意匠拒絶査定不服審判
2022-002260
輸液バッグ
- 審判番号
- 2022-002260
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2021-007387外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 1720025
- 請求日
- 2022年02月15日
- 審決日
- 2022年06月21日
- 公報発行日
- 2022年07月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社大塚製薬工場
- 【請求人代理人】松井 宏記
- 【請求人代理人】宗助 智左子
- 【請求人代理人】鈴木 行大
- 分類
- D18 .113-WY (J7-4)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
意願2021-7387「輸液バッグ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の主な経緯
本願は、令和3年(2021年)4月8日の意匠登録出願であって、その後の手続の主な経緯は以下のとおりである。
令和 3年 8月23日付け :拒絶理由の通知
9月 9日 :補正書の提出
10月 8日 :意見書の提出
11月15日付け :拒絶査定
令和 4年 2月15日 :審判請求書の提出
第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書及び願書に添付した図面によれば、意匠に係る物品を「輸液バッグ」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状、模様又は色彩の結合」を「形態」という。)を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり「赤色で着色された部分以外の部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。正面視上部に設けられた小円形状部は、吊孔であり、意匠登録を受けようとする部分ではない。」としたものである(別紙第1参照)。
第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は、本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって、拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい、本願意匠と併せて「両意匠」ともいう。)は、下記のとおりである(別紙第2参照)。
引用意匠:
著者の指名 薬事日報
表題 脳・脊髄手術用の洗浄灌流液「アートセレブ脳脊髄手術用洗浄灌流液」、12日に新発売 大塚製薬工場
媒体のタイプ [Online]
掲載年月日 平成20年 5月 9日
検索日 [令和 3年 8月10日]
情報の情報源 インターネット
情報のアドレス https://www.yakuji.co.jp/entry6672.html
に掲載された「アートセレブ脳脊髄手術用洗浄灌流液」のうち、本願意匠に相当する部分の意匠
第4 当審の判断
1.本願意匠
本願意匠は、上記「第2」の願書の記載及び願書に添付した図面の記載の内容によると、以下のとおりである。
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「輸液バッグ」である。
(2)本願部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能
本願意匠に係る物品のうち、意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)は、輸液バッグの正面における、斜めストライプ模様部分である。
本願部分は、正面の溶着部より内側のおおむね全面という位置、大きさ及び範囲であって、当該部分に設けた斜めストライプ模様の用途及び機能を有するものである。
(3)本願部分の形態
溶着部の内側の上半分においては、左上部分及び右下角部分を除く広い領域に、本願部分に含まれない、上から順に並んでいる、ほぼ横幅いっぱいの扁平L字形、略正方形、横長長方形、及び前記略正方形の右側に配した横長長方形の各略四角形の部分は途切れるようにして、多数の左上がりの灰色の斜線が、平行に表れているものである。
溶着部の内側の下半分においては、右端部分を除く広い領域に、本願部分に含まれない、上から順に並んでいる、縦長長方形枠に両手を重ねた形状、横長帯形状、横長長方形、及び左寄りの縦長目盛り形状の各略四角形の部分は途切れるようにして、多数の左上がりの灰色の斜線が、平行に表れているものである。
(以下「多数の左上がりの斜線が、平行に表れているもの」のことを「斜めストライプ模様」ということもある。)
2.引用意匠
引用意匠は、上記「第3」のインターネットに掲載された内容によると、以下のとおりである。
(1)意匠に係る物品
拒絶理由通知書には、「「アートセレブ脳脊髄手術用洗浄灌流液」のうち、本願意匠に相当する部分の意匠」と記載されているが、この本願意匠に相当する部分に係る物品は、「洗浄灌流液バッグ」と認められる。
(2)引用部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能
引用意匠中、本願部分に相当する部分(以下「引用部分」といい、本願部分と併せて「両部分」ともいう。)は、洗浄灌流液バッグの正面における、斜めストライプ模様部分である。
引用部分は、正面の溶着部より内側のおおむね全面という位置、大きさ及び範囲であって、当該部分に設けた斜めストライプ模様の用途及び機能を有するものである。
(3)引用部分の形態
