商標拒絶査定不服審判
2025-002481
メディココンサルティング、メディコ
- 審判番号
- 2025-002481
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2024-009238
- 請求日
- 2025年02月18日
- 審決日
- 2025年05月27日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社メディココンサルティング
- 【請求人代理人】古岩 信嗣
- 審判長/審判官
- 審判長 小林 正和
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 吉岡 めぐみ
- 分類
- T18 .261-Z (W42) / T18 .262-Z (W42) / T18 .263-Z (W42)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2024-9238拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和6年1月31日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 9月25日付け:拒絶理由通知書
令和6年10月21日受付:意見書の提出
令和6年11月26日付け:拒絶査定
令和7年 2月18日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 本願商標
本願商標は、「メディココンサルティング」を標準文字で表してなり、第9類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、上記第1の手続補正により、最終的に、第42類に属する別掲1に記載のとおりの役務に補正されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり(以下「引用商標」という。)、現に有効に存続しているものである。
登録第6455850号商標
商標の構成:medico(標準文字)
登録出願日:令和3年6月10日
設定登録日:令和3年10月13日
指定役務:第35類「コンピュータデータベース内のデータの更新及び保守,コンピュータデータベースへの情報編集」及び第42類「電子計算機用プログラムの提供,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,コンピュータ技術に関する助言,クラウドコンピューティング,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,受託による新製品の研究開発,ウェブサイトの作成又は保守,情報技術(IT)に関する助言,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータソフトウェアプラットフォームの提供(PaaS),コンピュータープラットフォームの開発,ウェブサーバーの貸与」を含む、第35類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号の該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、「メディココンサルティング」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「コンサルティング」の文字は、「専門的な事項について、相談に乗ったり指導したりすること。」の意味を有する語(株式会社岩波書店「広辞苑 第七版 DVD-ROM版」)として一般に親しまれている語である。そして、本願指定役務には、例えば「コンピュータ技術に関する助言」のように、専門的な事項について、相談に乗ったり指導したりする役務が含まれているといえるものであるから、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標の構成中、「コンサルティング」の文字部分を、本願の指定役務との関係において、役務の質(内容)を表したものと理解、認識する場合も少なくないというのが相当であって、本願商標の構成中、「コンサルティング」の文字部分は、本願の指定役務との関係において、自他役務の識別標識としての機能を有しないか、又は、その機能が極めて弱いものといえる。
一方、本願商標の構成中の「メディコ」の文字は、特定の意味合いを想起させる語として一般に知られているものとは認められないことから、一種の造語として認識されるものといえる。また、当該文字は、本願の指定役務との関係において、役務の質等を具体的かつ直接的に表したものとはいえず、これが自他役務の識別標識としての機能を有さないと判断しなければならない事情は見当たらない。
そして、本願商標は、標準文字によって一連に表記されていることを考慮しても、その構成全体をもってまとまりある一体的な意味合いを生じるものではなく、その構成中、「メディコ」の文字と「コンサルティング」の文字について、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとはいえないものである。
さらに、本願商標の文字より生ずる「メディココンサルティング」の称呼も12音とやや冗長であることから、簡易迅速を尊ぶ取引の実際においては、取引者、需要者において、自他役務の識別標識としての機能を十分に有する「メディコ」の文字部分をもって取引の用に供されることもあるというべきである。
そうすると、本願商標の構成中の「コンサルティング」の文字部分は、出所識別標識としての機能を有しないか、極めて弱いものであるから、その構成中「メディコ」の文字が、取引者、需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。
してみると、本願商標は、その構成中の「メディコ」の文字部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるというべきである。
