特許拒絶査定不服審判
2022-005886
塵埃侵入抑制カバーを有する光コネクタ
- 審判番号
- 2022-005886
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-534527
- 請求日
- 2022年04月20日
- 審決日
- 2023年06月29日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
- 【請求人代理人】藤井 憲
- 【請求人代理人】野村 和歌子
- 【請求人代理人】佃 誠玄
- 【請求人代理人】浅村 敬一
- 審判長/審判官
- 審判長 瀬川 勝久
- 審判官 廣田 かおり
- 審判官 金高 敏康
- 分類
- P18 .55 -Z (G02B) / P18 .537-Z (G02B) / P18 .113-Z (G02B) / P18 .121-Z (G02B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 行政事件訴訟法46条特許法17条の2第3項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第3項、特許法第184条の4第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-534527「塵埃侵入抑制カバーを有する光コネクタ」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 7月 6日国際公開、WO2017/116933、平成31年 1月10日国内公表、特表2019-500654〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2016年(平成28年)12月22日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2015年12月30日、米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年 9月25日付け:拒絶理由通知書
令和2年12月14日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年 4月20日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書
令和3年 7月20日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年12月16日付け:令和3年7月20日の手続補正についての補
正の却下の決定、拒絶査定
令和4年 4月20日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 本願発明
本願の請求項に係る発明は、令和4年4月20日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
前部ハウジングと後部ハウジングとを含むハウジングであって、前記ハウジング内に配置されており前記ハウジングの嵌合端部の開口部を通してアクセス可能な1つ以上の光フェルールを収容するように構成された、ハウジングと、
前記嵌合端部にあるカバーであって、閉位置と開位置との間で回動軸を中心に回転するように構成された、カバーと、
前記カバーが前記閉位置にあるとき、前記ハウジング内に配置され、前記カバーが前記開位置にあるとき、前記ハウジングの前記開口部から少なくとも部分的に延びる、少なくとも1つのカバー開放アクチュエータと、を備え、
前記前部ハウジングが前記後部ハウジングに対して近づく方向に移動すると前記少なくとも1つのカバー開放アクチュエータは、前記開口部から少なくとも部分的に延びて前記カバーの内面と係合して、前記カバーを前記閉位置から前記開位置まで、前記回動軸を中心に回転させるように構成され、
前記ハウジングの前記嵌合端部と相手側の光コネクタのハウジングの嵌合端部との嵌合が、前記少なくとも1つのカバー開放アクチュエータを前記開口部から少なくとも部分的に突出させる、光コネクタ。」
