特許拒絶査定不服審判
2022-004473
分類システム
- 審判番号
- 2022-004473
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-090541
- 請求日
- 2022年03月28日
- 審決日
- 2022年06月03日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社医療情報技術研究所
- 【請求人代理人】大野 浩司
- 審判長/審判官
- 審判長 篠原 功一
- 審判官 林 毅
- 審判官 新田 亮
- 分類
- P18 .121-WY (G06N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021- 90541「分類システム」拒絶査定不服審判事件〔請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年5月28日の出願であって、令和3年9月9日付けで拒絶理由通知がされ、令和3年10月13日に意見書が提出され、令和3年12月28日付けで拒絶理由通知がされ、令和4年1月24日に意見書が提出され、令和4年3月3日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、令和4年3月28日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和4年3月3日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1に係る発明は、以下の引用文献1ないし3に記載された発明に基いて、また、本願請求項3及び4に係る発明は、以下の引用文献1ないし5に記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
(引用文献等一覧)
1 特許第6872214号公報
2 特開2003-122845号公報
3 米国特許出願公開第2021/0004741号明細書
4 特開2000-250919号公報
5 特開平9-259139号公報
第3 本願発明
本願請求項1ないし4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明4」という。)は、特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定される発明であり、このうち本願発明1は以下のとおりの発明である。
「 分類の学習材料を得る分類学習材料管理手段と、
前記分類の学習材料ごとに分類正解を設定する分類学習材料ごと分類正解設定手段と、
前記分類の学習材料を入力し、分類を行う分類手段と分類結果を出力する分類結果出力手段と、前記分類結果と前記分類学習材料ごと分類正解設定手段で予め設定された前記分類正解を比較して誤差をフィードバックし、前記分類手段の学習を行う分類学習手段を備えた分類システムにおいて、
(i)前記分類学習材料を構成する要素間の組合せごとの相関指標を求め行列形式とする相関指標行列作成手段、(ii)前記相関指標行列の固有ベクトルを求める相関指標行列固有ベクトル計算手段を備え、
得られた学習済分類手段に対して分類対象材料取得手段から新たに分類対象材料の入力を行い、前記学習済分類手段が備える前記分類結果出力手段は、前記分類対象材料の分類結果と相関指標行列固有ベクトルごと因子得点を併せて出力し、前記分類結果の妥当性を検討可能としたことを特徴とする分類システム。」
なお、本願発明2ないし4は、本願発明1を減縮した発明である。
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1記載事項、引用発明
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1、特に、【請求項1】、【0023】、【0024】を参照すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「 分類の学習材料を得る分類学習材料管理手段と、
前記分類の学習材料ごとに分類正解を設定する分類学習材料ごと分類正解設定手段と、
前記分類の学習材料を入力し、分類を行った分類結果を出力する分類手段と、
前記分類結果と前記分類学習材料ごと分類正解設定手段で予め設定された前記分類正解を比較して誤差をフィードバックし、前記分類手段の学習を行う分類学習手段を備えた分類システムにおいて、
前記分類学習材料ごと分類正解設定手段は、当該分類の学習材料の分類正解のみならず、当該分類の学習材料の属性正解設定も併せて行う分類学習材料ごと分類材料属性正解設定手段を備え、
前記分類手段は、
前記分類の学習材料を入力する入力手段と、
前記分類結果を出力するのみならず、属性推定結果も含む分類/属性推定結果を出力する分類/属性結果出力手段を備え、
前記分類学習手段は、前記分類手段から出力された分類/属性推定結果と、前記分類学習材料ごと分類正解設定手段及び前記分類学習材料ごと分類材料属性正解設定手段で設定された前記分類正解及び前記属性正解を比較して、一致しない場合は、その誤差を前記分類手段にフィードバックし、前記分類/属性推定結果が前記分類正解及び前記属性正解に近づくよう調整する分類及び属性学習手段を備え、
得られた学習済分類手段に対して分類対象材料取得手段から新たに分類対象材料の入力を行い、
