2022-002036
Container
- 審判番号
- 2022-002036
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2020-502611外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 1724333
- 請求日
- 2022年02月10日
- 審決日
- 2022年07月27日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ハイドロジャグ,インク.
- 【請求人代理人】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
- 分類
- D18 .113-WY (F4-7)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 7項目
第1 手続の経緯
本願は、令和2年(2020年)12月29日に国際登録がなされた国際意匠登録出願であり(国際登録番号DM/212471)、その後の主な手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年(2021年) 4月23日付け 拒絶理由通知(拒絶の通報
)
同年 10月 8日付け 拒絶査定
令和4年(2022年) 2月10日 拒絶査定不服審判請求書の
提出
第2 本願の意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「Container」(参考訳:「容器」、以下日本語で示す。)とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下、「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形状等」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであって、願書の「意匠の説明」の欄には、「The design is a container as shown and described; the dashed lines depict portions of the container that form of the claimed design. 1.1)Perspective; 1.2)Perspective; 1.3)Back; 1.4)Front; 1.5)Right; 1.6)Left; 1.7)Top; 1.8)Bottom」(参考和訳:図の説明で示すように、当該意匠は容器である。破線は、容器において登録を求める意匠を構成する箇所を描く。1.1)斜視図;1.2)斜視図;1.3)背面図;1.4)正面図;1.5)右側面図;1.6)左側面図;1.7)平面図;1.8)底面図)との記載がなされている。(別紙第1参照)。
第3 原査定の拒絶の理由及び引用の意匠
原査定の拒絶の理由は、本願意匠が、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠に類似するものであるから、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当するとしたものであって、具体的には、以下のとおりである。
「拒絶理由通知において引用された意匠(以下「引用意匠」という。別紙第2参照)は、以下の米国特許商標庁発行の意匠特許公報に記載されたボトルの意匠であり、その形状等は、同公報に記載されたとおりのものである。【引用意匠】意匠に係る物品 ボトルの意匠(口部及び底面部の部分)公報発行官庁 米国特許商標庁続きを表示(全11行)文献名 米国意匠特許明細書(意匠特許公報)出願日 2018年5月10日出願番号 D/647205登録日 2019年1月12日登録番号 D838598公報発行日 2019年1月22日権利者の氏名/名称 DOWN TOWN WHOLESALESALS,INC.」
第4 当審の判断
1 本願意匠及び引用意匠の対比
(1)意匠に係る物品の対比
本願意匠及び引用意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は、表記は異なるが、いずれも液体等を収容する容器であるから、一致する。
(2)本願部分及び引用意匠において本願部分に相当する部分の用途及び機能の対比
本願意匠と引用意匠において本願意匠に相当する部分(以下、「引用部分」といい、本願部分と引用部分を合わせて「両部分」という。)の用途及び機能については、共に、液体等を収容し、握って持ち運びができる用途及び機能を有するものであるから、一致する。
(3)両部分の位置、大きさ及び範囲の対比
両部分の位置、大きさ及び範囲は、共に、容器本体上面の注出口を除いた胴体であるから、一致する。
(4)両部分の形状等の対比
両部分の形状等は、主として、以下のとおりの共通点及び相違点がある。
なお、両部分の対比のため、本願意匠の図の向きに合わせて、引用意匠の図の向きを認定する。
ア 両部分の形状等の共通点
(共通点1)全体は、上面及び底面の外周縁が略ドーム状に膨出した有底の略円筒体で、上面中央が平面視略円形に開口している点において共通する。
(共通点2)上面及び底面の外周縁を除いた胴体の周面(以下「胴体周面」という。)について、上端近傍に周面に沿ってリブを設けている点において共通する。
