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特許異議申立

2021-701174

照明器具

審判番号
2021-701174
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2017-243595
登録番号
6886395
請求日
2021年12月13日
審決日
2022年03月31日
公報発行日
2022年06月24日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】東芝ライテック株式会社
  • 【権利者代理人】河野 仁志
  • 【異議申立人】西村 太一
  • 【異議申立人】梯 京子
審判長/審判官
  • 審判長 一ノ瀬 覚
  • 審判官 畔津 圭介
  • 審判官 芦原 康裕
分類
P1651.113-Y (F21S) / P1651.121-Y (F21S) / P1651.536-Y (F21S) / P1651.537-Y (F21S)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第1項第3号、特許法第36条第4項第1号、特許法第29条第1項、特許法第29条第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6886395号発明「照明器具」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6886395号の請求項1に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6886395号の請求項1に係る特許についての出願(以下「本件特許出願」という。)は、平成22年10月12日を出願日とする特願2010-229762号(以下「親出願」という。)の一部を、平成25年5月29日に新たな特許出願とした特願2013-112474号(以下「分割出願1」という。)の一部を、平成26年11月14日に新たな特許出願とした特願2014-231851号(以下「分割出願2」という。)の一部を、平成28年4月26日に新たな特許出願とした特願2016-87826号(以下「分割出願3」という。)の一部を、平成29年12月20日に新たな特許出願としたものであって、令和3年5月18日に特許権の設定登録がされ、同年6月16日に特許掲載公報が発行された。その後、その請求項1に係る特許に対し、同年12月13日に特許異議申立人西村太一(以下「申立人A」という。)より、同年12月15日に特許異議申立人梯京子(以下「申立人B」という。)より特許異議の申立てがされたものである。 第2 本件発明 特許第6886395号の請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 略中央部に開口を有する器具本体と; 前面側開口および背面側開口を有して略円筒状に形成され、前記器具本体の開口に取付けられ、前面側に延出されている、取付部としてのアダプタガイドと; 複数の発光素子が実装され、前記発光素子の実装面が前面側へ向けられ、前記器具本体の開口を囲むように前記器具本体に配設された基板と; 前記アダプタガイドの外周側と、前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部と、により形成された空間に配置され、かつ前記アダプタガイドの外周に沿う、前記複数の発光素子を点灯制御する点灯装置と; を具備し、 前記器具本体の略中央部前方から見て、前記点灯装置は、前記アダプタガイドの外周側に位置し、前記基板は、前記アダプタガイドの外周側で前記点灯装置の外側に位置することを特徴とする照明器具。」 第3 申立理由 1 申立人Aについて 申立人Aは、証拠方法として甲第1号証~甲第18号証(以下、それぞれ、「甲A1」~「甲A18」という。)を提出し、以下の申立理由を主張している。 (1)申立理由の概要 ア 特許法第36条第6項第1号(以下「申立理由A1」という。) 本件発明は発明の詳細な説明に記載したものでないから、本件発明に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。 イ 特許法第36条第6項第2号(以下「申立理由A2」という。) 本件発明は明確でないから、本件発明に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。 ウ 特許法第29条第2項(以下「申立理由A3」という。) 本件発明は、甲A1に記載された発明及び甲A5~A12に記載された周知技術に基いて、甲A2に記載された発明及び甲A5~A12に記載された周知技術に基いて、又は、甲A3に記載された発明及び甲A5~A12に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。したがって、本件発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。 エ 特許法第29条第1項第3号(以下「申立理由A4」という。) 本件発明は、甲A4に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。したがって、本件発明に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。 (2)証拠方法 甲A1 :特開2006-294633号公報 甲A2 :特開2001-216809号公報 甲A3 :特開平10-269838号公報 甲A4 :特開2012-84388号公報 甲A5 :特開平6-45040号公報 甲A6 :特開平6-44815号公報 甲A7 :特開2001-76531号公報 甲A8 :特開2002-140918号公報 甲A9 :特開2009-272263号公報 甲A10:登録実用新案第3162973号公報 甲A11:登録実用新案第3154761号公報 甲A12:特開2008-124008号公報 甲A13:特開2012-84388号公報(親出願の公開公報) 甲A14:特開2013-165079号公報(分割出願1の公開公報) 甲A15:特開2015-53287号公報(分割出願2の公開公報) 甲A16:特開2016-167458号公報(分割出願3の公開公報) 甲A17:特開2018-46023号公報(本件特許出願の公開公報) 甲A18:特許第6886395号公報(本件特許出願の特許公報) 2 申立人Bについて 申立人Bは、証拠方法として甲第1号証~甲第4号証(以下、それぞれ、「甲B1」~「甲B4」という。)を提出し、以下の申立理由を主張している。 (1)申立理由の概要 ア 特許法第36条第6項第2号(以下「申立理由B1」という。) 本件発明は明確でないから、本件発明に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。 イ 特許法第36条第6項第1号(以下「申立理由B2」という。) 本件発明は発明の詳細な説明に記載したものでないから、本件発明に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。 ウ 特許法第36条第4項第1号(以下「申立理由B3」という。) 発明の詳細な説明は、本件発明を当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではないから、本件発明に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。 エ 特許法第29条第2号(以下「申立理由B4」という。) 本件発明は、甲B1に記載された発明及び甲B2~B4に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。したがって、本件発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。 (2)証拠方法 甲B1:登録実用新案第3146641号公報 甲B2:特開2008-124008号公報 甲B3:登録実用新案第3156721号公報 甲B4:特開2002-304904号公報 第4 証拠の記載事項等 1 甲A1について (1)記載事項 甲A1には図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審が付した。以下同様。)。 「【0017】 図1は本発明の第1の実施の形態を示す照明器具の断面図、図2は照明器具の分解状態の斜視図である。 【0018】 図において、1は環状蛍光ランプで、この環状蛍光ランプ1は、管外径が25.5mm以下の例えば19m mに形成された環状のガラスバルブ2を有し、このガラスバルブ2内には希ガスおよび水銀を有する放電媒体が封入されるとともに、ガラスバルブ2の内壁面には蛍光体被膜が形成され、ガラスバルブ2の両端には電極が配設され、ガラスバルブ2の両端間に跨がって口金3が配設されている。口金3には、電極に電気的に接続された複数の口金ピン4が、ガラスバルブ2の環状の仮想軸とほぼ同一方向に向けて突設されている。そして、図に示すように、本実施の形態の照明器具では、例えば32Wと40Wのランプ外径の異なる2本の環状蛍光ランプ1が用いられる。 【0019】 11は器具本体で、この器具本体11は、外観が円形でかつ薄型に形成され、ほぼ同形状の天板12の下面に取り付けられており、この天板12の上面が後述する天井面27への取付面12aとなる。器具本体11の中央には円形の開口部13が上下方向に開口形成され、この開口部13の周囲に環状の空間14を内部に有する収納部15が形成され、この収納部15の周囲に環状蛍光ランプ1が配設される環状の段部(凹部)16が形成されている。この段部16の上方に臨む環状板部17は、収納部15の高さ方向の厚みよりも薄い平板状に形成されている。 【0020】 器具本体11の段部16には、2本の環状蛍光ランプ1の各配設位置に対応して一対のソケット18が配設されている。このソケット18は、環状板部17から垂直に突設され、その垂直方向から口金ピン4が挿入されて電気的に接続されるソケット部19が形成されるとともに、口金3の外周に嵌合して保持するほぼC字状のホルダ部20が形成されている。 【0021】 器具本体11の段部16には、ソケット18の位置とは対称位置に、2本の環状蛍光ランプ1の各配設位置に対応して一対のランプホルダ21がそれぞれ配設されている。このランプホルダ21は、環状板部17から垂直に突設され、ガラスバルブ2の外周に嵌合して保持するほぼC字状のホルダ部22が形成されている。 【0022】 器具本体11の収納部15には、ランプホルダ21の近傍位置において、開口部13に臨んでソケット23が水平に配設され、このソケット23にベビー球24が水平に螺合接続されている。 【0023】 器具本体11の収納部15の環状の空間14には、インバータ回路を有する放電灯点灯装置(インバータ点灯装置)25が配設されている。この放電灯点灯装置25の電源入力側にはアダプタ26が電線などで電気的に接続され、出力側には各ソケット18が電線などで電気的に接続されている。 【0024】 アダプタ26は、高さが薄い円板状に形成され、器具本体11の開口部13内の下部側に図示しない連結部を介して器具本体11に一体的に固定され、その連結部に沿って配線される電線などで放電灯点灯装置25の電源入力側と接続されている。そして、アダプタ26は、器具取付時に、天井面27に設置されている角形の引掛シーリング28に電気的に接続されるとともに機械的に支持される。」 【図1】 [図:0001385215000001.jpg] 【図2】 [図:0001385215000002.jpg] (2)認定事項 段落【0024】の下線部の記載、図1及び2から、器具本体11の略中央部下方から見て、放電灯点灯装置25は、連結部の外周側に位置することが認定できる。 (3)甲A1発明 上記(1)及び(2)から、甲A1には、以下の発明(以下「甲A1発明」という。)が記載されていると認められる。 