2022-005801
情報中継装置、情報中継方法、及びプログラム
- 審判番号
- 2022-005801
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-550062外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年04月18日
- 審決日
- 2023年08月17日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (G06Q) / P18 .537-WY (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 21項目
第1 手続の経緯
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本願は、2017年(平成29年)10月31日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 原査定の概要
原査定(平成4年1月13日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
(進歩性)この出願の請求項1~8に係る発明は、その出願前に日本国内において、頒布された以下の引用文献A~Hに基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
A.特開2001-256525号公報
B.特開2004-280215号公報
C.特開2002-049946号公報
D.特開2000-207598号公報
E.特開2003-030702号公報
F.特開2006-053599号公報
G.国際公開第2013/132995号
H.国際公開第2008/132856号
第3 当審拒絶理由通知の概要
当審拒絶理由通知の概要は次のとおりである。
1 当審拒絶理由通知1
(進歩性)この出願の請求項1~4に係る発明は、その出願前に日本国内において、頒布された以下の引用文献1~3に記載された発明に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開2002-049946号公報(原査定の引用文献C)
2.特開2001-256525号公報(原査定の引用文献A)
3.特表2016-525254号公報(当審において新たに引用した文献)
2 当審拒絶理由通知2
(サポート要件)本願の請求項1~4に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものではないから、特許法第36条第6項第1号の規定により特許を受けることができない。
第4 本願発明
本願の請求項1~4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明4」といい、合わせて「本願発明」という。)は、令和5年 7月11日付けの手続補正(以下、「本件補正」という)で補正された特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】利用者が搭乗する車両に搭載された車載器と、有料道路の料金所において、前記車載器と無線通信を行うことにより当該車載器を搭載する車両の前記有料道路の利用料金を算出する路側機と、前記有料道路の利用料金をキャッシュレスで決済する決済サービスを提供するサービス提供者が所有し、前記利用料金の決済処理を行う処理装置と、続きを表示(全36行)を備える料金収受システムにおいて、前記車載器または前記路側機と、前記処理装置との間で前記決済処理に係る情報を中継する情報中継装置であって、前記車載器または前記路側機から、前記有料道路の利用者を特定可能な識別情報と、当該利用者の前記有料道路の利用料金とを含む情報を受信する受信部と、前記識別情報と、前記利用者の支払手段を特定可能なアカウント情報とを予め関連付けて登録した登録テーブルが記憶された記憶媒体と、前記サービス提供者より提供されたアプリケーションプログラミングインタフェースであって、予め組み込まれた接続情報に基づいて前記サービス提供者の処理装置との通信接続を確立し、予め組み込まれた暗号鍵情報を用いて前記識別情報と関連付けられた前記アカウント情報と、前記利用料金と、を暗号化した暗号化情報を生成するセキュリティ通信部と、前記暗号化情報を、前記暗号鍵情報が予め組み込まれたアプリケーションプログラミングインタフェースを有する前記処理装置に送信する送信部と、を備える情報中継装置。【請求項2】前記支払手段の残高が前記利用料金を下回る場合、残高が不足していることを通知する通知部を更に備える、請求項1に記載の情報中継装置。【請求項3】利用者が搭乗する車両に搭載された車載器と、有料道路の料金所において、前記車載器と無線通信を行うことにより当該車載器を搭載する車両の前記有料道路の利用料金を算出する路側機と、前記有料道路の利用料金をキャッシュレスで決済する決済サービスを提供するサービス提供者が所有し、前記利用料金の決済処理を行う処理装置と、を備える料金収受システムにおいて、前記車載器または前記路側機と、前記処理装置との間で前記決済処理に係る情報を中継する情報中継装置を使用して、情報を中継する情報中継方法であって、前記情報中継装置により実行される、前記車載器または前記路側機から、前記有料道路の利用者を特定可能な識別情報と、当該利用者の前記有料道路の利用料金とを含む情報を受信するステップと、前記サービス提供者より提供され、前記情報中継装置が有するアプリケーションプログラミングインタフェースに予め組み込まれた接続情報に基づいて前記サービス提供者の処理装置との通信接続を確立するステップと、前記アプリケーションプログラミングインタフェースに予め組み込まれた暗号鍵情報を用いて前記識別情報と関連付けられたアカウント情報と、前記利用料金とを、前記サービス提供者より提供されたセキュリティ通信部により暗号化した暗号化情報を生成するステップと、前記暗号化情報を、前記暗号鍵情報が予め組み込まれたアプリケーションプログラミングインタフェースを有する前記処理装置に送信するステップと、を有する情報中継方法。