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特許拒絶査定不服審判

2022-011768

酸素燃焼炉における窒素酸化物の排出削減

審判番号
2022-011768
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-520582
請求日
2022年07月29日
審決日
2023年10月12日
公報発行日
2024年03月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ビトロ フラット グラス エルエルシー
  • 【請求人代理人】弁理士法人浅村特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 鈴木 充
  • 審判官 白土 博之
  • 審判官 間中 耕治
分類
P18 .121-WZ (F23C)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2020-520582「酸素燃焼炉における窒素酸化物の排出削減」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 5月 9日国際公開、WO2019/089321、令和 3年 1月14日国内公表、特表2021-501297〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2018年(平成30年)10月24日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2017年10月31日 米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は、以下のとおりである。 令和3年 8月31日付け:拒絶理由通知書 同年11月17日 :意見書、手続補正書の提出 令和4年 3月28日付け:拒絶査定 同年 7月29日 :審判請求書、手続補正書の提出 令和5年 3月20日付け:拒絶理由通知書 同年 7月 7日 :意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1~14に係る発明は、令和5年7月7日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~14に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 燃焼プロセスのためのプラントであって、 材料を加熱する炉と、 前記炉の側壁の開口に位置決めされ、且つ少なくとも80体積パーセントの酸素を有する酸化ガスを含む酸化ガス供給源に連結されたバーナであって、前記炉において前記酸化ガス及び炭素系燃料を燃焼させるように構成されたバーナと、 前記バーナ用の前記開口とは別の前記側壁の開口に設けられ、第1の煙道と流体連通する第1の上流排気出口及び第1の下流排気出口であって、前記炉と前記第1の煙道との間の連通を提供し、且つ前記燃焼プロセスの間に生成された排気ガスを前記炉から前記第1の煙道へと除去するように構成された、第1の上流排気出口及び第1の下流排気出口と、 前記バーナ用の前記開口とは別の前記側壁の開口に設けられ、第2の煙道と流体連通する第2の上流排気出口及び第2の下流排気出口であって、前記炉と前記第2の煙道との間の連通を提供し、且つ前記燃焼プロセスの間に生成された排気ガスを前記炉から前記第2の煙道へと除去するように構成された、第2の上流排気出口及び第2の下流排気出口と、 前記煙道の一方又は両方内に位置決めされた、前記煙道及び/又は前記排気ガス内にアンモニアを注入するためのノズルと、 前記第1の煙道を前記第1の上流排気出口に連結する第1の最上流下降管と、 前記第1の煙道を前記第1の下流排気出口に連結する第1の最下流下降管と、 前記第2の煙道を前記第2の上流排気出口に連結する第2の最上流下降管と、 前記第2の煙道を前記第2の下流排気出口に連結する第2の最下流下降管と を有している、プラント。」 第3 拒絶の理由の概要 令和5年3月20日付けで当審が通知した拒絶理由のうちの理由1は、次のとおりのものである。 理由1.(進歩性)この出願の請求項1~14に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、当業者)という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 (引用文献等については引用文献等一覧参照) <引用文献等一覧> 1.特開2011-195386号公報 2.米国特許出願公開第2008/0153042号明細書 第4 引用文献の記載事項 1 引用文献1 (1)引用文献1の記載 引用文献1には、以下の記載がある(下線は、理解の一助のために当審が付与したものである。以下同様。)。 ア「【0001】 本発明は、ガラス溶解炉およびガラス溶解炉における排ガスの処理方法に関するものである。」 イ「【0002】 従来、ガラスを溶融する際に、高温加熱プロセスとして、燃料を予熱空気で燃焼させる方法が多く採用されてきた。