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特許拒絶査定不服審判

2022-009608

遊技機

審判番号
2022-009608
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-073353外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年06月22日
審決日
2023年07月11日
公報発行日
2023年08月25日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WYA(A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2019- 73353「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年10月22日出願公開、特開2020-171356、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 6項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、平成31年4月8日の出願であって、令和3年3月2日付けで拒絶の理由が通知され、同年4月23日に意見書及び手続補正書が提出され、同年9月10日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年11月25日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、令和4年3月18日付け(送達日:同月29日)で、令和3年11月25日提出の手続補正書でした補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、令和4年6月22日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、これに対し、当審において、令和5年2月14日付けで拒絶の理由が通知され、同年3月1日に意見書が提出されたものである。

第2 原審における補正の却下の決定の当否について

請求人は、審判請求書の「請求の趣旨」において、「特願2019-073353号について、令和4年3月18日になされた補正の却下の決定ならびに査定を取り消す。本願発明は特許すべきものとする、との審決を求める。」としているところ、令和4年3月18日付けの補正の却下の決定の当否について検討する。

[補正の却下の決定の当否の結論]

令和4年3月18日付け補正の却下の決定を取り消す。

[理由]

1 令和4年3月18日付け補正の却下の決定の概要

原審における令和4年3月18日付け補正の却下の決定(以下、単に「補正の却下の決定」という。)の概要は、

令和3年11月25日提出の手続補正書における補正(以下「本件補正」という。)による請求項1についての補正は限定的減縮を目的としているが、引用文献1に記載された発明に、周知技術1(引用文献2、引用文献3)及び周知技術2(引用文献4、引用文献5)を適用して、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)のように構成することは、当業者が容易になし得たことであり、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであり、本件補正は同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであるから、同法第53条第1項の規定により却下する、というものである。

引用文献1.特開2018-166995号公報

引用文献2.特開2018-164471号公報(周知技術を示す文献)

引用文献3.特開2016-10643号公報(周知技術を示す文献)

引用文献4.特開2015-231541号公報(周知技術を示す文献)

引用文献5.特開2017-196031号公報(周知技術を示す文献)

2 本件補正について

本件補正は、特許請求の範囲を補正するものであり、本件補正により、特許請求の範囲は、

(補正前:令和3年4月23日付け手続補正書でした補正)

「【請求項1】
表示装置の表示領域に表示される当否判定に用いられる当否判定情報の存在を示す保留図柄として、通常図柄、および当該通常図柄よりも対応する当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高い特定図柄が設定され、当該通常図柄から当該特定図柄に変化することが遊技者に有利な成功結末として、変化しないことが失敗結末として設定された特定演出を実行する演出実行手段と、
少なくとも一部が前記表示領域に重なる演出位置に位置することが可能な部材であって、前記特定図柄の少なくとも一部を模した部分を有する可動部材と、
を備え、
前記特定演出は、
前記通常図柄が前記特定図柄に変化する可能性があることを示唆する煽り演出を含み、
当該煽り演出後、前記失敗結末となる場合には前記可動部材が前記演出位置に位置せず、前記成功結末となる場合には前記表示領域に前記特定図柄が表示されるよりも前に前記可動部材が前記演出位置に位置させられる
ことを特徴とする遊技機。」から、

(補正後:令和3年11月25日付け手続補正書でした補正)

「【請求項1】
A 表示装置の表示領域に表示される当否判定に用いられる当否判定情報の存在を示す保留図柄として、通常図柄、および当該通常図柄よりも対応する当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高い特定図柄が設定され、当該通常図柄から当該特定図柄に変化することが遊技者に有利な成功結末として、変化しないことが失敗結末として設定された特定演出を実行する演出実行手段と、
B 原位置および当該原位置に位置するときよりも前記表示領域に重なる範囲が大きくなる演出位置に位置することが可能な部材であって、前記特定図柄の少なくとも一部を模した部分を有する可動部材と、
を備え、
C 前記特定演出は、
C1 前記通常図柄が前記特定図柄に変化する可能性があることを示唆する煽り演出を含み、
C2 当該煽り演出後、前記失敗結末となる場合には前記可動部材が前記原位置に位置したままで前記演出位置に位置せず、前記成功結末となる場合には前記表示領域に前記特定図柄が表示されるよりも前に前記可動部材が前記演出位置に位置させられる
D ことを特徴とする遊技機。」に補正された(下線は、補正箇所を明示するために当審で付した。また、A等は、分説のため当審で付した。以下A等を付した事項を「特定事項A」等という。)。

3 本件補正の適否

(1) 補正事項

本件補正は、次の補正事項を含むものである。

ア 本件補正前の請求項1の「少なくとも一部が前記表示領域に重なる演出位置に位置することが可能な部材であ」る「可動部材」という記載を、「原位置および当該原位置に位置するときよりも前記表示領域に重なる範囲が大きくなる演出位置に位置することが可能な部材であ」る「可動部材」とする補正。

イ 本件補正前の請求項1の「前記特定演出は」、「当該煽り演出後、前記失敗結末となる場合には前記可動部材が前記演出位置に位置せず、」という記載を、「前記特定演出は」、「当該煽り演出後、前記失敗結末となる場合には前記可動部材が前記原位置に位置したままで前記演出位置に位置せず、」とする補正。

(2) 補正の目的について

ア 補正事項アについて

補正事項アは、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「可動部材」について、補正前に「少なくとも一部が前記表示領域に重なる演出位置に位置することが可能な部材であ」るとあったものを、補正後に「原位置および当該原位置に位置するときよりも前記表示領域に重なる範囲が大きくなる演出位置に位置することが可能な部材であ」ることを限定することにより減縮する補正であり、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

イ 補正事項イについて

補正事項イは、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「前記特定演出」において、「当該煽り演出後、前記失敗結末となる場合」について、補正前に「前記可動部材が前記演出位置に位置せず」とあったものを、補正後に「前記可動部材が前記原位置に位置したままで前記演出位置に位置せず」と限定することにより減縮する補正であり、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

(3) 新規事項の追加の有無

本件補正は、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)の【0064】、【0070】、図11(b)及び図12等に記載された事項であり、当該補正は、当初明細書等の記載の範囲内においてしたものであり、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、特許法第17条の2第3項の規定を満たす。

4 独立特許要件について

本件補正は、上記3(2)に示したように、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的として含むものであるから、本願補正発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(同法同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下、検討する。

