審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2022-003946

画像表示方法、電子デバイス、コンピュータ可読記憶媒体及びコンピュータプログラム

審判番号
2022-003946
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-547388外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年03月15日
審決日
2023年01月30日
公報発行日
2023年03月31日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06F) / P18 .55 -WY (G06F) / P18 .536-WY (G06F) / P18 .537-WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第36条第4項第1号、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-547388「画像表示方法、電子デバイス、コンピュータ可読記憶媒体及びコンピュータプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 9月 7日国際公開、WO2018/157464、令和 2年 4月 9日国内公表、特表2020-510928、請求項の数(50)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 31項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、2017年(平成29年)4月26日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2017年3月3日、中国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和元年10月10日 :手続補正書の提出
令和2年11月13日付け:拒絶理由通知書
令和3年 2月15日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年 3月15日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書
令和3年 6月21日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年11月12日付け:令和3年6月21日の手続補正についての

補正の却下の決定、拒絶査定

令和4年 3月15日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和4年 8月23日付け:拒絶理由(当審拒絶理由)通知書
令和4年11月25日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要

原査定(令和3年11月12日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1-6、8-9、22-27、29-30、35-40、42-43、48-49に係る発明は、以下の引用文献A-Bに記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。また、本願請求項7-15、17-20、28、31-34、41、44-47に係る発明は、以下の引用文献A-Dに記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。さらに、本願請求項16に係る発明は、以下の引用文献A-Eに記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。加えて、本願請求項21に係る発明は、以下の引用文献A-Fに記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>

A.特開2005-026859号公報

B.特表2016-533593号公報

C.特開2011-193169号公報(周知技術を示す文献)

D.特開平11-155124号公報(周知技術を示す文献)

E.特開2009-239621号公報

F.特開2015-032861号公報

第3 当審拒絶理由の概要

当審が令和4年8月23日付けで通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は次のとおりである。

1 理由1(新規事項)

令和4年3月15日付け手続補正書でした補正は、下記の点で国際出願日における国際特許出願の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の翻訳文(特許協力条約第19条(1)の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合にあっては、当該翻訳文)又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下、翻訳文等という。)(誤訳訂正書を提出して明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をした場合にあっては、翻訳文等又は当該補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない(同法第184条の12第2項参照)。

請求項1、9、17には「前記第2の命令は、移動方向識別子をさらに含み」と記載されているが、第2の命令(撮影に関する命令)が移動方向識別子を含む事項について、翻訳文等には記載されていない。

また、翻訳文等の明細書段落0194及び図18には、移動方向識別子を表示することについての記載があるが、第2の命令(撮影に関する命令)が移動方向識別子を含む事項に関する記載はない。

さらに、請求項1、9、17を引用する請求項2-8及び25-26、10-16、18-24にも同様の理由が該当する。

2 理由2(実施可能要件)

この出願は、発明の詳細な説明の記載が下記の点で、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。

請求項1、9、17には「前記第2の命令は、移動方向識別子をさらに含み」と記載されているが、第2の命令(撮影に関する命令)が移動方向識別子を含む事項について、発明の詳細な説明には記載されていない。

また、明細書段落0194及び図18には、移動方向識別子を表示することについての記載があるが、第2の命令(撮影に関する命令)が移動方向識別子を含む事項に関する記載はないから、当該事項について当業者が具体的に実施できる程度に記載されていない。

さらに、請求項1、9、17を引用する請求項2-8及び25-26、10-16、18-24にも同様の理由が該当する。

3 理由3(サポート要件)

この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

請求項1、9、17には「前記第2の命令は、移動方向識別子をさらに含み」と記載されているが、第2の命令(撮影に関する命令)が移動方向識別子を含む事項について、発明の詳細な説明には記載されていない。

また、明細書段落0194及び図18には、移動方向識別子を表示することについての記載があるが、第2の命令(撮影に関する命令)が移動方向識別子を含む事項に関する記載はない。

さらに、請求項1、9、17を引用する請求項2-8及び25-26、10-16、18-24にも同様の理由が該当する。

4 理由4(明確性)

この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

請求項1、9、17には「前記第2の命令は、移動方向識別子をさらに含み」と記載されているが、命令に移動方向識別子が含まれるとは、技術的にどのようなものなのか不明確である。

また、請求項1、9、17には「移動方向識別子」と記載されているが、明細書段落0194及び図18を参照しても、移動方向識別子の指している方向の意味が不明確である。例えば、移動方向識別子の方向は、撮影時にカメラが実際に移動した方向、未表示部分のパノラマ画像を表示させるための移動方向、又はそれ以外の意味の移動方向を指しているのか不明確である。例えば、図18において、電子デバイスを、パノラマ画像の真ん中(北東方向)に移動した場合、移動方向識別子の矢印は右方向のままなのか、左方向又は両方向となるのか不明確である。

さらに、請求項1、9、17を引用する請求項2-8及び25-26、10-16、18-24にも同様の理由が該当する。

5 理由5(進歩性)

本願請求項1、3-5、9、11-13、17、19-21、25、26に係る発明は、以下の引用文献1、2、6に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。また、本願請求項6、8、14、16、22、24に係る発明は、以下の引用文献1、2、6、7に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。さらに、本願請求項7、15、23に係る発明は、以下の引用文献1-4、6に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>

1.特開2005-026859号公報(原査定の引用文献A)

2.特表2016-533593号公報(原査定の引用文献B)

3.特開2011-193169号公報(周知技術を示す文献、

原査定の引用文献C)

4.特開平11-155124号公報(周知技術を示す文献、

原査定の引用文献D)

5.(欠番である。)

6.特開2015-032861号公報(原査定の引用文献F)