【請求項4】利用者が搭乗する車両に搭載された車載器と、有料道路の料金所において、前記車載器と無線通信を行うことにより当該車載器を搭載する車両の前記有料道路の利用料金を算出する路側機と、前記有料道路の利用料金をキャッシュレスで決済する決済サービスを提供するサービス提供者が所有し、前記利用料金の決済処理を行う処理装置と、を備える料金収受システムにおいて、前記車載器または前記路側機と、前記処理装置との間で前記決済処理に係る情報を中継する情報中継装置のコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記車載器または前記路側機から、前記有料道路の利用者を特定可能な識別情報と、当該利用者の前記有料道路の利用料金とを含む情報を受信するステップと、前記サービス提供者より提供され、前記情報中継装置が有するアプリケーションプログラミングインタフェースに予め組み込まれた接続情報に基づいて前記サービス提供者の処理装置との通信接続を確立するステップと、前記アプリケーションプログラミングインタフェースに予め組み込まれた暗号鍵情報を用いて前記識別情報と関連付けられたアカウント情報と、前記利用料金とを、前記サービス提供者より提供されたセキュリティ通信部により暗号化した暗号化情報を生成するステップと、前記暗号化情報を、前記暗号鍵情報が予め組み込まれたアプリケーションプログラミングインタフェースを有する前記処理装置に送信するステップと、を実行させるプログラム。」
第5 引用文献、引用発明等
1.引用文献1(引用文献C)の記載、引用発明
(1)引用文献1(特開2002-049946号公報;原査定で引用された引用文献C)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審において付した。以下、同様。)。
「【0010】前記受信手段は、例えば、図3の管理装置2の通信部36により、また、前記送信手段も、例えば、図3の通信部36により、それぞれ構成される。前記受付手段は、例えば、図4の入力部52から入力された通行許可情報としての、例えば、通行IDを、図3の通信部36を介して取得し、例えば、図8のステップS31の処理を実行するCPU31により、前記判定手段は、例えば、図8のステップS34の処理を実行する図3のCPU31により、それぞれ構成することができる。」
「【0062】利用者は、テーマパークのゲートから入場する場合、ゲートの通行の許可を求めるべく、自らが有している通信端末1を操作し、管理装置2と通信を行い、管理装置2が通行IDを発行するために必要な情報を送信する。通信端末1が送信する通行ID要求情報は、通信端末1の電話番号、通信端末1の固有ID、通信端末1の位置情報などを含んでいる。なお、通信端末1は、例えば、携帯電話機またはPHS(Personal Handy phone System)などにより構成される。」
「【0065】管理装置2は、通信端末1から送信されてきた通行ID要求情報を受信した場合、通行ID要求情報から通信端末1の固有IDに対応する口座番号やクレジットカード番号を抽出する。管理装置2は、抽出した固有IDなどを課金サーバ4に通知し、課金処理を依頼し、課金ができたか否かの通知を受ける。すなわち、利用者は、口座番号やクレジットカード番号などを予め管理装置2に登録しておく必要がある。」
「【0079】図3は、管理装置2の構成例を示すブロック図である。CPU31乃至バス34は、図2の通信端末1のCPU11乃至バス14と同様の機能を有するものであり、その説明は省略する。【0080】入出力インタフェース35には、通信部36および記憶部37が接続されている。【0081】通信部36は、通信端末1と図示せぬアンテナを介して無線で通信するとともに、ゲート制御装置3および課金サーバ4と有線(または無線でもよい)で通信する。【0082】記憶部37は、利用者の登録情報や利用者に発行した通行IDなど、様々なデータを記憶する。管理装置2の詳細な処理については後述する。」
「【0090】課金サーバ4が携帯電話機の通話料金回収会社である場合、記憶部76は、契約している利用者の通話料金に併せて、管理装置2から通知されたテーマパークの入場料金、およびそれらの支払方法を記憶する。課金サーバ4は、通常、1ヶ月毎など所定の期間毎に料金を課金するが、本実施の形態においては、管理装置2からテーマパークの入場料金の課金を依頼された場合、直ちに入場料金の課金処理を行い、課金ができたか否かを管理装置2に通知する。」
「【0094】ステップS2において、通信部16は、CPU11からの指令に基づいて管理装置2と通信を開始する。【0095】ステップS3において、CPU11は、管理装置2に対して、ゲートを通過するのに必要とされる通行IDを要求する通行ID要求情報を通信部16から送信する。この通行ID要求情報には、位置検出部20が取得した通信端末1の位置情報、および記憶部21に記憶されている固有IDが含まれている。【0096】管理装置2は、送信されてきた通信端末1の固有IDに基づいて、予め登録されている利用者の口座番号を抽出し、課金サーバ4に与信を依頼し(後述する図7のステップS26)、課金ができた場合、かつ、利用者の位置情報に基づいて利用者が管理領域A1の範囲内に位置していると判断した場合、通行IDを発行する(後述する図8のステップS30)。管理装置2の処理の詳細については、図7および図8のフローチャートを参照して後述する。」