具体的には、ガラス溶融炉に備え付けられた蓄熱室において、溶解炉からの燃焼排ガスが保有する熱を回収し、その熱を使って燃焼用空気を予熱することが行われてきた。 【0003】 しかしながら、このような高温の予熱空気による燃焼では、空気中の窒素及び原料中の窒素分を起源とした大量のNOXが生成されるという不都合があった。 そこで、これら燃焼排ガス中のNOXを低減する方法として、特許文献1及び特許文献2に開示された発明がある。これらに開示されている方法は、燃焼排ガス中へ天然ガスなどの燃料をリバーニングガスとして噴射して、蓄熱室の上部空間を還元領域にすることで、NOXを還元分解し、その下流に空気を供給することにより、COなどの未燃焼分を燃焼させるものである。 【0004】 もっとも、空気燃焼ガラス溶解炉では、蓄熱室にかかる設備費が高く、設備更新の際には蓄熱室に使われている重金属類を含む煉瓦が産業廃棄物として大量に発生する。そこで、ガラス溶解炉では、蓄熱室を使用しなくても高い効率の得られる高温加熱プロセスが求められている。 【0005】 そのような事情のもと、近年、PSA式酸素製造法により、酸素濃度92%程度の酸素が比較的安価に製造できるようになったことから、従来の予熱空気燃焼式に変えて、酸素燃焼式のガラス溶解炉が実用化されてきている(例えば、特許文献3参照)。」 ウ「【0027】 [第1の実施形態] まず、本発明の第1の実施形態であるガラス溶解炉について説明する。 本実施形態のガラス溶解炉1は、図1に示すように、溶解炉本体2と、原料投入側排出口3と、清澄室側排出口4と、原料投入側酸素燃焼バーナ5と、清澄室側酸素燃焼バーナ6と、原料投入側排ガスポート7と、清澄室側排ガスポート8と、煙道9と、リバーニングガス供給設備10と、空気供給設備11と、を備えた構成となっている。なお、図1においては、ガラス溶解炉1は、溶解炉本体2の前面2aからガラス原料を導入し、背面2bから加熱されたガラス原料を取り出して清澄室(図示略)に導出する構成となっている。 【0028】 原料投入側排出口3は、溶解炉本体2の側面2cで原料投入側に設けられており、設けられる個数は、1個であっても、図1に示すように対向する側面2cに1個ずつ合計2個設けられていても、それ以上であっても構わない。 また、清澄室側排出口4は、溶解炉本体2の側面2cで清澄室側に設けられており、原料投入側排出口3と同様に、1個であっても、図1に示すように対向する側面2cに1個ずつ合計2個設けられていても、それ以上であっても構わない。 【0029】 また、原料投入側排出口3には、原料投入側の排ガスを排出する原料投入側排ガスポート7が連通しており、清澄室側排出口4には、清澄室側の排ガスを排出する清澄室側排ガスポート8が連通している。 【0030】 原料投入側酸素燃焼バーナ5は、溶解炉本体2の各側面2cに複数個ずつ、原料投入側に設けられており、各側面2cから対向する側面2cに向かって火炎が伸びて形成されるように構成されている。また、原料投入側酸素燃焼バーナ5は、適宜の燃料流体によって燃焼するバーナであり、酸素比が1以下の低酸素比状態でガラス原料を燃焼させるバーナである。 【0031】 ここで酸素比とは、バーナに供給される酸素量を、バーナに供給される燃料流体を燃焼させるのに必要とされる理論必要酸素量で除した値をいう。したがって、理論的には、酸素比1.0の状態が、酸素を過不足なく用いて完全燃焼することが可能な状態といえる。 【0032】 また、清澄室側酸素燃焼バーナ6は、溶解炉本体2の各側面2cに複数個ずつ、清澄室側に設けられており、各側面2cから対向する側面2cに向かって火炎が伸びて形成されるように構成されている。また、清澄室側酸素燃焼バーナ6は、適宜の燃料流体によって燃焼するバーナであり、酸素比が1以上の高酸素比状態でガラス原料を燃焼させるバーナである。 なお、溶解炉本体2内全体の酸素比は0.95~1.3の範囲となるように、原料投入側酸素燃焼バーナ5と、清澄室側酸素燃焼バーナ6の燃焼条件を調整する。」 エ「【0034】 原料投入側排ガスポート7と清澄室側排ガスポート8は、ともに煙道9に連通している。煙道9は、管状の配管で、断面形状は矩形状であっても円形状であっても構わないが、円形状の方がよりNOXを効率よく分解する。 また煙道9には、清澄室側排ガスポート8が連通した位置よりも下流に、リバーニングガスを供給するリバーニングガス供給設備10が、それより下流に空気を供給する空気供給設備11が設けられている。なお、リバーニングガス供給設備10および空気供給設備11には、公知のものを用いて構わない。」 オ「【0036】 次に、本実施形態のガラス溶解炉における排ガスの処理方法について説明する。 まず、溶解炉本体2内において、原料投入側酸素燃焼バーナ5および清澄室側酸素燃焼バーナ6によって、ガラス原料を燃焼させる。この際、原料投入側酸素燃焼バーナ5は、酸素比が1以下の低酸素比でガラス原料を燃焼し、清澄室側酸素燃焼バーナ6は、酸素比が1以上の高酸素比でガラス原料を燃焼する。 【0037】 その後、原料投入側の排ガスを、原料投入側排出口3を介して原料投入側排ガスポート7に導出し、さらに煙道9に導出する。また、清澄室側の排ガスを、清澄室側排出口4を介して清澄室側排ガスポート8に導出し、さらに煙道9に導出する。