第3 原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、令和2年12月14日付け手続補正書でした補正(以下、「本件補正」という。)が、「前記ハウジングの前記嵌合端部と相手側の光コネクタのハウジングの嵌合端部との嵌合が、前記少なくとも1つのカバー開放アクチュエータを前記開口部から少なくとも部分的に突出させる」という補正事項(以下、「本件補正事項」という。)を含んでいるところ、このような本件補正事項を含む補正は、本願に係る国際特許出願(以下「国際特許出願」という。)の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の特許法第184条の4第1項の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の翻訳文(特許協力条約第19条(1)の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合にあっては、当該翻訳文)又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下、翻訳文等という。)(誤訳訂正書を提出して明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をした場合にあっては、翻訳文等又は当該補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない(同法第184条の12第2項参照)という内容を含むものである。
第4 当審の判断
当審は、以下のとおり、本件補正事項に係る補正が翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものとはいえないと判断する。
1 翻訳文等の記載事項
(1)翻訳文等には、次の記載がある(下線は当審が付した)。
ア 「【技術分野】
【0001】
本開示は、概ね光コネクタ及び光コネクタシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
光コネクタは、電気通信ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、データセンターリンク、及びコンピュータ装置の内部リンク、を含むさまざまなアプリケーションにおける光通信に使用することができる。ラップトップコンピュータ、また更には携帯電話などの、より小さい消費者用電子機器の内部用途へと、光通信を拡張することに関心が持たれている。位置合わせの公差を軽減することができる光学的接続を提供するために、拡大された光学ビームをこれらのシステムのコネクタに使用することができる。しかし、コネクタハウジング内に塵埃が侵入すると、拡大されたビーム、及び/又は他の光学的相互接続装置、にとって角度誤差を生じさせ、最適化されていない動作を招く恐れがある。」
イ
(ア)「【0020】
図1A~図1Eは、塵埃の侵入を抑制するカバーを含む光コネクタのさまざまな図を示す。図1Fは、コネクタシステム内の各コネクタが塵埃侵入抑制カバーを有する、光コネクタのシステムを示す。
【0021】
図1A~図1Eに示された光コネクタ100は、いくつかの実施形態に係る、コネクタハウジング110への塵埃の導入を低減するように構成された塵埃侵入抑制カバー130を内蔵している。図1A及び図1Bは、コネクタ100の他の構造が見えるように、部分的に透明なカバー130を示す。図1Cは、コネクタ100のさまざまな構造を示す分解図である。図1Dは、カバー130が閉位置にあるコネクタ100を示す。図1Eは、カバー130が開位置にあるコネクタ100を示す。図1Fは、嵌合された第1及び第2コネクタ100a、100bを備える光コネクタシステムを示す。
【0022】
光コネクタ100は、前部ハウジング111及び後部ハウジング112を含むハウジング110を備えている。前部ハウジング111及び後部ハウジング112は、互いに対して移動可能である。例えば、いくつかの実施形態では、前部ハウジング111は後部ハウジング112に向かって引き戻すことができる。ハウジング111、112は、1つ以上の光ケーブル120の一部を収容するように構成された内部容積114を有する。各光ケーブル120は、1つ以上の光導波路122に取り付けられた光フェルール121を備える。さまざまな実施形態では、各光フェルールを単一の導波路に取り付けることができるか、あるいは各光フェルールを導波路のアレイに取り付けることができる。光導波路をフェルールに結合するように構成された機構は、「Optical Waveguide with Registration Feature」と題する代理人整理番号76661US002によって特定される所有者が共通する米国特許出願、及び「Optical Ferrules with Waveguide Inaccessible Space」と題する代理人整理番号76778US002によって特定される所有者が共通する米国特許出願、に更に記載されており、両者とも、本明細書において参照として組み込まれる。図1A-図1Fに示す実施形態では、光導波路122がハウジング110内で屈曲するように、光ケーブル120が配置されている。光導波路122の屈曲によって、光フェルール121を嵌合する光フェルールと嵌合する配置に保持する嵌合ばね力が得られる。
