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商標取消審判

2021-300989

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審判番号
2021-300989
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2017-077678
登録番号
6032885
請求日
2021年12月09日
審決日
2023年03月01日
公報発行日
2023年08月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】安克創新有限公司
  • 【請求人代理人】TRY国際弁理士法人
  • 【被請求人】カシオ計算機 株式会社
  • 【被請求人代理人】羽切 正治
  • 【被請求人代理人】仲村 圭代
  • 【被請求人代理人】小野 博喜
審判長/審判官
  • 審判長 小松 里美
  • 審判官 鈴木 雅也
  • 審判官 小林 裕子
分類
T132 .1 -Y (W09)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第2号、商標法第2条第3項第8号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第6032885号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6032885号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成29年6月12日に登録出願、第9類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同30年4月6日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和3年12月24日である。 なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である平成30年(2018年)12月24日から令和3年(2021年)12月23日までを、以下「要証期間」という場合がある。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,アプリケーションソフトウエア,電子応用機械器具及びその部品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書において、その理由を要旨次のように述べ、甲第1号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,アプリケーションソフトウエア,電子応用機械器具及びその部品」(以下「取消請求商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、令和4年2月14日付け審判事件答弁書及び同年3月24日付け審判事件答弁書(2)において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証(枝番号を含む。なお、枝番号の全てを引用する場合は、枝番号を省略して記載する。)を提出した。 1 本件商標の使用について (1)本件商標の通常使用権者による使用について(乙1) 被請求人は、健康保険組合の主要業務を支援するために、被請求人のグループ会社の一つであって、被請求人が100%出資するカシオヒューマンシステムズ株式会社を通常使用権者として、健保総合システム「VoiceRadar」に関する役務の提供と、これに関するソフトウェア等の販売を行っている。 なお、通常使用権は、専用使用権と異なり、登録をしなくとも効力を有するものであって、カシオヒューマンシステムズ株式会社は、被請求人が100%出資するグループ会社であるといった関係から見ても、両者の間には、通常使用権許諾契約が成立しているのは明らかである。 乙第1号証の1は、被請求人のウェブサイト中の「国内グループ主要企業一覧」のページであって、カシオヒューマンシステムズ株式会社が被請求人のグループ会社であることを示す。 乙第1号証の2は、カシオヒューマンシステムズ株式会社のウェブサイト中の「会社概要」のページであって、被請求人が100%出資する事実を示す。 (2)乙第2号証について ア 乙第2号証の1は、健保総合システム「VoiceRadar」のウェブサイトであって、トップページにおいて本件商標である「VoiceRadar」の記載が確認でき、「35年以上にわたって健康保険組合の業務を支えながら、お客様の声を活かして成長してきた健保総合システムVoiceRadar。」と記載されている。 イ 乙第2号証の2は、カシオヒューマンシステムズ株式会社のウェブサイト中の「選ばれる理由」のページであって、1988年から継続して「VoiceRadar」を使用している事実を示す年表が確認できる。 また、乙第2号証の1の「WHY VOICE RADAR?」