特許無効審判
2021-800019
電動式衝撃締め付け工具
- 審判番号
- 2021-800019
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 無効審判(無効の審決)
- 出願番号
- 特願2006-022116
- 登録番号
- 4362657
- 請求日
- 2021年03月16日
- 審決日
- 2025年08月26日
- 公報発行日
- 2026年01月30日
- 結論
- 請求成立(無効)
- 当事者
- 【請求人】アトラスコプコ 株式会社
- 【請求人代理人】松尾 淳一
- 【請求人代理人】藤木 依子
- 【請求人代理人】末吉 剛
- 【請求人代理人】高橋 聖史
- 【請求人】アトラス・コプコ・インダストリアル・テクニーク・アクチボラグ
- 【請求人代理人】松尾 淳一
- 【請求人代理人】藤木 依子
- 【請求人代理人】末吉 剛
- 【請求人代理人】高橋 聖史
- 【被請求人】ヨコタ工業 株式会社
- 【被請求人代理人】辻本 希世士
- 【被請求人代理人】辻本 良知
- 【被請求人代理人】丸山 英之
- 審判長/審判官
- 審判長 刈間 宏信
- 審判官 鈴木 貴雄
- 審判官 本庄 亮太郎
- 分類
- P1123.121-ZAA(B25B)
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
両当事者間の特許第4362657号「電動式衝撃締め付け工具」の特許無効審判事件についてされた令和5年6月21日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消しの判決(令和5年(行ケ)第10084号、同第10089号、令和6年7月17日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第4362657号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6〕について訂正することを認める。
特許第4362657号の請求項1に係る発明についての特許を無効とする。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
1 特許権の設定登録まで
特許第4362657号(以下「本件特許」という。)は、平成18年1月31日(優先権主張 平成17年9月7日。以下「本件優先日」という。)に特願2006-22116号として出願したものであって、平成21年8月28日にその請求項1~6に係る発明について特許権の設定登録がされた。
2 本件無効審判の請求から判決言渡まで
令和3年3月16日に、本件特許の請求項1~6に係る特許を無効とすることを請求する審判請求書(以下「請求書」という。また、この請求書に係る審判事件を「本件無効審判」という。)が、アトラスコプコ株式会社及びアトラス・コプコ・インダストリアル・テクニーク・アクチボラグ(以下「請求人」という。)から提出された。
これに対して、令和3年6月29日に、審判事件答弁書が、ヨコタ工業株式会社(以下「被請求人」という。)から提出された。
その後の判決までの主な経緯は以下のとおり。
令和3年 9月 9日付け 両当事者に対して審理事項を通知
同年10月 8日提出 両当事者からの口頭審理陳述要領書
同年12月 2日 口頭審理
令和4年 3月30日付け 審決の予告
同年 4月28日提出 被請求人からの訂正請求書(以下、この訂正請求書による訂正を「本件訂正」という。)
同年 5月12日付け 訂正請求書副本の送付通知(弁駁指令)
同年 6月15日提出 請求人からの弁駁書
同年 8月10日付け 補正許否の決定及び答弁指令
同年 9月 2日提出 被請求人からの答弁書
同年10月25日提出 請求人からの上申書
令和5年 5月11日提出 被請求人からの上申書
同年 5月24日付け 審理終結通知
同年 6月21日付け 審決(以下「一次審決」という。)
同年 7月26日及び8月8日 知財高裁に審決取消訴訟の提起(令和5年(行ケ)10084号及び同10089号。同年10月30日に後者は前者に併合)
令和6年 7月17日言渡 判決
3 判決言渡後
判決言渡によって、一次審決が取り消された後の主な経緯は以下のとおり。(下線は当審で付与)
令和7年 1月 9日付け 審理再開通知
同年 2月14日提出 両当事者それぞれからの上申書(特許権の取扱い等について協議中のため審理中断希望)
同年 同月20日付け 手続中止通知書
同年 4月 1日提出 請求人からの請求取下書(以下、単に「請求取下書」という。請求項2~6に係る発明についての特許について請求取下げ)
同年 同月 8日提出 請求人からの手続補正書(方式)(請求取下書に対応する被請求人の承諾書を添付)
同年 同月15日付け 手続中止解除通知書
同年 同月23日提出 被請求人からの上申書(審決の予告は不要)
同年 5月13日付け 審尋
同年 6月10日提出 両当事者それぞれからの回答書(以下、請求人からのものを「請求人回答書」、被請求人からのものを「被請求人回答書」という。)