7.特開2010-278587号公報

第4 本願発明

本願請求項1-50に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明50」という。)は、令和4年11月25日提出の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-50に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1、10、22、30、35、44は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
電子デバイスが、ユーザによってトリガーされる第1の命令を取得する段階であって、前記第1の命令は、前記電子デバイスにパノラマ画像を表示するよう命令するのに用いられる、段階と、
前記第1の命令に応答して、前記電子デバイスが、前記電子デバイスのカメラレンズの過去の方向情報及びリアルタイムの方向情報を取得する段階であって、前記過去の方向情報は、前記パノラマ画像が撮影されるときに測定される前記カメラレンズの過去の方向を示すのに用いられ、前記リアルタイムの方向情報は、前記カメラレンズの現在のターゲット方向を示すのに用いられる、段階と、
前記過去の方向情報が前記ターゲット方向を含むとき、前記電子デバイスが、前記パノラマ画像における前記ターゲット方向に対応するターゲット写真を表示する段階と、
続きを表示(全11行)
前記電子デバイスが、前記第1の命令を取得する前記段階の前に、前記電子デバイスが、ユーザによってトリガーされる第2の命令を取得する段階であって、前記第2の命令は、前記電子デバイスに前記パノラマ画像を撮影するよう命令するのに用いられる、段階と、
前記第2の命令に応答して、前記電子デバイスが、前記パノラマ画像の撮影処理で前記カメラレンズの前記過去の方向情報を取得する段階と、
前記電子デバイスが、前記カメラレンズの開始方向情報及び終了方向情報に基づいて、前記ターゲット写真における他の位置の方位を計算する段階であって、前記開始方向情報は、前記カメラレンズが前記ターゲット写真を撮影することを開始するときに測定される情報であり、前記終了方向情報は、前記カメラレンズが前記ターゲット写真を撮影することを終了するときに測定される情報であり、前記他の位置の方位は、前記カメラレンズが前記ターゲット写真を撮影することを開始するときの開始方向と異なり、前記カメラレンズが前記ターゲット写真を撮影することを終了するときの終了方向と異なる、段階と、
を備え、
前記第2の命令に応答して、前記電子デバイスが、前記パノラマ画像の撮影処理で前記カメラレンズの前記過去の方向情報を取得する前記段階は、前記電子デバイスが、前記カメラレンズの前記開始方向情報及び前記終了方向情報を取得する段階を有し、
前記電子デバイスが、前記開始方向情報及び前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット写真における他の位置の方位を計算する前記段階は、前記電子デバイスが、前記ターゲット写真の再生速度、前記開始方向情報および前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット写真における前記他の位置の方位を計算する段階を有する、
画像表示方法。」
「【請求項10】
電子デバイスが、ユーザによってトリガーされる第1の命令を取得する段階であって、前記第1の命令は、前記電子デバイスにターゲット画像を表示するよう命令するのに用いられる、段階と、
前記第1の命令に応答して、前記電子デバイスが、前記ターゲット画像が撮影されるときに測定されるカメラレンズの方向情報を取得する段階であって、前記方向情報は、前記ターゲット画像が撮影されるときに測定される前記カメラレンズの方向を示すのに用いられる、段階と、
表示画像に前記ターゲット画像を表示するときに、前記電子デバイスが、前記方向情報に基づいて、前記表示画像に方位識別子を追加する段階であって、前記方位識別子は、第1の識別子及び第2の識別子のうちの少なくとも1つを含み、前記第1の識別子は、前記ターゲット画像が撮影されるときに測定される前記カメラレンズの前記方向を示すのに用いられ、前記第2の識別子は、前記ターゲット画像における撮影されたオブジェクトの方位を示すのに用いられる、段階と、
続きを表示(全11行)
前記電子デバイスが、前記第1の命令を取得する前記段階の前に、前記電子デバイスが、ユーザによってトリガーされる第2の命令を取得する段階であって、前記第2の命令は、前記電子デバイスに前記カメラレンズを用いることによって前記ターゲット画像を撮影するよう命令するのに用いられる、段階と、
前記電子デバイスが、前記第1の命令を取得する前記段階の前に、前記第2の命令に応答して、前記電子デバイスが、前記ターゲット画像が撮影されるときに測定される前記カメラレンズの前記方向情報を決定する段階と、
前記電子デバイスが、前記カメラレンズの開始方向情報及び終了方向情報に基づいて、前記ターゲット画像における他の位置の方位を計算する段階であって、前記開始方向情報は、前記カメラレンズが前記ターゲット画像を撮影することを開始するときに測定される情報であり、前記終了方向情報は、前記カメラレンズが前記ターゲット画像を撮影することを終了するときに測定される情報であり、前記他の位置の方位は、前記カメラレンズが前記ターゲット画像を撮影することを開始するときの開始方向と異なり、前記カメラレンズが前記ターゲット画像を撮影することを終了するときの終了方向と異なる、段階と、
を備え、
前記第2の命令に応答して、前記電子デバイスが、前記ターゲット画像が撮影されるときに測定される前記カメラレンズの前記方向情報を決定する前記段階は、前記電子デバイスが、前記カメラレンズの前記開始方向情報及び前記終了方向情報を決定する段階を有し、
前記電子デバイスが、前記開始方向情報及び前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット画像における他の位置の方位を計算する前記段階は、前記電子デバイスが、前記ターゲット画像の再生速度、前記開始方向情報および前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット画像における前記他の位置の方位を計算する段階を有する、
画像表示方法。」
「【請求項22】
電子デバイスであって、
ユーザによってトリガーされる第1の命令を取得し、前記第1の命令に応答して、前記電子デバイスのカメラレンズの過去の方向情報及びリアルタイムの方向情報を取得するよう構成される取得部であって、前記第1の命令は、前記電子デバイスにパノラマ画像を表示するよう命令するのに用いられ、前記過去の方向情報は、前記パノラマ画像が撮影されるときに測定される前記カメラレンズの過去の方向を示すのに用いられ、前記リアルタイムの方向情報は、前記カメラレンズの現在のターゲット方向を示すのに用いられる、取得部と、
前記過去の方向情報が前記ターゲット方向を含むとき、前記パノラマ画像における前記ターゲット方向に対応するターゲット写真を表示するよう構成される表示部と、
前記カメラレンズが前記ターゲット写真を撮影することを開始するときに測定される前記カメラレンズの開始方向情報及び前記カメラレンズが前記ターゲット写真を撮影することを終了するときに測定される前記カメラレンズの終了方向情報を決定する決定部と、
を備え、
前記取得部は、ユーザによってトリガーされる第2の命令を取得し、前記第2の命令に応答して、前記パノラマ画像の撮影処理で前記カメラレンズの前記過去の方向情報を取得するようさらに構成され、前記第2の命令は、前記電子デバイスに前記パノラマ画像を撮影するよう命令するのに用いられ、
前記決定部は、前記開始方向情報及び前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット写真における他の位置の方位を計算するようさらに構成され、前記他の位置の方位は、前記カメラレンズが前記ターゲット写真を撮影することを開始するときの開始方向と異なり、前記カメラレンズが前記ターゲット写真を撮影することを終了するときの終了方向と異なり、
前記決定部は、前記ターゲット写真の再生速度、前記開始方向情報および前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット写真における前記他の位置の方位を計算するようさらに構成される、
電子デバイス。」
「【請求項30】
電子デバイスであって、
ユーザによってトリガーされる第1の命令を取得し、前記第1の命令に応答して、ターゲット画像が撮影されるときに測定されるカメラレンズの方向情報を取得するよう構成される取得部であって、前記第1の命令は、前記電子デバイスに前記ターゲット画像を表示するよう命令するのに用いられ、前記方向情報は、前記ターゲット画像が撮影されるときに測定される前記カメラレンズの方向を示すのに用いられる、取得部と、
前記カメラレンズが前記ターゲット画像を撮影することを開始するときに測定される前記カメラレンズの開始方向情報及び前記カメラレンズが前記ターゲット画像を撮影することを終了するときに測定される前記カメラレンズの終了方向情報を決定するよう構成される決定部と、
を備え、
前記取得部は、ユーザによってトリガーされる第2の命令を取得するようさらに構成され、前記第2の命令は、前記電子デバイスに前記ターゲット画像を撮影するよう命令するのに用いられ、
前記決定部は、前記開始方向情報及び前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット画像における他の位置の方位を計算するよう構成され、前記他の位置の方位は、前記カメラレンズが前記ターゲット画像を撮影することを開始するときの開始方向と異なり、前記カメラレンズが前記ターゲット画像を撮影することを終了するときの終了方向と異なり、
前記決定部は、前記ターゲット画像の再生速度、前記開始方向情報および前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット画像における前記他の位置の方位を計算するよう構成される、
電子デバイス。」
「【請求項35】
電子デバイスであって、
ディスプレイ、入力インタフェース、プロセッサ、及びカメラレンズを備え、
前記入力インタフェースは、ユーザによってトリガーされる第1の命令を取得するよう構成され、前記第1の命令は、前記電子デバイスにパノラマ画像を表示するよう命令するのに用いられ、
続きを表示(全11行)
前記プロセッサは、前記電子デバイスのカメラレンズの過去の方向情報及びリアルタイムの方向情報を取得するよう構成され、前記過去の方向情報は、前記パノラマ画像が撮影されるときに測定される前記カメラレンズの過去の方向を示すのに用いられ、前記リアルタイムの方向情報は、前記カメラレンズの現在のターゲット方向を示すのに用いられ、
前記プロセッサは、前記過去の方向情報が前記ターゲット方向を含むとき、前記パノラマ画像における前記ターゲット方向に対応するターゲット写真を表示するよう前記ディスプレイを制御するようさらに構成され、
前記プロセッサは、前記カメラレンズが前記ターゲット写真を撮影することを開始するときに測定される前記カメラレンズの開始方向情報及び前記カメラレンズが前記ターゲット写真を撮影することを終了するときに測定される前記カメラレンズの終了方向情報を決定するようさらに構成され、
前記入力インタフェースは、ユーザによってトリガーされる第2の命令を取得するようさらに構成され、前記第2の命令は、前記電子デバイスに前記パノラマ画像を撮影するよう命令するのに用いられ、
前記プロセッサは、前記開始方向情報及び前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット写真における他の位置の方位を計算するようさらに構成され、前記他の位置の方位は、前記カメラレンズが前記ターゲット写真を撮影することを開始するときの開始方向と異なり、前記カメラレンズが前記ターゲット写真を撮影することを終了するときの終了方向と異なり、
前記プロセッサは、前記ターゲット写真の再生速度、前記開始方向情報および前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット写真における前記他の位置の方位を計算するようにさらに構成される、
電子デバイス。」
「【請求項44】
電子デバイスであって、
ディスプレイ、入力インタフェース、カメラレンズ、及びプロセッサを備え、
前記入力インタフェースは、ユーザによってトリガーされる第1の命令を取得するよう構成され、前記第1の命令は、前記電子デバイスにターゲット画像を表示するよう命令するのに用いられ、
前記プロセッサは、前記第1の命令に応答して、前記ターゲット画像が撮影されるときに測定される前記カメラレンズの方向情報を取得するよう構成され、前記方向情報は、前記ターゲット画像が撮影されるときに測定される前記カメラレンズの方向を示すのに用いられ、
前記プロセッサは、前記カメラレンズが前記ターゲット画像を撮影することを開始するときに測定される前記カメラレンズの開始方向情報及び前記カメラレンズが前記ターゲット画像を撮影することを終了するときに測定される前記カメラレンズの終了方向情報を決定するようさらに構成され、
前記入力インタフェースは、ユーザによってトリガーされる第2の命令を取得するようさらに構成され、前記第2の命令は、前記電子デバイスに前記ターゲット画像を撮影するよう命令するのに用いられ、
前記プロセッサは、前記開始方向情報及び前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット画像における他の位置の方位を計算するようさらに構成され、前記他の位置の方位は、前記カメラレンズが前記ターゲット画像を撮影することを開始するときの開始方向と異なり、前記カメラレンズが前記ターゲット画像を撮影することを終了するときの終了方向と異なり、
前記プロセッサは、前記ターゲット画像の再生速度、前記開始方向情報および前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット画像における前記他の位置の方位を計算するようさらに構成される、
電子デバイス。」