(1) 本願補正発明

本願補正発明は、上記2の「(補正後:令和3年11月25日提出の手続補正書でした補正)」の【請求項1】に記載したとおりのものである。

(2) 引用文献

ア 引用文献1

補正の却下の決定に引用文献1として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2018-166995号公報(平成30年11月1日出願公開、以下同じく「引用文献1」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている(なお、下線は当審で付した。以下同様。) 。

(ア) 記載事項

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「【0054】
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動演出する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタなどを表示する副表示領域Dsとなっている。また、第3図柄表示装置81の表示画面における下底辺側中央部分には、保留球数などを表示するコクピット表示領域Dbが設けられている。
・・・
【0058】
続きを表示(全13行)
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1~Ds3に等区分されている。小領域Ds1~Ds3は、それぞれ、キャラクタや予告演出画像を表示する領域である。小領域Ds1~Ds3のそれぞれに表示される画像によって、主表示領域Dmにて行われる変動演出の結果として大当たりとなる期待感を遊技者に与えている。コクピット表示領域Dbは、第1入球口64に入球された球のうち変動演出が未実行である球(保留球)の数である保留球数を示す保留図柄と、実行中の変動演出に関する実行図柄とを表示する領域である。
・・・
【0069】
また、コクピット表示領域Dbでは、該コクピット表示領域Dbに表示される保留図柄及び実行図柄を用いて、「保留変化予告」を実行可能に構成されている。この「保留変化予告」とは、主表示領域Dmで実行される変動演出の大当たり期待度を、該変動演出の実行前から実行中にかけて保留図柄及び実行図柄の表示色を複数段階に変化させることで示唆する予告である。
【0070】
第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」として、保留図柄及び実行図柄の表示色を、通常の表示態様である白色から、青色の表示態様の「青」、赤色の表示態様の「赤」、又は、虹色の表示態様の「虹」に変化可能に構成されている。本パチンコ機10では、変動演出において「大当たり表示」が発生する場合や、「リーチ表示」が発生する場合に、保留図柄及び実行図柄の表示色の選択割合が異なるように構成されているため、この保留図柄及び実行図柄の表示色が、通常の表示態様(白)から別の表示態様(例えば、「青」)に変化することで、その保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」が発生する可能性を各表示色ごとに遊技者に示唆することができる。
・・・
【0072】
また、保留図柄及び実行図柄の表示態様が「赤」である場合には、その「赤」の保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「スーパーリーチ」を主とする演出の態様(以下、主とする演出の態様を「演出態様」という)、「スペシャルリーチ」演出態様又は「特殊変動」演出態様(以下、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様又は「特殊変動」演出態様のことを総称して「スーパーリーチ以上」という場合がある)の実行が確定するように設定されている。さらに、保留図柄及び実行図柄の表示態様が「虹」である場合には、その「虹」の保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「大当たり表示」の現出が確定するように設定されている。従って、第1実施形態では、保留図柄及び実行図柄の表示態様が、通常(白)→「青」→「赤」→「虹」の順に段階的に「リーチ表示」や「大当たり表示」の現出期待度が高いように設定されている。」
「【0741】
具体的には、第3実施形態のパチンコ機10において、第3図柄表示装置81の表示画面の左側に該表示画面上を往復駆動可能な左側可動役物87(図38参照)を配設するとともに、表示画面の右側に該表示画面上を往復駆動可能な右側可動役物88(図38参照)を配設する。該左側可動役物87および右側可動役物88は、変動演出において駆動抽選により駆動有無および駆動パターンが決定されるように構成されている。また、コクピット表示領域Dbは、変動演出の実行中、いずれの変動要素でも常時表示されるように構成する。さらに、左側可動役物87が所定の駆動態様(第3実施形態では、「強パターン」。以下、所定の駆動態様を「強パターン」と表現する。)で駆動した場合に、該左側可動役物87がコクピット表示領域Dbに覆い被る状態となり、該左側可動役物87によって遊技者からコクピット表示領域Dbが視認できなくなる。そして、左側可動役物87が「強パターン」で駆動している状態において、実行図柄にて「保留変化予告」を実行(以下、「強パターン」時における「保留変化予告」の実行タイミングを、「強パターン駆動後」という)し、その後、該左側可動役物87が元の位置に戻ったとき、「保留変化予告」が実行済みの実行図柄を、遊技者が再び視認可能となるように構成する。
・・・
【0745】
なお、第3実施形態では、各可動役物87,88の「強パターン」以外の駆動パターンとして、該「強パターン」の駆動パターンより駆動範囲が小さい「弱パターン」の駆動パターンが設けられている。具体的には、「強パターン」の駆動パターンは、各可動役物87,88が初期位置の起立状態(90°)から水平状態(0°)に傾倒して、左側可動役物87によってコクピット表示領域Dbが覆われるように構成されている。一方、「弱パターン」の駆動パターンは、各可動役物87,88が初期位置の起立状態からやや傾いた状態(60°)に傾倒して、各可動役物87,88によってはコクピット表示領域Dbが覆われないように構成されている。」
「【0747】
まず、図38を参照して、第3実施形態の変動演出において、「ノーマルリーチ」の変動要素および「スーパーリーチ」の変動要素が現出した場合における第3図柄表示装置81の表示内容の変遷について説明する。
・・・
【0751】
続きを表示(全12行)
さらに、コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示され、また、第1~第4保留図柄表示領域Db1~Db4において、保留図柄がそれぞれ表示されている。従って、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
【0752】
また、第3図柄表示装置81の表示画面の左側には剣を模した左側可動役物87が配設されていると共に、該表示画面の右側にも同じく剣を模した右側可動役物88が配設されている。これら左側可動役物87および右側可動役物88(以下、左側可動役物87および右側可動役物88について「各可動役物87,88」と略す場合がある)は、通常時において初期位置として原点位置にあり、それぞれ第3図柄表示装置81の左右両側に直立して配置されている。
・・・
【0755】
ここで、図39を参照して、各可動役物87,88の駆動態様について具体的に説明する。図39(a)は、第3実施形態における左側可動役物87および右側可動役物88の「弱パターン」による駆動パターンを模式的に示した図であり、図39(b)は、左側可動役物87および右側可動役物88の「強パターン」による駆動パターンを模式的に示した図である。
【0756】
左側可動役物87は、初期位置(第3図柄表示装置81の左側位置。直立状態(90°)。)から駆動される場合に、該左側可動役物87の下端部を軸として第3図柄表示装置81の画面上を右側(時計回り)に回動駆動させる。この回転駆動において、「弱パターン」の駆動態様では、第3図柄表示装置81の画面中央部分である所定位置(所定角度(60°))まで回動して停止し(図39(a)参照)、「強パターン」の駆動態様では、第3図柄表示装置81の画面下部(0°)まで回動して停止し(図39(b)参照)、その停止状態を所定時間(例えば、1秒又は2秒)維持する。その後、上記各停止位置に停止している左側可動役物87は、該左側可動役物87の下端部を軸として第3図柄表示装置81の画面上を左側(反時計回り)に回転駆動して、初期位置(第3図柄表示装置81の左側位置。直立状態(90°)。)に戻るように構成されている。」
「【0778】
このように、各可動役物87,88は、「弱パターン」の駆動パターンが延長されて駆動した態様が「強パターン」の駆動パターンとなるように構成されている。即ち、各可動役物87,88の「強パターン」の駆動パターンは、「弱パターン」の駆動パターンを含む内容で駆動される。従って、遊技者は、各可動役物87,88が駆動した段階で、その駆動パターンが「弱パターン」で終わるのか、その駆動が延長されて「強パターン」まで駆動するのか、という各可動役物87,88の駆動パターンに着目し、その駆動パターンがいずれの駆動パターンとなるか否かの興趣が生まれる。」
「【0890】
音声ランプ制御装置113は、保留情報格納エリア223eに格納された各カウンタC1~C3,CS1の値と、ROM222に格納された各テーブル222a~222dとを用いて、先読み処理(保留表示設定処理(図48参照))を実行する。また、音声ランプ制御装置113は、その先読み処理によって得られた保留変化情報、シナリオデータおよび駆動パターン情報を保留情報格納エリア223eの保留変化情報格納エリア223e5、シナリオデータ格納エリア223e6および駆動パターン情報格納エリア223e10にそれぞれ記憶し、各エリア223e5,223e6,223e10に記憶された値に基づいて「保留変化予告」を実行する。」
「【図38】
[図:0001400117000001.jpg]
」
「【図39】
[図:0001400117000002.jpg]
」