4 現状の整理
1~3を踏まえて整理すると、本件の現状は以下のとおり(下線は当審で付与)。
(1) 本件無効審判の請求の趣旨、答弁の趣旨
ア 請求取下書を踏まえ、請求の趣旨は以下のものになった。
「特許第4362657号発明の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明についての特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求める。
イ 承諾書を踏まえると、答弁の趣旨は、答弁書に記載された以下のとおりである。
「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求める。
(2) 訂正の請求
被請求人は、訂正請求書にて、「特許第4362657号の明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~6について訂正することを求める。」を請求の趣旨として、後述する訂正事項1~6の訂正を求めている。
(3) 本件無効審判の請求の理由等
ア 請求書の請求の理由、並びに、請求人による令和3年10月8日提出の口頭審理陳述要領書に基づく同年12月2日期日の口頭審理での陳述、令和4年6月15日提出の弁駁書による主張、及び、同年10月25日提出の上申書による主張のうち、請求取下書により、請求項2~6に係る請求が取り下げられ、さらに、請求人回答書によって、理由4(甲第2号証を主引例とする進歩性の理由)で請求項1に係る特許を無効とする旨の判断がされることを前提として、その他の理由が全て撤回された。(なお、被請求人は、請求取下書に添付された承諾書により請求項2~6に係る請求の取り下げに同意し、被請求人回答書によって請求の理由等の撤回に同意している。)
したがって、本件無効審判の請求の理由等は、以下のとおりである。(なお、証拠については、甲第1号証を「甲1」といい、甲1に記載の発明を「甲1発明」という。また、甲1記載の技術的事項について、単に「甲1」ということもある。他の甲号証、乙号証についても同様にいう。)
イ 請求の理由
理由4 進歩性(甲2発明を主引例とする進歩性)
ウ 訂正の請求に対する、訂正要件に関する請求人の主張
上記アのとおり、本件訂正に対する理由も撤回されたので、この主張自体がなくなった。
エ 証拠方法
請求人:一次審決までに提出された甲1~甲34のうち、甲3~甲4、甲6~甲7、甲10~甲17、甲21~甲23、及び甲25~甲34が、請求人回答書によって撤回され、判決で用いられていた甲66~甲68、及び甲70~甲71が提出された。(なお、甲35~甲65、甲69は欠番である。また、被請求人は、被請求人回答書によって証拠の撤回に同意している。)
したがって、請求人の証拠方法は、甲1~甲2、甲5、甲8~甲9、甲18~甲20、甲24、甲66~甲68、及び甲70~甲71となった(第4の3参照)。
被請求人:一次審決までに提出された乙1~乙17が、被請求人回答書によって撤回されたので、被請求人の証拠方法がなくなった。(なお、請求人は、請求人回答書によって証拠の撤回に同意している。)
(4) 判決の拘束力
判決では、「第4 当裁判所の判断」として、取消事由1(訂正要件適合性の判断の誤り)は認められないが、本件訂正発明1は、甲2発明、甲1発明、及び周知技術(判決における甲5、甲8~甲9、甲18~甲20、甲24、甲66~甲68、甲70~甲71)に基づいて当業者が容易になし得るものであるから、取消事由4(無効理由4の判断の誤り〔甲2を主引例とする本件各訂正発明の進歩性欠如〕(当審注:理由4))は認められるものと判断する旨、判示している。
無効審判事件についての審決取消訴訟において、審決の取消しの判決が確定したときは、審判官は特許法(以下「法」という。)181条2項の規定に従い、更に審理を行い、審決をしなければならないところ、この審理には、行政事件訴訟法33条1項の規定によって、判決の拘束力が及ぶ。そして、この拘束力は、判決主文が導き出されるのに必要な事実認定及び法律判断にわたるものであるから、当審の事実認定及び法律判断は、判決の事実認定及び法律判断に拘束される。
(5) 独立特許要件
ア 特許無効審判における訂正の請求について、法134条の2第9項において、「第百二十六条第四項から第八項まで・・・の規定は、第一項の場合に準用する。この場合において、第百二十六条第七項中「第一項ただし書第一号又は第二号」とあるのは、「特許無効審判の請求がされていない請求項に係る第一項ただし書第一号又は第二号」と読み替えるものとする。」と規定され、法126条7項には「第一項ただし書第一号又は第二号に掲げる事項を目的とする訂正は、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。」と規定されている。
イ 本件特許の特許請求の範囲の請求項1については、後述するように、訂正請求書の訂正事項1によって、法134条の2第1項1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とした訂正がされた。
