審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2022-006522

流量計用の衛生的なマニホールド

審判番号
2022-006522
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-026580外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年04月28日
審決日
2022年12月26日
公報発行日
2023年06月30日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G01F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-26580号「流量計用の衛生的なマニホールド」拒絶査定不服審判事件〔令和2年7月2日出願公開、特開2020-101559号〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 7項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、平成27年9月15日の外国語特許出願(特願2018-513665号)の一部を令和2年2月19日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。

令和2年 2月20日 :翻訳文の提出
同月21日 :上申書、手続補正書の提出
令和3年 4月21日付け:拒絶理由通知書

同年 7月 5日 :意見書、手続補正書の提出

同年12月23日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)

(令和4年 1月 4日 :原査定の謄本の送達)

同年 4月28日 :審判請求書の提出

第2 本願発明

本願の請求項1~5に係る発明は、令和3年7月5日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は次に特定されるとおりである。

「【請求項1】
流量計(5)のマニホールド(100)であって、
第1のオリフィス(108)及び第2のオリフィス(110)を備えた第1の面(104)と、第3のオリフィス(114)及び第4のオリフィス(116)を備えた対向する第2の面(204)とを有するマニホールド(100)の本体(120)であって、第1のオリフィス(108)と第3のオリフィス(114)は夫々、本体(120)内に延びて、合わさって本体(120)を横切る第1の流路(170)を規定し、第2のオリフィス(110)と第4のオリフィス(116)は夫々、本体(120)内に延びて、合わさって本体(120)を横切る第2の流路(180)を規定し、第3のオリフィス(114)と第4のオリフィス(116)は夫々、流量計(5)の第1及び第2の流れチューブ(13,13')と流体が行き来するように構成されたマニホールド(100)の本体(120)と、
第1の面(104)から突出して第1のオリフィス(108)と第2のオリフィス(110)を囲む非円形の壁部(106,106')を含む非円形の分岐した流れ開口(112)を備え、
非円形の壁部(106,106')は、流体流路の断面を変えるように構成され、
壁部(106')は収縮された周辺部分(190)を有する長く延びた楕円形の断面を有する、マニホールド(100)。」

第3 原査定の概要

原査定の拒絶の理由のうち、本願発明についての理由は、次のとおりである。

理由3(進歩性欠如)

本願発明は、下記の引用文献に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

記

引用文献2:特表平2-500213号公報
引用文献3:特表2003-525437号公報

第4 当審の判断

1 引用文献等

(1) 引用文献2

ア 引用文献2の記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)

原査定の拒絶の理由において引用された引用文献2(特表平2-500213号公報)には、次の事項が記載されている。

下線は当審において付した。以下同様である。

(ア) 4頁右上欄24行~同頁右下欄4行及び第1図

a 4頁右上欄24行~同頁左下欄8行

「第1図は本発明の特徴を備えた平行流路形コリオリ質量流量計10を示している。
図示のように、流量計10は1対のマニホルド100及び100′、管状部材150,1対の平行な流管130及び130′、駆動機構180、1対のコイル160及び160′、1対の永久磁石161及び161′を含む。従来技術の限界を克服するためにマニホルド100及び100′はそれぞれ遷移部110及び110′と管装着ブロック130及び130′(当審注:「管装着ブロック120及び120′」の誤記であることは明らかである。)とを含む。流管130及び130′はほぼU字形で、その端部が管装着ブロック120及び120′に取付けられている。両方の流管には感圧性の接合部がない。」

b 4頁左下欄9行~同頁右下欄4行

「第1図に示されるように流管130及び130′の側方脚部が管装着ブロック120及び120′に固定保持されまたこれらのブロックの方は遷移部110及び110′に固定保持されていて、流量計l0にわたって連続的な閉じた流体流路が形成されている。特に流量計10が貫流する流体の質量流量を決定すべき管路系(図示せず)に流入端部101及び排出端部101′を介して連結されると、管路系の流体が遷移部110の流入端部101におけるオリフィスを通って流量計に入り、漸次変化する断面積を有する流路を通じて管装着ブロック120に近接した第二の端部におけるオリフィスに導かれる。それから流体は管装着ブロック120を通って流れ、ここで均等に分割されて流管130及び130′に導かれる。流管130及び130′を出てから流体は管装着ブロック120′内で1本の流れに合流し、その後に開口を通じて遷移部110′に導かれる。遷移部110′内で流体は漸次変化する断面積を有する流路を通って排出端部101′におけるオリフィスに流れる。端部101′で流体は管路系に再び入る。管状部材150は流体を導くものではない。その代りにこの部材はマニホルド100及び100′を軸方向に揃えその間に所定の大きさだけの間隔を維持してこれらのマニホルドが装着ブロック120及び120′と流管130及び130′とを容易に受入れるようにする。」

