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特許拒絶査定不服審判

2022-005095

サーバ、情報処理方法、プログラム

審判番号
2022-005095
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-074149外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年04月06日
審決日
2022年09月28日
公報発行日
2022年12月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

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特願2021- 74149「サーバ、情報処理方法、プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 8月19日出願公開、特開2021-120880〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は,2017年(平成29年)9月28日を国際出願日とする特願2019-545519号の一部を令和3年4月26日に新たな特許出願としたものであって,その手続の経緯は,概略,以下のとおりである。 令和3年 9月14日付け:拒絶理由通知 令和4年 1月14日 :意見書・手続補正書 提出 令和4年 1月18日 :応対記録 令和4年 1月26日付け:拒絶査定 令和4年 4月 6日 :審判請求書 提出 令和4年 5月10日付け:拒絶理由通知 令和4年 7月19日 :面接記録 第2 本願発明 令和4年1月14日提出の手続補正書によって補正(以下,「本件補正」という。)された特許請求の範囲の請求項1ないし21のうち,請求項1は,以下のとおりである。 「第1アカウントから送信されたメッセージを,前記第1アカウントとは異なる第2アカウントに送信するサーバであって, 記憶部に記憶されたプログラムに基づいて処理を実行するプロセッサーを備え, 前記プロセッサーは, 前記第1アカウントから送信された第1メッセージを,前記第2アカウントに送信する制御を行うことと, 前記第1メッセージの送信に基づいて,前記第1メッセージと,前記第1アカウントによって設定された第1画像とが前記第2アカウントのユーザの端末に表示された後,前記第2アカウントから送信された,前記第1アカウントのユーザに関する第1情報を受信する制御を行うことと, 前記第1情報の受信に基づいて,前記第1画像とは異なる,前記第1アカウントによって設定された第2画像に関する第2情報を前記第2アカウントに送信する制御を行うことと, 前記第1アカウントから送信された,前記第1メッセージとは異なる第2メッセージを,前記第2アカウントに送信する制御を行うこととを実行し, 前記第2メッセージと,前記第2情報に基づく前記第2画像とは,前記第2メッセージの送信に基づいて,前記第2アカウントのユーザの端末に表示される。」 なお,請求項2ないし19は,請求項1を引用するものであり,請求項20および請求項21は,それぞれ,請求項1の発明のカテゴリを単に,サーバの発明から,方法の発明,あるいは,プログラムの発明へと変更したものである。 第3 当審拒絶理由の概要 令和4年5月10日付けで当審が通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)の理由1は概ね,次のとおりのものである。 本願の特許請求の範囲の請求項1ないし3,5ないし7,20および21に係る発明は,以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり, 本願の特許請求の範囲の請求項4および8に係る発明は,以下の引用文献1に記載された発明,及び,引用文献2ならびに3に記載された事項に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり, 本願の特許請求の範囲の請求項9ないし19に係る発明は,以下の引用文献1に記載された発明,及び,引用文献2ないし4に記載された事項に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない,というものである。 1.ECzine編集部[著],“LOHACO,チャットボット「マナミさん」をLINE上 で試験運用 有人対応と組み合わせ”,[online], 2016年11月22日,[2021年9月13日検索], インターネット <URL:https://eczine.jp/news/detail/3881> 2.