商標拒絶査定不服審判
2022-006352
リン、アアルアイエヌ
- 審判番号
- 2022-006352
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-136570
- 請求日
- 2022年04月26日
- 審決日
- 2023年02月08日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社キッズセルテクノロジーズ
- 【請求人代理人】弁理士法人プロテクトスタンス
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .261-WY (W03) / T18 .262-WY (W03) / T18 .263-WY (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-136570拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年11月5日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 8月25日付け:拒絶理由通知書
令和3年 9月 9日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 1月31日付け:拒絶査定
令和4年 4月26日 :審判請求書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第3類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
本願の指定商品は、原審及び当審における上記1の手続補正書により、最終的に第3類「石けん類,洗顔石鹸,クレンジング用の化粧品,シャンプー,化粧品,固形・クリーム状・ローション状・乳液状・オイル状・粉末状・ジェル状又は軟膏状の皮膚の手入れ用及び清浄用化粧品」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(3)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4891028号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成: 凛 (標準文字)
指定商品:第3類「薫料」
登録出願日:平成16年11月18日
設定登録日:平成17年 9月 2日
(2)登録第5934965号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
指定商品:第3類「クリーム状化粧品,クリーム,香水入りクリーム,香料」
登録出願日:平成28年 9月 7日
設定登録日:平成29年 3月24日
(3)登録第6364453号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
指定商品:第3類「せっけん類」
登録出願日:令和 元年11月22日
設定登録日:令和 3年 3月17日
4 当審の判断
(1)本願商標と引用商標1について
本願商標の指定商品は、上記2のとおり補正された結果、引用商標1の指定商品と同一又は類似の商品は全て削除された。その結果、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似しない商品になった。
したがって、本願商標は、引用商標1との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当しないものとなった。
(2)本願商標と引用商標2及び3について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、「RIN」の欧文字を横書きし、上下に曲線を伴う花びら様の図形をその文字の右側に表してなるものであるところ、その構成中の「RIN」の文字は、辞書等に載録されている既成の語ではないことから、特定の観念を生じるものでなく、また、同構成中の図形部分は具体的に何を表しているのか判然としないことから、特定の称呼及び観念を生じないものである。
したがって、本願商標は、その構成中の「RIN」文字部分の構成に相応して「リン」又は「アアルアイエヌ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
そして、本願商標構成中の文字部分と図形部分とは、重なり合うことなく間隔を空けて配置されていることから、本願商標は、視覚上、文字部分と図形部分とに分離して看取されるものであり、また、文字部分と図形部分との間には観念的なつながりもなく、全体として、特定の観念を生じるものでもない。
そうすると、本願商標は、その構成中の文字部分と図形部分とを分離して観察することが、取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められないものであり、両者は、それぞれが独立して出所識別機能を有する要部となり得るものである。
イ 引用商標2について
引用商標2は、別掲2のとおり、「凛」の漢字を大きく表し、その下にやや小さく「Excellent cream」の欧文字を横書きしてなるものであるところ、その構成中の「凛」の文字は「寒さがきびしいこと。きりりと身がひきしまるさま。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)を意味する語である。また、同構成中の「Excellent」の文字は「すばらしい」(出典:「プログレッシブ英和中辞典 第5版」株式会社小学館)等を意味する語であり、「cream」は「クリーム」の欧文字表記であるから、「Excellent cream」の文字は「すばらしいクリーム」ほどの意味を理解させるものといえ、引用商標2の指定商品中、特に「クリーム状化粧品,クリーム,香水入りクリーム」との関係において、その商品の品質を表示したものといえるものであり、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、又は、その機能が極めて弱いものといえる。
また、引用商標2の構成中、「凛」の漢字は大きく目立つように表示されていることから看者に強い印象を与えるとともに、その注意を強く引くものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るとみるのが相当である。
そうすると、引用商標2は、その構成中の「凛」の漢字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であり、「凛」の漢字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較することが許されるというべきである。
したがって、引用商標2は、構成全体より生じる「リンエクセレントクリーム」の称呼のほか、要部である「凛」の漢字に相応して、「リン」の称呼及び「寒さがきびしいこと。きりりと身がひきしまるさま。」の観念を生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標2の類否について
本願商標と引用商標2を比較するに、外観においては、全体的には図形の有無などで相違するとともに、本願商標の要部たる「RIN」の文字と引用商標2の要部たる「凛」の文字とを比較しても、構成文字及び文字種を異にし、互いに異なる語を表してなると容易に理解できるから、相紛れるおそれはないものである。また、称呼においては、「リン」を共通にする場合があり、観念については、本願商標より特定の観念が生じない一方で、引用商標2よりは「寒さがきびしいこと。きりりと身がひきしまるさま。」の観念が生じることから、相紛れるおそれはないものである。
そうすると、本願商標は、引用商標2とは、称呼の一が共通する場合があるとしても、外観及び観念において相紛れるおそれはなく、それらが与える印象、記憶等を総合してみれば、商品の出所について誤認混同を生じるおそれはないことから、非類似の商標というのが相当である。
エ 引用商標3について
引用商標3は、別掲3のとおり、上下に隙間のある円の中に「琳」の漢字を表してなるものであり、当該円部分は「琳」の漢字を装飾するものといえ、それよりは特定の称呼、観念は生じないものである。
そして、引用商標3の構成中の「琳」の文字は、例えば「江戸中期の画家」として著名な歴史上の人物である「尾形光琳」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)の名前に使用されているものであって、また、「美しい玉の一種」の意味を有する語として、一部辞書類に掲載されてはいる事実は認められるものの、「琳」の漢字それ自体が、その意味内容が一般に理解されているといえるほど親しまれた語とはいえないことから、引用商標3よりは、「琳」の文字に相応して「リン」の称呼が生じるとはいえるものの、特定の観念が生じるとはいえないというべきである。
オ 本願商標と引用商標3の類否について
本願商標と引用商標3を比較するに、外観においては、全体的には図形の構成態様などで相違するとともに、本願商標の要部たる「RIN」の文字と引用商標3の「琳」の文字とを比較しても、構成文字及び文字種を異にし、互いに異なる語を表してなると容易に理解できるから、相紛れるおそれはないものである。また、称呼においては、「リン」を共通にする場合があり、観念については、いずれも特定の観念が生じないものであるから、比較することができない。
そうすると、本願商標は、引用商標3とは、称呼の一が共通する場合があるとしても、外観において相紛れるおそれはなく、観念については比較できないものであるから、それらが与える印象、記憶等を総合してみれば、商品の出所について誤認混同を生じるおそれがあるとはいえず、非類似の商標というのが相当である。
カ 小括
本願商標と引用商標2及び3は、上記ウ及びオのとおり、互いに非類似の商標であるから、本願商標の指定商品と引用商標2及び3の指定商品の類否について判断するまでもなく、本願商標は、引用商標2及び3との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標1との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当しないものとなっており、また、引用商標2及び3との関係においては、非類似の商標であるから、両商標の指定商品が同一又は類似であるとしても、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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