「 器具本体11の中央には円形の開口部13が上下方向に開口形成され、この開口部13の周囲に環状の空間14を内部に有する収納部15が形成され、この収納部15の周囲に環状蛍光ランプ1が配設される環状の段部16が形成され、 器具本体11の収納部15の環状の空間14には、インバータ回路を有する放電灯点灯装置25が配設され、 アダプタ26は、連結部を介して器具本体11に一体的に固定され、 器具本体11の略中央部下方から見て、放電灯点灯装置25は、連結部の外周側に位置する、 照明器具。」 2 甲A2について (1)記載事項 甲A2には図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0019】 【発明の実施の形態】(基本構成)まず、以下に説明する照明器具の共通した構成を図2および図3を用いて説明する。本実施形態で説明する照明器具は、施工面としての天井に固定されている引掛シーリング31に取り付けられるものであり、引掛シーリング31に結合される取付アダプタ10と、円板状に形成され天井下面に対向する形で配置される器具本体1と、器具本体1の下面側に結合される反射板4と、反射板4の下方に配置されるランプとしての環形の2本の蛍光ランプLaと、器具本体1と反射板4との間に配置され蛍光ランプLaを点灯させる電力を供給する点灯装置2と、蛍光ランプLaおよび反射板4を覆うように器具本体1に取り付けられるドーム状のグローブ5とからなる。器具本体1は絶縁材料でかつ機械的強度が比較的大きい熱可塑性合成樹脂(たとえばポリカーボネイト)により形成された合成樹脂成形品であり、反射板4は板金により中央部が周部よりも下方に位置する椀状に形成される。 【0020】点灯装置2はインバータ回路などを含む電子式安定器であって、回路基板21に回路部品を実装して構成してある。すなわち、低周波の商用電源を高周波電力に電力変換して蛍光ランプLaを高周波で点灯させるように構成されている。この種の電子式安定器は、チョークコイルのような銅鉄型の安定器を用いた点灯装置に比較すると軽量化が容易である。また、回路基板21の下面には蛍光ランプLaを接続保持するためのランプソケット22、豆球Lbを接続保持するためのランプソケット23、点灯状態を切り換えるためのスイッチ24も実装される。スイッチはプルスイッチであって、操作部としての引き紐24aが設けられている。この引き紐24aは器具本体1の上面側に取り付けたV字状のガイド3の先端部に通される。また、引き紐24aを引くたびに、蛍光ランプLaを高出力で点灯させる状態、蛍光ランプLaを低出力で点灯させる状態、豆球Lbが点灯する状態、消灯状態を循環的に切り換えることができる。さらに、取付アダプタ10に電気的に接続するためのプラグ9aを先端に設けた電源線9も接続されている。電源線9は、引掛シーリング31および取付アダプタ10を介して商用電源から点灯装置2に電力を供給するために設けられている。 【0021】取付アダプタ10は、円筒状のアダプタ本体10aの上面に一対の引掛栓刃(図示せず)が突設されたものであり、アダプタ本体10aは器具本体1の中心部において下面側に突出する筒部11に挿入される。引掛栓刃は周知のように先端部がL字状に折曲された栓刃であって、取付アダプタ10の引掛栓刃を引掛シーリング31の栓刃挿入口に挿入した後にアダプタ本体10aを回転させると、引掛シーリング31に対して機械的に結合されるとともに電気的に接続される。器具本体1の筒部11内には図示しない受け部が形成され、アダプタ本体10aの外周面に進退自在に突出する係合片10bが受け部に係脱することによって、器具本体1が取付アダプタ10に結合される。係合片10bは突出向きにばね付勢されており、アダプタ本体10aの下面から突出した一対の操作つまみ10cをばね力に抗して操作すると、係合片10bが受け部から外れて取付アダプタ10から器具本体1を外すことができるようにしてある。さらに、アダプタ本体10aの下面中央部には電源線9の一端に設けたプラグ9aが着脱可能に接続されるコネクタ10dが設けられる。コネクタ10dは引掛栓刃に電気的に接続されており、取付アダプタ10を引掛シーリング31に結合した状態でコネクタ10dにプラグ9aが接続されると商用電源から点灯装置に電源が供給される。 ・・・ 【0032】(第2の実施の形態)本実施形態は、図5に示すように、器具本体1の下面中央部に点灯装置2の回路基板21を囲む形で立壁14を形成したものである。・・・」 【図5】 [図:0001385215000003.jpg] (2)認定事項 ア 段落【0021】の下線部の記載及び図5から、器具本体1は中心部に開口を有すること、筒部11が下面側開口および上面側開口を有して略円筒状に形成され、器具本体1の開口に取付けられ、器具本体1の中心部において下面側に突出し、アダプタ本体10aは筒部11に挿入されて筒部11の受け部に係脱することが認定できる。 イ 段落【0032】の下線部の記載及び図5から、点灯装置2の回路基板21は、筒部11の外周側と、器具本体1の下面中央部に形成されて筒部11の外周と対向する立壁14との間に配置され、器具本体1の略中央仮面側から見て、筒部11の外周側に位置することが認定できる。 (3)甲A2発明 上記(1)及び(2)から、甲A2には、以下の発明(以下「甲A2発明」という。)が記載されていると認められる。 「 引掛シーリング31に結合される取付アダプタ10と、円板状に形成され天井下面に対向する形で配置される器具本体1と、器具本体1の下面側に結合される反射板4と、反射板4の下方に配置されるランプとしての環形の2本の蛍光ランプLaと、器具本体1と反射板4との間に配置され蛍光ランプLaを点灯させる電力を供給する点灯装置2と、蛍光ランプLaおよび反射板4を覆うように器具本体1に取り付けられるドーム状のグローブ5とからなり、 器具本体1は中心部に開口を有し、 筒部11が下面側開口および上面側開口を有して略円筒状に形成され、器具本体1の開口に取付けられ、器具本体1の中心部において下面側に突出し、アダプタ本体10aは筒部11に挿入されて筒部11の受け部に係脱し、 点灯装置2の回路基板21は、筒部11の外周側と、器具本体1の下面中央部に形成されて筒部11の外周と対向する立壁14との間に配置され、器具本体1の略中央下面側から見て、筒部11の外周側に位置する、 照明器具。」 3 甲A3について (1)記載事項 甲A3には図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0006】図1~9に示す実施形態は、表面塗装された金属製の本体1と図示しない環状の蛍光ランプ(後述する反射板33の下面に配置される)を点灯する高周波インバータからなる点灯回路基板(いわゆるプリント基板)2との間にリング状を成す合成樹脂製の絶縁板3を介在した天井直付型照明器具である。絶縁板3は、略U状の点灯回路基板2が配置される第一部分4と、実質的に残余の部分であって少なくとも交流電源の受電コネクター(受電部と同等である)5と豆球ソケット6とが絶縁板3に一体的に設けられる第二部分7とを備え、第二部分7は金属板を打ち抜き形成した電路板8が絶縁板3に沿って回路形成されている。 ・・・ 【0010】点灯回路基板2は絶縁板3の外周縁に一体的に形成した係止爪25やその他の適宜手段で絶縁板3に取付けられ、図6のように、この取付と同時的にコネクター10の側面に突出した端子26が、絶縁板3に一体的に突出形成したコネクター11の先端開口から挿入されて内部の電路板8に接触される。点灯回路基板2には図示しない蛍光ランプが装着されるソケット27が差し込み接続されるコネクター28が設けられる。豆球ソケット6の台部29は絶縁壁22の基部が外向きに広がるように成形され、豆球ソケット6の内面には図5のように、台部29の内面に沿った電路板8が延長されて位置取りされ、豆球12との接片として機能している。 【0011】本体1において凸面30の中央には開口孔37が形成され、この開口孔37を取り巻くようにリング38が凸面30に固定される。点灯回路基板2、電源コード23、電路板8、第二絶縁板16及びスイッチ13が取付けられた絶縁板3は本体1の凹面17に取付けられ、送り電源用のコネクター9は切り欠き21に、ガイド片20の外端は切り欠き18にそれぞれ位置決められる。この際、本体1の下面中央に膨出された凸面30の周囲に絶縁壁22の基部が位置合せされ、リング38は絶縁壁22内に位置される。 【0012】本体1の上面外周縁にはアーム31が回動可能に取付けられ、アーム31の先端から通された引紐32は、切り欠き18に通されることにより本体1の上面側に露出されたスイッチ13の引き部19に結合される。本体1の下面において凹面17より外側に反射板33がビスなどで取付けられ、反射板33は、点灯回路基板2やスイッチ13などが取付けられた絶縁板3を覆う。また、反射板33には図示しない蛍光ランプを支持する支持具34がビスなどで固定され、ソケット27の下端は反射板33の外周寄りに形成した切り欠き(図示されない)を通って反射板33の下面に露出し、豆球12は反射板33の孔35を通じて豆球ソケット6に装着される。また、反射板33の中央に形成した窓孔36には図示しない蓋が着脱可能に取付けられる。 【0013】図8のように、天井39には引掛ローゼット40が固定され、その引掛ローゼット40にアダプター41を回動して取付ける。次に本体1を押し上げると、開口孔37及びリング38の内周面がアダプター41の両側にバネ42で突出付勢された係止部43を後退させるため、そのまま本体1を押し上げると、係止部43はもとの突出状態に戻り、リング38を介して本体1を支持するようになる。次いで電源コード23先端のコネクター44をアダプター41下面中央のコネクター45に接続すれば、照明器具には交流電源が給電される。本体1を天井39から取り外すには、係止部43と連動する操作部43aを内向きにスライドするとよい。」 【図1】 [図:0001385215000004.jpg] 【図2】 [図:0001385215000005.jpg] 【図8】 [図:0001385215000006.jpg] (2)認定事項 ア 段落【0011】の下線部の記載、図1及び8から、本体1の下面中央に膨出された凸面30の中央には開口孔37が形成されていること、リング38が、下面側開口および上面側開口を有して略円筒状に形成され、開口孔37を取り巻くように凸面30の下面に固定されることが認定できる。 イ 段落【0013】の下線部の記載及び図8から、取り付けの際に、本体1を押し上げると、開口孔37及びリング38の内周面がアダプター41の両側にバネ42で突出付勢された係止部43を後退させるため、そのまま本体1を押し上げると、係止部43はもとの突出状態に戻り、リング38を介して本体1を支持するようになることが認定できる。 ウ 図1、2及び8から、点灯回路基板2は、本体1の略中央下面側から見て、リング38の外周側に位置することが認定できる。 エ 段落【0006】の「環状の蛍光ランプ(後述する反射板33の下面に配置される)」との記載及び段落【0012】の「本体1の下面において凹面17より外側に反射板33がビスなどで取付けられ、」との記載から、環状の蛍光ランプが、本体1の下面において凹面17より外側に取付けられた反射板33の下面に配置されることが認定できる。 (3)甲A3発明 上記(1)及び(2)から、甲A3には、以下の発明(以下「甲A3発明」という。)が記載されていると認められる。 「 本体1と環状の蛍光ランプを点灯する高周波インバータからなる点灯回路基板2との間にリング状を成す合成樹脂製の絶縁板3を介在した天井直付型照明器具であって、 本体1の下面中央に膨出された凸面30の中央には開口孔37が形成され、 リング38が、下面側開口および上面側開口を有して略円筒状に形成され、開口孔37を取り巻くように凸面30の下面に固定され、 取り付けの際に、本体1を押し上げると、開口孔37及びリング38の内周面がアダプター41の両側にバネ42で突出付勢された係止部43を後退させるため、そのまま本体1を押し上げると、係止部43はもとの突出状態に戻り、リング38を介して本体1を支持するようになり、 環状の蛍光ランプが、本体1の下面において凹面17より外側に取付けられた反射板33の下面に配置され、 点灯回路基板2が取付けられた絶縁板3は本体1の凹面17に取付けられ、 点灯回路基板2は、本体1の略中央下面側から見て、リング38の外周側に位置する、 天井直付型照明器具。」 