前記学習済分類手段が備える前記分類/属性結果出力手段は、前記分類対象材料の分類結果と属性推定結果を併せて出力し、当該分類結果の妥当性を検討可能としたことを特徴とする分類システム。」
2 引用文献2記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。(なお、下線は、強調のため当審が付与した。これ以降についても同様。)
「【0028】症状ベクトル間の類似度を計算する第4の方法として、主成分分析の因子得点を用いる方法がある。各症状は互いに全く無関係に出現する(症状間相関係数はゼロに近い)訳ではなく、通常は、各症状間には相関関係が存在する場合が多い。例えば、発熱と血液検査の炎症反応は強い相関がある。このように互いに相関関係にある症状のグループを括りだして一つの指標(主成分)にまとめれば、少数の指標で全体の情報を要約して表現できる。統計学的には、各症状間の相関係数行列の固有値と固有ベクトルを、固有値の大きいものから順に求める操作に該当する。得られた固有ベクトルを、その固有値の大きい順に第1主成分、第2主成分などと呼ぶ。例えば第1主成分の要素を、ある症状ベクトルがどれほど持っているかは容易に計算できて、その値を第1主成分の因子得点と呼ぶ。この値は、いわばXYZ座標系におけるX座標のようなものであるから、もし第3主成分までを計算に入れるなら、ある症状ベクトルは、第1-3主成分の因子得点の組で表現される。別の症状ベクトルとの類似度に関しては、各主成分の因子得点同士の差の自乗和が小さいほど類似度が高いこととなる。」
「【0032】次に、図7に係る医療情報の検索システムについて説明する。本医療情報の検索システムは、症状ベクトルの入力は同じであるが、検索対象を診断名としており、診断名類似度計算手段としてニューラルネットワーク法を使用するシステムである。症状リストから並列演算を行って迅速に診断名を絞り込む代表的手法にニューラルネットワークがある。ニューラルネットワークとは、生物の脳の情報処理方式を取り入れたものであり、生物の神経系は多数の神経細胞(ニューロン)が複雑に結合され並列処理を行なっている。1つ1つのニューロン素子の働きはごく単純なものであるが、多数結合することによって高度の処理をすることができる。このニューラルネットワークはこのような機能を応用したものである。
【0033】一例として図7に示すように、「心窩部痛」「背部痛」「仙痛」「貧血」「白血球増多」等の所見が前記と同様の症状リスト入力手段によって入力されると、前記と同様の症状ベクトル変換手段によって数値尺度に変換され、第一層の入力層に刺激として負荷されると[wij]等の重みを付けて、第二層に伝わる。第二層の各ニューロンが一定の刺激を受けると発火して、[wjk]の重みを付けて第三層に刺激が伝えられる。第三層でも各ニューロンごとに刺激が加算され、一定の刺激量(閾値)を越えると発火する。発火した各ニューロンが診断名に対応する。蓄積された症状リストと確定診断名について、繰り返し症状ベクトルを第一層に作用させ、第三層の発火ニューロンをモニターしながら、ネットワークの学習を繰り返す。当初はでたらめの反応しか返らないが、正しい反応をした際の結合重みを増大させ、誤った反応を起こしたときは重みを減少させてゆく。この作業によって、徐々に正しい反応が安定して得られるようになる。学習が済み安定したニューラルネットワークに対し、診断名未知の症例の症状リストを症状ベクトルに変換後に、第一層に負荷すると、学習された結合重みにしたがって第二層のニューロンに刺激が集約され、閾値を越えたニューロンが発火する。発火したニューロンから同様に学習された結合重みにしたがって第三層ニューロンに刺激が集約され、閾値を越えたニューロンが発火する。発火したニューロンに対応する診断名が検索結果となる。第三層の各ニューロンの刺激のレベルがそれぞれの診断名への類似度の高さに対応する(診断名類似度計算手段)。類似度の高い順に診断名を診断名表示手段に表示させる。」
3 引用文献3記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。
「[0014] While the main focus in classical planning is on producing a single plan, a variety of applications require the need for finding a set of plans rather than one such as, for example, malware detection, plan recognition as planning and its applications, human team planning, explainable AI, and/or re-planning and plan monitoring」
(当審訳)
「[0014] 古典的なプランニングでは、単一のプランを作成することに主眼が置かれているが、例えば、マルウェア検出、プランニングとその応用としてのプラン認識、人間のチームプランニング、説明可能なAI、および/または再プランニングとプランモニタリングなど、1つのプランではなく、一連のプランを見つける必要性が様々なアプリケーションで必要とされている。」
