商標拒絶査定不服審判
2022-002657
トーキョーシェアハウス、シェアハウス
- 審判番号
- 2022-002657
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-050673
- 請求日
- 2022年02月24日
- 審決日
- 2023年04月05日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】東京シェアハウス合同会社
- 【請求人代理人】北村 周彦
- 【請求人代理人】鈴木 沙緒里
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 大橋 良成
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .13 -Z (W36)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019-50673拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成31年4月11日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年 1月23日付け:拒絶理由通知書
令和2年 3月 9日受付:意見書
令和3年 6月 9日受付:上申書
令和3年11月18日付け:拒絶査定
令和4年 2月24日受付:審判請求書
令和4年12月19日付け:審尋
第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、「TOKYO SHAREHOUSE」の文字を角張った字体で横書きしてなり、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」を指定役務として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「TOKYO SHAREHOUSE」の文字を、角張った字体で横書きにしてなるところ、普通に用いられる方法で表示する標章の域にとどまるものであり、各構成語の有する意味合いより、全体として「東京にある複数人で共有する賃貸住宅」程の意味合いを認識させるから、これを本願指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者は、東京にある複数人で共有する賃貸住宅に係る役務であること、すなわち役務の質を表示したものと認識するにとどまる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審における審尋
当審において、本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について、請求人に対し、審尋で、別掲2及び3のとおりの事実を示すとともに、当審の暫定的見解について通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 審尋に対する請求人の回答
請求人は、上記第4の審尋に対して、所定の期間内に何ら応答するところがない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、別掲1のとおり「TOKYO SHAREHOUSE」の文字を角張った字体で横書きしてなるものである。
本願商標を構成する欧文字は、角張った字体で表されているものの、字体を顕著に図形化したものではなく、「TOKYO」及び「SHAREHOUSE」の文字を書き表したものと容易に判読できる態様であって、字体に多少のデザイン化がなされることが普通に行われている昨今においては、本願商標は、普通に用いられる方法で表示された範囲のものというべきである。
また、本願商標の構成中「TOKYO」の文字は、「日本国の首都。」である「東京」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)の語を欧文字で表記したものと容易に認識され、「SHAREHOUSE」の文字は、「他人同士が一つの家を共同で借りて住むこと。また、その家。」(前掲書)の意味を有する語であるから、これらを組み合わせた「TOKYO SHAREHOUSE」の文字は、これに接する取引者、需要者に、「東京にある他人同士が一つの家を共同で借りて住む家」程の意味合いを容易に理解させるものである。
そして、別掲2のとおり、本願指定役務を取り扱う業界においては、東京にある他人同士が一つの家を共同で借りて住む家(シェアハウス)に係る役務が広く提供されている実情が認められる。
また、別掲3のとおり、同業界において、シェアハウスがその地域にあることを表すために、「TOKYO SHAREHOUSE」、「東京シェアハウス」、「KYOTO SHAREHOUSE」等、「○○ SHAREHOUSE」や「○○シェアハウス」(○○は地名)等の文字が使用されている事実も認められる。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「東京にある他人同士が一つの家を共同で借りて住む家(シェアハウス)に係る役務」であること、すなわち、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であると認識するにとどまり、本願商標は、自他役務の識別標識としては認識し得ないというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標を構成する各文字を見れば、指定役務の質等を表示するものの、本願商標全体としてみれば、需要者や取引者がそれに接しても、特定の役務の質を表示する語として、特定の具体的観念を生じさせない造語商標であると解することが妥当であり、「東京にある複数人で共有する賃貸住宅」の意味合いを直ちに認識させるものではなく、当該意味合いを暗示させるに過ぎない。また、本願指定役務に係る不動産業界において、その事業者として、「複数人で共有する賃貸住宅」の管理や売買等を行うのに、その対象物件を「東京都」に限ることはありえず、「東京都」を得意とする事業者であっても、例えば、近隣の埼玉、千葉の物件を扱うことは通常よくあることであり、顧客としても、「東京」の物件しか取り扱わない事業者だと思うことはありえない。そうすると、商標に「TOKYO」の文字が含まれているからといっても、本願商標からは上記意味合いが暗示的に想起されるに過ぎない旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標は、「TOKYO」及び「SHAREHOUSE」の文字とを組み合わせたものと容易に理解されるものであり、その構成文字の意味及びシェアハウスがその地域にあることを表すために「○○ SHAREHOUSE」や「○○シェアハウス」(○○は地名)等の文字が使用されている事実(別掲3)からすれば、これに接する取引者、需要者に、「東京にある他人同士が一つの家を共同で借りて住む家(シェアハウス)」程の意味合いを認識させ、役務の質を普通に用いられる方法で表したものと把握されるにとどまると判断するのが相当である。
(2)請求人は、インターネットで、東京にあるシェアハウスを探す場合、多くのユーザーが「東京」及び「シェアハウス」二つの単語を間にスペースを介して入力し、その結果、一つ目に請求人に係るウェブサイトが挙げられ、その他のウェブサイトでは「東京のシェアハウス」等のように記載されている。そうすると、上記の意味合いを認識させるためには、「東京のシェアハウス」等のように記述的に記載されるものであり、本願商標から上記の意味合いが暗示されるに過ぎない旨主張し、同人の主張を裏付けるものとして、過去の審決例を挙げている。
しかしながら、本願指定役務を提供する業界においては、請求人主張の地域名を記述的に記載されている場合に限らず、その地域にあるシェアハウスであることを表す際、例えば「京都シェアハウス」や「横浜シェアハウス」のように表示されていることが、別掲3の事実からも裏付けられるものである。また、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様や取引の実情を踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標についての判断は、上記1のとおりであるから、請求人が挙げる審決例をもって本願商標の上記判断が左右されるものではない。
(3)請求人は、本願商標は、一文字一文字が特徴的な角張った文字で構成されることにより、各文字が太めの線であることも相俟って、全体として看者の目を惹くデザインとなっており、各文字に特徴を持たせることで、看る者に、全体として強い印象を残すことができる。そうすると、商標として容易に判読できる態様であるからといって、商標が普通に用いられる方法で表示された範囲であることにはならず、本願商標は、普通に用いられる方法で表示された範囲を脱している旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標を構成する文字は、角張った字体で表されているものの、字体を顕著に図形化したものではなく、「TOKYO」及び「SHAREHOUSE」の文字を書き表した欧文字として、容易に判読できる態様であって、字体に多少のデザイン化がなされることが普通に行われている昨今においては、本願商標は、普通に用いられる方法で表示された範囲のものというべきである。
したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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