以上のことからすると、本願商標からは、要部である「メディコ」の文字(以下「本願要部」という。)に相応して、「メディコ」の称呼をも生じ、特定の観念を生じないというのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は、上記第3のとおり、「medico」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「医者、医学生」等(審判請求書に添付された証拠3)の意味を有する語として英語等の辞書に掲載されているものの、かかる意味合いにおいて、我が国で一般的に知られている語とはいい難いことから、特定の語義を想起しない一種の造語として認識され、これより、引用商標からは特定の観念は生じないと判断するのが相当である。
そして、引用商標からは「メディコ」の称呼が生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標を比較するに、外観においては、全体の構成において異なるものの、本願要部と引用商標についてこれをみると、両者は、片仮名と欧文字の差異を有するが、これら文字種の相違があるとしても、いずれも格別特徴のない標準文字からなる書体で表されていること、かつ、一般に、同一の称呼の生じる範囲内で、商標の構成文字の文字種を置き換えて表示することはごく普通に行われていることを踏まえると、文字種が異なることによる本願要部と引用商標の外観の相違は、看者に対し、両者が別異のものであると認識させるほどの強い印象を与えるとはいえない。
そして、本願要部と引用商標は、称呼においては、「メディコ」を共通にするものである。
また、観念については、本願要部と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することはできない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念においては比較することができないとしても、「メディコ」の称呼を共通にし、外観における差異についても、称呼の共通性を凌ぐほどの顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえず、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、互いに紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
(4)本願商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否について
別掲1に記載する本願の指定役務は、引用商標の指定役務中、「コンピュータデータベース内のデータの更新及び保守,コンピュータデータベースへの情報編集,電子計算機用プログラムの提供,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,コンピュータ技術に関する助言,クラウドコンピューティング,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,受託による新製品の研究開発,ウェブサイトの作成又は保守,情報技術(IT)に関する助言,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータソフトウェアプラットフォームの提供(PaaS),コンピュータープラットフォームの開発,ウェブサーバーの貸与」と同一又は類似する役務である。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標は、一体不可分に表されてなる造語である。また、商標の外観を観察するにあたり、商標の一部分である「メディコ」の文字部分のみを抽出することは不自然であり、本願商標と引用商標の外観の差異は顕著であって、称呼の近似性を遙かに凌駕するものである旨主張する。
しかしながら、本願商標中の「コンサルティング」の文字は、上記1(1)のとおり、本願商標の指定役務との関係で、自他役務の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱いものといえることから、本願商標は、その構成中の「メディコ」の文字部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるというべきである。
(2)請求人は、本願商標と引用商標において、同一又は類似の関係にある役務は、主として、「コンピュータ技術に関する助言」等であって、これらの役務は、一般に、役務内容が専門的且つ難解複雑であり、その対価が高額であること等から、当該役務の取引者・需要者は、取引にあたり高度の注意力をもって慎重に臨むこと、また、これらの役務は、通常、コンピュータの画面や書面を通じて取引が行われることから、取引者・需要者は、必然的に商標に視覚を通じて接するため、商標の出所識別標識として外観が最も重視されるものであり、単に商標の称呼のみを通じて取引が行われることはあり得ないと述べ、両商標は、その役務の出所について混同を生ずるおそれのない、非類似の商標である旨主張する。
しかしながら、本願の指定役務「コンピュータ技術に関する助言」等には、例えば、通話等による口頭による提供も含まれるものである。
そして、請求人が述べる取引の実情について、それを裏付ける証拠の提出はなく、取引者、需要者が、商標の称呼のみを通じて取引にあたることはないとはいい難いことから、本願商標と引用商標の類否について、上記1(3)においてした判断が左右されることはない。
(3)請求人は、「メディコ」の文字や「medico」の文字を含む過去の登録例を挙げ、本願商標と引用商標とは非類似である旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、出願された商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断すべきものであり、また、請求人の挙げる登録例と本件商標とは、商標の構成、他の文字や観念の有無、指定商品又は指定役務等を異にするものであるから、当該登録例によって、直ちに本願商標に係る判断が左右されるものではない。
そして、本願商標と引用商標とが類似の商標であることは、上記1のとおりである。
(4)したがって、請求人の上記(1)ないし(3)の主張は、採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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