請求項2~6は請求項1を直接的又は間接的に引用するものであり、訂正事項1により、請求項1に連動して訂正される。
ウ 請求取下書及び承諾書によって、請求項2~6については特許無効審判の請求がされていないことになった。
エ ア~ウに照らせば、請求項2~6に係る訂正事項1については、独立特許要件が課されることになった。
(6) 審決の予告の省略
3で示した令和7年4月23日提出の被請求人からの上申書における、「審決の予告を希望しない」、との申し出を踏まえ、審決の予告をせずに、この審決をすることにした(法164条の2第1項、法施行規則50条の6の2本文)。
第2 本件訂正について
1 請求の趣旨
本件訂正の請求の趣旨は、第1の4(2)のとおりである。
2 訂正事項(下線は訂正箇所)
(1) 訂正事項1
本件特許の特許請求の範囲の請求項1に「電動モータの出力部の回転を衝撃発生部に伝達し、前記衝撃発生部において発生する衝撃力によりメインシャフトに強力なトルクを発生させる電動式衝撃締め付け工具において、」とあるのを、「電動モータの出力部の回転を、作動油によりトルクを発生する油圧パルス発生部である衝撃発生部に伝達し、前記衝撃発生部において発生する衝撃力によりメインシャフトに強力なトルクを発生させる電動式衝撃締め付け工具において、」と訂正する。(本件訂正後の請求項1を引用する請求項2~6も同様に訂正する。)
(2) 訂正事項2
本件特許の明細書段落【0035】に「この欄に示した内容については以下の実施例2、3においても同様に適用できる。」とあるのを、「この欄に示した内容については以下の参考例1、2においても同様に適用できる。」と訂正する。
(3) 訂正事項3
本件特許の明細書段落【0036】に
「【実施例2】
【0036】
この実施例2は、この発明の電動式衝撃締め付け工具のうちハンマ式衝撃機構部8(課題が解決するための手段の欄に記載の衝撃発生部に相当する)を有する電動式ハンマレンチR1に関するものである。」とあるのを、
「【参考例1】
【0036】
この参考例1は、この発明の電動式衝撃締め付け工具のうちハンマ式衝撃機構部8を有する電動式ハンマレンチR1に関するものである。」と訂正する。
(4) 訂正事項4
本件特許の明細書段落【0039】に
「【実施例3】
【0039】
この実施例3は、この発明の電動式衝撃締め付け工具のうちクラッチ式衝撃発生部9(課題を解決するための手段の欄に記載の衝撃発生部に相当する)を有する電動式クラッチレンチR2に関するものである。」とあるのを、
「【参考例2】
【0039】
この参考例2は、この発明の電動式衝撃締め付け工具のうちクラッチ式衝撃発生部9を有する電動式クラッチレンチR2に関するものである。」と訂正する。
(5) 訂正事項5
本件特許の明細書段落【0042】に
「(その他)
上記実施例1~3おける電動式衝撃締め付け工具は一例であり、」とあるのを、
「(その他)
上記実施例1における電動式衝撃締め付け工具は一例であり、」と訂正する。
(6) 訂正事項6
本件特許の明細書段落【0045】に
「【図17】この発明の実施例2の電動式衝撃締め付け工具(ハンマー式打撃機構部を有する電動式のレンチ)の断面図。
【図18】この発明の実施例3の電動式衝撃締め付け工具(クラッチ式打撃機構部を有する電動式のレンチ)の断面図。」とあるのを、
「【図17】この発明の参考例1の電動式衝撃締め付け工具(ハンマー式打撃機構部を有する電動式のレンチ)の断面図。
【図18】この発明の参考例2の電動式衝撃締め付け工具(クラッチ式打撃機構部を有する電動式のレンチ)の断面図。」と訂正する。
3 一群の請求項についての説明
本件訂正前の請求項2~6は、それぞれ、請求項1を直接的又は間接的に引用しているものであって、本件訂正によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
したがって、本件訂正前の請求項1~6に対応する本件訂正後の請求項1~6は、法134条の2第3項に規定する一群の請求項であり、訂正事項1~6は、この一群の請求項についてのものである。
4 訂正要件
訂正事項1~6について、訂正の目的の適否、特許請求の範囲の拡張・変更の存否及び新規事項の有無を検討する。訂正事項1については独立特許要件も検討する。
(1) 訂正事項1
第1の4(4)のとおり、判決の拘束力のもとで検討する。
ア 訂正の目的の適否
請求項1について、訂正前の「衝撃発生部」を「作動油によりトルクを発生する油圧パルス発生部である衝撃発生部」と訂正することは、「衝撃発生部」の態様を限定するものであるから、訂正事項1は、法134条の2第1項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、アのとおり特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、明細書に実施例として記載のあった(ア)作動油によるパルス式の衝撃発生部(実施例1)、(イ)ハンマによるインパクト式の衝撃発生部(実施例2)、(ウ)クラッチ式の衝撃発生部(実施例3)のうち、(ア)の作動油によるパルス式の衝撃発生部を用いるものに限定するものであるから、カテゴリーや対象、目的の変更を伴うものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しないから、法134条の2第9項で準用する法126条6項に適合するものである。