「[0079] It should be noted that, by way of example only, one or more components of the intelligent generation of top quality plans service 410 such as, for example, the planning problem component 440 may determine one or more heuristics and machine learning based models using a wide variety of combinations of methods, such as supervised learning, unsupervised learning, temporal difference learning, reinforcement learning and so forth. Some non-limiting examples of supervised learning which may be used with the present technology include AODE (averaged one-dependence estimators), artificial neural networks, Bayesian statistics, naive Bayes classifier, Bayesian network, case-based reasoning, decision trees, inductive logic programming, Gaussian process regression, gene expression programming, group method of data handling (GMDH), learning automata, learning vector quantization, minimum message length (decision trees, decision graphs, etc.), lazy learning, instance-based learning, nearest neighbor algorithm, analogical modeling, probably approximately correct (PAC) learning, ripple down rules, a knowledge acquisition methodology, symbolic machine learning algorithms, sub symbolic machine learning algorithms, support vector machines, random forests, ensembles of classifiers, bootstrap aggregating (bagging), boosting (meta-algorithm), ordinal classification, regression analysis, information fuzzy networks (IFN), statistical classification, linear classifiers, fisher's linear discriminant, logistic regression, perceptron, support vector machines, quadratic classifiers, k-nearest neighbor, hidden Markov models and boosting. Some non-limiting examples of unsupervised learning which may be used with the present technology include artificial neural network, data clustering, expectation-maximization, self-organizing map, radial basis function network, vector quantization, generative topographic map, information bottleneck method, IBSEAD (distributed autonomous entity systems based interaction), association rule learning, apriori algorithm, eclat algorithm, FP-growth algorithm, hierarchical clustering, single-linkage clustering, conceptual clustering, partitional clustering, k-means algorithm, fuzzy clustering, and reinforcement learning. Some non-limiting examples of temporal difference learning may include Q-learning and learning automata. Specific details regarding any of the examples of supervised, unsupervised, temporal difference or other machine learning described in this paragraph are known and are considered to be within the scope of this disclosure.」