このようにして、原料投入側の排ガスと、清澄室側の排ガスとを混合する。 【0038】 その後、混合された排ガスに、リバーニングガス供給設備10を操作してリバーニングガスを供給する。このリバーニングガスを供給した位置より下流には、還元領域Aが形成されることとなり、ここで排ガス中に含まれているNOXは還元分解される。 その後、リバーニングガスが供給された位置よりも下流で、空気供給設備11を操作して空気を供給する。この空気を供給した位置より下流には、完全燃焼領域Bが形成されることなり、ここでCO、H2、炭化水素などの未燃分は完全燃焼し、系外に排出されることはない。 以上のようにして、ガラス溶解炉1における排ガスを処理する。」 カ「【図1】 [図:0001407156000001.jpg] 」 キ 段落【0027】、【0036】より、ガラス溶解炉1は、ガラス原料を燃焼させる原料投入側酸素燃焼バーナ5及び清澄室側酸素燃焼バーナ6を備えるものであるから、燃焼プロセスのために利用されることが理解できる。 ク 図1より、溶解炉本体2の対向する側面2c、2cのそれぞれに、原料投入側酸素燃焼バーナ5及び清澄室側酸素燃焼バーナ6が設けられることが看取できる。 ケ 段落【0030】~【0032】より、原料投入側酸素燃焼バーナ5及び清澄室側酸素燃焼バーナ6は、いずれも、酸素及び燃料流体が供給されて燃焼するものであることが理解できるから、酸素及び燃料流体の供給源に両バーナ5、6が接続されることは、技術的に明らかである。 コ 図1より、溶解炉本体2の対向する側面2c、2cにおいて、原料投入側排出口3及び清澄室側排出口4は、酸素及び燃料流体の供給源に接続された両バーナ5、6とは、別の位置に設けられる点が看取できる。また、段落【0028】~【0030】、【0034】、【0037】より、原料投入側排出口3及び清澄室側排出口4は、溶解炉本体2と煙道9との間を連通するものであって、排ガスを溶解炉本体2から煙道9へ導出するものであることが理解できるとともに、図1より、原料投入側排出口3及び清澄室側排出口4は、溶解炉本体2の側面2cの開口に設けられることが看取できる。 サ 図1より、原料投入側排ガスポート7及び清澄室側排ガスポート8は、原料投入側排出口3及び清澄室側排出口4から煙道9に至る間に下降する部分を有することが看取できる。 シ 段落【0028】より、原料投入側排出口3、清澄室側排出口4、原料投入側排ガスポート7、清澄室側排ガスポート8、煙道9、及びリバーニングガス供給設備10を、それぞれ、溶解炉本体2の対向する一方の側面2c側に1つずつ、他方の側面2c側に1つずつ設け得ることが理解できる。 ス 段落【0034】、【0038】より、煙道9及び排ガス内に、リバーニングガス供給設備10からリバーニングガスを、空気供給設備11から空気を供給することが理解できる。 (2)引用発明 上記(1)を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 [引用発明] 「燃焼プロセスのためのガラス溶解炉1であって、 ガラス原料を加熱する溶解炉本体2と、 溶解炉本体2の側面2cに設けられ、酸素及び燃料流体を燃焼させる清澄室側酸素燃焼バーナ6及び原料投入側酸素燃焼バーナ5と、 溶解炉本体2の一方の側面2cにおいて、清澄室側酸素燃焼バーナ6及び原料投入側酸素燃焼バーナ5とは別の位置の開口に設けられ、煙道9と連通する清澄室側排出口4及び原料投入側排出口3であって、溶解炉本体2と煙道9との間を連通し、かつ、排ガスを溶解炉本体2から煙道9へ導出する清澄室側排出口4及び原料投入側排出口3と、 溶解炉本体2の他方の側面2cにおいて、清澄室側酸素燃焼バーナ6及び原料投入側酸素燃焼バーナ5とは別の位置の開口に設けられ、煙道9と連通する清澄室側排出口4及び原料投入側排出口3であって、溶解炉本体2と煙道9との間を連通し、かつ、排ガスを溶解炉本体2から煙道9へ導出する清澄室側排出口4及び原料投入側排出口3と、 煙道9及び排ガス内にリバーニングガスを供給するリバーニングガス供給設備10及び空気を供給する空気供給設備11と 溶解炉本体2の一方の側面2c側の煙道9を清澄室側排出口4に連通し、清澄室側排出口4から煙道9に至る間に下降する部分を有する清澄室側排ガスポート8と、 溶解炉本体2の一方の側面2c側の煙道9を原料投入側排出口3に連通し、原料投入側排出口3から煙道9に至る間に下降する部分を有する原料投入側排ガスポート7と、 溶解炉本体2の他方の側面2c側の煙道9を清澄室側排出口4に連通し、清澄室側排出口4から煙道9に至る間に下降する部分を有する清澄室側排ガスポート8と、 溶解炉本体2の他方の側面2c側の煙道9を原料投入側排出口3に連通し、原料投入側排出口3から煙道9に至る間に下降する部分を有する原料投入側排ガスポート7と、 を有している、ガラス溶解炉1。」 2 引用文献2 (1)引用文献2の記載 引用文献2には、以下の記載がある(( )内は当審訳である。)。 ア「[0002] The present invention relates to improvements in the combustion of hydrocarbon fuels in apparatus such as heaters, boilers, kilns, and furnaces.」 ([0002]本発明は、加熱器、ボイラー、キルンや炉のような装置における、炭化水素燃料の燃焼の改善に関する。) イ「[0006] One aspect of the present invention is its adaptation to combustion processes, and specifically to a method of modifying a combustion process, comprising [0007] (a) providing a combustion apparatus in which fuel and gaseous oxidant, preferably air, are combusted, wherein the combustion produces flue gas containing NOx and containing carbon monoxide in a concentration higher than 200 ppm and having a temperature at which adding the nitrogen-containing reducing reagent added in step(d) to the flue gas would oxidize the reagent to form NOx,」 ([0006]本発明の一態様は、燃焼プロセスに対する改良であり、具体的には燃焼プロセスを変更する方法であって [0007](a) 好ましくは、空気、燃料及びガス状酸化剤を燃焼させる燃焼装置において、燃焼は、NOxを含む煙道ガスを生成する方法を提供し、そして200ppmよりも高い濃度の一酸化炭素を含有する排ガスに工程(d)に添加し、窒素含有還元剤を加えること、試薬を酸化してNOxを生成する温度を有する。」 ウ「[0020] The present invention is useful in any industrial process in which combustion of hydrocarbon fuel is carried out to generate heat which is used for a useful purpose. ・・・ Other examples include furnaces, such as glass melting furnaces and incinerators, wherein material is melted and/or combusted」 ([0020]本発明は、有用な目的のために使用される熱を発生させる炭化水素燃料の燃焼のいずれの工業的プロセスにおいて有用である。・・・他の例は、炉、ガラス溶融炉、焼却炉等を挙げることができるが、材料が溶融/燃焼する。) エ「[0026] Any of a number of different fuels and types of fuels can be combusted. That is, the fuel can be gaseous, liquid, solid (preferably in finely divided solid form), or a mixture thereof. Suitable gaseous fuels include natural gas, methane, propane, petroleum gas, and any other gaseous combustible matter, and mixtures thereof. Suitable liquid fuels include fuel oil and any other combustible liquid hydrocarbon and mixtures thereof. Suitable solid fuels include coal, coke, solid waste, any other solid combustible material, and mixtures thereof.」 ([0026]異なる燃料タイプの多数の燃料のいずれかを燃焼させることができる。すなわち、燃料は、気体、液体、固体(好ましくは細かく分割された固体の形態で)、またはそれらの混合物であり得る。適当な気体燃料としては天然ガス、メタン、プロパン、石油ガス、および他のガス状可燃性物質、及びそれらの混合物が挙げられる。好適な液体燃料は、燃料油、および任意の他の可燃性液体炭化水素およびそれらの混合物が挙げられる。好適な固体燃料は、石炭、コークス、廃棄物、他可燃性固体材料、およびそれらの混合物が挙げられる。) オ「[0029] Preferably, the aggregate oxygen concentration of the gaseous oxidant fed to the combustion apparatus is at least 30 vol. %, and more preferably at least 90 vol. %.」 ([0029]好ましくは、燃焼装置に供給される気体状酸化剤の酸素濃度は少なくとも30体積%、より好ましくは少なくとも90体積%である。) カ「[0032] A second condition is that the increased concentration of the oxygen fed to the combustion chamber for combustion also reduces the temperature of the flue gas emerging from combustion chamber 1 into an effective range within which the efficiency of the selective non-catalytic reduction reaction is increased. The upper end of this range is characterized as a temperature at which (and above which) the reducing reagent is converted to additional NOx, rather than converting NOx to molecular nitrogen. The lower end of this effective temperature range is characterized as a temperature at which (and below which) the reaction of NOx and reducing reagent proceeds to less than 90% of stoichiometric completion under ideal mixing conditions, by which is meant that with all reagents completely mixed less than 90% of the reagent that is not in stoichoimetric excess (or less than 90% of all reagents if all are present in stoichiometrically equal amounts) is consumed in the reaction by which NOx is converted to molecular nitrogen. The effective range for the temperature of the flue gas emerging from any particular combustion chamber 1 can be determined experimentally. Typical upper ends of the range defined in this way are on the order of 2000° F. to 2200° F., and typical lower ends of the range defined in this way are on the order of 1700° F. to 1800° F., but the ranges may vary with particular apparatus and combustion conditions.」 ([0032]第2の条件は、燃焼のために燃焼室に供給される酸素の濃度の増加は、また、燃焼室1から出る煙道ガスの温度を低下させるが、選択的非触媒還元反応の効率が改善される有効範囲内である。この範囲の上限は、還元試薬(およびそれ以上)が、付加的なNOxに変換される温度として特徴づけられるのではなく、NOxを分子窒素に変換される。この温度範囲の下端では、NOxと還元剤との反応(及びそれ以下で)理想的な混合条件下で化学量論量の90%未満であり、そのことにより化学量論的過剰(又は全ての場合に化学量論的に等しい量で存在する全ての試薬を90%未満)内にない試薬の90%未満では、全ての試薬が完全に混合しないことを意味するものでは、NOxを分子窒素に転化される反応で消費される温度として特徴づけられる。燃焼室1から出る煙道ガスの温度についての有効な範囲は実験的に決定することができる。このように定義された範囲の上端は華氏2000度~2200度の範囲にあり、そのため、このように定義された範囲の下端、華氏1700度~1800度の桁であるが、その範囲は、特定の装置及び燃焼条件によって変化してもよい。) キ「[0036] Returning to FIG. 1, stream 7 which comprises reducing reagent is fed into flue gas stream 5 and the reducing reagent reacts with NOx to convert the NOx into N2. Preferred reducing reagents include urea, ammonia, and mixtures thereof. The stream comprising reducing reagent can be fed into the flue gas