(イ) 認定事項

a 【0751】に「コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示され、また、第1~第4保留図柄表示領域Db1~Db4において、保留図柄がそれぞれ表示されている。」と記載され、図38及び図39から、実行図柄表示領域Db0及び第1~第4保留図柄表示領域Db1~Db4には、円が描かれていることが見て取れる。

これらのことから、引用文献1には、「保留図柄及び実行図柄は、円形である」ことが記載されていると認められる(認定事項a)。

b 【0747】には「図38を参照して」と、【0752】には「また、第3図柄表示装置81の表示画面の左側には剣を模した左側可動役物87が配設されていると共に、該表示画面の右側にも同じく剣を模した右側可動役物88が配設されている。これら左側可動役物87および右側可動役物88(以下、左側可動役物87および右側可動役物88について「各可動役物87,88」と略す場合がある)は、通常時において初期位置として原点位置にあり、それぞれ第3図柄表示装置81の左右両側に直立して配置されている。」と、それぞれ記載されている。

また、図38から、「各可動役物87,88」は、その一部が第3図柄表示装置に重なって配置されていることが見て取れる。

これらのことから、引用文献1には、「各可動役物87,88は、通常時において初期位置として原点位置にあり、それぞれ第3図柄表示装置81の左右両側に直立して、その一部が第3図柄表示装置に重なって配置されている」ことが記載されていると認められる(認定事項b)。

c 【0755】には「図39(b)は、左側可動役物87および右側可動役物88の「強パターン」による駆動パターンを模式的に示した図である。」と、【0756】には、「左側可動役物87は、初期位置(第3図柄表示装置81の左側位置。直立状態(90°)。)から駆動される場合に、・・・「強パターン」の駆動態様では、第3図柄表示装置81の画面下部(0°)まで回動して停止し(図39(b)参照)、その停止状態を所定時間(例えば、1秒又は2秒)維持する。」と、それぞれ記載され、図39(b)から、左側可動役物87は、第3図柄表示装置81の画面下部(0°)まで回動してコクピット表示領域Dbに覆い被る状態となるときに、その全部が第3図柄表示装置に重なって配置されていることが見て取れる。

これらのことから、引用文献1には、「左側可動役物87は、コクピット表示領域Dbに覆い被る状態となるときに、その全部が第3図柄表示装置に重なって配置されている」ことが記載されていると認められる(認定事項c)。

(ウ) 引用発明

上記(ア)、(イ)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、引用箇所の段落番号等を併記した。

「第3図柄表示装置81の表示画面における下底辺側中央部分には、保留球数などを表示するコクピット表示領域Dbが設けられており(【0054】)、
コクピット表示領域Dbは、第1入球口64に入球された球のうち変動演出が未実行である球(保留球)の数である保留球数を示す保留図柄と、実行中の変動演出に関する実行図柄とを表示する領域であり(【0058】)、
保留図柄及び実行図柄は、円形であり(認定事項a)、
コクピット表示領域Dbで、主表示領域Dmで実行される変動演出の大当たり期待度を、該変動演出の実行前から実行中にかけて、該コクピット表示領域Dbに表示される保留図柄及び実行図柄の表示色を変化させることで示唆する予告である「保留変化予告」を実行する音声ランプ制御装置113を備え(【0069】、【0890】)、
続きを表示(全12行)
「保留変化予告」として、保留図柄及び実行図柄の表示色を、通常の表示態様である白色から、青色の表示態様の「青」、赤色の表示態様の「赤」、又は、虹色の表示態様の「虹」に変化可能に構成され(【0070】)、
保留図柄及び実行図柄の表示態様が、通常(白)→「青」→「赤」→「虹」の順に段階的に「リーチ表示」や「大当たり表示」の現出期待度が高いように設定されているものであり(【0072】)、
第3図柄表示装置81の表示画面の左側に該表示画面上を往復駆動可能な剣を模した左側可動役物87を配設するとともに、表示画面の右側に該表示画面上を往復駆動可能な剣を模した右側可動役物88を配設し、左側可動役物87が「強パターン」の駆動態様で駆動した場合に、該左側可動役物87がコクピット表示領域Dbに覆い被る状態となり、該左側可動役物87によって遊技者からコクピット表示領域Dbが視認できなくなり、そして、左側可動役物87が「強パターン」で駆動している状態において、実行図柄にて「保留変化予告」を実行し、その後、該左側可動役物87が元の位置に戻ったとき、「保留変化予告」が実行済みの実行図柄を、遊技者が再び視認可能となるように構成し(【0741】、【0752】)、
各可動役物87,88は、通常時において初期位置として原点位置にあり、それぞれ第3図柄表示装置81の左右両側に直立して、その一部が第3図柄表示装置に重なって配置され(認定事項b)、
左側可動役物87は、コクピット表示領域Dbに覆い被る状態となるときに、その全部が第3図柄表示装置に重なって配置され(認定事項c)、
各可動役物87,88の「強パターン」以外の駆動パターンとして、該「強パターン」の駆動パターンより駆動範囲が小さい「弱パターン」の駆動パターンが設けられており、「強パターン」の駆動パターンは、各可動役物87,88が初期位置の起立状態(90°)から水平状態(0°)に傾倒して、左側可動役物87によってコクピット表示領域Dbが覆われるように構成されている一方、「弱パターン」の駆動パターンは、各可動役物87,88が初期位置の起立状態からやや傾いた状態(60°)に傾倒して、各可動役物87,88によってはコクピット表示領域Dbが覆われないように構成されているものであり(【0745】)、
各可動役物87,88は、「弱パターン」の駆動パターンが延長されて駆動した態様が「強パターン」の駆動パターンとなるように構成されており、即ち、各可動役物87,88の「強パターン」の駆動パターンは、「弱パターン」の駆動パターンを含む内容で駆動されるから、遊技者は、各可動役物87,88が駆動した段階で、その駆動パターンが「弱パターン」で終わるのか、その駆動が延長されて「強パターン」まで駆動するのか、という各可動役物87,88の駆動パターンに着目し、その駆動パターンがいずれの駆動パターンとなるか否かの興趣が生まれる(【0778】)
パチンコ機10(【0740】)。」