4 甲A5について 甲A5には図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0013】器具本体21の開口部23の下部には、アダプタ受部材31がねじ止め固定されている。このアダプタ受部材31は、絶縁性を有する合成樹脂製で、アダプタ11を嵌合可能とする筒状に形成され、内壁面両端部にアダプタ11の係止爪15が係着する係合段部32が形成され、下縁部両側に保持孔33を有する栓刃保持部34が相対向して突出形成されている。」 【図1】 [図:0001385215000007.jpg] 5 甲A6について 甲A6には図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0014】器具本体21の開口部23の下部には、アダプタ受部材31がねじ止め固定されている。このアダプタ受部材31は、絶縁性を有する合成樹脂製で、アダプタ11を嵌合可能とする筒状に形成され、内壁面両端部にアダプタ11の係止爪15が係着する係合段部32が形成され、下縁部両側に保持孔33を有する栓刃保持部34が相対向して突出形成されている。」 【図3】 [図:0001385215000008.jpg] 6 甲A7について 甲A7には図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0018】・・・また、器具本体1の開口部1a周縁の下面側には、取付アダプタ10が挿入され且つ固定される合成樹脂製の円筒部11が結合される。・・・」 【図3】 [図:0001385215000009.jpg] 7 甲A8について 甲A8には図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0016】・・・また、器具本体10の開口部11周縁の下面側には、後述の取付アダプタ1が挿入され且つ固定される円筒部13が結合される。・・・」 【図1】 [図:0001385215000010.jpg] 8 甲A9について 甲A9には以下の事項が記載されている。 「【0001】 本発明は、発光ダイオード(以下、LED)を光源とし、蛍光灯の代替として用いることができるLEDランプに関する。 ・・・ 【0014】 図1は、本発明にかかるLEDランプの一例を平面図で示しており、図2には図1のII-II線に沿う断面図を示している。図1および図2に示すLEDランプAは、環状基板10、放熱部材20、LEDモジュール30、口金40、および、拡散板50を備えている。なお、図1では、拡散板50を省略している。このLEDランプAは、たとえば蛍光灯の代替として、一般用蛍光灯照明器具に取り付けられて用いられる。」 9 甲A10について 甲A10には以下の事項が記載されている。 「【0001】 本考案は、リング状LED照明灯に係り、詳記すれば、LED電路板を容易に形成することによって、容易に形成したリング状LED照明灯に関する。 【背景技術】 【0002】 直管蛍光灯型LED照明灯は、蛍光灯の3分の1の消費電力であることと、蛍光灯の5倍以上の長寿命であることから、従来の蛍光灯に変わりつつある。しかしながら、リング状のLED照明灯は未だ市販されていない。これは、リング状の基板にLEDを半田付けするのが手間がかかる作業であることが一因であると思われる。 ・・・ 【0016】 リング状LED照明灯は、市販されていないことと、コンバーターを内蔵しているので、従来の灯具に取り付けて使用できるので、広範に普及することが期待される。」 10 甲A11について 甲A11には図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0017】 灯座10は、放熱し易いアルミニウム金属材質からなり、ほぼディスク状で、底板11と底板11の周縁から上へ伸びる周壁12があり、また、底板11の中心に、固定枠13が設けられ、上記固定枠13の上方に、リング状シート131が設置され、リング状シート131の中心に、バイアホール132が形成され、また、固定枠13のリング状シート131の両側から、それぞれ、下へスタンド133が設けられて、固定枠13が、そのスタンド133により、底板11に固定され、また、底板11において、周縁に沿って、一体的にプレスされて、中央が上へ突出するリング状突縁111が形成され、上記底板11にも、複数の、下へ突出し、一体的にプレスされるリブ112が形成されてある。 ・・・ 【0019】 LED発光モジュール30は、複数設けられてあり、灯座10の底板11のリング状突縁111に設置され、それぞれに、基板31と外蓋32及び放熱弾性ゴム33が備えられる。上記基板31が、上記底板11のリング状突縁111に対応して、扇形になり、基板31が、リング状突縁111の上に設置され、他のLED発光モジュール30と、リング状に囲み、また、それぞれの基板31に、複数のLED311が配列され、基板31の一側に、ともに、差込口金312が設けられてある。 ・・・ 【0021】 また、基板31の底部に、上記放熱弾性ゴム33が設置され、LED311による熱エネルギーが、放熱弾性ゴム33を介して直接に、アルミニウム金属からなる底板11に伝達されて、放熱の効果が得られる。 そして、上記基板31と上記外蓋32との間に、更に、色調整マスク34が介在し、上記色調整マスク34により、上記LED311に合わせて光の色を調整できるようにしてある。 ・・・ 【0025】 図2で示すように、本考案のより良い実施例であるLED灯具は、天井式の円盤灯であり、上記灯座10の底板11を、一般の部屋の天井に組立てた場合、上記灯座10が、底板11のリブ112により、天井との間に、隙間が形成されて、放熱の効果が得られる。」 【図2】 [図:0001385215000011.jpg] 11 甲A12について 甲A12には図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0001】 本発明は、LEDユニット、LEDユニットの製造方法、及びLEDユニットを用いた天井用照明器具に関し、詳しくは環状または略C状を成すLEDユニットに画期的な実用性及び経済性をもたらすものである。 ・・・ 【0008】 第一本体1、第二本体3の材質としては例えば、鉄、アルミなどを用いる。第一本体1、第二本体3の少なくとも下面側は例えば白色の塗装膜・樹脂コーティング膜・セラミック膜などの薄膜が形成されて光反射性を有し、光反射率を例えば90%以上としている。LEDユニット4の発熱は第一本体1及び第二本体3に放熱されてLEDユニット4の温度上昇を抑えている。第一本体1の下面周部には図示されないグローブ支持具などを設けており、これに対してグローブ6が着脱可能に支持される。第二本体3の略中央には孔7が形成される。第一本体1は第二本体3よりも大径を成し、その略中央には孔8が形成されるとともに孔8の近辺は外周側部分よりも低く形成された段差状を成している。また、第二本体3には点灯制御回路部5から突設されたリモコン信号受信部9が貫通されている。なお、リモコン信号受信部9が第二本体3の上面側に配置され、第二本体3にはリモコン信号受信部9に対応する孔を形成してもよいし、さらに、その孔にリモコン信号が通過可能な樹脂板などを装着しておいてもよい。 ・・・ 【0012】 次に、LEDユニット4について図3~図7を参照して説明する。LEDユニット4は、LEDチップ21が支持された金属板22を含むLEDエレメント23を複数個備えている。これらのLEDエレメント23は、隣り合う金属板22、22が互いに離間した状態で全体として略環状または略C状に配置され、各LEDエレメント23は、例えば金またはアルミなどの金属線24を用いて、所定の直列順序で電気的接続されているが、少なくとも一箇所において、その電気的接続のループが途切れている。そして、この途切れた箇所は一対の外部端子25、26に電気的接続され、かつ、各LEDエレメント23は環状を成すエポキシ樹脂その他合成樹脂などの電気絶縁性の透光性部材27に固着され、その中央部には窓孔28が形成されている。なお、図5において矢印Xの延長線上で透光性部材27が途切れており、透光性部材27が略C状を成していても光学的性能に別段影響はないが、LEDユニット4を単体で取り扱うときにねじれを発生しやすくなり、強度面ではあまり好ましいとは言えない。なお、各金属板22は、図示されない金属フープ材などの所定の大面積の金属元板を切断することにより形成され、各金属板22が略矩形状であれば、実質的に材料ロスなく切断形成でき、実用性かつ経済性に極めて優れたものとなる。また、金属板22を径方向に所定幅をもつ略円弧状(最大でも略半円周にわたる略円弧状)に切断形成することもでき、この場合でも、略円弧状の金属板22を切断形成する際に、金属板22同士がオーバーラップしない限り、ぎりぎりまで近づけて金属元板から切断形成できるため、従来に比して材料ロスを大幅に低減でき、実用性かつ経済性に優れたものとなる。 ・・・ 【0021】 次に、図12は本発明の他の実施形態を示し、透光性部材27の先端側を凸の湾曲状としており、透光性部材27の使用量を節約できる。図13は本発明のさらに他の実施形態を示し、金属板22においてLEDチップ21が支持されていない裏面側に接するベース部材51を含み、このベース部材51は透光性部材27よりも高熱伝導性を有するものである。ベース部材51としては例えば、高熱伝導性であるポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)またはセラミック材料などを用いる。これによりLEDチップ21の発熱が金属板22とベース部材51を介して第二本体3に熱伝導しやすくなり、LEDチップ21の輝度を向上できる。なお、白色のセラミック材料を用いると光反射性がよいため、透光性部材27から外部に放射される光束を向上できる。また、ベース部材51は、図8(D)の段階でLEDユニット4の半製品4aと第四金型35の間の空間に充填成形すればよい。また、ベース部材51の外周部に外向きに開口する切り欠き29のある取付部30を一体的に設けてもよい。」 【図1】 [図:0001385215000012.jpg] 【図13】 [図:0001385215000013.jpg] 12 甲A13について 甲A13には図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0015】 図2に代表して示すように、本体1は、冷間圧延鋼板等の金属材料の平板から円形状に形成されており、略中央部に、後述する点灯装置3及び取付部4を配設するための円形状凹部11及び開口12が形成されている。 ・・・ 【0024】 点灯装置3は、図2及び図3に示すように、略短円筒状のケースと、このケース内に取付けられて収容された回路基板31と、この回路基板に実装された回路部品とを備えている。この点灯装置3は、本体1の中央部に形成された凹部11に配置され取付けられており、アダプタA側が電気的に接続されて、アダプタAを介して商用交流電源に接続される。したがって、点灯装置3は、この交流電源を受けて直流出力を生成し、リード線を介してその直流出力を発光素子22に供給し、発光素子22を点灯制御するようになっている。」 【図2】 [図:0001385215000014.jpg] 13 甲A14について 甲A14には図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0015】 図2に代表して示すように、本体1は、冷間圧延鋼板等の金属材料の平板から円形状に形成されており、略中央部に、後述する点灯装置3及び取付部4を配設するための円形状凹部11及び開口12が形成されている。 ・・・ 【0024】 点灯装置3は、図2及び図3に示すように、略短円筒状のケースと、このケース内に取付けられて収容された回路基板31と、この回路基板に実装された回路部品とを備えている。この点灯装置3は、本体1の中央部に形成された凹部11に配置され取付けられており、アダプタA側が電気的に接続されて、アダプタAを介して商用交流電源に接続される。したがって、点灯装置3は、この交流電源を受けて直流出力を生成し、リード線を介してその直流出力を発光素子22に供給し、発光素子22を点灯制御するようになっている。」 