“画像認識が可能なチャットボット「Minervae ViBOT(ミネルヴァ ヴィボット)」をサービス開始予定”,[online], 2017年8月9日,株式会社クレスコ, [2021年9月13日検索],インターネット <URL:https://www.cresco.co.jp/news/2017/08/09/minervae-vibot- prior.html> 3.“ユーザーローカル,AIで顧客サポート業務を自動化 サポートチャットボ ット”,[online],2017年2月3日,株式会社ユーザーローカル, [2021年9月13日検索],インターネット <URL:https://www.userlocal.jp/news/201702031> 4.“LINEを活用した法人向けカスタマーサポートサービス「LINE カスタマーコネクト」を正式販売開始”,[online], 2017年4月11日,LINE,[2021年9月13日検索], インターネット <URL:https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2017/1716> 第4 引用文献 1 引用文献1の記載及び引用発明1 ア 引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている(下線は強調のため当審にて付与した。) (ア)「「LINE Customer Connect」は,アプリ「LINE」を活用した法人向けカスタマーサポートサービス。企業は,LINEが提携するサードパーティの有人チャットシステムやAI(人工知能)などを任意で組み合わせて導入し,自社のウェブサイト・LINEアカウント・電話へのユーザーからの問い合わせに対し,LINEアカウント上で対応が可能になる。2017年春を目処に本格提供開始を予定し,試験運用を実施している。 外部企業による初の導入案件として,アスクルが運営する「LOHACO(ロハコ)」が採用。LINE上でAIエンジンと有人チャットを組み合わせた顧客応対の試験運用を開始する。 アスクルでは,2014年9月から,テキストベースのチャット形式でユーザーからの問い合わせに回答する人工知能型チャットボット「マナミさん」を導入していた。今回,「LOHACOマナミさん」としてLINEアカウント上に実装される。」 (イ)「また, AIエンジンによる自動応対では適切な回答が難しい場合でも,モビルスの提供する有人チャット対応ツール「モビエージェント」に連携し,スタッフによる有人チャットにシームレスに引継ぐことができるため,LINE上で応対を完結することが可能となる。」 (ウ)図 [図:0001391895000001.jpg] (エ)引用発明1 上記(ア)~(ウ)によれば,「LINE Customer Connect」は,「LOHACOマナミさん」により,画像 [図:0001391895000002.jpg] とともに,テキストベースのチャット形式である「お役に立てなかったようで申し訳ございません。私ではお答えできない内容の可能性があります。先輩オペレーターに代わってもよろしいですか?」との文言と「はい」及び「いいえ」の選択肢が表示され,ユーザーが「はい」を選択すると,スタッフによる有人チャットにシームレスに引継ぐことができる法人向けカスタマーサポートサービスであると解される。 したがって,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 「「LINE Customer Connect」は,アプリ「LINE」を活用した法人向けカスタマーサポートサービスであり, 企業は,ユーザーからの問い合わせに対し,LINEアカウント上で対応が可能になるものであって, 「LOHACOマナミさん」としてLINEアカウント上に実装され, 「LOHACOマナミさん」により,画像 [図:0001391895000003.jpg] とともに,テキストベースのチャット形式である「お役に立てなかったようで申し訳ございません。私ではお答えできない内容の可能性があります。先輩オペレーターに代わってもよろしいですか?」との文言と「はい」及び「いいえ」の選択肢が表示され,ユーザーが「はい」を選択すると,スタッフによる有人チャットにシームレスに引継ぐことができる法人向けカスタマーサポートサービス。」 2 引用文献2の記載及び周知技術 ア 引用文献2の記載 引用文献2には,以下の記載がある。 (ア)「AIの活用ノウハウを提供するサービスブランド「Minervae(ミネルヴァ)」のシリーズ第2弾として,画像認識が可能なチャットボット「Minervae ViBOT(ミネルヴァ ヴィボット)」を9月にサービス開始予定です。 