ウ 新規事項の有無
(ア) 訂正事項1について、本件の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)の【0013】~【0014】には、以下の記載がある(下線は当審で付与)。
「【0013】
この実施例1は、この発明の電動式衝撃締め付け工具のうち電動式インパルスレンチRに関するものである。
(この電動式インパルスレンチRの基本構成について)
この電動式インパルスレンチRは、図1に示すように、アウタロータ型電動モータMの出力部であるロータ6の回転を直接油圧パルス発生部P(課題を解決するための手段の欄に記載の衝撃発生部に相当する)のライナ102に伝達して、前記油圧パルス発生部Pにおいて発生する衝撃パルスによりメインシャフト107に強力なトルクを発生させるものであり、バッテリー電源7により上記アウタロータ型電動モータMを回転駆動せしめている。
【0014】
・・・
(油圧パルス発生部Pの基本構成及び動作について)
油圧パルス発生部Pは、図1や図9に示すように、ライナケース101内にライナ102を設け、前記ライナ102内にメインシャフト107を嵌挿してライナ102をメインシャフト107に対して回動自在とし、このライナ102内にトルクを発生するための作動油(オイル)を充填してライナ102の両端に取り付けたライナ下板103とライナ上板104によって密封している。」
本件明細書等のこれらの記載によれば、実施例1の電動式衝撃締め付け工具は、その油圧パルス発生部Pにおいて発生する衝撃パルスによりメインシャフト107に強力なトルクを発生させること、油圧パルス発生部Pのライナケース101内に設けられたライナ102にはトルクを発生するための作動油(オイル)が充填されていることが記載されている。
(イ) また、本件明細書等(【0042】)には、「上記実施例1・・・における電動式衝撃締め付け工具は一例であり、アウタロータ型電動モータの出力部の回転を衝撃発生部に伝達し、前記衝撃発生部において発生する衝撃力によりメインシャフトに強力なトルクを発生させる形態であれば、この発明の技術的範囲に属するものである。」との記載がある。
その他、本件明細書等において「油圧パルス発生装置P」の構成を限定することを示唆するような記載は認められない。
(ウ) そうすると、本件明細書等には、作動油(オイル)が充填されトルクを発生させている油圧パルス発生部Pが衝撃発生部に相当することが記載されており、かつ、当該油圧パルス発生部Pの構成を更に限定する記載はないのであるから、特許請求の範囲の請求項1の記載を「電動モータの出力部の回転を、作動油によりトルクを発生する油圧パルス発生部である衝撃発生部に伝達し、」とした本件訂正(訂正部分に下線を付す。)は、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものと認めるのが相当である。
以上のとおりであるから、訂正事項1は、法134条の2第9項において準用する法126条5項の規定に適合するものである。
エ 独立特許要件
第1の4(5)エのとおり、請求項2~6に係る訂正事項1については独立特許要件が課されるので検討する。
請求項2の「アウタロータ型電動モータは、筒部を有する支持体と、前記筒部内に一対の軸受を介して設けられた回転軸と、前記回転軸に密嵌されたロータフランジ部とを有すること」、及び、請求項6の「電動モータは、6個の磁極部を有し、磁極部の2個をS極、N極に励磁するものであり、前記励磁位置を60°回転させて変化させることによってロータを回転させること」については、いずれも、第1の4(3)エで示した証拠には示されていない事項であり、かつ、これらの事項については請求人から何らの主張もされていない。また、当審においても、本件訂正後の請求項2、6に係る発明に対して、独立特許要件を否定する理由を発見しない。
そうすると、請求項2及び6に係る発明は、新規性・進歩性等の特許要件を満たし、かつ、記載要件についても問題がない。
請求項3~5に係る発明は、いずれも請求項2を直接的又は間接的に引用するものであるから特許要件を満たすうえ、それぞれ記載要件についても問題がない。
したがって、訂正事項1は、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものであり、法134条の2第9項において読み替えて準用する法126条7項の規定に適合するものである。
オ 請求人の弁駁書における主張
第1の4(3)ウのとおり、本件訂正についての理由は撤回されている。
(2) 訂正事項2
ア 訂正の目的の適否