(共通点3)持ち手について、左側面視において、上下中央左寄りの位置に、略縦長長円形状の貫通孔を設けて、左端に略柱状の持ち手を形成している点において共通する。
イ 両部分の形状等の相違点
(相違点1)上面の外周縁の膨出について、本願部分は、側面視で上から下へ緩やかな曲率の円弧状で外に拡張し、中間よりやや下付近より急な曲率で円弧状に下窄まりとなっているのに対し、引用部分は、側面視で上から下へ緩やかな曲率の円弧状で拡張し、中間よりやや下付近より鉛直な直線状となっている点において相違する。
(相違点2)胴体周面について
(相違点2-1)溝の有無について、本願部分は、左右側面略中央に、上下端付近まで延びる、上下に緩やかな凹弧状とする略縦長帯状の浅溝を形成しているのに対し、引用部分には、溝はない点において相違する。
(相違点2-2)リブについて、引用部分は、胴体周面に沿って下端近傍に上端近傍リブと同じリブを1つと、中央やや下寄りにこれより一回り小さなリブを1つ設けているのに対し、本願部分は、中央及び下端近傍にリブはない点、また、上端近傍のリブについて、引用部分は、リブ全体が略円弧状であるのに対し、本願部分は、左右の浅溝に向かってリブの略円弧状凸面が徐々に平坦面となり、浅溝の僅かに手前で途切れているものである点において相違する。
(相違点3)持ち手について
(相違点3-1)引用部分は、持ち手の下端が胴体側に略L字状に屈曲しているのに対し、本願部分は、屈曲していない点において相違する。
(相違点3-2)本願部分は、持ち手の貫通孔周縁に大きな面取りを施しているのに対し、引用部分は、面取りがない点において相違する。
2 両意匠の類否判断
(1)意匠に係る物品の類否判断
両意匠の意匠に係る物品は、同一である。
(2)両部分の用途及び機能の類否判断
両部分の用途及び機能は、同一である。
(3)両部分の位置、大きさ及び範囲の類否判断
両部分の位置、大きさ及び範囲は、同一である。
(4)両部分の形状等の共通点及び相違点の評価
ア 共通点について
この種物品の分野において、全体を上面及び底面の外周縁が略ドーム状に膨出した有底の略円筒体とし、本体に略縦長長円形状の貫通孔を設けることにより、持ち手を形成することや、胴体周面の上端近傍にリブを設けることは、本願の出願前から、両部分以外にもごく普通に見られる態様であり、両部分にのみ見られる特徴とはいえないから、(共通点1)ないし(共通点3)は、いずれも、両部分の類否判断に与える影響は小さい。
イ 相違点について
(相違点1)上面の外周縁の膨出の相違について、引用部分は、円弧状の曲線から直線に繋がる構成であるのに対し、本願部分は、円弧状の曲線から円弧状の曲線に繋がる構成であって、膨出が大きく強調された印象を醸し出しており、需要者の目に注意を引く部位における相違であるから、両部分の類否判断に与える影響は大きい。
(相違点2)について
(相違点2-1)胴体周面の下端近傍及びやや下寄りのリブの有無については、上端近傍のリブを含めて上下にリブを設け、真ん中をやや小ぶりなリブにより胴体周面を上下に分断した引用部分と、上端近傍より下側をリブのない平滑な面とした本願部分とは、(相違点2-1)の浅溝の有無と相まって、需要者に異なる美感を起こさせるものといえ、また、上端近傍のリブの形状の相違についても、円弧状のリブを周全体に設けている引用部分と、左右の浅溝に向かってリブの略円弧状凸面が徐々に平坦面となり、浅溝の僅かに手前で途切れている本願部分とは、一見して異なる視覚的印象であるから、需要者に別異の美感を起こさせるものといえ、(相違点2-2)が、両部分の類否判断に与える影響は大きい。
(相違点3)について
(相違点3-1)については、貫通孔の内側でやや目立ちにくい箇所の相違であるが、需要者の関心の高い持ち手において、持ち手の下端が胴体側に略L字状に屈曲しているか、持ち手が1本の柱状であるかの相違は、需要者に異なる美感を与えているものといえるから、両部分の類否判断に与える影響は大きい。
(相違点3-2)持ち手の周縁の面取りの有無の差であるが、需要者の注意を引く部分における相違であって、本願部分は、滑らかな大きな面取りがあることで、柔らかな視覚的な印象を生じさせており、両部分の類否判断に与える影響は大きい。
ウ 両部分における形状等の類否判断
両部分の形状等における共通点及び相違点の評価に基づき、両部分全体を総合的に観察した場合、(共通点1)ないし(共通点3)は、両部分の類否判断に与える影響が小さいのに対し、(相違点1)ないし(相違点3)が、両意匠の類否判断に与える影響は大きいものであるから、相違点全体が相まって、両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
したがって、両部分の形態全体を総合的に観察した場合、両部分の形状等は、共通点に比べて、相違点が類否判断に与える影響の方が大きいものであるから、両意匠の形状等は類似しない。
(5)小括
よって、両意匠は意匠に係る物品が同一で、両部分の用途及び機能並びに位置、大きさ及び範囲も同一であるが、両部分の形状等は類似しないから、本願意匠は引用意匠に類似するとはいえない。
3 むすび
以上のとおりであって、原査定の引用意匠をもって、本願意匠は、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから、原査定の拒絶の理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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