにおける連打ボタン演出で、実行期間が第2のタイミングに達したら、ボタン画像CG4とキャラ画像CG5とを含む複合画像G143に表示が切り替わり、キャラ画像CG5は、ボタン画像CG4をハンマーで繰り返し叩く(押す)動作を示す(【0264】、【0265】)」事項が記載されていると認められる(以下「引用文献2記載事項」という。)。

(4) 周知技術

ア 引用文献3

本願出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献3(特開2019-576号公報)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。

(ア) 「【0006】
(1) 遊技機は、遊技者に動作(たとえば、プッシュボタン31Bの操作、スティックコントローラ31Aの操作)を促す画像であって遊技者にとって有利な内容(たとえば、大当り遊技状態となること)が報知される期待度が態様によって異なる促進画像(たとえば、ボタン画像、スティックコントローラ画像)を表示可能な促進画像表示手段(たとえば、演出制御用CPU120、演出表示装置5、図22~図25,図27参照)と、
第1態様(たとえば、白色)の促進画像と、期待度が前記第1態様よりも高い第2態様(たとえば、赤色)の促進画像(たとえば、第1態様の期待度<第2態様の期待度)とを作用させる作用演出を実行可能な作用演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU120、図21のS353,図22~図25,図27参照)とを備え、
前記作用演出の後、前記第2態様の促進画像と、期待度が前記第2態様よりも高い第3態様(たとえば、虹色)の促進画像(たとえば、第2態様の期待度<第3態様の期待度)とのいずれかを表示可能である(たとえば、図19(A),図22~図27参照)。
(中略)
【0162】
たとえば、図19(A)に示すように、はずれとすることが決定されている場合、「作用無しの態様(図22(D1)参照)」,「中期待度のボタン画像が低期待度のボタン画像に1回作用(合体)した後、中期待度のボタン画像に変化する態様(図22(C),(D2)参照)」,「中期待度のボタン画像が低期待度のボタン画像に複数回作用した後、中期待度のボタン画像に変化する態様(図23(A)~(C),(D1)参照)」,「複数個の中期待度のボタン画像が低期待度のボタン画像に作用した後、中期待度のボタン画像に変化する態様(図24(A),(B1)参照)」,「中期待度のボタン画像が低期待度のボタン画像に1回作用した後、高期待度のボタン画像に変化する態様(図22(C),(D3)参照)」,「中期待度のボタン画像が低期待度のボタン画像に複数回作用した後、高期待度のボタン画像に変化する態様(図23(A)~(C),(D2)参照)」,「複数個の中期待度のボタン画像が低期待度のボタン画像に作用した後、高期待度のボタン画像に変化する態様(図24(A),(B2)参照)」の順に低くなる確率で、操作促進前表示の作用態様を決定する。大当りとすることが決定されている場合、上述の順に高くなる確率で、操作促進前表示の作用態様を決定する。作用後に変化したボタン画像は、操作促進表示である。
【0163】
ここでは、低期待度のボタン画像は、白色の態様であり、高期待度のボタン画像は、虹色の態様であり、中期待度のボタン画像は、白色および虹色以外の色(たとえば、赤色)の態様であることとするが、これに限定されず、遊技者にとって有利な状態(たとえば、大当り遊技状態、確変状態)となる期待度に応じて予め定められた態様であればどのような態様であってもよい。」

(イ) 図22「

[図:0001398062000004.jpg]

」

図22において、ボタン画像は、態様B~Cで形状をそれぞれ変更しない点が認められる。

(ウ) 図23「

[図:0001398062000005.jpg]

」

図23において、ボタン画像は、態様B~Cで形状をそれぞれ変更しない点が認められる。

(エ) 図24「

[図:0001398062000006.jpg]

」

図24において、ボタン画像は、態様B~Cで形状をそれぞれ変更しない点が認められる。

イ 引用文献4

本願出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献4(特開2020-31878号公報)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。