・・・中略・・・
【0025】
第1カバー及び第2カバー131、132は、前部ハウジング111の開口部113にわたって広がり、それらが出会うところで僅かに重なり合って、塵埃侵入経路をより入り組んだ通路としてよい。いくつかの実施形態では、塵埃の侵入を低減するため、カバーの重なり合った表面及び/又はカバーとハウジングとの間の他の表面は、シール面とすることができ、及び/又はガスケット又はOリングなどの柔軟材料を含むことができる。各カバー131、132は、第1カバー及び第2カバー131、132がy軸に沿い開口部113にわたって広がる閉位置と、カバー131、132が嵌合軸199(図1A及び図1Bのx軸)に沿って延びる開位置と、の間で、ピン133、134において、回動軸を中心に回転するように構成されている。第1及び第2カバー131、132は、回動軸133、134を中心に反対方向に回転するように示されているが、いくつかの実施形態では、カバーは、閉位置から開位置まで移動するときに、同じ方向に回転してもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、図1Cに示すコネクタ100の分解図で最もよく分かるように、光コネクタ100は、後部ハウジング112に取り付けられた内側フレーム115を備えている。内側フレーム115は、光ケーブル120をフレーム内に保持するように構成された機構を備えることができ、それによって、光導波路122の屈曲による光フェルール121への嵌合ばね力提供が容易となる。ケーブルリテーナ、及びケーブルリテーナを受け入れるように構成されたフレームを含む光ケーブルサブアセンブリの構成は、参照により本明細書に組み込まれる「Optical Assembly with Cable Retainer」と題する所有者が共通する米国特許出願第76662US002号に開示されている。内側フレーム115は、後部ハウジング112に取り付けることができ、前部ハウジング111の内部容積114の内部を移動することができる。前部ハウジング111及び後部ハウジング112の嵌合軸199に沿った相対移動は、カバー131、132を閉位置から開位置まで移動させる。例えば、前部ハウジング111を嵌合軸199に沿って後部ハウジング112に向けて引き戻すと、カバー131、132が開放され、開口部113を通して光フェルール121が露出する。前部ハウジング111が後部ハウジング112に対して引き戻されると、各カバーアクチュエータ135、136の端部135a、136bは、カバー131、132の内面と係合する。前部ハウジング111が後部ハウジング112に向かって移動することにより、アクチュエータ135、136が嵌合軸199に沿って移動し続けると、アクチュエータ135、136がカバー131、132の内面に力を印加することにより、カバー131、132は各回動軸133、134を中心に回転する。図1A-図1Fに示す実施形態では、閉位置から開位置まで移動するときの第1カバー131の回転方向は、閉位置から開位置まで移動するときの第2カバー132の回転方向とは反対である。前部ハウジング及び後部ハウジング111、112の相対移動はまた、光フェルール121を、例えば開口部113から僅かに突出する嵌合位置に移動させる。いくつかの実施形態では、コネクタ100は、カバー131、132を閉位置に向けて付勢する1つ以上のばね(例えばねじりばね161、162)を任意選択的に含む。ばねは、以下に説明するように、圧縮ばね、引張りばね、又はねじりばねとしてもよい。
【0027】
前部ハウジング111は、任意選択的に、嵌合中に、コネクタ100のための大まかな位置合わせを提供する機構151、152を含む。図1A-図1Fにおいて、機構151は、相手側コネクタのスロットに嵌合するピンであり、機構152は、相手側コネクタのピンを受け入れるスロットである。いくつかの実施形態では、各カバー131、132は相手側コネクタの凹部内に滑動し、カバー131、132による相手側コネクタの凹部内との係合及び/又は相手側コネクタのカバーによるコネクタ100の凹部137、138との係合によって、嵌合中のコネクタの大まかな位置合わせが得られる。
【0028】