なお、本願発明2-9、11-21、23-29、31-34、36-43、45-50の概要は以下のとおりである。

本願発明2-9は、本願発明1を減縮した発明である。

本願発明11-21は、本願発明10を減縮した発明である。

本願発明23-29は、本願発明22を減縮した発明である。

本願発明31-34は、本願発明30を減縮した発明である。

本願発明36-43は、本願発明35を減縮した発明である。

本願発明45-48は、本願発明44を減縮した発明である。

本願発明49は、本願発明1又は10を引用する「コンピュータ可読記憶媒体」の発明であり、実質的に、本願発明1又は10を減縮した発明である。

本願発明50は、本願発明1又は10を引用する「コンピュータプログラム」の発明であり、実質的に、本願発明1又は10を減縮した発明である。

第5 引用文献、引用発明

当審拒絶理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同じ。)。

「【0006】
【発明が解決しようとする課題】
パノラマ画像は被写体を一方向から撮影した通常の画像と違って、例えば北方向の画像、北東方向の画像、東方向の画像…といったように、カメラを各方向(方角)に向けて撮影した複数枚の画像から構成されるものである。
【0007】
しかしながら、従来のデジタルカメラでは、このパノラマ画像を構成する各画像がどの方向から撮ったものか全く判らず、再生時には上述したようにスクロールキーの操作により各画像が順に表示されるだけであるため、あたかも一方向に長い画像のように見えてしまい、パノラマ画像の持つ方位特性をまったく活すことができなかった。
【0008】
本発明は前記のような点に鑑みなされたもので、カメラの向きと関連付けて画像の記録や再生を行うことで、例えばパノラマ画像のように方位特性を有する画像がどの向きから撮ったものかを簡単に把握できる撮像装置、この撮像装置に用いられる撮影画像処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。」
「【0020】
図1は本発明の撮像装置としてデジタルカメラを用いた場合の外観構成を示すもので、図1(A)が主に前面の、図1(B)が主に背面の構成を示す斜視図である。
【0021】
このデジタルカメラ1は、略矩形の薄板状ボディの前面に、撮影レンズ2、セルフタイマランプ3、光学ファインダ窓4、マイクロホン部5、ストロボ発光部6、及びラバーグリップ7を配設し、上面の(ユーザにとって)右端側には電源キー8及びシャッタキー9を配する。
続きを表示(全86行)
【0022】
ラバーグリップ7は、ユーザが撮影時にデジタルカメラ1を右手で筐体右側面側から把持した場合に右手中指、薬指、及び小指が確実に該筐体を把持できるように配設されたゴム製の帯状突起である。
【0023】
また、電源キー8は、電源のオン/オフ毎に操作するキーであり、シャッタキー9は、撮影モード時に撮影タイミングを指示する。
【0024】
また、デジタルカメラ1の背面には、モードスイッチ(SW)10、スピーカ部11、メニューキー12、十字キー13、セットキー14、光学ファインダ15、ストロボチャージランプ16、及び表示部17を配する。
【0025】
モードスイッチ10は、例えばスライドキースイッチにより構成され、基本モードである記録モード「R」と再生モード「P」とを切換える。
【0026】
メニューキー12は、各種メニュー項目等を選択させる際に操作する。本実施形態では、このメニューキー12の操作により「パノラマモード」を設定する。「パノラマモード」は、カメラ向きを水平方向に変えながら複数枚の画像を撮影することにより、これらの画像を自動的に繋げて1つのパノラマ画像を作成するモードである。
【0027】
十字キー13は、上下左右各方向へのカーソル移動用のキーが一体に形成されたものであり、表示されているメニュー項目等を移動させる際に操作する。
【0028】
セットキー14は、前記十字キー13の中心位置に配置され、その時点で選択されているメニュー項目内容等を設定するために操作する。
【0029】
ストロボチャージランプ16は、光学ファインダ15に近接して配設されたLEDランプでなり、このデジタルカメラ1のユーザが光学ファインダ15を覗いている場合と表示部17を見ている場合のいずれであってもストロボのチャージ状態等をユーザに視認させる。
【0030】
表示部17は、バックライト付きのカラー液晶パネルで構成されるもので、記録モード時には電子ファインダとしてスルー画像のモニタ表示を行う一方で、再生モード時には選択した画像等を再生表示する。
【0031】
なお、図示はしないがデジタルカメラ1の底面には、記録媒体として用いられるメモリカードを着脱するためのメモリカードスロットや、外部のパーソナルコンピュータ等と接続するためのシリアルインタフェースコネクタとして、例えばUSB(Universal Serial Bus)コネクタ等が設けられている。
【0032】
また、このデジタルカメラ1には、方位センサ18が組み込まれており、ユーザが本機器を手で持って、光学ファインダ15をのぞき込むようにしてデジタルカメラ1を向けた方向、つまり、ユーザが被写体を見ている方角が検出されるようになっている。
【0033】
図2は前記デジタルカメラ1の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0034】
基本モードである記録モードにおいては、モータ(M)21の駆動により合焦位置や絞り位置が移動される、前記撮影レンズ2を構成するレンズ光学系22の撮影光軸後方に配置された撮像素子であるCCD23が、タイミング発生器(TG)24、垂直ドライバ25によって走査駆動され、一定周期毎に結像した光像に対応する光電変換出力を1画面分出力する。
【0035】
この光電変換出力は、アナログ値の信号の状態でRGBの各原色成分毎に適宜ゲイン調整された後に、サンプルホールド回路26でサンプルホールドされ、A/D変換器27でデジタルデータに変換され、カラープロセス回路28で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理が行われて、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb,Crが生成され、DMA(Direct Memory Access)コントローラ29に出力される。
【0036】
DMAコントローラ29は、カラープロセス回路28の出力する輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを、同じくカラープロセス回路28からの複合同期信号、メモリ書込みイネーブル信号、及びクロック信号を用いて一度DMAコントローラ29内部のバッファに書込み、DRAMインタフェース(I/F)30を介してバッファメモリとして使用されるDRAM31にDMA転送を行う。
【0037】
制御部32は、CPUと、このCPUが実行するプログラムを記憶したROM、及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成される。この制御部32はデジタルカメラ1全体の制御動作を司るもので、前記輝度及び色差信号のDRAM31へのDMA転送終了後に、この輝度及び色差信号をDRAMインタフェース30を介してDRAM31より読出し、VRAMコントローラ33を介してVRAM34に書込む。
【0038】
デジタルビデオエンコーダ35は、前記輝度及び色差信号をVRAMコントローラ33を介してVRAM34より定期的に読出し、これらのデータを元にビデオ信号を発生して前記表示部17に出力する。
【0039】
この表示部17は、上述した如く記録モード時にはモニタ表示部(電子ファインダ)として機能するもので、デジタルビデオエンコーダ35からのビデオ信号に基づいた表示を行うことで、その時点でVRAMコントローラ33から取込んでいる画像情報に基づく画像をリアルタイムに表示することとなる。
【0040】
このように表示部17にその時点での画像がモニタ画像としてリアルタイムに表示されている状態で、静止画撮影を行いたいタイミングでキー入力部36を構成する前記シャッタキー9を操作すると、トリガ信号を発生する。制御部32は、このトリガ信号に応じてその時点でCCD23から取込んでいる1画面分の輝度及び色差信号のDRAM31へのDMA転送の終了後、直ちにCCD23からのDRAM31への経路を停止し、記録保存の状態に遷移する。
【0041】
この記録保存の状態では、制御部32がDRAM31に書込まれている1フレーム分の輝度及び色差信号をDRAMインタフェース30を介してY,Cb,Crの各コンポーネント毎に縦8画素×横8画素の基本ブロックと呼称される単位で読出してJPEG(Joint Photograph coding Experts Group)回路37に書込み、このJPEG回路37でADCT(Adaptive Discrete Cosine Transform:適応離散コサイン変換)、エントロピ符号化方式であるハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮する。
【0042】
そして、得た符号データを1画像のデータファイルとして該JPEG回路37から読出し、このデジタルカメラ1の記録媒体として着脱自在に装着されるメモリカード38、または、このデジタルカメラ1に固定的に内蔵される内蔵メモリ39のいずれか一方に書込む。
【0043】
そして、1フレーム分の輝度及び色差信号の圧縮処理及びメモリカード38または内蔵メモリ39への全圧縮データの書込み終了に伴なって、制御部32はCCD23からDRAM31への経路を再び起動する。
【0044】