の欄のPOINT01では、「レセプト管理・分析システムと一体化した基幹業務をストレス無く直感的な操作で実行できる」との記載があり、「OUR PRODUCTS」の欄では、被保険者登録画面の使用例が示されているように、健保総合システム「VoiceRadar」の利用にはソフトウェアが介在することは明白であり、システム導入時やバージョンアップの際には顧客端末にソフトウェアをダウンロードしてインストールさせたり、ソフトウェアを格納したコンパクトディスクの形態で販売することは一般的な手法である。 ウ 乙第2号証の3は、カシオヒューマンシステムズ株式会社のウェブサイトの「導入事例」中の「産經健康保険組合」の導入事例の紹介ページである。「システム導入時期:平成24年」と記載されていることからも、産經健康保険組合は、現在に至るまで健康保険組合システムVoiceRadarを利用しているのであって、平成24年から継続して本件商標「VoiceRadar」を使用している事実を示す。 (3)乙第3号証について ア 乙第3号証の1は、健康保険組合システムのソフトウェアが格納されたコンパクトディスクの盤面をコピー機で印刷した画像であって、「健康保険組合システム/「Voice Rader CD-PACK(標準、オプション、バージョンアップ含む)(SD-HS100CD)(Date 2021.03.30)」をコンパクトディスクの形態で販売している事実を示す。コンパクトディスクの盤面には、本件商標「VoiceRadar」が記載され、作成日として「Date 2021.03.30」の日付が確認できる。 イ 乙第3号証の2は、「健康保険組合システム/「Voice Rader CD-PACK(標準、オプション、バージョンアップ含む)(SD-HS100CD)(Date 2021.03.30)」に同梱される「基幹システム操作マニュアル」であって、表紙には本件商標「VoiceRadar」が記載され、奥付には発行年月日として「2021年01月15日」の日付が確認できる。なお、「基幹システム操作マニュアル」のページ数は膨大であるため、表紙から目次までと奥付・裏表紙のページのみを抜粋した。 ウ 乙第3号証の3は、健康保険組合システムVoiceRadarのシステム解説書であって、表紙には本件商標「VoiceRadar」が記載され、奥付には発行年月日として「2020年8月14日」の日付が確認できる。なお、本件商標の使用事実に関連のある部分のページを抜粋した。 エ 乙第3号証の4は、注文書の写しであって、カシオヒューマンシステムズ株式会社が、顧客である日本火薬健康保険組合(審決注:「日本化薬健康保険組合」の誤記と認め、以下、修正して記載する。)から2021年6月9日付けで「カシオ健保総合システム「新VoiceRader」(基幹システムハードウェア/POWEREDGEサーバー/マイナンバーサーバー/PC端末×2・無停電装置/SP6020(レーザープリンター)、24インチワイドモニター×2/ノートPC(統合端末)及び基幹システムソフトウェア/セッティング(健保基本・月報・予算・決算・統計))」を注文書により受注した事実を示す。なお、金額部分についてはマスキングを施した。 オ 乙第3号証の5は、注文証の写しである。前記日本化薬健康保険組合は、乙第3号証の4で示す注文書記載のカシオ健保総合システム「新VoiceRader」(ソフトウェア及びハードウェア一式)の支払いをリースで行うため、昭和リース株式会社とリース契約を締結したが、該昭和リース株式会社(買主)が、カシオヒューマンシステムズ株式会社(売主)に対して、2021年9月1日付けで「日本化薬健康保険組合」を借主とする注文証を出した事実を示す。なお、金額部分についてはマスキングを施した。 カ 乙第3号証の6は、物品受領書の写しである。カシオヒューマンシステムズ株式会社と昭和リース株式会社との売買契約完了により、前記日本化薬健康保険組合は、2021年9月21日付けで「健康保険組合システム/「Voice Rader CD-PACK(標準、オプション、バージョンアップ含む)(SD―HS100CD)」を受領し、物品受領書をカシオヒューマンシステムズ株式会社に提出した事実を示す。 キ 乙第3号証の7は、入庫伝票(売上伝票)の写しであって、2021年9月30日付けで「健康保険組合システム/「Voice Rader CD-PACK(標準、オプション、バージョンアップ含む)(SD-HS100CD)」の売上について、カシオヒューマンシステムズ株式会社が、前記昭和リース株式会社に入庫伝票(売上伝票)を出した事実を示す。なお、金額部分についてはマスキングを施した。 ク 上記の乙第3号証に示す事実により、前記日本化薬健康保険組合は、2021年9月21日にカシオヒューマンシステムズ株式会社に提出した物品受領書の提出以降、乙第3号証の4に示す「カシオ健保総合システム「新VoiceRader」(基幹システムハードウェア/POWEREDGEサーバー/マイナンバーサーバー/PC端末×2・無停電装置/SP6020(レーザープリンター)、24インチワイドモニター×2/ノートPC(統合端末)及び基幹システムソフトウェア/セッティング(健保基本・月報・予算・決算・統計))」を現在に至るまで、継続して使用していることが明らかであり、前記使用事実は、要証期間内の使用であることは明らかである。 (4)乙第4号証について 乙第4号証は、カシオヒューマンシステムズ株式会社による使用の事実を証明する書面であって、上記の乙第3号証の3ないし乙第3号証の5で示す各取引書類により、乙第3号証の1で示す「健康保険組合システム/「Voice Rader CD-PACK(標準、オプション、バージョンアップ含む)(SD-HS100CD)(Date 2021.03.30)」の販売があった事実を証明する書面である。 (5)上記の乙各号証で示すとおり、被請求人は、通常使用権者であるカシオヒューマンシステムズ株式会社を通して、本件商標を、少なくとも、第9類「電子計算機用プログラム,アプリケーションソフトウエア,電子応用機械器具及びその部品」について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において継続して使用していることは明らかである。 2 むすび 以上のとおり、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品についての登録商標の使用をしていた事実が乙各号証から明らかであるから、請求人の本件商標に対する登録取消しの請求は成り立たない。 したがって、本件商標は、商標法第50条の規定には該当しないことは明白である。 第4 当審の判断 1 被請求人の提出に係る証拠は、以下のとおりである。 (1)乙第1号証の1は、被請求人の主張によれば、商標権者のウェブサイト中の「国内グループ企業一覧」のページであるところ、「国内グループ主要企業一覧」の見出しの下、「本社」である商標権者を先頭に、その他国内グループ企業10社が掲載されており、その中に「カシオヒューマンシステムズ株式会社」が記載されている。 (2)乙第1号証の2は、カシオヒューマンシステムズ株式会社のウェブサイト中の「会社概要」のページであるところ、「コーポレートデータ」の見出しの下、「会社名 カシオヒューマンシステムズ株式会社」、「資本金 3億1千万円(カシオ計算機株式会社100%出資)」の記載がある。 (3)乙第2号証の1は、カシオヒューマンシステムズ株式会社のウェブサイト中の「健保総合システム Voice Radar」のページ(全6葉)である。 1葉目には、青色の長方形内に「健保総合システム」の文字とその下に太字で大きく「Voice Radar」(別掲2)の文字が表されている。 また、3葉目には、「OUR PRODUCTS」の表題の下、「お客様の声を取り入れ、常に進化し続けるパッケージシステム」及び「健保総合システム」の記載がある。 さらに、4葉目には、「運用サポート」の項に「・・・ソフトウェア機能改善など健康保険組合に携わるそれぞれの役割に応じたサポートをきめ細かく行っています。」の記載がある。 (4)乙第2号証の3は、カシオヒューマンシステムズ株式会社のウェブサイトの導入事例「健康保険組合システム Voice Radar」のページであるところ、「健康保険組合システム Voice Radarの取扱いにつきましては、2017年4月1日より、カシオ情報機器株式会社からカシオヒューマンシステムズ株式会社に変更しております。」の記載がある。 (5)乙第3号証の1は、被請求人の主張によれば、健康保険組合システムのソフトウェアが格納されたコンパクトディスク(2枚)の盤面の画像である。 一方は、「健康保険組合システム/Voice Radar CD-PACK(標準)」、もう一方は「健康保険組合システム/Voice Radar CD-PACK(オプション)」である。また、双方のコンパクトディスクには、いずれも共通して太字で表した「VoiceRadar」の文字(別掲3)、「Date 2021.03.30」、「CASIO HUMAN SYSTEMS CO.,LTD.」の記載がある。 乙第3号証の2及び3は、「健康保険組合システム/VoiceRadar」の操作マニュアル(2021年1月15日発行)及びシステム解説書(2020年8月14日発行)である。 (6)乙第3号証の4は、日本化薬健康保険組合がカシオヒューマンシステムズ株式会社宛てに作成した2021年6月9日付けの「注文書」である。 当該注文書には、「下記の通り注文いたします」の記載の下、「納期 2021年9月」、「納入場所 当健保事務所」及び「支払方法 5年リース」の記載がある。また、「品名(規格)」「数量」「単位」「金額」等の項目からなる表があり、その「品名(規格)」欄には、「カシオ健保総合システム「新Voice Rader」」の記載の下、「基幹システムハードウェア/POWEREDGEサーバー/マイナンバーサーバー、PC端末×2・無停電装置、SP6020(レーザープリンター)、24インチワイドモニター×2、ノートPC(統合端末)」、及び「基幹システムソフトウェア/セッティング(健保基本・月報・予算・決算・統計)」の記載がある。 (7)乙第3号証の5は、買主である昭和リース株式会社が売主であるカシオヒューマンシステムズ株式会社宛てに作成した2021年9月1日付けの「注文証」である。 