「【0112】ステップS25において、CPU31は、記憶部37に記憶されている情報から利用者が要求する通行ID の料金、および通信端末1から送信されてきた固有IDに対応する口座番号やクレジットカード番号(利用者がこのサービスの提供を受ける前に、予め登録しておいたもの)を抽出し、課金情報を生成する。【0113】ステップS26において、CPU31は、課金サーバ4に対して通信部36から課金情報を送信し、与信を依頼する。課金サーバ4は、課金情報に基づいて与信処理を行う(口座番号番号から通行IDの料金を引き落とす(課金する)ことができるか否かを判定する)。その後、課金ができたか否か(与信の結果)が、課金サーバ4から通知されてくる。」
「【0139】次に、図10のフローチャートを参照して、課金サーバ4の処理を説明する。【0140】ステップS51において、CPU71は、管理装置2から送信された課金情報が、通信部77において受信されたか否かを判定する。CPU71は、課金情報が受信されるまで待機し、課金情報が受信されたと判定された場合、処理はステップS52に進む。【0141】ステップS52において、CPU71は、課金情報に基づいて課金処理を行い、記憶部76に記憶されている利用者の残金情報を書き換える。すなわち、CPU71は、課金情報に含まれている利用者の口座からテーマパークの入場料金を引き落とすことができるか否かを判定し、引き落としができる場合には、その分だけ減算し、記憶部76に記憶させる。利用者から回収した料金は、課金サーバ4とテーマパークの間で予め設定されている契約に基づいてテーマパークの管理者に対して送金される。【0142】ステップS53において、通信部77は、課金ができたか否かの結果を管理装置2に通知する。【0143】図11は、本発明を適用した通行制御システムの他の構成例を示すブロック図である。本発明を適用した通行制御システムを、区間従量制の高速道路の通行制御に利用した場合について説明する。ここで、区間従量制とは、図11の例においては、利用者が入口ゲート制御装置5-1乃至5-3のいずれかのゲートから高速道路に入り、出口ゲート制御装置6-1乃至6-3のいずれかのゲートから出た場合に、入口ゲートと出口ゲートの組み合わせにより(高速道路を利用した距離により)通行料金が異なることを意味する。なお、図1と同様の機能を有するものについては同一の符号を付してあり、その説明は、適宜、省略する。【0144】入口ゲート制御装置5-1乃至5-3(以下、入口ゲート制御装置5-1乃至5-3を個々に区別する必要がない場合、単に入口ゲート制御装置5と称する。出口ゲート制御装置6-1乃至6-3に関しても同様とする)のそれぞれの近傍には、管理領域A11乃至A13が設定されている。利用者は、例えば、高速道路を入口ゲート制御装置5-1から利用する場合、対応する管理領域A11の範囲内から通行IDを要求する場合のみ、管理装置2から通行IDを受信できる。【0145】以下、図12乃至16のフローチャートを参照して、利用者が管理装置2に対して通行IDを要求してからの一連の処理について説明する。通信端末1の利用者は、入口ゲート制御装置5-1から高速道路に入り、出口ゲート制御装置6-3から出る場合について説明する。なお、入口ゲート制御装置5-1乃至5-3および出口ゲート制御装置6-1乃至6-3の構成は、図4に示すゲート制御装置3と同様の構成である。」
「【0147】ステップS61乃至S63の処理は、図6のステップS1乃至S3と同様の処理である。すなわち、通信端末1のCPU11は、入力部17を操作することで利用者から指令があったと判定した場合、管理装置2に対して通信端末1の固有ID、電話番号、および位置情報を送信する。【0148】課金処理は出口ゲートで行われるので、入口では、管理装置2は、さし当たり、通行IDを発行する。そこで、ステップS64において、CPU11は、管理装置2から送信されてきた通行IDを通信部16で受信したか否かを判定する。管理領域A11の範囲内に位置しないなどの理由で、通行IDが受信されない場合、管理装置2から送信されてくる「発行エリア圏外のため通行IDを発行できません」等のメッセージがステップS65で表示部19に表示される。」
「【0155】次に、図13および図14のフローチャートを参照して管理装置2の処理について説明する。【0156】ステップS81において、CPU31は、通信端末1と通信が開始されたか否かを判定し、通信が開始されるまで待機する。CPU31は、通信が開始されたと判定した場合、ステップS82の処理に進む。」
「【0159】ステップS82において、CPU31は、利用者が管理領域A11の範囲内に位置していると判定した場合、処理はステップS84に進む。【0160】ステップS84において、CPU31は、通行IDを生成する。【0161】ステップS85において、記憶部37は、CPU31の指令に基づいて、ステップS84でCPU31が生成した通行IDを、利用者によって予め登録されている通信端末1の固有IDや電話番号などと対応させて記憶する。【0162】ステップS86において、CPU31は、通信部36を制御し、通信端末1に対して通行IDを送信する。通信部36が送信する通行IDは、利用者により入口ゲート制御装置5-1に入力される。」