また、制御部32にはさらに、音声処理部40、USBインタフェース(I/F)41、及びストロボ駆動部42が接続されると共に、デジタルカメラ1を向けた方向を検出するための方位センサ18が接続される。
【0045】
音声処理部40は、PCM音源等の音源回路を備え、音声の録音時には前記マイクロホン部(MIC)5より入力された音声信号をデジタル化し、所定のデータファイル形式、例えばMP3(MPEG-1 audio layer 3)規格にしたがってデータ圧縮して音声データファイルを作成してメモリカード38または内蔵メモリ39へ送出する一方、音声の再生時にはメモリカード38または内蔵メモリ39から送られてきた音声データファイルの圧縮を解いてアナログ化し、前記スピーカ部(SP)11を駆動して、拡声放音させる。
【0046】
USBインタフェース41は、USBコネクタを介して有線接続されるパーソナルコンピュータ等の他の情報端末装置との間で画像データその他の送受を行う場合の通信制御を行う。
【0047】
ストロボ駆動部42は、静止画像撮影時に図示しないストロボ用の大容量コンデンサを充電した上で、制御部32からの制御に基づいて前記ストロボ発光部6を閃光駆動する。
【0048】
なお、前記キー入力部36は、上述したシャッタキー9の他に、前記電源キー8、モードスイッチ10、メニューキー12、十字キー13及びセットキー14等から構成され、それらのキー操作に伴なう信号は直接制御部32へ送出される。
【0049】
また、基本モードである再生モード時には、制御部32がメモリカード38または内蔵メモリ39に記録されている画像データを選択的に読出し、JPEG回路37で記録モード時にデータ圧縮した手順と全く逆の手順で圧縮されている画像データを伸長し、その伸長した画像データをDRAMインタフェース30を介してDRAM31に保持させた上で、このDRAM31の保持内容をVRAMコントローラ33を介してVRAM34に記憶させ、このVRAM34より定期的に画像データを読出してビデオ信号を発生し、前記表示部17で再生出力させる。
【0050】
次に、図3および図4を参照して、このデジタルカメラ1を用いてパノラマ画像を作成する方法について説明する。
【0051】
例えば、風景などを被写体としてパノラマ画像を作成する場合において、図3に示すように、被写体に対するデジタルカメラ1の向き(角度)を変えながら複数枚の画像A,B,C…を撮影する。この場合、被写体に対する撮影可能な範囲はデジタルカメラ1の画角範囲と焦点位置との関係によって決まる。図3の例では、デジタルカメラ1を「北」、「北東」、「東」、「東南」、「南」、「南西」、「西」、「西東」に向けて撮影することで、360度のパノラマ画像を作成する場合が示されている。
【0052】
ここで、デジタルカメラ1を各方角に向けて撮影を行ったときに、方位センサ18によって、そのデジタルカメラ1を向けた方角が検出されるようになっている。なお、前記デジタルカメラ1を向けた方角とは、詳しくは、デジタルカメラ1の装置本体の前面部にある撮影レンズ2を被写体に向けた方角を言う。
【0053】
前記方位センサ18は、例えば磁気センサからなり、センサ内部に直交して巻かれた2組のコイルと、その中心部に配置されたMR素子(磁気抵抗素子)を有する。MR素子は、地磁気を感知し、その磁気の強さによって抵抗値が変化する性質を持っている。これを利用して、2組のコイルによってMR素子の抵抗変化を2方向の成分に分け、これにより得られた電圧信号をマイクロプロセッサで演算処理することで方位を測定する。本実施形態では、方位センサ18からデジタル化された電圧信号が出力され、これを制御部32が受けて演算処理するものとする。
【0054】
なお、前記方位センサ18として、GPS(global positioning system)を利用したものもある。これは、GPSコンパスと呼ばれるもので、2つのアンテナの相対的な位置関係から方位を測定するように構成されている。
【0055】
このような方位センサ18により撮影時のカメラ向きが検出されると、そのカメラ向きを示す方位情報が図4に示すように撮影画像に付加され、メモリカード38または内蔵メモリ39に記録される。すなわち、例えばユーザがデジタルカメラ1を北に向けて撮影すれば、そのときに得られる画像Aに北向きであることを示す方位情報が付加されてメモリカード38または内蔵メモリ39に記録される。このようにして、デジタルカメラ1の向きを変えて撮影した複数枚の画像A,B,C…のそれぞれに方位情報が付加されて、1つの連続したパノラマ画像が作成されることになる。
【0056】
また、このパノラマ画像の再生時には、デジタルカメラ1を向けた方角に対応した画像がメモリ(メモリカード38または内蔵メモリ39)から読み出されて表示部17に表示される。例えば、デジタルカメラ1を北に向ければ、パノラマ画像を構成する各画像A,B,C…のうちの北方向の画像Aが表示部17に表示される。
【0057】
以下に、このデジタルカメラ1によるパノラマ画像に関する処理動作について、(a)記録モード時の処理と、(b)再生モード時の処理に分けて説明する。なお、以下の各フローチャートで示される処理はデジタルカメラ1に搭載された制御部32により実行されるものであり、この制御部32は図示せぬROMなどに記憶されたプログラムを読み込むことで、そのプログラムに記述された手順に従って処理を実行する。
【0058】
(a)記録モード時図5はデジタルカメラ1の記録処理の動作を示すフローチャートであり、パノラマ画像を構成する各画像を記録する場合の処理手順が示されている。
【0059】
パノラマ画像を作成するため、まず、モードスイッチ10の操作により動作モードを記録モード「R」に切り替え、続いてメニューキー12の操作により「パノラマモード」を設定しておく(ステップA11,A12)。
【0060】
この状態で、デジタルカメラ1の撮影レンズ2を被写体に向けてシャッタキー9を押下すると(ステップA13のYes)、所定の画角範囲内で撮影レンズ2に写る被写体の画像が撮影データとして得られる(ステップA14)。なお、撮影中は表示部17が電子ビューファインダとして機能しており、その画面上に現在の撮影対象が表示されている。
【0061】
ここで、ユーザがシャッタキー9の押下により撮影を行ったとき、デジタルカメラ1を向けた方角が方位センサ18により検出され(ステップA15)、そのカメラ方向を示す方位情報が当該撮影画像に付加されて所定のメモリに記録される(ステップA16)。前記所定のメモリとは、本実施形態ではメモリカード38または内蔵メモリ39のいずれか一方であり、ここでは便宜的にメモリカード38に記録されるものとして説明する。
【0062】
以下同様にして、デジタルカメラ1の向きを変えながら複数枚の画像が撮影され、これらの画像毎にそのときのカメラ向きを示す方位情報が付加されてメモリカード38に順次記録されていく。その際、2枚目からの画像の撮影時には、直前に撮影した画像がメモリカード38から読み出され、その画像の一部が現在の撮影対象に重なるように表示部17の画面上に半透明の状態で表示される(ステップA18)。これにより、次に撮影する画像を前の画像と方角的に繋がるように撮影することができる。」
「【0075】
(b)再生モード時次に、再生モード時の動作について説明する。
【0076】
図10はデジタルカメラ1の再生処理の動作を示すフローチャートであり、パノラマ画像を再生する場合の処理手順が示されている。なお、ここで言うパノラマ画像の再生とは、所定のメモリからパノラマ画像を構成する各画像を読み出して表示部17の画面上に表示することを意味する。また、前記所定のメモリは記録時と同様にメモリカード38であるとする。このメモリカード38には、パノラマ画像を構成する各画像のデータが方位情報と共に記録されている。
続きを表示(全12行)
【0077】
図10に示すように、パノラマ画像を再生する場合には、まず、モードスイッチ10の操作により動作モードを再生モード「P」に切り替え、続いてメニューキー12の操作により「パノラマモード」を設定しておく(ステップB11,B12)。
【0078】
ここで、通常は、カーソルキーの操作などによりパノラマ画像を構成する各画像を順次表示する方式が用いられるが、本実施形態では、デジタルカメラ1を任意の方角に向けるだけで、パノラマ画像の中でその方角に対応した画像を表示することができる。
【0079】
すなわち、前記「パノラマモード」が設定された状態で、ユーザがデジタルカメラ1を任意の方角に向けると、そのときの方角が方位センサ18により検出される(ステップB13)。そして、前記方位センサ18により検出されたカメラ向きを示す方位情報に基づいてメモリカード38が検索され(ステップB14)、そのカメラ向きに対応した画像を中心にして当該パノラマ画像の一部が表示部17に表示される(ステップB15→B17)。
【0080】
また、デジタルカメラ1を別の方角に向ければ(ステップB18のNo)、前記同様にして、そのときのデジタルカメラ1の向きが検出され、そのカメラ向きに対応した画像を中心にして当該パノラマ画像の一部が表示部17に表示される。」
「【図1】
[図:0001394881000001.jpg]
」
「【図2】
[図:0001394881000002.jpg]
」
「【図3】
[図:0001394881000003.jpg]
」
「【図4】
[図:0001394881000004.jpg]
」
「【図5】
[図:0001394881000005.jpg]
」
「【図6】
[図:0001394881000006.jpg]
」
「【図7】
[図:0001394881000007.jpg]
」
「【図8】
[図:0001394881000008.jpg]
」
「【図9】
[図:0001394881000009.jpg]
」
「【図10】
[図:0001394881000010.jpg]
」