当該注文証には、「借主」「決済条件」「引渡時期」等の項目からなる表があり、その「借主」欄には「日本化薬健康保険組合」の記載、「引渡時期」欄には「2021年9月21日」の記載がある。 (8)乙第3号証の6は、日本化薬健康保険組合がカシオヒューマンシステムズ株式会社宛てに作成した2021年9月21日付けの「物品受領書」である。 当該受領書には、「下記の通り受領しました。」の記載の下、「POWEREDGE-T340-SET 基幹サーバー」他18件の型番及び品名が記載された表があり、その中には「SD-HS100CD CD-PACK」の記載がある。 (9)乙第3号証の7は、カシオヒューマンシステムズ株式会社が昭和リース株式会社宛てに作成した「1.入庫伝票(売上伝票)」である。 当該伝票には、2021年9月30日を発行日とする取引内容を示した表があり、「サーバー POWEREDGE-T340-SET」他5件の型番及び品名が記載され、その中には「CD-PACK SD-HS100CD」の記載があり、また、備考欄には「日本化薬健保様案件」の記載がある。 (10)乙第4号証の2は、カシオヒューマンシステムズ株式会社が被請求人宛てに作成した令和4年(2022年)3月14日付けの「使用事実証明書」である。 当該証明書において、カシオヒューマンシステムズ株式会社は、本件商標を本件商標権者から使用許諾を受けていること、カシオヒューマンシステムズ株式会社は自社が開発したソフトウェア「健康保険組合システム/Voice Radar CD-PACK(標準、オプション、バージョンアップ含む)(SD-HS100CD)(Date 2021.03.30)」をコンパクトディスクの形態で販売している旨述べ、資料1として乙第3号証の1と同一の書面を添付した。 2 上記1によれば、以下のとおり認めることができる。 (1)カシオヒューマンシステムズ株式会社は、本件商標権者が100%出資するグループ企業であり(乙1)、同社は、自身のウェブサイトに、「健保総合システム」に関する広告を掲載しており、当該「健保総合システム」の名称として、「VoiceRadar」の文字(別掲2。以下「使用商標1」という。)が記載されている(乙2の1)。なお、「健康保険組合システム Voice Radar」は、2017年4月1日より、カシオ情報機器株式会社からカシオヒューマンシステムズ株式会社に取扱いが変更された(乙2の3)。 (2)カシオヒューマンシステムズ株式会社は、2021年3月30日に、「健康保険組合総合システム」を内容とする商品「CD-PACK」(以下「使用商品」という。)を作成した(乙3の1)。使用商品には、青色の「VoiceRadar」の文字(別掲3。以下「使用商標2」という。)が付されている。 (3)日本化薬健康保険組合は、2021年6月9日に、カシオヒューマンシステムズ株式会社に対し、「カシオ健保総合システム「新Voice Rader」」と称する「POWEREDGEサーバー」を含むPC端末等一式を5年リースで支払う方法で注文した(乙3の4)。 そして、日本化薬健康保険組合は昭和リース株式会社とリース契約を結んだことが推認され、また、同年9月1日に、昭和リース株式会社(買主)は、カシオヒューマンシステムズ株式会社(売主)に対し、借主を日本化薬健康保険組合とし、引渡時期を2021年9月21日とする物件の注文証を作成した(乙3の5)。 また、2021年9月21日付けの「物品受領書」によれば、日本化薬健康保険組合はカシオヒューマンシステムズ株式会社から「POWEREDGE-T340-SET 基幹サーバー」を含む19件の一つとして「CD-PACK(SD-HS100CD)」を受領しており(乙3の6)、その後、カシオヒューマンシステムズ株式会社は、昭和リース株式会社に対し、日本化薬健康保険組合に係る案件として「CD-PACK(SD-HS100CD)」を含む「POWEREDGE-T340-SET(サーバー)」他5件の代金を請求したといえる(乙3の7)。 なお、カシオヒューマンシステムズ株式会社は「使用事実証明書」(乙4の2)において、自社が開発したソフトウェアを「健康保険組合システム/Voice Radar CD-PACK(標準、オプション、バージョンアップ含む)(SD-HS100CD)」と述べ、乙第3号証の1と同一の書面を示していることから、上記のとおり、日本化薬健康保険組合がカシオヒューマンシステムズ株式会社から受領した「CD-PACK(SD-HS100CD)」は、乙第3号証の1のコンパクトディスク画像と同一のものと推認できる。 3 上記1及び2によれば、以下のとおり判断できる。 (1)使用商標の使用者 カシオヒューマンシステムズ株式会社は、本件商標権者のグループ企業であって、本件商標権者とカシオヒューマンシステムズ株式会社には、密接な業務上の繋がりがあるといえること、また、被請求人(商標権者)は、カシオヒューマンシステムズ株式会社が、本件商標を本件商標権者から使用許諾を受けている旨述べている「使用事実証明書」を提出していることをあわせ考慮すると、本件商標権者は、本件商標の使用について、カシオヒューマンシステムズ株式会社に黙示の許諾を与えていたものとみて差し支えない。 