「【0172】ステップS91において、CPU31は、出口ゲート制御装置6-3から通行IDが転送されてきたと判定した場合、処理はステップS92に進む。【0173】ステップS92において、CPU31は、課金情報を生成する。すなわち、CPU31は、通行IDに対応して記憶部37に記憶されている入口ゲート制御装置5-1と、いま通行IDを送信してきた出口ゲート制御装置6-3の位置情報を記憶部37から抽出し、高速道路の利用料金を算出する。【0174】ステップS93において、CPU31は、課金サーバ4に対してステップS93の処理で算出した利用料金の課金を依頼する。課金を依頼された課金サーバ4は、図10のフローチャートと同様の処理を行い、課金ができたか否かを管理装置2に通知する。【0175】ステップS94において、CPU31は、課金サーバ4からの通知に基づいて課金ができたか否かを判定する。CPU31が課金ができたと判定した場合、処理はステップS95に進む。【0176】ステップS95において、CPU31は、出口ゲート制御装置6-3に対してゲートを開けることを指令する。【0177】ステップS96において、CPU31は、通信部36を制御し、通信端末1に対して課金情報を送信し、高速道路の利用料金として課金した金額を通知する。その後、ステップS81に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。【0178】一方、ステップS94において、CPU31は、課金サーバ4からの通知に基づいて課金ができなかったと判定した場合、処理はステップS97に進む。【0179】ステップS97において、CPU31は、出口ゲート制御装置6-3に対してゲートを閉めた状態を保持することを指令する。利用者は、出口ゲート制御装置6-3の表示部53に表示されている指示に従って(現金で料金を支払うなどして)高速道路から出る。その後、ステップS81に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。」
[図:0001401095000001.jpg]
[図:0001401095000002.jpg]
[図:0001401095000003.jpg]
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(2)上記(1)によれば、引用文献1には、次の事項が記載されている。
ア 【0143】~【0145】、【0174】、【図11】によると、引用文献1には、「利用者の通信端末1と、管理装置2と、入口ゲート制御装置5と、出口ゲート制御装置6と、課金サーバ4と、からなる高速道路の通行制御システム」が記載されている。
そして、【0062】には、「通信端末1」は、「携帯電話機」でよいこと、【0090】には、「課金サーバ4」は、「携帯電話機の電話料金回収会社」であってもよく、「料金を課金する」ことが記載されているから、引用文献1には、「利用者の携帯電話機と、管理装置2と、入口ゲート制御装置5と、出口ゲート制御装置6と、携帯電話機の電話料金回収会社の課金サーバ4からなる高速道路の通行制御システム」が記載されている。
イ 【0079】~【0082】、【図3】には、上記アの「管理装置2」は、「CPU31と通信部36と記憶部37を備える」ことが記載されている。
ウ 【0065】、【0112】には、上記イの「記憶部37」は、利用者により予め登録された携帯電話機の固有IDに対応する口座番号やクレジットカード番号を記憶することが記載されている。
エ 【0095】、【0145】、【0147】、【0148】、【0160】~【0162】、【図13】には、利用者が入口ゲート制御装置5において高速道路に入る場合、上記イの「CPU31」は、入口で利用者の通信端末1(携帯電話機)からの携帯電話機の固有ID、電話番号を含む通行ID要求情報に応じて通行IDを生成し、上記イの「記憶部37」は、生成した通行IDを予め登録されている携帯電話機の固有IDや電話番号と対応させて記憶し、上記イの「通信部36」は、通行IDを利用者の携帯電話機に送信すること、【0010】、【0145】、【0172】、【0173】には、出口ゲート制御装置6において高速道路を出る場合、上記イの「通信部36」は、出口ゲート制御装置6から転送される通行IDを取得することが記載されている。
オ 【0112】、【0141】、【0173】、【0174】には、上記イの「CPU31」は、通行IDに対応して記憶されている入口ゲート制御装置5と、通行IDを送信してきた出口ゲート制御装置6の位置情報を記憶部37から抽出し、高速道路の利用料金を算出し、利用者の口座番号を含む高速道路の利用料金の課金を依頼する課金情報を生成することが記載されている。そして、上記ウのとおり上記イの「記憶部37」は、利用者により予め登録された携帯電話機の固有IDに対応する口座番号やクレジットカード番号を記憶すること、【0161】には、通行IDを通信端末1(携帯電話機)の固有IDや電話番号などと対応させて記憶することが記載されており、上記イの「CPU31」は、通行IDに対応して記憶されている入口ゲート制御装置5と、通行IDを送信してきた出口ゲート制御装置6の位置情報を記憶部37から抽出し、高速道路の利用料金を算出し、通行IDに対応させた携帯電話機の固有IDに対応する口座番号を含む高速道路の利用料金の課金を依頼する課金情報を生成しているといえる。