したがって、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「撮影画像処理方法であって、
デジタルカメラ1は、略矩形の薄板状ボディの前面に、撮影レンズ2、セルフタイマランプ3、光学ファインダ窓4、マイクロホン部5、ストロボ発光部6、及びラバーグリップ7を配設し、上面の(ユーザにとって)右端側には電源キー8及びシャッタキー9を配し、
デジタルカメラ1の背面には、モードスイッチ(SW)10、スピーカ部11、メニューキー12、十字キー13、セットキー14、光学ファインダ15、ストロボチャージランプ16、及び表示部17を配し、
モードスイッチ10は、例えばスライドキースイッチにより構成され、基本モードである記録モード「R」と再生モード「P」とを切換え、
続きを表示(全21行)
メニューキー12の操作により「パノラマモード」を設定し、「パノラマモード」は、カメラ向きを水平方向に変えながら複数枚の画像を撮影することにより、これらの画像を自動的に繋げて1つのパノラマ画像を作成するモードであり、
デジタルカメラ1には、方位センサ18が組み込まれており、ユーザが本機器を手で持って、光学ファインダ15をのぞき込むようにしてデジタルカメラ1を向けた方向、つまり、ユーザが被写体を見ている方角が検出されるようになっており、
制御部32は、CPUと、このCPUが実行するプログラムを記憶したROM、及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成され、この制御部32はデジタルカメラ1全体の制御動作を司るもので、
表示部17にその時点での画像がモニタ画像としてリアルタイムに表示されている状態で、静止画撮影を行いたいタイミングでキー入力部36を構成する前記シャッタキー9を操作すると、トリガ信号を発生し、制御部32は、このトリガ信号に応じてその時点でCCD23から取込んでいる1画面分の輝度及び色差信号のDRAM31へのDMA転送の終了後、直ちにCCD23からのDRAM31への経路を停止し、記録保存の状態に遷移し、
制御部32には、デジタルカメラ1を向けた方向を検出するための方位センサ18が接続され、
キー入力部36は、上述したシャッタキー9の他に、前記電源キー8、モードスイッチ10、メニューキー12、十字キー13及びセットキー14等から構成され、それらのキー操作に伴なう信号は直接制御部32へ送出され、
方位センサ18により撮影時のカメラ向きが検出されると、そのカメラ向きを示す方位情報が撮影画像に付加され、メモリカード38に記録され、ユーザがデジタルカメラ1を北に向けて撮影すれば、そのときに得られる画像Aに北向きであることを示す方位情報が付加されてメモリカード38に記録され、デジタルカメラ1の向きを変えて撮影した複数枚の画像A,B,C…のそれぞれに方位情報が付加されて、1つの連続したパノラマ画像が作成されることになり、
パノラマ画像の再生時には、デジタルカメラ1を向けた方角に対応した画像がメモリカード38から読み出されて表示部17に表示され、デジタルカメラ1を北に向ければ、パノラマ画像を構成する各画像A,B,C…のうちの北方向の画像Aが表示部17に表示され、
処理はデジタルカメラ1に搭載された制御部32により実行されるものであり、この制御部32はROMなどに記憶されたプログラムを読み込むことで、そのプログラムに記述された手順に従って処理を実行し、
パノラマ画像を作成するため、まず、モードスイッチ10の操作により動作モードを記録モード「R」に切り替え、続いてメニューキー12の操作により「パノラマモード」を設定し、
この状態で、デジタルカメラ1の撮影レンズ2を被写体に向けてシャッタキー9を押下すると、所定の画角範囲内で撮影レンズ2に写る被写体の画像が撮影データとして得られ、
ユーザがシャッタキー9の押下により撮影を行ったとき、デジタルカメラ1を向けた方角が方位センサ18により検出され、そのカメラ方向を示す方位情報が当該撮影画像に付加され、メモリカード38に記録され、
デジタルカメラ1の向きを変えながら複数枚の画像が撮影され、これらの画像毎にそのときのカメラ向きを示す方位情報が付加されてメモリカード38に順次記録され、
モードスイッチ10の操作により動作モードを再生モード「P」に切り替え、続いてメニューキー12の操作により「パノラマモード」を設定し、
「パノラマモード」が設定された状態で、ユーザがデジタルカメラ1を任意の方角に向けると、そのときの方角が方位センサ18により検出され、
前記方位センサ18により検出されたカメラ向きを示す方位情報に基づいてメモリカード38が検索され、そのカメラ向きに対応した画像を中心にして当該パノラマ画像の一部が表示部17に表示され、
デジタルカメラ1を別の方角に向ければ、そのときのデジタルカメラ1の向きが検出され、そのカメラ向きに対応した画像を中心にして当該パノラマ画像の一部が表示部17に表示される、撮影画像処理方法。」