イ 引用文献2

補正の却下の決定に周知技術を示す引用文献2として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2018-164471号公報(平成30年10月25日出願公開、以下同じく「引用文献2」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている。

(ア) 記載事項

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「【0010】
<第1実施形態>
1.遊技機の構造
本発明の遊技機の第1実施形態であるパチンコ遊技機1について図面を用いて説明する。最初に、主にパチンコ遊技機1の機械的構造について図1~図6を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」とはパチンコ遊技機1から当該パチンコ遊技機1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」をパチンコ遊技機1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機1に近づく方向として、説明する。」
「【0189】
4-2.保留演出
・・・
【0200】
例えば、図23(A)に示すように、リーチが実行されない演出図柄EZ1~EZ3の変動表示(特別図柄の変動表示)が行われ、特図1保留数が2つの状況(図21(B)の状況)から、第1始動口20に遊技球が入賞して、特殊変動に係る特図1保留が新たに発生すると、図23(B)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、上表示部8aの上端から前述した不図示の第3領域73a3を目掛けて閃光が走るような画像(閃光画像)G1が表示されると共に、下表示部7aの左側下端および右側下端から、先読み演出中であることを示唆する画像(先読み演出示唆画像G2)が立ち上るように表示される。先読み演出示唆画像G2は、左右方向に並んだ複数の帯で構成され、演出図柄EZ1~EZ3のように下から上にスクロール表示される。なお、先読み演出示唆画像G2を構成する帯には、「激アツ保留待機中」というフレーズ(句)が複数付されているが、先読み演出示唆画像G2が出現した直後は、立ち上る速度が速いため、このフレーズを視認することが困難である。また、閃光画像G1の表示は、後述する第2特別態様の保留アイコンを構成する枠可動装置画像G3の出現の前兆である。さらに、閃光画像G1および先読み演出示唆画像G2の表示は、先読み演出の開始を構成し、先読み演出の開始として、さらに図23(B)に示すように、枠可動装置13の枠上可動体13U1と枠下可動体13D1が先読み演出専用の特殊態様で回転を開始すると共に、枠上発光装置13U3および枠下発光装置13D3が先読み演出専用の特殊態様で発光を開始する。なお、図示していないが、先読み演出の開始として、スピーカー11から先読み演出専用の特殊BGMの出力が開始され、枠ランプ12が先読み演出専用の特殊態様で発光を開始する。これらの枠上可動体13U1および枠下可動体13D1による先読み演出専用の特殊態様での回転、枠上発光装置13U3および枠下発光装置13D3による先読み演出専用の特殊態様での発光、スピーカー11による先読み演出専用の特殊BGMの出力、ならびに枠ランプ12による先読み演出専用の特殊態様での発光は、所定の規制条件が成立しない限り、先読み演出が終了するまで継続して行われる。
【0201】
次に、閃光画像G1が消去されると、不図示の第3領域73a3に、新たに発生した保留順3の特図1保留に対応する第2特別態様の保留アイコンが表示される。第2特別態様の保留アイコンは、枠上可動体13U1および枠下可動体13D1が回転すると共に、枠上発光装置13U3および枠下発光装置13D3が赤色で発光している枠可動装置13を模擬した画像(枠可動装置画像)G3で構成される。また、枠可動装置画像G3が表示されるときには、先読み演出示唆画像G2がスクロール表示する速度が減速され、先読み演出示唆画像G2に含まれるフレーズ「激アツ保留待機中」が視認容易となる。」

(イ) 引用文献2記載の事項

上記(ア)から、引用文献2には、次の事項(以下「引用文献2記載の事項」という。)が記載されている。

「第1始動口20に遊技球が入賞して、特殊変動に係る特図1保留が新たに発生すると、当該特図1保留の発生に応じて、上表示部8aの上端から前述した第3領域73a3を目掛けて閃光が走るような画像(閃光画像)G1が表示され、閃光画像G1の表示は、第2特別態様の保留アイコンを構成する枠可動装置画像G3の出現の前兆であり(【0200】)、
閃光画像G1が消去されると、第3領域73a3に、新たに発生した保留順3の特図1保留に対応する第2特別態様の保留アイコンが表示され、第2特別態様の保留アイコンは、枠可動装置13を模擬した画像(枠可動装置画像)G3で構成される(【0201】)パチンコ遊技機1(【0010】)。」

ウ 引用文献3

補正の却下の決定に周知技術を示す引用文献3として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-10643号公報(平成28年1月21日出願公開、以下同じく「引用文献3」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている。