カ 【0113】、【0141】、【0142】、【0173】~【0179】には、上記イの「通信部36」は、課金情報を携帯電話機の電話料金回収会社の課金サーバ4に送信し、利用者の口座から料金を引き落とすことができたか否かの結果が課金サーバ4から通知されること、上記イの「CPU31」は、課金ができたと判定した場合、出口ゲート制御装置6に対してゲートを開けることを指令し、通信端末1(携帯電話機)に対して課金情報を送信し、課金ができなかったと判定した場合、出口ゲート制御装置6に対してゲートを閉めた状態を保持することを指令し、利用者は、出口ゲート制御装置6の表示部53に表示されている指示に従い現金で料金を支払うなどして高速道路を出るものであること、上記アの「携帯電話機の電話料金回収会社の課金サーバ4」は、利用者の口座から高速道路の利用料金を引き落とすこと、利用者から回収した高速道路の利用料金を管理者に対して送金することが記載されている。
(3)上記(2)によると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
[引用発明]
「利用者の携帯電話機と、管理装置2と、入口ゲート制御装置5と、出口ゲート制御装置6と、利用者の口座から高速道路の利用料金を引き落とし、利用者から回収した高速道路の利用料金を管理者に対して送金する携帯電話機の電話料金回収会社の課金サーバ4と、からなる高速道路の通行制御システムにおける管理装置2であって、管理装置2は、CPU31と通信部36と記憶部37を備え、記憶部37は、利用者により予め登録された携帯電話機の固有IDに対応する口座番号やクレジットカード番号を記憶し、利用者が入口ゲート制御装置5において高速道路に入る場合、CPU31は、利用者の携帯電話機からの携帯電話機の固有IDを含む通行ID要求情報に応じて通行IDを生成し、記憶部37は、生成した通行IDを予め登録されている携帯電話機の固有IDや電話番号と対応させて記憶し、通信部36は、通行IDを利用者の携帯電話機に送信し、出口ゲート制御装置6において高速道路を出る場合、出口ゲート制御装置6から転送される通行IDを取得し、CPU31は、通行IDに対応して記憶されている入口ゲート制御装置5と、通行IDを送信してきた出口ゲート制御装置6の位置情報を記憶部37から抽出し、高速道路の利用料金を算出し、通行IDに対応させた携帯電話機の固有IDに対応する口座番号を含む高速道路の利用料金の課金を依頼する課金情報を生成し、通信部36は、課金情報を携帯電話機の電話料金回収会社の課金サーバ4に送信し、携帯電話機の電話料金回収会社の課金サーバ4は、利用者の口座から高速道路の利用料金を引き落とし、利用者から回収した高速道路の利用料金を管理者に対して送金すると、通信部36には、利用者の口座から料金を引き落とすことができたか否かの結果を課金サーバ4から通知され、課金ができたと判定した場合、出口ゲート制御装置6に対してゲートを開けることを指令し、携帯電話機に対して課金情報を送信し、課金ができなかったと判定した場合、出口ゲート制御装置6に対してゲートを閉めた状態を保持することを指令し、利用者は、出口ゲート制御装置6の表示部53に表示されている指示に従い現金で料金を支払うなどして高速道路を出るものである、管理装置2。」
2.引用文献2(引用文献A)の記載
引用文献2(特開2001-256525号公報;原査定で引用された引用文献A)の段落【0020】~【0055】の記載からみて、当該引用文献2には、「料金所ゲートのゲート装置10が、通行料金を算出し、上位装置であるホストコンピュータ40へ口座引き去り要求を行うこと」という技術的事項が記載されていると認められる。
3.引用文献3の記載
引用文献3(特表2016-525254号公報)の段落【0046】の記載からみて、当該引用文献3には、「決裁アプリケーションは、サーバ・コンピュータと安全に通信を行うために、いかなるAPIを含んでいてもよく、決裁処理ネットワーク公開鍵を含み、決済処理を暗号化する」という技術的事項が記載されていると認められる。
4.原査定で引用された引用文献
(1)引用文献B
原査定で引用された引用文献B(特開2004-280215号公報)の段落【0003】、【0012】、【0018】~【0029】、【0035】~【0044】の記載からみて、当該引用文献Bには、「有料道路を利用する車両から利用料金の料金決済要求を行うシステムであって、出口に設置したカメラから車両の車番を認識し、車番に対応する車両による利用料金を、利用者のクレジット情報を基に、クレジット会社に通知するシステム」という技術的事項が記載されていると認められる。
(2)引用文献D~F
原査定で引用された引用文献D(特開2000-207598号公報)の段落【0005】~【0006】、【0010】、【0076】の記載、引用文献E(特開2003-030702号公報)の段落【0007】、【0020】~【0031】の記載、引用文献F(特開2006-053599号公報)の段落【0001】~【0007】、【0009】~【0032】、【0048】、【0055】、【0084】~【0090】、【0119】~【0154】、【0184】の記載からみて、引用文献D~Fには、「各種処理を行う装置間での情報の送受信の際にデータを暗号化して送受信すること」という技術的事項が記載されていると認められる。
(3)引用文献G~H
原査定で引用された引用文献G(国際公開第2013/132995号)の段落【0032】~【0034】、【0061】~【0063】、【0074】の記載、引用文献H(国際公開第2008/132856号)の段落【0068】~【0071】、【0075】~【0079】、【0104】~【0105】、【0126】、【0234】~【0239】の記載からみて、引用文献G~Hには、「決済サーバで設定された鍵を用いて、暗号化・復号化を用いて決済に係るデータを暗号化する手段「決済サーバで設定された鍵を用いて、暗号化・復号化を用いて決済に係るデータを暗号化すること」という技術的事項が記載されていると認められる。