したがって、使用商標の使用者はカシオヒューマンシステムズ株式会社であり、本件商標の通常使用権者といえる。 (2)使用商標 本件商標は、別掲1のとおり、「VoiceRadar」の文字を、やや幅の狭い太字の書体で横書きしてなるものである。 他方、使用商標1は、別掲2のとおり、「Voice Radar」の文字を、青色を背景として、白抜き、かつ、やや幅の狭い太字の書体で横書きしてなるところ、本件商標とは色彩が異なり、「Voice」及び「Radar」の間に半角程度のスペースの有無という差異を有するものの、その構成文字は同一であり、これらの差異によって称呼及び観念が異なるものとはならないから、使用商標1は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標とみて差し支えないものである。 また、使用商標2は、別掲3のとおり、「VoiceRadar」の文字を青色で、やや幅の狭い太字の書体で横書きしてなるところ、本件商標とは色彩のみが異なるものであって、外観において同視されるものであるから、使用商標2は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標とみて差し支えないものである。 (3)使用時期、使用商品及び使用行為 ア 日本化薬健康保険組合は、要証期間である2021年6月に、通常使用権者に対し、「カシオ健保総合システム「新Voice Rader」」と称する「POWEREDGEサーバー」を含むPC端末等一式を注文し、同じく要証期間である同年9月に、(日本化薬健康保険組合がリース契約を交わした昭和リース株式会社を介して、)通常使用権者から「POWEREDGEサーバー」を含むPC端末等を受領した。そして、その中には使用商標2が付された使用商品(CD-PACK)も含まれていたものといえる。 そして、「POWEREDGEサーバー」を含むPC端末等の一つである使用商品は、「カシオ健保総合システム」の構成品といい得るから、「カシオ健保総合システム」に関するコンピュータソフトウェアを記憶させたコンパクトディスクであるとみるのが相当である。そうすると、使用商品は、取消請求商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに含まれる商品(「コンピュータソフトウェアを記憶させたコンパクトディスク」)である。 イ 通常使用権者であるカシオヒューマンシステムズ株式会社は、自身のウェブサイトにおいて、「健保総合システム」について使用商標1を表示している。そして、同社は、2017年4月1日から「健康保険組合システム Voice Radar」を取り扱っていること、「健康保険組合システム Voice Radar」に関するシステム解説書が2020年8月に、また、操作マニュアルが2021年1月に発行されていること、2021年6月頃から上記アの取引が行われたことなどを合わせみれば、同社のウェブサイトにおいて、2017年4月頃から、少なくとも2021年6月頃まで継続して、「健康保険組合システム」について使用商標1を表示して広告が行われたものと推認して差し支えない。 そうすると、要証期間においても同様の状況であったといえる。 (4)小括 上記(1)ないし(3)によれば、通常使用権者であるカシオヒューマンシステムズ株式会社は、要証期間に、取消請求商品中「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる使用商品に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示して、日本化薬健康保険組合に引き渡したということができ、当該行為は、商標法第2条第3項第2号の「商品又は商品の包装に標章を付したものを引き渡す行為」に該当する。 また、通常使用権者であるカシオヒューマンシステムズ株式会社は、要証期間に、取消請求商品中「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる使用商品に関する広告を内容とする情報が掲載されたウェブサイトに、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示していたということができ、当該行為は、商標法第2条第3項第8号の「商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。 4 まとめ 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が、請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を使用していたことを証明したということができる。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-300989

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