【図2】 [図:0001385215000015.jpg] 14 甲A15について 甲A15には図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0016】 図2に代表して示すように、本体1は、冷間圧延鋼板等の金属材料の平板から円形状に形成されており、略中央部に、後述する点灯装置3及び取付部4を配設するための円形状凹部11及び開口12が形成されている。 ・・・ 【0026】 点灯装置3は、図2及び図3に示すように、略短円筒状のケースと、このケース内に取付けられて収容された回路基板31と、この回路基板に実装された回路部品とを備えている。この点灯装置3は、本体1の中央部に形成された凹部11に配置され取付けられており、アダプタA側が電気的に接続されて、アダプタAを介して商用交流電源に接続される。したがって、点灯装置3は、この交流電源を受けて直流出力を生成し、リード線を介してその直流出力を発光素子22に供給し、発光素子22を点灯制御するようになっている。」 【図2】 [図:0001385215000016.jpg] 15 甲A16について 甲A16には図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0014】 図2に代表して示すように、本体1は、冷間圧延鋼板等の金属材料の平板から円形状に形成されており、略中央部に、後述する点灯装置3及び取付部4を配設するための円形状凹部11及び開口12が形成されている。 ・・・ 【0023】 点灯装置3は、図2及び図3に示すように、略短円筒状のケースと、このケース内に取付けられて収容された回路基板31と、この回路基板に実装された回路部品とを備えている。この点灯装置3は、本体1の中央部に形成された凹部11に配置され取付けられており、アダプタA側が電気的に接続されて、アダプタAを介して商用交流電源に接続される。したがって、点灯装置3は、この交流電源を受けて直流出力を生成し、リード線を介してその直流出力を発光素子22に供給し、発光素子22を点灯制御するようになっている。」 【図2】 [図:0001385215000017.jpg] 16 甲B1について (1)記載事項 甲B1の第9ページ以降には、平成20年8月27日に提出された手続補正書の内容として、図面とともに以下の事項が記載されている。 「【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 電子基板にLED発光体を配置した薄型の発光面と、ネジ付口金を取り付けた底下げ式のネジ付口金部を組み合わせた、着脱可能で薄型の構造をもつ着脱式薄型LED照明器具 【請求項2】 LED発光体を配置した電子基板の発光面を、鉛直方向と水平方向に傾斜をつけて取り付けたものとを組み合わせとした、請求項1に記載の着脱式薄型LED照明器具 【請求項3】 カップ型のつまみ内底部にネジ付口金を取り付け、LED発光体を配置した電子基板に組み合わせ、底下げ式ネジ付口金部とした請求項1に記載の着脱式薄型LED照明器具 ・・・ 【0004】 また、発光面が主に鉛直方向に向いており、天井等からの高さがあることから照射角が狭くなり照らす範囲が制限されることから、広範囲な明るさを必要とする場所には不向きである。 そこで、この考案は、照明器具全体の高さを低く抑えると共に照射角を広くし、広範囲に照らすことを課題とする。 ・・・ 【0010】 この考案は、LED発光体を配置した円盤状の電子基板と、その外周部にLED発光体を配置した別の電子基板を、傾斜をつけてとりつけることでより広範囲を照らすことができ、本体部分のカップ型の取り付けつまみの内側底に凸型のネジ付口金のオスを取り付け、突起状のネジ付口金のメスに取り付けつまみを覆い被せ、取り付けつまみの底部で口金を結合させることで、照明器具全体の高さを低くし薄型構造を可能としている。 【実施例】 【0011】 本考案の一実施形態を、図1より図5に示す。 図1は本考案の全体を示す斜視図であり、本体部(1)をネジ付口金メス(6)に取り付ける様子を示している。 【0012】 図2は本考案の側面図であり、図3は本考案の側面断面図である。 図3中のカップ型の取り付けつまみ部(4)の底部にネジ付口金オス(A)を取り付けており、図2における取り付け後の高さ(8)がネジ付口金メス(6)のそれとさほど変わらない高さにできる。 【0013】 図3のネジ付口金オス(A)より電源供給コネクタ(K)を通じて電子回路(C)へ電源(AC100V)を供給する。 【0014】 図2の本体外周傾斜部(3)は水平方向より上向きに傾斜をつけており、本体外周傾斜部(3)に配置したLED発光体(2)の照射範囲を水平方向に向けることが可能であり、全体の照射角A(9)を、図6に示す従来品の照射角B(J)よりも広範囲にすることを可能とした。 【0015】 図4は本考案の正面図であり、図中の本体部(1)水平面に配置したLED発光体(2)と本体外周傾斜部(3)に配置したLED発光体(2)により、正面全体に照射可能としている。 「実施形態の効果」 【0016】 図4は本考案の正面図である。図中の本体部(1)に表面透明カバー(5)を取り付けることで、LEDのグレアを軽減させると共に、LED発光体(2)の汚れ付着を防止、金属片混入等によるショートを防止する。 【0017】 図5は本考案の裏面図である。図中の本体部(1)の中心面を金属性の放熱板(B)を取り付けることにより、発熱を抑えると共に、本体部(1)全体の強度を補強する。 【0018】 図3における水抜き穴(F)を空けることで、何かしらの理由で取り付けつまみ部分(4)に水などが浸入しても、水抜き穴(F)より排水されるので漏電等を防止する。 【0019】 図3における高さ調整ネジ(I)を設けることで、図2における高さ(8)を調整できる。 【0020】 図3における電子回路(C)に人感センサーユニットを組み合わせることで、自動に点灯・消灯ができる。」 【図1】 [図:0001385215000018.jpg] 【図2】 [図:0001385215000019.jpg] 【図3】 [図:0001385215000020.jpg] (2)認定事項 ア 段落【0010】の「LED発光体を配置した円盤状の電子基板と、その外周部にLED発光体を配置した別の電子基板」との記載及び図3から、LED照明器具が、本体部1とカップ型の取り付けつまみ部4と電子基板と別の電子基板と電子回路Cとを備えることが認定できる。 イ 段落【0015】の「本体部(1)水平面に配置したLED発光体(2)」との記載及び図1~3から、本体外周部Dと本体外周傾斜部3と略中央部に開口を有する水平面とで構成される本体部1が認定できる。 ウ 段落【0010】の「カップ型の取り付けつまみの内側底に凸型のネジ付口金のオスを取り付け、突起状のネジ付口金のメスに取り付けつまみを覆い被せ、取り付けつまみの底部で口金を結合させる」との記載及び図1~3から、カップ型の取り付けつまみ部4は、背面側開口を有し、底部にネジ付口金オスAを取り付けており、略円筒状に形成され、本体部1の開口に取付けられ、前面側に延出されること、ネジ付口金オスAはネジ付口金のメス6に結合されることが認定できる。 エ 段落【0010】の「LED発光体を配置した円盤状の電子基板と、その外周部にLED発光体を配置した別の電子基板」との記載、段落【0015】の下線部の記載及び図1~3から、本体部1の水平面に配置した複数のLED発光体2を配置した円盤状の電子基板及び本体外周傾斜部3に配置した複数のLED発光体2を配置した別の電子基板が認定できる。また、別の電子基板は、本体部1の水平面の開口を囲むように配置され、本体部1の略中央部前方から見て、別の電子基板は、カップ型の取り付けつまみ部4の外周側で電子回路Cの外側に位置することが認定できる。 オ 図3から、カップ型の取り付けつまみ部4の外周側と、カップ型の取り付けつまみ部4の外周と対向する本体外周傾斜部3と本体部1の水平面とで形成された空間に配置された電子回路Cが認定できる。 カ 図3から、本体部1の略中央部前方から見て、電子回路Cは、カップ型の取り付けつまみ部4の外周側に位置することが認定できる。 (3)甲B1発明 上記(1)及び(2)から、甲B1には、以下の発明(以下「甲B1発明」という。)が記載されていると認められる。 「 本体外周部Dと本体外周傾斜部3と略中央部に開口を有する水平面とで構成される本体部1と、 背面側開口を有し、底部にネジ付口金オスAを取り付けており、略円筒状に形成され、本体部1の水平面の開口に取付けられ、前面側に延出されるカップ型の取り付けつまみ部4と、 本体部1の水平面に配置した複数のLED発光体2を配置した円盤状の電子基板及び本体外周傾斜部3に配置した複数のLED発光体2を配置した別の電子基板と、 カップ型の取り付けつまみ部4の外周側と、カップ型の取り付けつまみ部4の外周と対向する本体外周傾斜部3と本体部1の水平面とで形成された空間に配置された電子回路Cと、 を備え、 ネジ付口金オスAはネジ付口金のメス6に結合され、 別の電子基板は、本体部1の開口を囲むように配置され、本体部1の略中央部前方から見て、別の電子基板は、カップ型の取り付けつまみ部4の外周側で電子回路Cの外側に位置し、 本体部1の略中央部前方から見て、電子回路Cは、カップ型の取り付けつまみ部4の外周側に位置し、 電子回路Cに人感センサーユニットを組み合わせることで、自動に点灯・消灯ができる、 LED照明器具。」 17 甲B2について 甲B2には図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0010】 本照明器具を取り付けるには、引掛ローゼット10に対して孔8を位置合わせしてからグローブ6のない状態の本照明器具を押し上げるとよい。そうすると、下面を斜面とした係止部11に対して先端上面を斜面とした被係止部13がバネ14の付勢方向に逆らって後退してから、図1のように被係止部13は係止部11の上面に係止されるようになる。そして、点灯制御回路部5に給電する引掛プラグ15を引掛ローゼット10下面の一対の給電用円弧孔(図示せず)に差し込んで所定角度回転して受電する。受電された交流電源はコード16を介して点灯制御回路部5に給電される。また、本照明器具を取り外すには、引掛プラグ15を引掛ローゼット10から前記とは反対方向に回転して取り外してから、被取付具12下面の孔17から突出するように被係止部13から下方に向けて形成した操作部18を指で外向きに後退させるとよい。 【0011】 なお、以上例示した照明器具の天井取り付け機構はごく一例に過ぎず、天井に固定した一般的な角形や丸形の引掛ローゼットの下面に着脱可能なアダプタを介して照明器具を取り付けたり、天井に固定した金具に照明器具を取り付けたり、天井に対して照明器具をねじにより取り付けたりするなど、種々の取り付け機構を採用できるものである。」 【図1】 [図:0001385215000021.jpg] 18 甲B3について 甲B3には図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0002】 近年、蛍光灯照明装置に伴なう欠点、例えば、寿命末期のちらつきや不点灯、あるいは、高消費電力といった欠点を克服するため、LEDを実装したLED照明装置が提案されて、広く実用化されている。 【0003】 図9には、そのような従来の蛍光灯形LED照明装置の一例(特許文献1)が示されている。図示のように、このLED照明装置は、筐体106を備える装置本体100と、装置本体100を封止するための口金104と、蛍光灯の安定器から電力を受けるための端子105と、LED102を実装したプリント基板101と、プリント基板101を端子105に固定するための端子固定基板103と、プリント基板101を固定するためのソケット端子107,108と、一方のソケット端子108を固定し且つ他方のソケット端子107と電気的に接続するためのジョイント基板109と、プリント基板101を載置するための基板固定柱110と、照明カバー111と、端子固定基板103に設けられ且つプリント基板101を固定するためのソケット端子112と、プリント基板101に設けられ且つソケット端子112に挿入される基板ソケット端子113とを備えている。そして、この構成では、蛍光灯の安定器から端子105を通じて供給された交流電力が、端子固定基板103およびプリント基板101上の電気配線を介して、プリント基板101上に実装されたLED102へ供給され、LED102が点灯される。 ・・・ 【0035】 また、図7は、第1の実施形態の構成を丸型のシーリングタイプのLED照明装置に適用した例を示している。このLED照明装置1Cは、互いに所定の角度を成す2つのLED実装面、すなわち、円形の平板状のLED実装面6(底面)と、このLED実装面6の外周縁から上方へ斜め外側に立ち上がる曲面状のLED実装面6’(周側面)とから成る配線基板4Cが照明カバー32に覆われた状態で天井20のシーリング取り付け部30に取り付けられて成り、各LED実装面6,6’には多数のLED2が円形の列を成して配列されている。」 【図7】 [図:0001385215000022.jpg] 【図9】 [図:0001385215000023.jpg] 19 甲B4について 甲B4には図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0060】第8実施形態のLED照明装置18は、図12に示すように、器具外郭112、LEDユニット113およびレンズ体114を第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態との相違点として、本体111にLED電源供給部110を内蔵した電源内蔵型本体181を備えている。 【0061】上記構成の第8実施形態でも、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、第8実施形態の構成では、LED電源供給部110を別置した場合と比べて、LED照明装置の高さが高くなる欠点があるが、天井裏からの交流電源をLED照明装置に直接接続することができるので、一般家庭で使用されているシーリング器具としての展開が容易にできる。 ・・・ 【0068】上記構成の第10実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られるほか、電源内蔵型本体181がエジソンベースソケットES1,ES2を介して商用電源に接続されるので、LED照明装置20を既存の白熱灯置き換えの照明器具として使用可能となる。」 【図12】 [図:0001385215000024.jpg] 【図14】 [図:0001385215000025.jpg] 第5 当審の判断 1 申立理由A1について 申立人Aは、本件発明は、「空間」が器具本体の背面側に存在する態様に加え、前面側に存在する態様も含むが、「空間」が器具本体の前面側に存在する態様は、明細書及び図面に記載されておらず、本件発明の「簡素化された構成」との課題を解決しないから、本件発明は、発明の詳細な説明に記載されたものでないと主張する。 以下、上記主張について検討する。 前記「空間」について、本件特許の請求項1において「アダプタガイドの外周側と、前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部と、により形成された空間」と特定されている。前記「凹部」について、発明の詳細な説明には、段落【0014】に「本体1は、冷間圧延鋼板等の金属材料の平板から円形状に形成されており、略中央部に、後述する点灯装置3及び取付部4を配設するための円形状凹部11及び開口12が形成されている。」と記載され、段落【0023】に「この点灯装置3は、本体1の中央部に形成された凹部11に配置され取付けられており、アダプタA側が電気的に接続されて、アダプタAを介して商用交流電源に接続される。」と記載されている。また、図2には、「凹部11」が本体1に対して前面側にへこむように形成されて「空間」が器具本体の背面側に存在する態様が図示されている。 上記発明の詳細な説明の記載において、「空間」を形成するための「凹部11」について、本体1に対するへこみの方向は何ら特定されていないし、「凹部11」を背面側にへこむように形成することを排除する明示的な記載もない。そして、その技術的意味を検討すると、「空間」は点灯装置3を配置するためのものであって、そのために「凹部11」は、アダプタガイドの外周と対向する壁を有するようにへこむのであるから、そのへこみの方向はアダプタガイドの外周と対向する壁が形成される方向、すなわち背面側ないし前面側であればよく、前面側でなければならないという理由は見出せない。 また、本件発明は「基板21が取付部4の周囲に位置して、発光素子22の実装面が前面側に向けられて配設されている」との構成により「簡素化された構成」との課題を解決するものである(段落【0033】)から、「凹部11」が本体1に対して背面側にへこむように形成されて「空間」が器具本体の前面側に存在する態様とした場合においても「簡素化された構成」との課題を解決できるものと認められる。 そうすると、「凹部11」のへこみの方向及び「空間」の位置に関して、図2に示される態様はその一例であると理解することができるし、発明の詳細な説明の記載において「凹部11」の本体1に対するへこみの方向が特定されていないことからも、「凹部11」が本体1に対して背面側にへこむように形成されて「空間」が器具本体の前面側に存在する態様は、発明の詳細な説明に記載したものといえる。 したがって、本件発明は、発明の詳細な説明に記載したものである。 2 申立理由A2について (1)申立人Aは、器具本体の開口に対して、アダプタガイドのどの部分がどのように取り付けられているのか不明であると主張する。 しかしながら、「器具本体の開口」と「アダプタガイド」との関係について、請求項1において「前面側開口および背面側開口を有して略円筒状に形成され、前記器具本体の開口に取付けられ、前面側に延出されている、取付部としてのアダプタガイド」と記載されており、この記載から、「アダプタガイド」の「略円筒状」の部位が、「器具本体の開口」に取り付けられていることが理解できるので、本件発明は明確であり、上記主張は失当であるから採用できない。 (2)申立人Aは、「基板」の配置について、「空間」の内であるのか外であるのか不明であると主張する。 しかしながら、請求項1には、「前記基板は、前記アダプタガイドの外周側で前記点灯装置の外側に位置する」と記載されており、「基板」と「アダプタガイドの外周側」、「点灯装置」との配置関係は明確に特定されており、また、「前記アダプタガイドの外周側と、前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部と、により形成された空間に配置され、かつ前記アダプタガイドの外周に沿う(略)点灯装置」と記載されており、「アダプタガイドの外周側」と「凹部」、「空間」、「点灯装置」の配置関係は明確に特定されているといえる。してみると、「基板」と「空間」はこれらの配置関係の条件を満たすように配置されればよいことは明確であるので、上記主張は失当であるから採用できない。 3 申立理由A3について 3-1 甲A1を主引用文献とする場合 (1)対比 本件発明と甲A1発明とを対比する。 ア 甲A1発明の「照明器具」は、本件発明の「照明器具」に相当する。 イ 甲A1発明の「中央には円形の開口部13が上下方向に開口形成され」た「器具本体11」は、本件発明の「略中央部に開口を有する器具本体」に相当する。 ウ 甲A1発明の「アダプタ26」は「連結部を介して器具本体11に一体的に固定される」から、甲A1発明の「連結部」と本件発明の「前面側開口および背面側開口を有して略円筒状に形成され、前記器具本体の開口に取付けられ、前面側に延出されている、取付部としてのアダプタガイド」とは、「取付部」という点で共通する。 エ 甲A1発明の「放電灯点灯装置25」と、本件発明の「前記アダプタガイドの外周側と、前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部と、により形成された空間に配置され、かつ前記アダプタガイドの外周に沿う、前記複数の発光素子を点灯制御する点灯装置」とは、「点灯装置」という点で共通する。 オ 上記イ~エの相当関係を踏まえると、甲A1発明が「器具本体」、「連結部」及び「放電灯点灯装置25」の構成を有することと、本件発明が「略中央部に開口を有する器具本体と;前面側開口および背面側開口を有して略円筒状に形成され、前記器具本体の開口に取付けられ、前面側に延出されている、取付部としてのアダプタガイドと;複数の発光素子が実装され、前記発光素子の実装面が前面側へ向けられ、前記器具本体の開口を囲むように前記器具本体に配設された基板と;前記アダプタガイドの外周側と、前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部と、により形成された空間に配置され、かつ前記アダプタガイドの外周に沿う、前記複数の発光素子を点灯制御する点灯装置と;を具備」することとは、「略中央部に開口を有する器具本体と、取付部と、点灯装置とを具備」するという点で共通する。 カ 甲A1発明の「器具本体11の略中央部下方から見て、放電灯点灯装置25は、連結部の外周側に位置する」ことと、本件発明の「前記器具本体の略中央部前方から見て、前記点灯装置は、前記アダプタガイドの外周側に位置し、前記基板は、前記アダプタガイドの外周側で前記点灯装置の外側に位置する」こととは、「器具本体の略中央部前方から見て、点灯装置は、取付部の外周側に位置」するという点で共通する。 以上のことから、本件発明と甲A1発明との一致点、相違点は次のとおりと認められる。 <一致点A1> 「 略中央部に開口を有する器具本体と、 取付部と、 点灯装置と、 を具備し、 前記器具本体の略中央部前方から見て、前記点灯装置は、前記アダプタガイドの外周側に位置する、 照明器具。」 <相違点A1-1> 取付部について、本件発明では、「前面側開口および背面側開口を有して略円筒状に形成され、前記器具本体の開口に取付けられ、前面側に延出されている、取付部としてのアダプタガイド」であるのに対して、甲A1発明ではそのように特定されていない点。 <相違点A1-2> 本件発明では、「複数の発光素子が実装され、前記発光素子の実装面が前面側へ向けられ、前記器具本体の開口を囲むように前記器具本体に配設された基板」を具備し、「器具本体の略中央部前方から見て」、「前記基板は、前記アダプタガイドの外周側で前記点灯装置の外側に位置する」のに対して、甲A1発明では、「環状蛍光ランプ1」が「器具本体11」の「環状の段部16」に「配設される」点。 <相違点A1-3> 点灯装置について、本件発明では、「前記アダプタガイドの外周側と、前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部と、により形成された空間に配置され、かつ前記アダプタガイドの外周に沿う、前記複数の発光素子を点灯制御する」のに対して、甲A1発明では、「器具本体11の収納部15の環状の空間14」に「配設され」る「放電灯点灯装置25」である点。 (2)判断 まず、相違点A1-1及び相違点A1-3をまとめて検討する。 前面側開口及び背面側開口を有して略円筒状に形成された取付部としてのアダプタガイドは親出願日前に周知技術であったものと認められる(甲A5~A8)。 しかしながら、上記周知技術は、アダプタを、アダプタガイドに嵌合させたり、アダプタの係合突部に係合させたりするものであり、その根拠として提出された甲A5~A8にも示されたように、アダプタとアダプタガイドとが、嵌合ないし係合突部により係合できるよう十分に近接しているものであるところ、甲A1発明のアダプタ26と収納部15との間の開口部13の空間は、甲A1の図2からも看取できるように、ある程度の距離だけ離れた構造となっている。そうすると、仮に甲A1発明に上記周知技術が適用できたとしても、収納部25の環状の空間14における放電電灯装置25の配設位置についてはあえて変更する必要はなく、アダプタ26と収納部15との間の開口部13に、アダプタ26を嵌合ないし係合突部により係合できるアダプタガイドを新たに設けるよう構成するのが自然である。してみると、アダプタガイドの外周側と収納部25の径方向内側の壁との間に配置しなければならないとする動機付けがあるとはえいず、少なくとも上記相違点A1-3に係る本件発明の構成のうち「点灯装置」が「前記アダプタガイドの外周側と、前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部と、により形成された空間に配置され」るとの構成には至らない。 