c 第1図

「
[図:0001397863000001.jpg]
」

(イ) 5頁右下欄20行~6頁左上欄5行及び第3図~第6図

a 5頁右下欄20行~6頁左上欄5行

「第3~6図は本発明で用いられ第1図に示されている遷移部110及び110′の詳細図である。各遷移部は一体的な鋳造構造体として形成されており、通路308′を通じて流体を端部101または101′におけるオリフィス301と端部401におけるオリフィス302との間に導く。オリフィス301及び302は異なる断面積を有するのがよい。図示のように、オリフィス302はオリフィス301よりかなり大きい断面積を有している。これらのオリフィスのそれぞれの形状は異なっており、オリフィス301は円形の形状であり、またオリフィス302は長円の形状を有している。さらに通路303はオリフィス301の円形断面からオリフィス302の長円形断面に漸次変化する断面を有している。」

b 第3図~第6図

「
[図:0001397863000002.jpg]
」

(ウ) 6頁左上欄20行~同頁右上欄21行及び第7図~第10図

a 6頁左上欄20行~同頁右上欄3行

「第7~10図は管装着ブロック120及び120′の種々の詳細図である。各装着ブロックは端部702における開口701から端部704における1対の開口703まで延びる流体の通路を有している。開口701の断面積は遷移部のオリフィス302の断面積にほぼ等しく、また開口703の断面積はこの開口が流管130または130′の端部を滑り込ませて受入れることができるような大きさである。さらに各装着ブロックをそれぞれの遷移部に溶接し易くするために、開口701を取囲む壁部の厚さはオリフィス302を取囲む壁部の厚さとほぼ同じである。」

b 6頁右上欄4~13行

「各装着ブロックはまた流れの分割手段として作用し特に開口701を2つの円形開口703に分割する内壁706を含む。壁部706は端部704から出ていて、下方に滑らかな楔形の端部710となるテーパ状になっている。端部710は端部702から引込んでいて装着ブロック120及び120′をそれぞれの遷移部に周辺溶接する前に装着ブロック組立体に各流管の端部を周辺溶接できるようにする。一方の装着ブロック、例えばブロック120において、端部710が流管130と130′との間で流体を均等に分割する。他方の装着ブロック、例えばブロック120′にある端部710は両方の流管から流れる流体を合流させる。」

c 6頁右上欄14~21行

「各装着ブロックはまた各開口703内の肩部707を備えている。
この肩部は壁部710に近接してその後方に後退した位置にあってそれによって与えられる流れの分割及び合流の作用を妨げないようにする。この肩部は開口703内への挿入の際の流管130の端部の位置合せ基準点として作用するだけでなく、流管を所定位置に周辺溶接し流管と装着ブロックとの間に流体密封性の連結を行う際の捨て部材となり得るようにブロックより低い溶接温度で融解するものでもある。」

d 第7図~第10図

「
[図:0001397863000003.jpg]
[図:0001397863000004.jpg]
」

(エ) 6頁左下欄15~25行及び第11A図

a 6頁左下欄15~25行

「第11A図は流管130及び130′の端部において周辺溶接を用いて装着ブロックに装着された流管の一端の組立体を示している。各流管の一端が肩部707と同一面になる位置まで挿入された後にブロックに熱が加えられてこの肩部を溶解させる。この肩部が溶解すると流管の端部とブロックとの間に周辺溶接部が形成される。それから流管を位置決めして保持し流体密封性の連結部を形成するこの溶接部はこのとき装着ブロックと流管との間に残存するいかなる間隙も充填するはんだ付け材料1100によって補強する。この部分組立体が完成した後に各装着ブロックの端面702が1回だけの周辺溶接を用いて端面401に溶接される。」

b 第11A図

「
[図:0001397863000005.jpg]
」

イ 引用発明の認定

前記アにおいて摘記した事項を総合すると、引用文献2には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

[引用発明]

