商標拒絶査定不服審判
2022-007266
ボリュームヤサイノハルサメスープ、ボリュームヤサイノハルサメ、ボリュームヤサイノ、ボリュームヤサイ、ハルサメスープ
- 審判番号
- 2022-007266
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-133569外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年05月16日
- 審決日
- 2023年02月10日
- 公報発行日
- 2023年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】アサヒグループ食品株式会社
- 【請求人代理人】小川 雅也
- 分類
- T18 .13 -Z (W29)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-133569拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「ボリューム野菜のはるさめスープ」の文字を標準文字で表してなり、第29類「春雨入り即席スープ」を指定商品として、令和2年10月28日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年9月17日付けで拒絶理由の通知がされ、同年10月28日に意見書が提出されたが、同4年2月15日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和4年5月16日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、「ボリューム野菜のはるさめスープ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「ボリューム」の文字は、「量。分量。」の意味を、「野菜」の文字は、「生食または調理して、主に副食用とする植物の総称。」の意味を有する語であり、また、「はるさめスープ」の文字は、本願商標に係る指定商品を表す語である。そして、分量のある野菜であることを表す際に、「ボリューム野菜」の文字が使用されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が「分量のある野菜を使用した春雨入り即席スープ」であること、すなわち、商品の品質を表示したものとして認識するにとどまるというのが相当であり、また、その指定商品中、「分量のある野菜を使用した春雨入り即席スープ」以外の商品に使用したときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標であるから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権により証拠調べを実施した結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し令和4年9月30日付けで証拠調べ通知書を通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。
第4 証拠調べ通知書に対する請求人の意見の要旨
1 証拠調べ通知書に示された証拠における各使用例は、本願の指定商品である「春雨入り即席スープ」についての使用例に該当せず、本願商標である「ボリューム野菜のはるさめスープ」の一連の態様では使用されていない。また、ウェブサイトにおける検索でも、「ボリューム野菜のはるさめスープ」の文字は、請求人の商品及びそれに由来する使用例のみであり、他社によって使用されていない。
2 証拠調べ通知書に示された証拠における各使用例は、「野菜の分量が多い」、「○○の分量が多い」旨を表すものとして使用されていない内容のものや、「ボリューム野菜」、「ボリューム」の前後において、具体的に「分量が多い」旨を表す語句を付加することによりはじめて、特定の意味合いを想起させる内容となっている。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、上記第1のとおり、「ボリューム野菜のはるさめスープ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「ボリューム」の文字は、「分量。量感。音量。」等の意味を、「野菜」の文字は、「食用とする植物の総称。」の意味を有する語であり(いずれも「デジタル大辞泉」小学館)、「の」は連体格を示す格助詞であり(「精選版 日本国語大辞典」小学館)、また、「はるさめ」の文字は、「緑豆のでんぷんから作った透明な麺状の食品。」の意味を有する「春雨」の語を平仮名で表したものと容易に理解させるものであり、「スープ」の文字は、「西洋料理の汁物。」の意味を有する語である(いずれも「デジタル大辞泉」小学館)。
そして、その構成中の「ボリューム」の文字は、後ろに続く「野菜」の文字との結合により、「量感」すなわち「分量・重さがある感じ」の意味合い(「デジタル大辞泉」小学館)を想起させるということができるから、「ボリューム野菜」の文字は「分量・重さがある感じの野菜」の意味合いを認識させるものである。また、構成中の「はるさめスープ」の文字は、本願の指定商品を表す語と認識されるものといえるから、本願商標は、全体として「分量・重さがある感じの野菜の春雨入りスープ」といった意味合いを想起させ得るものである。
また、原審における証拠及び別掲1のとおり、本願の指定商品を含む食品の分野や、料理に関連する分野等において、本願商標の構成中の「ボリューム野菜」の文字は、「野菜の分量が多い」旨を表すものとして使用されている実情が見受けられる。
さらに、別掲2のとおり、同様の分野において、「○○の分量が多い」旨を表すものとして、「ボリューム○○」の文字が使用されている実情が見受けられる。
そうすると、本願商標の構成中の「ボリューム野菜」の文字は、それぞれの語義及び上記の取引の実情から、「野菜の分量が多い」という、商品の品質を具体的に表すものとして理解、認識されるとみるのが相当である。
してみれば、「ボリューム野菜のはるさめスープ」の文字からなる本願商標を、その指定商品に使用したとしても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「野菜の分量が多い春雨入り即席スープ」であることを認識、把握するにとどまることから、本願商標は、単に商品の品質を表示するにすぎないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、「ボリューム野菜のはるさめスープ」一連の態様では、請求人以外の他者によって使用されておらず、また、原審及び当審における証拠調べ通知で示した証拠における「ボリューム野菜」や「ボリューム」の語は、これらの前後において、具体的に「分量が多い」旨を表す語句を付加することによりはじめて、特定の意味合いを想起させる内容となっている旨主張する。
しかしながら、これらの証拠における「ボリューム野菜」や「ボリューム」の語は、これらの語を使用する者が、当該野菜や料理等の「分量が多い」ことを、単に「分量が多い」等と表すのではなく、その旨を強調し、訴求するべく「ボリューム」の語に置き換えて使用しているとみるのが相当であるから、当該「ボリューム」の語は、仮に、その前後に具体的に「分量が多い」旨を表す語句が付加されていなくても、「分量が多い」旨を表したものとして理解、認識されるものとみるのが相当である。
また、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであり(平成12年(行ケ)第76号 平成12年9月4日 東京高等裁判所)、たとえ、「ボリューム野菜のはるさめスープ」の文字が、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を表示するものとして実際に使用されていないとしても、本願商標の構成中の「ボリューム野菜」の文字は、上記1のとおり、「野菜の分量が多い」旨を認識させるものであるから、これと本願の指定商品を表す語と認識される「はるさめスープ」の文字を格助詞の「の」でつなげた本願商標は、取引者、需要者に商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標であると判断するのが相当である。
(2)請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の査定時又は審決時における取引の実情、当該商標の構成態様等に基づいて、個別具体的に検討、判断されるべきところ、請求人主張に係る各商標の登録例は、取引の実情や商標の構成態様等において本願商標と全く同一ということはできないから、上記1における判断は、これらの商標の登録例によって左右されるものではない。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 結論
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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