(ア) 「【0014】
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
(中略)
続きを表示(全12行)
【0018】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
(中略)
【0040】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
(中略)
【0191】
ルーレットチャンス演出が実行されて、複数の選択肢がルーレット表示され、所定期間が経過すると、図14(3A)、(3B)に示すように、選択肢を選択するために、遊技者にプッシュボタン31Bの操作を促す操作指示演出が実行される。ここで、本実施形態では、操作指示演出として、ボタン画像とともに「押せ」という文字画像が表示されるが、ボタン画像の色には、「白」と「赤」の複数の態様がある。すなわち、本実施形態では、操作指示演出としてボタン画像の色が「白」の第1操作指示演出(図14(3A)参照)と、ボタン画像の色が「赤」の第2操作指示演出(図14(3B)参照)とがある。そして、第1操作指示演出よりも第2操作指示演出の方が、遊技者にとって有利な選択肢(例えば、時短回数が多い選択肢)が選択され易い。具体的には、第2操作指示演出が実行されたときには、第1操作指示演出が実行されたときよりも「時短100回」が選択され易く、第1操作指示演出が実行されたときには第2操作指示演出が実行されたときよりも「時短終了」が選択され易い。これは、例えば、大当りDに当選したときの大当り遊技後の1回転目である場合には、第2操作指示演出の選択割合を第1操作指示演出の選択割合よりも高め、大当りAに当選したときの大当り遊技後の1回転目である場合には、第1操作指示演出の選択割合を第2操作指示演出の選択割合よりも高めることで実現できる。なお、「大当り」の選択肢は、第2操作指示演出が実行されたときの方が第1操作指示演出が実行されたときよりも選択され易いものとしてもよいが、「大当り」の選択肢が選択されるときには、プレミアなボタン画像が表示される特別な操作指示演出が実行されるものとしてもよい。」

(イ) 図14「

[図:0001398062000007.jpg]

」

図14において、(3A)第1操作指示演出と、(3B)第2操作指示演出で、ボタン画像の形状をそれぞれ変更しない点が認められる。

ウ 周知技術

前記アに示したとおり、引用文献3には、「遊技者にプッシュボタン31Bの操作を促す画像であるボタン画像を表示可能な演出表示装置5を備えた遊技機において(【0006】)、遊技者にとって有利な状態(たとえば、大当り遊技状態)となる期待度に応じて、低期待度のボタン画像は、白色の態様であり、高期待度のボタン画像は、虹色の態様であり、中期待度のボタン画像は、白色および虹色以外の色(たとえば、赤色)の態様であることとし(【0163】)、形状をそれぞれ変更しない(図22、図23、図24)」技術事項が記載され、また、前記イに示したとおり、引用文献4には、「パチンコ遊技機1に、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31B、各種の演出画像が表示される画像表示装置5が設けられ(【0014】、【0018】、【0040】)、遊技者にプッシュボタン31Bの操作を促す操作指示演出では、操作指示演出としてボタン画像の色が「白」の第1操作指示演出と、ボタン画像の色が「赤」の第2操作指示演出とがあり、第1操作指示演出よりも第2操作指示演出の方が、遊技者にとって有利な選択肢(例えば、「大当り」の選択肢)が選択され易く(【0191】)、ボタン画像の形状をそれぞれ変更しない(図14)」こととする技術事項が記載されるように、本願出願前に、次の事項は遊技機分野における周知技術であったと認められる。

(周知技術)

「表示装置に表示する操作部画像(引用文献3、引用文献4の「ボタン画像」)を、当たりへの期待度に基づき、その形状については変化しないものの、その表示色については異なる色で表示すること。」

(5) 引用発明との対比

ア 本件補正発明と引用発明の対比

(ア) 構成A、構成B、構成C、構成Fについて

引用発明の構成aにおける「種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である液晶表示装置36」は、本件補正発明の構成Aの「画像を表示する表示装置」に相当する。

また、引用発明の構成bにおける「操作ボタン13」は、本件補正発明の構成Bの「操作部」に相当する。

そして、引用発明の構成cにおける「遊技者が操作ボタン13を操作(押下げ)することにより」、「演出態様を変化させることができる」、「パチンコ遊技機1」は、それぞれ、本件補正発明の構成C又はFの「前記操作部が操作されることに基づいて」、「所定の演出を実行可能」、「遊技機」に相当する。

