商標取消審判
2021-300522
カリナ、キャリナ
- 審判番号
- 2021-300522
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2016-075225
- 登録番号
- 5936020
- 請求日
- 2021年07月09日
- 審決日
- 2023年07月12日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社 エスエム・エンタテインメント
- 【請求人代理人】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
- 【被請求人】株式会社 エイコー
- 【被請求人代理人】藤田 増夫
- 【被請求人代理人】水野 賢彦
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 岩谷 禎枝
- 分類
- T132 .1 -Y (W25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条、商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項、商標法第2条第3項第8号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5936020号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5936020号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、薄橙の長方形内に黒色で「carina」と「carina」の欧文字を2段に書してなり、平成28年6月28日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同29年3月31日に設定登録、その後、本件商標の指定商品については、商標権一部取消しの審判により、指定商品中、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,帽子,ガーター,靴下止め,バンド,ベルト」についての登録を取り消す旨の審決がされ、令和3年12月20日に審決が確定し、同4年1月18日に審決確定の登録がされているものである。
そして、本件審判請求の登録は、令和3年7月28日にされたものであり、この登録前3年以内の期間(平成30年7月28日~令和3年7月27日)を、以下「要証期間」という。
なお、本件商標の閉鎖登録原簿によると、本件商標に係る商標権は、分割(後期分)登録料の不納により同4年3月31日に消滅し、その抹消の登録が同年12月21日にされていることが認められる。
第2 請求人の主張の要点
請求人は、本件商標の指定商品中、第25類「エプロン,靴下,ショール,スカーフ,手袋,ネッカチーフ,マフラー,バンダナ,保温用サポーター」(以下「本件審判請求に係る指定商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を、要旨以下1のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
以下、証拠の表記に当たっては、「甲第1号証」を「甲1」、「乙第1号証」を「乙1」のように省略して記載する場合がある。
1 請求の理由
本件商標は、本件審判請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、令和3年9月13日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対し、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の主張の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨、以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 主張の要旨
本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)は、本件商標の登録時の平成28年頃より、本件商標と社会通念上同一の商標である「carina carina」を付した靴下(以下「本件商品」という。)を株式会社三越伊勢丹(以下「三越伊勢丹社」という。)において委託販売の形態で販売しており、現在まで、本件商標を継続的に使用している(乙1)。
2 本件商標の使用の事実
商標権者は、平成28年頃から現在まで、三越伊勢丹社の約10店舗(主にサテライトショップ)において、本件商品を陳列して販売している。
たとえば、三越伊勢丹社のサテライトショップの1つである三越大河原店(以下「大河原店」という。乙2) においては、本件商品について、令和元年7月21日から取扱いを開始することになり、商標権者は、同月12日、三越伊勢丹社より「取引条件申請書」を受領し、その内容を確認した上で、商標権者の代表者においてこれに署名押印し、三越伊勢丹社に提出した(乙3)。
その際、三越伊勢丹社より、大河原店における納品数・納品計画等が示され(乙4)、大河原店を含む仙台エリアにおいて、継続的に本件商品が陳列販売された。
令和3年6月11日から同年7月10日までの間の「買掛金支払明細表」(乙5) によれば、同期間における「売価」(三越伊勢丹社での売上高)は合計11万1,720円(税込)、「支払高」(三越伊勢丹社から商標権者への支払額)は合計6万1,902円(税込)に上る。
そして、「取引条件申請書」(乙3の2)と「買掛金支払明細表」(乙5)とを照らし合わせれば、大河原店において、令和3年7月8日、本件商品のうち「取引条件申請書」記載の商品(品番:5007、伝票番号:832S)が200円で販売されたことが認められる。
また、これまで、商標権者は、三越伊勢丹社との間において、本件商品について、販売、価格等の交渉のほか(乙6)、加工方法などの打合せもしながら(乙7)、継続的に陳列して販売してきた。
なお、商標権者は、三越伊勢丹社から、本件商品につき、不良品を指摘されることもあったが(乙8)、必要な対応をしており、三越伊勢丹社とは現在まで取引が継続している。
3 まとめ
以上のとおり、商標権者は、本件審判請求に係る指定商品中の「靴下」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を要証期間に使用していたことは明らかである。
第4 当審の判断
1 被請求人の立証責任
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、ア 要証期間に、イ 日本国内において、ウ 商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、エ 本件審判請求に係る指定商品のいずれかについての、オ 本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。
2 被請求人の提出した乙各号証によれば、以下の事実が確認できる。
(1)被請求人が2018年(平成30年)12月頃、商標権者である株式会社エイコー(以下「エイコー社」という。)が三越伊勢丹社において本件商品を陳列して販売したとする写真(乙1)、2019年(令和元年)12月18日にエイコー社の担当者が、三越伊勢丹社の担当者あてに発信した電子メールの写し(乙6の1)及び「<カリーナカリーナ>19FW クリアランス上代表」(乙6の2)によると、エイコー社の担当者は、同社の製造した取引先商品コード「AA1S0009」の靴下を、2020年(令和2年)初頭に三越伊勢丹社の店舗で開催された2019年秋冬クリアランスにおいて、平成30年12月頃と同様、当該商品の販売及び当該商品の広告を目的として商品の展示を行ったことが推認できる。
(2)「三越伊勢丹様 carina carina用 加工方法」(乙7の2)によると、取引先商品コード「AA1S0009」の靴下に付けられた紙製タグに別掲2のとおりの商標(以下「使用商標」という。)が付されていたことが確認できる。
そして、本件商標の構成中の薄橙の長方形は、2段に書された「carina」と「carina」の欧文字の背景図形にすぎず、薄橙の長方形を省略して使用しても、本件商標の要旨を変更するものとは認められないものであり、使用商標は、別掲2のとおり、黒色の「carina」と「carina」の欧文字を2段に書してなるものであるから、本件商標と使用商標は、外観において類似し、「カリーナカリーナ」の称呼を共通にする社会通念上同一の商標と判断するのが相当である。
(3)以上からすると、エイコー社は、同社が製造する靴下を要証期間である2020年(令和2年)の初頭に、三越伊勢丹社の店舗において、商品の販売及び商品の広告を目的として当該商品の展示を行った。
そして、商品「靴下」の紙製タグに、本件商標と社会通念上同一の使用商標が付されていたことが確認でき、使用商標が付された「靴下」は、本件審判請求に係る指定商品中の「靴下」と同一の商品である。
そうすると、商標権者による上記行為は、「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」(商標法第2条第3項第8号)に該当するものである。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において、本件商標権者が本件審判請求に係る指定商品中「靴下」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したと認め得るところである。
したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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