図1Fは、2つの嵌合したコネクタ100a、100bを含む光コネクタシステム110を示す。コネクタ100a、100bは、前部ハウジング111a、111b、及び後部ハウジング112a、112bを備えている。ハウジング111a、111b、112a、112bは、導波路122a、122bに取り付けられた光フェルール121a、121bを含む光ケーブル120a、120bを支持かつ/又は収容する。図1Fでは、内側フレーム115a、115bの一部及びフェルール121a、121Bの一部が見えるように、前部ハウジング部111a、111bは透明になっている。コネクタ100aは、コネクタ100a、100bが嵌合位置にあるときに、相手側コネクタ100bのカバー131bを受け入れるように構成された前部ハウジング111aの凹部138aを備える。コネクタ100bは、コネクタ100a、100bが嵌合位置にあるときに、コネクタ100aのカバー132aを受け入れるように構成された前部ハウジング111bの凹部137bを備える。」
(イ)「【図1A】
[図:0001404111000001.jpg]
【図1B】
[図:0001404111000002.jpg]
【図1F】
[図:0001404111000003.jpg]
【図1A】より、カバーアクチュエータ135、136は、前記カバー131、132が閉位置にあるとき、前記ハウジング111内に配置され、【図1B】より、カバーアクチュエータ135、136は、前記カバー131、132が開位置にあるとき、ハウジング111の開口部113から少なくとも部分的に延びている(突出している)ことが分かる。」
(ウ)
「【0030】
図2A~図2Dは、いくつかの実施形態に係る別の塵埃侵入抑制カバーの構成を示す。図2Aは、コネクタ200a及びそれと同一の相手側コネクタ200bの斜視図を示し、コネクタ200aの図は、カバー231、232の開閉方法がガレージドアと同様であるため、本明細書では、「ガレージドアタイプ」の塵埃抑制カバーと呼ばれる塵埃抑制カバー231、232を示している。図2A~図2Dには、2つのガレージタイプのカバー231、232が示されているが、いくつかの実施形態では、ガレージドアタイプのカバーの1つのみがコネクタハウジングの開口部にわたって広がることが理解されよう。図2A~図2Dに示される実施形態では、各カバー231、232は開口部213にわたって部分的に延び、開口部213のほぼ中間点で出会い、及び/又は、実施態様によっては、重なり合う。いくつかの実施形態では、カバーは、中間点ではない点で出会ってもよく、例えば、カバーが対称である必要はない。カバー231、232は、ポリプロピレンなどの可撓性材料から作製されてもよく、又はセグメント間がヒンジ結合されたセグメント化シートであってもよい。シール面及び/又は可撓性材料、例えばガスケットを、カバーが出会う場所に設けることができる。カバー231、232は、カバー231、232が閉位置から開位置まで移動するときに、軌道260に沿って折れ曲がるか、又は蝶番式に動く。図2Bは、カバー231、232を開放するための機構の構成要素を示すコネクタ200aの部分透視図である。図2C及び図2Dは、カバーが閉位置(図2C)及び開位置(図2D)にあるときの光コネクタ200aの簡略化された概略断面図を示す。
・・・(中略)・・・
【0037】
図2A及び図2Bに示すように、相手側コネクタ200bのアクチュエータ237、238は、コネクタ200aのカバー開放機構233、234と係合して、カバー231、232をトラック260に沿って閉位置から開位置まで滑動させる。例えば、コネクタ200aは、コネクタ200aの上面に1つのアクチュエータ237を有し、コネクタ200aの下面に2つのアクチュエータ238を有する。ここで、「上」及び「下」は、コネクタ200aを便宜上図2A及び図2Bにおける向きの通りに説明するために使用される用語である。コネクタ200a及び相手側コネクタ200bは、構成が類似するか、又は同じであってもよく、雌雄同体であってもよい。カバー開放機構233、234に力を印加することに加えて、アクチュエータ237、238は、相手側コネクタ200aに対する大まかな位置合わせを提供することができる。」
(エ)
「【図2A】
[図:0001404111000004.jpg]
【図2B】
[図:0001404111000005.jpg]
」
(オ)
「【0038】