また、従来の蛍光灯にLED光源を取り付けることや実装面が前面側に向けて配置されたリング状LED基板は親出願日前に周知技術であると認められる(甲A9~A12)が、甲A1発明に当該周知技術を適用できたとしても上記相違点A1-3に係る本件発明の構成に至らないことは明らかである。 申立人Aは、甲A1発明に周知のアダプタガイドを適用した場合、アダプタガイドによって収納部15の内壁を兼ねるべく、内壁と一体化させてアダプタガイドを内壁とすることが自然であると主張する。 しかしながら、甲A1の図1からみて、収納部15の内壁と一体化したアダプタガイドとすると、その径はアダプタ28の径より一定程度大きく、取付部として機能できないおそれがあるから、そのようにすることが自然であるとはいえない。また、収納部15の内壁と一体化したアダプタガイドは、器具本体11と一体であるから器具本体の開口に「取付けられ」るものとはいえず、アダプタガイドを収納部15の内壁と一体化したとしても上記相違点A1-3に係る本件発明の構成には至らない。 よって、本件発明は、相違点A1-2について検討するまでもなく、甲A1発明、周知技術(甲A5~A8)及び周知技術(甲A9~A12)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。 3-2 甲A2を主引用文献とする場合 (1)対比 本件発明と甲A2発明とを対比する。 ア 甲A2発明の「照明器具」は、本件発明の「照明器具」に相当する。 イ 甲A2発明の「中心部に開口を有」する「器具本体1」は、本件発明の「略中央部に開口を有する器具本体」に相当する。 ウ 甲A2発明において「アダプタ本体10aは筒部11に挿入されて筒部11の受け部に係脱」するから、甲A2発明の「下面側開口および上面側開口を有して略円筒状に形成され、器具本体1の開口に取付けられ、器具本体1の中心部において下面側に突出」する「筒部11」は、本件発明の「前面側開口および背面側開口を有して略円筒状に形成され、前記器具本体の開口に取付けられ、前面側に延出されている、取付部としてのアダプタガイド」に相当する。 エ 甲A2発明の「点灯装置2」と本件発明の「前記アダプタガイドの外周側と、前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部と、により形成された空間に配置され、かつ前記アダプタガイドの外周に沿う、前記複数の発光素子を点灯制御する点灯装置」とは「点灯装置」という点で共通する。 オ 上記イ~エの相当関係を踏まえると、甲A2発明が「器具本体1」、「筒部11」及び「点灯装置2」の構成を有することと、本件発明が「略中央部に開口を有する器具本体と;前面側開口および背面側開口を有して略円筒状に形成され、前記器具本体の開口に取付けられ、前面側に延出されている、取付部としてのアダプタガイドと;複数の発光素子が実装され、前記発光素子の実装面が前面側へ向けられ、前記器具本体の開口を囲むように前記器具本体に配設された基板と;前記アダプタガイドの外周側と、前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部と、により形成された空間に配置され、かつ前記アダプタガイドの外周に沿う、前記複数の発光素子を点灯制御する点灯装置と;を具備」することとは、「略中央部に開口を有する器具本体と、前面側開口および背面側開口を有して略円筒状に形成され、前記器具本体の開口に取付けられ、前面側に延出されている、取付部としてのアダプタガイドと、点灯装置とを具備」するという点で共通する。 カ 甲A2発明の「点灯装置2の回路基板21」が「器具本体1の略中央下面側から見て、筒部11の外周側に位置する」ことと、本件発明の「前記器具本体の略中央部前方から見て、前記点灯装置は、前記アダプタガイドの外周側に位置し、前記基板は、前記アダプタガイドの外周側で前記点灯装置の外側に位置する」こととは、「器具本体の略中央部前方から見て、点灯装置は、アダプタガイドの外周側に位置」するという点で共通する。 以上のことから、本件発明と甲A2発明との一致点、相違点は次のとおりと認められる。 <一致点A2> 「 略中央部に開口を有する器具本体と、 前面側開口および背面側開口を有して略円筒状に形成され、前記器具本体の開口に取付けられ、前面側に延出されている、取付部としてのアダプタガイドと、 点灯装置と、 を具備し、 前記器具本体の略中央部前方から見て、前記点灯装置は、前記アダプタガイドの外周側に位置する、 照明器具。」 <相違点A2-1> 本件発明では、「複数の発光素子が実装され、前記発光素子の実装面が前面側へ向けられ、前記器具本体の開口を囲むように前記器具本体に配設された基板」を具備し、「器具本体の略中央部前方から見て」、「前記基板は、前記アダプタガイドの外周側で前記点灯装置の外側に位置する」のに対して、甲A2発明では、「ランプとしての環形の2本の蛍光ランプLa」が「器具本体1の下面側に結合される反射板4」の「下方に配置される」点。 <相違点A2-2> 点灯装置について、本件発明では、「前記アダプタガイドの外周側と、前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部と、により形成された空間に配置され、かつ前記アダプタガイドの外周に沿う、前記複数の発光素子を点灯制御する」のに対して、甲A2発明では、「筒部11の外周側と、器具本体1の下面中央部に形成されて筒部11の外周と対向する立壁14との間に配置され」、「蛍光ランプLaを点灯させる電力を供給する」点。 (2)判断 事案に鑑み相違点A2-2から検討する。 甲A2発明は、そもそも、本件発明の「凹部」及び「空間」に対応する発明特定事項を有していないし、また、甲A2には「立壁14」をあえて凹部とすることについて記載も示唆もされていない。そうすると、甲A2の記載を検討しても、甲A2発明において上記相違点A2-2に係る本件発明の構成に変更する動機付けがあるとはいえず、また、そのような変更を容易想到とする証拠も見当たらない。 また、前面側開口及び背面側開口を有して略円筒状に形成された取付部としてのアダプタガイドは親出願日前に周知技術(甲A5~A8)であり、従来の蛍光灯にLED光源を取り付けることや実装面が前面側に向けて配置されたリング状LED基板は親出願日前に周知技術(甲A9~A12)であると認められるが、甲A2発明に上記周知技術(甲A5~A8)及び周知技術(甲A9~A12)を適用できたとしても上記相違点A2-2に係る本件発明の構成に至らないことは明らかである。 よって、本件発明は、相違点A2-1について検討するまでもなく、甲A2発明、周知技術(甲A5~A9)及び周知技術(甲A5~A9)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。 3-3 甲A3を主引用文献とする場合 (1)対比 本件発明と甲A3発明とを対比する。 ア 甲A3発明の「天井直付型照明器具」は、本件発明の「照明器具」に相当する。 イ 甲A3発明の「下面中央に膨出された凸面30の中央には開口孔37が形成され」た「本体1」は、本件発明の「略中央部に開口を有する器具本体」に相当する。 ウ 甲A3発明の「開口孔37を取り巻くように」「凸面30の下面に固定され」た「リング38」は、甲A3の図8も踏まえると、「開口孔37」に取り付けられ、「下面」側に延出しているといえる。また、甲A3発明は「取り付けの際に、本体1を押し上げると、開口孔37及びリング38の内周面がアダプター41の両側にバネ42で突出付勢された係止部43を後退させるため、そのまま本体1を押し上げると、係止部43はもとの突出状態に戻り、リング38を介して本体1を支持するようにな」るから、「リング38」は「アダプター41」に取り付けられるものと認められる。そうすると、甲A3発明の「リング38」は、かかる構成を有し、「下面側開口および上面側開口を有して略円筒状に形成され」ているから、本件発明の「前面側開口および背面側開口を有して略円筒状に形成され、前記器具本体の開口に取付けられ、前面側に延出されている、取付部としてのアダプタガイド」に相当する。 エ 甲A3発明の「点灯回路基板2」と、本件発明の「前記アダプタガイドの外周側と、前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部と、により形成された空間に配置され、かつ前記アダプタガイドの外周に沿う、前記複数の発光素子を点灯制御する点灯装置」とは、「点灯装置」という点で共通する。 オ 上記イ~エの相当関係を踏まえると、甲A3発明が「本体1」、「リング38」及び「点灯回路基板2」の構成を有することと、本件発明が「略中央部に開口を有する器具本体と;前面側開口および背面側開口を有して略円筒状に形成され、前記器具本体の開口に取付けられ、前面側に延出されている、取付部としてのアダプタガイドと;複数の発光素子が実装され、前記発光素子の実装面が前面側へ向けられ、前記器具本体の開口を囲むように前記器具本体に配設された基板と;前記アダプタガイドの外周側と、前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部と、により形成された空間に配置され、かつ前記アダプタガイドの外周に沿う、前記複数の発光素子を点灯制御する点灯装置と;を具備」することとは、「略中央部に開口を有する器具本体と、前面側開口および背面側開口を有して略円筒状に形成され、前記器具本体の開口に取付けられ、前面側に延出されている、取付部としてのアダプタガイドと、点灯装置とを具備」するという点で共通する。 カ 甲A3発明の「点灯回路基板2」が「本体1の略中央下面側から見て、リング38の外周側に位置する」ことと、本件発明の「前記器具本体の略中央部前方から見て、前記点灯装置は、前記アダプタガイドの外周側に位置し、前記基板は、前記アダプタガイドの外周側で前記点灯装置の外側に位置する」こととは、「器具本体の略中央部前方から見て、点灯装置は、アダプタガイドの外周側に位置」するという点で共通する。 以上のことから、本件発明と甲A3発明との一致点、相違点は次のとおりと認められる。 <一致点A3> 「 略中央部に開口を有する器具本体と、 前面側開口および背面側開口を有して略円筒状に形成され、前記器具本体の開口に取付けられ、前面側に延出されている、取付部としてのアダプタガイドと、 点灯装置と、 を具備し、 前記器具本体の略中央部前方から見て、前記点灯装置は、前記アダプタガイドの外周側に位置する、 照明器具。」 <相違点A3-1> 本件発明では、「複数の発光素子が実装され、前記発光素子の実装面が前面側へ向けられ、前記器具本体の開口を囲むように前記器具本体に配設された基板」を具備し、「器具本体の略中央部前方から見て」、「前記基板は、前記アダプタガイドの外周側で前記点灯装置の外側に位置する」のに対して、甲A3発明では、「環状の蛍光ランプが、本体1の下面において凹面17より外側に取付けられた反射板33の下面に配置され」る点。 <相違点A3-2> 点灯装置について、本件発明では、「前記アダプタガイドの外周側と、前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部と、により形成された空間に配置され、かつ前記アダプタガイドの外周に沿う、前記複数の発光素子を点灯制御する」のに対して、甲A3発明では、「点灯回路基板2が取付けられた絶縁板3は本体1の凹面17に取付けられ」、「点灯回路基板2」は「蛍光ランプを点灯する高周波インバータからな」る点。 (2)判断 事案に鑑み相違点A3-2から検討する。 甲A3発明において「点灯回路基板2」は、「絶縁板3」に「取付けられた」上で「本体1の凹面17に取付けられ」ているから、「点灯回路基板2」は「本体1の凹面17」により形成された空間に配置されているといえる。 そして、甲A3発明の「リング38」は「本体1を支持する」ための部材であるから上記「空間」を形成するものではないし、甲A3の記載を検討しても、「リング38」により上記「空間」を形成する構成に変更する動機付けがあるとはいえず、また、そのような変更を容易想到とする証拠も見当たらない。 また、前面側開口及び背面側開口を有して略円筒状に形成された取付部としてのアダプタガイドは親出願日前に周知技術(甲A5~A8)であり、従来の蛍光灯にLED光源を取り付けることや実装面が前面側に向けて配置されたリング状LED基板は親出願日前に周知技術(甲A9~A12)であると認められるが、甲A3発明に上記周知技術(甲A5~A8)及び周知技術(甲A9~A12)を適用できたとしても上記相違点A3-2に係る本件発明の構成に至らないことは明らかである。 