商標取消審判
2021-300952
アライフヤザキ、エイライフヤザキ、アライフ、エイライフ、ヤザキ、ライフ
- 審判番号
- 2021-300952
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2007-079493
- 登録番号
- 5265496
- 請求日
- 2021年11月30日
- 審決日
- 2023年01月05日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】エーライフ ホールディングス エルエルシー
- 【請求人代理人】田中 尚文
- 【請求人代理人】渡部 彩
- 【被請求人】株式会社 エーライフ矢崎
- 【被請求人代理人】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 岩崎 安子
- 審判官 相崎 裕恒
- 分類
- T132 .1 -Y (X35) / T132 .11 -Y (X35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5265496号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5265496号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成19年7月2日に登録出願され、「防じんマスク・防毒マスク・溶接マスクの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同21年9月11日に設定登録され、令和元年9月24日に存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和3年12月16日であり、その請求の登録前3年以内の平成30年12月16日から令和3年12月15日までの期間を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定役務中、第35類の「防じんマスク・防毒マスク・溶接マスクの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「請求に係る指定役務」という。)についての商標登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務中、請求に係る指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、答弁に対し弁駁していない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第28号証(枝番号を含む。)を提出している。
1 被請求人は、静岡県裾野市に本社をおく矢崎総業株式会社の子会社であり(乙3)、1994年の設立以降、当該本社の店舗にて、日用雑貨を中心とした小売業を行っており、その他にも数多くの店舗を有する。店舗には、矢崎グループの従業員だけでなく、近隣の住民を中心に誰でも自由に出入りでき、様々な商品を販売している。
2 被請求人が経営する小売店の店舗入口の引き扉には、「A-LiFE矢崎(ロゴ)」(乙5)が付されており、小売等役務の出所表示の役割を果たしている。上記店舗の入口付近の机上には、商品カタログが顧客に閲覧可能なように置かれており(乙7)、これらのカタログにより、顧客は店舗内に陳列されていない商品を購入することができる。特に、防じんマスクも含め一定の種類しか陳列されていない商品に関しては、当該カタログは大変有効に機能する。購入システムとしては、店舗入口だけでなく、店舗内にも設置されたカタログを開いて商品を探し、傍らにある注文書にその場で所望の商品を記入し、店員に手交することで、商品が顧客の住所へ送付される仕組みになっている。
3 店舗で使用する車には、その運転席及び助手席のドアの窓付近に「A-LiFE矢崎(ロゴ)」(乙11)のステッカーが目立つように貼り付けられている。「防じんマスク」が当該陳列棚にない場合、カタログ販売で対応するシステムになっているところ、当該カタログ販売における商品送付のために利用される自動車に登録商標が付されている(乙11、乙15)。
4 陳列棚に置かれた商品カタログ「オレンジブック」の背表紙には「2020」と記載されている(乙17)。これは、当該カタログが、2020年より継続して店舗内に置かれ、現在に至っていることを意味する。また、「防じんマスク」に関する取引書類(乙18)には、日付と取引対象となった商品が明記されており、当該商品は、当該カタログに掲載されている防じんマスクである(乙19、乙20)。
5 令和4年3月の陳列棚の品揃えの変更まで、当該陳列棚には、店舗内にて使用されている商品カタログ「コレモール」(乙21)に掲載された防じんマスクと同一の商品が陳列されており、当該防じんマスクが品切れのための陳列棚になかった場合、顧客は、カタログ「コレモール」から防じんマスクを注文できるシステムとなっていた。