溶着部の内側の上半分においては、広い領域に、引用部分に含まれない、上から並んでいる、ほぼ横幅いっぱいの横長帯形状、及び大きな横長長方形の部分は途切れるようにして、多数の左上がりの暗い色の斜線が、平行に表れているものである。
溶着部の内側の下半分においては、広い領域に、引用部分に含まれない、上から順に並んでいる、縦長長方形枠に両手を重ねた形状、短い横帯形状、長い横帯形状、横長長方形、右寄りの縦長長方形、及び左寄りの縦長目盛り形状の各略四角形の部分は途切れるようにして、多数の左上がりの暗い色の斜線が、平行に表れているものである。
3.両意匠の対比
(1)意匠に係る物品の対比
本願意匠に係る物品も、引用意匠に係る物品も、標記は異なるが共に「液体収容バッグ」である。
(2)両部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能の対比
両部分共に、液体収容バッグの正面における、斜めストライプ模様部分であり、正面の溶着部より内側のおおむね全面という位置、大きさ及び範囲であって、当該部分に設けた斜めストライプ模様の用途及び機能を有するものである。
(3)両部分の形態の対比
両部分の形態を対比すると、以下に示す共通点と相違点が認められる。
ア.共通点について
各略四角形の部分は途切れるようにして、多数の左上がりの斜線が、平行に表れている点。
イ.相違点について
〔相違点1〕溶着部の内側の上半分においては、左上部分及び右下角部分を除く広い領域に、本願部分に含まれない、上から順に並んでいる、ほぼ横幅いっぱいの扁平L字形、略正方形、横長長方形、及び前記略正方形の右側に配した横長長方形の部分は途切れるようにして、多数の左上がりの灰色の斜線が、平行に表れているものであり、溶着部の内側の下半分においては、右端部分を除く広い領域に、本願部分に含まれない、上から順に並んでいる、縦長長方形枠に両手を重ねた形状、横長帯形状、横長長方形、及び左寄りの縦長目盛り形状の各略四角形の部分は途切れるようにして、多数の左上がりの灰色の斜線が、平行に表れているものであるのに対して、引用部分は、溶着部の内側の上半分においては、広い領域に、引用部分に含まれない、上から並んでいる、ほぼ横幅いっぱいの横長帯形状、及び大きな横長長方形の部分は途切れるようにして、多数の左上がりの暗い色の斜線が、平行に表れているものであり、溶着部の内側の下半分においては、広い領域に、引用部分に含まれない、上から順に並んでいる、縦長長方形枠に両手を重ねた形状、短い横帯形状、長い横帯形状、横長長方形、右寄りの縦長長方形、及び左寄りの縦長目盛り形状の各略四角形の部分は途切れるようにして、多数の左上がりの暗い色の斜線が、平行に表れているものである点。
〔相違点2〕斜めストライプ模様の色彩につき、本願部分は、灰色であるのに対して、引用部分は、暗い色である点。
4.判断
(1)意匠に係る物品の類否判断
両意匠の、意匠に係る物品は、いずれも「液体収容バッグ」であるから、一致している。
(2)両部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能の評価
両部分共に、液体収容バッグの正面における、斜めストライプ模様部分であり、正面の溶着部より内側のおおむね全面という位置、大きさ及び範囲であって、当該部分に設けた斜めストライプ模様の用途及び機能を有するものであるから、両部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能は一致している。
(3)両部分における形態の評価
ア.共通点について
各略四角形の部分は途切れるようにして、多数の左上がりの斜線が、平行に表れている点については、設けた面積の広いものであって、共に両意匠の特徴を表し、共通感を生み出しているが、具体的には、相違点1に挙げた相違が含まれているものであるから、両部分の類否判断に及ぼす影響は限定的である。
イ.相違点について
相違点1については、本願部分には、各略四角形の部分にストライプ模様が途切れる以外に、上半分の左上部分と右下角部分、及び下半分の右端部分にも斜めストライプ模様を設けていないこと、及び上半分においては、斜めストライプ模様が中央寄りに設けられているように受け取れるところ、対して引用部分は、上半分において、主に中央でストライプ模様が途切れることから、斜めストライプ模様が額縁状に設けられているように受け取れ、両部分に別異な感じを生じさせているから、両部分の類否判断に及ぼす影響は大きい。
相違点2については、色彩の相違であるが、その差異は僅かなものであるから、両部分の類否判断に及ぼす影響は小さい。
(4)小括
そうすると、両部分の形態については、その共通点及び相違点の評価に基づくと、上記のとおり、共通点は、類否判断に及ぼす影響が限定的なものであるのに対して、相違点1によって類否判断に及ぼす影響は大きいものといえるものであり、両部分の形態は、類似するとは認められないものである。
(5)両意匠における類否判断
以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品が一致し、両部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能は一致している。
しかし、上記のとおり、両部分の形態は、類似するとは認められないものである。
よって、本願意匠と引用意匠とは類似するとはいえない。
5.結び
以上のとおりであって、本願意匠は、引用意匠に類似するとはいえず、原査定の引用意匠をもって、本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず、本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審が更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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