第6 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明の「利用者の携帯電話機」と、本願発明1の「利用者が搭乗する車両に搭載された車載器」は、「利用者端末」である点において共通する。
イ 引用発明の「高速道路」は、高速道路の利用料金を利用者に課金しているから、本願発明1の「有料道路」であるといえる。また、引用発明の「出口ゲート制御装置6」は、高速道路を出る利用者に向けて料金を支払う指示を表示するものであるから、引用発明の「出口ゲート制御装置6」は本願発明1の「料金所」における「路側機」に相当する。そうすると、引用発明の「出口ゲート制御装置6」と、本願発明1の「有料道路の料金所において、前記車載器と無線通信を行うことにより当該車載器を搭載する車両の前記有料道路の利用料金を算出する路側機」は、「有料道路の料金所において」の「路側機」である点で共通する。
ウ 引用発明の「携帯電話機の通話料金回収会社」は高速道路の利用料金を利用者の口座番号から引き落とし、利用者の口座番号から高速道路の利用料金を引き落とすことは現金を用いないキャッシュレスであることは明らかであるから、引用発明の「高速道路の利用料金を利用者の口座番号から引き落とし、管理者に対して高速道路の利用料金を送金する」「携帯電話機の通話料金回収会社」は、本願発明1の「前記有料道路の利用料金をキャッシュレスで決済する決済サービスを提供するサービス提供者」に相当する。そして、引用発明の「利用者の口座から高速道路の利用料金を引き落とし、利用者から回収した高速道路の利用料金を管理者に対して送金する携帯電話機の電話料金回収会社の課金サーバ4」は、本願発明1の「前記有料道路の利用料金をキャッシュレスで決済する決済サービスを提供するサービス提供者が所有し、前記利用料金の決済処理を行う処理装置」に相当する。
エ 引用発明の「通行制御システム」は、高速道路の料金の受渡しに関するものであるから、本願発明1の「料金収受システム」に相当する。
オ 引用発明の「課金情報」や「課金ができたか否か」という情報は、本願発明1の「決済処理に係る情報」であるといえる。そして、引用発明の「サービス提供者」である「携帯電話機の電話料金回収会社」の「課金サーバ4」に「決済処理に係る情報」である「課金情報」を送信し、当該「課金サーバ4」から「決済処理に係る情報」である「課金ができたか否か」を通知され、それに基づいて「出口ゲート制御装置6」に対する指令を行い利用者端末に金額を通知する「管理装置2」と、本願発明1の「前記車載器または前記路側機と、前記処理装置との間で前記決済処理に係る情報を中継する情報中継装置」は、「前記利用者端末または前記路側機と、前記処理装置との間で前記決済処理に係る情報を中継する情報中継装置」である点で共通する。
カ 引用発明の「高速道路」は上記イのとおり本願発明1の「有料道路」であるといえ、引用発明の「通行ID」は利用者の携帯電話機の固有IDと対応させて記憶されるものであり、有料道路の利用者の識別情報といえるから、引用発明の「高速道路」の「利用者の携帯電話機の固有IDと対応させ」た「通行ID」と、本願発明1の「有料道路の利用者を特定可能な識別情報」とは、「有料道路の利用者の識別情報」であるという点で共通する。
よって、引用発明の「利用者が入口ゲート制御装置5において高速道路に入る場合、CPU31は、利用者の携帯電話機からの携帯電話機の固有IDを含む通行ID要求情報に応じて通行IDを生成し、記憶部37は、生成した通行IDを予め登録されている携帯電話機の固有IDや電話番号と対応させて記憶し、通信部36は、通行IDを利用者の携帯電話機に送信し、出口ゲート制御装置6において高速道路を出る場合、出口ゲート制御装置6から転送される通行IDを取得」することにおいて、「高速道路」の「利用者の携帯電話機の固有IDと対応させ」た「通行ID」を取得する管理装置2の構成と、本願発明1の「前記車載器または前記路側機から、前記有料道路の利用者を特定可能な識別情報と、当該利用者の前記有料道路の利用料金とを含む情報を受信する受信部」は、「前記利用者端末または前記路側機から、前記有料道路の利用者の識別情報を含む情報を受信する受信部」という点で共通する。
キ 引用発明の「利用者の口座番号」から高速道路の利用料金が引き落とされることから、引用発明の「利用者の口座番号」は、本願発明1の「利用者の支払手段を特定可能なアカウント情報」に相当する。
よって、引用発明の「利用者により予め登録された携帯電話機の固有IDに対応する口座番号やクレジットカード番号を記憶」する「記憶部37」は、本願発明1の「前記識別情報と、前記利用者の支払手段を特定可能なアカウント情報とを予め関連付けて登録した登録テーブルが記憶された記憶媒体」に相当する。
ク 上記キのとおり、引用発明の「携帯電話機の固有IDに対応する口座番号」は、本願発明1の「前記識別情報と関連付けられた前記アカウント情報」に相当するから、引用発明の「通行IDに対応させた携帯電話機の固有IDに対応する口座番号を含む高速道路の利用料金の課金を依頼する課金情報」と、本願発明1の「前記識別情報と関連付けられた前記アカウント情報と、前記利用料金と、を暗号化した暗号化情報」は、「サービス提供者の処理装置」に送信される「情報」である点で共通する。
さらに、引用発明の「CPU31」は、上記「サービス提供者の処理装置」に送信される「情報」を処理するから、引用発明の「CPU31」のうち「サービス提供者の処理装置」に送信される「情報」を処理する機能部と、本願発明1の「セキュリティ通信部」は、「通信部」である点で共通する。
