商標拒絶査定不服審判
2022-004998
ラース
- 審判番号
- 2022-004998
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-075027
- 請求日
- 2022年04月05日
- 審決日
- 2023年03月16日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社医療情報技術研究所
- 【請求人代理人】大野 浩司
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 綾 郁奈子
- 分類
- T18 .13 -Z (W073940) / T18 .272-Z (W073940)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-75027拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「ラース」の片仮名と「RaaS」の欧文字とを普通に用いられる方法で二段に表してなり、第7類「産業用ロボット並びにその部品及び附属品」、第39類「荷役用ロボットの貸与,業務用の荷物運搬用自走式ロボットの貸与,梱包用ロボットの貸与」及び第40類「半導体製造用ロボットの貸与,組立用ロボットの貸与,金属加工用ロボットの貸与,食料加工用又は飲料加工用ロボットの貸与」を指定商品及び指定役務として、令和3年6月17日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年12月23日付けで拒絶理由の通知がされ、同4年1月24日に意見書が提出されたが、同年3月10日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して令和4年4月5日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「ラース」の文字、「RaaS」の文字を普通の方法で表し、上下二段に配してなるものである。また、本願の指定商品又は指定役務を取り扱う業界において、「RaaS」の文字は、「ロボットと、それを制御するシステムを外部サービスとして利用する仕組み」を意味する「Robot as a Service」もしくは「Robotics as a Service」の略称を表すもの、また、「ラース」の文字は、「RaaS」の読み仮名として用いられている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品又は指定役務に使用したときには、これに接する需要者は、ロボットと、それを制御するシステムを外部サービスとして利用する仕組みを有する商品、ロボットと、それを制御するシステムを外部サービスとして利用する仕組みを取り扱う役務であることを理解するにすぎないものであるから、本願商標は、単に商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。また、本願商標を前記文字に照応する商品又は役務以外の指定商品又は指定役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記文字に照応する商品又は役務以外の指定商品又は指定役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、上段に「ラース」の片仮名と下段に「RaaS」の欧文字とを普通に用いられる方法で二段に表してなるところ、その構成中下段の「RaaS」の文字は、「ロボット・アズ・ア・サービスの略で、ロボットをサービスとして提供・利用することができるサービスであり、ロボット本体やロボットを制御するシステムを自社でつくり運用するのではなく、ロボット本体をレンタルし、クラウド上にある制御システムを利用するしくみ」を意味する語であり、また、上段の「ラース」の文字は、その読みであると認められる(IT用語集https://www.itnavi.jp/words/raas/#:~:text=RaaS(%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%B9)%E3%81%AF%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB,%E3%82%92%E5%88%A9%E7%94%A8%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%97%E3%81%8F%E3%81%BF%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82)。
また、当審において調査した結果、例えば、ロボット・アズ・ア・サービスで貸与されるための「産業用ロボット」が、例えば、「棚搬送ロボットの貸与」、「清掃ロボットの貸与」及び「精密機器の生産ロボットの貸与」を役務として、実際に提供・利用されており、それらを説明する際に「RaaS」や「ラース」の語が用いられている事例が、原審において示した証拠(別掲1)のほかにも、別掲2のとおり認められる。
そして、本願の指定商品及び指定役務中、上記役務及び本願の指定役務「○○ロボットの貸与」で使用されるロボットは、いずれも産業用ロボットといえるものである。
そうすると、これを本願の指定商品又は指定役務に使用しても、取引者、需要者は、ロボット・アズ・ア・サービスで貸与される「産業用ロボット並びにその部品及び付属品」、又はロボット・アズ・ア・サービスにおける「荷役用ロボットの貸与,業務用の荷物運搬用自走式ロボットの貸与,梱包用ロボットの貸与,半導体製造用ロボットの貸与,組立用ロボットの貸与,金属加工用ロボットの貸与,食料加工用又は飲料加工用ロボットの貸与」であること、すなわち、商品の品質、用途又は役務の質、提供の用に供する物、提供の方法を認識するにとどまるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質、用途又は役務の質、提供の用に供する物、提供の方法を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標を上記商品及び役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、本願商標は、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「RaaS」は頭文字の集合体であり、「RaaS」自体には特定の意味がないから、取引者又は需要者が商品又は役務の特徴等を認識することはない旨主張している。
しかしながら、「RaaS」の文字が、別掲1及び2のとおり、前記(1)の意味合いで用いられている状況にあっては、もはや特定の意味のない欧文字の文字列であるとはいい難く、取引者、需要者は、「ロボット・アズ・ア・サービス」に係る上記(1)の商品又は役務であること、すなわち、商品の品質、用途又は役務の質、提供の用に供する物、提供の方法を認識するというのが相当であるから、請求人の主張は採用できない。
(3)まとめ
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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