「流量計10に含まれる1対のマニホルド100及び100′であって、
マニホルド100及び100′はそれぞれ遷移部110及び110′と管装着ブロック120及び120′とを含み、(前記(ア)a及びc(第1図))
流管130及び130′の側方脚部が管装着ブロック120及び120′に固定保持され、管装着ブロック120及び120′は遷移部110及び110′に固定保持されて、流量計l0にわたって連続的な閉じた流体流路が形成されており、(前記(ア)b及びc(第1図))
流量計10が貫流する流体の質量流量を決定すべき管路系に流入端部101及び排出端部101′を介して連結されると、管路系の流体が遷移部110の流入端部101におけるオリフィスを通って流量計に入り、漸次変化する断面積を有する流路を通じて管装着ブロック120に近接した第二の端部におけるオリフィスに導かれ、それから流体は管装着ブロック120を通って流れ、ここで均等に分割されて流管130及び130′に導かれ、流管130及び130′を出てから流体は管装着ブロック120′内で1本の流れに合流し、その後に開口を通じて遷移部110′に導かれ、遷移部110′内で流体は漸次変化する断面積を有する流路を通って排出端部101′におけるオリフィスに流れ、端部101′で流体は管路系に再び入るようにされており、(前記(ア)b及びc(第1図))
続きを表示(全19行)
遷移部110及び110′の端部401におけるオリフィス302は長円の形状を有しており、(前記(イ)a及びb(第3図))
管装着ブロック120及び120′は、端部702における開口701から端部704における1対の開口703まで延びる流体の通路を有しており、開口701の断面積は遷移部のオリフィス302の断面積にほぼ等しく、開口703の断面積はこの開口が流管130または130′の端部を滑り込ませて受入れることができるような大きさであり、
(前記(ウ)a並びに第7図及び第10図)
各装着ブロックは、流れの分割手段として作用し開口701を2つの円形開口703に分割する内壁706を含み、
壁部706は端部704から出ていて、下方に滑らかな楔形の端部710となるテーパ状になっており、
端部710は端部702から引込んでいて装着ブロック120及び120′をそれぞれの遷移部に周辺溶接する前に装着ブロック組立体に各流管の端部を周辺溶接できるようにしてあり、
一方の装着ブロック120において、端部710が流管130と130′との間で流体を均等に分割し、他方の装着ブロック120′にある端部710は両方の流管から流れる流体を合流させるものであり、
(前記(ウ)b及び第10図)
各装着ブロックは、各開口703内の肩部707を備えており、
肩部707は壁部710に近接してその後方に後退した位置にあってそれによって与えられる流れの分割及び合流の作用を妨げないようにしてあり、
肩部707は開口703内への挿入の際の流管130の端部の位置合せ基準点として作用するだけでなく、流管を所定位置に周辺溶接し流管と装着ブロックとの間に流体密封性の連結を行う際の捨て部材となり得るようにブロックより低い溶接温度で融解するものでもあり、
(前記(ウ)c及び第10図)
各流管の一端が肩部707と同一面になる位置まで挿入された後にブロックに熱が加えられて肩部707を溶解させ、肩部707が溶解すると流管の端部とブロックとの間に周辺溶接部が形成される、
(前記(エ)a及びb(第11A図))
流量計10に含まれる1対のマニホルド100及び100′。」

(2) 引用文献3

ア 引用文献3の記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)

原査定の拒絶の理由において引用された引用文献3(特表2003-525437号公報)には、次の事項が記載されている。

(ア) 【0088】~【0089】、【図7】、【図8】

「【0088】
【コリオリ流量計のプラスチック射出成形工程の説明】
<図7及び8の説明> 本発明の射出成形工程の第1のステップは次の射出成形工程のステップで必要になる流路コアを形成するために用いられるコアモールドを製造することである。図7は上側の半片701,下側の半片702と、全体的に706で示される空所にプラスチックを射出するために用いられる通孔703及び704とを有するコアモールド700を示している。空所部分706は流路コアの空所部分706A、706B、706C、706D、706E及び706Fを含む。空所部分706はさらにマニホルド空所部分707及び708とコア位置決め部分719及び720とを含む。図8に示される流路コアは上側半片701が下降してその底面が下側半片702の上面709に接する時に図7の流路コアモールド700によって形成される。この後に低温可融合金が孔703あるいは704の一方に射出され、他方の孔は通気孔として用いられる。
【0089】
射出された合金が凝固した後に、図7の空所部分内の合金が図8の流路コアを形成するようにしてモールドの2つの半片701と702とが分離される。これらは流路コア部分801及び802とマニホルドコア部分807、808、803、804、806及び809とを含む。図8のコアはまた左側の位置決め突出部819及び右側の位置決め突出部820(図示せず)を含む。」
「【図7】
[図:0001397863000006.jpg]
」
「【図8】
[図:0001397863000007.jpg]
」

(イ) 【0090】~【0092】、【図9】~【図11】

「【0090】
<図9、10及び11の説明> 図9は図8の流路コアを用いて完成した流量計を製造するのに用いられるラッパーモールド900を示している。ラッパーモールド900は上側半片901及び下側半片902からなり、それらは分離されて示されているが、射出成形工程で接合される。
【0091】
この工程は図8の成形された流路コア800が下側半片902の空所に挿入された時に始まる。図9のこの空所は形成される流管要素の全体的に928及び929で示される構造と流量計のマニホルドの904A及び906Aで示される構造とを有する。図8に示される成形された流路コア800は下側半片902の空所に挿入される。コアの端部における矩形の突出部(図示せず)が流路のコアを空所内に位置決めするようにモールドにおける矩形の空所部分内に嵌め込まれる。それから上側半片901が下降してその底面が下側半片902の上面に接し、その後に上側半片901の開口903または913のいずれか一方にプラスチックが射出されて他方の開口が通気孔として用いられる。射出されたプラスチックはラッパーモールドの空所部分に流れ込みこの時に下側半片902の空所部分928及び929内に配置された金属製の成形されたモールドコアを取り囲む。図9はこの成形工程の際に形成された駆動ブラケット、ピックオフ、受けバー907及び908の空所部分907A及び908Aを示している。プラスチックが硬化及び凝固する時間が経過した後に、モールド900の上側及び下側の半片901、902が分離され、それから図10の部分的に完成したプラスチックのコリオリ流量計が下側半片902の空所部分から取り出される。
【0092】
ラッパーモールド900の空所から取り出された後に、形成された構造はプラスチック構造内に収容された金属の流路コアを融解させるのに必要な程度に加熱される。金属が融解し、流れ出して、それ以前には図8に示される金属の流路コア800が占めていた中空の中心部を有する2本の流管1001及び1002を含む図11に示される流量計1100の構造となっている。図11に示される構造はまた入口マニホルド904及び出口マニホルド906、受けバー907及び908を含む。入口マニホルド904の開口803は物質の流れを流量計の入口に受け入れ、この流れを2つの部分に分け、それらの部分が流管1001及び1002を通って出口マニホルド906に向かい、出口マニホルド906が2つの流れを1つの物質の流れに合流させる。」
「【図9】
[図:0001397863000008.jpg]
」
「【図10】
[図:0001397863000009.jpg]
」
「【図11】
[図:0001397863000010.jpg]
」