(ア) 記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)
「【0018】
以下、本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。なお、図1では、遊技機1の枠体、遊技球を発射する発射装置、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は省略している。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。」
「【0025】
[図柄変化演出]
・・・
【0026】
続きを表示(全13行)
当該時点で当否判定結果が報知されているものを除き、記憶手段に記憶されている当否判定結果の数は、表示装置91に表示される保留図柄10の数と一致する。例えば、記憶手段に四つの当否判定結果が記憶されている場合には、表示装置91に四つの保留図柄10が表示される。本実施形態では、表示装置91の下側縁に沿って並ぶように保留図柄10が表示される。本実施形態の保留図柄10は、円とその円の内側に位置する三角が組み合わされた形態(以下、当該形態を単に「エンブレム」と称することもある)を有する。
【0027】
大当たりであるか、はずれであるかを問わず、ある当否判定結果を報知するに際し、図柄変化予告演出を実行することが決定された場合には、表示装置91に表示されている、当該当否判定結果に対応する保留図柄10に向かって移動する演出図柄20が表示される。本実施形態の演出図柄20は、刃21の部分および鍔22を有する「剣」を描いた図柄である。当該「剣」の鍔22の部分には、円とその円の内側に位置する三角が組み合わされた形状(エンブレム221)が描かれている。すなわち、演出図柄20は、上記保留図柄10を模した形状(同一または類似(相似形含む))を一部に含むものである。
・・・
【0029】
本実施形態では、図柄変化演出が成功すると、保留図柄10の態様が変化する。具体的には、保留図柄10に向かって移動する演出図柄20である「剣」が表示され、当該「剣」が保留図柄10に突き刺さり(図2に示した状態となり)、その突き刺さり量が増えていって「剣」の鍔22にあるエンブレム221が、エンブレムそのものである保留図柄10と合成されて一体化する(図3に示した状態となる)。つまり、「剣」の鍔22にあるエンブレム221と保留図柄10が一体化することにより、通常の保留図柄10から「剣」と一体となった保留図柄10に変化する。
・・・
【0031】
ここで、本実施形態における操作手段50について説明する。図5および図6に示すように、本実施形態における操作手段50は、遊技機前方右側に設けられた「剣」を模した構造物である。当該「剣」は、略上下方向にスライド自在に設けられており、図示されない付勢部材によって上側に付勢されている。したがって、操作手段50に何の力も作用していないときには、当該付勢部材の付勢力により、最も上方の位置である原位置に位置する。遊技者が付勢部材の付勢力に抗して操作手段50に対して下向きの力を作用させると、操作手段50が下方にスライドする。具体的には、遊技者は、操作手段50である「剣」の「持ち手部分」を握り、下向きの力を加えることで操作手段50を下方にスライドさせる。操作手段50が最も下方の位置である終端位置に到達すると、図示されないセンサによって操作手段50が当該終端位置に到達したことが検出される。つまり、遊技者によって操作手段50が操作されたことが検出される。本実施形態では、遊技機本体に固定された固定部材52に形成された開口521を通るように操作手段50が設けられている。」
「【0044】
本実施形態における操作手段50は、「剣」を模した構造物であり、保留図柄10に刺さる演出図柄20は当該「剣」である操作手段50を模したものである。そして、保留図柄10の変化が発生する場合には、保留図柄10の態様の変化は、変化する前の保留図柄10とこの図柄に向かって移動する演出図柄20の一体化が成立することによって発生するように構成される。したがって、演出図柄20が操作手段50を模したものであれば、操作手段50を操作することと、演出図柄20と保留図柄10との一体化が成立するかどうかということがリンクする。つまり、表示される演出図柄20を実際に操作して保留図柄10と一体化させたような操作感や満足感を遊技者に与える演出とすることが可能である。」

(イ) 引用文献3記載の事項

上記(ア)から、引用文献3には、次の事項(以下「引用文献3記載の事項」という。)が記載されている。

「保留図柄は、エンブレム(円とその円の内側に位置する三角が組み合わされた形態)の形態を有し(【0026】)、
表示装置91に表示されている、当該当否判定結果に対応する保留図柄10に向かって移動する演出図柄20が表示され、演出図柄20は、刃21の部分および鍔22を有する「剣」を描いた図柄であり、当該「剣」の鍔22の部分には、円とその円の内側に位置する三角が組み合わされた形状(エンブレム221)が描かれており(【0027】)、
図柄変化演出が成功すると、「剣」の鍔22にあるエンブレム221と保留図柄10が一体化することにより、通常の保留図柄10から「剣」と一体となった保留図柄10に変化するものであり(【0029】)、
操作手段50は、遊技機前方右側に設けられた「剣」を模した構造物であり、当該「剣」は、略上下方向にスライド自在に設けられており(【0031】)、
操作手段50は、「剣」を模した構造物であり、保留図柄10に刺さる演出図柄20は当該「剣」である操作手段50を模したものである(【0044】)
遊技機1(【0018】)。」

エ 補正の却下の決定に周知技術を示す引用文献4として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2015-231541号公報(平成27年12月24日出願公開、以下同じく「引用文献4」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている。

(ア) 記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)
「【0011】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。」
「【0064】
1種類目の演出は、第1保留アイコン表示領域51に通常アイコンを新たに表示する表示演出(図5(B)参照)である。2種類目の演出は、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンを新たに表示する表示演出(図5(C)参照)である。3種類目の演出は、第1保留アイコン表示領域51に特別アイコンを新たに表示する表示演出及び演出役物7を本動作(第2動作)させる役物演出(図5(D)参照)である。ここで、演出役物7の本動作は、初期姿勢(図1参照)に維持されている演出役物7を回動姿勢(例えば図6(C-2)参照)へと姿勢変化させた後に初期姿勢に戻す動作である。以下の説明では、演出役物7に本動作のみを行わせる演出役物7の動作パターンを、第2動作パターンと呼ぶものとする。」
「【0070】
ここで、演出役物7の第1動作パターンは、演出役物7を初期姿勢と、初期姿勢から回動姿勢側に小さい回転角だけ回動させた姿勢との間でガタガタと揺動させる動作パターンである(図7(B-2)参照)。すなわち、第1動作パターンは、第1動作、及び第2動作のうちの第1動作のみを含む動作パターンである。」
「【0088】
また、始動口入賞(図5(A)参照)、通常アイコン表示(図5(B)参照)、役物煽り動作(図5(F)参照)、及びアイコン昇格無し(図5(G)参照)のような流れで演出が進行する場合、演出の具体的な流れは、例えば以下の通りである。すなわち、例えば、図5(B)に基づいて上述したように通常アイコンが表示された後に、当該領域53に表示されている他の保留アイコンに対応する図柄の変動表示が終了すると、図7(B-1)に例示されるように、図5(B)の演出で第1保留アイコン表示領域51に表示された保留アイコン(ここでは通常アイコン)が当該領域53に移動されると共に、液晶画面における装飾図柄の変動表示が開始される。そして、当該領域53に移動された通常アイコンが当該領域53から消去される前に、演出役物7を第1動作パターンで動作させる役物煽り動作が行われる(図7(B-2)及び図5(F)参照)。当該領域53には通常アイコンが表示されており、その後、図5(G)に基づいて上述したようにアイコン昇格が発生しないため、大抵の場合、リーチ演出に発展することなく特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示唆する表示態様で装飾図柄が停止表示されることになる(図7(B-3)参照)。」