図3A~図3Cは、いくつかの実施形態に係る別の塵埃侵入抑制カバーの構成を示す。図3Aは、コネクタ300aと、それと同一の相手側コネクタ300aを示す。コネクタ300a、300bは、ハウジング310の内部容積314内に配置された光ケーブル320を有するハウジング310を備える(図3B及び図3C参照)。光ケーブル320は、1つ以上のフェルール321を含み、各フェルール321には、1つ以上の導波路322が取り付けられている。図3Aは、コネクタ300a及びこれと同一の相手側コネクタ300bの斜視図を示す。図3B及び図3Cは、カバー331及び332が閉位置から開位置までどのように移動するかを示す簡略化した概略断面図である。図3Bは、閉位置にあるカバー331、332を示し、図3Cは、部分的に開位置にあるカバー331、332を示す。カバー331、332が開閉する方法は、扇式の折り畳みと同様であると考えられ得るため、塵埃侵入抑制カバー331、332は、本明細書では「扇式折り畳みタイプ」の塵埃侵入抑制カバーと呼ばれる。いくつかの実施形態では、扇式折り畳みタイプの1つのカバーのみが、ハウジング310の開口部313にわたって延びている。図3A~図3Cに示す実施形態では、扇式折り畳みタイプの2つのカバー331、332が、開口部313にわたって途中まで延び、開口部313のほぼ中間点で、出会い、かつ/又はいくつかの実施態様では、重なり合う。ガスケット又は他のシール面は、カバーが出会う場所、及び/又は塵埃が侵入し得る他の間隙に配置してもよい。
・・・中略・・・
【0041】
図3Aに示すように、いくつかの実施形態では、相手側コネクタ300bに配置されたカバーアクチュエータ341-1、341-2がコネクタ300aのカバー開放機構337-1、337-2と係合して、カバー開放機構337-1、337-2を開口部313からx軸に沿って後方に移動させ、これにより、続いてカバー331、332が開放される。いくつかの実施態様では、アクチュエータ341-1、341-2は、コネクタ300aと相手側コネクタ300bとの大まかな位置合わせに関するピン及びスロット位置合わせ機能も提供する。いくつかの実施形態では、カバー開放機構337-1、337-2は、ハウジング310のスロット335から突出する。いくつかの実施形態では、取付点339-1、339-2は、カバー331、332が閉位置と開位置との間を移動するときに、軌道、例えばハウジングの側壁に配置された軌道内を動くことができる。」
(カ)「【図3A】
[図:0001404111000006.jpg]
」
(キ)
「【0058】
図11は、塵埃侵入抑制カバー1130を有する2つの同一の雌雄同体コネクタ1100a、1100bを備える雌雄同体コネクタシステム1100を示す。カバー1130は、図11で、閉位置に示されている。各カバー1130は、レバー1134に連結されている。レバー1134は、カバー1130をピン1133によって提供される回動軸を中心に回転させるように操作することができる。アクチュエータ1135は、コネクタ1100a、1100b及び相手側コネクタの側面から延び、レバー1133を操作するように構成される。コネクタ1100a、1100bの嵌合中に、各コネクタ1100a、1100bのアクチュエータ1135は、相手側コネクタ1100b、1100aのレバー1133と係合する。アクチュエータ1135がレバー1133と係合すると、レバー1133及びカバー1130をピン1034を中心に回転させ、カバー1130を閉位置から開位置まで移動させる。各コネクタ1100a、1100bのハウジング1111は、相手側コネクタのカバー1130を受け入れるように構成された凹部1136を備える。コネクタ1100a、1100bが嵌合した後、カバー1130の内面は、凹部1036内のハウジング1111の外面1111-1に面し、及び/又は接触するように配置される。」
(ク)「【図11】
[図:0001404111000007.jpg]
」
(2)
ア 上記(1)イ(ア)及び(イ)によれば、図1A~図1Fに示す実施形態(以下、「第1実施形態」という。)として、次の技術的事項が記載されていると認められる。
「塵埃侵入抑制カバー130を有する、光コネクタ100であって、
光コネクタ100は、前部ハウジング111及び後部ハウジング112を含むハウジング110を備えており、前部ハウジング111及び後部ハウジング112は、互いに対して移動可能であり、特に、前部ハウジング111は後部ハウジング112に向かって引き戻すことができ、
各カバー131、132は、第1カバー及び第2カバー131、132がy軸に沿い開口部113にわたって広がる閉位置と、カバー131、132が嵌合軸199(図1A及び図1Bのx軸)に沿って延びる開位置と、の間で、ピン133、134において、回動軸を中心に回転するように構成されており、
前部ハウジング111が後部ハウジング112に対して引き戻されると、各カバーアクチュエータ135、136の端部135a、136bは、カバー131、132の内面と係合し、アクチュエータ135、136がカバー131、132の内面に力を印加することにより、カバー131、132は各回動軸133、134を中心に回転し、
カバーアクチュエータ135、136は、前記カバー131、132が閉位置にあるとき、前記ハウジング111内に配置され、開位置にあるとき、ハウジング111の開口部113から少なくとも部分的に延びており、