(ウ) 【0093】~【0095】、【図12】

「【0093】
<図12の説明> 図12は図7、8、9、10及び11に関して説明された射出成形工程によって形成された完成したコリオリ流量計1200を示している。流量計1200は図11の流量計の構造1100を用いて組立てられる。コイル及びマグネット(図示せず)を含むピックオフLPO及びRPOと駆動源Dとは構造1100に取り付けられ、ピックオフLPO及びRPOと駆動源Dとからケース1201内の電気フィードスルー1221に線1222、1223及び1224が接続される。それからケース1201はマニホルド904及び906外面に接着される。その後にフランジ1202及び1203がケース1201の軸方向端部とマニホルド904及び906の半径方向外方の円筒面とに接着される。
【0094】
フランジ1202及び1203は各フランジの半径方向外面である要素1212と、軸方向内面1206及び軸方向外面1207、斜面1211、ケース1201の軸方向の外側端部に接着される軸方向内面1208を有するスタブ1209とを含む。
【0095】
また図12には、導線1223を介して供給する流管1001及び1002を位相が反対になるように振動させるのに必要な信号を供給する流量計電子回路1221が示されている。導線1222及び1224は物質の流れを有する流管1001及び1002を振動させる際に生ずるコリオリ力を表す信号をピックオフLPO及びRPOから受け取る。流量計電子回路は導線1222及び1224を介してこの信号を受け取り、信号を処理して、物質の流れに関する出力情報を線路1225に供給する。」
「【図12】
[図:0001397863000011.jpg]
」

イ 引用文献3技術事項の認定

(ア) 引用文献3の【図11】及び【図12】から、入口マニホルド904及び出口マニホルド906の開口の内側断面形状が、楕円を短軸方向に沿って収縮させた8の字のような形になっていることが読み取れる。

(イ) 前記アにおいて摘記した事項及び前記(ア)において認定した事項を総合すると、引用文献3には次の技術事項(以下「引用文献3技術事項」という。)が記載されていると認められる。

[引用文献3技術事項]

「物質の流れを2つの部分に分ける入口マニホルド904、及び、2つの流れを1つの物質の流れに合流させる出口マニホルド906において、それらの開口の内側断面形状が、楕円を短軸方向に沿って収縮させた8の字のような形になっていること。」(【0092】、【図11】、【図12】)

2 対比・判断

(1) 対比

本願発明と引用発明を対比する。

ア(ア) 引用発明の「流量計10」は、本願発明の「流量計(5)」に相当し、引用発明の「流管130及び130′」は、本願発明の「流量計(5)の第1及び第2の流れチューブ(13,13')」に相当する。

(イ) 引用発明の「流量計10に含まれる1対のマニホルド100及び100′」は、「それぞれ遷移部110及び110′と管装着ブロック120及び120′とを含み」、「流管130及び130′の側方脚部が管装着ブロック120及び120′に固定保持され、管装着ブロック120及び120′は遷移部110及び110′に固定保持されて、流量計l0にわたって連続的な閉じた流体流路が形成されて」いるから、「流量計(5)のマニホールド(100)」の発明である本願発明と、「流量計10に含まれる1対のマニホルド100及び100′」の発明である引用発明は、「流量計のマニホールドを構成する部材」の発明である点で共通する。

イ(ア) 引用発明の「管装着ブロック」は、「端部702における開口701から端部704における1対の開口703まで延びる流体の通路を有しており」、「開口703の断面積はこの開口が流管130または130′の端部を滑り込ませて受入れることができるような大きさ」とされているから、「流管130」を「滑り込ませ」る方の「端部704」における「開口703」は、本願発明の「第3のオリフィス(114)」に相当する。

また、「流管130′」を「滑り込ませ」る方の「端部704」における「開口703」は、本願発明の「第4のオリフィス(116)」に相当する。

そして、引用発明の「端部704における1対の開口703」は、「流管130または130′の端部を滑り込ませて受入れることができる」から、このことは、本願発明の「第3のオリフィス(114)と第4のオリフィス(116)は夫々、流量計(5)の第1及び第2の流れチューブ(13,13')と流体が行き来するように構成された」ことに相当する。