【0091】

また、始動口入賞(図5(A)参照)、通常アイコン表示(図5(B)参照)、役物煽り動作(図5(J)参照)、及びアイコン昇格+役物本動作(図5(K)参照)のような流れで演出が進行する場合、演出の具体的な流れは、例えば以下の通りである。すなわち、例えば、図5(B)に基づいて上述したように通常アイコンが表示された後に、当該領域53に表示されている他の保留アイコンに対応する図柄の変動表示が終了すると、図8(B-1)に例示されるように、図5(B)の演出で第1保留アイコン表示領域51に表示された保留アイコン(ここでは通常アイコン)が当該領域53に移動されると共に、液晶画面における装飾図柄の変動表示が開始される。そして、例えば装飾図柄の変動表示が開始されてからリーチが成立するまでの間に、演出役物7を第1動作パターンで動作させる役物煽り動作が行われる(図8(B-2)、及び図5(J)参照)。続いて、例えばリーチが成立するタイミングにおいて、当該領域53に表示されている通常アイコンが特別アイコン(例えば赤色の保留アイコン)へとアイコン昇格すると共に、演出役物7を第2動作パターンで動作させる役物本動作が行われる(図8(B-3)、及び図5(K)参照)。ここでは、当該領域53に大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示唆する赤色の保留アイコンが表示されているので、例えば7図柄でリーチが成立し、例えば、ノーマルリーチ演出やSPリーチ演出よりも信頼度が高いSPSPリーチ演出が行われる。そして、最終的には、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」又は「ハズレ」であることを示唆する表示態様で装飾図柄が停止表示されることになる。」

「【図7】
[図:0001400117000003.jpg]
」

(イ) 認定事項

【0070】には「演出役物7の第1動作パターンは、演出役物7を初期姿勢と、初期姿勢から回動姿勢側に小さい回転角だけ回動させた姿勢との間でガタガタと揺動させる動作パターンである(図7(B-2)参照)。」と、【0088】には「演出役物7を第1動作パターンで動作させる役物煽り動作が行われる(図7(B-2)及び図5(F)参照)。」と、それぞれ記載され、これらの記載からみて、図7(B-1)の、役物煽り動作が行われる前の、装飾図柄の変動表示が開始された状態、及び、図7(B-3)の、役物煽り動作が行われた後の状態で、「演出役物7」は、初期姿勢にあるものと認められる(認定事項d)。

(ウ) 引用文献4記載の事項

上記(ア)、(イ)から、引用文献4には、下記の事項が記載されていると認められる(以下「引用文献4記載の事項」という。)。

「始動口入賞、通常アイコン表示、役物煽り動作、及びアイコン昇格無しのような流れで演出が進行する場合、液晶画面における装飾図柄の変動表示が開始され、当該領域53に移動された通常アイコンが当該領域53から消去される前に、演出役物7を初期姿勢と、初期姿勢から回動姿勢側に小さい回転角だけ回動させた姿勢との間でガタガタと揺動させる動作パターンである第1動作パターンで動作させる役物煽り動作が行われ、当該領域53には通常アイコンが表示されており、その後、アイコン昇格が発生せず、演出役物7は初期姿勢とされ(【0070】、【0088】、認定事項d)、
始動口入賞、通常アイコン表示、役物煽り動作、及びアイコン昇格+役物本動作のような流れで演出が進行する場合、液晶画面における装飾図柄の変動表示が開始され、装飾図柄の変動表示が開始されてからリーチが成立するまでの間に、演出役物7を第1動作パターンで動作させる役物煽り動作が行われ、リーチが成立するタイミングにおいて、当該領域53に表示されている通常アイコンが特別アイコンへとアイコン昇格すると共に、演出役物7を、初期姿勢に維持されている演出役物7を回動姿勢へと姿勢変化させた後に初期姿勢に戻す動作である第2動作パターンで動作させる役物本動作が行われる(【0064】、【0091】)パチンコ遊技機1(【0011】)。」

オ 補正の却下の決定に周知技術を示す引用文献5として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017-196031号公報(平成29年11月2日出願公開、以下同じく「引用文献5」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている。