in, for example, a duct carrying the flue gas, a vessel, or another unit such as a heat exchanger through which the flue gas stream passes. [0037] ・・・ Flue gas stream 5 passes into preheater or preprocessor unit 10, wherein fuel fed as stream 13 and gaseous oxidant fed as stream 14 are combusted to produce heat. The combustion in unit 10 produces flue gas stream 15 that contains carbon monoxide and NOx among the combustion products. Reducing reagent 7 is then fed into the flue gas stream 15 to convert NOx in the stream 15 to molecular nitrogen. Preferably, stream 16 of material to be processed is fed into and through unit 10 where it is heated by direct or indirect heat exchange with the gaseous stream in unit 10. The heated material passes from unit 10 as stream 11 which, as described herein, is fed to combustion chamber 1.」 ([0036]図1に戻ると、還元試薬を含む流れ7は、煙道ガス流れ5に供給され、還元剤はNOxと反応してNOxをN2に変換することができる。好適な還元剤には、尿素、アンモニア、及びこれらの混合物が挙げられる。還元試薬を含む流れは、例えば、煙道ガスを搬送するダクト、容器、または煙道ガス流が通る熱交換器などの中の煙道ガスに供給することができる。 [0037]・・・煙道ガスストリーム5は、予熱器又は前処理ユニット10に入り、流れ13として供給され、流れ14として供給される気体酸化剤は燃焼させて熱を生成させる。装置10内の燃焼では、燃焼生成物中の一酸化炭素およびNOxを含む煙道ガス流15を生成する。還元剤7は、煙道ガス流15中に供給され、流れ15中のNOxを窒素分子に変化させる。好ましくは、処理される物質の流れ16は、ユニット10内に供給され、ユニット10内のガス流との直接的又は間接的な熱交換によって加熱される。加熱された材料は、本明細書に記載されるように、燃焼室1に供給される流れ11として装置10から出る。) ク 図2 「 [図:0001407156000002.jpg] 」 (2)引用文献2に記載の事項 上記(1)を総合すると、引用文献2には、以下の事項(以下、「引用文献2記載事項」という。)が記載されている。 [引用文献2記載事項] 「ガラス溶融炉に、天然ガス、メタン、プロパン、石油ガスなど炭化水素燃料の気体燃料及び少なくとも90体積%の酸素濃度である気体状酸化剤を供給し、また、煙道ガス流15中にアンモニアを含む還元剤7を供給して煙道ガス流15中のNOxを窒素分子に変化させること。」 第5 対比・判断 1 対比 本願発明と引用発明とを対比する。 引用発明の「燃焼プロセスのためのガラス溶解炉1」は、本願発明の「燃焼プロセスのためのプラント」に相当する。 引用発明の「ガラス原料を加熱する溶解炉本体2」は、本願発明の「材料を加熱する炉」に相当する。 引用発明の「溶解炉本体2の側面2c」、「酸素」、及び「清澄室側酸素燃焼バーナ6及び原料投入側酸素燃焼バーナ5」は、それぞれ、本願発明の「炉の側壁」、「酸化ガス」、及び「酸化ガス供給源に連結されたバーナ」に相当する(上記第4 1(1)ケを参照。)。そして、引用発明の「燃料流体」と本願発明の「炭素系燃料」とは、「燃料」という限りにおいて一致する。また、引用発明において、「清澄室側酸素燃焼バーナ6及び原料投入側酸素燃焼バーナ5」は、「溶解炉本体2の側面2cに設けられ」て、溶解炉本体2の側面2cにおける位置が決められていることが、技術的に明らかであるから、引用発明において、「清澄室側酸素燃焼バーナ6及び原料投入側酸素燃焼バーナ5」が「溶解炉本体2の側面2cに設けられ」ることは、本願発明において、「酸化ガス供給源に連結されたバーナ」が「前記炉の側壁」に「位置決めされ」ることに相当する。そうすると、引用発明において、「清澄室側酸素燃焼バーナ6及び原料投入側酸素燃焼バーナ5」が「溶解炉本体2の側面2cに設けられ」ることと、本願発明において、「酸化ガス供給源に連結されたバーナ」が「前記炉の側壁の開口に位置決めされ」ることとは、「酸化ガス供給源に連結されたバーナ」が「前記炉の側壁に位置決めされ」るという限りにおいて一致する。 