【0035】に関し、本件訂正前の「実施例2、3」を、「参考例1、2」と訂正することは、上記訂正事項1により、衝撃発生部を作動油によるパルス式の衝撃発生部を用いるものに限定したことに伴い、明細書の記載を整合させるためのものであるから、訂正事項2は、法134条の2第1項ただし書3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項2は、アのとおり明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、衝撃発生部を作動油によるパルス式の衝撃発生部を用いるものに限定したことに伴い、(1)イのとおり、本件訂正前の請求項1に係る衝撃発生部の実施例として(ア)~(ウ)が示されていたものを、(イ)と(ウ)に対応する内容を参考例に変更するものであり、カテゴリーや対象、目的の変更を伴うものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しないから、法134条の2第9項で準用する法126条6項に適合するものである。
ウ 新規事項の有無
訂正事項2は、【0035】に関し、訂正前の「実施例2、3」のそれぞれを「参考例1、2」とし、請求項1の内容と整合を図るものであるから、実質的に新たな事項を追加するものではない。
したがって、訂正事項2は、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものであり、法134条の2第9項において準用する法126条5項の規定に適合するものである。
(3) 訂正事項3
ア 訂正の目的の適否
【0036】に関し、本件訂正前の「【実施例2】」、「実施例2」、及び「ハンマ式衝撃機構部8(課題が解決するための手段の欄に記載の衝撃発生部に相当する)」を、それぞれ「【参考例1】」、「参考例1」、及び「ハンマ式衝撃機構部8」と訂正することは、訂正事項1により、衝撃発生部を作動油によるパルス式の衝撃発生部を用いるものに限定したことに伴い、明細書の記載を整合させるためのものであるから、訂正事項3は、法134条の2第1項ただし書3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項3は、アのとおり明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、衝撃発生部を作動油によるパルス式の衝撃発生部を用いるものに限定したことに伴い、(1)イのとおり、本件訂正前の請求項1に係る衝撃発生部の実施例として(ア)~(ウ)が示されていたものを、(イ)と(ウ)に対応する内容を参考例に変更し、「ハンマ式衝撃機構部8」について、課題が解決するための手段の欄に記載の衝撃発生部に相当するものからは除外するものであり、カテゴリーや対象、目的の変更を伴うものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しないから、法134条の2第9項で準用する法126条6項に適合するものである。
ウ 新規事項の有無
訂正事項3は、【0036】に関し、本件訂正前の「実施例2」を、「参考例1」とし、「ハンマ式衝撃機構部8(課題が解決するための手段の欄に記載の衝撃発生部に相当する)」の括弧書きを削除して、請求項1の内容と整合を図るものであるから、実質的に新たな事項を追加するものではない。
したがって、訂正事項3は、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものであり、法134条の2第9項において準用する法126条5項の規定に適合するものである。
(4) 訂正事項4
ア 訂正の目的の適否
【0039】に関し、本件訂正前の「【実施例3】」、「実施例3」、及び「クラッチ式衝撃機構部9(課題が解決するための手段の欄に記載の衝撃発生部に相当する)」を、それぞれ「【参考例2】」、「参考例2」、及び「クラッチ式衝撃機構部9」と訂正することは、訂正事項1により、衝撃発生部を作動油によるパルス式の衝撃発生部を用いるものに限定したことに伴い、明細書の記載を整合させるためであるから、訂正事項4は、法134条の2第1項ただし書3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項4は、アのとおり明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、衝撃発生部を作動油によるパルス式の衝撃発生部を用いるものに限定したことに伴い、(1)イのとおり、本件訂正前の請求項1に係る衝撃発生部の実施例として(ア)~(ウ)が示されていたものを、(イ)と(ウ)に対応する内容を参考例に変更し、「クラッチ式衝撃機構部9」について、課題が解決するための手段の欄に記載の衝撃発生部に相当するものから除外するものであり、カテゴリーや対象、目的の変更を伴うものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しないから、法134条の2第9項で準用する法126条6項に適合するものである。
ウ 新規事項の有無