(ア) 記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)
「【0089】
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2等の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板等といった、各種の基板が配置されている。」
「【0462】
キャラクタ演出の開始タイミングでなければ、演出制御用CPU120は、作用演出として役物演出を伴う保留変化予告演出やアクティブ表示変化予告演出を実行する場合(保留変化予告演出B-1~B-3やアクティブ表示変化予告演出B-1~B-3を実行する場合)であって、役物演出の開始タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS4603)。なお、役物演出の開始タイミングは、例えば、演出制御パターンなどによりあらかじめ定められていればよい。役物演出の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU120は、バイブレータ用モータ78bを駆動し可動部材78の振動動作を開始する制御を行う(ステップS4604)。そして、ステップS4611に移行する。
【0463】
なお、この実施の形態では、役物演出として可動部材78を振動動作させることにより、その後に可動部材78が画像表示装置5の表示画面の一部に被さるような態様で大きく動作して保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化することに対する期待感を煽るような演出を実行する場合を示しているが、そのような演出態様にかぎられない。例えば、可動部材78にLEDなどの発光体を内蔵するように構成し、そのLEDを発光制御することにより可動部材78が発光するような態様により役物演出を実行して遊技者の期待感を煽るように構成してもよい。また、例えば、画像表示装置5の可動部材78の近傍(本例では、表示画面の上方)においてエフェクト表示を行って遊技者の期待感を煽るように構成してもよい。」
「【0470】
予告対象の保留表示やアクティブ表示を変化させない場合であると判定した場合(ステップS4612のN)には、そのまま処理を終了する。この場合、キャラクタ表示を消去してキャラクタ演出を終了したり、可動部材78の振動動作を停止して役物演出を終了したり、プッシュボタン操作示唆演出やスティックコントローラ操作示唆演出を終了して各作用演出を終了するのみで、後述する保留表示やアクティブ表示の表示態様の変化は実行されず、可動部材78を画像表示装置5の表示画面の一部に被さるような態様で動作させる制御や、プッシュボタン31Bまたはスティックコントローラ31Aを振動動作させる制御も行われない。
・・・
【0472】
予告対象の保留表示やアクティブ表示を変化させる場合であると判定した場合(ステップS4612のY)には、演出制御用CPU120は、役物演出を実行していた場合(保留変化予告演出B-2~B-3やアクティブ表示変化予告演出B-2~B-3を実行していた場合)であるか否かを確認する(ステップS4613)。役物演出を実行していた場合であれば、演出制御用CPU120は、可動部材用モータ78aを駆動することによって可動部材78を画像表示装置5の表示画面の一部に被さるような態様で動作させる制御を行う(ステップS4614)。そして、ステップS4621に移行し、演出制御用CPU120は、予告対象の保留表示またはアクティブ表示を決定した表示態様に変更する制御を行う(ステップSS4621)。例えば、保留変化予告演出B-2を実行していた場合であれば予告対象の保留表示を青色の丸形表示に変更し、保留変化予告演出B-3を実行していた場合であれば予告対象の保留表示を赤色の丸形表示に変更する。また、例えば、アクティブ表示変化予告演出B-2を実行していた場合であればアクティブ表示を青色の丸形表示に変更し、アクティブ表示変化予告演出B-3を実行していた場合であればアクティブ表示を赤色の丸形表示に変更する。」

(イ) 引用文献5記載の事項

上記(ア)から、引用文献5には、下記の事項が記載されていると認められる(以下「引用文献5記載の事項」という。)。

「役物演出を伴うアクティブ表示変化予告演出を実行する場合であって、役物演出の開始タイミングとなっていれば、バイブレータ用モータ78bを駆動し可動部材78の振動動作を開始する制御を行い(【0462】)、
役物演出として可動部材78を振動動作させることにより、その後に可動部材78が画像表示装置5の表示画面の一部に被さるような態様で大きく動作してアクティブ表示の表示態様が変化することに対する期待感を煽るような演出を実行するものであり(【0463】)、
予告対象のアクティブ表示を変化させない場合であると判定した場合、可動部材78の振動動作を停止して役物演出を終了し、アクティブ表示の表示態様の変化は実行されず、可動部材78を画像表示装置5の表示画面の一部に被さるような態様で動作させる制御も行われないものであり(【0470】)、
予告対象のアクティブ表示を変化させる場合であると判定した場合、役物演出を実行していた場合であれば、可動部材用モータ78aを駆動することによって可動部材78を画像表示装置5の表示画面の一部に被さるような態様で動作させる制御を行い、そして、予告対象のアクティブ表示を決定した表示態様である青色の丸形表示または赤色の丸形表示に変更する制御を行うものである(【0472】)パチンコ遊技機1(【0089】)。」

(3) 対比

本願補正発明と引用発明とを対比する。なお、見出しは(a)~(d)とし、本願補正発明の分説に対応させている。

(a) 引用発明の「第3図柄表示装置81」は、本願補正発明の「表示装置」に相当し、引用発明の「保留図柄」及び「実行図柄」は、いずれも、本願補正発明の「保留図柄」に相当する。

また、引用発明は、「保留図柄及び実行図柄の表示態様が」、「通常の表示態様である白色」、「青色の表示態様」、「赤色の表示態様」、「虹色の表示態様」「の順に段階的に「リーチ表示」や「大当たり表示」の現出期待度が高いように設定されているものであ」ることから、引用発明の「通常の表示態様である白色」の「保留図柄及び実行図柄」は、本願補正発明の「通常図柄」に相当し、引用発明の「青色の表示態様」、「赤色の表示態様」、または「虹色の表示態様」の「保留図柄及び実行図柄」は、本願補正発明の「当該通常図柄よりも対応する当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高い特定図柄」に、それぞれ相当する。

そして、引用発明の「保留変化予告」は、「実行される変動演出の大当たり期待度を」、「保留図柄及び実行図柄の表示色を変化させることで示唆する予告であ」るところ、「通常の表示態様である白色」の「保留図柄及び実行図柄」から「青色の表示態様」、「赤色の表示態様」、または「虹色の表示態様」の「保留図柄及び実行図柄」に変化することが遊技者に有利であるといえるから、引用発明の「保留変化予告」は、本願補正発明の「特定演出」と「当該通常図柄から当該特定図柄に変化することが遊技者に有利な成功結末として」「設定された」点で共通する。

また、引用発明の「「保留変化予告」を実行する音声ランプ制御装置113」は、本願補正発明の「特定演出を実行する演出実行手段」に相当する。

以上のことから、引用発明は、本願補正発明の特定事項Aと、「表示装置の表示領域に表示される当否判定に用いられる当否判定情報の存在を示す保留図柄として、通常図柄、および当該通常図柄よりも対応する当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高い特定図柄が設定され、当該通常図柄から当該特定図柄に変化することが遊技者に有利な成功結末として」「設定された特定演出を実行する演出実行手段」を備える点で共通する。

(b) 引用発明の「左側可動役物87」は、「通常時において初期位置として原点位置にあり」、「第3図柄表示装置81の表示画面の左側に」「配設」され、「その一部が第3図柄表示装置に重なって配置され」るものである。

また、引用発明の「左側可動役物87」は、「該表示画面上を往復駆動可能な」ものであるから、「可動部材」といえるものである。

そして、引用発明は、「該左側可動役物87が」「第3図柄表示装置81の表示画面に」「設けられ」た「コクピット表示領域Dbに覆い被る状態となり」、「実行図柄にて「保留変化予告」」が「実行」されることから、引用発明の「左側可動役物87」は、「保留変化予告」が「実行」されるとき、「その全部が第3図柄表示装置に重なって配置され」るものといえる。

これらのことから、引用発明の「原点位置」は、本願補正発明の「原位置」に、引用発明の「第3図柄表示装置81の表示画面に」「設けられ」た「コクピット表示領域Dbに覆い被る状態となり」、「実行図柄にて「保留変化予告」」が「実行」される位置は、本願補正発明の「当該原位置に位置するときよりも前記表示領域に重なる範囲が大きくなる演出位置」に、それぞれ相当するといえる。