よって、引用発明の「通行IDに対応させた携帯電話機の固有IDに対応する口座番号を含む高速道路の利用料金の課金を依頼する課金情報」を「携帯電話機の通話料金回収会社の課金サーバ4」に送信するために処理する「CPU31」の機能部と、本願発明1の「前記サービス提供者より提供されたアプリケーションプログラミングインタフェースであって、予め組み込まれた接続情報に基づいて前記サービス提供者の処理装置との通信接続を確立し、予め組み込まれた暗号鍵情報を用いて前記識別情報と関連付けられた前記アカウント情報と、前記利用料金と、を暗号化した暗号化情報を生成するセキュリティ通信部」は、「前記識別情報と関連付けられた前記アカウント情報と、前記利用料金と、を処理する通信部」である点で共通する。
ケ 引用発明の「携帯電話機の通話料金回収会社」は、上記ウのとおり本願発明1の「サービス提供者」に相当するから、引用発明の「携帯電話機の通話料金回収会社の課金サーバ4」は、本願発明1の「サービス提供者の処理装置」に相当する。
そして、上記クを踏まえると、引用発明の「CPU31」によって処理された「前記識別情報と関連付けられた前記アカウント情報と、前記利用料金」である「課金情報」を「携帯電話機の電話料金回収会社の課金サーバ4に送信」する「通信部36」と、本願発明1の「前記暗号化情報を、前記暗号鍵情報が予め組み込まれたアプリケーションプログラミングインタフェースを有する前記処理装置に送信する送信部」は、「前記通信部により処理された情報を、前記処理装置に送信する送信部」である点で共通する。
コ 上記ア~ケによれば、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
(一致点)
「利用者端末と、有料道路の料金所においての、路側機と、前記有料道路の利用料金をキャッシュレスで決済する決済サービスを提供するサービス提供者が所有し、前記利用料金の決済処理を行う処理装置と、を備える料金収受システムにおいて、前記利用者端末または前記路側機と、前記処理装置との間で前記決済処理に係る情報を中継する情報中継装置であって、前記利用者端末または前記路側機から、前記有料道路の利用者の識別情報を含む情報を受信する受信部と、前記識別情報と、前記利用者の支払手段を特定可能なアカウント情報とを予め関連付けて登録した登録テーブルが記憶された記憶媒体と、前記識別情報と関連付けられた前記アカウント情報と、前記利用料金と、を処理する通信部と、前記通信部により処理された情報を、前記処理装置に送信する送信部と、を備える情報中継装置。」
(相違点)
(相違点1)
利用者端末について、本願発明1は「利用者が搭乗する車両に搭載された車載器」であるのに対し、引用発明は「利用者の携帯電話機」であり、「利用者が搭乗する車両に搭載された車載器」ではない点。
(相違点2)
路側機について、本願発明1は「前記車載器と無線通信を行うことにより当該車載器を搭載する車両の前記有料道路の利用料金を算出する」ものであるのに対し、引用発明はそのようになっていない点。
(相違点3)
「受信部」が受信する「前記有料道路の利用者の識別情報」が、本願発明1では、「利用者の支払手段を特定可能なアカウント情報と」「予め関連付けて登録」された「前記有料道路の利用者を特定可能な識別情報」であるのに対し、引用発明では、「予め関連付けて登録」された「携帯電話機の固有ID」ではなく、利用者が入口ゲート制御装置5において高速道路に入る場合に発行された通行IDである点。
(相違点4)
「受信部」について、本願発明1では、「情報中継装置」外で算出された「当該利用者の前記有料道路の利用料金」を受信するのに対し、引用発明では、「管理サーバ2」の「CPU31」で「通行IDに対応して記憶されている入口ゲート制御装置5と、通行IDを送信してきた出口ゲート制御装置6の位置情報を記憶部37から抽出し」「当該利用者の前記有料道路の利用料金」を算出するものであり、「当該利用者の前記有料道路の利用料金」を外部から「受信部」が受信しない点。
(相違点5)
「通信部」が、本願発明1では「セキュリティ通信部」であるのに対し、引用発明ではそのような特定はなく、「通信部」で処理され、「送信部」で送信する「識別情報と関連付けられた前記アカウント情報と、前記利用料金とからなる情報」が、本願発明1では、「サービス提供者より提供されたアプリケーションプログラミングインタフェースであって、予め組み込まれた接続情報に基づいて前記サービス提供者の処理装置との通信接続を確立し、予め組み込まれた暗号鍵情報を用い」て、生成された「暗号化した暗号化情報」であるのに対し、引用発明では、そのような特定がない点
(相違点6)
「通信部」で処理された情報を、本願発明1は「前記暗号化情報を、前記暗号鍵情報が予め組み込まれたアプリケーションプログラミングインタフェース」を有する処理装置へ送信するのに対し、引用発明は、そのような特定がない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、関連する上記相違点5及び上記相違点6についてまとめて検討する。
上記相違点5及び上記相違点6に係る本願発明1の
「前記サービス提供者より提供されたアプリケーションプログラミングインタフェースであって、予め組み込まれた接続情報に基づいて前記サービス提供者の処理装置との通信接続を確立し、予め組み込まれた暗号鍵情報を用いて前記識別情報と関連付けられた前記アカウント情報と、前記利用料金と、を暗号化した暗号化情報を生成するセキュリティ通信部と、前記暗号化情報を、前記暗号鍵情報が予め組み込まれたアプリケーションプログラミングインタフェースを有する前記処理装置に送信する送信部と、を備える情報中継装置。」