なお、本願発明の「流体が行き来する」について、本願発明は実際に流体が逆流する構成を有するものではないので、単に「流体が流れる」ものとして解釈した。

(イ) 引用発明の「管装着ブロック」は、「流れの分割手段として作用し開口701を2つの円形開口703に分割する内壁706を含み」、「各開口703内の肩部707を備えて」いるから、「内壁706」により「分割」された「開口701」は、「肩部707」において「2つの円形開口」を有しているといえる。

そして、「流管130」に対応する「肩部707」における「円形開口」は、本願発明の「第1のオリフィス(108)」に相当し、「流管130′」に対応する「肩部707」における「円形開口」は、本願発明の「第2のオリフィス(110)」に相当する。

(ウ) 前記(ア)及び(イ)を踏まえると、引用発明の「管装着ブロック」のうち、第10図において、肩部707と同一面より右側の部分は、本願発明の「第1のオリフィス(108)及び第2のオリフィス(110)」と「第3のオリフィス(114)及び第4のオリフィス(116)」を有する「本体(120)」に相当する。

(エ) 引用発明の「管装着ブロック」は「端部702における開口701から端部704における1対の開口703まで延びる流体の通路を有しており」、「流体は管装着ブロック120を通って流れ、ここで均等に分割されて流管130及び130′に導かれ」るから、引用発明の「流管130」に対応する「肩部707」における「円形開口」から「端部704」における「開口703」まで延びる「流体の通路」は、本願発明の「本体(120)内に延びて、合わさって本体(120)を横切る第1の流路(170)」に相当し、引用発明の「流管130′」に対応する「肩部707」における「円形開口」から「端部704」における「開口703」まで延びる「流体の通路」は、本願発明の「本体(120)内に延びて、合わさって本体(120)を横切る第2の流路(180)」に相当する。

(オ) 前記(ア)及び(エ)を踏まえると、引用発明の「管装着ブロック」のうち、第10図において、肩部707と同一面より右側の部分は、本願発明の「第1のオリフィス(108)と第3のオリフィス(114)は夫々、本体(120)内に延びて、合わさって本体(120)を横切る第1の流路(170)を規定し、第2のオリフィス(110)と第4のオリフィス(116)は夫々、本体(120)内に延びて、合わさって本体(120)を横切る第2の流路(180)を規定し、第3のオリフィス(114)と第4のオリフィス(116)は夫々、流量計(5)の第1及び第2の流れチューブ(13,13')と流体が行き来するように構成された」「本体(120)」に相当する。

(カ) したがって、本願発明と引用発明は、「第1のオリフィス及び第2のオリフィスと、第3のオリフィス及び第4のオリフィスを有する本体であって、第1のオリフィスと第3のオリフィスは夫々、本体内に延びて、合わさって本体を横切る第1の流路を規定し、第2のオリフィスと第4のオリフィスは夫々、本体内に延びて、合わさって本体を横切る第2の流路を規定し、第3のオリフィスと第4のオリフィスは夫々、流量計の第1及び第2の流れチューブと流体が行き来するように構成された本体」を備える点で共通する。

ウ 引用発明の「管装着ブロック」の「端部702における開口701」は、その「断面積は遷移部のオリフィス302の断面積にほぼ等しく」、「遷移部110及び110′の端部401におけるオリフィス302は長円の形状を有して」いるから、「端部702における開口701」の断面は「長円の形状」を有しており、「内壁706」により「分割」されている。

また、引用発明の「端部702」は、「開口701」を形成する「長円の形状」の壁部として、「肩部707」における「2つの円形開口」を囲んでいるといえる。

そうすると、引用発明の「管装着ブロック」の「開口701」は、本願発明の「第1のオリフィス(108)と第2のオリフィス(110)を囲む非円形の壁部(106,106')を含む非円形の分岐した流れ開口(112)」に相当する。

したがって、本願発明と引用発明は、「第1のオリフィスと第2のオリフィスを囲む非円形の壁部を含む非円形の分岐した流れ開口」を備える点で共通する。

エ 引用発明の「開口701」は、「内壁706」の「肩部707」では「2つの円形開口」を有しており、「端部702」では「長円の形状」を有しているから、このような「開口701」を形成する「長円の形状」の壁部は、「肩部707」での「2つの円形開口」を出る流体の流路の断面を「円形」から「長円の形状」に変えるものである。

したがって、本願発明と引用発明は、「非円形の壁部は、流体流路の断面を変えるように構成され[る]」点で一致する。

(2) 一致点及び相違点の認定

前記(1)の対比の結果を踏まえると、本願発明と引用発明は、以下の一致点で一致し、以下の相違点1~3で相違する。

ア 一致点

「流量計のマニホールドを構成する部材であって、
第1のオリフィス及び第2のオリフィスと、第3のオリフィス及び第4のオリフィスを有する本体であって、第1のオリフィスと第3のオリフィスは夫々、本体内に延びて、合わさって本体を横切る第1の流路を規定し、第2のオリフィスと第4のオリフィスは夫々、本体内に延びて、合わさって本体を横切る第2の流路を規定し、第3のオリフィスと第4のオリフィスは夫々、流量計の第1及び第2の流れチューブと流体が行き来するように構成された本体と、
第1のオリフィスと第2のオリフィスを囲む非円形の壁部を含む非円形の分岐した流れ開口を備え、
非円形の壁部は、流体流路の断面を変えるように構成される、
マニホールドを構成する部材」である点。