よって、本件発明は、相違点A3-1について検討するまでもなく、甲A3発明、周知技術(甲A5~A9)及び周知技術(甲A5~A9)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。 4 申立理由A4について (1)分割要件について 申立人Aは、本件発明は、「空間」が器具本体の背面側に存在する態様に加え、前面側に存在する態様も含むが、「空間」が器具本体の前面側に存在する態様は、親出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、それぞれ、「当初明細書」、「当初特許請求の範囲」、「当初図面」といい、まとめて「当初明細書等」ということもある。)、分割出願1の当初明細書等、分割出願2の当初明細書等、分割出願3の当初明細書等のいずれにも記載されていないから、本件特許出願は分割要件を満たしていないと主張している。 まず、分割出願3の当初明細書等の記載について検討する。 分割出願3の当初明細書及び当初特許請求の範囲には「空間」とは明記されていないが、当初図面の図2から、アダプタガイド4の外周側と、アダプタガイド4の外周と対向する壁を有して本体1に設けられた「凹部11」とにより形成された「空間」が看取される。ここで、当該図2においては、「凹部11」が本体1に対して前面側にへこむように形成され、「空間」が器具本体の背面側に存在する態様が図示されている。 上記「凹部11」に関して、当初明細書には、段落【0014】に「本体1は、冷間圧延鋼板等の金属材料の平板から円形状に形成されており、略中央部に、後述する点灯装置3及び取付部4を配設するための円形状凹部11及び開口12が形成されている。」と記載され、段落【0023】に「この点灯装置3は、本体1の中央部に形成された凹部11に配置され取付けられており、アダプタA側が電気的に接続されて、アダプタAを介して商用交流電源に接続される。」と記載されている。 上記当初明細書の記載において、「空間」を形成するための「凹部11」について、本体1に対するへこみの方向は何ら特定されていないし、「凹部11」を背面側にへこむように形成することを排除する明示的な記載もない。また、その技術的意味を検討すると、「空間」は点灯装置3を配置するためのものであって、そのために「凹部11」は、アダプタガイドの外周と対向する壁を有するようにへこむのであるから、そのへこみの方向はアダプタガイドの外周と対向する壁が形成される方向、すなわち背面側ないし前面側であればよく、前面側でなければならないという理由は見出せない。 そうすると、当初明細書等の記載において「凹部11」のへこみの方向及び「空間」の位置に関して、図2に示される態様はその一例であると理解することができるし、当初明細書の記載において「凹部11」の本体1に対するへこみの方向が特定されていないことからも、本件発明が、「空間」が器具本体の前面側に存在する態様を含むことは、分割出願3の当初明細書等の記載を総合して導き出される技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものとは認められない。 したがって、本件特許出願は分割出願3に対して分割要件を満たしている。 また、親出願、分割出願1、分割出願2及び分割出願3の当初明細書及び当初図面の内容は、特に当初明細書の【発明を実施するための形態】の記載と当初図面の内容が同じであることから、申立人Aも主張するように実質的に同じ内容である。そうすると、本件特許出願は、同様に、親出願、分割出願1及び分割出願2に対して分割要件を満たしていると認められる。 (2)本件特許出願の出願日について 上記(1)のとおり、本件特許出願は親出願、分割出願1、分割出願2及び分割出願3に対して分割要件を満たしているから、その出願日は平成22年10月12日である。 (3)特許法第29条第1項第3号に対する判断 甲A4は、平成24年4月26日に公開されたものであり、本件特許出願の出願日より後に公開された刊行物である。 したがって、本件発明は、甲A4に記載された発明として特許法第29条第1項第3号に該当するものではない。 5 申立理由B1について (1)申立理由B1の概要 申立理由B1の概要は次のとおりである。 ア 「器具本体」について 請求項1に記載の「器具本体」に対応する段落【0029】及び【0030】に記載の「器具本体」は、「アダプタガイド」、「基板」及び「点灯装置」を具備するから、請求項1に記載の「照明器具」は、「アダプタガイド」、「基板」及び「点灯装置」を重複して具備することになり、明確でない。 イ 「凹部」及び「空間」について 器具本体に設けられたへこみとしての「凹部」と、器具本体の略中央部に有する開口に取付けられた「アダプタガイドの外周側」とでどのような空間が形成されるのか明確でないから、請求項1の記載から「凹部」及び「空間」の構成が特定できない。また、本件明細書に記載された「本体1」を請求項1の「器具本体」と同一のものと仮定したとしても、「器具本体」にへこみとしての「凹部」を設けることは、本件明細書に実質的に記載されていないから「凹部」の構成が特定できず、そのため、「空間」の構成も特定できない。 (2)判断 ア 上記(1)アについて 請求項1には、「照明器具」が、「器具本体」と「アダプタガイド」と「基板」と「点灯装置」とを「具備」することが記載されており、この記載から、「器具本体」と「アダプタガイド」と「基板」と「点灯装置」は、それぞれ別体の部材であることが理解できるし、「器具本体」が「アダプタガイド」、「基板」及び「点灯装置」を具備していると解することはできない。 また、請求項1の「略中央部に開口を有する器具本体」、「前記器具本体の開口に取付けられ、前面側に延出されている、取付部としてのアダプタガイド」及び「前記器具本体の開口を囲むように前記器具本体に配設された基板」との記載、段落【0014】の「本体1は、冷間圧延鋼板等の金属材料の平板から円形状に形成されており、略中央部に、後述する点灯装置3及び取付部4を配設するための円形状凹部11及び開口12が形成されている。」との記載、段落【0024】の「また、アダプタガイドは、本体1の開口12を挿通して前面側に延出されている。」との記載、図2及び3から回路基板31が開口12を囲むように配設されていることが看取できることから、請求項1の「器具本体」は、発明の詳細な説明に記載の「本体1」に対応するものであることが当然に理解できる。 そして、発明の詳細な説明の記載を見ても、段落【0013】の「照明器具は、本体1と、光源部2と、点灯装置3と、取付部4と、カバー部材と、反射板6とを備えている。」との記載、段落【0023】の「点灯装置3は、図2及び図3に示すように、略短円筒状のケースと、このケース内に取付けられて収容された回路基板31と、この回路基板に実装された回路部品とを備えている。」との記載、図2及び3から、「照明器具」が、「取付部4」としての「アダプタガイド」、「基板(回路基板31)」及び「点灯装置3」を重複して具備していないことは明らかである。 よって、上記(1)アの主張は失当であり、採用できない。 イ 上記(1)イについて 請求項1の「前記アダプタガイドの外周側と、前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部と、により形成された空間」との記載から、「器具本体」に「アダプタガイドの外周と対向する壁を有」するような「凹部」が形成されていること、「アダプタガイドの外周側」すなわちアダプタガイドの外周面を形成する壁と「凹部」の「アプタガイドの外周と対向する壁」との間に「空間」が形成されていることがわかるし、図2にもそのような「凹部」及び「空間」が見てとれる。 したがって、請求項1に記載の「凹部」及び「空間」は明確である。 よって、上記(1)イの主張は失当であり、採用できない。 6 申立理由B2について (1)申立理由B2の概要 申立理由B2は請求項1の「凹部」に関するものであり、その概要は次のとおりである。 ア 発明の詳細な説明に記載された「本体1の略中央部乃至中央部に形成された凹部」と、請求項1の「器具本体に設けられた凹部」との異同は、必ずしも明確でない。 イ 発明の詳細な説明には、「器具本体の開口に取付けられ、前面側に延出されている、(取付部としての)アダプタガイド」と器具本体の両方で「凹部」を形成する旨の記載は全く存在しない。 ウ 発明の詳細な説明には、「器具本体の開口」と「凹部」の両者を器具本体の略中央部乃至中央部にどのように形成するかについて具体的な記載は存在しない。 エ 本件の図面にも、へこみを意味するような「凹部」を器具本体に形成することについては全く記載されていない。 (2)判断 ア 上記(1)アについて 請求項1には「前記アダプタガイドの外周側と、前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部」と記載されている。 請求項1に記載の「器具本体」は、発明の詳細な説明の「本体1」に対応するものであり(上記5(2)ア)、段落【0023】には「本体1の中央部に形成された凹部11」と記載され、図2から、取付部4(アダプタガイド)の外周と対向する壁を有して本体1に設けられた凹部11が看取できる。 したがって、請求項1の「凹部」は発明の詳細な説明の記載の「凹部11」に対応する部位であると認められる。 よって、上記(1)アの主張は失当であり、採用できない。 イ 上記(1)イについて 請求項1には「前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部」と記載されおり、サポート要件を満たすものである。そして、請求項1には、上記(1)イの主張のような記載、つまり、「器具本体の開口に取付けられ、前面側に延出されている、(取付部としての)アダプタガイド」と器具本体の両方で「凹部」を形成することについては記載されておらず、当該主張は特許請求の範囲の記載に基づかないものである。 よって、上記(1)イの主張は失当であり、採用できない。 ウ 上記(1)ウ及びエについて 請求項1には、「略中央に開口を有する器具本体」、「前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部」と記載されている。 請求項1に記載の「器具本体」は、発明の詳細な説明の「本体1」に対応するものであり(上記5(2)ア)、段落【0014】には「本体1は、冷間圧延鋼板等の金属材料の平板から円形状に形成されており、略中央部に、後述する点灯装置3及び取付部4を配設するための円形状凹部11及び開口12が形成されている。」と記載されている。そうすると、請求項1に記載の「略中央に開口を有する器具本体」は発明の詳細な説明に記載されたものであるといえる。 また、段落【0023】には「本体1の中央部に形成された凹部11」と記載されており、図2からは、取付部4(アダプタガイド)の外周と対向する壁を有して本体1に設けられた凹部11が看取できる。そうすると、請求項1に記載の「前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部」は、発明の詳細な説明及び図面に記載されたものであるといえる。 ここで、上記(1)ウ及びエの主張は、「器具本体の開口」がどのように形成されているか、「凹部」が器具本体の略中央部乃至中央部にどのように形成されているか、発明の詳細な説明には記載がないとするものであるが、そもそも請求項1には、「器具本体の開口」や「凹部」が器具本体の略中央部乃至中央部に形成することについて特定しているわけではない。そうすると、上記(1)ウに係る主張は、特許請求の範囲の記載に基づかないものであるといわざるを得ない。 よって、上記(1)ウ及びエの主張は失当であり、採用できない。 7 申立理由B3について (1)申立理由B3の概要 申立理由B3の概要は次のとおりである。 ア 請求項1に記載の「照明器具」は、「アダプタガイド」、「基板」及び「点灯装置」を重複して具備することになり、それらをどのように具備するかが明確でない。 イ 発明の詳細な説明には、「(円形状)凹部11」と開口12との両方を器具本体の略中央部乃至中央部にどのように形成するかについて、具体的な記載は全く存在していない。