なる構成、すなわち、「情報中継装置」において、有料道路の決済処理に用いる「アカウント情報」と「利用料金」を、「アプリケーションプログラミングインタフェース」に「予め組み込まれた暗号鍵情報」を用いて「暗号化」することにより「暗号化情報」を生成し、当該「暗号化情報」を「前記暗号鍵情報が予め組み込まれたアプリケーションプログラミングインタフェースを有する処理装置に送信する」ことについては、上記引用文献1~3には記載されておらず、本願の出願日前において周知技術であるともいえない。
よって、当業者といえども、引用発明、引用文献2~3に記載された技術的事項から、上記相違点5及び上記相違点6に係る本願発明1の
「前記サービス提供者より提供されたアプリケーションプログラミングインタフェースであって、予め組み込まれた接続情報に基づいて前記サービス提供者の処理装置との通信接続を確立し、予め組み込まれた暗号鍵情報を用いて前記識別情報と関連付けられた前記アカウント情報と、前記利用料金と、を暗号化した暗号化情報を生成するセキュリティ通信部と、前記暗号化情報を、前記暗号鍵情報が予め組み込まれたアプリケーションプログラミングインタフェースを有する前記処理装置に送信する送信部と、を備える情報中継装置。」
という構成を容易に想到することはできない。
したがって、上記相違点1~4について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明、引用文献2~3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2.本願発明2について
本願発明2は、本願発明1の構成に限定を加えて減縮したものであり、上記相違点1~6に係る構成を有しているから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2~3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
3.本願発明3について
本願発明3は、本願発明1の「情報中継装置」の発明を「情報中継方法」として記載した発明であって、上記相違点1~6に係る構成を有しているから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2~3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
4.本願発明4について
本願発明4は、本願発明1の「情報中継装置」の発明を「情報中継装置のコンピュータを機能させるプログラム」として記載した発明であって、上記相違点1~6に係る構成を有しているから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2~3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
第7 当審拒絶理由についての判断
1 当審拒絶理由通知1
上記第6の(2)で述べたように,本願発明1~4は、いずれも、引用発明、引用文献2~3記載の技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものではないから、当審拒絶理由通知における進歩性欠如の拒絶理由は解消した。
2 当審拒絶理由通知2
当審で通知した、令和5年2月3日に提出された手続補正書により補正された請求項1、3、4の「有料道路の利用者が所有し、前記利用者が搭乗する車両に搭載された車載器と、」との記載、同手続補正書により補正された請求項1、3、4の「前記有料道路の事業者が所有し、前記有料道路の料金所において、前記車載器と無線通信を行うことにより当該車載器を搭載する車両の前記有料道路の利用料金を算出する路側機と、」との記載、同手続補正書により補正された請求項1、3、4の「前記暗号鍵情報に対応する復号鍵情報が予め組み込まれたアプリケーションプログラミングインタフェース」との記載が、発明の詳細な説明には記載されていないとの拒絶の理由は、本件補正において、請求項1、3、4から「有料道路の利用者が所有し、前記」、「前記有料道路の事業者が所有し、前記」及び「に対応する復号鍵情報」が削除された結果、解消した。
第8 原査定についての判断
原査定は、上記第2のとおり、本件補正前の本願の請求項1~8に係る発明は、引用文献A~Hに記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
しかしながら、本件補正により補正された請求項1に係る発明は、上記第6の(2)のとおり、「前記サービス提供者より提供されたアプリケーションプログラミングインタフェースであって、予め組み込まれた接続情報に基づいて前記サービス提供者の処理装置との通信接続を確立し、予め組み込まれた暗号鍵情報を用いて前記識別情報と関連付けられた前記アカウント情報と、前記利用料金と、を暗号化した暗号化情報を生成するセキュリティ通信部と、
前記暗号化情報を、前記暗号鍵情報が予め組み込まれたアプリケーションプログラミングインタフェースを有する前記処理装置に送信する送信部」との構成を備え、本件補正により補正された請求項2~4に係る発明も、同一ないし対応する構成を備えているところ、これらの構成は、引用文献A~Hには記載されておらず、当業者にとって自明なものでもない。
そうすると、本件補正により補正された請求項1~4に係る発明は、引用文献A~Hに記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第9 むすび
以上のとおり、当審拒絶理由及び原査定の理由を検討しても、その理由によって本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-005801