商標拒絶査定不服審判
2022-006365
メディコール、メディコル
- 審判番号
- 2022-006365
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-007014
- 請求日
- 2022年04月27日
- 審決日
- 2023年03月16日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】医療法人社団MEDIQOL
- 【請求人代理人】澤邉 由美子
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 綾 郁奈子
- 分類
- T18 .261-Z (W10) / T18 .262-Z (W10) / T18 .263-Z (W10) / T18 .264-Z (W10)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第27条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-7014拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲のとおり、上段に青色で幾何学図形、下段に「MEDIQOL」の文字を横書きしてなり、第10類、第21類、第35類、第43類及び第44類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和3年1月22日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年11月12日付けで拒絶理由の通知がされ、同年12月14日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同4年3月11日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して令和4年4月27日に拒絶査定不服審判の請求がされたものであり、指定商品及び指定役務については、当審における同日付け手続補正書により、最終的に第10類「歯科医療用マウスピース」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第3039839号商標(以下「引用商標」という。)は、「メディコール」の文字を横書きしてなり、平成4年5月21日に登録出願、第10類「医療用機械器具」を指定商品として、同7年4月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲のとおり、上段に青色で幾何学図形(以下「図形部分」という場合がある。)、下段に「MEDIQOL」(以下「文字部分」又は「本願商標の要部」という。)の欧文字を横書きしてなるものである。
そして、本願商標の図形部分と文字部分とは、やや間隔が空いており、視覚的に分離して看取されるものである。
また、上段の図形部分は、何らの観念を有せず、下段の文字「MEDIQOL」は辞書等に載録のない造語であり、特定の観念を生じないから、図形部分と文字部分の間に観念的に密接な関連性があるともいえない。
そうすると、視覚的にも、観念的にも、図形部分と文字部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものということはできず、それぞれが独立して出所識別機能を有し得るものというべきであるから、その構成中、「MEDIQOL」の文字部分を要部として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較することも許されるものである。
ところで、特定の意味を有しない造語にあっては、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は類似の英単語の読みに倣って称呼されるのが自然であるところ、「MEDIQOL」の文字の構成中「Q」の文字は、「queen」、「question」、「quiz」のような我が国で親しまれた英単語に倣えば、[k]の音で発音されるのが自然であって、「Q」の文字とそれに続く「O」の文字を合わせれば[ko]の音、すなわち「コ」又は「コー」の音で称呼されるものであるから、その構成文字全体からは、「メディコル」又は「メディコール」の称呼を生じるというのが相当である。
したがって、本願商標からは「メディコル」又は「メディコール」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
イ 引用商標について
引用商標は、「メディコール」の片仮名を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して、「メディコール」の称呼を生じ、当該文字は、辞書等に載録のない造語であるから、特定の観念を生じない。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否を検討すると、全体の外観においては、図形の有無の差異があることからすれば、区別し得るものであるところ、本願商標の要部と引用商標は、欧文字と当該欧文字の読みに相当する片仮名の関係にあり、ともに一般的な書体で表されたものである。
このように、特徴的な書体やデザインで表されたものではなく、かつ、特定の観念を有しない文字商標同士においては、文字種が異なることによる外観の差異が記憶に残りにくく、強い印象を与えるものではない上、観念から商標の出所を識別することができないため、称呼を記憶し、これを頼りに取引に当たることが少なくないといえる。
そうすると、上述のとおり、本願商標の要部と引用商標は、欧文字と当該欧文字の読みに相当する片仮名の関係にあり、いずれも一般的な書体であって、特徴的な書体やデザインで表されたものではなく、それらの外形自体が、外観における印象として、需要者の記憶に残りにくいことをも考慮すると、当該文字種の相違による外観の差異は、両者が同一又は類似の商品に使用され、これらが離隔的に観察された場合に、その商品の出所が別異のものであると認識させるほどの強い印象を与えるものではない。
次に、称呼においては、本願商標の要部から生じる「メディコール」の称呼と、引用商標から生じる「メディコール」の称呼は、同一である。また、本願商標の要部から生じる「メディコル」の称呼と、引用商標から生じる「メディコール」の称呼とは、「メ」、「ディ」、「コ」、「ル」の各音が共通するものであり、本願商標における3音目の「コ」と引用商標の3音目と4音目における「コー」において、長音の有無という差異を有するにすぎないものである。さらに、引用商標における「コー」の長音は、その前音である「ディ」の音に吸収されやすい上、中間に位置することから、長音を有するか否かの差異は、明瞭に聴取することが困難といい得るものである。
したがって、本願商標及び引用商標は、それぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が近似するものであるから、両称呼は類似するものである。
そして、観念においては、本願商標の要部と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することはできない。
以上によれば、本願商標と引用商標は、両者の全体の外観の比較においては、区別し得るとしても、本願商標の要部と引用商標を比較した場合、両者の外観の相違は、強い印象与えるものではなく、観念において比較できず、「メディコール」の称呼を共通にし、「メディコル」と「メディコール」の称呼も類似することから、その外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、時と所を異にして観察する離隔的観察の方法により考察すると、両者は、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断すべきである。
エ 本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願の指定商品「歯科医療用マウスピース」は、引用商標の指定商品「医療用機械器具」に含まれるものである。
オ 小括
以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、その指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願の指定商品「歯科医療用マウスピース」と、引用商標の指定商品「医療用機械器具」は、非類似の商品である旨主張する。
しかしながら、本願の指定商品「歯科医療用マウスピース」は、歯ぎしり対策用、顎関節症治療用、矯正用、ホワイトニング用、虫歯・歯周病治療・予防、知覚過敏対策用のマウスピース(https://www.tanimoto-dental.com/menu/mouth.php)と考えられるところ、これらは明らかに、歯科医療に用いられる器具、すなわち「歯科医療用機械器具」であり、実際に「歯科医療用のマウスピース」は、「器具」や「装置」とされている(https://www.kyousei-jiyugaoka.com/mouthpiece/wire.html)。そして、「歯科医療用機械器具」は、「医療用機械器具」に包含されるものであるから、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるといわざるを得ない。
イ 請求人は、引用商標の権利者が商標「メディコール」を使用している商品は、中心循環系閉塞術用血管内カテーテルであり、高度管理医療機器とされているものであるから、本願の指定商品と引用商標の指定商品は、非類似の商品である旨主張する。
しかしながら、商標法第27条第2項において「指定商品又は指定役務の範囲は、願書の記載に基づいて定めなければならない。」と規定されているように、引用商標の指定商品の範囲は、「医療用機械器具」であり、引用商標の権利者が、現在、商標「メディコール」を使用している商品に限られるものではない。そして、上記アのとおり、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるから、引用商標の権利範囲は、本願の指定商品に及ぶものである。
ウ したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-006365