第6 対比・判断

1 本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア 引用発明の「デジタルカメラ1」は、電子的なデバイスであることは明らかであるから、本願発明1の「電子デバイス」に相当する。

イ 引用発明において、「処理はデジタルカメラ1に搭載された制御部32により実行されるものであり、この制御部32はROMなどに記憶されたプログラムを読み込むことで、そのプログラムに記述された手順に従って処理を実行」することから、情報処理という技術分野の技術常識に鑑みると、命令を取得して実行していることは明らかである。したがって、本願発明1と引用発明は、「命令を取得する段階」を備えている点で一致する。

ウ 引用発明において、「モードスイッチ10の操作により動作モードを再生モード「P」に切り替え、続いてメニューキー12の操作により「パノラマモード」を設定」することは、ユーザによる操作であることは明らかである。そして、引用発明において、「キー入力部36は」、「モードスイッチ10、メニューキー12」「等から構成され、それらのキー操作に伴なう信号は直接制御部32へ送出され」ること、「モードスイッチ10の操作により動作モードを再生モード「P」に切り替え、続いてメニューキー12の操作により「パノラマモード」を設定」すると、「パノラマ画像の一部が表示部17に表示され」る処理が実行されること及び上記イも踏まえると、ユーザのキー操作に伴う信号により、制御部32はトリガーされ、パノラマ画像を表示する命令(本願発明1の「第1の命令」に相当。)を取得し実行しているといえる。

したがって、本願発明1と引用発明は、「電子デバイスが、ユーザによってトリガーされる第1の命令を取得する段階であって、前記第1の命令は、前記電子デバイスにパノラマ画像を表示するよう命令するのに用いられる、段階」を備えている点で一致する。

エ 引用発明において、「パノラマ画像の再生時には、デジタルカメラ1を向けた方角に対応した画像がメモリカード38から読み出されて表示部17に表示され」、また、「ユーザがデジタルカメラ1を任意の方角に向けると、そのときの方角が方位センサ18により検出され」、さらに「前記方位センサ18により検出されたカメラ向きを示す方位情報に基づいてメモリカード38が検索され、そのカメラ向きに対応した画像を中心にして当該パノラマ画像の一部が表示部17に表示され、デジタルカメラ1を別の方角に向ければ、そのときのデジタルカメラ1の向きが検出され、そのカメラ向きに対応した画像を中心にして当該パノラマ画像の一部が表示部17に表示される」ることから、引用発明の「デジタルカメラ1を向けた方角」、「そのときの方角」、「カメラ向きを示す方位情報」及び「そのときのデジタルカメラ1の向き」は、本願発明1の「カメラレンズの現在のターゲット方向を示すのに用いられる」「リアルタイムの方向情報」に相当する。

オ 引用発明において、「方位センサ18により撮影時のカメラ向きが検出されると、そのカメラ向きを示す方位情報が撮影画像に付加され、メモリカード38に記録され、ユーザがデジタルカメラ1を北に向けて撮影すれば、そのときに得られる画像Aに北向きであることを示す方位情報が付加されてメモリカード38に記録され、デジタルカメラ1の向きを変えて撮影した複数枚の画像A,B,C…のそれぞれに方位情報が付加され」、「パノラマ画像の再生時には、デジタルカメラ1を向けた方角に対応した画像がメモリカード38から読み出されて表示部17に表示され、デジタルカメラ1を北に向ければ、パノラマ画像を構成する各画像A,B,C…のうちの北方向の画像Aが表示部17に表示され」、また、「前記方位センサ18により検出されたカメラ向きを示す方位情報に基づいてメモリカード38が検索され、そのカメラ向きに対応した画像を中心にして当該パノラマ画像の一部が表示部17に表示され」ることから、引用発明の「撮影時の」「カメラ向きを示す方位情報」は、本願発明1の「パノラマ画像が撮影されるときに測定される前記カメラレンズの過去の方向を示すのに用いられ」る「過去の方向情報」に相当する。

カ 引用発明において、「モードスイッチ10の操作により動作モードを再生モード「P」に切り替え、続いてメニューキー12の操作により「パノラマモード」を設定し、「パノラマモード」が設定された状態で、ユーザがデジタルカメラ1を任意の方角に向けると、そのときの方角が方位センサ18により検出され、前記方位センサ18により検出されたカメラ向きを示す方位情報に基づいてメモリカード38が検索され、そのカメラ向きに対応した画像を中心にして当該パノラマ画像の一部が表示部17に表示され」ることから、上記ウ-オを踏まえると、パノラマ画像を表示する命令に応答して、「撮影時の」「カメラ向きを示す方位情報」及び「そのときの方角」を取得しているといえる。