訂正事項4は、【0039】に関し、訂正前の「実施例3」を、「参考例2」とし、「クラッチ式衝撃機構部9(課題が解決するための手段の欄に記載の衝撃発生部に相当する)」の括弧書きを削除して請求項1の内容と整合を図るものであるから、実質的に新たな事項を追加するものではない。
したがって、訂正事項4は、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものであり、法134条の2第9項において準用する法126条5項の規定に適合するものである。
(5) 訂正事項5
ア 訂正の目的の適否
明細書の【0042】に関し、本件訂正前の「実施例1~3」を「実施例1」と訂正することは、上記訂正事項1により、衝撃発生部を作動油によるパルス式の衝撃発生部を用いるものに限定したことに伴い、明細書の記載を整合させるためであるから、訂正事項5は、法134条の2第1項ただし書3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項5は、アのとおり明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、衝撃発生部を作動油によるパルス式の衝撃発生部を用いるものに限定したことに伴い、本件訂正前の請求項1に係る衝撃発生部の実施例として(ア)~(ウ)が示されていたものを、(イ)と(ウ)に対応する内容を参考例に変更したことで存在しなくなった実施例2、及び実施例3を削除するものであり、カテゴリーや対象、目的の変更を伴うものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しないから、法134条の2第9項で準用する法126条6項に適合するものである。
ウ 新規事項の有無
訂正事項5は、【0042】に関し、本件訂正前の「実施例1~3」を、「実施例1」を残して他の実施例を削除し、請求項1の内容と整合を図るものであるから、実質的に新たな事項を追加するものではない。
したがって、訂正事項5は、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものであり、法134条の2第9項において準用する法126条5項の規定に適合するものである。
(6) 訂正事項6
ア 訂正の目的の適否
明細書の【0045】に関し、本件訂正前の「実施例2」、及び「実施例3」を、それぞれ「参考例1」、及び「参考例2」と訂正することは、訂正事項1により、衝撃発生部を作動油によるパルス式の衝撃発生部を用いるものに限定したことに伴い、明細書の記載を整合させるためのものであるから、訂正事項6は、法134条の2第1項ただし書3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項6は、アのとおり明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、衝撃発生部を作動油によるパルス式の衝撃発生部を用いるものに限定したことに伴い、(1)イのとおり、本件訂正前の請求項1に係る衝撃発生部の実施例として(ア)~(ウ)が示されていたものを、(イ)と(ウ)に対応する内容を、参考例に変更するものであり、カテゴリーや対象、目的の変更を伴うものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しないから、法134条の2第9項で準用する法126条6項に適合するものである。
ウ 新規事項の有無
訂正事項6は、【0045】に関し、本件訂正前の「実施例2」、及び「実施例3」を、それぞれ「参考例1」、及び「参考例2」とし、請求項1の内容と整合を図るものであるから、実質的に新たな事項を追加するものではない。
したがって、訂正事項6は、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものであり、法134条の2第9項において準用する法126条5項の規定に適合するものである。
5 訂正事項2~6に係る補足
(1)明細書の訂正と関係する請求項について
訂正事項2~6は、4(2)~(6)に示すとおり、訂正事項1による訂正に伴い、明細書の記載を整合させるためのものであって、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、一群の請求項1~6に関係する訂正である。
(2)独立特許要件
訂正事項2~6は、(1)のとおり、特許無効審判の請求がされていない請求項2~6を含む一群の請求項と関係する訂正であるが、4(2)ア~(6)アのとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、独立特許要件は課されない。
6 本件訂正についての小括
以上のとおりであるから、本件訂正は、法134条の2第1項ただし書1号及び3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条9項において準用する法126条5項~7項の規定に適合する。