6 「防じんマスク」に関する取引書類(乙28)には、日付と商品が明記されており、当該商品は、インターネットサイトでの通信販売における画面(乙12)に掲載されている「防じんマスク」と同一の商品である。つまり、顧客は、当該防じんマスクをインターネットの通信販売で注文したのであり、当該取引書類は、インターネット経由で発注された防じんマスクが2021年1月に納品・請求に至ったことを示すものである。
第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)本件商標権者は、静岡県裾野市を所在地として、日用雑貨等の販売の事業を行う法人であり(乙3)、入口の扉に別掲2に示した商標(乙5。以下「使用商標」という。)を表示した店舗において、日用雑貨等の販売を行っている。
(2)本件商標権者の店舗では、防じんマスクを含む日用雑貨等の陳列販売を行っている(乙13の1、乙13の2)。加えて、店舗において閲覧が可能であるカタログを用いた注文販売を行っており、そのためにトラスコ中山株式会社が発行する「オレンジブック」という10冊組のカタログ(乙17。以下「本件カタログ」という。)を閲覧可能なものとして備えている。本件カタログのそれぞれの冊子の背表紙には、発行者とカタログの名称、それぞれの冊子の番号とともに「2020」と表示されている。
(3)本件カタログのそれぞれの冊子の背表紙には、それぞれの冊子に掲載されている商品の種別が示されており、番号が「6」の冊子の背表紙には、商品の種別として「マスク・耳栓」が示されている(乙17)。そして、本件カタログにおける「使い捨て式防じんマスク」のページ(乙19、乙20)には、同様に「マスク・耳栓」の表示がなされていることから、このページが本件カタログの番号が「6」の冊子のページであることが明らかである。
そして、このページに掲載された複数の商品のうちの一つである「使い捨て式防じんマスク」(以下「本件商品」という。)について、その品番が「T35A-DS2K」である旨が示されている。
(4)本件商標権者は、2021年4月6日に、顧客に本件商品を含む商品の注文を受け、これらの商品を同月14日に納品し、同月16日に代金をその顧客に請求した(乙18)。
2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
本件商標は、別掲1のとおりの構成からなり、「A-LiFE」の文字を赤の大小の楕円と組み合わせて図案化したロゴの横に「矢崎」の文字を組み合わせたものであるところ、使用商標は、別掲2のとおりであり、ロゴ中の「A-LiFE」の文字の一部の色彩が本件商標と異なるものの、本件商標と同様の態様において「A-LiFE」の文字を赤の大小の楕円と組み合わせて図案化したロゴの横に「矢崎」の文字を組み合わせたものであり、本件商標と称呼において同一といえるものであって、観念において異なるものではないことが明らかである。
よって、使用商標は、本件商標と社会通念上同一のものである。
(2)使用者について
上記1(1)のとおり、使用商標は、本件商標権者が日用雑貨等の販売を行っている店舗の入口の扉に表示されていることから、使用商標の使用者は、本件商標権者である。
(3)使用役務について
上記1(2)のとおり、本件商標権者は、使用商標を入口の扉に表示した店舗において、日用雑貨等の陳列販売に加えて、本件カタログを用いた注文販売を行っており、本件カタログを閲覧可能なものとしているのは、日用雑貨等の陳列に係る品揃えを補完する趣旨であることが明らかである。さらに、上記1(3)に示したとおり、本件カタログには「使い捨て式防じんマスク」が掲載されているから、本件商標権者は、販売目的で「使い捨て式防じんマスク」に係る商品の品揃えを行っており、これは「使い捨て式防じんマスク」の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(以下「使用役務」という。)であって、この使用役務は、請求に係る指定役務の範ちゅうの役務である。
(4)使用時期について
上記1(3)に示したとおり、本件カタログの背表紙には「2020」と表示されており、本件カタログが遅くとも2020年には、カタログ販売に用いるために使用商標を入口の扉に表示した店舗に備えられたものと推認され、さらに、上記1(4)に示したとおり、本件カタログに掲載された本件商品について2021年4月に注文、納品及び代金の請求がなされていることから、2021年4月に、使用商標を表示した店舗において上記(3)の使用役務が提供されたことが明らかである。
よって、使用商標は、要証期間内の使用といえる。
(5)使用行為について
以上によれば、本件商標権者は、使用役務を提供する店舗の入口の扉に使用商標を表示して広告展示したものといえるから、本件商標権者は、請求に係る指定役務の範ちゅうの役務である使用役務に関する広告に使用商標を付して展示する行為を行ったものであり、この行為は、商標法第2条第3項第8号の使用行為に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が請求に係る指定役務について本件商標を使用していたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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