引用発明において、「溶解炉本体2の一方の側面2c」側に設けられる「煙道9」、「清澄室側排出口4」及び「原料投入側排出口3」は、それぞれ、本願発明の「第1の煙道」、「第1の上流排気出口」、及び「第1の下流排気出口」に相当する。そして、引用発明において、「清澄室側排出口4及び原料投入側排出口3」が「溶解炉本体2の一方の側面2cにおいて、清澄室側酸素燃焼バーナ6及び原料投入側酸素燃焼バーナ5とは別の位置の開口に設けられ」ることと、本願発明において、「第1の上流排気出口及び第1の下流排気出口」が「前記バーナ用の前記開口とは別の前記側壁の開口に設けられ」ることとは、「第1の上流排気出口及び第1の下流排気出口」が「前記バーナとは別の前記側壁の開口に設けられ」るという限りにおいて一致する。 引用発明において、「溶解炉本体2の他方の側面2c」側に設けられる「煙道9」、「清澄室側排出口4」及び「原料投入側排出口3」は、それぞれ、本願発明の「第2の煙道」、「第2の上流排気出口」、及び「第2の下流排気出口」に相当する。そして、引用発明において、「清澄室側排出口4及び原料投入側排出口3」が「溶解炉本体2の他方の側面2cにおいて、清澄室側酸素燃焼バーナ6及び原料投入側酸素燃焼バーナ5とは別の位置の開口に設けられ」ることと、本願発明において、「第2の上流排気出口及び第2の下流排気出口」が「前記バーナ用の前記開口とは別の前記側壁の開口に設けられ」ることとは、「第2の上流排気出口及び第2の下流排気出口」が「前記バーナとは別の前記側壁の開口に設けられ」るという限りにおいて一致する。 引用発明の「煙道9及び排ガス内にリバーニングガスを供給するリバーニングガス供給設備10」と、本願発明の「前記煙道の一方又は両方内に位置決めされた、前記煙道及び/又は前記排気ガス内にアンモニアを注入するためのノズル」は、「前記煙道の一方又は両方内に位置決めされた、前記煙道及び/又は前記排気ガス内」に「NOx還元媒体を導入するための」部材である限りにおいて一致する。 引用発明において、「溶解炉本体2の一方の側面2c」側に設けられる、「清澄室側排出口4から煙道9に至る間に下降する部分を有する清澄室側排ガスポート8」は、本願発明の「第1の最上流下降管」に相当する。 引用発明において、「溶解炉本体2の一方の側面2c」側に設けられる、「原料投入側排出口3から煙道9に至る間に下降する部分を有する原料投入側排ガスポート7」は、本願発明の「第1の最下流下降管」に相当する。 引用発明において、「溶解炉本体2の他方の側面2c」側に設けられる、「清澄室側排出口4から煙道9に至る間に下降する部分を有する清澄室側排ガスポート8」は、本願発明の「第2の最上流下降管」に相当する。 引用発明において、「溶解炉本体2の他方の側面2c」側に設けられる、「原料投入側排出口3から煙道9に至る間に下降する部分を有する原料投入側排ガスポート7」は、本願発明の「第2の最下流下降管」に相当する。 したがって、両者の一致点、相違点は、以下のとおりである。 [一致点] 「燃焼プロセスのためのプラントであって、 材料を加熱する炉と、 前記炉の側壁に位置決めされ、且つ酸化ガスを含む酸化ガス供給源に連結されたバーナであって、前記炉において前記酸化ガス及び燃料を燃焼させるように構成されたバーナと、 前記バーナとは別の前記側壁の開口に設けられ、第1の煙道と流体連通する第1の上流排気出口及び第1の下流排気出口であって、前記炉と前記第1の煙道との間の連通を提供し、且つ前記燃焼プロセスの間に生成された排気ガスを前記炉から前記第1の煙道へと除去するように構成された、第1の上流排気出口及び第1の下流排気出口と、 前記バーナとは別の前記側壁の開口に設けられ、第2の煙道と流体連通する第2の上流排気出口及び第2の下流排気出口であって、前記炉と前記第2の煙道との間の連通を提供し、且つ前記燃焼プロセスの間に生成された排気ガスを前記炉から前記第2の煙道へと除去するように構成された、第2の上流排気出口及び第2の下流排気出口と、 前記煙道の一方又は両方内に位置決めされた、前記煙道及び/又は前記排気ガス内にNOx還元媒体を導入するための部材と、 前記第1の煙道を前記第1の上流排気出口に連結する第1の最上流下降管と、 前記第1の煙道を前記第1の下流排気出口に連結する第1の最下流下降管と、 前記第2の煙道を前記第2の上流排気出口に連結する第2の最上流下降管と、 前記第2の煙道を前記第2の下流排気出口に連結する第2の最下流下降管と を有している、プラント。」 [相違点1] 「燃料」について、本願発明では「炭素系燃料」であるのに対し、引用発明では「炭素系」であるか否か不明な点。 [相違点2] 「バーナ」について、本願発明では、炉の側壁の「開口」に位置決めされるのに対し、引用発明では、そのことが不明な点。 [相違点3] 本願発明では、「少なくとも80体積パーセントの酸素を有する」のに対し、引用発明では、どの程度の濃度の酸素を有するのかが不明な点。 [相違点4] 「NOx還元媒体を導入するための部材」に関して、本願発明では、「アンモニアを注入するためのノズル」であるのに対し、引用発明では、「リバーニングガスを供給するリバーニングガス供給設備10」である点。 2 判断 以下、相違点について検討する。 (1)相違点について ア 相違点1について 燃焼プロセスのためのプラントにおいて、燃料を炭化水素などの炭素系のものとすることは、引用文献2記載事項に見られるように、従来周知の技術(以下、「周知技術」という。)