イ 相違点

(ア) 相違点1

本願発明においては、「マニホールドを構成する部材」が「マニホールド」そのものであるとしているのに対して、

引用発明においては、「マニホールドを構成する部材」が「マニホルド」に含まれる「管装着ブロック」としている点。

(イ) 相違点2

本願発明においては、「本体」が「マニホールドの本体」であり、「第1の面(104)」と「対向する第2の面(204)とを有する」とし、「第1の面(104)」が「第1のオリフィス(108)及び第2のオリフィス(110)を備え」、「第2の面(204)」が「、第3のオリフィス(114)及び第4のオリフィス(116)を備え」ており、「非円形の分岐した流れ開口(112)」に含まれる「第1のオリフィス(108)と第2のオリフィス(110)を囲む非円形の壁部(106,106')」が、「第1の面(104)から突出して」いるのに対して、

引用発明においては、「本体」が「管装着ブロック」のうち、第10図において、肩部707と同一面より右側の部分にあるため、「第1の面」及び「第1の面と対向する第2の面」が明示されておらず、「開口701」の壁部が第1の面から突出していることも明示されていない点。

(ウ) 相違点3

本願発明においては、「壁部(106')」が「収縮された周辺部分(190)を有する長く延びた楕円形の断面を有する」のに対して、

引用発明においては、「開口701」を形成する「端部702」の断面が「長円の形状」である点。

(3) 相違点の判断

ア 相違点1について

引用発明の「マニホルド100及び100′」は、「それぞれ遷移部110及び110′と管装着ブロック120及び120′とを含」むものであるから、「管装着ブロック」は「マニホルド」そのものではないものの、本願の明細書及び図面に開示された「マニホールド100」及び「アダプタ要素160」と対応づけて検討すると、引用発明の「管装着ブロック」及び「遷移部」は、それぞれ、本願発明における「マニホールド100」及び「アダプタ要素160」に対応すると考えるのが適当である。

したがって、「管装着ブロック」を本願発明のごとく「マニホルド」そのものと称するか、「管装着ブロック」及び「遷移部」を含めたものを引用発明のとおり「マニホルド」と称するかは、単なる呼び方の問題にすぎず、技術上の差異が存するものではない。

よって、相違点1は、表現上の相違にすぎないものであり、実質的な相違点ではない。

イ 相違点2について

(ア) 引用発明の「内壁706」の「肩部707」は、「開口703内への挿入の際の流管130の端部の位置合せ基準点として作用する」ものであり、「各流管の一端が肩部707と同一面になる位置まで挿入」されるものであるから、このような「位置合せ基準点」に「位置合せ」された「各流管の一端」と「肩部707」が「同一面」に存在するような平面を引用発明の「管装着ブロック」において観念することができる。

(イ) また、引用発明においては、「各流管の一端が肩部707と同一面になる位置まで挿入された後にブロックに熱が加えられて肩部707を溶解させ、肩部707が溶解すると流管の端部とブロックとの間に周辺溶接部が形成される」ところ、このような「肩部707」が「溶解」して「形成」された「周辺溶接部」は、「肩部707と同一面になる位置」に「位置合せ」された「各流管の一端」が存在する平面の形成にも寄与していると考えられる。

したがって、上記(ア)において検討した「管装着ブロック」の平面は、単に観念的に設定したものではなく、実際にも形成されたものということができる。

(ウ) このような「管装着ブロック」の平面には、「肩部707」における「2つの円形開口」(本願発明の「第1のオリフィス(108)」及び「第2のオリフィス(110)」に相当する。)が存在しているから、この平面は、本願発明の「第1のオリフィス(108)及び第2のオリフィス(110)を備えた第1の面(104)」に相当する。

そして、引用発明の「長円の形状」の「開口701」の壁部が、そのような平面から突出していることは、引用文献2の第10図や第11A図からみて明らかである。

(エ) 引用発明の「流管130または130′の端部を滑り込ませ」る「管装着ブロック」の「端部704」は、引用文献2の第10図からみて、「開口703」を備えた平面であるといえるから、この平面は、本願発明の「第3のオリフィス(114)及び第4のオリフィス(116)を備えた対向する第2の面(204)」に相当する。

(オ) そうすると、引用発明の「管装着ブロック」は、本願発明の「第1のオリフィス(108)及び第2のオリフィス(110)を備えた第1の面(104)」及び「第3のオリフィス(114)及び第4のオリフィス(116)を備えた対向する第2の面(204)」に相当する2つの対向する面を有しているといえる。