したがって、本願発明1と引用発明は、「前記第1の命令に応答して、前記電子デバイスが、前記電子デバイスのカメラレンズの過去の方向情報及びリアルタイムの方向情報を取得する段階であって、前記過去の方向情報は、前記パノラマ画像が撮影されるときに測定される前記カメラレンズの過去の方向を示すのに用いられ、前記リアルタイムの方向情報は、前記カメラレンズの現在のターゲット方向を示すのに用いられる、段階」を備えている点で一致する。

キ 引用発明において、「方位センサ18により撮影時のカメラ向きが検出されると、そのカメラ向きを示す方位情報が撮影画像に付加され、メモリカード38に記録され」、「パノラマ画像の再生時には、デジタルカメラ1を向けた方角に対応した画像がメモリカード38から読み出されて表示部17に表示され、デジタルカメラ1を北に向ければ、パノラマ画像を構成する各画像A,B,C…のうちの北方向の画像Aが表示部17に表示され」るが、ここで、「撮影時の」「カメラ向きを示す方位情報」がデジタルカメラ1を向けた方角(本願発明1の「ターゲット方向」に相当。)を含むときに表示されていることは明らかである。また、引用発明の「デジタルカメラ1を向けた方角に対応した画像」及びデジタルカメラ1を北に向けた場合の「パノラマ画像を構成する各画像A,B,C…のうちの北方向の画像A」は、本願発明1の「パノラマ画像における前記ターゲット方向に対応するターゲット写真」に相当する。したがって、本願発明1と引用発明は、「前記過去の方向情報が前記ターゲット方向を含むとき、前記電子デバイスが、前記パノラマ画像における前記ターゲット方向に対応するターゲット写真を表示する段階」を備えている点で一致する。

ク 引用発明において、「モードスイッチ10の操作により動作モードを記録モード「R」に切り替え、続いてメニューキー12の操作により「パノラマモード」を設定し、この状態で、デジタルカメラ1の撮影レンズ2を被写体に向けてシャッタキー9を押下する」ことは、ユーザによる操作であることは明らかである。そして、引用発明において、「キー入力部36を構成する前記シャッタキー9を操作すると、トリガ信号を発生し、制御部32は、このトリガ信号に応じてその時点でCCD23から取込んでいる1画面分の輝度及び色差信号のDRAM31へのDMA転送の終了後、直ちにCCD23からのDRAM31への経路を停止し、記録保存の状態に遷移」すること、「モードスイッチ10の操作により動作モードを記録モード「R」に切り替え、続いてメニューキー12の操作により「パノラマモード」を設定し、この状態で、デジタルカメラ1の撮影レンズ2を被写体に向けてシャッタキー9を押下すると、所定の画角範囲内で撮影レンズ2に写る被写体の画像が撮影データとして得られ」る処理が実行されること及び上記イを踏まえると、ユーザのシャッタキー9の押下操作によりトリガ信号が発生し、制御部32はこのトリガ信号に応じて、パノラマ画像を撮影する命令(本願発明1の「第2の命令」に相当。)を取得し実行しているといえる。さらに、引用発明において、パノラマ画像の表示は、撮影したパノラマ画像を表示しているから、パノラマ画像の表示段階よりもパノラマ画像の撮影段階が前であることは明らかである。

したがって、本願発明1と引用発明は、「前記電子デバイスが、前記第1の命令を取得する前記段階の前に、前記電子デバイスが、ユーザによってトリガーされる第2の命令を取得する段階であって、前記第2の命令は、前記電子デバイスに前記パノラマ画像を撮影するよう命令するのに用いられる、段階」を備えている点で一致する。

ケ 引用発明において、「方位センサ18により撮影時のカメラ向きが検出されると、そのカメラ向きを示す方位情報が撮影画像に付加され、メモリカード38に記録され、ユーザがデジタルカメラ1を北に向けて撮影すれば、そのときに得られる画像Aに北向きであることを示す方位情報が付加されてメモリカード38に記録され、デジタルカメラ1の向きを変えて撮影した複数枚の画像A,B,C…のそれぞれに方位情報が付加され」、また「ユーザがシャッタキー9の押下により撮影を行ったとき、デジタルカメラ1を向けた方角が方位センサ18により検出され、そのカメラ方向を示す方位情報が当該撮影画像に付加され、メモリカード38に記録され、デジタルカメラ1の向きを変えながら複数枚の画像が撮影され、これらの画像毎にそのときのカメラ向きを示す方位情報が付加されてメモリカード38に順次記録され」るから、引用発明の「撮影時の」「カメラ向きを示す方位情報」及び「撮影を行ったとき」の「カメラ方向を示す方位情報」も、本願発明1の「パノラマ画像が撮影されるときに測定される前記カメラレンズの過去の方向を示すのに用いられ」る「過去の方向情報」に相当する。

コ 引用発明において、「ユーザがシャッタキー9の押下により撮影を行ったとき、デジタルカメラ1を向けた方角が方位センサ18により検出され、そのカメラ方向を示す方位情報が当該撮影画像に付加され、メモリカード38に記録され」ることから、上記キ及びクを踏まえると、パノラマ画像を撮影する命令に応答して「撮影を行ったとき」の「カメラ方向を示す方位情報」を取得しているといえる。

したがって、本願発明1と引用発明は、「前記第2の命令に応答して、前記電子デバイスが、前記パノラマ画像の撮影処理で前記カメラレンズの前記過去の方向情報を取得する段階」を備えている点で一致する。

サ 引用発明の「撮影画像処理方法」は、画像を表示する方法を含んでいることは明らかであるから、本願発明1の「画像表示方法」に相当する。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)

「電子デバイスが、ユーザによってトリガーされる第1の命令を取得する段階であって、前記第1の命令は、前記電子デバイスにパノラマ画像を表示するよう命令するのに用いられる、段階と、
前記第1の命令に応答して、前記電子デバイスが、前記電子デバイスのカメラレンズの過去の方向情報及びリアルタイムの方向情報を取得する段階であって、前記過去の方向情報は、前記パノラマ画像が撮影されるときに測定される前記カメラレンズの過去の方向を示すのに用いられ、前記リアルタイムの方向情報は、前記カメラレンズの現在のターゲット方向を示すのに用いられる、段階と、
前記過去の方向情報が前記ターゲット方向を含むとき、前記電子デバイスが、前記パノラマ画像における前記ターゲット方向に対応するターゲット写真を表示する段階と、
前記電子デバイスが、前記第1の命令を取得する前記段階の前に、前記電子デバイスが、ユーザによってトリガーされる第2の命令を取得する段階であって、前記第2の命令は、前記電子デバイスに前記パノラマ画像を撮影するよう命令するのに用いられる、段階と、
前記第2の命令に応答して、前記電子デバイスが、前記パノラマ画像の撮影処理で前記カメラレンズの前記過去の方向情報を取得する段階と、
を備える、
画像表示方法。」

(相違点1)

本願発明1では、「前記電子デバイスが、前記カメラレンズの開始方向情報及び終了方向情報に基づいて、前記ターゲット写真における他の位置の方位を計算する段階であって、前記開始方向情報は、前記カメラレンズが前記ターゲット写真を撮影することを開始するときに測定される情報であり、前記終了方向情報は、前記カメラレンズが前記ターゲット写真を撮影することを終了するときに測定される情報であり、前記他の位置の方位は、前記カメラレンズが前記ターゲット写真を撮影することを開始するときの開始方向と異なり、前記カメラレンズが前記ターゲット写真を撮影することを終了するときの終了方向と異なる、段階とを備え」るのに対し、引用発明では、このような構成について特定されていない点。

(相違点2)