そうすると、引用発明は、本件補正発明の構成A、構成B、構成C、構成Fを備えたものであるといえる。

(イ) 構成D1、構成D2、構成D3について

引用発明の構成d1、d2、d3、d4の「猫ボタンモード時におけるボタン操作演出」で表示される「操作ボタンマーク13’」は、構成bの「操作ボタン13」(操作部)を「模した操作部画像」に相当し、また、「猫ボタンモード時におけるボタン操作演出」の表示が、構成aの「種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である液晶表示装置36」(画像を表示する表示装置)でなされることは明らかである。そして、上記「操作ボタンマーク13’」(操作部画像)が、「ボタン操作演出の操作前」に「操作有効期間を示すメータ65」とともに表示される演出は、本件補正発明の構成D1における「遊技者に対して前記操作部の操作を促す第1演出」に相当するといえる。

続いて、引用発明の構成d1、d2、d3、d4の「猫ボタンモード時におけるボタン操作演出」における「猫のキャラクタ68が画面右端から出現し、・・・猫のキャラクタ68が操作ボタンマーク13’を操作する、猫のキャラクタ68によるアニメーションが実行され」る演出で、「操作ボタンマーク13’」(操作部画像)を「猫のキャラクタ68が」「操作する」ことは、「操作ボタンマーク13’」(操作部画像)が「猫のキャラクタ68に操作される」と言い換えることが可能であって、このとき、当該「操作ボタンマーク13’」(操作部画像)は、本件補正発明の構成D2と同様に「操作された態様を示す」ものといえるから、上記「猫のキャラクタ68が画面右端から出現し、・・・猫のキャラクタ68が操作ボタンマーク13’を操作する、猫のキャラクタ68によるアニメーションが実行され」る演出は、本件補正発明の構成D2の「前記第1演出の後」の「操作された態様を示す前記操作部画像」を表示する「第2演出」に相当するといえる。

続いて、引用発明の構成d1、d2、d3、d4の「猫ボタンモード時におけるボタン操作演出」における「猫のキャラクタ68の操作ボタンマーク13’の操作による結果演出として、写真画像67が出現し、その前面を猫群が通過する群予告がなされる」演出は、「操作ボタン13」(操作部)の「操作をしなくても」なされるものであるから、本件補正発明の構成D3の「前記第2演出の後」の「前記操作部が操作されたものとして実行される所定の演出である第3演出」に相当するといえる。

以上を総合すると、引用発明は、本件補正発明の構成D1、構成D2、構成D3を備えたものであるといえる。

(ウ) 構成D4について

引用発明の構成d1、d2、d3、d4の「猫ボタンモード時におけるボタン操作演出」における「猫のキャラクタ68が画面右端から出現し、・・・猫のキャラクタ68が操作ボタンマーク13’を操作する、猫のキャラクタ68によるアニメーションが実行され」る演出(第2演出)で、「画面右端から出現し」「操作ボタンマーク13’を操作する」「猫のキャラクタ68」は、本件補正発明の構成D4の「移動表示される所定画像」に相当し、当該「猫のキャラクタ68」(移動表示される所定画像)が、「操作ボタンマーク13’」(操作部画像)を「操作する」ことは、本件補正発明の構成D4の「前記操作部画像に示される操作面に対し」「接触」することに相当する。

上記の検討に加え、前記(イ)における検討を踏まえると、引用発明は、本件補正発明の構成D4のうち、「前記第2演出において、前記操作された態様を示す前記操作部画像を前記表示装置に表示する場合、前記操作部画像に示される操作面に対し、移動表示される所定画像が接触し」に相当する構成を備えたものであるといえる。

イ 引用発明との一致点及び相違点

前記アにおける検討を踏まえると、本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点は、次のとおりである。

<一致点>

「A 画像を表示する表示装置と、
B 遊技者が操作可能な操作部と、を備え、
C 前記操作部が操作されることに基づいて所定の演出を実行可能な遊技機であって、
D1 前記操作部を模した操作部画像を前記表示装置に表示し、遊技者に対して前記操作部の操作を促す第1演出と、
D2 前記第1演出の後、操作された態様を示す前記操作部画像を前記表示装置に表示する第2演出と、
D3 前記第2演出の後、前記操作部が操作されたものとして実行される所定の演出である第3演出と、を実行可能であり、
D4’ 前記第2演出において、前記操作された態様を示す前記操作部画像を前記表示装置に表示する場合、前記操作部画像に示される操作面に対し、移動表示される所定画像が接触する、
F 遊技機。」

<相違点1>(構成D4)

