商標拒絶査定不服審判
2022-010393
ツバキカマボコ、ツバキ
- 審判番号
- 2022-010393
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-127098
- 請求日
- 2022年06月16日
- 審決日
- 2022年12月22日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社JFIT-Link
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 石塚 利恵
- 分類
- T18 .261-Z (W29) / T18 .262-Z (W29) / T18 .263-Z (W29)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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商願2021-127098拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年9月29日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年3月 1日付け:拒絶理由通知
令和4年3月11日 :意見書の提出
令和4年4月18日付け:拒絶査定
令和4年6月16日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「椿蒲鉾」の文字を標準文字で表してなり、第29類「かまぼこ」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第1704904号商標(以下、「引用商標」という。)は、「椿」の文字及び「つばき」の文字を上下二段に表してなり、昭和54年12月4日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同59年7月25日に設定登録され、その後、平成17年3月2日に、指定商品を第29類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされた。さらに、商標権一部取消し審判により、指定商品中、第29類「豆腐」について取り消すべき旨の審決がされ、平成23年11月10日にその確定審決の登録がされたほか、指定商品中、第29類「油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,納豆」について取り消すべき旨の審決がされ、同24年9月10日にその確定審決の登録がされた。
現在、引用商標は、第29類「食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物」及び第30類「コーヒー豆,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす」を指定商品として、有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)結合商標の類否判断の方法について
商標の類否は、対比される商標が同一又は類似の商品又は役務に使用された場合に、その商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかも、その商品又は役務に係る取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当である(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)。
また、複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認められる場合においては、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して類否を判断することは、原則として許されないが、その場合であっても、商標の構成部分の一部が取引者又は需要者に対し、商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じない場合などには、商標の構成部分の一部だけを取出して、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるものと解される(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。
以下、上記判断枠組みに沿って、本願商標と引用商標との類否について検討する。
(2)本願商標
本願商標は、前記2のとおり、「椿蒲鉾」の文字を標準文字で表してなり、本願の指定商品を第29類「かまぼこ」とするものであるところ、その構成は、「椿蒲鉾」の各文字が、同じ書体及び大きさで、等間隔に表されているものである。
もっとも、本願商標の構成中、「椿」の文字は、「ツバキ科の常緑高木数種の総称」の意味を有する語(「広辞苑 第七版」岩波書店)として、「蒲鉾」の文字は、「白身の魚のすり身に卵白・調味料などをまぜてこね、板に盛り、または簀巻にして、蒸したり焼いたりした食品」の意味を有する語(前掲書)として、それぞれ一般に広く知られていることからすると、本願商標は、「椿」の文字と「蒲鉾」の文字とを結合した結合商標であると容易に認識することができるものである。
また、本願商標の構成中、「蒲鉾」の文字は、本願の指定商品「かまぼこ」との関係においては、商品の普通名称を漢字表記したものとして看取、理解されるものであり、自他商品の識別標識として機能しないもの又はその機能が極めて弱いものといえる。
一方、上述のような意味を有する「椿」の文字は、本願の指定商品「かまぼこ」との関係において、例えば、商品の品質や原材料を表すなど、自他商品の識別標識として機能しない又はその機能が極めて弱いとみるべき事情は見当たらないことから、当該文字部分は、商品の出所識別標識として、取引者、需要者に強く支配的な印象を与えるものである。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品について使用するときは、その構成中の「椿」の文字が、商品の出所識別標識として、取引者、需要者に対し、強く支配的な印象を与えるものであるから、当該文字を要部として抽出し、これと他人の商標とを比較して、商標の類否を判断することができるものである。
してみれば、本願商標は、構成文字全体に相応して生じる「ツバキカマボコ」の称呼のほかに、その構成中、独立して商品の出所識別標識としての機能を果たし得る「椿」の文字に相応して、「ツバキ」の称呼を生じ、「ツバキ科の常緑高木数種の総称」の観念を生じるものである。
(3)引用商標
引用商標は、前記3のとおり、「椿」の文字及び「つばき」の文字を上下二段に表してなるところ、下段の平仮名は、上段の漢字の読みを表したと理解されるものである。
そして、当該「椿」及び「つばき」の文字は、上記(2)と同様に、「ツバキ科の常緑高木数種の総称」の意味を有する語(前掲書)として一般に広く知られているものであるから、引用商標は、その構成全体に相応して、「ツバキ」の称呼を生じ、「ツバキ科の常緑高木数種の総称」の観念を生じるものである。
(4)本願商標と引用商標との類否
本願商標と引用商標とは、それぞれ上記(2)及び(3)のとおりの構成からなるところ、構成全体の外観においては相違するものの、本願商標の構成中、独立して商品の出所識別標識としての機能を果たし得る「椿」の文字部分と、引用商標の構成中、「椿」の文字とを比較するときは、「椿」の文字を同一とするものであるから、両者は、外観上、類似するものである。
また、本願商標の構成中、独立して商品の出所識別標識としての機能を果たし得る「椿」の文字部分と引用商標は、「ツバキ」の称呼及び「ツバキ科の常緑高木数種の総称」の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において類似し、称呼及び観念を共通にするものであるから、これらを総合勘案すれば、両者は相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(5)本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否
本願の指定商品は、引用商標の指定商品中、第29類「肉製品,加工水産物」と同一又は類似の商品である。
(6)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(7)請求人の主張について
ア 請求人は、「本願商標は「椿蒲鉾」という一体の三文字の熟語」であって、「椿の形状をした蒲鉾として「椿蒲鉾」と一体的に、同じ書体、同じサイズの文字を続けて記述するもので、称呼も「ツバキカマボコ」として連続的に呼ぶ」旨を述べるとともに、「本願商標の椿と蒲鉾は、一体不可分な関係であり、消費者が誤解することはな」く、原審の判断は、「「椿蒲鉾」の一体的な文字の「椿」の文字部分を分離抽出し、引用商標と類似するとした誤り」である旨主張する。
しかしながら、上記(2)のとおり、本願商標の各文字が、同じ書体及び大きさで、等間隔に表されているとしても、本願商標は、その構成において、「椿」の文字と「蒲鉾」の文字とを結合した結合商標であると容易に認識することができるものである。そして、本願商標の構成中、本願の指定商品「かまぼこ」の普通名称を表す「蒲鉾」の文字部分に比して、「椿」の文字部分は、本願の指定商品との関係で、「蒲鉾」の文字部分よりも自他商品の識別標識として機能するものであって、取引者、需要者に対して強く支配的な印象を与えるというべきである。
そうすると、本願商標と引用商標との類否について判断するに当たり、本願商標の構成全体のほか、その構成中の「椿」の文字部分を要部として観察することは、上記(1)の判断枠組みに照らしても、許されるというべきである。
イ 請求人は、検索エンジン「Google」の画像検索において、「椿蒲鉾」の語を用いて検索した結果を審判請求書に添付するとともに、「検索結果の画像が並んでも引用商標の商品と本願商標の商品は明らかに違う。」旨、また、「消費者が混同することはない。故に、引用商標とは明らかに異なる。」旨主張する。
しかしながら、商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、その指定商品全般についての一般的、恒常的なそれを指すものであって、該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的、限定的なそれを指すものではない(最高裁昭和47年(行ツ)第33号同49年4月25日第一小法廷判決参照)ところ、請求人の上記主張は、本願商標が現在使用されている商品についての取引の実情をいうものであるから、請求人の挙げる事例は、上記(4)のとおりの類否判断を左右しない。
ウ したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
(8)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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