以上のことから、引用発明は、本願補正発明の特定事項Bと、「原位置および当該原位置に位置するときよりも前記表示領域に重なる範囲が大きくなる演出位置に位置することが可能な部材であ」る「可動部材」を備える点で共通する。

(c、c2) 引用発明は「左側可動役物87が「強パターン」の駆動態様で駆動した場合に、該左側可動役物87がコクピット表示領域Dbに覆い被る状態となり、該左側可動役物87によって遊技者からコクピット表示領域Dbが視認できなくなり、そして」、「実行図柄にて「保留変化予告」を実行し、その後、該左側可動役物87が元の位置に戻ったとき、「保留変化予告」が実行済みの実行図柄を、遊技者が再び視認可能となる」ものである。

してみると、引用発明においては、「左側可動役物87が」「コクピット表示領域Dbに覆い被る状態」に位置してから「「保留変化予告」を実行」するものといえ、このことは、本願補正発明の「前記成功結末となる場合には前記表示領域に前記特定図柄が表示されるよりも前に前記可動部材が前記演出位置に位置させられる」ことに相当する。

以上のことから、引用発明は、本願補正発明の特定事項C、C2と、「前記特定演出は」、「前記成功結末となる場合には前記表示領域に前記特定図柄が表示されるよりも前に前記可動部材が前記演出位置に位置させられる」点で共通する。

(d) 引用発明の「パチンコ機10」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。

よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Dを備える。

以上のことから、本願補正発明と引用発明は、

「A’表示装置の表示領域に表示される当否判定に用いられる当否判定情報の存在を示す保留図柄として、通常図柄、および当該通常図柄よりも対応する当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高い特定図柄が設定され、当該通常図柄から当該特定図柄に変化することが遊技者に有利な成功結末として設定された特定演出を実行する演出実行手段と、
B 原位置および当該原位置に位置するときよりも前記表示領域に重なる範囲が大きくなる演出位置に位置することが可能な部材である可動部材と、
を備え、
C 前記特定演出は、
C2’前記成功結末となる場合には前記表示領域に前記特定図柄が表示されるよりも前に前記可動部材が前記演出位置に位置させられる
D ことを特徴とする遊技機。」である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1](特定事項A)

「当該通常図柄から当該特定図柄に変化することが遊技者に有利な成功結末として」「設定された特定演出」において、

本願補正発明では、「変化しないことが失敗結末として設定され」ているのに対し、

引用発明では、「保留変化予告」が実行されたときに、表示色が変化しないことがあるのか否か明らかでない点。

[相違点2](特定事項B)

「可動部材」が、

本願補正発明では、「前記特定図柄の少なくとも一部を模した部分を有」しているのに対し、

引用発明では、「剣を模した」ものである一方で、「保留変化予告」が「実行」された「保留図柄及び実行図柄」は、「円形」で「通常の表示態様である白色から」「表示色を変化させ」たものである点。

[相違点3](特定事項C、C1、C2)

「特定演出」は、

本願補正発明では、「前記通常図柄が前記特定図柄に変化する可能性があることを示唆する煽り演出を含み、当該煽り演出後、前記失敗結末となる場合には前記可動部材が前記原位置に位置したままで前記演出位置に位置」しないのに対し、

引用発明では、そのような構成を備えているのか明らかでない点。

(4) 判断

事案に鑑みて、相違点1及び相違点3についてまとめて検討する。

本願補正発明では、「特定演出」において「変化しないことが失敗結末として設定され」、「特定演出」を実行するにあたり、「前記通常図柄が前記特定図柄に変化する可能性があることを示唆する煽り演出を含み、当該煽り演出後、前記失敗結末となる場合には前記可動部材が前記原位置に位置したままで前記演出位置に位置」しないものである。

ここで、遊技機の技術分野において、可動部材の動作を伴う保留変化演出において、保留の表示態様が変化しないことがあり、保留変化演出を実行するにあたり、前記通常図柄が前記特定図柄に変化する可能性があることを示唆する煽り演出を含み、当該煽り演出後、保留の表示態様が変化しない場合には前記可動部材が初期位置に位置したままで動作しないようにすることは、上記(2)エ(ウ)、上記(2)オ(イ)に例示されるように周知技術(以下、上記1の記載と整合をとり「周知技術2」という。)といえる。

しかしながら、引用発明は、「保留変化予告」が実行される駆動パターンである、「各可動役物87,88の「強パターン」以外の駆動パターンとして、該「強パターン」の駆動パターンより駆動範囲が小さい「弱パターン」の駆動パターンが設けられており」、「各可動役物87,88の「強パターン」の駆動パターンは、「弱パターン」の駆動パターンを含む内容で駆動されるから、遊技者は、各可動役物87,88が駆動した段階で、その駆動パターンが「弱パターン」で終わるのか、その駆動が延長されて「強パターン」まで駆動するのか、という各可動役物87,88の駆動パターンに着目し、その駆動パターンがいずれの駆動パターンとなるか否かの興趣が生まれる」というものである。

してみると、保留が変化するか否かに関わらず、各可動役物87,88が駆動するときには、「弱パターン」の駆動パターンの駆動範囲である各可動役物87,88が初期位置の起立状態からやや傾いた状態(60°)に傾倒することを前提として、上記の目的を達成する引用発明に、保留の表示態様が変化しない場合には、可動部材が初期位置に位置したままで動作しないようにするという上記周知技術2を適用することには阻害要因がある。

そして、本願補正発明の上記相違点1及び相違点3に係る構成は、引用文献2記載の事項も、引用文献3記載の事項も備えておらず、引用発明に引用文献2記載の事項または引用文献3記載の事項を適用することにより本願補正発明の上記相違点1及び相違点3に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たものとも認められない。

したがって、上記相違点2について検討するまでもなく、本願補正発明は、引用発明、周知技術1(引用文献2記載の事項、引用文献3記載の事項)及び周知技術2(引用文献4記載の事項、引用文献5記載の事項)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(5) まとめ

以上のことから、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定によって、特許出願の際独立して特許を受けることができないものではなく、他に特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由もない。

よって、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項(独立特許要件)に適合する。

(6) むすび

以上のとおりであるので、令和4年3月18日付け補正の却下の決定は取り消す。

第3 本願の請求項1に係る発明についての判断

以上のとおり、令和4年3月18日付け補正の却下の決定は取り消されたから、本願の請求項1に係る発明は、令和3年11月25日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。

そして、本願については、原査定及び当審の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-009608

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