(当審訳)
「[0079] 例示に過ぎないが、例えば、計画問題コンポーネント440などの最高品質計画サービス410の1つ以上のコンポーネントは、教師あり学習、教師なし学習、時間差学習、強化学習などの方法の幅広い組み合わせを使用して1つ以上のヒューリスティクスおよび機械学習ベースモデルを決定してもよいことに留意されたい。本技術で使用され得る教師あり学習のいくつかの非限定的な例は、AODE(平均化一依存性推定量)、人工ニューラルネットワーク、ベイズ統計、ナイーブベイズ分類器、ベイズネットワーク、事例ベース推論、決定木、誘導論理プログラミング、ガウス過程回帰、遺伝子発現プログラミング、データ処理のグループ法(GMDH)、学習自動化、学習ベクトル量子化、最小メッセージ長(決定木、決定グラフなど。)、遅延学習、インスタンスベース学習、最近傍アルゴリズム、アナロジカルモデリング、PAC(probably approximately correct)学習、リップルダウンルール、知識獲得手法、記号的機械学習アルゴリズム、サブ記号的機械学習アルゴリズム、サポートベクターマシン、ランダムフォース、分類器アンサンブル。ブートストラップ集計(bagging)、ブースティング(meta-algorithm)、序数分類、回帰分析、情報ファジーネットワーク(IFN)、統計的分類、線形分類器、漁師の線形判別、ロジスティック回帰、パーセプトロン、サポートベクターマシン、二次分類器、k近傍、隠れマルコフモデルおよびブーストなどである。本技術で使用され得る教師なし学習のいくつかの非限定的な例は、人工ニューラルネットワーク、データクラスタリング、期待値最大化、自己組織化マップ、放射状基底関数ネットワーク、ベクトル量子化、生成地形マップ、情報ボトルネック法、IBSEAD (distributed autonomous entity systems based interaction)、連想規則学習、aprioriアルゴリズム、eclatアルゴリズム、FP-growthアルゴリズム、階層型クラスタリング、単一連結クラスタリング、概念型クラスタリング、部分的クラスタリング、k-meansアルゴリズム、ファジークラスタリング、強化学習などである。時間差学習の非限定的な例としては、Q学習や学習オートマトンなどを挙げることができる。本段落で説明した教師あり、教師なし、時間差、または他の機械学習の例のいずれかに関する具体的な詳細は既知であり、本開示の範囲内であると考えられる。」
4 引用文献4記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4(特に、【0022】)には、主成分分析において、共分散行列から固有ベクトルを求めることが記載されている。
5 引用文献5記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5(特に、【0014】)には、キーワード間の関連度を規定するのに共出現頻度を用いることが記載されている。
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明における「分類の学習材料」(「分類学習材料」)、「分類学習材料管理手段」、「分類正解」、「分類学習材料ごと分類正解設定手段」はそれぞれ、本願発明1における「分類の学習材料」(「分類学習材料」)、「分類学習材料管理手段」、「分類正解」、「分類学習材料ごと分類正解設定手段」に相当する。
また、引用発明における「分類を行った分類結果を出力する分類手段」は、「分類を行」う機能手段と「分類結果を出力する」機能手段とを兼ね備えたものといえるから、本願発明1の「分類を行う分類手段」及び「分類結果を出力する分類結果出力手段」に相当する。
よって、引用発明における
「分類の学習材料を得る分類学習材料管理手段と、
前記分類の学習材料ごとに分類正解を設定する分類学習材料ごと分類正解設定手段と、
前記分類の学習材料を入力し、分類を行った分類結果を出力する分類手段と、
前記分類結果と前記分類学習材料ごと分類正解設定手段で予め設定された前記分類正解を比較して誤差をフィードバックし、前記分類手段の学習を行う分類学習手段を備えた分類システム」は、後述する相違点を除いて、本願発明1における
「分類の学習材料を得る分類学習材料管理手段と、
前記分類の学習材料ごとに分類正解を設定する分類学習材料ごと分類正解設定手段と、
前記分類の学習材料を入力し、分類を行う分類手段と分類結果を出力する分類結果出力手段と、前記分類結果と前記分類学習材料ごと分類正解設定手段で予め設定された前記分類正解を比較して誤差をフィードバックし、前記分類手段の学習を行う分類学習手段を備えた分類システム」に相当する。
イ 引用発明における「分類対象材料取得手段」、「学習済分類手段」はそれぞれ、本願発明1における「分類対象材料取得手段」、「学習済分類手段」に相当する。