コネクタ100a、100bが嵌合位置にあるときに、コネクタ100aは、相手側コネクタ100bのカバー131bを受け入れるように構成された前部ハウジング111aの凹部138aを備え、コネクタ100bは、コネクタ100aのカバー132aを受け入れるように構成された前部ハウジング111bの凹部137bを備える
光コネクタ100。」
イ 上記(1)イ(ウ)及び(エ)によれば、図2A~図2Dに示す実施形態、また、上記(1)イ(オ)及び(カ)によれば、図3A~図3Cに示す実施形態(以下、これらをまとめて「第2実施形態」という。)として、次の技術的事項が記載されていると認められる。
「相手側コネクタに配置されたカバーアクチュエータがコネクタのカバー開放機構と係合して、カバー開放機構を開口部からx軸に沿って後方に移動させ、これにより、続いてカバーが開放される、光コネクタ。」
ウ 上記(1)イ(キ)及び(ク)によれば、図11に示す実施形態(以下、「第3実施形態」という。)として、次の技術的事項が記載されていると認められる。
「アクチュエータ1135は、コネクタ1100a、1100b及び相手側コネクタの側面から延び、レバー1133を操作するように構成され、コネクタ1100a、1100bの嵌合中に、各コネクタ1100a、1100bのアクチュエータ1135は、相手側コネクタ1100b、1100aのレバー1133と係合することにより、レバー1133及びカバー1130をピン1034を中心に回転させ、カバー1130を閉位置から開位置まで移動させる、雌雄同体コネクタ(1100a、1100b)。」
2 判断
(1)上記1(2)アによれば、第1実施形態は、本件補正事項を備えていない。
すなわち、第1実施形態は、前部ハウジング111が後部ハウジング112に対して引き戻されると、各カバーアクチュエータ135、136の端部135a、136bは、カバー131、132の内面と係合し、アクチュエータ135、136がカバー131、132の内面に力を印加することにより、カバー131、132を開位置にし、そのときは、カバーアクチュエータ135、136は、ハウジング111の開口部113から少なくとも部分的に延びているものであり、相手側の光コネクタのハウジングの嵌合端部との嵌合が、カバーアクチュエータ135、136を開口部から少なくとも部分的に突出させるものではない。
(2)上記1(2)イによれば、第2実施形態は、本件補正事項を備えていない。
すなわち、第2実施形態における「アクチュエータ(237、238、341-1、341-2)」は、「ハウジングの前記嵌合端部と相手側の光コネクタのハウジングの嵌合端部との嵌合」によって「開口部から少なくとも部分的に突出される」わけではなく、元々の形状からして(「ハウジングの前記嵌合端部と相手側の光コネクタのハウジングの嵌合端部との嵌合」に依らず)「開口部から少なくとも部分的に突出」している。
(3)上記1(2)ウによれば、第3実施形態は、本件補正事項を備えていない。
すなわち、第3実施形態のアクチュエータも、形状からして「ハウジングの前記嵌合端部と相手側の光コネクタのハウジングの嵌合端部との嵌合」によって「開口部から少なくとも部分的に突出される」わけではなく、元々の形状からして(「ハウジングの前記嵌合端部と相手側の光コネクタのハウジングの嵌合端部との嵌合」に依らず)「開口部から少なくとも部分的に突出」している。
(4)図4A~図10、図12A~図14Eに示される他の実施形態は、アクチュエータの構成が無いため、本件補正事項を備えていないことは自明である。
(5)また、翻訳文等の、実施形態について説明した箇所以外の他のいずれの箇所にも、本件補正事項についての記載も示唆もない。
(6)小括
上記(1)~(5)によると、本件補正事項は、翻訳文等に記載も示唆もなく、また、翻訳文等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項であることは明らかである。
よって、本件補正事項を含む本件補正は、翻訳文等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。
第5 むすび(結論)
以上のとおり、令和2年12月14日付け手続補正書でした補正は、翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものでなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないから、本願は拒絶されるべきものである。
よって、上記の結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-005886