本件補正発明は、「第2演出」において、「前記操作部画像に示される操作面に対し、移動表示される所定画像が接触し、前記操作面において前記所定画像が移動方向を変え」るのに対し、引用発明は、「前記所定画像」が、「前記操作部画像に示される操作面に対し、移動表示される所定画像が接触し」た後に、「前記操作面において」「移動方向を変え」ることが特定されていない点。

<相違点2>(構成E)

本件補正発明の「操作部画像」は、「当たりへの期待度に基づき、その形状については変化しないものの、その表示色については異なる色で表示可能である」のに対し、引用発明では、「当たりへの期待度」に基づく「操作部画像」の「形状」の変化や「表示色」の表示について特定されていない点。

(6) 当審合議体の判断

以下、相違点について検討する。

ア 相違点1について

前記(3)イに引用文献2記載事項として示したように、「特図変動演出において実行され得る演出であるボタン演出のうち、自動モードが「ON」のときにおける連打ボタン演出で、実行期間が第2のタイミングに達したら、ボタン画像CG4とキャラ画像CG5とを含む複合画像G143に表示が切り替わり、キャラ画像CG5は、ボタン画像CG4をハンマーで繰り返し叩く(押す)動作を示す」技術が本願出願前に知られている。

ここで、上記引用文献2記載事項における、「連打ボタン演出」のうち「ボタン画像CG4とキャラ画像CG5とを含む複合画像G143に表示が切り替わ」った後の「演出」、「ボタン画像CG4」、「ハンマー」は、それぞれ、本件補正発明の構成D4の、「第2演出」、「操作部画像に示される操作面」、「移動表示される所定画像」に相当し、「ボタン画像CG4」(操作面)を「ハンマー」(所定画像)で「繰り返し叩く(押す)動作を示す」ことが、「操作部画像に示される操作面に対し、移動表示される所定画像が接触し、前記操作面において前記所定画像が移動方向を変え」ることに相当することは明らかである。

引用発明と引用文献2記載事項とは、ボタンを操作することにより演出態様を変化させることができるパチンコ遊技機についてのものである点で技術分野が共通するとともに、ボタン操作に関連する演出の興趣を向上させるという課題を有する点でも共通することが明らかであるから、引用発明に引用文献2記載事項を適用することは、当業者にとって格別困難なことではない。

そして、引用文献1では、その【0307】~【0310】(前記(2)ア(エ))や図25(前記(2)ア(カ))に記載されるように、連打操作とそれに伴う演出も可能であることを考慮すれば、引用発明に引用文献2記載事項を採用し、引用発明において、ボタン操作に関連する演出の状態により、猫のキャラクタ68(所定画像)が、操作ボタンマーク13’(操作部画像)を繰り返し操作する、すなわち、操作ボタンマーク13’の操作面において、移動方向を変えるようになし、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

イ 相違点2について

前記(4)ウで述べたように、「表示装置に表示する操作部画像(引用文献3及び引用文献4の「ボタン画像」)を、当たりへの期待度に基づき、その形状については変化しないものの、その表示色については異なる色で表示すること」は、本願出願前の遊技機分野における周知技術である。

引用発明に当該周知技術を採用し、引用発明における「操作ボタンマーク」(操作部画像)を、当たりへの期待度に基づき、その形状については変化しないものの、その表示色については異なる色で表示することで、相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得たことである。

ウ 総合判断

相違点1及び相違点2を総合的に勘案しても、本件補正発明が奏する効果は、引用発明及び引用文献2記載事項並びに周知技術から予測される程度のものに過ぎず、予測困難かつ格別顕著な効果を認めることはできない。

したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2記載事項並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。