ウ 引用発明における「前記学習済分類手段が備える前記分類/属性結果出力手段」は、「前記分類対象材料の分類結果と属性推定結果を併せて出力」するものであるのに対し、本願発明1における「前記学習済分類手段が備える前記分類結果出力手段」は、「前記分類対象材料の分類結果と相関指標行列固有ベクトルごと因子得点を併せて出力」するものである。
よって、前記イを参酌すれば、引用発明における
「 得られた学習済分類手段に対して分類対象材料取得手段から新たに分類対象材料の入力を行い、
前記学習済分類手段が備える前記分類/属性結果出力手段は、前記分類対象材料の分類結果と属性推定結果を併せて出力し、当該分類結果の妥当性を検討可能としたこと」と、
本願発明1における
「 得られた学習済分類手段に対して分類対象材料取得手段から新たに分類対象材料の入力を行い、前記学習済分類手段が備える前記分類結果出力手段は、前記分類対象材料の分類結果と相関指標行列固有ベクトルごと因子得点を併せて出力し、前記分類結果の妥当性を検討可能としたこと」
とは、
「 得られた学習済分類手段に対して分類対象材料取得手段から新たに分類対象材料の入力を行い、前記学習済分類手段が備える出力手段は、前記分類対象材料の分類結果と所定の情報を併せて出力し、前記分類結果の妥当性を検討可能としたこと」
である点において共通する。
(2)一致点、相違点
前記(1)より、本願発明1と引用発明とは、次の点において一致ないし相違する。
・一致点
「 分類の学習材料を得る分類学習材料管理手段と、
前記分類の学習材料ごとに分類正解を設定する分類学習材料ごと分類正解設定手段と、
前記分類の学習材料を入力し、分類を行う分類手段と分類結果を出力する分類結果出力手段と、前記分類結果と前記分類学習材料ごと分類正解設定手段で予め設定された前記分類正解を比較して誤差をフィードバックし、前記分類手段の学習を行う分類学習手段を備えた分類システムにおいて、
得られた学習済分類手段に対して分類対象材料取得手段から新たに分類対象材料の入力を行い、前記学習済分類手段が備える出力手段は、前記分類対象材料の分類結果と所定の情報を併せて出力し、前記分類結果の妥当性を検討可能としたことを特徴とする分類システム。」
・相違点
本願発明1は、「(i)前記分類学習材料を構成する要素間の組合せごとの相関指標を求め行列形式とする相関指標行列作成手段、(ii)前記相関指標行列の固有ベクトルを求める相関指標行列固有ベクトル計算手段」を備えるとともに、「前記学習済分類手段が備える前記分類結果出力手段」は、「前記分類対象材料の分類結果」と併せて「相関指標行列固有ベクトルごと因子得点」を出力するのに対し、引用発明においては、「分類学習手段」が、「分類」のみならず「属性」も併せて学習する「分類及び属性学習手段」を備えるとともに、「前記学習済分類手段が備える前記分類/属性結果出力手段」は、「前記分類対象材料の分類結果」と併せて「属性推定結果」を出力する点。
(3)相違点についての判断
引用文献2の【0028】には、症状ベクトル間の類似度を計算する「第3の方法」として、主成分分析の因子得点を用いる方法が記載され、また、引用文献2の【0032】及び【0033】には、診断名の類似度を計算する「ニューラルネットワーク法」が記載されているが、引用文献2には、前記「第3の方法」と前記「ニューラルネットワーク法」とを組み合わせて用いることについて記載も示唆もない。
また、引用文献3の[0014]には、「説明可能なAI」において、1つのプランではなく、「一連のプラン」を見つける必要性があることが記載ないし示唆されており、また、引用文献3の[0079]には、「教師あり学習」の手法として「人工ニューラルネットワーク」と「線形分類器」を含む多数の例が記載されているが、前記「一連のプラン」を生成するにあたり、異なる手法を用いること、特に、多数の例の中から「人工ニューラルネット」と「線形分類器」とをあえて選択し、これらを組み合わせて用いることについて記載も示唆もない。
してみれば、引用文献2及び/又は引用文献3に記載した事項を参酌しても、引用発明において、「分類学習手段」が備える「分類及び属性学習手段」に替えて又はこれに加えて「相関指標行列作成手段」及び「相関指標行列固有ベクトル計算手段」を備えるよう構成するとともに、「前記分類対象材料の分類結果」と併せて「属性推定結果」を出力することに替えて又はこれに加えて、「相関指標行列固有ベクトルごと因子得点」を出力するよう構成することは、当業者といえども困難である。
また、上記相違点に係る本願発明1の構成は、引用文献4及び引用文献5にも記載されておらず、本願出願時における技術常識であるとも認められない。
したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用文献1ないし5に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。
2 本願発明2ないし4について
本願発明2ないし4は、上記相違点に係る本願発明1の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用文献1ないし5に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明1ないし4は、当業者が引用文献1ないし5に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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