(カ) また、引用発明の「管装着ブロック」のうち、第10図において、肩部707と同一面より右側の部分を、本願発明の「マニホールドの本体」に相当するとしても差し支えないことは、前記アの検討結果を踏まえれば明らかである。

したがって、前記相違点2は、実質的な相違点ではない。

ウ 相違点3について

(ア) 「壁部(106')」が「収縮された周辺部分(190)を有する長く延びた楕円形の断面を有する」ことの技術効果等の技術上の意義について理解するために、本願の明細書の記載を参酌すると、段落【0037】に次の記載があるのみである。

「図3は、本発明に従ったマニホールド100の更なる実施形態を示す。この実施形態にて、マニホールド100の全ての要素及び特徴は、図2び図2Aに示す実施形態を参照して上述したものに対応する。しかし、図3の実施形態において、壁部106'も実質的に非円形の形状を有しており、ここでは、壁部106'は、収縮された中央周辺部を有する長く延びた楕円形に形成されている。図2び図2Aに示す実施形態のように、壁部106は、第1及び第2のオリフィス108,110を囲んで、分岐した流れ開口112を形成する。この構成は、より小さなサイズのチューブ、例えばCIPシステムで一般的に使用される直径1/2インチのチューブに好適である。」

すなわち、「壁部(106')」が「収縮された周辺部分(190)を有する長く延びた楕円形の断面を有する」ことについて、上記段落【0037】の記載はあるものの、そのような断面形状にしたことによる技術的意義については本願の明細書には特段開示されておらず、前記相違点3に係る本願発明の構成に格別の技術的意義があるとは認められない。

(イ) なお、本願の請求項2において「前記収縮された周辺部分(190)は、壁部の内側と外側の両方の収縮された部分である、請求項1に記載のマニホールド(100)。」と特定されていることを鑑みると、本願発明(請求項1)の「収縮された周辺部分(190)」は、壁部の内側と外側の両方が収縮されたものであることまでは必要ではなく、壁部の内側のみが収縮されたものも含むと解するのが相当である。

(ウ) そして、引用文献2と技術分野(コリオリ流量計)を共通する引用文献3には、「物質の流れを2つの部分に分ける入口マニホルド904、及び、2つの流れを1つの物質の流れに合流させる出口マニホルド906において、それらの開口の内側断面形状が、楕円を短軸方向に沿って収縮させた8の字のような形になっていること」(前記1(2)イの「引用文献3技術事項」参照)が開示されている。

ここで、前記(イ)を踏まえると、引用文献3技術事項は、相違点3に相当する技術事項である。

(エ) そうすると、本願発明において、相違点3に係る技術事項については、特段の作用効果等の技術上の意義があるのか否かは本願明細書には開示がなく不明であり、相違点3に係る技術事項は、引用文献2と技術分野(コリオリ流量計)を共通する引用文献3に開示されているのであるから、引用発明において、引用文献3技術事項に開示されたマニホルドの開口の内側断面形状に倣って、引用発明の「開口701」を形成する「端部702」の断面形状を「長円の形状」から楕円(長円)を短軸方向に沿って収縮させた8の字のような形に変形することは、当業者が適宜選択し得た設計変更の域を超えるものではないというべきである。

よって、前記相違点3に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

(4) 総合評価

前記相違点1~3を総合的に勘案しても、本願発明の奏する効果としては、引用発明及び引用文献3技術事項から当業者が予測困難で、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。

したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献3技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(5) 請求人の主張について

ア 請求人の主張の概要

折りたたみ中(クリックで表示)

(ア) 請求人の主張1(引用文献2の肩部707について)

a 引用文献2の肩部707は、実際には、それぞれの開口703内に設けられた段差であり、流量計の組み立ての際にまず流管の位置合わせに使用され、その後溶接の際に融解し、最終的な流量計には組み立て前の「肩部」として存在しないから、肩部は、本願発明の「第1の面」に相当しない。

b 肩部は、開口701内の、さらに開口703内の小領域であり、「被円形の壁部」を含む開口701は、ほとんど肩部と隣接していない(例えば、端部710に近い開口701の部分は、肩部と隣接していない)から、本願発明の「壁部」に相当する部分は、肩部からは延びているとはいえない。このことからも、肩部は、本願発明の「第1の面」に相当しない。

(イ) 請求人の主張2(引用文献3のマニホールドの形状について)

a 引用文献3の図11等には、内部に二重円錐状の穴を備えた、入力/出力導管に段差無く接続される、平坦な円筒状のマニホールドが開示されているのみであり、このマニホールドの外周は凹凸のない平坦な筒状であるから、このマニホールドは「収縮された周辺部分を有する長く延びた楕円形の断面」を備えていない。

b 引用文献3には、第1の面から突出する非円形の壁部も開示されていないから、「第1の面から突出する非円形の壁部を含む非円形の分岐した流れ開口を備えること、この非円形の壁部は、第1のオリフィスと第2のオリフィスを囲み流体流路の断面を変えるように構成されること」は、教示も示唆もされていない。

(ウ) 請求人の主張3(引用文献3の解決課題について)