(7) 請求人の主張について

請求人は審判請求書において、次の主張をしている。

「4 本願発明が特許されるべき理由
(1)理由1について
(1-1)請求項1に係る発明の概要
請求項1に係る発明は、「遊技機」の発明であり、以下の構成を備えています(下線部は補正箇所を示します)。
続きを表示(全23行)
構成[1]画像を表示する表示装置と、遊技者が操作可能な操作部と、を備え、前記操作部が操作されることに基づいて所定の演出を実行可能であること
構成[2]前記操作部を模した操作部画像を前記表示装置に表示し、遊技者に対して前記操作部の操作を促す第1演出と、前記第1演出の後、操作された態様を示す前記操作部画像を前記表示装置に表示する第2演出と、前記第2演出の後、前記操作部が操作されたものとして実行される所定の演出である第3演出と、を実行可能であること
構成[3]前記第2演出において、前記操作された態様を示す前記操作部画像を前記表示装置に表示する場合、前記操作部画像に示される操作面に対し、移動表示される所定画像が接触し、前記操作面において前記所定画像が移動方向を変えること
構成[4]前記操作部画像は、当たりへの期待度に基づき、その形状については変化しないものの、その表示色については異なる色で表示可能であること
構成[1]~[4]を有する本願請求項1に係る発明(本願発明)によれば、操作部を用いた演出を印象深いものとすることができ、遊技の興趣を向上させることができます。
(1-2)請求項1に係る発明と各引用文献との対比(下線部は強調箇所を示します)
<引用文献1>
引用文献1の図8Bには、猫のキャラクタ68が操作ボタンマーク13’を操作することが開示されています(引用文献1の[0114])。
<引用文献2>
引用文献2の図37(A)(B)には、複合画像G143のキャラ画像CG5がボタン画像CG4をハンマーで繰り返し叩く(押す)様子、ボタン画像CG4が繰り返し下方に沈む様子が開示されています。
本願発明では、操作部画像が、当たりへの期待度に基づき、その形状については変化しないものの、その表示色については異なる色で表示可能となっています(本願発明の構成[4])。
引用文献1に記載された発明(引用発明1)では、操作ボタンマークの態様によって結果演出を変化させ、大当り期待度を示唆します。第2態様の操作ボタンマーク13”が表示される場合、第1態様の操作ボタンマーク13’が表示される場合よりも大当たり期待度は高くなります。しかしながら、引用発明1の第2態様の操作ボタンマーク13”は、図10、23などに示されるように、第1態様の操作ボタンマーク13’とは形状が異なるものとなっています。つまり、引用発明1は、本願発明と異なり、操作部画像の形状が大当たり期待度に基づいて変化する構成となっています。したがって、引用文献1には、本願発明の構成[4]について、開示も示唆もありません。
引用文献2には、複合画像G143のキャラ画像CG5がボタン画像CG4をハンマーで繰り返し叩く(押す)様子、ボタン画像CG4が繰り返し下方に沈む様子が開示されていますが、本願発明の構成[4]については、開示も示唆もありません。
(1-3)請求項1に係る発明と引用文献1、2の組み合わせとの対比
引用文献1、2には、いずれにも、本願発明の構成[4]が開示されておらず、示唆もされていません。したがって、仮に当業者が引用文献1、2を組み合わせたとしても、構成[4]を有する本願発明の構成には想到し得ません。
本願発明では、操作部画像が、当たりへの期待度に基づき、その形状については変化しないものの、その表示色については異なる色で表示可能となっています(本願発明の構成[4])。このように表示色だけを変えることによって操作部画像の認識が容易になり操作部を用いた演出効果が際立ち、遊技の興趣を向上させることができます。
このような技術思想は、引用文献1、2に記載された発明にはありません。そのため、引用文献1、2を組み合わせたとしても本願発明の動機付けになることはありません。
(1-4)以上のように、構成[1]~[4]を備える本願請求項1に係る発明は、引用文献1、2に開示も示唆もされていません。また、本願請求項1に係る発明は、引用文献1、2の記載事項に基づいて当業者が容易に成し得た発明には該当しません。従って、本願請求項1に係る発明は、引用文献等から十分な進歩性を有するものと思料致します。
(後略)」

しかし、表示装置に表示する操作部画像を、当たりへの期待度に基づき、その形状については変化しないものの、その表示色については異なる色で表示することは、本願出願前の遊技機分野における周知技術であって、引用発明に当該周知技術を採用し、引用発明における「操作ボタンマーク」(操作部画像)を、当たりへの期待度に基づき、その形状については変化しないものの、その表示色については異なる色で表示すること(構成[4])が、当業者であれば容易に想到し得た事項であることは、前記(6)イで述べたとおりである。

そして、このことは、引用文献1に、「ボタン操作演出の例(2)」(【0142】~【0151】、図10)として、第1態様で表示された操作ボタンマーク13’を、演出の進行に伴い、形状が異なる第2態様の操作ボタンマーク13”に変化させる例が記載されていることによって妨げられるものではない。

よって、請求人の主張を採用することはできない。

(8) まとめ

したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2記載事項並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