本願発明1では、「前記第2の命令に応答して、前記電子デバイスが、前記パノラマ画像の撮影処理で前記カメラレンズの前記過去の方向情報を取得する前記段階は、前記電子デバイスが、前記カメラレンズの前記開始方向情報及び前記終了方向情報を取得する段階を有」するのに対し、引用発明では、このような構成について特定されていない点。

(相違点3)

本願発明1では、「前記電子デバイスが、前記開始方向情報及び前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット写真における他の位置の方位を計算する前記段階は、前記電子デバイスが、前記ターゲット写真の再生速度、前記開始方向情報および前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット写真における前記他の位置の方位を計算する段階を有する」のに対し、引用発明では、このような構成について特定されていない点。

(2)相違点についての判断

事案に鑑みて、上記相違点3について先に検討する。

引用文献2-7には、上記相違点3に係る本願発明1の構成について記載も示唆もなく、また、このような構成が本願の優先日前に周知技術であったともいえないので、当業者といえども、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項から、上記相違点3に係る本願発明1の構成を容易に想到することはできない。

したがって、上記相違点1-3について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

2 本願発明2-9について

本願発明2-9は、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3 本願発明10について

本願発明10は、上記相違点3に係る本願発明1の構成と実質的に同じである「前記電子デバイスが、前記開始方向情報及び前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット画像における他の位置の方位を計算する前記段階は、前記電子デバイスが、前記ターゲット画像の再生速度、前記開始方向情報および前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット画像における前記他の位置の方位を計算する段階を有する」という構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

4 本願発明11-21について

本願発明11-21は、本願発明10と同一の構成を備えるものであるから、本願発明10と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

5 本願発明22について

本願発明22は、上記相違点3に係る本願発明1の構成と実質的に同じである「前記決定部は、前記ターゲット写真の再生速度、前記開始方向情報および前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット写真における前記他の位置の方位を計算するようさらに構成される」という構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

6 本願発明23-29について

本願発明23-29は、本願発明22と同一の構成を備えるものであるから、本願発明22と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

7 本願発明30について

本願発明30は、上記相違点3に係る本願発明1の構成と実質的に同じである「前記決定部は、前記ターゲット画像の再生速度、前記開始方向情報および前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット画像における前記他の位置の方位を計算するよう構成される」という構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

8 本願発明31-34について

本願発明31-34は、本願発明30と同一の構成を備えるものであるから、本願発明30と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

9 本願発明35について

本願発明35は、上記相違点3に係る本願発明1の構成と実質的に同じである「前記プロセッサは、前記ターゲット写真の再生速度、前記開始方向情報および前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット写真における前記他の位置の方位を計算するようにさらに構成される」という構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

10 本願発明36-43について

本願発明36-43は、本願発明35と同一の構成を備えるものであるから、本願発明35と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

11 本願発明44について

本願発明44は、上記相違点3に係る本願発明1の構成と実質的に同じである「前記プロセッサは、前記ターゲット画像の再生速度、前記開始方向情報および前記終了方向情報に基づいて、前記ターゲット画像における前記他の位置の方位を計算するようさらに構成される」という構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

12 本願発明45-48について

本願発明45-48は、本願発明44と同一の構成を備えるものであるから、本願発明44と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

13 本願発明49、50について

本願発明49、50は、実質的に、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第7 原査定についての判断

令和4年11月25日付けの補正により、補正後の請求項1-50は、実質的に、上記相違点3に係る本願発明1の構成を有するものとなった。当該構成は、原査定における引用文献A-D(当審拒絶理由における引用文献1-4)、引用文献E及び引用文献F(当審拒絶理由における引用文献6)には記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1-50は、当業者であっても、引用文献A-Fに記載された発明に基づいて容易に発明できたものではない。

したがって、原査定を維持することはできない。

第8 当審拒絶理由の理由1-4についての判断

1 理由1(新規事項)

令和4年11月25日付けの補正において、補正前請求項1、9、17における「前記第2の命令は、移動方向識別子をさらに含み」との発明特定事項を削除し、補正後請求項2、11、32、36、46において、「移動方向識別子」を「ユーザに前記電子デバイスを移動方向に移動させるよう促す移動方向識別子」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。

2 理由2(実施可能要件)

令和4年11月25日付けの補正において、補正前請求項1、9、17における「前記第2の命令は、移動方向識別子をさらに含み」との発明特定事項を削除し、補正後請求項2、11、32、36、46において、「移動方向識別子」を「ユーザに前記電子デバイスを移動方向に移動させるよう促す移動方向識別子」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。

3 理由3(サポート要件)

令和4年11月25日付けの補正において、補正前請求項1、9、17における「前記第2の命令は、移動方向識別子をさらに含み」との発明特定事項を削除し、補正後請求項2、11、32、36、46において、「移動方向識別子」を「ユーザに前記電子デバイスを移動方向に移動させるよう促す移動方向識別子」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。

4 理由4(明確性)

令和4年11月25日付けの補正において、補正前請求項1、9、17における「前記第2の命令は、移動方向識別子をさらに含み」との発明特定事項を削除し、補正後請求項2、11、32、36、46において、「移動方向識別子」を「ユーザに前記電子デバイスを移動方向に移動させるよう促す移動方向識別子」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。

第9 むすび

以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。

他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2022-003946

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決128件(ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド)
  • 2024-006158拒絶査定不服審判 / 2026-06-22 / 原査定取消(特許/登録すべき)レイヤベースのパラメータセットNALユニット制約
    同じ当事者: ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
  • 2024-017618拒絶査定不服審判 / 2026-06-22 / 原査定取消(特許/登録すべき)マルチレイヤビデオビットストリームにおけるアクセスユニット内の混在したIRAPお…
    同じ当事者: ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
  • 2025-005833拒絶査定不服審判 / 2026-04-28 / 原査定取消(特許/登録すべき)進化型パケットシステム非アクセス層セキュリティアルゴリズムを構成する方法、および…
    同じ当事者: ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
  • 2024-015007拒絶査定不服審判 / 2026-02-10 / 原査定取消(特許/登録すべき)データ共有方法、電子デバイスおよびシステム
    同じ当事者: ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
  • 2024-016221拒絶査定不服審判 / 2026-01-26 / 原査定取消(特許/登録すべき)点群コーディングのためのパッチデータユニットのコーディングおよび復号
    同じ当事者: ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)2,819件(121・G06F、536・G06F、537・G06F ほか)
  • 2025-005007拒絶査定不服審判 / 2026-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)共有レコードのクライアント更新にルールの適用によるシステム生成更新のトリガ
    共通の審決分類: 121・G06F、536・G06F、537・G06F、55・G06F
  • 2024-020728拒絶査定不服審判 / 2026-06-11 / 原査定取消(特許/登録すべき)高速かつ効率的な分類システム
    共通の審決分類: 121・G06F、536・G06F、537・G06F、55・G06F
  • 2024-018109拒絶査定不服審判 / 2025-12-02 / 原査定取消(特許/登録すべき)検査装置、検査システム及び検査方法
    共通の審決分類: 121・G06F、536・G06F、537・G06F、55・G06F
  • 2024-005104拒絶査定不服審判 / 2025-06-20 / 原査定取消(特許/登録すべき)冗長化方法、冗長化プログラムおよび情報処理装置
    共通の審決分類: 121・G06F、536・G06F、537・G06F、55・G06F
  • 2023-022052拒絶査定不服審判 / 2025-02-27 / 原査定取消(特許/登録すべき)情報処理方法および情報処理システム
    共通の審決分類: 121・G06F、536・G06F、537・G06F、55・G06F

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存