引用文献3の解決課題は、プラスチック射出成形による、マニホールドを含むコリオリ流量計の製造であり、マニホールド内での流速を速くするとの本願発明の解決課題とは異なる。

イ 請求人の主張に対する当審の判断

折りたたみ中(クリックで表示)

(ア) 請求人の主張1(引用文献2の肩部707)について

a 前記(3)イにおいて説示したとおり、引用発明では、「位置合せ基準点」に「位置合せ」された「各流管の一端」と「肩部707」が「同一面」に存在するような平面を観念することができ、「肩部707」が溶接の際に融解するとしても、ひとたび観念した平面が消失することはない。

また、「肩部707」が「溶解」して「形成」された「周辺溶接部」は、「肩部707と同一面になる位置」に「位置合せ」された「各流管の一端」が存在する平面の形成にも寄与していると考えられるから、上記平面は、実際にも形成されたものということができる。

b また、請求人は、「本願発明の「壁部」に相当する部分は、肩部からは延びているとはいえない」と主張しているが、本願発明は、「壁部(106,106')」が「第1の面(104)から突出して」いると規定しているのであって、当該請求人の主張は、請求項1の記載に基づくものでないから、採用できない。

c 以上のとおりであるから、肩部は本願発明の「第1の面」に相当しないという請求人の主張1は、採用することができない。

(イ) 請求人の主張2(引用文献3のマニホールドの形状)について

a 前記(3)ウにおいて説示したとおり、本願の請求項2の発明特定事項に鑑みると、本願発明(請求項1)の「収縮された周辺部分(190)」は、壁部の内側と外側の両方が収縮されたものであることまでは必要ではなく、壁部の内側のみが収縮されたものも含むと解するのが相当である。

したがって、引用文献3のマニホールドの外周が凹凸のない平坦な筒状であっても、そのことは、前記相違点3に係る当審の判断を左右しない。

b 第1の面から突出する非円形の壁部については、相違点2に係る判断において説示したとおりであるから、引用文献3にその開示がないことにより、その判断が左右されることはない。

c 以上のとおりであるから、請求人の主張2は採用できない。

(ウ) 請求人の主張3(引用文献3の解決課題)について

前記(3)ウにおいて説示したとおり、「壁部(106')」が「収縮された周辺部分(190)を有する長く延びた楕円形の断面を有する」ことについて、本願の明細書の記載を参酌しても、そのような断面形状にしたことによる技術的意義については特段開示されておらず、格別の技術的意義があるとは認められないから、引用文献3の解決課題が、プラスチック射出成形による、マニホールドを含むコリオリ流量計の製造にあるとしても、引用文献3のマニホールドの開口の内側断面形状に倣って、引用発明の「開口701」を形成する「端部702」の断面形状を「長円の形状」から楕円(長円)を短軸方向に沿って収縮させた8の字のような形に変形することは、当業者が適宜選択し得た設計変更の域を超えるものではない。

したがって、請求人の主張3は採用できない。

第5 むすび

以上のとおりであるから、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2022-006522

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決63件(マイクロ モーション インコーポレイテッド)
  • 2024-008365拒絶査定不服審判 / 2026-04-13 / 原査定取消(特許/登録すべき)インサートを有する流管を備えたコリオリ流量計
    同じ当事者: マイクロ モーション インコーポレイテッド
  • 2024-018641拒絶査定不服審判 / 2026-03-30 / 請求不成立温度影響についてコリオリ流量計測定値を補正する方法、システム及び電子機器
    同じ当事者: マイクロ モーション インコーポレイテッド
  • 2024-011660拒絶査定不服審判 / 2025-10-16 / 請求不成立磁気流量計用の連続適応型デジタルコイルドライバ
    同じ当事者: マイクロ モーション インコーポレイテッド
  • 2024-014050拒絶査定不服審判 / 2025-10-15 / 請求不成立振動計の変化の検出及び識別
    同じ当事者: マイクロ モーション インコーポレイテッド
  • 2024-011311拒絶査定不服審判 / 2025-09-10 / 請求不成立高温用のコイル変換器
    同じ当事者: マイクロ モーション インコーポレイテッド
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)126件(121・G01F)
  • 2024-019352拒絶査定不服審判 / 2026-07-17 / 原査定取消(特許/登録すべき)物理量計測装置
    共通の審決分類: 121・G01F
  • 2024-014575拒絶査定不服審判 / 2026-07-15 / 原査定取消(特許/登録すべき)磁気レベル・ゲージ
    共通の審決分類: 121・G01F
  • 2026-005331拒絶査定不服審判 / 2026-06-29 / 原査定取消(特許/登録すべき)水位測定が可能な排水槽及び水位測定方法
    共通の審決分類: 121・G01F
  • 2025-003961拒絶査定不服審判 / 2026-06-04 / 請求不成立流量スイッチ、およびそれを用いた電動ポンプ
    共通の審決分類: 121・G01F
  • 2024-021034拒絶査定不服審判 / 2026-05-27 / 原査定取消(特許/登録すべき)水位測定システム
    共通の審決分類: 121・G01F

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存