したがって、明細書及び特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、本件訂正後の請求項〔1~6〕について訂正することを認める。
第3 本件発明
第2のとおり、本件訂正は認められたから、本件特許の特許請求の範囲の請求項1~6のうち、請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
電動モータの出力部の回転を、作動油によりトルクを発生する油圧パルス発生部である衝撃発生部に伝達し、前記衝撃発生部において発生する衝撃力によりメインシャフトに強力なトルクを発生させる電動式衝撃締め付け工具において、
電動モータは、磁極部を持つステータと、前記ステータの外周側に隙間を設けて貼設された磁石と、前記磁石を内周面に保持する筒缶部を有するロータとを備えるアウタロータ型電動モータであることを特徴とする電動式衝撃締め付け工具。」
第4 請求人の主張
1 請求の趣旨
第1の4(1)アのとおり、本件発明についての特許を無効とし、審判費用を被請求人の負担とする旨の審決を求めるものである。
2 請求の理由
第1の4(3)イのとおり、甲2発明を主引例とする「理由4 進歩性」のみである。
3 証拠方法
請求人は、第1の4(3)エのとおり、甲1~甲2、甲5、甲8~甲9、甲18~甲20、甲24、甲66~甲68、及び甲70~甲71を提出し、具体的な証拠としては以下のとおりである。
甲1:B. C. Mecrow, A. G. Jack, D. J. Atkinson, P. G. Dickinson and S. Swaddle, ”High torque machines for power hand tool applications” ,2002 International Conference on Power Electronics, Machines and Drives, p.644-649, 2002
甲2:特開平8-267368号公報
甲5:特開2005-143248号公報
甲8:特開2003-264963号公報
甲9:原賀康介「構造接着技術の応用展開と最適化技術の構築」日本接着学会誌、Vol.39、No.9、p.349-354、2003年(平成15年)
甲18:池防泰裕「モータの最新技術動向」シャープ技報82号 p.34-39、2002年(平成14年)4月
甲19:櫻井隆憲外4名「アウターロータ型ブラシレスDCモータの駆動方式の検討とその応用(第1報)」平成16年度電気関係学会東北支部連合大会予稿集 p.115
甲20:櫻井隆憲外3名「アウターロータ型ブラシレスDCモータの駆動方式による特性比較」、Research Reports of Sendai National College of Technology、No.35、p.37-42、平成17年
甲24:「Industrial Power Tools」と題するカタログ、Atlas Copco、p.8~9、13、15、18~21、23~24、144、146、172、193、2004年(平成16年)
甲66:服部憲靖「最近の電動工具の動向」、電設資材2003年(平成15年)4月号、p.29~36(電設出版)
甲67:「独自の機能を製品化したドイツ製電動工具」応用機械工学1993年(平成5年)11月号、p.30~31(大河出版)
甲68:小西順一「コードレスが主流!電気工事用電動工具の種類と特長」、電設資材1994年(平成6年)4月号、p.33~40(電設出版)
甲70:特開2001-78377号公報
甲71:特開2002-78257号公報
第5 被請求人の主張
1 答弁の趣旨
第1の4(1)イのとおり、本件無効審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする旨の審決を求めるものである。
2 理由4に対する反論の概要
請求人は、甲2発明に甲1発明を適用して想到する仮想の物に対し、さらに甲5発明、甲8発明及び甲9発明を適用しようとするが、容易想到性を導くためにかかる複数のステップを要求する論理付けは、いわゆる「容易の容易」として認められない。
また、主引例である甲2発明と、副引例となる甲5発明、甲8発明及び甲9発明の課題は、その相互間においても、本件特許発明1とも、一致するところがない。
課題が異なる引例同士を組み合わせることに動機付けを肯定する余地はないから、甲2発明に各副引例を適用して本件発明に想到するとの論理付けは成立しないし、甲2発明に甲1発明を適用する動機付けもない。
3 証拠方法
第1の4(3)エのとおり、乙1~17が撤回されたので、被請求人の証拠方法はない。
第6 理由4(進歩性)についての当審の判断
第1の4(4)のとおり、判決の拘束力のもとで理由4について検討する。
1 甲号証に記載された発明・技術的事項
(1) 甲2発明
甲2には、以下の甲2発明が記載されている。
「電動モータ15によって油圧式のパルス力発生装置16が駆動され、前記パルス力発生装置16によって発生されるインパルス力によりツール出力軸19にトルクを増幅して伝達させるトルク制御式パルスツールにおいて、