チャットを用いたサポート対応に,写真を使ったコミュニケーション手段を追加することで,言葉だけでは伝わりにくい情報を正しく,素早く伝える事が可能となります。また,AIによる自動応答だけでなく,オペレーターによる手動応答への切り替えにも対応しています。」 (イ)図 [図:0001391895000004.jpg] イ 引用文献2に開示された事項 上記ア(ア)および(イ)の記載から見て,引用文献2には,以下の事項(以下,「引用文献2記載事項」という。)が開示されていると認められる。 「サポート対応をするチャットのシステムにおいて,チャットボット「Minervae ViBOT(ミネルヴァ ヴィボット)」を示す画像 [図:0001391895000005.jpg] とともに該チャットボットのメッセージを表示するとともに,応対を引き継いだオペレータを示す画像 [図:0001391895000006.jpg] とともに該オペレータのメッセージを表示すること。」 第5 当審の判断 1 対比 ア 本願発明1と,引用発明とを対比する。 (ア)アプリ「LINE」はサーバとユーザ端末との間で通信を行い,テキストベースのチャット形式のやりとりを実現するものであって,一般にサーバは,記憶部に記憶されたプログラムに基づいて所望の処理を実行するプロセッサーを備えるところ,引用発明1の「LINE Customer Connect」は,アプリ「LINE」を活用した法人向けカスタマーサポートサービスであるから,引用発明1は「LINE Customer Connect」を実現するための「サーバ」に「記憶部」及び「プロセッサー」を有するといえ,それぞれ,本願発明1の「サーバ」,「記憶部」及び「プロセッサー」に相当する。 また,引用発明1の「サーバ」と送受信する「ユーザ端末」は,本願発明1の「ユーザの端末」に相当する。 (イ)引用発明1の「LOHACOマナミさん」及び「スタッフ」はユーザーからの問い合わせに対し企業としてアプリ「LINE」上で対応する者であるから,企業に紐付いた者といえ,当然の前提として,アプリを実現するために,「LINE」に設定されたアカウントを有する。一方,本願発明1の「第1アカウント」は,該アカウントのユーザに関係する「第1の画像」と「第2の画像」とが割り当てられていることからみて,複数の者を含むものである。 そうすると,引用発明1の「LOHACOマナミさん」アカウント及び「スタッフ」アカウントと,本願発明1の「第1アカウント」は,複数の者を対象とする複数対象アカウントである点で共通する。 (ウ)引用発明1の「ユーザー」はアプリ「LINE」を活用して企業側の者と対応する者であるから,当然の前提として,アプリ「LINE」に設定されたアカウントを有するといえ,該「ユーザー」のアカウントは,本願発明1の「第1のアカウントとは異なる第2のアカウント」に相当する。 (エ)引用発明1の「「お役に立てなかったようで申し訳ございません。私ではお答えできない内容の可能性があります。先輩オペレーターに代わってもよろしいですか?」と「はい」「いいえ」の選択肢」は,「LOHACOマナミさん」アカウントからの発言としてユーザの端末に表示されていることからみて,上記(イ)の点を除き,本願発明1の「第1アカウントから送信されたメッセージ」及び「第1メッセージ」に相当する。 さらに,引用発明1において,ユーザの端末に上記文言及び選択肢を表示していることからみて,上記(イ)の点を除き,引用発明1は,本願発明1でいう「前記第1アカウントから送信された第1メッセージを,前記第2アカウントに送信」しているといえる。 (オ)引用発明1の「画像 [図:0001391895000007.jpg] 」は,第1メッセージとともに表示されている画像であるから,本願発明1の「第1の画像」に相当する。 (カ)引用発明1は,「はい」を選択したことで,スタッフによる有人チャットに引継ぐから,サーバは,スタッフに関する情報を受信しているといえ,該「情報」は,上記(イ)の点を除き,本願発明1の「ユーザに関する第1情報」に相当する。 (キ)引用発明1は上記(カ)でいう「情報」を受信したことでスタッフによる有人チャットに引継ぐことから,該有人チャットには少なくともメッセージが含まれ,該メッセージが第2アカウントに送信され,ユーザの端末に表示されるといえ,本願発明1の「前記第1情報の受信に基づいて,前記第1アカウントから送信された,前記第1メッセージとは異なる第2メッセージを,前記第2アカウントに送信する制御を行うこととを実行し,前記第2メッセージは,前記第2メッセージの送信に基づいて,前記第2アカウントのユーザの端末に表示される」に相当する。 2 一致点および相違点 本願発明1と,引用発明とは,以下(1)の点で一致し,以下(2)の点で相違する。 (1)一致点 「複数対象アカウントから送信されたメッセージを,前記複数対象アカウントとは異なる第2アカウントに送信するサーバであって, 記憶部に記憶されたプログラムに基づいて処理を実行するプロセッサーを備え, 前記プロセッサーは, 前記複数対象アカウントから送信された第1メッセージを,前記第2アカウントに送信する制御を行うことと, 前記第1メッセージの送信に基づいて,前記第1メッセージと,前記第1アカウントによって設定された第1画像とが前記第2アカウントのユーザの端末に表示された後,前記第2アカウントから送信された,前記複数対象アカウントのユーザに関する第1情報を受信する制御を行うことと, 前記第1アカウントから送信された,前記第1メッセージとは異なる第2メッセージを,前記第2アカウントに送信する制御を行うこととを実行し, 前記第2メッセージは,前記第2メッセージの送信に基づいて,前記第2アカウントのユーザの端末に表示される。」 (2)相違点 ア <相違点1> 複数対象アカウントに関して,本願発明1は「第1アカウント」であるのに対し,引用発明1は「LOHACOマナミさん」アカウント及び「スタッフ」アカウントである点。 イ <相違点2> 本願発明1は「前記第1情報の受信に基づいて,前記第1画像とは異なる,前記第1アカウントによって設定された第2画像に関する第2情報を前記第2アカウントに送信する制御を行うこと」を実行し,第2メッセージとともに「前記第2情報に基づく前記第2画像」を表示されるのに対し,引用発明1では当該構成が不明な点。 3 相違点について 上記相違点について,判断する。 (1)<相違点1>について 引用発明1の「LOHACOマナミさん」及び「スタッフ」は,1つの企業の応対者(従業者)であるから,これらを1つのアカウント(法人アカウント)の(所属)ユーザとして管理し,これらを1つの「第1のアカウント」とすることは,当業者が容易になし得ることと認められる。(コンピュータソフトウェアサービスの技術分野において,1つの法人アカウントで,法人に所属する複数のユーザに対してサービスを提供することは,本願出願前に一般的な商慣行に過ぎない。) また,引用文献2記載事項では,チャットを用いて応対するシステムにおいて,チャットボットとオペレータとのやりとりを連続して表示しているところ,引用発明1と引用文献2記載事項は,ともにチャットを用いて応対するシステムにおいて応対者がチャットボットとオペレータである点で共通していることから,引用発明1において,スタッフによる有人チャットにシームレスに引継ぐ際に,引用文献2記載事項のように,1つの(法人)アカウントに所属する複数のユーザによる連続するやりとりとして表示することは,当業者が容易になし得ることと認められる。 (2)<相違点2>について 引用発明1及び引用文献2記載事項とは,チャットを用いて対応を行うものにおいて,応対者ごとに割り当てられた画像とメッセージとを対応づけて表示するものであるところ,引用発明1において,スタッフによる有人チャットに引継ぐ際,引継ぎ前の対応者である「LOHACOマナミさん」と引継ぎ後の「スタッフ」は異なる者であるから,引用文献2記載事項を採用して,引継ぐまで表示されていた画像 [図:0001391895000008.jpg] と異なる画像をサーバから送信して第2メッセージとともに表示することは,当業者が容易になし得ることと認められる。 (3)作用効果について 本願発明1の<相違点1>および<相違点2>に係る構成を採用することによる作用効果も,当業者が容易に想到しうる範囲内のものに過ぎない。 (4)請求人の応答について 請求人は,令和4年7月19日の面接において,<相違点1>の容易想到性判断について主張していたものの,当該主張によって当審の<相違点1>の容易想到性判断が覆るものではなかった。 また,請求人は,当審拒絶理由通知の応答期限内に,意見書等を提出しなかった。 第6 むすび 以上のとおり,本願発明1は,その出願日前に日本国内又は外国において,頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に記載された事項に基づいて,その出願日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 したがって,本願は,その余の請求項について論及するまでもなく,拒絶すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。

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2022-005095

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