である。 よって、引用発明の「燃料」を、周知技術のように炭素系のものとすることで、相違点1に係る本願発明の発明特定事項とすることは、単なる周知技術の置換にすぎないことである。 イ 相違点2について 引用文献1の段落【0030】、【0032】には、原料投入側酸素燃焼バーナ5及び清澄室側酸素燃焼バーナ6のそれぞれが溶解炉本体2の各側面2cに複数個ずつ設けられ、各側面2cから対向する側面2cに向かって火炎が伸びて形成されるように構成されていることが記載されている。また、図1では、溶解炉本体2の各側面2c上の円状の部分から、両バーナ5、6の火炎が伸びていることが看取でき、当該円状の部分は、溶解炉本体2の各側面2cにおいて開口を形成しているといえる。そうすると、相違点2は、実質的な相違点ではない。 仮に、引用文献1の図1で示される当該円状の部分が開口とはいえないとしても、引用発明において、溶解炉本体2の各側面2cに開口を設け両バーナ5、6を位置決めすることは、単なる設計変更にすぎないことである。 ウ 相違点3について 引用文献1の段落【0005】には、酸素濃度92%程度の酸素を用いた酸素燃焼式のガラス溶解炉について記載又は示唆がされていると共に、引用文献2記載事項は、「少なくとも90体積%の酸素濃度である気体状酸化剤を供給」するものである。そして、引用発明と引用文献2記載事項とは、ガラス溶解炉において燃料と共に酸素を供給する点で、作用、機能及び技術分野が共通するから、引用発明に引用文献2記載事項を組み合わせる動機付けがあるものといえる。 よって、引用発明において、酸素を供給するに当たり、引用文献2記載事項を採用することで、相違点3に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 エ 相違点4について 引用発明と引用文献2記載事項とは、ガラス溶解炉において排出されるNOxを低減させることを課題とし、そのために、NOxを含む排気ガスに対してNOx還元媒体を導入する点で、課題及び効果が共通するから、引用発明に引用文献2記載事項を組み合わせる動機付けがあるものといえる。 そして、引用発明、すなわち、リバーニングガスによるNOx低減の作用機序は、炭化水素と一次燃焼空気中の酸素との反応により生成される炭化水素ラジカルが窒素酸化物(NO)と反応することによりそのNOが還元されて、結果としてNOxが除去されるものであり、一方、引用文献2、すなわち、アンモニアによるNOx低減の作用機序は、アンモニアが酸素の存在の元で生成されるアミノラジカルがNOと反応することによりそのNOが還元され(NOは窒素や窒素酸化物に変化)、結果的にNOxが除去されるものであるから、NOがラジカルとの反応により還元されて結果的にNOxが除去される点で、両者の作用が共通する。 よって、引用発明において、リバーニングガス供給設備10からリバーニングガス、及び空気供給設備11から空気を供給するのに代えて、引用文献2記載事項のように、煙道ガス流15中にアンモニアを含む還元剤7を供給することで、相違点4に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 (2)本願発明が奏する効果について 本願発明が奏する効果は、引用発明、引用文献2記載事項及び周知技術から予測し得る範囲内のものであって、当業者が予測し得ない格別顕著なものとはいえない。 (3)請求人の主張について 請求人は、令和5年7月7日提出の意見書において、 「審判官殿は、NOxと反応させるためにアンモニアのような還元剤を使用するものとして引例2を引用されていますが、引例1および2は全く異なるプロセスおよび材料に関するものであるため、当業者が、本願発明を得るために引例2を参照して引例1を修正するように動機付けられることはありません。すなわち、引例1は、排ガスをさらに燃焼させるために天然ガスを噴射するプロセスに関するものであり、一方、引例2は、NOxと反応させるためにアンモニアまたは尿素のような還元剤を使用することに関するものです。したがって当業者にとって、引例1および2の教示を組み合わせることは自明ではありません。」 と、引用発明に引用文献2記載事項を適用する動機がない旨主張する。 しかしながら、上記(1)エに記載したとおり、引用発明と引用文献2記載事項とは、ガラス溶解炉において排出されるNOxを低減させることを課題とし、そのために、NOxを含む排気ガスに対してNOx還元媒体を導入する点で、課題並びに作用及び効果が共通するものであるから、両者を結びつける動機があるというべきである。そして、そのことを妨げる特段の事情は認められない。 したがって、引用発明に引用文献2記載事項を適用する動機がない旨の請求人の主張は、採用できない。 第6 むすび 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用発明及び周知技術に基いて、その優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-011768

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