しかも、本件の図面にも、へこみを意味するような「凹部」を器具本体に形成することについては全く記載されていない。それ故、「前記アダプタガイドの外周側」と、「前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部」とにより形成される空間が具体的に特定できないし、点灯装置の配置位置も具体的に特定できない。 (2)判断 ア 上記(1)アについて 上記5(2)アで述べたとおり、請求項1に記載の「照明器具」は、「アダプタガイド」、「基板」及び「点灯装置」を重複して具備するものであるとはいえない。 そして、段落【0013】には、「図1乃至図3において、照明器具は、本体1と、光源部2と、点灯装置3と、取付部4と、カバー部材5と、反射板6とを備えている。」と記載され、図2にはそのような照明器具が図示されている。 そうすると、当業者であれば、上記段落【0013】及び図2の記載から「アダプタガイド」、「基板」及び「点灯装置」を具備する「照明器具」である本件発明を製造又は使用できることは、当業者にとって明らかである。 したがって、請求項1に係る発明についての発明の詳細な説明は、発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものである。 よって、上記(1)アの主張は失当であり、採用できない。 イ 上記(1)イについて 上記5(2)アで述べたとおり、請求項1に記載の「前記アダプタガイドの外周側と、前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部と、により形成された空間」において、「凹部」及び「空間」はそれぞれ明確である。また、請求項1には「器具本体11の収納部15の環状の空間14には、インバータ回路を有する放電点灯灯装置25が配設され」と記載されている。 そして、段落【0014】には「本体1は、・・・略中央部に、後述する点灯装置3及び取付部4を配設するための円形状凹部11及び開口12が形成されている。」と記載され、図2には、本体1の凹部11及び開口12が具体的に示されており、また、図2から、アダプタガイドの外周側と、アダプタガイドの外周と対向する壁を有して本体1に設けられた凹部11と、により形成された空間、及び、当該空間に配置される点灯装置3が看取される。 したがって、発明の詳細な説明の記載から、照明装置における「空間」及び「点灯装置」の配置位置を特定することは十分にできる。 そうすると、当業者であれば、上記段落【0014】及び図2の記載から、上記「空間」に配置された「点灯装置」を具備する本件発明を製造又は使用できることは明らかである。 したがって、請求項1に係る発明についての発明の詳細な説明は、発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものである。 よって、上記(1)アの主張は失当であり、採用できない。 8 申立理由B4について (1)対比 本件発明と甲B1発明とを対比する。 ア 甲B1発明の「LED照明器具」及び「備え」は、それぞれ、本件発明の「照明器具」及び「具備し」に相当する。 イ 甲B1発明の「本体外周部Dと本体外周傾斜部3と略中央部に開口を有する水平面とで構成される本体部1」は、本件発明の「略中央部に開口を有する器具本体」に相当する。 ウ 甲B1発明の「底部にネジ付口金オスAを取り付け」た「カップ型の取り付けつまみ部4」は、「背面側開口を有し」、「略円筒状に形成され、本体部1の水平面の開口に取付けられ、前面側に延出され」、「ネジ付口金オスAはネジ付口金のメス6に結合され」るから、本件発明の「前面側開口および背面側開口を有して略円筒状に形成され、前記器具本体の開口に取付けられ、前面側に延出されている、取付部としてのアダプタガイド」と、「背面側開口を有して略円筒状に形成され、前記器具本体の開口に取付けられ、前面側に延出されている、取付部としてのアダプタガイド」という点で共通する。 エ 甲B1発明の「本体外周傾斜部3に配置した複数のLED発光体2を配置した別の電子基板」は「本体部1の開口を囲むように配置され」ているから、本件発明の「複数の発光素子が実装され、前記発光素子の実装面が前面側へ向けられ、前記器具本体の開口を囲むように前記器具本体に配設された基板」と、「複数の発光素子が実装され、前記器具本体の開口を囲むように前記器具本体に配設された基板」という点で共通する。 オ 甲B1発明の「カップ型の取り付けつまみ部4の外周側と、カップ型の取り付けつまみ部4の外周と対向する本体外周傾斜部3と本体部1の水平面とで形成された空間に配置された電子回路C」は、甲B1の図3も踏まえると「本体外周傾斜部3」と「本体部1の水平面」とで「本体部1」の凹部が形成されていること、「電子回路Cに人感センサーユニットを組み合わせることで、自動に点灯・消灯ができる」ことから、本件発明の「前記アダプタガイドの外周側と、前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部と、により形成された空間に配置され、かつ前記アダプタガイドの外周に沿う、前記複数の発光素子を点灯制御する点灯装置」と、「前記アダプタガイドの外周側と、前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部と、により形成された空間に配置され、前記複数の発光素子を点灯制御する点灯装置」という点で共通する。 カ 甲B1発明の「本体部1の略中央部前方から見て、電子回路Cは、カップ型の取り付けつまみ部4の外周側に位置し」、「本体部1の略中央部前方から見て、別の電子基板は、カップ型の取り付けつまみ部4の外周側で電子回路Cの外側に位置」することは、本件発明の「前記器具本体の略中央部前方から見て、前記点灯装置は、前記アダプタガイドの外周側に位置し、前記基板は、前記アダプタガイドの外周側で前記点灯装置の外側に位置する」ことに相当する。 以上のことから、本件発明と甲B1発明との一致点、相違点は次のとおりと認められる。 <一致点B1> 「略中央部に開口を有する器具本体と、 背面側開口を有して略円筒状に形成され、前記器具本体の開口に取付けられ、前面側に延出されている、取付部としてのアダプタガイドと、 複数の発光素子が実装され、前記器具本体の開口を囲むように前記器具本体に配設された基板と、 前記アダプタガイドの外周側と、前記アダプタガイドの外周と対向する壁を有して前記器具本体に設けられた凹部と、により形成された空間に配置され、前記複数の発光素子を点灯制御する点灯装置と、 を具備し、 前記器具本体の略中央部前方から見て、前記点灯装置は、前記アダプタガイドの外周側に位置し、前記基板は、前記アダプタガイドの外周側で前記点灯装置の外側に位置することを特徴とする照明器具。」 <相違点B1-1> アダプタガイドについて、本件発明では、「前面側開口」を有しているのに対して、甲B1発明では、「底部にネジ付口金オスAを取り付けて」いる点。 <相違点B1-2> 基板について、本件発明では、「発光素子の実装面が前面側へ向けられ」ているのに対して、甲B1発明では、「本体外周傾斜部3に配置」されている点。 <相違点B1-3> 点灯装置について、本件発明では、「アダプタガイドの外周に沿う」のに対して、甲B1発明では、そのように特定されていない点。 (2)判断 まず、相違点B1-1について検討する。 甲B1の【請求項1】の「電子基板にLED発光体を配置した薄型の発光面と、ネジ付口金を取り付けた底下げ式のネジ付口金部を組み合わせた、着脱可能で薄型の構造をもつ着脱式薄型LED照明器具」との記載、段落【0004】の「照明器具全体の高さを低く抑えると共に照射角を広くし、広範囲に照らすことを課題とする。」との記載、段落【0010】の「この考案は、LED発光体を配置した円盤状の電子基板と、その外周部にLED発光体を配置した別の電子基板を、傾斜をつけてとりつけることでより広範囲を照らすことができ、本体部分のカップ型の取り付けつまみの内側底に凸型のネジ付口金のオスを取り付け、突起状のネジ付口金のメスに取り付けつまみを覆い被せ、取り付けつまみの底部で口金を結合させることで、照明器具全体の高さを低くし薄型構造を可能としている。」との記載から、甲B1発明は、照明器具全体の高さを低くし薄型構造を可能することを課題とし、「カップ型の取り付けつまみ部4」の「底部」に「取り付け」た「ネジ付口金オスA」を「ネジ付口金のメス6」に「結合」することが課題解決手段であると認められる。 そうすると、甲B1発明において、「カップ型の取り付けつまみ部4」の「底部」に「取り付け」た「ネジ付口金オスA」は課題解決に必須の構成である。 してみると、甲B1発明において、「ネジ付口金オスA」を「底部」に「取り付け」た「カップ型の取り付けつまみ部4」を他の代替手段に代えた場合、上記「照明器具全体の高さを低くし薄型構造を可能する」との課題を解決できるとはいえないし、当該課題を解決するためには、更なる創意工夫が要求されることとなる。そうすると、甲B1発明において、「ネジ付口金オスA」を「底部」に「取り付け」た「カップ型の取り付けつまみ部4」を他の手段に代替する動機付けはなく、また、上述のように「カップ型の取り付けつまみ部4」の「底部」に「取り付け」た「ネジ付口金オスA」は課題解決に必須の構成であるから、むしろ代替すること自体に阻害要因があると言わざるを得ない。 また、甲B2には、引掛ローゼットの下面に着脱可能なアダプタを介して照明器具を天井に取り付けることが記載され、甲B3には、蛍光灯の安定器から電力を受けるための端子105を備えた蛍光灯形LED照明装置が記載され、甲B4には、天井裏からの交流電源を直接接続するLED照明装置、及び、電源内蔵型本体181がエジソンベースソケットES1,ES2を介して商用電源に接続されるLED照明装置20が記載されている。とはいえ、甲B2~B4には、取付部としてのアダプタガイドは記載されていないから、上記相違点B1-1に係る本件発明の構成を開示していない。 以上のとおりであるから、甲B1発明及び甲B2~B4に記載された技術事項に基づいて上記相違点B1-1に係る本件発明の構成とすることは、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。 申立人Bは、甲B2~B4を根拠に、照明器具を天井等に取付け、商用電源に接続するための手段としての直付け、ソケット、引掛けシーリング、これらを相互に置換すること、及び、引掛けシーリングを採用する際に、引掛けシーリングと照明器具とを電気的に接続するアダプタやアダプタガイドを用いることは、原出願日前に周知技術であり、甲B1発明において、ネジ付口金オスAの代わりに取付部としての前面側開口を有するアダプタガイドを採用することは当業者にとって容易であると主張する。 しかしながら、上述したように、甲B1発明において、「ネジ付口金オスA」を「底部」に「取り付け」た「カップ型の取り付けつまみ部4」を他の手段に代替する動機付けはなく、むしろ阻害要因があるから、取付部としての前面側開口を有するアダプタガイドが周知技術であるとしても、甲B1発明及び上記周知技術に基づいて上記相違点B1-1に係る本件発明の構成とすることは、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。 よって、本件発明は、相違点B1-2、B1-3について検討するまでもなく、甲B1発明及び甲B2~B4に記載された技術事項又は上記周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立理由及び証拠によっては、本件発明に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-701174

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    同じ当事者: 東芝ライテック株式会社、梯 京子、西村 太一
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    同じ当事者: 東芝ライテック株式会社、梯 京子
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