4 本件補正についてのむすび

以上のとおり、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。

よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

1 本願発明

本件補正は前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和3年10月13日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1の記載は次のとおりである(記号AA~FFは、分説のため当審合議体が付した。以下、AA等を付した事項を「構成AA」等という。)。

(本願発明)

「【請求項1】
AA 画像を表示する表示装置と、
BB 遊技者が操作可能な操作部と、を備え、
CC 前記操作部が操作されることに基づいて所定の演出を実行可能な遊技機であって、
DD1 前記操作部を模した操作部画像を前記表示装置に表示し、遊技者に対して前記操作部の操作を促す第1演出と、
DD2、DD3 前記第1演出の後、操作された態様を示す前記操作部画像を前記表示装置に表示した後、前記操作部が操作されたものとして、前記所定の演出を実行する第2演出と、を実行可能であり、
DD4 前記第2演出において、前記操作された態様を示す前記操作部画像を前記表示装置に表示する場合、前記操作部画像に示される操作面に対し、移動表示される所定画像が接触し、前記操作面において前記所定画像が移動方向を変える、
FF ことを特徴とする遊技機。」

2 原査定の拒絶の理由

原査定の拒絶の理由は、概略、次のとおりである。

1.(新規事項)令和3年10月13日付け手続補正書でした補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

2.(サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

3.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

●理由1(新規事項)について

・請求項1、段落0008

●理由2(サポート要件)について

・請求項1

●理由3(進歩性)について

・請求項1

・引用文献1-2

<引用文献等一覧>

1.特開2019-000452号公報

2.特開2020-156856号公報

3 引用文献の記載事項、引用発明、引用文献2記載事項

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1、引用文献2の記載事項は、前記第2の3(2)ア又は3(3)アに摘記したとおりであり、引用発明、引用文献2記載事項は、前記第2の3(2)イ又は3(3)イで認定したとおりである。

4 対比・判断

本願発明は、前記第2で検討した本件補正発明において、「操作された態様を示す前記操作部画像を前記表示装置に表示」する演出と、その「後」の「前記操作部が操作されたものとして実行される所定の演出」を、それぞれ、「第2演出」、「第3演出」と呼び直したものを、まとめて「操作された態様を示す前記操作部画像を前記表示装置に表示した後、前記操作部が操作されたものとして、前記所定の演出を実行する」「第2演出」と呼ぶとともに、同じく本件補正発明において、「第2演出」の「操作部画像」が「当たりへの期待度に基づき、その形状については変化しないものの、その表示色については異なる色で表示可能」であるとした限定を削除したものである。

本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものに相当する本件補正発明が、前記第2の3(8)で述べたとおり、引用発明及び引用文献2記載事項並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるところ、上記したように、「第2演出」の「操作部画像」が「当たりへの期待度に基づき、その形状については変化しないものの、その表示色については異なる色で表示可能」であるとした限定を削除した本願発明は、引用発明及び引用文献2記載事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるといえる。

第4 むすび

以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用文献2記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2022-012329

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決550件(株式会社サンセイアールアンドディ)
  • 2026-007075拒絶査定不服審判 / 2026-07-28 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社サンセイアールアンドディ
  • 2025-005957拒絶査定不服審判 / 2026-06-30 / 請求不成立遊技機
    同じ当事者: 株式会社サンセイアールアンドディ
  • 2025-004043拒絶査定不服審判 / 2026-06-24 / 請求不成立遊技機
    同じ当事者: 株式会社サンセイアールアンドディ
  • 2025-006261拒絶査定不服審判 / 2026-05-26 / 請求不成立遊技機
    同じ当事者: 株式会社サンセイアールアンドディ
  • 2025-005199拒絶査定不服審判 / 2026-05-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社サンセイアールアンドディ
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)4,679件(121・A63F、575・A63F)
  • 2025-018455拒絶査定不服審判 / 2026-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F、575・A63F
  • 2025-009717拒絶査定不服審判 / 2026-06-10 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F、575・A63F
  • 2025-009718拒絶査定不服審判 / 2026-06-10 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F、575・A63F
  • 2025-009719拒絶査定不服審判 / 2026-06-10 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F、575・A63F
  • 2025-009720拒絶査定不服審判 / 2026-06-10 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F、575・A63F

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存