電動モータは、ステータと、前記ステータの内周側にロータとを備えるインナロータ型電動モータである電動式衝撃締め付け工具。」
(2) 甲1発明
甲1には、以下の甲1発明が記載されている。
「それぞれの歯にコイルを配置するステータと、前記ステータの外周側に隙間を設けて配置された焼結希土類磁石と、前記焼結希土類磁石を内周面に保持する筒状のロータとを備え、パワーハンドツールに応用されるアウタロータ型電動モータ。」
(3) その他の文献の技術的事項
ア 甲24、甲66~甲68によると、手持ち式の電動締め付け工具(インパクト・レンチ等)では、仕様においてトルクが重要な要素であり、トルクを高めることが重要であることが技術常識となっていたことが認められる。
イ 甲2、甲24によると、本件優先日当時、甲2発明が属する「電動式衝撃締め付け工具」の技術分野においては、その性能においてトルクが重要な要素であり、トルクを高めることが周知、自明の課題であったと認められる。
ウ 甲18~甲20によると、本件優先日当時、甲1発明のようなアウタロータ型モータは、インナロータ型モータよりも高トルク化が容易であることは周知であったと認められる。
エ 甲5には、磁石を保持する態様として、アウタロータ型電動モータでは、ステータの外周側(ロータの内周側)に複数の磁石が相互に隙間を空けて配置されることが記載され、甲8~9及び甲70~71には、接着剤固定法では、通常、エポキシ系やアクリル系などの接着剤で固定する方法により貼設されることが記載されている。
以上からみて、甲5、甲8~甲9、甲70~甲71によると、アウタロータ型電動モータにおいて、磁石を保持するために、複数の磁石をステータの外周側(ロータの内周側)に沿って配置し、接着剤固定法等により「貼設」することは、周知技術であると認められる。
2 対比
判決(第4の4、18ページ以降)のとおり、本件発明と甲2発明との一致点・相違点は以下のとおりである。
(1) 一致点
「電動モータの出力部の回転を、作動油によりトルクを発生する油圧パルス発生部である衝撃発生部に伝達し、前記衝撃発生部において発生する衝撃力によりメインシャフトに強力なトルクを発生させる電動式衝撃締め付け工具。」
(2) 相違点1
電動モータに関し、本件発明は「磁極部を持つステータと、磁石を内周面に保持する筒缶部を有するロータとを備える、アウタロータ型」であるのに対し、甲2発明は「ステータと、前記ステータの内周側にロータとを備える、インナロータ型」であって、アウタロータ型ではない点。
(3) 相違点2
磁石の保持の態様に関し、本件発明は、磁石が「前記ステータの外周側に隙間を設けて貼設され」ているのに対し、甲2発明は、磁石を保持する態様が明示されていない点。
3 判断
(1) 相違点1について
手持ち式の電動締め付け工具(インパクト・レンチ等)では、仕様においてトルクが重要な要素であり、トルクを高めることが重要であることが技術常識となっていたこと(1(3)ア)を踏まえて、相違点1を検討すると、甲2発明は「電動式衝撃締め付け工具」(電動手工具の一種)に係るものであり、甲1発明は「パワーハンドツール」(電動手工具)に応用される「電動モータ」に係るものであるから、両者の技術分野は関連する。
また、本件優先日当時、甲2発明が属する「電動式衝撃締め付け工具」の技術分野においては、その性能においてトルクが重要な要素であり、トルクを高めることが周知、自明の課題であったと認められる(1(3)イ)。
さらに、本件優先日当時、甲1発明のようなアウタロータ型モータは、インナロータ型モータよりも高トルク化が容易であることは周知であったと認められる(1(3)ウ)。
したがって、甲2発明には、トルクを高めるという周知の課題を解決するため、甲1発明を適用する動機付けがあるから、甲2発明に、甲1発明のアウタロータ型電動モータを適用し、相違点1の構成とすることは当業者にとって容易想到であったというべきである。
(2) 相違点2について
アウタロータ型電動モータにおいて、磁石を保持するために、複数の磁石をステータの外周側(ロータの内周側)に沿って配置し、接着剤固定法等により「貼設」することは、周知技術であると認められる(1(3)エ)。
したがって、上記周知技術を適用して、相違点2の構成とすることは当業者にとって容易想到であったというべきである。
4 理由4(進歩性)についての小括
以上のとおり、本件発明は、甲2発明、甲1発明、及び周知技術に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明に係る特許は、法29条2項の規定に違反してされたものである。
第7 むすび
以上のとおり、本件特許の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明に係る特許は、法123条1項2号に該当するから、当該請求項1に記載された発明に係る特許を無効にする。
審判に関する費用については、法169条2項の規定で準用する民事訴訟法61条の規定により、被請求人の負担とする。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-800019