商標拒絶査定不服審判
2022-004601
モウイングボーイジン、モウイングボーイ、ジン、ジェイアイエヌ
- 審判番号
- 2022-004601
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-143459
- 請求日
- 2022年03月10日
- 審決日
- 2022年08月17日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】マウントエナジージャパン株式会社
- 【請求人代理人】岸本 大樹
- 【請求人代理人】阿部 航太
- 審判長/審判官
- 審判長 森山 啓
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 荻野 瑞樹
- 分類
- T18 .261-WY (W07) / T18 .262-WY (W07) / T18 .263-WY (W07)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-143459拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第7類「草刈機並びにその部品及び付属品」を指定商品として、令和2年11月6日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年9月1日付けで拒絶理由の通知がされ、同年9月27日に意見書が提出されたが、同年12月23日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和4年3月10日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6251437号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、令和2年2月18日に登録出願、第7類「コンクリート用鑽孔ドリル,コンクリート穴開け用ドリルビット,土木機械器具,荷役機械器具,切断装置,電気式ハンドドリル,ドリルヘッド(機械部品),金属加工機械器具・鉱山機械器具又は土木機械器具用のドリルビット,石材・コンクリート加工用ダイヤモンド工具,石材加工機械器具,金属加工機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,プラスチック加工機械器具」を指定商品として、同年5月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、本願商標と引用商標とは、全体の外観において相違するとしても、本願商標の構成中の「迅」及び「JIN」の文字部分、引用商標の構成中の「JiN」の文字部分よりそれぞれ生ずる「ジン」の称呼を共通にし、観念において比較することはできないから、全体として類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。
4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、左側に「Mowing」の文字及び「Boy」の文字を左揃えに上下二段に横書きし(以下「「Mowing Boy」部分」という。)、「Boy」の文字の右側に横線を配してなり、「Mowing Boy」部分と横線の右側に大きく毛筆風の書体で「迅」の文字を書し、さらに「迅」の文字の右側には、近接して振り仮名風に「JIN」の文字を小さく表してなるところ、「Mowing Boy」部分、横線、「迅」の文字と「JIN」の文字からなる部分(以下「迅部分」という。)は、視覚上、分離して認識、把握されるものである。
そして、本願商標の構成中の迅部分に関して、「迅」の文字は、「速度がはやい。はげしい。」等の意味合いを有する語(「デジタル大辞泉」小学館)であり、また、「JIN」の文字は、上記のとおり「迅」の文字の右側に近接して振り仮名風に小さく書されていること、「迅」の表音が「ジン」であること(「デジタル大辞泉」小学館)から、「迅」の読みをローマ字で表したものと解され、「迅」の文字と一体的に把握されるとみるのが相当である。
次に、構成中の「Mowing Boy」部分に関して、「Mowing」の文字は、「(草・麦などを)刈る」等を意味する英語「mow」の現在分詞であり、「Boy」の文字は、「少年」等を意味する平易な英語(いずれも「新英和中辞典」研究社)であることから、「Mowing Boy」の文字は、「草刈り少年」程の意味合いを認識させるものである。
さらに、構成中の横線は、単なる1本の直線であって、極めて簡単、かつ、ありふれた図形であるから、出所識別標識としての機能を果たし得ないものである。
また、「Mowing Boy」部分と迅部分とは、本願の指定商品との関係において、いずれも商品名を表すものである等、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないとする特別な事情はなく、また、両者に観念上のつながりがあるといった事情も認められないものである。
そうすると、本願商標は、構成中の「Mowing Boy」部分と迅部分とを分離して観察することが、取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められないものであって、両部分は、それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るといえるものである。
したがって、本願商標は、その構成中の「Mowing Boy」部分及び迅部分をそれぞれ要部として抽出し、引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきであるから、その全体の構成文字に相応して「モウイングボーイジン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないほか、「Mowing Boy」部分に相応して「モウイングボーイ」の称呼及び「草刈り少年」の観念を生じ、また、迅部分に相応して「ジン」の称呼及び「速度がはやい。はげしい」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、「JiN」の文字を紫色の斜体で大きく横書きし、「J」の文字のみ縦に少し長く書し、「iN」の文字の下に「DRY VACUUM SYSTEM」の文字を極めて小さく「iN」の横幅に収まるように紫色で横書きしてなるところ、「JiN」及び「DRY VACUUM SYSTEM」の文字は、辞書等に載録されている語ではなく、我が国において特定の意味合いを有するものとして親しまれた語でもないことから、特定の語義を有しない一種の造語として認識、把握されるとみるのが相当である。
また、「JiN」の文字は、「DRY VACUUM SYSTEM」の文字と比較して極めて大きく顕著に表されており、本願商標の構成の大部分を占めていることから、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められるものである。
そうすると、引用商標は、その構成中の「JiN」の文字部分を要部として抽出し、本願商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、引用商標は、構成全体に相応して「ジェイアイエヌドライバキュームシステム」及び「ジンドライバキュームシステム」の称呼のほか、「JiN」の文字に相応して「ジェイアイエヌ」及び「ジン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
そこで、まず本願商標の構成中、要部である迅部分と、引用商標の要部又は構成全体との類否を検討するに、まず、称呼においては、本願商標の要部である迅部分は、上記(1)のとおり、「ジン」の称呼を生じるものであり、一方、引用商標の要部又は構成全体は、上記(2)のとおり、「ジェイアイエヌドライバキュームシステム」、「ジンドライバキュームシステム」、「ジェイアイエヌ」及び「ジン」の称呼を生じるものであるから、両者は「ジン」の称呼を共通にする場合がある。
また、外観においては、両者は、構成する文字及びその種類が異なるほか、文字数、文字の書体や大きさの違い、色彩の有無等の明確な差異を有することから、外観上、明らかに区別できるものである。
そして、観念においては、本願商標の要部である迅部分は、上記(1)のとおり、「速度がはやい。はげしい」の観念を生じるのに対し、引用商標の要部又は構成全体は、上記(2)のとおり、特定の観念を生じないものであるから、観念上、相紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標の迅部分と引用商標の要部又は構成全体とは、称呼を共通にする場合があるとしても、外観において明らかに区別できるものであって、観念において相紛れるおそれはないものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのない、互いに非類似の商標というのが相当である。
また、本願商標のもう一つの要部である「Mowing Boy」部分又は構成全体と、引用商標の要部又は構成全体とを比較しても、両者は、構成文字の明らかな相違等により、それらの外観、称呼及び観念において、互いに紛れるおそれのない非類似の商標である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願の指定商品と引用商標の指定商品が類似するものであるとしても、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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